【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の車両進入抑止柵は、道路に通行規制領域を画定するために設置され、上記通行規制領域への車両の進入を抑止するための車両進入抑止柵であって、
道路上に配置される複数のブロック体と、
隣り合う上記ブロック体を、互いに相対変位可能に接続する接続体と
を備えることを特徴としている。
【0008】
上記構成によれば、車両進入抑止柵は、道路上に配置される複数のブロック体が、隣り合うブロック体を互いに相対変位可能とする接続体によって接続されている。したがって、上記車両進入抑止柵は、例えば運搬車両に積まれた状態から、一端のブロック体を道路の上に配置すると、接続体で接続された複数のブロック体を、運搬車両から道路上に連続して順次降ろすことができる。したがって、通行規制領域の境界に、比較的少ない人手で迅速にブロック体を配列することができる。これにより、通行規制領域を設置する時間に制限があっても、迅速に通行規制領域を画定できるので、通行規制領域で工事や点検等の作業を行う時間を十分に確保できる。また、本発明の車両進入抑止柵は、比較的少ない人手で設置できるので、施工費用を削減でき、人員管理を容易にできる。
【0009】
一実施形態の車両進入抑止柵は、上記ブロック体は、隣り合う端面と底面の間が面取りされている。
【0010】
上記実施形態によれば、ブロック体の隣り合う端面と底面の間が面取りされているので、複数のブロック体が運搬車両から道路上に順次降ろされる場合に、隣り合うブロック体が、接続体の回りに、互いの底面が近づく側に比較的大きな角度で相対回転できる。したがって、複数のブロック体を運搬車両から道路へ容易に降ろすことができ、車両進入抑止柵を迅速に設置できる。
【0011】
一実施形態の車両進入抑止柵は、上記接続体は、複数の上記ブロック体の内部に収容され、可撓性を有する連続した線状体で形成されている。
【0012】
上記実施形態によれば、ブロック体を接続する接続体は、複数のブロック体の内部に収容されて連続した線状体であるので、上記複数のブロック体を強固に接続することができる。また、ブロック体を接続する接続体は、可撓性を有する線状体であるので、隣り合うブロック体を高い自由度で柔軟に接続することができる。また、車両進入抑止柵を製造する場合、線状体に沿って複数のブロック体を設置すれば、接続体で接続された複数のブロック体が形成されるので、複数のブロック体を分離した接続体で個別に接続するよりも、容易に製造できる。
【0013】
一実施形態の車両進入抑止柵は、上記ブロック体の天面に、車両に対して警告を行う警告手段が設置される設置部が設けられている。
【0014】
上記実施形態によれば、ブロック体の天面に設けられた設置部に警告手段を設置することにより、道路を走行する車両に対して警告を行い、通行規制領域の存在を知らせることができる。したがって、車両が車両進入抑止柵に接触する不都合や、車両が通行規制領域に進入する不都合を、効果的に防止できる。ここで、警告手段としては、例えばロードコーンや標識等が挙げられる。
【0015】
一実施形態の車両進入抑止柵は、上記ブロック体はゴムで形成され、
上記接続体は鋼製のチェーンで形成されている。
【0016】
上記実施形態によれば、ブロック体は、ゴムで形成されているので、運搬や設置の際の取り扱いによって破損する不都合を、効果的に防止できる。また、接続体は、鋼製のチェーンで形成されているので、複数のブロック体を効果的に接続することができる。ここで、ブロック体を形成するゴムとしては、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエン共重合ゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム若しくはシリコーンゴム又はこれらの混合物及びこれらと天然ゴムからなる混合物を用いることができる。
【0017】
また、本発明の車両進入抑止柵は、上記車両進入抑止柵を道路に設置する設置車両であって、
車両本体と、
上記車両本体に設けられ、道路を走行するための走行装置と、
上記車両本体に配置され、上記車両進入抑止柵を収容する収容部と
上記車両本体の一端に設けられ、上記車両進入抑止柵を車両本体から出し入れする出入口と、
上記車両進入抑止柵を、上記収容部から出入口へ移動させて道路上へ送り出し、また、上記出入口から収容部へ移動させて道路から引き込む移動装置と
を備えることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、本発明の車両進入抑止柵を収容部に収容した設置車両が、走行装置で道路を走行し、通行規制領域を設定する位置に移動する。通行規制領域の境界に車両進入抑止柵を設置する場合、収容部に収容された車両進入抑止柵の一端が引き出され、道路上に配置される。引き続いて、設置車両は、走行装置で移動しながら、移動装置で車両進入抑止柵を収容部から出入口へ移動させ、この出入口から車両進入抑止柵を道路上へ送り出すことにより、道路上に容易に車両進入抑止柵が配置される。一方、通行規制領域の境界に設置された車両進入抑止柵を撤去する場合、設置車両は、走行装置で移動しながら、移動装置で車両進入抑止柵を出入口から収容部へ移動させ、この車両進入抑止柵を道路から出入口へ引き込む。これにより、道路から容易に車両進入抑止柵が撤去される。このようにして、本発明の車両進入抑止柵の設置車両によれば、車両進入抑止柵の設置と撤去を、少ない人手で迅速に行うことができる。その結果、通行規制領域を設置する時間に制限があっても、通行規制領域で工事や点検等の作業を行う時間を十分に確保でき、また、施工費用を削減できて、人員管理を容易にできる。
【0019】
一実施形態の設置車両は、上記移動装置は、上記走行装置が道路を走行する速度と実質的に同じ速度で上記車両進入抑止柵を移動させる。
【0020】
上記実施形態によれば、移動装置は、走行装置が道路を走行する速度と実質的に同じ速度で車両進入抑止柵を移動させることにより、道路上に効果的に車両進入抑止柵を送り出して配置することができ、また、道路から効果的に車両進入抑止柵を引き込んで撤去することができる。
【0021】
一実施形態の設置車両は、上記移動装置は、上記車両進入抑止柵が載置されて移動するコンベヤを含んで形成され、上記収容部を兼ねている。
【0022】
上記実施形態によれば、収容部を兼ねる移動装置は、収容している車両進入抑止柵を、コンベヤによって出入口へ効率的に移動させて、車両進入抑止柵を道路上へ迅速に送り出すことができる。また、収容部を兼ねる移動装置は、車両進入抑止柵を出入口から収容部へ効率的に移動させ、道路から車両進入抑止柵を迅速に引き込んで収容することができる。また、移動装置が収容部を兼ねるので、設置車両を効果的に小型化できる。
【0023】
一実施形態の設置車両は、上記移動装置は、螺旋状又は渦巻状に形成されている。
【0024】
上記実施形態によれば、移動装置が螺旋状又は渦巻状に形成されているので、車両本体上に車両進入抑止柵を比較的高い密度で効率的に収容し、移動させることができる。
【0025】
一実施形態の設置車両は、上記車両本体の長手方向の両端に、この設置車両を操作する操作部が設置されている。
【0026】
上記実施形態によれば、一方の操作部を操作して設置車両を一方の側に走行させることにより、車両進入抑止柵を道路上へ送り出すことができる。また、他方の操作部を操作して設置車両を他方の側に走行させることにより、道路上の車両進入抑止柵を回収することができる。このように、2つの操作部により、比較的大型の設置車両を、車両本体の向きを変更することなく、一方の方向と他方の方向に走行するように操作できる。したがって、車両進入抑止柵の設置と撤去を、安全かつ効率的に行うことができる。
【0027】
一実施形態の設置車両は、上記出入口は、上記車両本体の幅方向の両側に配置されている。
【0028】
上記実施形態によれば、出入口が、車両本体の幅方向の両側に配置されているので、通行規制領域を道路の幅方向の一方の部分と他方の部分のいずれに設定する場合においても、設置車両が実質的に通行規制領域内に留まりながら、車両進入抑止柵の設置作業と撤去作業を行うことができる。したがって、道路の通行規制領域に隣接する非規制領域における車両の通行を邪魔することなく、車両進入抑止柵の設置作業と撤去作業を行うことができる。