(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記回転ドラムは、上記投入口を備えた投入側端板と、上記排出口を備えた排出側端板と、上記投入側端板と上記排出側端板を軸方向に離間配置して接続する、円周上に配置された複数本の接続ロッドとを備えることによって構成される支持部材と、
上記複数本の接続ロッドによって囲まれた上記投入側端板と上記排出側端板との間の内方空間に配置される通水構造を有する円筒形状のドラム本体と、
上記ドラム本体の内周面に沿わせて螺線状に配置される撹拌羽根とを具備することによって構成されていることを特徴とする請求項2記載の低温減圧撹拌乾燥機。
上記乾燥室本体には、上記回転ドラムの投入口に向けて被乾燥物を案内する投入シュートと、上記回転ドラムの排出口から排出された被乾燥物を外部に取り出す排出シュートとが設けられており、
上記投入シュートの端部には、乾燥時に閉塞する蓋体が設けられており、上記排出シュートの端部には、乾燥時に密閉状態に閉塞するハッチが設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機。
上記加熱手段は、上記乾燥室本体内に配設されることによって乾燥室本体内の温度を直接加熱するヒーターを備えることによって構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機。
上記加熱手段は、上記導入管路の周面を覆うように配設されることによって、該導入管路を介して導入管路内を流れる気体を加熱する外部ヒーターを備えることによって構成されていることを特徴とする請求項5記載の低温減圧撹拌乾燥機。
上記加熱手段は、上記開口部が形成されている面以外の上記乾燥室本体の周面にジャケットを設けて二重構造とし、該ジャケットを介してジャケット内に供給される熱媒によって上記乾燥室本体内の温度を加熱する加熱ジャケット構造を備えることによって構成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機。
上記各工程の後、被乾燥物を外部に排出した回転ドラムを乾燥室本体外に取り出し、該回転ドラム内を洗浄して次の乾燥に備える洗浄工程を備えたことを特徴とする請求項10記載の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法。
上記低融点材料を含んだ被乾燥物は、ゼラチンを主原料とするソフトカプセル、或いは、澱粉とカラギーナンを主原料とするソフトカプセルであることを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したマイクロ波を用いた減圧乾燥装置では、材料の内部から材料の表面に向けて乾燥が進むため材料の内部において乾燥温度が高くなる傾向がある。
特に上述したソフトカプセル等の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥に上述したマイクロ波を用いた減圧乾燥装置を使用した場合には、ソフトカプセルの内部温度が高くなってソフトカプセルの内部において溶融が発生するから、ソフトカプセルの乾燥には使用できない。
【0006】
したがって、ソフトカプセル等の乾燥には従来から空調機やシリカゲル等を利用した低温での除湿乾燥が採用されており、乾燥完了までに3昼夜程度の長時間の乾燥時間がかかっていた。
本発明は、このような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、低融点材料を含んだ被乾燥物を溶融させることなく、素材の持つ風味や有効成分等を多く残存させた状態で低温かつ短時間で低融点材料を含んだ被乾燥物を効率良く乾燥させることができる低温減圧撹拌乾燥機及び該低温減圧撹拌乾燥機を使用することによって実行される低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するべく本発明の請求項1による低温減圧撹拌乾燥機は、被乾燥物を投入する投入口と被乾燥物を排出する排出口とを備えた回転ドラムと、上記回転ドラムを出し入れする開口部を備え、必要な耐圧性を有する乾燥室本体と、上記開口部に対して開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体に遮蔽空間を形成する開閉扉と、上記乾燥室本体内を加熱する加熱手段と、上記開口部を閉塞した状態で上記乾燥室本体内を減圧雰囲気にする減圧装置と、上記回転ドラムを正転方向と逆転方向とに回転させる回転駆動手段と、上記乾燥室本体内の温度が被乾燥物の溶融温度以下の所定温度になるように上記加熱手段を制御する制御装置と、を具備していることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項2による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項1記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記回転ドラムの内部には、回転ドラム内に供給された被乾燥物に当接して撹拌作用をする撹拌羽根が配設されており、上記回転ドラムの回転方向を切り替えることによって、回転ドラム内に供給された被乾燥物を投入口側に移送させる戻し移送状態と、上記被乾燥物を排出口側に移送させる送り移送状態とを交互に繰り返しながら乾燥を実行するように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項3による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項2記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記回転ドラムは、上記投入口を備えた投入側端板と、上記排出口を備えた排出側端板と、上記投入側端板と上記排出側端板を軸方向に離間配置して接続する、円周上に配置された複数本の接続ロッドとを備えることによって構成される支持部材と、上記複数本の接続ロッドによって囲まれた上記投入側端板と上記排出側端板との間の内方空間に配置される通水構造を有する円筒形状のドラム本体と、上記ドラム本体の内周面に沿わせて螺線状に配置される撹拌羽根とを具備することによって構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項4による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項3記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記回転ドラムは、軸方向にスライド可能なスライド架台によって周方向に回転自在に支承されており、上記スライド架台には、上記投入側端板と上記排出側端板の外周面に転接する複数の支承ローラと、上記乾燥室本体の外部に設けられる回転駆動手段から連結部を介して動力が伝達される駆動軸と、上記駆動軸の一部に取り付けられて駆動軸と一体になって回転する駆動スプロケットとが備えられていて、上記駆動スプロケットを上記投入側端板と上記排出側端板の一方の外周面に沿わせてループ状に配置されている従動チェーンに対して噛合させることで、上記回転ドラムが正逆転両方向に回転し得るように構成されていることを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項5による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項1〜4のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記乾燥室本体には、吸入弁を介して乾燥室本体内に気体を導入する導入管路が接続されていることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項6による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項1〜5のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記乾燥室本体には、上記回転ドラムの投入口に向けて被乾燥物を案内する投入シュートと、上記回転ドラムの排出口から排出された被乾燥物を外部に取り出す排出シュートとが設けられており、上記投入シュートの端部には、乾燥時に閉塞する蓋体が設けられており、上記排出シュートの端部には、乾燥時に密閉状態に閉塞するハッチが設けられていることを特徴とするものである。
【0013】
また、請求項7による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項1〜6のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記加熱手段は、上記乾燥室本体内に配設されることによって乾燥室本体内の温度を直接加熱するヒーターを備えることによって構成されていることを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項8による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項
5記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記加熱手段は、上記導入管路の周面を覆うように配設されることによって、該導入管路を介して導入管路内を流れる気体を加熱する外部ヒーターを備えることによって構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
また、請求項9による低温減圧撹拌乾燥機は、請求項1〜8のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機において、上記加熱手段は、上記開口部が形成されている面以外の上記乾燥室本体の周面にジャケットを設けて二重構造とし、該ジャケットを介してジャケット内に供給される熱媒によって上記乾燥室本体内の温度を加熱する加熱ジャケット構造を備えることによって構成されていることを特徴とするものである。
【0016】
また、請求項10による低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、乾燥室本体内に回転ドラムを収容し、収容された回転ドラムの投入口に対して乾燥室本体の外部から低融点材料を含んだ被乾燥物を投入する投入工程と、
乾燥室本体を密閉状態にし、減圧装置を駆動して乾燥室本体内の雰囲気を上記被乾燥物の溶融温度に対応する飽和蒸気圧以下の所定の減圧状態にすると共に、乾燥室本体内の温度を上記被乾燥物の溶融温度以下の所定温度に加熱して回転ドラムを回転させて上記被乾燥物を撹拌しながら乾燥させる乾燥工程と、
乾燥終了後の上記被乾燥物を回転ドラムの排出口から外部に排出する排出工程と、を備え、
上記各工程の実行に当たっては、請求項1〜9のいずれかに記載の低温減圧撹拌乾燥機を使用するようにしたことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項11による低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、請求項10記載の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法において、上記各工程の後、被乾燥物を外部に排出した回転ドラムを乾燥室本体外に取り出し、該回転ドラム内を洗浄して次の乾燥に備える洗浄工程を備えたことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項12による低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、請求項10または11記載の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法において、上記低温減圧撹拌乾燥機は、上記各工程の合計の処理時間を低融点材料を含んだ被乾燥物の製造能力を考慮して定めた所定時間で等分した複数台を使用し、上記複数台の低温減圧撹拌乾燥機に対して、製造された低融点材料を含んだ被乾燥物を上記所定時間ごと順番に投入して連続的に乾燥するようにしたことを特徴とするものである。
【0019】
また、請求項13による低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、請求項10〜12のいずれかに記載の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法において、上記低融点材料を含んだ被乾燥物は、ゼラチンを主原料とするソフトカプセル、或いは、澱粉とカラギーナンを主原料とするソフトカプセルであることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項14による低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、請求項10〜13のいずれかに記載の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法において、上記低融点材料の融点温度が、30〜50℃であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
そして、上記手段によって以下のような効果が得られる。まず、本発明の低温減圧撹拌乾燥機によると、減圧装置によって乾燥室本体内を減圧雰囲気にし、制御装置によって加熱手段を制御して被乾燥物の溶融温度以下の低い温度で乾燥室本体内を加熱することが可能になる。
これに伴い、回転ドラム内に収容された被乾燥物は、マイクロ波を使用した場合のようにその内部から加熱されるのではなく、その表面側から徐々に加熱されるため、低融点材料を含んだ被乾燥物であっても溶融されることなく当該被乾燥物を所定の含水率になるまで乾燥させることが可能になる。
また、被乾燥物は回転ドラム内に収容されており、回転ドラムの回転によって撹拌されながら乾燥される。したがって、被乾燥物の素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく、乾燥を促進させて短い乾燥時間で効率良く被乾燥物を乾燥させることが可能になる。
【0022】
また、上記回転ドラムの内部に撹拌羽根を配設した場合には、被乾燥物の撹拌が一層活発に行われるようになり、一層の乾燥時間の短縮が図られるようになる。
また、上記撹拌羽根の作用によって、回転ドラム内の被乾燥材が回転ドラムの回転方向を切り替えることによって軸方向に沿って戻し方向と送り方向とに移送できるようになる。これに伴い、回転ドラム内の被乾燥物を上記二方向に交互に移送しながら乾燥を実行したり、排出口側に被乾燥物を移送して外部に取り出すことが可能になる。
【0023】
また、上記回転ドラムを投入側端板と排出側端板とこれらを接続する複数本の接続ロッドとを備えた支持部材と、該支持部材の内方空間に配置される、内部に撹拌羽根を備えた通水構造のドラム本体とを具備することによって構成した場合には、回転ドラムの軽量化が図られるようになり、回転ドラムの支持構造が簡単になって回転ドラムの回転方向の切り替えが円滑になる。
また、螺線状の撹拌羽根を採用した場合には、回転ドラム内に投入された被乾燥物は、途中で移送を滞らせることなく、円滑に送り方向と戻し方向とに移送されて、乾燥及び排出が効率良く実行されるようになる。
【0024】
また、回転ドラムをスライド架台に支承させて乾燥本体内から出し入れできるように構成した場合には、洗浄が必要になる回転ドラムのみを乾燥室本体から取り出して洗浄することが可能になり、洗浄作業が容易になる。
また、回転ドラムを回転させる回転駆動手段を乾燥室本体の外部に設置し、該回転駆動手段から伝達される動力を伝達する動力伝達手段を回転ドラムと一体になってスライドするスライド架台と回転ドラムとの間に設置するように構成し、両者の動力の断接を連結部によって行うようにした場合には、乾燥作業終了のその都度、行う必要がある洗浄作業の対象から回転駆動手段を除外することが可能になり、洗浄作業を容易にして回転駆動手段の寿命を伸ばしてメンテナンスを容易にすることが可能になる。
【0025】
また、上記乾燥室本体に対して吸入弁を介して気体を導入する導入管路を接続した場合には、乾燥室本体内の圧力と温度の調節が容易になり、乾燥中の乾燥室本体内の圧力と温度を最適な状態に保つことが可能になる。
また、乾燥室本体に対して投入シュートと排出シュートを設けた場合には、乾燥室本体の内部に収容された状態の回転ドラムに対して、乾燥室本体の外部から乾燥を行う被乾燥物を投入したり、乾燥を終えた被乾燥物を乾燥室本体の外部に取り出すことが可能になる。また、上記投入シュートの端部に蓋体を設け、排出シュートの端部にハッチを設けた場合には、乾燥中の乾燥室本体内の密閉性が確保され、乾燥中の被乾燥物の飛散が防止される。
【0026】
また、上記加熱手段として乾燥室本体内に配設されるヒーターを備えた場合には、乾燥室本体内の温度は当該ヒーターからの輻射熱によって直接加熱されるようになり、損失が少なく熱効率の良い被乾燥物の乾燥が実行されるようになる。
また、上記加熱手段として上記導入管路の周面を覆うように配設される外部ヒーターを備えた場合には、乾燥室本体内の温度は外部ヒーターによって上記導入管路を介して温められて乾燥室本体内に流入する気体を利用して加熱されるようになる。したがって、被乾燥物の素材の持つ風味や有効成分等を壊さない緩やかな乾燥が実行されるようになる。
【0027】
また、上記加熱手段として乾燥室本体の周面にジャケットを設けて二重構造にした加熱ジャケット構造を備えた場合には、ジャケット内に供給される熱媒との熱交換によって、乾燥室本体内の温度は当該熱媒に直接、触れることなく加熱されるようになる。したがって、被乾燥物の素材の持つ風味や有効成分等を壊さない緩やかな乾燥が実行されるようになる。
【0028】
また、本発明の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法によると、被乾燥物の投入、乾燥、排出といった一連の工程を単一の低温減圧撹拌乾燥機を使用して連続的に実行することが可能になる。
また、被乾燥物を収容する回転ドラムと、乾燥を実行する乾燥室本体とを切り離して別体に構成することで、乾燥のその都度洗浄が必要になる場合でも回転ドラムのみを乾燥室本体から取り出して洗浄することが可能になり、メンテナンスが容易になる。
また、上述した本発明の低温減圧撹拌乾燥機を使用することで、被乾燥物の素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく、短時間で所定の乾燥を実行することが可能になる。
【0029】
また、上記各工程の後、被乾燥物を外部に排出した回転ドラムを乾燥室本体外に取り出し、該回転ドラム内を洗浄して次の乾燥に備える洗浄工程を備えた場合は、被乾燥物の投入、乾燥、排出、洗浄といった一連の工程を単一の低温減圧撹拌乾燥機を使用して連続的に実行することが可能になる。
【0030】
また、上記低温減圧撹拌乾燥機を複数台設け、低融点材料を含んだ被乾燥物の製造能力を考慮して定めた所定時間の間隔で、上記複数台の低温減圧撹拌乾燥機に対して順番に被乾燥物を投入するようにした場合には、上記複数台の低温減圧撹拌乾燥機を効率良く稼働して低融点材料を含んだ被乾燥物の連続的な乾燥が可能になる。
【0031】
また、上記低融点材料を含んだ被乾燥物をゼラチンを主原料とするソフトカプセル、或いは、澱粉とカラギーナンを主原料とするソフトカプセルとした場合には、上記主原料の特徴である極めて低い温度で溶融してしまう乾燥が困難なソフトカプセルを溶融させることなく、極めて短時間で所定の含水率になるまで乾燥させることが可能になる。
【0032】
また、上記低融点材料の融点温度が、30〜50℃である場合には、30〜50℃という極めて低い温度で溶融してしまう乾燥が困難なソフトカプセルを溶融させることなく、極めて短時間で所定の含水率になるまで乾燥させることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、
図1〜
図10に示す第1の実施の形態と、
図11に示す第2の実施の形態と、
図12に示す第3の実施の形態と、
図13に示す第4の実施の形態との4つの実施の形態を例にとって、本発明の低温減圧撹拌乾燥機の構成を説明し、
図14に示す第5の実施の形態と、
図15に示す第6の実施の形態との2つの実施の形態を例にとって、本発明の低温減圧撹拌乾燥機の作動態様と本発明の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法の構成を説明する。
【0035】
(1)第1の実施の形態(
図1〜
図10参照)
本発明の低温減圧撹拌乾燥機1は、被乾燥物Aを投入する投入口3と、被乾燥物Aを排出する排出口5とを備えた回転ドラム7と、上記回転ドラム7を出し入れする開口部9を備え、必要な耐圧性を有する乾燥室本体11と、上記開口部9に対して開閉可能な状態で取り付けられ、閉塞時に上記乾燥室本体11内に遮蔽空間を形成する開閉扉13と、上記乾燥室本体11内を加熱する加熱手段15と、上記開口部9を閉塞した状態で上記乾燥室本体11内を減圧雰囲気にする減圧装置17と、上記回転ドラム7を正転方向Bと逆転方向Cとに回転させる回転駆動手段19と、上記乾燥室本体11内の温度が被乾燥物Aの溶融温度以下の所定温度になるように上記加熱手段15を制御する制御装置21と、を具備することによって基本的に構成されている。
【0036】
また、本実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Aにあっては、上記回転ドラム7の内部には、回転ドラム7内に供給された被乾燥物Aに当接して撹拌作用をする撹拌羽根23が配設されており、上記回転ドラム7の回転方向を切り替えることによって回転ドラム7内に供給された被乾燥物Aを投入口3側に移送させる戻し移送状態と、上記被乾燥物Aを排出口5側に移送させる送り移送状態とを交互に繰り返しながら乾燥を実行するように構成されている。
【0037】
また、本実施の形態では、上記乾燥室本体11に対して吸入弁25を介して乾燥室本体11内に気体を導入する導入管路27が乾燥室本体11の一例として左右の側板の下部の中央に一本ずつ接続されており、上記乾燥室本体11には、上記回転ドラム7の投入口3に向けて被乾燥物Aを案内する投入シュート29と、上記回転ドラム7の排出口5から排出された被乾燥物Aを外部に取り出す排出シュート31とが設けられている。
更に、上記投入シュート29の端部には、乾燥時に閉塞する蓋体32が設けられており、上記排出シュート31の端部には、乾燥時に密閉状態に閉塞するパッキン33aを備えたハッチ33が設けられている。
【0038】
回転ドラム7は、上記投入口3を備えた投入側端板35Aと、上記排出口5を備えた排出側端板35Bと、上記投入側端板35Aと上記排出側端板35Bを軸方向Dに離間配置して接続する、円周上に配置された複数本の接続ロッド36と、を備えた支持部材101と、上記複数本の接続ロッド36によって囲まれた上記投入側端板35Aと上記排出側端板35Bとの間の内方空間に配置されるドラム本体103とを備えることによって一例として構成されている。
また、上記ドラム本体103の内部には、一例として螺線状に形成された撹拌羽根23がドラム本体103の内周面に沿わせて配置されている。
【0039】
投入側端板35Aは、中心に円形の投入口3が形成された円板状の部材で、投入側端板35Aの外周面には、後述する支承ローラ105に転接して支承される所定深さのガイド溝109が形成されている。
また、上記投入口3には、外方に張り出す所定長さのガイド筒体117が設けられており、回転ドラム7の収容時に上記投入シュート29の先端部に設けられるガイド円板119と外嵌して投入口3と投入シュート29との間の隙間を閉塞している。
一方、排出側端板35Bは、中心に上記投入口3よりも幾分大径の同じく円形をした排出口5が形成された円板状の部材で、該排出側端板35Bの外周部には、幾分投入側端板35A側に張り出した張出し部107が形成されている。
【0040】
そして、排出側端板35Bの外周面は、上記張出し部107を設けた分だけ上記投入側端板35Aよりも幅広に形成されており、該幅広に形成された外周面には、外方寄りに後述する支承ローラ105に転接して支承される所定深さのガイド溝111が形成されている。
また、上記幅広に形成された外周面の内方寄りには、後述する駆動スプロケット113と噛合する従動チェーン115が、当該外周面に沿わせてループ状に巻回されて配置されている。
【0041】
また、上記排出口5には、外方に向けて縮径して張り出すテーパ管形状のフード121が取り付けられており、該フード121の先端部は、回転ドラム7を乾燥室本体11内に収容して開閉扉13を閉めた時、該開閉扉13に取り付けられる排出シュート31の上端部に対して、その一部が入り込むように構成されている。
また、フード121の先端部には着脱自在の蓋122が設けられ、回転ドラム7内の被乾燥物の飛び出しを防止している。
接続ロッド36は、一例として金属製の丸棒状の部材によって構成されており、回転ドラム7の回転軸を中心とする円周上に等間隔で一例として6本配置されている。
【0042】
ドラム本体103は、パンチングメタルや樹脂製あるいは金属製のメッシュ状の網体によって構成される通水構造を有する円筒形状をした部材である。
また、上記ドラム本体103の周胴部の一部には、一例として角窓状をした蓋付きの点検窓123が設けられており、ドラム本体103の内部には、帯状の長尺な板材を螺線形状に配した上記撹拌羽根23が設けられている。
【0043】
乾燥室本体11は、アングル材等を矩形枠状に組み立てることによって構成される立方体ないし長方体形状の部材であり、その一端面には、上記回転ドラム7を出し入れする際に使用する一例として矩形平板状の上述した開閉扉13によって閉塞される開口部9が形成されている。
尚、上記乾燥室本体11と開閉扉13は、減圧状態での使用に耐えられる必要な耐圧性と密閉性とを備えている。
上記乾燥室本体11の他端面の一例としてその中央上部には、上端部がテーパ状に拡径され、その端部に上述した蓋体32を取り付けるためのフランジ部43を備えた上述した投入シュート29が
図1及び5、6に示すような傾斜姿勢で配設されており、該投入シュート29の下端部には、上述したガイド円板119が取り付けられている。そして、該ガイド円板119は、上述した回転ドラム7のガイド筒体117内に入り込んで、周囲の隙間を塞いだ状態で当該回転ドラム7の投入口3に臨むように取り付けられている。
【0044】
また、上記開閉扉13の上下方向に延びる一端縁には、
図3及び
図4に示すように当該開閉扉13を開閉する際の回動中心となるヒンジ部45が設けられており、上記開閉扉13の上下方向に延びる他端縁には、
図3及び
図4に示すように開閉扉13を開閉する時の手掛かりとなる取っ手47が設けられている。
また、開閉扉13の一例としてその中央には、上記回転ドラム7を乾燥室本体11内に収容して開閉扉13を閉塞した時に、上端が上記回転ドラム7の排出口5から突出する上記フード121に臨み、下端部が開閉扉13の外方に突出する
図1及び
図5、6に示すような傾斜姿勢で上述した排出シュート31が配設されている。
【0045】
また、上記回転ドラム7は、上記乾燥室本体11との間に設けられる軸方向Dにスライド可能なスライド架台125によって周方向に回転自在に支承されている。
上記スライド架台125は、金属製の平板材料や形鋼材を使用して矩形枠状に組み立てた機枠であり、乾燥室本体11の上記開口部9を挟んだ側方空間の下部に配置されている固定ガイド127と、該固定ガイド127に係合するコロ129を備えたスライドガイド131と、一端が該スライドガイド131に接続され、他端が上記スライド架台125に接続されているスライドロッド133とを備えたスライド機構135によって、軸方向Dにスライド可能な状態で支持されている。
また、上記スライド架台125の前面中央部には、スライド架台125を乾燥室本体11外へ引き出したり、乾燥室本体11内に収納する場合に手掛かりとして使用する取っ手126が設けられている。
【0046】
尚、
図5、6中、符号137で示す部材は、回転ドラム7の引出し端を決めるストッパであり、
図5、6中、符号139で示す部材は、回転ドラム7の収容端を決めるストッパである。
また、上記スライド架台125の前後左右には、上方に衝立状に立ち上げられた軸受を備えたブラケット141が設けられており、これらのブラケット141を利用して
図7〜9に示す左右2本の軸部143が軸方向Dに沿って平行に軸支されている。
【0047】
そして、上記2本の軸部143には、前後に1個ずつ計4個の上述した支承ローラ105が取り付けられており、これらの支承ローラ105が上述したガイド溝109、111と係合することで回転ドラム7を周方向に回転可能な状態で支承し得るように構成されている。
また、上記軸部143の一方は、上記乾燥室本体11の外部に設けられる回転駆動手段19から連結部145を介して動力が伝達される駆動軸147になっており、該駆動軸147の一部には、該駆動軸147と一体になって回転する上述した駆動スプロケット113が取り付けられている。
そして、上記駆動スプロケット113を上記従動チェーン115に対して噛合させることで、上記回転ドラム7が正逆転両方向に回転し得るように構成されている。
【0048】
この他、上記開口部9が形成されている乾燥室本体11の前面板と上記開閉扉13の上縁と下縁との間には、開閉扉13の閉塞状態をロックするロック装置48が設けられており、上記乾燥室本体11の前面板と上記開閉扉13の周囲の裏面との間にもパッキン13aが配設されている。
尚、乾燥終了後、上記回転ドラム7内の被乾燥物Aを外部に排出する場合には、上記排出口5の下端部に臨む位置に
図1中、仮想線で示すようなボックス状の容器49を設置して、上記排出口5から排出される乾燥後の被乾燥物Aを受け取るようにする。
【0049】
また、上記回転駆動手段19の動力を駆動スプロケット113が取り付けられている上記駆動軸147に伝達するための連結部145は、一例として
図10に示すように構成されている。具体的には、上記駆動軸147の先端部に設けられている連結凸部149と、乾燥室本体11の投入シュート29が設けられている背面板に対して、取付けベース151と取付け板153とを使用して取り付けられている連結軸155と、乾燥室本体11の内部に位置する当該連結軸155の先端部に取り付けられ、上記連結凸部149に直接連結される連結チャック157とを備えることによって連結部145は一例として構成されている。
【0050】
また、乾燥室本体11の外部に位置する上記連結軸155の他端には、従動スプロケット159が取り付けられており、チェーン161を介して回転駆動手段19の一例であるモータ163の動力が該モータ163の動力が該モータ163の出力軸に取り付けられている駆動スプロケット165の回転として伝達されるように構成されている。
そして、上記駆動軸147と連結軸155は、軸方向Dに沿う同軸上に配置されており、上記スライド架台125に搭載されて軸方向Dにスライドする上記回転ドラム7の動きに応じて、上記連結凸部149と連結チャック157の連結と連結解除とが自動的に実行されるように構成されている。
【0051】
加熱手段15Aは、本実施の形態では上記乾燥室本体11内に配設されることによって乾燥室本体11内の温度を直接加熱するヒーター51を備えることによって構成されている。
ヒーター51としては、一例として電熱ヒーターが採用でき、本実施の形態では、
図1〜
図3に示すように回転ドラム7の軸方向Dと交差する方向に延びる棒状のヒーター51を乾燥室本体11の下部に一例として2本配設することによって構成されている。
尚、上記2本のヒーター51の近傍における回転ドラム7との対向面側の位置には、適宜、反射板53が配設されており、ヒーター51から照射された熱が局所的に被乾燥物Aに作用しないように熱の
拡散が図られている。
【0052】
減圧装置17Aは、乾燥室本体11の外部に配設される真空ポンプ55と開閉弁57を介して上記乾燥室本体11と真空ポンプ55とを連絡する
図4に示すように一例として途中で2本に分岐されている連絡管路59とを備えることによって構成されている。
また、上記乾燥室本体11の一例として左右の側面板の下部中央には、
図1及び
図4に示すように左右に
1本ずつ、計
2本の導入管路27が内方に向けて水平に延びており、各導入管路27の乾燥室本体11の外部に位置する先端部に空気の吸入と吸入の停止を切り替える上述した吸入弁25が配設されている。
【0053】
また、上記乾燥室本体11には、圧力センサ167と温度センサ169が設けられており、圧力センサ167と温度センサ169によって検知した圧力情報と温度情報とに基づいて、制御装置21において上記真空ポンプ55、ヒーター51及び吸入弁25等を制御して乾燥中の乾燥室本体11の圧力と温度を所定の値に設定して保持するように構成されている。
【0054】
そして、このようにして構成される本実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Aによると、低い温度で撹拌しながら被乾燥物Aの表面から緩やかに加熱できるから、被乾燥物Aの素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく、均一に短時間で被乾燥物Aを乾燥させることが可能になる。
【0055】
(2)第2の実施の形態(
図11参照)
第2の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Bは、前記第1の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Aと概略において同様の構成を有しており、加熱手段15Bの構成のみが前記第1の実施の形態と相違している。したがって、ここでは前記第1の実施の形態と相違する加熱手段15Bの構成を中心に説明する。
即ち、本実施の形態では加熱手段15Bは、前記導入管路27の周面を覆うように配設される外部ヒーター79を備えることによって構成されている。外部ヒーター79としては電熱ヒーターが一例として使用できる。
【0056】
尚、このような構成の加熱手段15Bを採用した場合には、外部ヒーター79の輻射熱が導入管路27を介して当該導入管路27内を流れる気体に作用して加熱し、加熱された気体を乾燥室本体11内に導入することによって乾燥室本体11内の温度を加熱するように作用する。
そして、このような構成の加熱手段15Bを備える本実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Bによっても、前記第1の実施の形態と同様の作用、効果が発揮されて被乾燥物Aの素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく、均一に短時間で被乾燥物Aを乾燥させることが可能になる。
【0057】
(3)第3の実施の形態(
図12参照)
第3の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Cは、前記第1の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Aと概略において同様の構成を有しており、加熱手段15Cの構成と減圧装置17Cの構成が前記第1の実施の形態と相違している。
したがって、ここでは前記第1の実施の形態と相違する加熱手段15Cの構成と減圧装置17Cの構成を中心に説明する。
【0058】
即ち、本実施の形態では加熱手段15Cは、開口部9が形成されている前面以外の前記乾燥室本体11の周面にジャケット81を設けて二重構造とし、該ジャケット81を介してジャケット81内に供給される熱媒によって前記乾燥室本体11内の温度を加熱する加熱ジャケット構造83を備えることによって構成されている。
尚、本実施の形態では上記熱媒として被乾燥物Aの溶融温度より低い温度の低温蒸気を使用しており、該低温蒸気を上述したジャケット81内に供給するための蒸気供給装置201が設けられている。
【0059】
蒸気供給装置201は、蒸気発生部となるボイラー設備203と、該ボイラー設備203から供給された高温の蒸気を被乾燥物Aの溶融温度より低い温度の低温蒸気にする低温蒸気生成部202と、これらのボイラー設備203及び蒸気生成部202と前記ジャケット81とを接続する蒸気供給経路207、蒸気循環経路209及び蒸気調整経路213と、を備えることによって一例として構成されている。
【0060】
ボイラー設備203としては、一例として液化石油ガスを燃料とする最高出力が0.68MPa程度のボイラー215が適用でき、該ボイラー215から延びる蒸気供給経路207には、該ボイラー215の使用圧力範囲を調整するための圧力ゲージ233、減圧弁237あるいはバイパス弁245等が適宜配置されている。
低温蒸気生成部202は、上記ボイラー設備203から供給された蒸気の温度を制御して上述した所定の温度の低温蒸気にする真空減圧弁205と、蒸気調整経路213を高真空にして蒸気供給経路207中の不凝縮ガスやドレンを吸引するエゼクター211と、エゼクター211用の駆動水を貯えるタンク217と、該タンク217内の駆動水を加圧するラインポンプ219と、蒸気調整経路213中のドレンを排除して安定した蒸気の供給を可能にするスチームトラップ221を備えることによって基本的に構成されている。
【0061】
また、この他、上記タンク217にはレベルセンサ223とタンク217内に水を補給する場合に使用するモータ駆動式の二方弁225が設けられている。更に、上記真空減圧弁205の下流の蒸気供給経路207と蒸気調整経路213の接続部には、冷水補給口を兼ねた過熱防止弁227が設けられており、蒸気調整経路213の途中には適宜、圧力ゲージ233が配置されている。
蒸気供給経路207は、蒸気調整経路213との接続点を経て更にジャケット81に向けて延びている。そして、上述した過熱防止弁227の下流には蒸気供給経路207内を流れる低温蒸気の温度を計測する温度センサ229が配置されており、該温度センサ229の下流には低温蒸気の圧力を検知する圧力センサ231が配置されている。更に、該圧力センサ231の下流には二方弁225が配置されており、上記ジャケット81との接続部近傍にも圧力センサ231が配置されている。
【0062】
蒸気循環経路209は、上記ジャケット81の下部から上述した蒸気供給経路207と蒸気調整経路213に向けて形成されている。
蒸気循環経路209の上流側には二方弁225と逆止弁239が配置されており、分岐241で蒸気供給経路207側と蒸気調整経路213側の2経路に分かれている。このうち蒸気供給経路207側に延びている経路は、上述した温度センサ229が配置されている接続点に合流しており、その経路途中にスチームトラップ221とバイパス弁245が配置されている。一方、蒸気調整経路213側に延びている経路は、蒸気調整経路213に配置されているスチームトラップ221の下流位置の接続点に合流している。
【0063】
減圧装置17Cは、水封式真空ポンプ305と循環式給排水装置307を備えることによって基本的に構成されており、更に両者の間に給水経路309と排水経路311が配設されている。
水封式真空ポンプ305は、水蒸気や水滴を含んだ気体の排気等に利用されるポンプで、シリンダに対して偏心して取り付けられる羽根車の回転を利用してシリンダの内壁に封水リングを形成し、該封水リングと羽根車の羽根によって囲まれた空間の容積変化を利用してポンプ作用を行うようにしたものである。
【0064】
循環式給排水装置307は、支持架台303の内部に上部タンク313と下部タンク315を備えることによって一例として構成されており、上部タンク313には、外部から水を供給するための給水ノズル317と、上部タンク313内の水位を計測するためのボールタップ319と、上部タンク313内の水温を計測するための温度センサ321と、が配置されている。
一方、下部タンク315内には、水中ポンプ323が配置されており、上述した水封式真空ポンプ305から排出され、排水経路311を通って下部タンク315内に貯まった水を汲み上げて上部タンク313に供給できるように構成されている。
【0065】
尚、上記水中ポンプ323と上部タンク313とを接続する循環経路325の途中には、一例としてモータによって駆動される三方弁327が配置されており、当該三方弁327を適宜切り替えることによって、上記水中ポンプ323によって汲み上げた水を上部タンク313内に供給したり、外部に排水できるように構成されている。
また、上部タンク313内の底部から上述した給水経路309が延びており、該給水経路309の他端が上述した水封式真空ポンプ305に接続されている。更に、上記乾燥室本体11と水封式真空ポンプ305を接続している排出経路235の途中には、外部から空気を取り込んで経路内の圧力を調整するニードル弁247が配置されている。
【0066】
そして、このようにして構成される加熱手段15Cと減圧装置17Cを備える本実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Cによっても、前記第1の実施の形態と同様の作用、効果が発揮されて被乾燥物Aの素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく、均一に短時間で被乾燥物Aを乾燥させることが可能になる。
【0067】
(4)第4の実施の形態(
図13参照)
第4の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Dは、前記第3の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Cと概略において同様の構成を有しており、加熱手段15Dにおける蒸気供給装置501の構成のみが前記第3の実施の形態と相違している。
したがって、ここでは前記第3の実施の形態と相違する加熱手段15Dにおける蒸気供給装置501の構成を中心に説明する。
即ち、本実施の形態では、
図13に示すようにボイラー設備503と、冷却機505と、蒸気供給経路507とを備えた構成の蒸気供給装置501が採用されている。
【0068】
図13に示す蒸気供給装置501では、前述した第3の実施の形態で述べた
図12に示す蒸気供給装置201のボイラー設備203と同様のボイラー設備503が設けられており、該ボイラー設備503には、ボイラー509と圧力ゲージ511と減圧弁513とバイパス弁515とが備えられている。そして、上記ボイラー設備503からジャケット81に向けて蒸気供給経路507が延びており、該蒸気供給経路507の上流位置に二方弁517を経由して冷却機505が配置されている。
冷却機505としては、冷却ファン519と冷却管路521とを備えた送風式の冷却装置が一例として適用でき、該冷却機505の下流には、温度センサ523を経由して給水タンク525から延びる給水経路527との合流点に設けられているミストノズル529に至るように構成されている。尚、上記冷却ファン519による風量は、上記温度センサ523で検知した蒸気温の高低に基づいて適宜、増減し得るように制御されている。
【0069】
給水タンク525には、冷却機505によって冷却された蒸気の温度が高い場合に当該蒸気の温度を下げるための水が蓄えられており、更に当該水の水位を検出するためのボールタップ531と、水位が低くなった場合に水を補給するノズル533とが設けられている。また、上記給水タンク525の下流の給水経路527上には二方弁535が設けられている。
【0070】
上記ミストノズル529に供給された水はミスト化され、冷却機505から供給された低温蒸気といっしょになって、下流側の蒸気供給経路507を通って途中、二方弁535を経由してジャケット81内へ導かれる。また、蒸気供給経路507の下流側の終端には、圧力センサ537が設けられており、当該圧力センサ537によって検知されたミスト混合蒸気の圧力の大小に基づいて前述した冷却機505の上流位置の二方弁517の開閉が適宜、制御されるように構成されている。
【0071】
そして、このようにして構成される蒸気供給装置501を備える加熱手段15Dを有する本実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Dによっても、前述した第3の実施の形態と同様の作用、効果が発揮されて被乾燥物Aの素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく、均一に短時間で被乾燥物Aを乾燥させることが可能になる。
【0072】
(5)第5の実施の形態(
図14参照)
本発明の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、低融点材料を含んだ被乾燥物Aを投入する投入工程S1と、上記被乾燥物Aを乾燥させる乾燥工程S2と、乾燥終了後の上記被乾燥物Aを外部に排出する排出工程S3と、上記被乾燥物Aを排出した回転ドラム7内を洗浄する洗浄工程S4(本工程については省略する場合もある。)とを、基本的に備えており、上記各工程の実行に当たって前述した低温減圧撹拌乾燥機1を使用することによって構成されている。
以下、前述した
図1〜
図10に示す第1の実施の形態に係る低温減圧撹拌乾燥機1Aを使用して低融点材料を含んだ被乾燥物Aの一例としてゼラチンを主成分とするソフトカプセルを適用した場合を例にとって、(A)投入時と、(B)乾燥時と、(C)排出時と、(D)洗浄時とに分けて、当該低温減圧撹拌乾燥機1Aの作動態様と合わせて上記各工程の内容を具体的に説明する。
【0073】
(A)投入時(
図14(a)参照)
投入工程S1は、乾燥室本体11内に回転ドラム7を収容し、収容された回転ドラム7の投入口3に対して乾燥室本体11の外部からソフトカプセルA(被乾燥物Aと同じ符号を使用する)を投入する工程である。
本工程では開閉扉13の取っ手47を持って開閉扉13を開き、乾燥室本体11の開口部9を拡開状態にする。また、回転ドラム7のフード部121の先端部に蓋122を取り付けた状態とする。次に、スライド架台125に搭載された回転ドラム7をスライド架台125の前面に設けられている取っ手126を持って押し込み、乾燥室本体11内の収容端を決めるストッパ139に当接する位置までスライドし、スライド架台125ごと回転ドラム7を乾燥室本体11内の所定の位置に収容して上記連結部145を連結状態にする。
【0074】
次に、再び取っ手47を持って開閉扉13を閉め、更に投入シュート29の上端に設けられている蓋体32を開いて投入シュート29の上端の開口部からソフトカプセルAを投入する。
投入シュート29に投入されたソフトカプセルAは、該投入シュート29に案内されて乾燥室本体11内に収容された上述した回転ドラム7の投入口3から回転ドラム7内に順次投入されて行く。この時、投入シュート29の先端部に設けられているガイド円板119と回転ドラム7の投入側端板35Aに設けられているガイド筒体117との係合によって投入口3の周囲の隙間が閉塞されているから、ソフトカプセルAの外部への飛散が防止されている。
そして、ソフトカプセルAが所定量投入されたら、投入シュート29の上端部の蓋体32を閉め、排出シュート31の下端部のハッチ33の閉塞状態と確認して乾燥室本体11を密閉状態にする。
【0075】
(B)乾燥時(
図14(b)参照)
乾燥工程S2は、乾燥室本体11を密閉状態にし、減圧装置17を駆動して乾燥室本体11内の雰囲気をソフトカプセルAの溶融温度に対応する飽和蒸気圧以下の所定の減圧状態にすると共に、乾燥室本体11内の温度を上記ソフトカプセルAの溶融温度以下の所定温度に加熱して回転ドラム7を回転させてソフトカプセルAを撹拌しながら乾燥させる工程である。
【0076】
本工程では、開閉弁57を開いて真空ポンプ55を駆動し、乾燥室本体11内の雰囲気をソフトカプセルAの溶融温度(約35〜45℃)に対応した飽和蒸気圧以下の圧力の減圧状態にする。また、ヒーター51を作動させて、乾燥室本体11内の温度をソフトカプセルAの溶融以下の所定温度(約25〜35℃)に加熱する。
尚、上記乾燥室本体11内の圧力と温度は、上述した圧力センサ167と温度センサ169によって監視されており、これらの圧力センサ167と温度センサ169から送られた圧力情報と温度情報とに基づいて制御装置21によって真空ポンプ55、ヒーター51及び吸入弁25が制御されて当該乾燥に最適な圧力と温度に乾燥室本体11内の雰囲気が設定され保持される。
【0077】
更に、回転駆動手段19のモータ163を駆動してチェーン161と従動スプロケット159と連結部145とを介して駆動軸147に動力を伝達して、該駆動軸147に取り付けられている駆動スプロケット113から回転ドラム7の周胴部に巻回されている従動チェーン115に更に動力を伝達して正転方向Bと逆転方向Cに交互に回転させる。
【0078】
そして、上記回転ドラム7の回転に伴って、回転ドラム7内ではソフトカプセルAが撹拌されるようになってソフトカプセルAの乾燥が促進される。また、回転ドラム7の内壁面に取り付けられている撹拌羽根23がソフトカプセルAに作用することによってソフトカプセルAの撹拌が更に活発に行われるようになり、上記撹拌羽根23の螺線ピッチと回転ドラム7の回転方向とによって上記ソフトカプセルAは投入方向と排出方向とに一例として5〜10分間隔で移送されるためソフトカプセルAの乾燥は更に一層促進される。
尚、このようにして乾燥されるソフトカプセルAの乾燥時間は約4.5時間であり、空調機やシリカゲル等を利用した従来の除湿乾燥が3昼夜程度かかっていたのに比べて大幅な乾燥時間の短縮が図られる。
【0079】
(C)排出時(
図14(c)参照)
排出工程S3は、乾燥終了後のソフトカプセルAを回転ドラム7の排出口5から外部に排出する工程である。
本工程では、真空ポンプ55及びヒーター51を停止し、吸入弁25を開いて乾燥室本体11内の圧力を大気圧に戻す。次に、取っ手49を持って開閉扉13を開け、フード121の先端部の蓋122を取り外して排出口5を開け、再び開閉扉13を閉じる。次に、排出シュート31の下端部に設けられているハッチ33を開け、回転駆動手段19のモータ163を逆転方向Cに回転させる。
【0080】
上記回転ドラム7の逆転方向Cへの回転と上記螺線状に配置された撹拌羽根23の作用で回転ドラム7の内部では、ソフトカプセルAが回転ドラム7の排出口5に向って移送されるようになり、当該排出口5からフード121を通って排出シュート31に案内され、下方の容器49内に順次取り出されて行く。
そして、回転ドラム7内のソフトカプセルAがすべて排出されたら、上記モータ163を停止し、開閉扉13の取っ手47を持って開閉扉13を開き、乾燥室本体11内に収容されていた回転ドラム7をスライド架台125ごと前方にスライドさせて乾燥室本体11内の開口部9から乾燥室本体11の外部に取り出す。
【0081】
(D)洗浄時(
図14(d)参照)
洗浄工程S4は、ソフトカプセルAを外部に排出した回転ドラム7を乾燥室本体11外に取り出し、該回転ドラム7内を洗浄して次の乾燥に備える工程である。
本工程では、ソフトカプセルAが収容されていた回転ドラム7の内周面を中心に回転ドラム7を洗浄し、回転ドラム7内に残留ないし付着している異物やゴミ、ソフトカプセルAの残留物等を取り除く。そして、回転ドラム7の洗浄後は、次のソフトカプセルAの投入に備えて、上記投入時に述べた手順で乾燥室本体11内に回転ドラム7を再度収容する。
【0082】
このようにして構成される本実施の形態の低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法によると、被乾燥物Aの投入、乾燥、排出といった一連の工程、或いは被乾燥物Aの投入、乾燥、排出、洗浄といった一連の工程を単一の低温減圧撹拌乾燥機1を使用して効率良く連続的に実行することができるようになり、素材の持つ風味や有効成分等を多く残存させた高品質の被乾燥物Aを効率良く生産できるようになる。尚、上記で洗浄工程が省略される場合があるのは、例えば同一の被乾燥物を、別のバッチとして連続して乾燥する場合、洗浄工程は省略されるためである。
【0083】
尚、本実施の形態に係る低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法では、低融点材料を含んだ被乾燥物Aの一例としてゼラチンを主成分とするソフトカプセルを適用した場合を示したが、本発明の適用対象となる被乾燥物Aはこれに限られない。例えば、ソフトカプセルとしては、澱粉とカラギーナンを主原料とするソフトカプセルについても同様に実施できる。
また、上記低融点材料の融点温度は、被乾燥物Aの材質により異なるものであり、特に限定するものではないが、例えば、ソフトカプセルの場合は、30〜50℃の範囲内であり、本発明の低温減圧撹拌乾燥機1及び低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法に適している。
【0084】
(6)第6の実施の形態(
図15参照)
本実施の形態では、前述した
図1〜
図10に示す第1の実施の形態の低温減圧撹拌乾燥機1Aを複数台使用し、前記第5の実施の形態で述べた低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法にしたがって更に効率的な乾燥を行うようにした低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法を開示している。
即ち、上記低温減圧撹拌乾燥機1Aを前記第5の実施の形態で述べた投入、乾燥、排出、洗浄(洗浄については省略する場合もある。)の4つの工程S1〜S4の合計の処理時間をソフトカプセルAの製造能力を考慮して定めた所定時間で等分した複数台を使用し、上記複数台の低温減圧撹拌乾燥機1Aに対して、製造されたソフトカプセルAを上記所定時間ごと順番に投入して連続的に乾燥するように構成されている。
【0085】
具体的には、
図15に示すような被乾燥物の乾燥ラインLを設けることによって本実施の形態に係る低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法が実行できる。
上記被乾燥物の乾燥ラインLは、並列的に6台の低温減圧撹拌乾燥機1Aを整列配置しており、各低温減圧撹拌乾燥機1Aの投入シュート29の上端の開口部に対して各別にソフトカプセルAを供給できるように、コンベヤ移動レール85に沿ってコンベヤ長分移動できる供給コンベヤ87が配置されている。
【0086】
また、上記供給コンベヤ87の近傍にはソフトカプセルAを製造するためのソフトカプセル製造機89が配置されており、該ソフトカプセル製造機89によって製造されたソフトカプセルAの上記供給コンベヤ87に対する供給間隔は約1時間に設定されている。
また、低温減圧撹拌乾燥機1Aの処理時間は約4.5時間であり、上記6台の低温減圧撹拌乾燥機1Aの処理の開始のタイミングを45分ごと順番にずらすことによって最初のソフトカプセルAの乾燥後は、45分ごとに順次ソフトカプセルAが所定量ずつ乾燥されて排出されるように構成されている。
【0087】
そして、このようにして構成される本実施の形態に係る低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法によっても、前述した第5の実施の形態と同様の作用、効果を発揮でき、更に複数台の低温減圧撹拌乾燥機1Aの連繋によって、低温減圧撹拌乾燥機1Aの空き時間を少なくして被乾燥物の乾燥ラインLの生産性を大幅に向上させることが可能になる。
【0088】
尚、本発明の低温減圧撹拌乾燥機1及び低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、上記の実施の形態のものに限定されず、その発明の要旨内での変更が可能である。
例えば、開閉扉13の開閉と、回転ドラム7の乾燥室本体11からの出し入れを自動化することが可能であり、前記第3の実施の形態と第4の実施の形態において採用した構成の減圧装置17C、17Dを前記第1の実施の形態と第2の実施の形態の減圧装置17A、17Bとして使用することが可能である。
【0089】
また、回転ドラム7内からの被乾燥物Aの排出を容易にするために回転ドラム7の軸方向Dを排出口5側が幾分低くなるように傾斜させた状態に設定することも可能である。
また、前記第3の実施の形態と第4の実施の形態で設けたジャケット81に供給する熱媒としては低温蒸気の他、温水等を使用することも可能である。
【0090】
この他、前記第6の実施の形態のように複数台の低温減圧撹拌乾燥機1を使用する場合には図示のように6台の低温減圧撹拌乾燥機1を使用する場合に限らず、ソフトカプセル製造機89の製造能力等に応じて使用する低温減圧撹拌乾燥機1の台数を適宜可変することが可能である。
また、上記複数台の低温減圧撹拌乾燥機1を作動するタイミングも前記第6の実施の形態のように所定時間ずつ順番にずらして作動させる他、これら複数台の低温減圧撹拌乾燥機1を複数組に分け、同一の組の低温減圧撹拌乾燥機1については、同じタイミングで作動させるようにすることも可能である。
[産業上の利用可能性]
【0091】
本発明の低温減圧撹拌乾燥機及び低融点材料を含んだ被乾燥物の乾燥方法は、極めて低い温度で溶融してしまう被乾燥物の製造、使用分野等で利用でき、特に被乾燥物の素材の持つ風味や有効成分等を壊すことなく効率良く被乾燥物の乾燥を行いたい場合に利用可能性を有する。