特許第6086465号(P6086465)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6086465高温環境用セメント組成物、および高温環境用コンクリート
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6086465
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】高温環境用セメント組成物、および高温環境用コンクリート
(51)【国際特許分類】
   C04B 28/04 20060101AFI20170220BHJP
   C04B 18/08 20060101ALI20170220BHJP
   C04B 18/14 20060101ALI20170220BHJP
   C04B 22/14 20060101ALI20170220BHJP
   C04B 24/22 20060101ALI20170220BHJP
   C04B 24/18 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   C04B28/04
   C04B18/08 Z
   C04B18/14 A
   C04B22/14 B
   C04B24/22 D
   C04B24/18 B
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-565710(P2016-565710)
(86)(22)【出願日】2016年9月6日
(86)【国際出願番号】JP2016076159
【審査請求日】2016年11月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141966
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 範彦
(72)【発明者】
【氏名】黒川 大亮
(72)【発明者】
【氏名】平尾 宙
(72)【発明者】
【氏名】大野 拓也
(72)【発明者】
【氏名】三谷 裕二
(72)【発明者】
【氏名】多田 克彦
【審査官】 岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−281413(JP,A)
【文献】 特開平07−309657(JP,A)
【文献】 特開2011−20867(JP,A)
【文献】 ソ連国特許発明第1152947(SU,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C04B 2/00−32/02
C04B 40/00−40/06
DWPI(Thomson Innovation)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記(1)〜(4)の条件を全て満たすフライアッシュと、ポルトランドセメントとを少なくとも含む高温環境用セメント組成物であって、
前記フライアッシュとポルトランドセメントの合計を100質量%として、前記フライアッシュの含有率が15〜55質量%である、高温環境用セメント組成物。
(1)フライアッシュのブレーン比表面積が2500〜6000cm/g
(2)フライアッシュを975±25℃で15分間加熱した後の、フライアッシュの質量減少率が5質量%以下
(3)フライアッシュ中のSiOの含有率が50質量%以上
(4)フライアッシュ中の(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が0.2〜1.0(ただし、前記式中の化学式の単位は質量%である。)
【請求項2】
前記フライアッシュが、さらに下記(5)の条件を満たす、請求項1に記載の高温環境用セメント組成物。
(5)フライアッシュ中の石英の格子体積が113.5〜114.5Å(ただし、前記格子体積はリートベルト解析法を用いて求めた値である。)
【請求項3】
さらに高炉スラグ粉末を含む高温環境用セメント組成物であって、
ポルトランドセメント、フライアッシュ、および高炉スラグ粉末の合計を100質量%として、高炉スラグ粉末の含有率が50質量%以下である、請求項1または2に記載の高温環境用セメント組成物。
【請求項4】
さらに無水石膏、半水石膏、2水石膏から選ばれる1種以上の石膏を含む高温環境用セメント組成物であって、
ポルトランドセメント、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、および前記石膏の合計を100質量%として、前記石膏の含有率がSO換算で2.5質量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の高温環境用セメント組成物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の高温環境用セメント組成物、下記の減水剤(R1)、該減水剤(R1)を除く減水剤(R2)、細骨材、粗骨材、および水を含む、高温環境用コンクリート。
減水剤(R1):超遅延性減水剤、遅延形減水剤、遅延形AE減水剤、および遅延形高性能AE減水剤から選ばれる1種以上の減水剤。
【請求項6】
環境温度(コンクリートの周囲の温度)が25℃以上の環境下で使用される、請求項5に記載の高温環境用コンクリート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気温が高い地域で使用できる高温環境用セメント組成物と高温環境用コンクリートに関する。
【背景技術】
【0002】
熱帯および亜熱帯等の気温が高い地域では、下記(i)および(ii)に記載の特性がコンクリートに求められる場合が多い。
(i)コンクリート内部の温度上昇は70℃以下であること。
(ii)高温下でもコンクリートの作業性が、一定時間確保できること。
そして、これらの要求特性を満たす高温環境用コンクリートとして、従来、高炉スラグ粉末を65〜75質量%含むセメント、超遅延性減水剤、および高性能減水剤を含むコンクリート(以下「従来コンクリート」という。)が用いられている。
しかし、従来コンクリートは、強度発現性が良好で、水和熱も低いという利点があるものの、自己収縮ひずみが大きいという欠点がある。そして、自己収縮ひずみが大きいと、コンクリートにひび割れが発生し易く、コンクリートの耐久性が低下するおそれがある。そこで、従来コンクリーに比べ、自己収縮ひずみが小さく、強度発現性および温度上昇は同程度であるコンクリートが求められている。
【0003】
今まで、コンクリートの自己収縮ひずみを低減する手段は、いくつか提案されている。例えば、
特許文献1に記載のモルタル・コンクリートの製造方法は、二酸化ケイ素を主成分とし酸化ジルコニウムを一成分として含む微粒子からなる粉体を、モルタル・コンクリートに調合する製造方法である。また、
特許文献2に記載の水硬性組成物は、カルシウムサルホアルミネート(3CaO・3Al2O3・CaSO4)を3〜60重量%、無水石膏を1〜40重量%含むカルシウムサルホアルミネート組成物100質量部に対して、比表面積が1000〜4000cm/gの炭酸リチウムを0.1〜3.0質量部含んでなるコンクリート用組成物である。
【0004】
しかし、前記いずれの手段も、酸化ジルコニウムやカルシウムサルホアルミネートのような高価な材料を用いるため実用性に欠ける。そこで、高価な材料を用いることなく、前記の従来コンクリートに比べ、自己収縮ひずみが小さく、温度上昇および強度発現性が同程度であるコンクリートが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−203733号公報
【特許文献2】特開2002−097051号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、高価な材料を用いることなく、コンクリート分野で広く用いられている材料を使用したコンクリートであって、従来コンクリートと比べ、自己収縮ひずみが小さく、温度上昇および強度発現性が同程度である高温環境用コンクリートと、該高温環境用コンクリートの製造に用いる高温環境用セメント組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明者は、前記目的を達成できるセメント組成物とコンクリートを鋭意検討したところ、特定の条件を満たすフライアッシュを含むセメント組成物と、該セメント組成物を用いて製造したコンクリートは前記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有する高温環境用セメント組成物と高温環境用コンクリートである。
【0008】
[1]下記(1)〜(4)の条件を全て満たすフライアッシュと、ポルトランドセメントを少なくとも含む高温環境用セメント組成物であって、
前記フライアッシュとポルトランドセメントの合計を100質量%として、前記フライアッシュの含有率が15〜55質量%である、高温環境用セメント組成物。
(1)フライアッシュのブレーン比表面積が2500〜6000cm/g
(2)フライアッシュを975±25℃で15分間加熱した後の、フライアッシュの質量減少率が5質量%以下
(3)フライアッシュ中のSiOの含有率が50質量%以上
(4)フライアッシュ中の(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が0.2〜1.0(ただし、前記式中の化学式の単位は質量%である。)
[2]前記フライアッシュが、さらに下記(5)の条件を満たす、前記[1]に記載の高温環境用セメント組成物。
(5)フライアッシュ中の石英の格子体積が113.5〜114.5Å(ただし、前記格子体積はリートベルト解析法を用いて求めた値である。)
[3]さらに高炉スラグ粉末を含む高温環境用セメント組成物であって、
ポルトランドセメント、フライアッシュ、および高炉スラグ粉末の合計を100質量%として、高炉スラグ粉末の含有率が50質量%以下である、前記[1]または[2]に記載の高温環境用セメント組成物。
[4]さらに無水石膏、半水石膏、2水石膏から選ばれる1種以上の石膏を含む高温環境用セメント組成物であって、
ポルトランドセメント、フライアッシュ、高炉スラグ粉末、および前記石膏の合計を100質量%として、前記石膏の含有率がSO換算で2.5質量%以下である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の高温環境用セメント組成物。
[5]前記[1]〜[4]のいずれかに記載の高温環境用セメント組成物、下記の減水剤(R1)、該減水剤(R1)を除く減水剤(R2)、細骨材、粗骨材、および水を含む、高温環境用コンクリート。
減水剤(R1):超遅延性減水剤、遅延形減水剤、遅延形AE減水剤、および遅延形高性能AE減水剤から選ばれる1種以上の減水剤。
[6]環境温度(コンクリートの周囲の温度)が25℃以上の環境下で使用される、前記[5]に記載の高温環境用コンクリート。
【発明の効果】
【0009】
本発明の高温環境用セメント組成物を用いて製造した高温環境用コンクリートは、従来コンクリートに比べ、自己収縮ひずみが小さく、温度上昇および強度発現性は同程度である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】コンクリートを打設した状態の簡易断熱試験用容器を示す図である。ただし、数値の単位はmmである。
図2】(a)は埋込型ひずみ計を支持した支持鋼材を示し、(b)は該支持鋼材を簡易断熱試験用容器に設置する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
初めに、本発明の高温環境用セメント組成物について説明する。
1.高温環境用セメント組成物
本発明の高温環境用セメント組成物は、フライアッシュとポルトランドセメントを少なくとも含み、該フライアッシュの含有率は、該フライアッシュとポルトランドセメントの合計を100質量%として15〜55質量%である。フライアッシュの含有率が15質量%未満では、高温環境用コンクリートの自己収縮ひずみと温度上昇が大きくなり、55質量%を越えると、高温環境用コンクリートの強度発現性が低下する。なお、該フライアッシュの含有率は、好ましくは30質量%を超え53質量%以下、より好ましくは30.5〜50質量%である。
また、前記ポルトランドセメントは、日本工業規格(以下「JIS」という。)のR 5210(ポルトランドセメント)に規定される普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、および低熱ポルトランドセメントから選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、前記ポルトランドセメントは、高温環境用コンクリートの強度発現性の向上等から、好ましくは普通ポルトランドセメントおよび/または早強ポルトランドセメントである。
【0012】
さらに、前記フライアッシュは、(1)ブレーン比表面積が2500〜6000cm/g、(2)975±25℃で15分間加熱した後の質量減少率が5質量%以下、(3)SiOの含有率が50質量%以上、および、(4)(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が0.2〜1.0(ただし、前記式中の化学式の単位は質量%である。)の条件を全て満たすものである。
フライアッシュのブレーン比表面積が2500cm/g未満では、高温環境用コンクリートの強度発現性が低下し、6000cm/gを越えると、高温環境用コンクリートの自己収縮ひずみと温度上昇が大きくなるほか、ブレーン比表面積が6000cm/gを越えるフライアッシュを入手することは困難である。なお、該ブレーン比表面積は、好ましくは2700〜5000cm/g、より好ましくは2900〜4000cm/gである。
また、フライアッシュを975±25℃で15分間加熱した後の、フライアッシュの質量減少率が5質量%を越えると、高温環境用コンクリートの強度発現性が低下する。なお、該質量減少率は、入手の容易性や強度発現性から、好ましくは1.0〜4.5質量%、より好ましくは1.5〜4.0質量%である。
また、フライアッシュのSiOの含有率が50質量%未満では、高温環境用コンクリートの強度発現性が低下する。なお、該SiOの含有率は、入手の容易性や強度発現性から、好ましくは51〜70質量%、より好ましくは52〜65質量%である。
さらに、フライアッシュ中の(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が0.2未満では、高温環境用コンクリートの環境温度(コンクリートの周辺の温度)が高くなった場合(例えば27℃以上の場合)に強度発現性が低下し、1.0を越えると高温環境用コンクリートの環境温度が高くなった場合(例えば27℃以上の場合)に自己収縮ひずみと温度上昇が大きくなる。なお、該比は、好ましくは0.25〜0.8、より好ましくは0.28〜0.7、さらに好ましくは0.3〜0.6である。
【0013】
また、フライアッシュは、通常、石英を5〜25質量%含むものであり、本発明で用いるフライアッシュ中の石英の格子体積は、リートベルト解析法を用いて求めた値で、好ましくは113.5〜114.5Åである。石英の格子体積が前記範囲にあれば、高温環境用コンクリートの環境温度が高くなった場合(例えば27℃以上の場合)に、自己収縮ひずみと温度上昇をさらに抑制できる。なお、石英の格子体積は、より好ましくは113.6〜114.4Å、さらに好ましくは113.7〜114.3Åである。
フライアッシュ中の石英のリートベルト解析は、フライアッシュのX線回折図に基づき、例えば、Bruker社製の解析ソフト(Topas ver. 2.1)、および結晶構造データ(ICDD number)として331161(Quartz)を用いて行うことができる。
【0014】
なお、高温環境用コンクリートの流動性の向上や自己収縮ひずみの抑制のために、前記フライアッシュは、さらに下記の測定方法で測定して算出した締め固め密度が、好ましくは1.0〜1.5cm/g、より好ましくは1.05〜1.45cm/g、さらに好ましくは1.1〜1.4cm/gである。
[締め固め密度の測定方法]
ホソカワミクロン社製のパウダーテスターPT-Dを用いて、フライアッシュを100cmのカップ内に充填しながら、当該カップを180秒間で180回タッピングした後、当該カップ内で締め固まったフライアッシュの質量を測定し、締め固め密度を算出する。
【0015】
本発明の高温環境用セメント組成物は、さらに高炉スラグ粉末を含んでもよい。高炉スラグ粉末は、高温環境用コンクリートの長期の強度発現性を向上させる効果がある。
本発明の高温環境用セメント組成物が高炉スラグ粉末を含む場合、フライアッシュ、ポルトランドセメント、および高炉スラグ粉末の合計を100質量%として、高炉スラグ粉末の含有率は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。高炉スラグ粉末が50質量%を越えると、高温環境用コンクリートの長期の強度発現性の向上効果が低下するほか、自己収縮ひずみが大きくなる。
なお、前記高炉スラグ粉末のブレーン比表面積は、高温環境用コンクリートの強度発現性の向上や温度上昇の抑制のため、好ましくは3000〜6000cm/g、より好ましくは3300〜5000cm/gである。
【0016】
本発明の高温環境用セメント組成物は、さらに無水石膏、半水石膏、および2水石膏から選ばれる1種以上の石膏を含んでもよい。石膏は高温環境用コンクリートの強度発現性を向上させる効果がある。
本発明の高温環境用セメント組成物が石膏を含む場合、フライアッシュ、ポルトランドセメント、高炉スラグ粉末、および石膏の合計を100質量%として、石膏の含有率はSO換算で2.5質量%以下である。石膏の含有率がSO換算で2.5質量%を越えると、高温環境用コンクリートの自己収縮ひずみと温度上昇が大きくなる。なお、前記石膏の含有率はSO換算で、より好ましくは2.2質量%以下、さらに好ましくは2.0質量%以下、特に好ましくは1.6質量%以下である。
前記石膏は、高温環境用コンクリートの強度発現性の向上のため、好ましくは無水石膏または2水石膏である。また、石膏のブレーン比表面積は、強度発現性の向上や温度上昇の抑制のため、好ましくは3000〜15000cm/g、より好ましくは3500〜13000cm/gである。
【0017】
なお、本発明の高温環境用セメント組成物は、任意の構成成分として、石灰石粉末、石英粉末、およびシリカフューム等を含むことができる。
【0018】
次に、本発明の高温環境用コンクリートについて説明する。
本発明の高温環境用コンクリートは、前記高温環境用セメント組成物、減水剤(R1)、該減水剤(R1)を除く減水剤(R2)、細骨材、粗骨材、および水を含むコンクリートである。
前記高温環境用セメント組成物の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり200〜550kgである。該単位量がこの範囲にあれば、強度発現性、流動性、およびワーカビリティー等が良好である。なお、該単位量は、より好ましくはコンクリート1mあたり220〜520kg、特に好ましくはコンクリート1mあたり250〜480kgである。
【0019】
さらに、高温環境用セメント組成物以外の、高温環境用コンクリートの構成成分について説明する。
2.減水剤(R1)
本発明で用いる減水剤(R1)は、超遅延性減水剤、遅延形減水剤、遅延形AE減水剤、および遅延形高性能AE減水剤から選ばれる1種以上の減水剤である。ここで、遅延形減水剤、遅延形AE減水剤、および遅延形高性能AE減水剤は、JISのA 6204(コンクリート用化学混和剤)に規定する減水剤である。そして、本発明において、超遅延性減水剤は、前記JISのA 6204(コンクリート用化学混和剤)の遅延形減水剤よりも、高温環境用コンクリートの始発時間および/または終結時間の差分(遅延時間の間隔)が大きい減水剤をいう。
前記減水剤(R1)の減水成分は特に制限されず、例えば、リグニンスルホン酸、ナフタレンスンホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、およびこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられる。また、減水剤(R1)は、前記減水成分に加えて、さらにクエン酸、酒石酸、およびショ糖等から選ばれる1種以上の凝結遅延剤を含んでもよい。
本発明で用いる減水剤(R1)は、好ましくは超遅延性減水剤または遅延形減水剤、より好ましくは超遅延性減水剤である。該超遅延性減水剤は、具体的には、BASF社製のマスターポゾリス(登録商標)No.89やBASF社製のマスターポゾリス(登録商標)138R等が挙げられる。
前記減水剤(R1)の添加量は、前記高温環境用セメント組成物100質量部に対し、好ましくは0.1〜1質量部(B×0.1〜1%)である。該添加量が前記範囲内にあれば、コンクリートの作業性や中長期の強度発現性が良好である。なお、該添加量は、前記高温環境用セメント組成物100質量部に対し、より好ましくは0.3〜0.8質量部(B×0.3〜0.8%)である。
【0020】
3.減水剤(R2)
本発明で用いる減水剤(R2)は、前記減水剤(R1)を除く減水剤であり、具体的には、JISのA 6204(コンクリート用化学混和剤)に規定される標準形減水剤、標準形AE減水剤、高性能減水剤、および標準形高性能AE減水剤から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、減水剤(R2)は、好ましくは高性能減水剤である。
また、前記減水剤(R2)は、減水成分で表わせば、ポリカルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、メラミンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物、リグニンスルホン酸、およびこれらの塩から選ばれる1種以上が挙げられる。
前記減水剤(R2)の添加量は、前記高温環境用セメント組成物100質量部に対し、好ましくは0.1〜4質量部(B×0.1〜4%)である。該添加量が前記範囲内であれば、コンクリートの作業性や中長期の強度発現性が良好である。なお、該添加量は、前記高温環境用セメント組成物100質量部に対し、より好ましくは0.3〜3質量部(B×0.3〜3%)、さらに好ましくは0.5〜2質量部(B×0.5〜2%)である。
【0021】
4.細骨材
本発明で用いる細骨材は、川砂、山砂、陸砂、海砂、砕砂、硅砂、スラグ細骨材、および軽量細骨材から選ばれる1種以上が挙げられる。また、細骨材は天然骨材のほか、再生骨材を用いることができる。
細骨材の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり600〜900kgである。該単位量がこの範囲にあれば、高温環境用コンクリートの流動性およびワーカビリティー等が良好である。なお、該単位量は、より好ましくはコンクリート1mあたり650〜850kgである。
【0022】
5.粗骨材
本発明で用いる粗骨材は、砂利、砕石、スラグ粗骨材、および軽量粗骨材から選ばれる1種以上が挙げられる。また、粗骨材は、前記細骨材と同様に、天然骨材のほか再生骨材を用いることができる。
粗骨材の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり900〜1130kgである。該単位量がこの範囲にあれば、高温環境用コンクリートの流動性およびワーカビリティー等が良好である。なお、該単位量は、より好ましくはコンクリート1mあたり950〜1080kgである。
【0023】
6.水
本発明で用いる水は、高温環境用コンクリートの強度や流動性等の物性に悪影響を与えないものであれば用いることができ、例えば、水道水、下水処理水、生コンクリートの上澄水等が挙げられる。
水の単位量は、好ましくはコンクリート1mあたり100〜200kgである。該単位量がこの範囲にあれば、高温環境用コンクリートの流動性およびワーカビリティー等が良好である。なお、該単位量は、より好ましくは該コンクリート1mあたり130〜180kgである。
【0024】
7.任意の構成成分
本発明の高温環境用コンクリートは、前記必須の構成成分の他に、収縮ひび割れを抑制するため、膨張材および/または収縮低減剤を含むことができる。また、高温環境用コンクリートの作業性の向上や流動時間を確保するために、前記減水剤(R1)および減水剤(R2)に加えて、さらに凝結遅延剤を含むことができる。また、高温環境用コンクリート中の過度の空気連行を抑制するため、空気量調整剤を含むことができる。
【実施例】
【0025】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.使用材料
試験に用いた各種材料を表1に示す。また、試験に用いたフライアッシュ(FA)の特性を表2に示す。なお、表2中のFA1〜5は、前記(1)〜(4)の条件を全て満たすが、FA6〜10は前記(1)〜(4)の条件のいずれかを満たさない。
また、フライアッシュ中の石英の格子体積を求める際に用いたX線回折分析(XRD)の測定条件とリートベルト解析の条件は、以下のとおりである。
(a)X線回折分析の測定条件
X線回折分析は、Bruker社製のX線回折装置(D8 Advance)を用いて、ターゲットCuKα、管電圧35kV、管電流350mA、走査範囲10〜60°(2θ)、ステップ幅0.0234°、およびスキャンスピード0.13°/sの条件で測定した。
(b)リートベルト解析条件
リートベルト解析は、Bruker社製の解析ソフト(Topas ver. 2.1)を用いた。また、結晶構造データ(ICDD number)は331161(Quartz)を用いた。
また、表2中のFA2〜4の締め固め密度は、前記の締め固め密度の測定方法を用いて測定した。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
2.高温環境用セメント組成物の製造
フライアッシュ(FA)、セメント(C)、任意成分である高炉スラグ粉末(BS)および石膏粉末(GG)を、表3に示すセメント組成物の配合に従い混合して、セメント組成物を製造した。
なお、表3において、
(i)実施例1〜16は、前記(1)〜(4)の条件を全て満たすフライアッシュ(FA1〜5)とポルトランドセメントの合計を100質量%として、前記フライアッシュの含有率が15〜55質量%の範囲にある、本発明の高温環境用セメント組成物である。
(ii)比較例1、2、および10は、フライアッシュを含まないセメント組成物である。
(iii)比較例3〜9は、前記(1)〜(4)の条件のいずれかを満たさないFA6〜10を含むセメント組成物である。
(iV)比較例11、12は、フライアッシュの含有率が前記15〜55質量%の範囲を外れたセメント組成物である。
【0029】
【表3】
【0030】
2.コンクリートの配合
試験に用いたコンクリートの配合を表4に示す。
【0031】
【表4】
【0032】
3.試験方法
表5に示す各種の試験を、表5に示すJIS等の試験方法に準拠して行った。
【0033】
【表5】
【0034】
4.コンクリートのフレッシュ性状の試験
(1)試験方法
コンクリートの混練は、環境温度をシンガポールの試験基準である27℃に調整した試験室内で、公称容積55Lの強制パン型ミキサに、粗骨材、細骨材、および表3に記載のセメント組成物を投入した。次に、20秒間空練りをした後、水、減水剤、および空気量調整剤を投入し、60秒間練り混ぜた。そして、ミキサ内のコンクリートを掻き落とした後、再度60秒間練り混ぜて、コンクリートを排出した後、直ちにコンクリートのスランプ、空気量、および(フレッシュ)コンクリートの温度を測定した。代表例として、実施例1〜4、実施例6〜9、および比較例1、2のセメント組成物を用いたコンクリートNo.1〜5の試験結果を、表6に示す。
【0035】
【表6】
【0036】
(2)試験結果の評価
表6に示すように、本発明の高温環境用セメント組成物(実施例1〜4、および実施例6〜9)を用いた本発明の高温環境用コンクリートの各種のフレッシュ性状は、フライアッシュを含まない従来コンクリート(比較例1、2)のフレッシュ性状とほとんど差がなく、コンクリートの施工性が同等であった。
一方、超遅延性減水剤(R1)を含まないコンクリート(No.3)は、スランプが3.0cmと小さく、施工性が劣っていた。
【0037】
5.自己収縮ひずみ、簡易断熱温度上昇量、および圧縮強度の試験
(1)試験方法
簡易断熱温度上昇量の試験に用いた簡易断熱試験用容器は、図1に示すように、厚さが200mmの発泡スチロール製断熱材と、試験後に脱型が容易なように厚さ12mmのコンクリートパネルを用いて、縦400mm、横400mm、および高さ400mmの大きさの内部空間を形成してなる容器である。
そして、図2(a)に示す測温機能付き埋込型ひずみ計を取り付けた支持鋼材を、図2(b)に示すように、該内部空間の中心に立てて設置した。次に、前記混練した実施例および比較例のコンクリートを3層に分け、1層毎にバイブレータをかけて打設した後、コンクリートパネルおよび発泡スチロール製断熱材を用いて容器に蓋をした後、環境温度が27℃で、材齢28日のコンクリートの自己収縮ひずみと簡易断熱温度上昇量を測定した。
また、コンクリートの圧縮強度は、表5に記載のとおり、JIS A 1108「コンクリートの圧縮強度試験方法」に準拠して測定した。
これらの試験結果を表7に示す。
【0038】
【表7】
【0039】
(2)試験結果の評価
(i)自己収縮ひずみについて
コンクリートの自己収縮ひずみについて、表7から、以下のことが云える。すなわち、
(a)(NaO+0.658KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が1.78と大きなFA10を含む比較例7を用いたコンクリート(試験例10)では−208×10−6と大きいのに対し、本発明の高温環境用セメント組成物(実施例1〜5)を用いた本発明の高温環境用コンクリート(試験例1〜5)では−105〜−155×10−6と小さい。また、同様に、
(b)コンクリート(試験例17)では−292×10−6と大きいのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例11〜15)では−230〜−268×10−6と小さい。
(c)コンクリート(試験例26)では−250×10−6と大きいのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例20〜24)では−135〜−180×10−6と小さい。
(d)コンクリート(試験例33)では−392×10−6と大きいのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例27〜31)では−330〜−366×10−6と小さい。
また、これらの結果は、水/セメント組成物(W/B)比に影響されない。
これらに対し、高炉スラグを含むがフライアッシュを含まないセメント組成物(比較例1および2)を用いた従来コンクリート(試験例18および19)の自己収縮ひずみは、それぞれ−300×10−6および−350×10−6と、前記試験例1〜5および11〜15の自己収縮ひずみと比べ大きい。
【0040】
(ii)簡易断熱温度上昇量について
コンクリートの簡易断熱温度上昇量について、表7から、以下のことが云える。すなわち、
(a)(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が1.78と大きなFA10を含む比較例7を用いたコンクリート(試験例10)では43℃と高いのに対し、本発明の高温環境用セメント組成物(実施例1〜5)を用いた本発明の高温環境用コンクリート(試験例1〜5)では31〜35℃と低い。また、同様に、
(b)コンクリート(試験例17)では40℃と高いのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例11〜15)では28〜33℃と低い。
(c)コンクリート(試験例26)では38℃と高いのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例20〜24)では28〜32℃と低い。
(d)コンクリート(試験例33)では36℃と高いのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例27〜31)では24〜29℃と低い。
また、これらの結果は、水/セメント組成物比に影響されない。
【0041】
(ii)圧縮強度について
コンクリートの圧縮強度について、表7から、以下のことが云える。すなわち、
(a)ブレーン比表面積が2500cm/gより小さいFA6を含む比較例3を用いたコンクリート(試験例6)、質量減少率が5質量%より大きいFA7を含む比較例4を用いたコンクリート(試験例7)、SiOの含有率が50質量%より小さいFA8を含む比較例5を用いたコンクリート(試験例8)、および(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が0.2より小さなFA9を含む比較例6を用いたコンクリート(試験例9)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ48〜50MPa、54〜56MPa、および65〜67MPaと低いのに対し、本発明の高温環境用セメント組成物(実施例1〜5)を用いた本発明の高温環境用コンクリート(試験例1〜5)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ56〜58MPa、62〜63MPa、および70〜72MPaと高い。また、同様に、
(b)コンクリート(試験例16)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ52MPa、58MPa、および68MPaと低いのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例11〜15)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ63〜66MPa、67〜71MPa、および73〜78MPaと高い。
(c)コンクリート(試験例25)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ33MPa、41MPa、および46MPaと低いのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例20〜24)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ39〜42MPa、45〜48MPa、および50〜54MPaと高い。
(d)コンクリート(試験例32)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ36MPa、44MPa、および49MPaと低いのに対し、本発明の高温環境用コンクリート(試験例27〜31)では、材齢28日、56日、および91日の圧縮強度は、それぞれ47〜50MPa、53〜57MPa、および57〜61MPaと高い。
また、これらの結果は、水/セメント組成物比に影響されない。
【0042】
6.フライアッシュの含有率とコンクリート特性の関係
フライアッシュ(FA2)とポルトランドセメントの合計を100質量%として、フライアッシュ(FA2)の含有率が0質量%(比較例10)、10質量%(比較例11)、25質量%(実施例11)、45質量%(実施例12)、および60質量%(比較例12)のセメント組成物を用いたコンクリート(試験例41〜45)を、前記コンクリートのフレッシュ性状の試験方法と同様に混練して、前記と同様にコンクリートの自己収縮ひずみ、簡易断熱温度上昇量、および圧縮強度を測定した。その結果を、前記試験例2(セメント組成物中のフライアッシュ(FA2)の含有率は30.5質量%)、18および19の結果とともに表8に示す。
【0043】
【表8】
【0044】
自己収縮ひずみは、フライアッシュの含有率が0質量%、および10質量%と少ない試験例43および44では、それぞれ−210×10−6および−185×10−6と大きいのに対し、該含有率が25〜45質量%の本発明の高温環境用セメント組成物(実施例11、2および12)を用いたコンクリート(試験例41、2および42)では、−100〜−120×10−6と小さい。
また、従来コンクリート(試験例18および19)と比べても、コンクリート(試験例41、2および42)の自己収縮ひずみは小さく、圧縮強度は同程度である。
【0045】
7.高炉スラグ粉末の含有率とコンクリートの圧縮強度の関係
フライアッシュ(FA2)、ポルトランドセメント、および高炉スラグ粉末の合計を100質量%として、高炉スラグ粉末の含有率が38.3質量%(実施例13)、43.1質量%(実施例14)、47.8質量%(実施例15)、および57.4質量%(実施例16)の本発明の高温環境用セメント組成物を用いたコンクリート(試験例46〜49)を、前記コンクリートのフレッシュ性状の試験方法と同様に混練して、前記と同様にコンクリートの圧縮強度を測定した。その結果を、前記試験例2(セメント組成物中の高炉スラグ粉末の含有率は0質量%)、12(セメント組成物中の高炉スラグ粉末の含有率は28.7質量%)、18および19の結果とともに表9に示す。
【0046】
【表9】
【0047】
表9に示すように、適量の高炉スラグ粉末と石膏を含む本発明の高温環境用セメント組成物を用いたコンクリート(試験例12、46〜49)は、強度発現性、特に材齢28日の強度発現性が向上することが分かる。
【0048】
(参考例)
前記FA2を含むセメント組成物(実施例2)を用いたNo.6のコンクリート(試験例50)と、前記FA10を含むセメント組成物(比較例7)を用いたNo.6のコンクリート(試験例51)の、環境温度が20℃における自己収縮ひずみ、簡易断熱温度上昇、および圧縮強度を、20℃に調整した試験室内でコンクリートの混練等を行った以外は、前記と同様にして測定した。その結果を表10に示す。
なお、前記コンクリートのスランプおよび空気量は、それぞれ、試験例50で10.6cmおよび1.4%、試験例51で10.3cmおよび空気量1.4%であった。
【0049】
【表10】
【0050】
環境温度が20℃では、表10に示すように、実施例2のセメント組成物を用いたコンクリート(試験例50)と、比較例7のセメント組成物を用いたコンクリート(試験例51)では、自己収縮ひずみ、簡易断熱温度上昇、および圧縮強度に差はない。
しかし、環境温度が27℃と高温になると、表7に示すように、試験例50および試験例51にそれぞれ対応する、実施例2のセメント組成物を用いた本発明の高温環境用コンクリート(試験例21)と、比較例7のセメント組成物を用いたコンクリート(試験例26)では、自己収縮ひずみ、および簡易断熱温度上昇に大きな差が生じ、試験例21は試験例26と比べ、自己収縮ひずみと簡易断熱温度上昇がいずれも低い。
したがって、本発明によれば、コンクリート分野で広く用いられている材料を使用して、自己収縮ひずみ、および温度上昇が低い高温環境用コンクリートを提供できる。
【符号の説明】
【0051】
1 埋込型ひずみ計
2 蓋
3 コンクリートパネル
4 支持鋼材
5 コンクリート
6 発泡スチロール
【要約】
本発明は、従来のコンクリートに比べ、自己収縮ひずみが小さく、温度上昇および強度発現性は同程度である高温環境用コンクリートを製造するための高温環境用セメント組成等を提供する。
具体的には、本発明の高温環境用セメント組成物は、下記(1)〜(4)の条件を全て満たすフライアッシュと、ポルトランドセメントとを少なくとも含む高温環境用セメント組成物であって、前記フライアッシュとポルトランドセメントの合計を100質量%として、前記フライアッシュの含有率が15〜55質量%である、高温環境用セメント組成物である。
(1)フライアッシュのブレーン比表面積が2500〜6000cm/g
(2)フライアッシュを975±25℃で15分間加熱した後の、フライアッシュの質量減少率が5質量%以下
(3)フライアッシュ中のSiOの含有率が50質量%以上
(4)フライアッシュ中の(NaO+0.658×KO)/(MgO+SO+TiO+PO+MnO)の質量比が0.2〜1.0(ただし、前記式中の化学式の単位は質量%である。)
【選択図】なし
図1
図2