【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第1の態様は、被検者の顔面に装着されるエアウェイアダプタであって、
通気路を備え、当該通気路に流入する被検者の呼気に含まれる二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素センサの一部が装着可能とされたエアウェイケースと、
顔面装着時に被検者の鼻孔に挿入されて、鼻孔からの呼気を前記通気路に導く一対の挿入部を有するネーザルカニューラと、
顔面装着時に被検者の口の前方に配置されて、口からの呼気を前記通気路に導くマウスガイドと、
前記一対の挿入部の一方に支持された発光素子と、
前記一対の挿入部の他方に支持された受光素子とを備え、
前記一対の挿入部が被検者の鼻孔に挿入されることにより、前記発光素子と前記受光素子が被検者の鼻中隔を挟んで対向配置される。
【0011】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第2の態様は、生体情報取得システムであって、
被検者の顔面に装着され、通気路を備えるエアウェイケースと、
前記エアウェイケースに装着され、前記通気路に流入する被検者の呼気に含まれる二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素センサと、
被検者の動脈血酸素飽和度を検出する動脈血酸素飽和度センサと、
前記エアウェイケースの顔面装着時に被検者の鼻孔にそれぞれ挿入されて、鼻孔からの呼気を前記通気路に導く一対の挿入部を有するネーザルカニューラと、
前記エアウェイケースの顔面装着時に被検者の口の前方に配置されて、口からの呼気を前記通気路に導くマウスガイドと、
前記一対の挿入部の一方に支持された発光素子と、
前記一対の挿入部の他方に支持された受光素子とを備え、
前記一対の挿入部が被検者の鼻孔に挿入されることにより、前記発光素子と前記受光素子が被検者の鼻中隔を挟んで対向配置され、前記動脈血酸素飽和度センサの一部として動作する。
【0012】
第1の態様および第2の態様の構成によれば、エアウェイアダプタを被検者の顔面に装着するのみで、二酸化炭素センサと、動脈血酸素飽和度センサの一部として動作する発光素子および受光素子の配置が完了する。したがって二酸化炭素センサと動脈血酸素飽和度センサを、それぞれ被検者の身体の離れた場所に装着する必要がない。このため装着作業の手間を省くことが可能であるとともに、被検者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【0013】
少なくとも前記一対の挿入部における鼻中隔に対向する一部は、可塑変形可能部とされている構成としてもよい。この場合、発光素子と受光素子が鼻中膜を挟んで対向配置された状態でネーザルカニューラの挿入部に力を加えて鼻中隔表面の形状に沿うように可塑変形させることができる。力を解除した後も挿入部は変形後の形状を保持するため、発光素子と受光素子が鼻中隔から離間することを防止できる。これにより動脈血酸素飽和度の測定精度を高めることが可能である。
【0014】
圧力センサをさらに備え、鼻孔からの呼気により発生する圧力を前記圧力センサに導く分岐通気路を前記ネーザルカニューラが備える構成としてもよい。この場合、追加のセンサを装着する手間と煩わしさを伴うことなく、被検者の呼吸状態や呼吸量を生体情報として取得することができる。
【0015】
前記受光素子は、温度センサの一部としても動作する構成としてもよい。この場合、追加のセンサを装着する手間と煩わしさを伴うことなく、被検者の呼吸状態や体温を生体情報として取得することができる。
【0016】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第3の態様は、生体情報取得システムであって、
圧力センサと、
被検者の動脈血酸素飽和度を検出する動脈血酸素飽和度センサと、
被検者の鼻孔に挿入される一対の挿入部と、鼻孔からの呼気により発生する圧力を前記圧力センサに導く通気路とを有するネーザルカニューラと、
前記一対の挿入部の一方の内部に支持された発光素子と、
前記一対の挿入部の他方の内部に支持された受光素子とを備え、
前記一対の挿入部が被検者の鼻孔に挿入されることにより、前記発光素子と前記受光素子が被検者の鼻中隔を挟んで対向配置されて前記動脈血酸素飽和度センサの一部として動作し、
少なくとも前記一対の挿入部の鼻中隔に対向する一部は、可塑変形可能部とされている。
【0017】
上記の目的を達成するために、本発明がとりうる第4の態様は、生体情報取得システムであって、被検者の呼気に含まれる二酸化炭素濃度を検出する二酸化炭素濃度センサと、
被検者の動脈血酸素飽和度を検出する動脈血酸素飽和度センサと、
被検者の鼻孔に挿入される一対の挿入部と、鼻孔からの呼気により発生する圧力を前記二酸化炭素センサに導く通気路とを有するネーザルカニューラと、
前記一対の挿入部の一方の内部に支持された発光素子と、
前記一対の挿入部の他方の内部に支持された受光素子とを備え、
前記一対の挿入部が被検者の鼻孔に挿入されることにより、前記発光素子と前記受光素子が被検者の鼻中隔を挟んで対向配置されて前記動脈血酸素飽和度センサの一部として動作し、
少なくとも前記一対の挿入部の鼻中隔に対向する一部は、可塑変形可能部とされている、生体情報取得システム。
【0018】
第3の態様の構成によれば、エアウェイアダプタを被検者の顔面に装着するのみで、呼吸量を取得するためのネーザルカニューラと、動脈血酸素飽和度センサの一部として動作する発光素子および受光素子の配置が完了する。したがってネーザルカニューラと動脈血酸素飽和度センサを、それぞれ被検者の身体の離れた場所に装着する必要がない。このため装着作業の手間を省くことが可能であるとともに、被検者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【0019】
第4の態様の構成によれば、エアウェイアダプタを被検者の顔面に装着するのみで、二酸化炭素濃度を取得するためのネーザルカニューラと、動脈血酸素飽和度センサの一部として動作する発光素子および受光素子の配置が完了する。したがってネーザルカニューラと動脈血酸素飽和度センサを、それぞれ被検者の身体の離れた場所に装着する必要がない。このため装着作業の手間を省くことが可能であるとともに、被検者が感じる煩わしさを抑制することができる。
【0020】
また第3の態様および第4の態様の構成によれば、発光素子と受光素子が鼻中膜を挟んで対向配置された状態でネーザルカニューラの挿入部に力を加えて鼻中隔表面の形状に沿うように可塑変形させることができる。力を解除した後も挿入部は変形後の形状を保持するため、発光素子と受光素子が鼻中隔から離間することを防止できる。これにより動脈血酸素飽和度の測定精度を高めることが可能である。
【0021】
第3の態様および第4の態様において、前記受光素子が温度センサの一部として動作する構成としてもよい。この場合、追加のセンサを装着する手間と煩わしさを伴うことなく、被検者の呼吸状態や体温を生体情報として取得することができる。