特許第6086415号(P6086415)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6086415シール装置およびこれを備えたゴムホースの連続加硫装置、並びに、シール方法およびこれを備えたゴムホースの連続加硫方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6086415
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】シール装置およびこれを備えたゴムホースの連続加硫装置、並びに、シール方法およびこれを備えたゴムホースの連続加硫方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 35/06 20060101AFI20170220BHJP
   B29K 21/00 20060101ALN20170220BHJP
   B29K 105/24 20060101ALN20170220BHJP
   B29L 23/00 20060101ALN20170220BHJP
【FI】
   B29C35/06
   B29K21:00
   B29K105:24
   B29L23:00
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-123351(P2016-123351)
(22)【出願日】2016年6月22日
【審査請求日】2016年11月18日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000233619
【氏名又は名称】株式会社ニチリン
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】特許業務法人梶・須原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 英樹
【審査官】 長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−241490(JP,A)
【文献】 特開平04−077215(JP,A)
【文献】 特開2012−187870(JP,A)
【文献】 特開平02−235610(JP,A)
【文献】 特開昭63−232217(JP,A)
【文献】 特開2008−137359(JP,A)
【文献】 特開2005−014233(JP,A)
【文献】 米国特許第9370908(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 35/00−35/18
B29K 21/00
B29K 105/24
B29L 23/00
B29D 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一層以上のゴム層を有するゴムホースが、蒸気で満たされた加硫管の内部を通過することで、前記ゴムホースが連続的に加硫されるゴムホースの連続加硫装置の出入口に、それぞれ配置されるシール装置であって、
一端が前記加硫管に接続され、他端側の側面に設けられた注入口から加圧された液体が注入される配管と、
前記配管の他端側の開口を塞ぐように前記配管に取り付けられ、前記ゴムホースの外径よりも大径であって前記ゴムホースが通過する孔を有するリング状部材と、
前記孔と前記ゴムホースとの隙間から前記配管の外に排出される前記液体の量よりも多量の前記液体を、前記注入口に注入するポンプと、
を有することを特徴とするシール装置。
【請求項2】
前記配管内の前記液体の液面の高さ位置を検出する液面計と、
前記液面計の検出結果に基づいて、前記液面の高さ位置が一定となるように前記ポンプの吐出量を制御する制御装置と、
をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のシール装置。
【請求項3】
前記配管内に設けられて前記注入口に対向配置され、前記注入口から注入された前記液体を前記一端側にガイドするガイド部材をさらに有することを特徴とする請求項1又は2に記載のシール装置。
【請求項4】
前記配管は、一端から他端にかけて下方に傾斜して配置されており、
前記配管の外に排出された前記液体を貯留する貯液槽をさらに有し、
前記ポンプは、前記貯液槽から汲み上げた前記液体を前記注入口に注入することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のシール装置。
【請求項5】
一層以上のゴム層を有するゴムホースが、蒸気で満たされた加硫管の内部を通過することで、前記ゴムホースが連続的に加硫されるゴムホースの連続加硫装置であって、
前記加硫管は、第1の加硫管と第2の加硫管とで構成されており、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシール装置と、
前記第1の加硫管と前記第2の加硫管との間に設けられ、内部を前記ゴムホースが通過するとともに、前記第1の加硫管と前記第2の加硫管とで前記ゴムホースの通過方向を異ならせる方向切換装置と、
を有し、
前記方向切換装置の内部が前記蒸気で満たされていることを特徴とするゴムホースの連続加硫装置。
【請求項6】
一層以上のゴム層を有するゴムホースが、蒸気で満たされた加硫管の内部を通過することで、前記ゴムホースが連続的に加硫されるゴムホースの連続加硫装置の出入口を、それぞれシールするシール方法であって、
一端が前記加硫管に接続された配管の他端側の側面に設けられた注入口から加圧された液体を注入する工程と、
前記配管の他端側の開口を塞ぐように前記配管に取り付けられたリング状部材が有する、前記ゴムホースの外径よりも大径の孔を、前記ゴムホースが通過する工程と、
を有し、
前記孔と前記ゴムホースとの隙間から前記配管の外に排出される前記液体の量よりも多量の前記液体を、ポンプで前記注入口に注入することを特徴とするシール方法。
【請求項7】
前記配管内の前記液体の液面の高さ位置を検出する工程と、
前記検出結果に基づいて、前記液面の高さ位置が一定となるように前記ポンプの吐出量を制御する工程と、
をさらに有することを特徴とする請求項6に記載のシール方法。
【請求項8】
前記配管内に設けて前記注入口に対向配置させたガイド部材で、前記注入口から注入された前記液体を前記一端側にガイドする工程をさらに有することを特徴とする請求項6又は7に記載のシール方法。
【請求項9】
一端から他端にかけて下方に傾斜して配置した前記配管の外に排出された前記液体を、貯液槽に貯留する工程をさらに有し、
前記ポンプで前記貯液槽から前記液体を汲み上げて前記注入口に注入することを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載のシール方法。
【請求項10】
一層以上のゴム層を有するゴムホースを、蒸気で満たされた加硫管の内部を通過させることで、前記ゴムホースを連続的に加硫するゴムホースの連続加硫方法であって、
前記加硫管を、第1の加硫管と第2の加硫管とで構成し、
請求項6乃至9のいずれか1項に記載のシール方法と、
前記第1の加硫管と前記第2の加硫管との間に設けられ、内部を前記ゴムホースが通過するとともに、前記第1の加硫管と前記第2の加硫管とで前記ゴムホースの通過方向を異ならせる方向切換装置の内部を、前記蒸気で満たす工程と、
を有することを特徴とするゴムホースの連続加硫方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一層以上のゴム層を有するゴムホースが連続的に加硫される連続加硫装置の出入口に、それぞれ配置されるシール装置およびこれを備えたゴムホースの連続加硫装置、並びに、シール方法およびこれを備えたゴムホースの連続加硫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一層以上のゴム層を有するゴムホースの製造方法として、特許文献1には、内面層、補強層、外面層がこの順に設けられた補強ホースの連続製造法が開示されている。この連続製造法においては、シリコーン油や、水溶性または非水溶性の熱媒体に加硫前の補強ホースを浸漬することで、加硫を行っている。
【0003】
ところで、ゴムホースの加硫時に、ゴムホースの形状が崩れないように、ゴムホースを樹脂で被覆する場合がある。このような樹脂は、加硫後のゴムホースから取り除かれて、再利用されている。しかし、特許文献1のように熱媒体で加硫を行うと、樹脂から熱媒体を除去しきれない場合があり、樹脂の再利用率が低下するという問題がある。
【0004】
そこで、熱媒体の代わりに水蒸気でゴムホースを加硫することが行われている。しかし、水蒸気で加硫する場合、蒸気圧が高いために、水蒸気をシールしている部位から、シール漏れを起こす可能性が高くなる。
【0005】
そこで、特許文献2では、加硫容器の出口を水封装置で水封し、加硫容器内で加硫されたゴム被覆ホースを水封された出口から外部に導出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3192183号明細書
【特許文献2】特許第4982417号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2では、ゴムホースに対してシール部材を適正な摩擦力で弾性接触させているため、水封装置の封水がシール部材を通過して外部に漏出するのを抑えることができるものの、シール部材が摩耗することでシール性が低下したり、ゴムホースがシール部材に圧迫されて変形などを起こし、水封装置内にゴムホースが詰まることで生産性が低下したりするおそれがある。また、シール部材とゴムホースとの擦れにより、ゴムホースの外面を傷つけてしまうおそれがある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、シール性および生産性を確保しながら、ゴムホースの外面が擦れにより傷つくのを防止することが可能なシール装置およびこれを備えたゴムホースの連続加硫装置、並びに、シール方法およびこれを備えたゴムホースの連続加硫方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一層以上のゴム層を有するゴムホースが、蒸気で満たされた加硫管の内部を通過することで、前記ゴムホースが連続的に加硫されるゴムホースの連続加硫装置の出入口に、それぞれ配置されるシール装置であって、一端が前記加硫管に接続され、他端側の側面に設けられた注入口から加圧された液体が注入される配管と、前記配管の他端側の開口を塞ぐように前記配管に取り付けられ、前記ゴムホースの外径よりも大径であって前記ゴムホースが通過する孔を有するリング状部材と、前記孔と前記ゴムホースとの隙間から前記配管の外に排出される前記液体の量よりも多量の前記液体を、前記注入口に注入するポンプと、を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、一層以上のゴム層を有するゴムホースが、蒸気で満たされた加硫管の内部を通過することで、前記ゴムホースが連続的に加硫されるゴムホースの連続加硫装置の出入口を、それぞれシールするシール方法であって、一端が前記加硫管に接続された配管の他端側の側面に設けられた注入口から加圧された液体を注入する工程と、前記配管の他端側の開口を塞ぐように前記配管に取り付けられたリング状部材が有する、前記ゴムホースの外径よりも大径の孔を、前記ゴムホースが通過する工程と、を有し、前記孔と前記ゴムホースとの隙間から前記配管の外に排出される前記液体の量よりも多量の前記液体を、ポンプで前記注入口に注入することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、配管内に注入された液体の一部は、リング状部材に設けられたゴムホースが通過する孔と、ゴムホースとの隙間から配管の外に排出されるが、配管の外に排出される液体の量よりも多量の液体を注入口から注入することで、残りが配管内に溜まる。この配管内に溜まった液体により、加硫管内の蒸気が外部に漏れることが防止される。これにより、シール性を確保することができる。また、孔とゴムホースとの隙間を流れて、配管の外に排出されつづける高圧の液体によって、ゴムホースとリング状部材とが擦れることが防止される。これにより、ゴムホースの外面が擦れにより傷つくのを防止することができる。また、孔はゴムホースの外径よりも大径であるので、ゴムホースが孔に圧迫され、変形などを起こして配管内に詰まることもない。よって、生産性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るゴムホースの連続加硫装置の斜視図である。
図2】シール装置の側面図である。
図3図2の要部Bの拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0014】
(ゴムホースの連続加硫装置の構成)
本発明の一実施形態であるゴムホースの連続加硫装置(連続加硫装置)は、一層以上のゴム層を有するゴムホースが、水蒸気で満たされた加硫管の内部を通過することで、ゴムホースが連続的に加硫されるものである。連続加硫装置100は、図1に示すように、出入口に、それぞれ配置されたシール装置1と、第1の加硫管2aと第2の加硫管2bとで構成された加硫管2と、第1の加硫管2aと第2の加硫管2bとの間に設けられた方向切換装置3と、を有している。
【0015】
ゴムホースは、内面層、補強層、外面層がこの順に設けられた構造をしている。ゴムホースは、マンドレルの周りに内面層を設け、この内面層の周りに補強層を設けたのちに、押出成形により外面層を被覆することで形成される。そして、ゴムホースの周りを樹脂で被覆した状態で、連続加硫装置100により加硫される。加硫後には、ゴムホースを被覆していた樹脂が除去されるとともに、ゴムホースからマンドレルが除去されて、ゴムホースは所定の形状に巻取られる。除去された樹脂は、再利用される。
【0016】
加硫管2は、その内部に高圧(例えば1MPa)の水蒸気が満たされている。水蒸気は、図示しない供給口から加硫管2内に供給される。第1の加硫管2aは、連続加硫装置100の入口から方向切換装置3にかけて設けられており、一方向に延びている。第2の加硫管2bは、方向切換装置3から連続加硫装置100の出口にかけて設けられており、第1の加硫管2aとは逆方向に延びている。加硫管2の内部をゴムホースが通過することで、ゴムホースが連続的に加硫される。なお、加硫に使用される蒸気は、水蒸気に限定されず、アルコール蒸気などであってもよい。
【0017】
方向切換装置3は、中空の容器3aと、導入管3bと、排出管3cと、を有している。容器3aの内部には、ゴムホースをガイドする円板状のターンリール(図示せず)が水平配置されている。導入管3bは、容器3aと第1の加硫管2aとを接続している。排出管3cは、容器3aと第2の加硫管2bとを接続している。
【0018】
第1の加硫管2a内を通過したゴムホースは、導入管3b内を通って容器3a内に導入され、ターンリールにガイドされて、その通過方向を180度変える。その後、ゴムホースは排出管3c内を通って容器3a内から排出され、第2の加硫管2b内を通過していく。このように、方向切換装置3は、第1の加硫管2aと第2の加硫管2bとで、ゴムホースの通過方向を異ならせるものである。
【0019】
本実施形態では、方向切換装置3の内部が高圧(例えば1MPa)の水蒸気で満たされている。即ち、容器3a、導入管3b、および、排出管3cの内部が、それぞれ水蒸気で満たされている。このように、方向切換装置3の内部を水蒸気で満たすことで、従来はゴムホースの通過方向を異ならせるだけであった方向切換装置3においても、加硫を行うことができる。
【0020】
特許文献1では、熱媒体による1次加硫を行った後に、ゴムホースを熱板まで搬送し、熱板で2次加硫を行っている。しかし、このような構成では、1次加硫により加熱されたゴムホースの温度は、熱板に搬送されるまでの間に低下してしまう。そのため、2次加硫において、ゴムホースの温度を再度上昇させる必要があり、加硫効率が悪い。
【0021】
また、熱媒体で加硫を行う場合において、省スペースの観点から、図1のように、方向切換装置でゴムホースの通過方向を異ならせる場合、方向切換装置の内部に熱媒体を充填して、この熱媒体を加硫に適した温度に加熱するのは、コスト面や装置構成上、非現実的である。そのため、このような場合には、方向切換装置では加硫を行わないのが一般的である。よって、方向切換装置を通過する間にゴムホースの温度が低下するので、下流側の加硫管において、ゴムホースの温度を再度上昇させる必要があり、加硫効率が悪い。
【0022】
これに対して、本実施形態では、第1の加硫管2a、方向切換装置3、第2の加硫管2bの順番で、連続して加硫を行うことができるので、加硫中にゴムホースの温度が低下しない。よって、加硫中に低下したゴムホースの温度を再度上昇させる必要がないので、加硫効率を向上させることができる。また、第1の加硫管2aの出口、および、第2の加硫管2bの入口を、それぞれシールする必要がないので、シールに起因する不具合を低減させることができる。
【0023】
(シール装置の構成)
次に、連続加硫装置100の出入口に、それぞれ配置されたシール装置1について説明する。なお、連続加硫装置100の入口に配置されたシール装置1と、連続加硫装置100の出口に配置されたシール装置1とは、一部を除いてその構成が同じであるため、主に入口に配置されたシール装置1について説明する。
【0024】
図1をA方向から見た、シール装置1の側面図である図2に示すように、シール装置1は、配管11と、ポンプ13と、を有している。配管11は、一端(図中左側)から他端(図中右側)にかけて下方に傾斜して配置されている。配管11は、加硫管2とほぼ同径であり、その一端は加硫管2に接続されている。配管11の他端側の側面には、注入口が設けられている。ポンプ13は、この注入口から、加硫管2の内部に満たされた水蒸気よりも高い圧力(例えば1.1MPa)の水を配管11内に注入する。なお、配管11内に注入される液体は水に限定されず、アルコール等の、ゴムホースに付着しても汚さないものであってもよい。
【0025】
後述するように、配管11内に注入された水の一部は、配管11の外に排出される。ポンプ13は、配管11の外に排出される水の量よりも多量の水を、注入口に注入する。これにより、配管11内に水が溜まる。
【0026】
また、シール装置1は、液面計14と、制御装置15と、を有している。液面計14は、配管11内の水面の高さ位置を検出する。液面計14は、例えば、水位の上限位置と下限位置とに、それぞれ設けられたセンサで構成される。制御装置15は、液面計14の検出結果に基づいて、水面の高さ位置が一定となるように、ポンプ13の吐出量を制御する。
【0027】
また、シール装置1は、貯液槽16を有している。貯液槽16は、配管11の外に排出された水を貯留する。貯液槽16の水面は、配管11の外に排出される水が通る、後述の孔12aよりも高くされている。よって、配管11の外に排出された水は、貯液槽16内の水の中に排出されるので、配管11の外に排出された水が、周囲に飛散することが防止される。ポンプ13は、貯液槽16に溜まった水を汲み上げて、注入口から配管11内に注入する。このように、ポンプ13によって、配管11と貯液槽16との間で水が循環される。
【0028】
図2の要部Bの拡大断面図である図3に示すように、シール装置1は、配管11に取り付けられたリング状部材12を有している。リング状部材12は、金属製であって、配管11の他端側の開口を塞ぐように、配管11に取り付けられている。リング状部材12は、ゴムホースが通過する孔12aを有している。この孔12aは、樹脂被覆後のゴムホースの外径よりも大径である。例えば、樹脂被覆後のゴムホースの外径が16mmの場合、孔12aの径は17mm程度である。よって、この孔12aとゴムホースとの隙間からは、配管11内の水が排出される。
【0029】
配管11は、直線状の管21と、管21よりも大径の第1接続部材22と、第1接続部材22との間に空間を形成する第2接続部材23と、第2接続部材23にその一部が嵌め込まれる第3接続部材24と、第4接続部材25と、を一端側から他端側にかけてこの順番で有している。
【0030】
管21は、他端にフランジ21aを有する。第1接続部材22は、フランジ21aにボルトで固定されている。第1接続部材22は、管21に連通する孔22aを有する。孔22aの周りには、一端側から他端側にかけて拡径するように傾斜された斜面を有する凸部22bが、他端側に向かって突出するように形成されている。
【0031】
第2接続部材23は、第1接続部材22に嵌合されている。第2接続部材23は、管21に連通する孔23aを有する。第2接続部材23と第1接続部材22の凸部22bとは離隔されている。第2接続部材23の側壁には、配管11内に水を注入するための注入口11aが設けられている。
【0032】
第3接続部材24は、一部が第2接続部材23の孔23aに挿入された状態で、第2接続部材23にボルトで固定されている。第3接続部材24の中央には、他端側から一端側にかけて径が漸減する流路24aが設けられている。第3接続部材24の、孔23aに挿入された部分の外面24bは、他端側から一端側にかけて縮径するように傾斜している。この外面24bと第1接続部材22の凸部22bとの間には、円環状の流路26が形成されている。
【0033】
第1接続部材22の凸部22bは、注入口11aに対向配置されている。凸部22bと第2接続部材23の側壁との間には、円環状の空間27が形成されている。また、第3接続部材24の外面24bは、凸部22bよりも内側において注入口11aに対向配置されている。注入口11aから注入された水は、空間27に溜まり、流路26を通って一端側に流れる。このように、凸部22bおよび第3接続部材24は、注入口から注入された水を一端側にガイドするガイド部材として機能する。
【0034】
第4接続部材25は、第3接続部材24とでリング状部材12を挟んだ状態で、第3接続部材24に固定される。第4接続部材25の中央には、リング状部材12の孔12aに連通する開口25aが設けられている。この開口25aの径は、孔12aの径よりも大きい。
【0035】
なお、リング状部材12は、断面視において、その周縁部から孔12aにかけて傾斜している。連続加硫装置100の入口に配置されたシール装置1においては、ゴムホースが孔12aを他端側から一端側に向かって通過する。そのため、図3に示すように、リング状部材12の孔12aが周縁部よりも一端側に位置するように、リング状部材12を配置することで、孔12aの端にゴムホースが引っ掛かりにくいようにされている。一方、連続加硫装置100の出口に配置されたシール装置1においては、ゴムホースが孔12aを一端側から他端側に向かって通過する。よって、出口に配置されたシール装置1においては、リング状部材12は、図3に示す向きとは逆向きに配置される。
【0036】
(シール装置の動作)
上記の構成において、連続加硫装置100においてゴムホースの加硫が行われると、図2に示すように、ポンプ13により、注入口11aから加圧された水が配管11内に注入される。配管11内に注入された水の一部は、リング状部材12に設けられたゴムホースが通過する孔12aと、ゴムホースとの隙間から配管11の外に排出されるが、配管11の外に排出される水の量よりも多量の水を注入口11aに注入することで、残りが配管11内に溜まる。ポンプ13で貯液槽16内の水を汲み上げて、配管11内に注入し続けることで、配管11内の水量が維持される。
【0037】
このように、配管11内に溜まった水により、加硫管2内の水蒸気が外部に漏れることが防止される。これにより、シール性を確保することができる。
【0038】
図3に示すように、ゴムホースは、リング状部材12の孔12aを通過する。このとき、孔12aとゴムホースとの隙間を流れて、配管11の外に排出されつづける高圧の水によって、ゴムホースとリング状部材12とが擦れることが防止される。これにより、ゴムホースの外面が擦れにより傷つくのを防止することができる。また、孔12aはゴムホースの外径よりも大径であるので、ゴムホースが孔12aに圧迫され、変形などを起こして配管11内に詰まることもない。よって、生産性を確保することができる。
【0039】
配管11内に注入された水は、空間27に溜まり、流路26を通って一端側に流れる。このように、注入口11aから注入された水を一端側にガイドすることで、注入された水がそのまま配管11の外に排出されるのが抑制される。これにより、配管11内に水を好適に溜めることができる。また、凸部22bおよび第3接続部材24を注入口11aに対向配置することで、注入口11aから注入された高圧の水が、ゴムホースの側方からゴムホースに直接ぶつかるのを防止することができる。これにより、ゴムホースを安定して搬送することができる。
【0040】
図2に示すように、液面計14により配管11内の水面の高さ位置が検出され、制御装置15により、水面の高さ位置が一定となるように、ポンプ13の吐出量が制御される。これにより、配管11内に常に一定量の水を溜めることができるので、加硫管2内の水蒸気が外部に漏れるのを確実に防止することができる。
【0041】
配管11の外に排出された水は、貯液槽16に溜まる。貯液槽16に貯留された水は、ポンプ13で汲み上げられて、注入口11aから配管11内に注入される。このように、ポンプ13により配管11と貯液槽16との間で水を循環させることで、水の使用量を抑えることができる。
【0042】
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係るシール装置1およびシール方法によると、配管11内に注入された水の一部は、リング状部材12に設けられたゴムホースが通過する孔12aと、ゴムホースとの隙間から配管11の外に排出されるが、配管11の外に排出される水の量よりも多量の水を注入口11aから注入することで、残りが配管11内に溜まる。この配管11内に溜まった水により、加硫管2内の水蒸気が外部に漏れることが防止される。これにより、シール性を確保することができる。また、孔12aとゴムホースとの隙間を流れて、配管11の外に排出されつづける高圧の水によって、ゴムホースとリング状部材12とが擦れることが防止される。これにより、ゴムホースの外面が擦れにより傷つくのを防止することができる。また、孔12aはゴムホースの外径よりも大径であるので、ゴムホースが孔12aに圧迫され、変形などを起こして配管11内に詰まることもない。よって、生産性を確保することができる。
【0043】
また、配管11内の水の水面の高さ位置を検出し、水面の高さ位置が一定となるようにポンプ13の吐出量を制御する。これにより、配管11内に常に一定量の水を溜めることができるので、加硫管2内の水蒸気が外部に漏れるのを確実に防止することができる。
【0044】
また、注入口11aから注入された水を一端側にガイドすることで、注入された水がそのまま配管11の外に排出されるのが抑制される。これにより、配管11内に水を好適に溜めることができる。また、ガイド部材(凸部22b、第3接続部材24)を注入口11aに対向配置することで、注入口11aから注入された高圧の水が、ゴムホースの側方からゴムホースに直接ぶつかるのを防止することができる。これにより、ゴムホースを安定して搬送することができる。
【0045】
また、孔12aとゴムホースとの隙間から配管11の外に排出された水を貯液槽16に貯留し、ポンプ13で貯液槽16から水を汲み上げて注入口11aに注入する。このように、ポンプ13により配管11と貯液槽16との間で水を循環させることで、水の使用量を抑えることができる。
【0046】
また、本実施形態に係る連続加硫装置100および連続加硫方法によると、方向切換装置3の内部を水蒸気で満たすことで、従来はゴムホースの通過方向を異ならせるだけであった方向切換装置3においても、加硫を行うことができる。これにより、第1の加硫管2a、方向切換装置3、第2の加硫管2bの順番で、連続して加硫を行うことができるので、第1の加硫管2aおよび第2の加硫管2bのみで加硫を行うのに比べて、加硫中にゴムホースの温度が低下しない。よって、加硫中に低下したゴムホースの温度を再度上昇させる必要がないので、加硫効率を向上させることができる。また、第1の加硫管2aの出口、および、第2の加硫管2bの入口を、それぞれシールする必要がないので、シールに起因する不具合を低減させることができる。
【0047】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0048】
1 シール装置
2 加硫管
2a 第1の加硫管
2b 第2の加硫管
3 方向切換装置
3a 容器
3b 導入管
3c 排出管
11 配管
11a 注入口
12 リング状部材
12a 孔
13 ポンプ
14 液面計
15 制御装置
16 貯液槽
21 管
21a フランジ
22 第1の接続部材
22a 孔
22b 凸部
23 第2の接続部材
23a 孔
24 第3の接続部材
24a 流路
24b 外面
25 第4の接続部材
25a 開口
26 流路
27 空間
100 連続加硫装置
【要約】
【課題】シール性および生産性を確保しながら、ゴムホースの外面が擦れにより傷つくことを防止できるようにする。
【解決手段】一端が加硫管に接続され、他端側の側面に設けられた注入口11aから加圧された液体が注入される配管11と、配管11の他端側の開口を塞ぐように配管11に取り付けられ、ゴムホースの外径よりも大径であってゴムホースが通過する孔12aを有するリング状部材12と、孔12aとゴムホースとの隙間から配管11の外に排出される液体の量よりも多量の液体を、注入口11aに注入するポンプと、を有する。
【選択図】図3
図1
図2
図3