特許第6086447号(P6086447)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6086447
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】金属係止タイ
(51)【国際特許分類】
   F16B 2/08 20060101AFI20170220BHJP
   B65D 63/08 20060101ALI20170220BHJP
   F16B 7/04 20060101ALI20170220BHJP
   F16L 3/137 20060101ALI20170220BHJP
   H02G 3/22 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   F16B2/08 G
   B65D63/08
   F16B7/04 301G
   F16L3/137
   H02G3/22 260
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-540973(P2013-540973)
(86)(22)【出願日】2011年11月16日
(65)【公表番号】特表2014-503760(P2014-503760A)
(43)【公表日】2014年2月13日
(86)【国際出願番号】US2011060991
(87)【国際公開番号】WO2012071229
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2014年11月7日
【審判番号】不服2015-13497(P2015-13497/J1)
【審判請求日】2015年7月16日
(31)【優先権主張番号】12/952,409
(32)【優先日】2010年11月23日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507202736
【氏名又は名称】パンドウィット・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アール・ジェイ・デベリー
(72)【発明者】
【氏名】スコット・ケー・ベネディクト
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ダブリュ・ヒップル
【合議体】
【審判長】 阿部 利英
【審判官】 中川 隆司
【審判官】 小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0200949(US,A1)
【文献】 特開2003−160070(JP,A)
【文献】 米国特許第2870503(US,A)
【文献】 特開2005−30528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B2/08,B65D63/08,F16B7/04,F16L3/137,H02G3/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属係止タイであって、
第1の端及び第2の端を有するタイ本体と、
前記タイ本体の第1の端に固定されるヘッドであり、前記ヘッドは、ルーフ、底壁、1段目のヘッドフロア、及び2段目のヘッドフロアを有し、前記1段目のヘッドフロアが係止変位穴を含む、ヘッドと、
前記ヘッド内に配置される係止ボールと、
を備え、
前記ヘッドが、入口端、出口端、前記2段目のヘッドフロアと前記1段目のヘッドフロアの底部との間に画定される第1の通路、及び前記1段目のヘッドフロアの頂部と前記係止ボールとの間に画定される第2の通路をさらに有し、前記第1の通路及び前記第2の通路が前記入口端から前記出口端に延在し、
前記タイ本体の前記第2の端に張力を作用させた場合に、前記係止ボールが、前記タイ本体と前記係止ボールとの間における摩擦力による回転により、前記張力の作用方向の反対方向に移動されることによって、前記係止ボールが前記係止変位穴に導かれ、これにより、前記第2の通路の内部に配置されている前記タイ本体が、前記係止変位穴に嵌ろうとする前記係止ボールによって、前記係止変位穴の内部に向かって湾曲され、前記タイ本体の連続的な部分が前記ヘッドの中に固定される、
金属係止タイ。
【請求項2】
前記係止ボールが前記1段目のヘッドフロア上に配置される、請求項1に記載の金属係止タイ。
【請求項3】
前記2段目のヘッドフロアがデュアルヘッドフロアである、請求項1に記載の金属係止タイ。
【請求項4】
前記1段目のヘッドフロアが前記タイ本体を固定するための多数の接点を含み、張力をかけられた前記タイ本体が前記係止ボールを前記係止変位穴の方に動かして前記タイ本体に凹形面が形成される、請求項1に記載の金属係止タイ。
【請求項5】
金属係止タイであって、
第1の端及び第2の端を有するタイ本体と、
前記タイ本体の第1の端に固定されるヘッドであり、前記ヘッドは、ルーフ、底壁、1段目のヘッドフロア、及び2段目のヘッドフロアを有し、前記1段目のヘッドフロアが係止変位穴を含み、前記ヘッドは、前記ヘッドの前記1段目のフロア上に配置される隆起したディンプルをさらに有する、ヘッドと、
前記ヘッド内に配置される係止ボールと、
を備え、
前記ヘッドが、入口端、出口端、前記2段目のヘッドフロアと前記1段目のヘッドフロアの底部との間に画定される第1の通路、及び前記1段目のヘッドフロアの頂部と前記係止ボールとの間に画定される第2の通路をさらに有し、前記第1の通路及び前記第2の通路が前記入口端から前記出口端に延在し、
前記タイ本体の前記第2の端に張力を作用させた場合に、前記係止ボールが、前記タイ本体と前記係止ボールとの間における摩擦力による回転により、前記張力の作用方向の反対方向に移動されることによって、前記係止ボールが前記係止変位穴に導かれ、これにより、前記第2の通路の内部に配置されている前記タイ本体が、前記係止変位穴に嵌ろうとする前記係止ボールによって、前記係止変位穴の内部に向かって湾曲され、前記タイ本体の連続的な部分が前記ヘッドの中に固定される、
金属係止タイ。
【請求項6】
金属係止タイであって、
第1の端及び第2の端を有するタイ本体と、
前記タイ本体の第1の端に固定されるヘッドであり、前記ヘッドは、ルーフ、底壁、1段目のヘッドフロア、及び2段目のヘッドフロアを有し、前記1段目のヘッドフロアが係止変位穴を含み、前記係止変位穴が前記1段目のヘッドフロアの中央に位置し、前記ヘッドの前記1段目のヘッドフロア上に配置された隆起したディンプルをさらに備える、ヘッドと、
前記ヘッド内に配置される係止ボールと、
を備え、
前記ヘッドが、入口端、出口端、前記2段目のヘッドフロアと前記1段目のヘッドフロアの底部との間に画定される第1の通路、及び前記1段目のヘッドフロアの頂部と前記係止ボールとの間に画定される第2の通路をさらに有し、前記第1の通路及び前記第2の通路が前記入口端から前記出口端に延在し、
前記タイ本体の前記第2の端に張力を作用させた場合に、前記係止ボールが、前記タイ本体と前記係止ボールとの間における摩擦力による回転により、前記張力の作用方向の反対方向に移動されることによって、前記係止ボールが前記係止変位穴に導かれ、これにより、前記第2の通路の内部に配置されている前記タイ本体が、前記係止変位穴に嵌ろうとする前記係止ボールによって、前記係止変位穴の内部に向かって湾曲され、前記タイ本体の連続的な部分が前記ヘッドの中に固定される、
金属係止タイ。
【請求項7】
金属係止タイであって、
第1の端及び第2の端を有するタイ本体と、
前記タイ本体の第1の端に固定されるヘッドであり、前記ヘッドは、ルーフ、底壁、1段目のヘッドフロア、及び2段目のヘッドフロアを有し、前記1段目のヘッドフロアが係止変位穴を含む、ヘッドと、
前記ヘッド内に配置される係止ボールと、
を備え、
前記ヘッドが、入口端、出口端、前記2段目のヘッドフロアと前記1段目のヘッドフロアの底部との間に画定される第1の通路、及び前記1段目のヘッドフロアの頂部と前記係止ボールとの間に画定される第2の通路をさらに有し、前記第1の通路及び前記第2の通路が前記入口端から前記出口端に延在し、
前記タイ本体が上向きに延在する変形部及び下向きに延在する変形部を含み、前記タイ本体が前記ヘッドに固定されるときに前記上向きに延在する変形部が前記下向きに延在する変形部と係合し、
前記タイ本体の前記第2の端に張力を作用させた場合に、前記係止ボールが、前記タイ本体と前記係止ボールとの間における摩擦力による回転により、前記張力の作用方向の反対方向に移動されることによって、前記係止ボールが前記係止変位穴に導かれ、これにより、前記第2の通路の内部に配置されている前記タイ本体が、前記係止変位穴に嵌ろうとする前記係止ボールによって、前記係止変位穴の内部に向かって湾曲され、前記タイ本体の連続的な部分が前記ヘッドの中に固定される、
金属係止タイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属係止タイに関し、より具体的には2段ヘッドをもつ金属係止タイに関する。
【背景技術】
【0002】
綿などの梱を束ねるための係止ボール及びローラピンを組み込んだ金属製バンドリング装置が19世紀から用いられている。従来技術の装置のいずれもポジティブロックではなかった、すなわち、係止ヘッドの向きによっては、重力がボールをストラップとの係止係合から外れた状態に保持し、結果的に解放する可能性があった。特許文献1は、通されたストラップが係止ヘッドを出る際に該通されたストラップをフロア部から離れる方に偏向させるための隆起部又は突起部の付加を教示することによってこの問題に対処した。この偏向は、ボールの位置又は係止ヘッドの向きに関係なく係止ボールが通されたストラップと確実に継続的に係合する状態にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4,399,592号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷重下でのタイ本体の直線変位を減少させる改善された金属係止タイを提供することが望ましいであろう。
【0005】
改善されたループ引張り性能を有する金属係止タイを提供することも望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タイ本体及び2段ヘッドを有する金属係止タイが開示される。タイ本体は第1の端及び第2の端を含む。タイ本体の第1の端に2段ヘッドが固定される。2段ヘッドは、ルーフ、底壁、1段目のヘッドフロア、及び2段目のヘッドフロアを含む。2段ヘッドはまた、張力がかかったときにタイ本体を固定するための係止ボールを含む。1段目のヘッドフロアは、係止ボールを受け入れるための係止変位穴を含む。タイ本体の第2の端は、束の周りに1回又は複数回、及びタイ本体が2段目のヘッドフロアと1段目のヘッドフロアとの間に延びるように2段ヘッドを通して、ループにされる。最後のループは、2段ヘッドを通して、係止ボールと1段目のヘッドフロアとの間に通される。タイ本体の第2の端に張力がかかる際に、係止ボールが係止変位穴の方に動いてタイ本体をヘッドの中に固定する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】ケーブルの束の周りに設置された本発明の金属係止タイの斜視図である。
図2図1の金属係止タイの頂部斜視図である。
図3図1の金属係止タイの底部斜視図である。
図4】タイ本体が2段ヘッドから分離した状態の、図1の金属係止タイの分解された頂部斜視図である。
図5】タイ本体が2段ヘッドから分離した状態の、図4の金属係止タイの分解された底部斜視図である。
図6図1の金属係止タイの2段ヘッドの頂部斜視図である。
図7】線7−7に沿って見た図4の2段ヘッドの断面図である。
図8図5の線8−8に沿って見たタイ本体の第1の端の断面図である。
図9】タイ本体が2段目のデュアルヘッドフロアに沿って延びている状態の、ケーブルの束の周りに設置されている図1の金属係止タイの断面図である。
図10】タイ本体が1段目のヘッドフロアに沿って延びている状態の、ケーブルの束の周りに設置されている図1の金属係止タイの断面図である。
図11図10の金属係止タイの部分断面図である。
図12】線12−12に沿って見た図11の金属係止タイの断面図である。
図13】係止ボールが係止変位穴に近づいており、且つタイ本体が1段目のヘッドフロアに沿って延びている状態の、図10の金属係止タイの部分断面図である。
図14】線14−14に沿って見た図13の金属係止タイの断面図である。
図15】係止ボールが係止変位穴の中に配置され、且つタイ本体が切断された状態の、図10の金属係止タイの部分断面図である。
図16】本発明の代替的な金属係止タイの斜視図である。
図17図16の代替的な金属係止タイの2段ヘッドの底部斜視図である。
図18】線18−18に沿って見た図17の2段ヘッドの断面図である。
図19】係止ボールが係止変位穴に近づいており、且つタイ本体が1段目のヘッドフロアに沿って延びている状態の、ケーブルの束の周りに設置されている図16の代替的な金属係止タイの断面図である。
図20】線20−20に沿って見た図19の金属係止タイの断面図である。
図21】係止ボールが係止変位穴の中に配置され、且つタイ本体が切断された状態の、図19の金属係止タイの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1は、ケーブルの束180の周りに設置された本発明の金属係止タイ50を例証する。本発明の金属係止タイ50は、2段ヘッド100及びタイ本体150を含む。図2及び図3は、タイ本体150の第1の端152が2段ヘッド100の中に設置された状態の金属係止タイ50を例証する。
【0009】
図4図5、及び図8は、2段ヘッド100の中に設置される前のタイ本体150を例証する。タイ本体150は、折り畳み部154及び第2の端162と共に第1の端152を含む。折り畳み部154は、2段ヘッド100の入口端116の周りに嵌る。タイ本体150の第1の端152は、上向きに延在する変形部156及び上向きに延在する係止タブ158を含む。タイ本体150はまた、タイ本体150が2段ヘッド100の中に配置されるときに第1の変形部156と係合するように設計される第2の下向きに延在する変形部160を含む(図9図11参照)。
【0010】
図4図7は、2段ヘッド100を例証する。2段ヘッド100は、ルーフ102、天井部104、及び底壁106を含む。天井部104と底壁106は、側壁110によって接合される。2段ヘッド100は、入口端116及び出口端118と共に1段目のヘッドフロア112及び2段目のデュアルヘッドフロア114を含む。図9図11図13、及び図15で例証されるように、第1の通路120(図5参照)は、2段目のデュアルヘッドフロア114と1段目のヘッドフロア112との間に位置し、第2の通路122は、1段目のヘッドフロア112と係止ボール128との間に位置する。
【0011】
図7で例証されるように、1段目のヘッドフロア112は、1段目のヘッドフロア112の中央に位置する係止変位穴124を含む。係止変位穴124は、タイ本体150ではなく2段ヘッド100に形成され、金属係止タイを固定するのに必要とされる構成部品の数を減らすことによってヘッドの中の係止ボールの位置合わせがずれる可能性を制限する。結果として、係止変位穴124をもつ2段ヘッド100の設計は、係止変位穴124と係止ボール128との間の繰り返し可能で且つ一貫した関係性を生み出す。
【0012】
1段目のヘッドフロア112はまた、2段ヘッド100の側壁110に隣接する係止変位穴124の各側に配置された隆起したディンプル126を含む。
【0013】
図9図15は、ケーブルの束180の周りに設置されている本発明の金属係止タイ50を例証する。図9で例証されるように、タイ本体150の第1の端152は、2段ヘッド100の底壁106に沿って配置され、折り畳み部154は、第1の通路120の入口端116に配置される。タイ本体150は、2段目のデュアルヘッドフロア114に沿って2段ヘッド100を通り延在する。タイ本体150の第1の変形部156と第2の変形部160がそれぞれ互いに接触する状態で、上向きに延びる係止タブ158が底壁106と係合してタイ本体150を2段ヘッド100に固定する。
【0014】
金属係止タイ50をケーブルの束180の周りに設置するために、タイ本体150は、ケーブルの束180の周りに第1のループを形成する。次に、タイ本体150は、2段ヘッド100の入口端116で第1の通路120に入る。タイ本体150は、該タイ本体150が2段ヘッド100の中に設置されたタイ本体150の第1の端152と1段目のヘッドフロア112の底部との間に配置されるように第1の通路120を通り延在する。タイ本体150は、第2のループを完成させるためにケーブルの束180の周りに再び巻かれる。所望される場合、2段ヘッド100は、第1の通路120を通したタイ本体150の付加的なループを可能にするために2段目のデュアルヘッドフロア114と1段目のヘッドフロア112との間により大きい隙間をもつように設計されてもよい。
【0015】
図10で例証されるように、タイ本体150がケーブルの束180の周りに第2のループを完成させると、タイ本体150は、2段ヘッド100の入口端116で第2の通路122に入る。タイ本体150は、1段目のヘッドフロア112と係止ボール128との間に配置されるように第2の通路122を通り延在する。タイ本体150が第2の通路122を通り延在する際に、隆起したディンプル126がタイ本体150上に一次接点130を生み出し、係止ボール128がタイ本体150上に二次接点132を生み出す。
【0016】
図11図14は、タイ本体150がケーブルの束180の周りで張力をかけられている状態の、2段ヘッド100の中に設置されたタイ本体150を例証する。タイ本体150上の張力が増加する際に、タイ本体150は、2段ヘッド100の中の係止変位穴124の方に係止ボール128を動かし始める(図13参照)。係止ボール128が係止変位穴124に近づく際に、隆起したディンプル126がタイ本体150に二平面(bi−planar)湾曲をもたらす(図14参照)。
【0017】
張力をかけられたタイ本体150は、係止ボール128を入口端116及び隆起したディンプル126の方に寄せて、係止ボール128とタイ本体150との間により大きい接触表面積をもたらす。結果として、係止ボール128とタイ本体150との間の摩擦が増加する。
【0018】
図14は、タイ本体150の外縁上に2つの一次接点130を生み出す隆起したディンプル126を例証する。係止ボール128は、タイ本体150の中央に下向きの力をもたらして二次接点132を生み出す。タイ本体150は、凹形面又は二平面湾曲を形成し、これにより、係止ボール128とタイ本体150との間の接触表面積を増加させる。結果として、より短い、より効果的な係止作用が生じ、タイ本体150の直線変位が減少する。
【0019】
図15は、所定の張力に達し、且つタイ本体150が工具(例証されない)によって切断された後の、2段ヘッド100の中に設置されたタイ本体150を例証する。係止ボール128とタイ本体150の一部は、係止変位穴124の中に配置されてタイ本体150を2段ヘッド100の中に固定する。
【0020】
金属係止タイ50の2段ヘッド100は、タイ本体150のループを分離する。結果として、タイ本体150を2段ヘッド100を通して挿入するのに必要とされる力がタイ本体150の各ループに関して最小になる。
【0021】
2段ヘッド100の別の利点は、タイ本体150上の接点130、132が、係止ボール128とタイ本体150との間の継続的接触を改善する増加したばね状態をもたらすことである(図13図14参照)。
【0022】
2段ヘッド100はまた、タイ本体150の直線変位を減少させ、より強い金属係止タイ50を提供し、金属係止タイ50の性能の変動性を減少させる。
【0023】
代替的に、2段ヘッドは、隆起したディンプルなしに設計されてもよい。図16図21は、2段ヘッド250及びタイ本体300をもつ代替的な金属係止タイ200を例証する。タイ本体300は、図1図15に関して説明されたタイ本体150と同一である。2段ヘッド250は、1段目のヘッドフロア252及び2段目のデュアルヘッドフロア254を含む。図17図18で例証されるように、1段目のヘッドフロア252だけが、1段目のヘッドフロアの中央付近に位置する係止変位穴256を含む。
【0024】
代替的な金属係止タイ200の2段ヘッド250は、タイ本体300のループを分離する。結果として、タイ本体300を2段ヘッド250を通して挿入するのに必要とされる力がタイ本体300の各ループに関して最小になる。2段ヘッド250はまた、タイ本体300の直線変位を減少させ、より強い金属係止タイ200を提供し、金属係止タイ200の性能の変動性を減少させる。
【0025】
さらに、本発明の特定の好ましい実施形態が図示され説明されているが、本発明の教示から逸脱することなく変更及び修正を加えてもよいことが当業者には明らかであろう。上記の説明及び添付の図面に記載の事項は、限定するものとしてではなく単なる例証として与えられる。本発明の実際の範囲は、従来技術に基づくそれらの適正な観点で見たときに以下の請求項において定義されるように意図される。
【符号の説明】
【0026】
50 金属係止タイ
100 2段ヘッド
102 ルーフ
104 天井部
106 底壁
110 側壁
112 1段目のヘッドフロア
114 2段目のデュアルヘッドフロア
116 入口端
118 出口端
120 第1の通路
122 第2の通路
124 係止変位穴
126 ディンプル
128 係止ボール
130 一次接点
132 二次接点
150 タイ本体
152 第1の端
154 畳み部
156 変形部
158 係止タブ
160 変形部
162 第2の端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21