(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087103
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】ネットワークカラオケシステム
(51)【国際特許分類】
G10K 15/04 20060101AFI20170220BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20170220BHJP
H04Q 9/00 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
G10K15/04 302D
H04M1/00 V
H04Q9/00 301E
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-226200(P2012-226200)
(22)【出願日】2012年10月11日
(65)【公開番号】特開2014-77928(P2014-77928A)
(43)【公開日】2014年5月1日
【審査請求日】2015年9月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】511043437
【氏名又は名称】株式会社コシダカホールディングス
(72)【発明者】
【氏名】腰▲高▼ 博
【審査官】
下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2012/133360(WO,A1)
【文献】
特開2012−212015(JP,A)
【文献】
特開2006−261807(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G10K 15/00 − 15/06
H04M 1/00
H04Q 9/00 − 9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のカラオケ装置がネットワークで接続されてなり、さらに前記ネットワークを経由して、個々の前記カラオケ装置とカラオケ装置を操作する任意数のリモコン端末装置とを接続し、利用単位を特定するセッションで対応付けるネットワークカラオケシステムであって、 個々の前記カラオケ装置の利用単位を特定するセッションIDを更新・発行する切替指示受付手段、 当該カラオケ装置を特定するためのカラオケ装置IDと当該カラオケ装置におけるその時点で有効なセッションIDを含むカラオケ識別情報をリモコン端末装置に伝える伝達手段、 前記リモコン端末装置から、前記識別情報に基づき、指定する前記カラオケ装置に向けて送信される前記カラオケ識別情報と当該リモコン端末装置のリモコンIDとを含むリモコン識別情報を受信するリモコン信号受信手段、 当該リモコン信号受信手段によって受信したリモコン識別情報に基づいて、当該カラオケ装置と前記リモコン端末装置の対応付を制御する制御手段とを有し、 前記制御手段は、前記リモコン信号受信手段で受信した前記リモコン識別情報に基づき、特定された前記リモコン端末装置と前記カラオケ装置との接続許可を確立し、許可確立時のセッションIDが有効な間、接続許可を維持することを特徴とするネットワークカラオケシステム。
【請求項2】
前記切替指示受付手段は、個々の前記カラオケ装置に設けられたリセット手段により、既に発行された利用単位のセンションIDを無効にし、新たなセッションIDを発行するようにしたことを特徴とする前記請求項1記載のネットワークカラオケシステム。
【請求項3】
前記切替指示受付手段は、複数の前記カラオケ装置とネットワークで接続された受付端末装置から利用を予定する前記カラオケ装置に発せられる情報を受け、前記リセット手段を駆動させることを特徴とする前記請求項2記載のネットワークカラオケシステム。
【請求項4】
前記伝達手段は、前記カラオケ装置から接続された表示装置に機械読み取り用のコード情報が出力されるようにしたことを特徴とする前記請求項1乃至3記載のネットワークカラオケシステム。
【請求項5】
前記伝達手段は、利用を予定する前記カラオケ装置とネットワークで接続された前記受付端末装置の表示装置に機械読み取り用のコード情報が出力されるようにしたことを特徴とする前記請求項3記載のネットワークカラオケシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
カラオケのリモコンとして動作する顧客の多機能携帯端末とカラオケ装置との間のペアリングを、顧客の入店から退出までの間の利用単位(セッション単位)のみで利用できるネットワークシステムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近のカラオケシステムは、高機能化が著しく、便利になって来ている反面、操作が複雑になってきており、これに伴いリモコンも高機能化してきている。
特にカラオケルームに設置してある専用のリモコンは、ボタン類が多く使い方がよくわからないなどの問題があった。そのため、使い慣れていないとボタン操作に時間がかかって歌う時間が少なくなってしまうことも多かった。
【0003】
また、通常カラオケ室には、リモコンが少数しかないのが一般的であり、他の人が選曲している間は、リモコンが使用できないという不便さがあった。
【0004】
また、店に設置してあるリモコンは様々な人が操作するため、必ずしも清潔とはいえないという一面もあった。
【0005】
一方で、誰もが携帯電話を持つ時代となり、さらにスマートホン等の普及により、これら携帯電話に各種ソフトウエアを入れて楽しむ人も増えている。スマートホンのソフトウエア開発環境も充実してきており、開発者も増えてきている。
【0006】
そこで、使い慣れた自分の多機能携帯端末等を使ってカラオケの操作を行いたいという要望が生じてきた。またカラオケの専用リモコンは業務用のため高価なものであり、カラオケ店としても、専用リモコンを設置する必要がなくなれば経費の節約になり、またリモコンの盗難防止、保守といった管理作業もなくなるため店にも喜ばれる。
【0007】
そこで、顧客の多機能携帯端末等をカラオケのリモコンとして使用する提案が各社から行われている。(特許文献1乃至3参照)
【0008】
しかし、ここで顧客が所有する携帯端末を近距離無線方式によりカラオケのリモコンとして使用させた場合、他の部屋のカラオケ機器を制御してしまわないように、顧客の携帯電話が制御できるカラオケ機器を特定しておく必要がある。
また、たとえばその顧客の使用時間終了後などに店外から携帯電話を操作することにより、店内のカラオケ装置を制御されてしまう恐れがある。(
図3参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2012−053409号公報
【特許文献2】特許3904989号公報
【特許文献3】特開2012−47773号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】iPhone アプリ「デンモクLite」(第一興商)カスタマーレビュー(iTunes →iTunes Store →App Store →エンターテインメント)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1は、携帯電話をカラオケのリモコンとして使用する例である。携帯情報端末の通信範囲内に複数のカラオケ装置があった場合でも特定の1台と接続できる技術である。しかし利用時間終了後の接続や切断処理については記述がない。
【0012】
さらに特許文献2では、短距離無線通信手段を使用した携帯電話をリモコンとして使う方法であるが、主に選曲操作について述べられており、カラオケ利用終了後店外からの悪意のある制御への対策には言及していない。実施する際には何らかの対処が必要になると思われるが特許公報に記載はない。
【0013】
特許文献3は、リモコンとカラオケ装置に関してペアリングを行っているが、これはカラオケの開局処理で行うもので、顧客の入店毎にペアリングを行う本発明とは課題は異なっている。
【0014】
非特許文献1は、Apple社のApp Storeに登録されているiPhoneアプリ「デンモクLite」のカスタマーレビューである。これによるとiPhone用のアプリ「デンモクLite」により、iPhoneをカラオケのリモコンとして利用できる。しかし、このカスタマーレビューによると、接続後15分経過するとタイムアウトで切断されることが不評である。接続の解除を15分というタイミングで行っているものと思われる。
【0015】
本発明は、これらの点に鑑み、カラオケのリモコンとして動作する顧客の多機能携帯端末等とカラオケ装置との間のペアリングを、顧客の入室から退室までの間の利用単位(セッション単位)で利用できるネットワークシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため本発明の請求項1は、顧客のカラオケ利用単位として「セッション」を定義し、カラオケ利用開始時にセッションIDを通知し、終了時にこれを無効化する手段を設ける。顧客のカラオケ利用開始時にセッションIDを含むカラオケ識別情報を顧客の多機能携帯端末等に伝達し、その多機能携帯端末等とカラオケ室にあるカラオケ装置とペアリングを行うことにより、顧客の多機能携帯端末等がセッション終了までの間、その特定のカラオケ装置のみと通信できるリモコン装置となる。顧客がカラオケ室利用終了時にはセッションIDを無効化することにより、リモコン装置としての機能は終了し、それ以後はカラオケ装置の制御ができなくなるというものである。
【0017】
請求項2は、請求項1において、セッションを無効化する手段を各カラオケ装置に持たせるものである。これにより店員が顧客の帰った後、後片付けをする際にカラオケ装置のリセット操作をすることにより、セッションIDを無効化し、顧客の多機能携帯端末等とカラオケ装置とのペアリングを解除することができる。
【0018】
請求項3は、請求項1において、セッションを無効化する手段を受付に設置された受付端末に持たせるものである。これにより顧客が帰るとき受付での支払い手続きの際に、
受付端末装置のリセット操作をすることにより、セッションIDを無効化し、顧客の多機能携帯端末等とカラオケ装置のペアリングを解除することができる。
【0019】
請求項4は、請求項1においてセッションIDを含むカラオケ識別情報を機械読み取りコード(QRコード(登録商標)等)として、使用するカラオケ装置に接続された表示装置に表示するものである。
顧客は入店時に、たとえばカラオケ装置に接続された表示装置に表示されたQRコード(登録商標)を自分の多機能携帯端末のカメラで撮影することによりカラオケ識別情報を受け取るようにできるものである。
【0020】
請求項5は、
請求項3においてセッションIDを含むカラオケ識別情報を機械読み取りコード(QRコード(登録商標)等)として、受付に設置された
受付端末装置の表示装置に表示するものである。
顧客は入室時に、たとえば受付に設置された
受付端末装置に表示されたQRコード(登録商標)を自分の多機能携帯端末のカメラで撮影することによりカラオケ識別情報を受け取るようにできるものである。
【0021】
いずれの場合も、顧客のカラオケ利用終了後は、切替指示受付手段によりペアリングを解除して、顧客の多機能携帯端末等から店のカラオケ装置を制御することを不可能にできる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、顧客がカラオケ店入店時に、自分の多機能携帯端末等を特定のカラオケ装置のリモコン装置として使えるようになり、入店から退出まで一貫して利用できる。その後カラオケ利用終了時には、リモコン装置としての機能は終了し、それ以後は顧客の多機能携帯端末等からはカラオケ装置の制御ができなくなるというものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例を示すネットワーク接続を示す説明図。
【
図2】本発明の一実施例を示す運用フローを示す説明図。
【
図3】短距離無線通信手段によるネットワークを説明する概念説明図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明では、本カラオケ装置1のリモコンとなる多機能携帯端末4による制御を利用単位で許可するためのセッションIDを更新・発行する切替受付手段が設けられている。
この切替受付手段は、カラオケ装置1本体の前面にリセットボタン3として設けられ、このリセットボタン3を押すごとに、使用していたセッションIDが無効になり新たなセッションIDが発行されるようになっている。
【0025】
次に
図1のネットワーク接続図によって、本発明の多機能携帯端末4とカラオケ装置1の接続技術を説明する。
店舗内にはセンターからの通信回線と接続するルータ5があり、ルータ5にはアクセスポイント8を経由して無線の受付端末装置2と、カラオケ室のカラオケ装置1が接続されている。またリモコンとなる多機能携帯端末4がアクセスポイント9を経由してルータ5に接続されている。
顧客はカラオケ利用開始時に、セッションIDを含むカラオケ識別情報を受け取り自ら保有する多機能携帯電話4に読み込ませる。その上で顧客は、自分の多機能携帯端末4と当該カラオケ装置1との間でペアリングを行い、当該多機能携帯端末4は当該カラオケ装置専用のリモコン装置となり、当該カラオケ装置1を制御できるようになる。
カラオケの利用が終了したときには、店員はカラオケ室のカラオケ端末1または受付端末装置2を操作することにより、顧客の多機能携帯端末4とカラオケ装置1とのペアリングは解消され、もはや顧客の多機能携帯端末4では、店のカラオケ装置1を制御できなくなる。
【0026】
次に
図2で、運用フローを示す説明図に基づいて本発明のネットワークカラオケシステムにおけるカラオケ装置1の利用状態を説明する。
(1)カラオケ店開店時、カラオケ装置の電源が投入される。
(2)セッションIDが生成され、顧客の入店を待つ初期状態となる。
(3)顧客によるカラオケ装置1の利用が開始される際に、顧客が使用する「セッションID」[カラオケ識別情報]が通知される。これはたとえばカラオケ装置に接続された表示装置6にQRコード(登録商標)のような形で表示される。
(4)顧客は自分の多機能携帯端末4のカメラ機能などでQRコード(登録商標)等を撮影し使用するカラオケ装置1の情報を受け取る。
(5)顧客は自分の多機能携帯端末4を操作することにより、多機能携帯端末4とカラオケ装置1とのペアリングを実施し、カラオケ装置1と顧客の多機能携帯端末4が紐付く。
(6)ペアリングの完了により、顧客の多機能携帯端末4を一時的に割り当てられたカラオケ装置1の専用リモコンとすることができ、カラオケ装置1の利用が可能となる。
(7)顧客のカラオケ装置1の利用が終了し、退室する。
(8)閉店の場合はここでカラオケ装置1の電源をオフにする。
(9)閉店でない場合はカラオケ装置1のリセットボタン3を押してリセット操作を行う。
(10)リセット操作によりセッションが終了(セッションIDは無効にされる)し、同時に顧客の多機能携帯端末4とカラオケ装置1とのペアリングは解除され、これ以降は顧客の多機能携帯端末4ではカラオケ装置1の操作は不可能となり、また、新たなセッションIDが生成され、次の顧客入室を待機する初期状態となる。
【0027】
尚、上述の実施例において、切替受付手段は、カラオケ装置1本体の前面にリセットボタン3としてのスイッチが設けられ、このリセットボタン3を押す毎に、更新・発行するようにしていたが、顧客が受付から退場する際、顧客が使用していたカラオケ装置1に受付端末装置2からネットワークを経由して前記切替受付手段を駆動させるようにしても良い。
【0028】
また、セッションIDを含むカラオケ識別情報の伝達手段は、利用を予定するカラオケ装置1に接続された表示装置6に機械読み取り用のコード情報を出力する以外に、ネットワークを経由して受付端末装置2に表示してもよく、これにより顧客が多機能携帯端末4にあらかじめ設けられている公知のバーコード読み取り装置で読み取れるようにしても良い。
【産業上の利用可能性】
【0029】
カラオケの利用に際して、特定のカラオケ装置1の利用単位毎に個別のセッションIDが発行され、ペアリングを制御するので、確実に機器の制御が行え、誤って、あるいは故意に接続するべきカラオケ装置1以外のカラオケ装置1を制御することがなく、また対象のカラオケ装置1であっても正規の利用単位が終了した後には制御することができずセキュリティも確実に保たれる。
【符号の説明】
【0030】
1…カラオケ装置
2…受付端末装置
3…リセットボタン
4…多機能携帯端末
5…ルータ
6…表示装置
7…ハブ
8…アクセスポイント
9…アクセスポイント
11…店舗
12…カラオケ室