特許第6086462号(P6086462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6086462
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】ペースト状クレンジング化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20170220BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20170220BHJP
   A61Q 1/14 20060101ALI20170220BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   A61K8/34
   A61K8/86
   A61K8/37
   A61K8/60
   A61K8/92
   A61K8/31
   A61K8/81
   A61K8/365
   A61Q1/14
   A61Q19/10
【請求項の数】4
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-209253(P2016-209253)
(22)【出願日】2016年10月26日
【審査請求日】2016年11月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】505443160
【氏名又は名称】株式会社 サティス製薬
(74)【代理人】
【識別番号】100179981
【弁理士】
【氏名又は名称】入澤 直志
(72)【発明者】
【氏名】三金 邦洋
【審査官】 松本 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−074638(JP,A)
【文献】 特開2004−331573(JP,A)
【文献】 特開2009−013092(JP,A)
【文献】 特開2013−028542(JP,A)
【文献】 特開2013−180997(JP,A)
【文献】 特開2012−041301(JP,A)
【文献】 特開2011−126809(JP,A)
【文献】 特開2014−037404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00− 90/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)〜(F):
(A)グリセリンを含む多価アルコール 50〜91質量%
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10 0.25〜4質量%
(C)HLB5〜17の非イオン界面活性剤 1〜23質量%
(D)油性ワックス類及び/又は液状油から選ばれる1種以上 5〜38質量%
(E)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(スチレン /ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウムから選ばれる1種以上 0.001〜0.36質量%
(F)水 0〜10質量%
を含有するペースト状クレンジング化粧料。
【請求項2】
(C)HLB5〜17の非イオン界面活性剤が、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(SE)、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸PEG−15グリセリル、ステアリン酸PEG−5グリセリル及びジ(クエン酸/ステアリン酸)ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−20グリセリルから選ばれる1種以上である請求項1に記載のペースト状クレンジング化粧料。
【請求項3】
(D)油性ワックス類が、ロウ及び高級アルコールから選ばれる1種以上である請求項1又は2に記載のペースト状クレンジング化粧料。
【請求項4】
(D)液状油が、エステル油、オリーブ油、植物油及び炭化水素から選ばれる1種以上である請求項1〜3に記載のペースト状クレンジング化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペースト状クレンジング化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚の汚れやメイクアップ化粧料を落とす目的で、油性液状クレンジング化粧料が広く使用されている。油性液状クレンジング化粧料は、乳化型のクリーム状・乳液状クレンジング用組成物、あるいは水性液状・ゲル状クレンジング用組成物と比べて皮脂やメイクアップ汚れに対するクレンジング効果に優れている。
【0003】
しかし、油性液状クレンジング化粧料は、クレンジング効果が高いものの、一般に低粘度であるものが多く、手指への取りにくさや手指からの垂れ落ちが問題となったり、使用時に上滑りしてしまい、十分なマッサージ感が実感できない場合があった。そこで、マッサージ時の温感が得られるようグリセリンなどを高配合した油性液状クレンジング化粧料において、適度な粘性を付与しペースト状とするとともに、メイク落とし効果の優れたクレンジング化粧料が求められていた。
【0004】
そのため、クレンジング効果を維持しながら、低粘度から生じる問題点を解消すべく、増粘剤として(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10を添加したペースト状クレンジング組成物(例えば、特許文献1を参照。)が報告されている。こうした増粘剤を添加することにより、使用時のタレ落ちなどが防止され、温感があり、メイク落とし効果のあるペースト状クレンジング組成物が得られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016−74638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、こうした増粘剤全体の含有量が多いペースト状クレンジング組成物では、肌温度による融解なじみの遅さとそれに伴うのびの重さがマッサージ性を悪化させたり、増粘剤自体の肌付着性と乳化性の悪さによって水流し時後の肌への残り感を感じさせたり、冬季など低温時にはより悪化させる問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、使用時のマッサージ性が良く、低温での使用性も改善し、乳化性向上によりメイク落ちに優れたクレンジング化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は鋭意研究を行った結果、特定のコポリマー、有機酸及び該有機酸の塩類を含有するペースト状クレンジング化粧料により、(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び成分(B)の(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10の含有量を大幅に抑えつつ、上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、請求項1記載の発明は、次の成分(A)〜(F)を含有するペースト状クレンジング化粧料である。
(A)グリセリンを含む多価アルコール 50〜91質量%
(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10 0.25〜4質量%
(C)HLB5〜17の非イオン界面活性剤 1〜23質量%
(D)油性ワックス類及び/又は液状油から選ばれる1種以上 5〜38質量%
(E)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(スチレン /ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウムから選ばれる1種以上 0.001〜0.36質量%
(F)水 0〜10質量%
このように構成すると、成分(E)を少量添加することにより、増粘剤である(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルや、成分(B)の含有量を大幅に抑えても増粘効果が得られる。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、使用時のマッサージ性が良く、低温での使用性も改善し、乳化性向上によりメイク落ちに優れたクレンジング化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のクレンジング化粧料について詳述する。
【0012】
本発明の成分(A)である多価アルコールは、使用時の温感効果、なめらかな感触及び使用後の保湿感を高める目的で含有される。多価アルコールとしては、分子内に2個以上の水酸基を有し、一般に化粧料に用いられるものであれば特に限定されないが、本発明では、使用時の温感効果に優れることから、グリセリンを含有する。グリセリン以外の多価アルコールとしては、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、エチレングリコール、常温(25℃)で液状のポリエチレングリコール等の分子量1000以下のグリコール類、ジグリセリン、ポリグリセリン等の縮合度2〜20のグリセロール類、ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール類を挙げることができる。これらは必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。グリセリン以外の多価アルコールとしては、分子量1000以下のグリコール類が好ましく、さらにプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、常温(25℃)で液状のポリエチレングリコールが好ましい。
【0013】
本発明のクレンジング化粧料における成分(A)の含有量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、50〜91質量%(以下、単に「%」と記す。)の範囲とする。この範囲とすることで、上記の優れた効果を発揮させることが可能となる。さらに成分(A)の下限は65%以上が好ましく、70%以上がさらに好ましい。また成分(A)の上限は90%以下が好ましく、85%以下がさらに好ましい。具体的な範囲としては、65〜90%が好ましく、70〜85%がさらに好ましい。これらの範囲内であれば、より優れた効果が発揮される。
【0014】
また、必須多価アルコールであるグリセリンの含有量は、多価アルコール(成分(A))の総量を基準として、50〜100%の範囲とする。この範囲とすることで、十分な温熱効果を発揮させることが可能となる。さらに下限は60%以上とするのが好ましく、70%以上がさらに好ましい。
【0015】
本発明に用いられる成分(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10は、成分(A)グリセリンを含む多価アルコールに粘性を付与することができ、手指から垂れ落ちにくく、使用中の肌感触が良好で、マッサージしやすくすることができる。(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10は、ポリグリセリンと、エイコサン二酸とベヘン酸とから合成されるオリゴエステルを含むポリグリセリン系オリゴエステル系ゲル化剤である。この(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10は、市販品を用いることができ、例えばノムコートHK−P(日清製油株式会社製)が挙げられる。
【0016】
本発明のクレンジング化粧料における、成分(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10の配合量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、0.25〜4%が必要であり、好ましくは0.5〜2%、より好ましくは0.5〜1.5%である。これらの範囲内であれば、クレンジング化粧料に適度な粘性を付与し、製剤の顔等への塗布を容易とし、使用性を向上させる。0.25%未満であれば、クレンジング化粧料に適度な粘性を付与することができない。一方、4%を超えると、マッサージ性の悪さや使用後に肌への残り感があったり、低温で保存すると硬化しやすいなどの問題が生じる。
【0017】
本発明に用いられる成分(C)非イオン界面活性剤のHLBは、5〜17である。HLBが5より小さいと洗浄性が低下したり、HLBが17より大きいと親水性への偏りでメイクなじみの低下や過剰な脱脂による肌乾燥の懸念を生じやすい。
HLB5〜17の非イオン界面活性剤としては、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸グリセリル(SE)、ジステアリン酸ポリグリセリル−3メチルグルコース、クエン酸ステアリン酸グリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル−10、ステアリン酸PEG−15グリセリル、ステアリン酸PEG−5グリセリル、ジ(クエン酸/ステアリン酸)ポリグリセリル−3、トリイソステアリン酸PEG−20グリセリルから選ばれる1種以上が好ましく用いられる。
【0018】
本発明のクレンジング化粧料における、成分(C)HLB5〜17の非イオン界面活性剤の配合量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、1〜23%が必要であり、好ましくは1〜10%、より好ましくは1.5〜4%である。これらの範囲内であれば、クレンジング化粧料に適度な粘性を付与し、製剤の顔等への塗布を容易とし、使用性を向上させ、十分な洗浄力を付与する。1%未満であれば、クレンジング化粧料に十分な洗浄力を付与することができない。一方、23%を超えると、系の安定性が悪化したり、製剤粘度の低下による液垂れで使用性を低下させる。
【0019】
本発明に用いられる成分(D)油性ワックス類、液状油は、クレンジング化粧料にメイク落とし効果を付与する目的で含有される。油性ワックス類、液状油は、油性ワックス類及び/又は液状油より選ばれた少なくとも1種の成分である。油性ワックス類としては、ロウ及び高級アルコールからなる群より選ばれた少なくとも1種の成分である。一方、液状油としては、エステル油、オリーブ油、植物油及び炭化水素からなる群より選ばれた少なくとも1種の成分である。
【0020】
本発明のペースト状クレンジング化粧料において、成分(D) 油性ワックス類、液状油の配合量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、5〜38%が必要であり、好ましくは5〜25%、より好ましくは5〜20%である。これらの範囲内であれば、ペースト状クレンジング化粧料にメイク落とし効果を付与することができる。5%未満であれば、クレンジング化粧料に十分な洗浄力を付与することができない。一方、38%を超えると、系の安定性が悪化したり、製剤粘度の低下による液垂れで使用性を低下させたり、洗浄性も低下する。
【0021】
本発明に用いられる成分(E)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(スチレン /ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、有機酸及び該有機酸の塩類は、増粘効果のある成分(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10及び(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリルの含有量を大幅に抑えつつ、製剤の粘性付与、メイク落とし効果、使用後の肌への残り感の抑制、低温での保管安定性の改善を目的に含有される。
【0022】
これらの成分(E)において、例えば(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、アクリル酸ヒドロキシエチルとアクリロイルジメチルタウリン酸のナトリウム塩からなる共重合体である。この(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマーは、SEPINOV EMT10(SEPPIC社製)、SIMULGEL NS(SEPPIC社製)などの市販品を用いることができる。
【0023】
有機酸は、酸性を示す有機化合物の総称であり、中でもクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸、フィチン酸、コハク酸、フマル酸等が好適に使用できる。中でもクエン酸、リンゴ酸、乳酸、酒石酸が好ましく、クエン酸、リンゴ酸、乳酸がより好ましい。
有機酸の塩類は、有機酸とアルカリ金属の中和物からなる水溶性の塩が好ましい。アルカリ金属は元素周期表1A族の金属であり、いずれも使用することができる。中でもナトリウム、及びカリウムが好ましい。有機酸塩としては、具体的には、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウムが好適に使用できる。中でもクエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、酒石酸水素カリウムが好ましく、クエン酸三ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムがより好ましい。
【0024】
本発明のクレンジング化粧料において、成分(E) (アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、有機酸及び該有機酸の塩類の配合量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、0.001〜0.4%が必要であり、好ましくは0.005〜0.5%、より好ましくは0.01〜0.2%である。これらの範囲内であれば、クレンジング化粧料に適度な粘性を付与することができる。0.001%未満では適度な粘性を付与することができず、0.9%を超えると、のびが重くマッサージ性が悪く、低温時の使用性が悪化する。
【0025】
本発明に用いられる成分(F)は水である。例えば、蒸留水やイオン交換水などの精製水を好ましく用いることができる。
本発明のクレンジング化粧料において、成分(F)水の配合量は、クレンジング化粧料の総量を基準として、0〜10%であり、好ましくは0〜6%、より好ましくは0〜3%であるである。成分(F)において、10%を超えて配合した場合、使用時に温感を感じ難くなる傾向がみられ、好ましくない。
【0026】
本発明のペースト状クレンジング化粧料は、上述した成分の他に、本発明の目的を損なわない範囲で他の成分、例えば、他の油性ワックスや液状油である油性成分、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤、他の非イオン界面活性剤、生理活性成分、酸化防止剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、中和剤、昆虫忌避剤、酵素等の成分を適宜配合することができる。
【0027】
上記陰イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、例えばα−ラウロイルスルホン酸ナトリウム、ミリストイルアリルスルホン酸ナトリウム、ラウリルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸アミドエーテル硫酸カリウム、ラウリルリン酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸ナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0028】
上記両性界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルアミノジ酢酸ナトリウム、β−アミノプロピオン酸ナトリウム、N−ラウロイル−N’−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウム等が挙げられ、適宜一種又は二種以上選択して用いればよい。
【0029】
上記他の非イオン界面活性剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、アルキルポリグルコシド等が挙げられ、適宜1種又は2種以上選択して用いればよい。
【0030】
上記生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、紫外線防御剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。上記生理活性成分は、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分や、化合物等が挙げられるが、これらの中でも、特に天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が安全性の点で好ましい。
【0031】
上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分の例としては、例えばアシタバエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アロエエキス、アンズエキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オトギリソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カキョクエキス、キウイエキス、キューカンバーエキス、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クロレラエキス、クワエキス、紅茶エキス、酵母エキス、コラーゲン、サルビアエキス、サボンソウエキス、サンザシエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シャクヤクエキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウニンエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、ブクリョウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マドンナリリー花エキス、マロニエエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズマリーエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。また、植物抽出成分の中に油溶性の植物エキスも含まれる。油溶性植物エキスに用いられる植物としては、ローズマリー、ローヤルゼリー、レイシ、ラベンダー、センブリ、マロニエ、ボダイジュ、ビワ、トウキンセンカ、トウキ、ウスベニアオイ、ソウハクヒ、センキュウ、シラカバ、ショウブ、ジュウユヤク、シコネキス、ゴボウ、モモ、メリッサ、ホップ、ガイヨウ、オトギリソウ、オウバク、オウゴン、インチコウ、アロエ等を挙げることができる。
【0032】
上記香料としては、天然香料及び/又は合成香料を含む調合香料の1種又は2種以上を混合し使用することができ、本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物への賦香に際し、快い香りで調和のとれた、適度の先立ち、適度の強さの芳香と、拡散性および持続性効果をもたらすことが可能となる。また、本発明の油性液状皮膚洗浄剤組成物の使用に際しては、快い香りを有し、また、使用後もしばらく匂い続ける持続性や香料のマスキング機能により体臭のマスキングに優れた効果を示すことも可能となる。また、発明の効果を損なわない範囲でかかる香料により、殺菌効果だけではなく、リラックス効果、冷感・温感効果、嗜好性向上効果、血行促進効果、ストレス緩和効果、睡眠導入効果、自律神経調整効果、持続性向上、賦香の安定性向上、泡立ちの向上に加え、しっとり感、瑞々しさなどなど感触の向上などの多岐にわたる効果をもたらす香料成分と組み合わせることができる。以下、香料の代表例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
天然系香料としては、アミリスオイル、アンブレットシードオイル、イランイランオイル、イランイランアブソリュート、イリスレジノイド、イリスアブソリュート、イリスオイル、ウィンターグリーンオイル、エストラゴンオイル、エレミオレオレジン、エレミレジノイドアブソリュート、エレミチンキ、オークモスコンクリート、オークモスアブソリュート、オークモスレジン、オークモスレジノイド、オスマンサスアブソリュート、オスマンサスコンクリート、オポパナックスレジノイド、オポパナックスアブソリュート、オポパナックスオイル、オリバナムレジノイド、オリバナムアブソリュート、オリバナムオイル、オールスパイスオイル、オリガナムオイル、オレガノオイル、オレガノオレオレジン、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジフラワーコンクリート、カナンガオイル、ガージュンバルサム、ガージュンバルサムオイル、カッシーアブソリュート、カッシーフラワーオイル、カッシアオイル、ガーデニアアブソリュート、カーネションアブソリュート、カブリューバオイル、カモミルオイル、カルダモンオイル、ガルバナムオイル、ガルバナムレジン、ガルバナムレジノイド、キャラウェーシードオイル、キャロットシードオイル、キュベバオイル、グァヤックウッドオイル、グァヤックレジン、グァヤックコンクリート、クスノキオイル、クミンオイル、クミンアブソリュート、クミンオレオレジン、クラリセージオイル、グレープフルーツオイル、クローブオイル、コスタスオイル、コパイババルサム、コパイババルサムオイル、コパイババルサムレジン、コリアンダーオイル、サンダルウッドオイル、シソオイル、シダーウッドオイル、シトロネラオイル、ジャスミンオイル、ジャスミンアブソリュート、ジャスミンコンクリート、ジュニパーベリーオイル、ジュネアブソリュート、ジョンキルアブソリュート、ジンジャーオイル、シナモンオイル、シナモンバークオイル、シナモンリーフオイル、スギオイル、スターアニスオイル、スチラックスオイル、スチラックスレジノイド、スパイクラベンダーオイル、スペアミントオイル、セイボリーオイル、セージオイル、セダーオイル、セダーリーフオイル、ゼラニウムオイル、セロリーシードオイル、タイムオイル、タゲットオイル、タンジェリンオイル、チュベローズアブソリュート、ティーツリーオイル、トリーモスアブソリュート、トンカビーンオイル、トルーバルサム、ナツメッグオイル、ナルシサスアブソリュート、ネロリオイル、バイオレットリーフアブソリュート、パインオイル、パインニードルオイル、バジルオイル、パセリリーフオイル、パセリシードオイル、パセリハーブオイル、パチョリオイル、ハッカオイル、バニラアブソリュート、ハネーサックルアブソリュート、パルマローザオイル、バレリアンオイル、ビターオレンジオイル、ヒソップオイル、ヒバオイル、ヒノキオイル、ヒヤシンスアブソリュート、フェンネルオイル、フィグアブソリュート、プチグレンオイル、ブッチュオイル、ベイオイル、ベチバーオイル、ペッパーオイル、ペパーミントアブソリュート、ペパーミントオイル、ベルガモットオイル、ペルーバルサム、ベンゾインチンキ、ベンゾインレジノイド、ホウショウオイル、マージョラムオイル、マンダリンオイル、ミカンオイル、ミモザコンクリート、ミモザアブソリュート、ミモザオイル、ミルレジノイド、ミルアブソリュート、ミルオイル、ムスクアブソリュート、ムスクチンキ、ユーカリオイル、ユズオイル、ライムオイル、ラブダナムオイル、ラブダナムレジノイド、ラベンダーオイル、ラベンダーアブソリュート、ラバンジンオイル、ラバンジンアブソリュート、レモンオイル、レモングラスオイル、ローズオイル、ローズアブソリュート、ローズコンクリート、ローズマリーオイル、ローレルオイル、ローレルリーフオイル等が挙げられる。
【0034】
合成香料としては、アンブレッドリド、アルデヒドC6〜C12、アニスアルデヒド、アセタールR、アセトフェノン、アセチルセドレン、アドキサール、アリルアミルグリコレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、アンブロキサン、アミルシンナミックアルデヒド、アミルシンナミックアルデヒドジメチルアセタール、アミルバレリアネート、アミルサリシレート、アセチルオイゲノール、イソアミルアセテート、イソアミルサリシレート、インドール、イオノン、イソボルニルアセテート、イソシクロシトラール、イソEスーパー、イソオイゲノール、イソノニルアセテート、イソブチルキノリン、γ−ウンデカラクトン、エチレンブラシレート、エチレンドデカンジオエート、エチルワニリン、2−エチルヘキサノール、オウランチオール、10−オキサヘキサデカノリド、11−オキサヘキサデカノリド、12−オキサヘキサデカノリド、オキサヘキサデセン−2−オン、オイゲノール、オリボン、オキシフェニロン、ガラクソリド、カリオフィレン、カシュメラン、カルボン、β−カリオフィレン、キャロン、クマリン、p−クレジールメチルエーテル、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、ゲラニルニトリル、コアボン、サンダロア、サンデラ、サンタレックス、シンナミックアルコール、シンナミックアルデヒド、シスジャスモン、シトラール、シトラールジメチルアセタール、シトラサール、シトロネラール、シトロネロール、シトロネリルアセテート、シトロネリルフォーメート、シトロネリルニトリル、シクラセット、シクラメンアルデヒド、シクラプロップ、ジメチルベンジルカービノール、ジヒドロジャスモン、ジヒドロリナロール、ジヒドロミルセノール、ジメトール、ジミルセトール、ジフェニルオキサイド、ジャスマール、ジャスモラクトン、ジャスモフィラン、シンナミルアセテート、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデセノン、シクロペンタデカノリド、シクロヘキサデカノリド、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ジャスマサイクレン、スチラリールアセテート、スチラリールプロピオネート、セドロアンバー、セドリルアセテート、セドロール、セレストリッド、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、ダマセノン、ターピネオール、ターピニルアセテート、チモール、テトラヒドロリナロール、テトラヒドロリナリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、テトラヒドロゲラニルアセテート、トナリッド、トラセオライド、トリプラール、ネリルアセテート、ネロール、ネオベルガメート、γ−ノナラクトンノピルアルコール、ノピルアセテート、バクダノール、ハイドロトロピックアルコール、α−ピネン、β−ピネン、ヒドロキシシトロネラール、ヒヤシンスジメチルアセタール、ブチルブチレート、p−t−ブチルシクロヘキサノール、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、o−t−ブチルシクロヘキサノール、o−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、フルイテート、フェンチルアルコール、フェニルエチルフェニルアセテート、フェニルエチルアセテート、ペンタリッド、ベルドックス、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルサリシレート、ベルガミルアセテート、ベンズアルデヒド、ベンジルフォーメート、ヘディオン、ヘリオナール、ヘリオトロピン、cis−3−ヘキセノール、cis−3−ヘキセニールアセテート、cis−3−ヘキセニールサリシレート、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ヘキシルサリシレート、ボルニルアセテート、ボルネオール、マンザネート、マイヨール、ミルセン、ミラックアルデヒド、ミューゲアルデヒド、ムゴール、ムスクTM−11、ムスク781、ムスクC14、ムスコン、ムスクケトン、ムスクチベチン、メンサニールアセテート、メンソネート、メチルアンスラニレート、メチルオイゲノール、メントール、α−メチルイオノン、β−メチルイオノン、γ−メチルイオノン、メチルイソオイゲノール、メチルラベンダーケトン、メチルサリシレート、14−メチル−ヘキサデセノリド、14−メチル−ヘキサデカノリド、メチルナフチルケトン、メチルフェニルアセテート、ヤラヤラ、δ−C6〜C13ラクトン、ライムオキサイド、γ−C6〜C13ラクトン、ラズベリーケトン、リモネン、リグストラール、リリアール、リナロール、リナロールオキサイド、リナリルアセテート、リラール、ルバフラン、ローズフェノン、ローズオキサイド、ワニリンなどが挙げられる。
【0035】
香料成分を組み合わせた調合香料としては、次のような香調のベース類がある。レモン調、ライム調、オレンジ調、スイートオレンジ調、マンダリン調、ベルガモット調等のシトラスタイプベース、プチグレン調、ネロリ調、レモングラス調、アグルメン調、等のフレッシュタイプベース、アップル調、ピーチ調、ストロベリー調、ココナッツ調、パイナップル調、ラズベリー調、ウォーターメロン調、グレープ調、マンゴー調、フルーツミックス調、トロピカルフルーツ調等のフルーティタイプベース、ローズ調、ジャスミン調、ムゲ調、ライラック調、カーネーション調、ヒアシンス調、チュベローズ調、ガーデニア調、ミモザ調、ナルシス調、バイオレット調、イラン調、フローラルブーケ調等のフローラルタイプベース、シナモンバーク調、シナモンリーフ調、クローブ調、ピメントベリー調、ナツメグ調、ペッパー調、カルダモン調、コリアンダー調、クミン調等のスパイシータイプベース、シダーウッド調、ベチバー調、サンダルウッド調、グアイアックウッド調、ウッディアンバー調、ウッディイリス調等のウッディタイプベース、スモーキー調、キノリン調等のレザータイプ、バニラ調、トンカ調、ハネー調、ピュアーバルサム調等のスイートタイプベース、その他バターフレーバー、ミルクフレーバー、アルデハイディックタイプベース、アンバータイプベース、アニマルタイプベース、アニスタイプベース、アロマティックハーバルタイプベース、アガータイプベース、アクアタイプベース、カンファーシネオールタイプベース、グリーンタイプベース、シードタイプベース、ハーブタイプベース、パインタイプベース、パチュリタイプベース、バルサミックタイプベース、ミントタイプベース、ムスクタイプベース、モスタイプベース、ラベンダータイプベース、リナロールタイプベース、レジンタイプベース等が挙げられる。
【0036】
また、香料の溶剤又は保留剤としてジエチルフタレート、ジプロピレングリコール、ベンジルベンゾエート、イソプロピルミリステート、ハーコリン、イソペンタン、オレンジテルペン等を使用することができる。
【0037】
また、上記天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分以外の成分としては、例えばデオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤、ビタミン類(A、B2、B6、C、D、E)、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、イソプロピルメチルフェノール、トリクロサン、ヒノキチオール、塩化ベンザルコニウム等の殺菌剤、l−メントール、ハッカ油等の冷感剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤等が挙げられる。
【0038】
本発明のペースト状クレンジング化粧料は、例えば、顔、手、足、身体などに塗布し、マッサージ後、洗い流すことによって皮膚の汚れやメイクアップ化粧料を落とすために使用される。
【実施例】
【0039】
次に本発明のペースト状クレンジング化粧料について、実施例をもって詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、以下の全ての実施例及び比較例における配合量は質量%である。
【0040】
本発明のペースト状クレンジング化粧料は、常法により製造できる。
【0041】
表1〜3に示す実施例1〜26及び表4、5に示す比較例1〜15において、実施した官能試験の試験方法を以下に説明する。
なお、表1〜表5において、成分( E )である、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー及び(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマーの配合量は、それぞれの純分に換算した値である。
【0042】
メイクを施した女性10名のパネラーが、実施例及び比較例に示すペースト状クレンジング化粧料を使用し、「25℃液垂れ」、「25℃のび」、「5℃のび」、「40℃流動性」、「温感」及び「メイク落ち」の各官能評価により評価を行った。
【0043】
・25℃液垂れ評価試験法(常温での使用性)
◎:非常に良好 手指から液垂れしにくく使用性が良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 手指から液垂れしにくく使用性が良いと答えた被験者の数が8人未満
△:やや悪い 手指から液垂れしにくく使用性が良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 手指からの液垂れしにくく使用性が良いと答えた被験者の数が4人未満
【0044】
・25℃のび評価試験法(常温でのマッサージ性)
◎:非常に良好 のびが良くマッサージ性が良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 のびが良くマッサージ性が良いと答えた被験者の数が8人未満
△:やや悪い のびが良くマッサージ性が良いと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い のびが良くマッサージ性が良いと答えた被験者の数が4人未満
【0045】
・5℃のび評価試験法(低温時の使用性)
◎:非常に良好 肌温度でなじみやすく使用性が良いと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 肌温度でなじみやすく使用性が良いと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 肌温度でなじみやすく使用性が良いとと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 肌温度でなじみやすく使用性が良いと答えた被験者の数が4人未満
【0046】
・40℃流動性評価試験法(高温時の使用性)
◎:非常に良好 50ml容器中の静置保存製剤を撹拌しても流動性がない。
○:良好 50ml容器中の静置保存製剤に流動性はないが製剤を撹拌する一時的に流動性を持つ。
△:やや悪い 50ml容器を傾けて静置しておくと製剤が徐々に流動する。
×:悪い 50ml容器中の製剤は、容器の傾きに応じて随時流動する。
【0047】
・温感評価試験法
◎:極めて良好 適度な温感ありと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 適度な温感ありと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:やや悪い 適度な温感ありと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い 適度な温感ありと答えた被験者の数が4人未満
【0048】
・メイク落ち評価試験法
◎:非常に良好 メイク落とし効果に優れて不快な残り感がないと答えた被験者の数が8人以上
○:良好 メイク落とし効果に優れて不快な残り感がないと答えた被験者の数が6人以上、8人未満
△:不十分 メイク落とし効果に優れて不快な残り感がないと答えた被験者の数が4人以上、6人未満
×:悪い メイク落とし効果に優れて不快な残り感がないと答えた被験者の数が4人未満
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【表5】
【0054】
表1〜表3に示すように、本発明の要件を満たす実施例1〜26のクレンジング化粧料は、「25℃液垂れ」、「25℃のび」、「5℃のび」、「40℃流動性」、「温感」、「メイク落ち」のいずれの官能評価においても良好であった。一方、表4及び表5に示すように、比較例1〜15は、本発明の構成成分のいずれかの成分の含有量が規定範囲外のものであるが、評価したいずれかの項目において劣るものであった。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明により、使用時のマッサージ性が良く、低温での使用性も改善し、乳化性向上によりメイク落ちに優れたクレンジング化粧料が提供される。
さらに、本発明により、比較的高価な(ベヘン酸/エイコサン二酸)グリセリル及び(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10の含有量を大幅に抑えることができ、使用性に優れたクレンジング化粧料が提供される。
【要約】
【課題】使用時のマッサージ性が良く、低温での使用性も改善し、乳化性向上によりメイク落ちに優れたクレンジング化粧料を提供する。
【解決手段】(A)グリセリンを含む多価アルコールを50〜91質量%と、(B)(ベヘン酸/エイコサン二酸)ポリグリセリル−10を0.25〜4質量%と、(C)HLB5〜17の非イオン界面活性剤を1〜23質量%と、(D)油性ワックス類及び/又は液状油から選ばれる1種以上を5〜38質量%と、(E)(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、カルボマー、(スチレン /ビニルピロリドン)コポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス-20)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、(アクリレーツ/イタコン酸ステアレス−20)コポリマー、(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー、(アクリル酸アルキル/メタクリル酸ステアレス−20)コポリマー、有機酸及び該有機酸の塩類から選ばれる1種以上を0.001〜0.36質量%と、(F)水を0〜10質量%を含有するペースト状クレンジング化粧料。