特許第6087116号(P6087116)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087116
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】LED発光ユニット及びLED発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/62 20100101AFI20170220BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170220BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20170220BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20170220BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170220BHJP
【FI】
   H01L33/62
   F21S2/00 213
   F21V23/00 190
   F21V19/00 150
   F21V19/00 170
   F21Y101:02
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-257315(P2012-257315)
(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公開番号】特開2014-107327(P2014-107327A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2015年10月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123881
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100080931
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100134625
【弁理士】
【氏名又は名称】大沼 加寿子
(74)【代理人】
【識別番号】100085280
【弁理士】
【氏名又は名称】高宗 寛暁
(72)【発明者】
【氏名】矢野 敬和
(72)【発明者】
【氏名】三浦 剛
【審査官】 小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−142428(JP,A)
【文献】 特開2010−245467(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/057038(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、複数のLED素子を直列接続したLEDブロックを複数個整列配設し、前記複数のLEDブロックを並列接続して共通の電源電圧で点灯駆動するLED発光ユニットにおいて、前記LEDブロックを構成するLED素子の一部に、他のLED素子より発光開始電圧の低い位置検出用のLED素子を配設することにより、前記共通の電源電圧を規定値より低い電圧値で供給することによって、前記位置検出用のLED素子を含む位置検出LEDブロックのみが点灯することを特徴とするLED発光ユニット。
【請求項2】
前記位置検出用のLED素子が、整列配設された複数のLEDブロックの中央のLEDブロックに配設されていることを特徴とする請求項1記載のLED発光ユニット。
【請求項3】
前記位置検出用のLED素子が、複数のLEDブロックに配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のLED発光ユニット。
【請求項4】
前記LED発光ユニットを固定する基台部を有し、前記基台部に対する前記LED発光ユニットを固定する固定部に位置調整手段を設け、前記位置検出LEDブロックの検出結果に基づいて前記位置調整手段による位置調整を行って、前記LED発光ユニットと前記基台部との位置決め固定を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のLED発光装置。
【請求項5】
前記基台部に固定されるレンズを有し、前記基台部に対する前記レンズを固定する固定部に位置調整手段を設け、前記位置検出LEDブロックの検出結果に基づいて前記位置調整手段による位置調整を行って、前記LED発光ユニットとレンズとの位置決め固定を行うことを特徴とする請求項4に記載のLED発光装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は位置検出手段を備えたLED発光ユニット及び、そのLED発光ユニットを備えたLED発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED素子(以下LEDと略記する)は半導体素子であるため、長寿命で優れた駆動特性を有し、さらに小型で発光効率が良く、鮮やかな発光色を有することから、カラー表示装置のバックライトや照明等に広く利用されるようになってきた。特に白熱電球に比べて消費電流が少ないという省エネ性が評価されてLEDランプを主体とするLED発光装置が普及するに至った。
【0003】
特にLEDランプの構成としては、複数のLEDを直列接続したLEDブロックを複数個整列配設し、この複数のLEDブロックを並列接続して共通の電源電圧で点灯駆動するLED発光ユニットを作成し、このLED発光ユニットを口金を有する基台に取り付けた構成や、さらに基台にレンズを取り付けてLED発光ユニットからの発光をレンズで集光する構成が採用されている。
【0004】
このようなLEDランプは、LEDランプを照明装置に取り付けたときに、正しい方向に照明が行われるためには、LED発光ユニットと取り付け用の口金との位置関係が正しく固定されている必要があり、この位置関係が正しくないと正しい方向に照明が行われないという問題がある。またレンズを取り付けてLED発光ユニットからの発光をレンズで集光して照明を行う構成の場合には、LED発光ユニットとレンズの取り付け位置関係が正しく固定されていないと、集光状態が悪くなって照明効率が低下するという問題がある。
【0005】
本発明においてはこのLED発光ユニットと取り付け用の口金や、LED発光ユニットとレンズとの位置決めを行うのに、LED発光ユニットを発光させてこの発光を検出し、この検出したLEDの発光を位置基準にして位置調整を行うものである。このようにLEDの発光を位置基準にして調整を行う従来技術としては、例えば特許文献1がある。
【0006】
以下、特許文献1のLED発光ユニットにおけるLEDの発光を位置基準にして調整を行う構成について説明する。図17はLED発光ユニットに実装される発光体であるチップユニット100の斜視図であり、サブマウウント基板105の中央にLED101が実装されている。このLED101は上電極102aと下電極102bを有しており、下電極102bは導電接着剤でサブマウウント基板105の中央部に固着されており、サブマウウント基板105の両側にはチップユニット100を位置決め実装するときの吸着部103a、103bが設けられている。
【0007】
つぎに上記チップユニット100のメイン基板に対する位置決め実装について説明する。特許文献1におけるLED発光ユニットはメイン基板に対して図17に示すチップユニット100を複数個、位置決め実装して構成されるが、この位置決め実装は図示しないボンディング装置を用いて行われる。
【0008】
すなわちボンディング装置はチップユニット100のサブマウント基板105を吸着部103a,103bで保持し、LED101の上電極102aと下電極102bにプローブにより電圧を印加してLED101を発光させる。このLED101の発光を撮像手段を用いて画像認識することによって、LED101の発光中心を認識して移動機構を動作させ、メイン基板にチップユニット100を位置決め固定する。そして、メイン基板に位置決め固定されたLED101の上電極102aを、メイン基板上に設けられた駆動電極にワイヤーボンディングして接続することにより、メイン基板に対するチップユニット100の実装を行う。
【0009】
上記メイン基板に対するチップユニット100の実装を繰り返すことによって、メイン基板上に複数のLED101が位置決め固定されたLED発光ユニットが完成する。図18は特許文献1におけるチップユニットの他の従来例であり、チップユニット200がチップユニット100と異なるところは、サブマウント基板105上に3個のLED101a,101b101cが3連で実装されており、ボンディング装置における位置決め実装においては、サブマウント基板105の中央に実装されたLED101aのみを発光させて位置基準とし、両脇のLED101b、101cは発光させずに、吸着部として保持することにより、LED発光ユニットの実装を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2000−183404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1に記載されたチップユニット100、200のようにチップユニットの形状が小さく、実装されているLED101が少ない場合には1個のLED101の発光を検出することによって発光中心の位置を判定し、メイン基板に対するチップユニットの位置決め固定を行うことが可能である。しかしLEDランプのように複数のLEDを直列接続したLEDブロックを複数個整列配設して構成されたLED発光ユニットの場合には、LEDの数が多く、しかも全体が電気的に接続されているので、位置検出のために電圧を供給するとLED発光ユニット全体が発光するので位置基準としての検出が難しい。また別に位置検出用のLEDを設けることもできるが、この場合には余分な部材を設けることによるコストアップや、スペースの関係で位置検出用のLEDを位置基準に適した位置に配置することが難しい等の問題がある。
【0012】
本発明の目的は上記問題点を解決しようとするものであり、複数のLEDブロックを有するLED発光ユニットを備えたLED発光装置において、LEDの発光による位置検出及び位置決め固定が容易な、LED発光ユニット及びLED発光ユニットを備えたLED発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明におけるLED発光ユニットは、基板上に、複数のLED素子を直列接続したLEDブロックを複数個整列配設し、前記複数のLEDブロックを並列接続して共通の電源電圧で点灯駆動するLED発光ユニットにおいて、前記LEDブロックを構成するLED素子の一部に、他のLED素子より発光開始電圧の低い位置検出用のLED素子を配設することにより、前記共通の電源電圧を規定値より低い電圧値で供給することによって、前記位置検出用のLED素子を含む位置検出LEDブロックのみが点灯することを特徴とする。
【0014】
上記構成によれば、複数のLEDブロックを有するLED発光ユニットにおいて、位置基準に適した位置のLEDブロックのみを点灯させることによって、正確に位置測定を行い、LED発光ユニットを口金を有する基台や、レンズに対して正確に位置決め固定することができる。
【0015】
前記位置検出用のLED素子が、整列配設された複数のLEDブロックの中央のLEDブロックに配設されていると良い。
【0016】
上記構成によれば、LED発光ユニットの中央のLEDブロックを位置基準とするため、LED発光ユニットをレンズ等の光学素子と位置合わせするのに適している。
【0017】
前記位置検出用のLED素子が、複数のLEDブロックに配設されていると良い。
【0018】
上記構成によれば、LED発光ユニットにおける間隔をおいた複数列のLEDブロックを位置基準とするため、口金を有する基台や、レンズに対してより正確に位置決め固定することができる。
【0019】
前記LED発光ユニットを固定する基台部を有し、前記基台部に対する前記LED発光ユニットを固定する固定部に位置調整手段を設け、前記位置検出LEDブロックの検出結果に基づいて前記位置調整手段による位置調整を行って、前記LED発光ユニットと前記基台部との位置決め固定を行うと良い
【0020】
前記基台部に固定されるレンズを有し、前記基台部に対する前記レンズを固定する固定部に位置調整手段を設け、前記位置検出LEDブロックの検出結果に基づいて前記位置調整手段による位置調整を行って、前記LED発光ユニットとレンズとの位置決め固定を行うと良い


【発明の効果】
【0021】
上記の如く本発明においては、複数のLEDブロックを有するLED発光ユニットにおいて、位置基準に適した位置のLEDブロックのみを点灯させることによって、正確に位置測定を行い、LED発光ユニットを口金を有する基台や、レンズに対して正確に位置決め固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施形態におけるLED発光ユニットの非点灯状態を示す平面図である。
図2図1に示すLED発光ユニットの検査点灯状態を示す平面図である。
図3図1に示すLED発光ユニットの照明点灯状態を示す平面図である。
図4】本発明の第2実施形態におけるLED発光ユニットの非点灯状態を示す平面図である。
図5図4に示すLED発光ユニットの検査点灯状態を示す平面図である。
図6図4に示すLED発光ユニットの照明点灯状態を示す平面図である。
図7】本発明の第3実施形態におけるLED発光装置の断面図である。
図8】本発明の第4実施形態におけるLED発光装置の断面図である。
図9】本発明に用いられる位置検出装置の構成を示すブロック図である。
図10図9に示す位置検出装置の表示部の拡大平面図である。
図11図9に示す位置検出装置により、LED発光装置の位置決め固定作業を示すブロックロック図である。
図12図9に示す位置検出装置の表示部に表示されたLED発光ユニットの平面図である。
図13図9に示す位置検出装置の表示部に表示されたLED発光ユニットの平面図である。
図14図9に示す位置検出装置による、LED発光装置の位置決め固定作業を示すブロックロック図である。
図15図9に示す位置検出装置の表示部に表示されたLED発光ユニットの平面図である。
図16図9に示す位置検出装置の表示部に表示されたLED発光ユニットの平面図である。
図17】従来のチップユニットの斜視図である。
図18】従来のチップユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下図面により、本発明の実施形態を説明する。 図1図2図3は本発明の第1実施形態におけるLED発光ユニットの平面図であり、図1は非点灯状態、図2は検査点灯状態、図3は照明点灯状態を示している。
【0024】
図1において、LED発光ユニット10は基板5の上面に、LED1a〜LED1hまでの8個のLED1を直列接続して構成したLEDブロックL1〜L7を整列配設している。そしてこの7個のLEDブロックL1〜L7を並列接続して各々駆動電極2a,2bに接続している。上記構成において各LED1はすべて発光開始電圧Vthが共通になっているが、本実施形態においては中央のLEDブロックL4の一部に他のLED1より、発光開始電圧の低い位置検出用のLED1dを配設することにより、LEDブロックL4を位置検出用LEDブロックとしている。また3a、3bはLED発光ユニット10を位置決め固定するためのネジである。
【0025】
次にLED発光ユニット10の駆動動作を説明する。図1はLED発光ユニット10の非点灯状態であり、駆動電極2a,2bに駆動電圧が供給されていない状態である。この状態においてハッチングで示すLEDブロックL4のLED1dが位置決め用のLED1となっている。図2はLED発光ユニット10の検査点灯状態であり、駆動電極2a,2bに7個のLED1の発光開始電圧Vth×7の通常駆動電圧V1より少し低い検査点灯電圧V2を供給した状態である。この状態においてはLEDブロックL1〜L3とLEDブロックL5〜L7は供給電圧が通常駆動電圧V1より低いため点灯しないが、LEDブロックL4はLED1dの発光開始電圧が低いため検査点灯電圧V2によって発光することができる。
【0026】
すなわち、駆動電極2a,2bに供給される共通の電源電圧を、規定値より低い検査点灯電圧V2で供給することによって、位置検出用のLED1dを含む位置検出LEDブロックL4のみが点灯しており、この状態をハッチングで示している。図3は通常の照明点灯状態を示しており、駆動電極2a,2bに供給される共通の電源電圧を、規定値の通常駆動電圧V1で供給することによって、全てのLEDブロックL1〜L7が点灯している。
【0027】
(第2実施形態)
次に図4図6により本発明の第2実施形態におけるLED発光ユニットを説明する。図4図5図6は本発明の第2実施形態におけるLED発光ユニットの平面図であり、図4は非点灯状態、図5は検査点灯状態、図6は照明点灯状態を示している。なお、第2実施形態におけるLED発光ユニット20は、第1実施形態におけるLED発光ユニット10と基本的構成は同じであり、同一部材には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
【0028】
図4における、LED発光ユニット20が図1におけるLED発光ユニット10と異なるところは、LEDブロックL1とLEDブロック7における各LED1dが位置決め用のLED1となっており、この結果LEDブロックL1とLEDブロック7の2個のLEDブロックが位置検出LEDブロックになっていることである。
【0029】
次にLED発光ユニット20の駆動動作を説明する。図4はLED発光ユニット20の非点灯状態であり、駆動電極2a,2bに駆動電圧が供給されていない状態である。この状態においてハッチングで示すLEDブロックL1とLEDブロックL7のLED1dが位置決め用のLED1となっている。図5はLED発光ユニット20の検査点灯状態であり、駆動電極2a,2bに7個のLED1の発光開始電圧Vth×7の通常駆動電圧V1より少し低い検査点灯電圧V2を供給した状態である。この状態においてはLEDブロックL2〜L6は供給電圧が通常駆動電圧V1より低いため点灯しないが、LEDブロックL1とL7とはLED1dの発光開始電圧が低いため検査点灯電圧V2によって発光することができる。
【0030】
すなわち、駆動電極2a,2bに供給される共通の電源電圧を、規定値より低い検査点灯電圧V2で供給することによって、位置検出用のLED1dを含む位置検出LEDブロックL1,L7のみが点灯しており、この状態をハッチングで示している。図6は通常の照明点灯状態を示しており、駆動電極2a,2bに供給される共通の電源電圧を、規定値の通常駆動電圧V1で供給することによって、全てのLEDブロックL1〜L7が点灯している。
【0031】
(第3実施形態)
次に図7により本発明の第3実施形態であるLED発光装置に付いて説明する。図7は本発明の第3実施形態であるLED発光装置30の断面図であり、その構成はLEDランプである。LED発光装置30は放熱部を兼ねた基台部31の上部に前記LED発光ユニット20がネジ3a,3bによって固定されており、基台部31の下部には口金32が設けられ、さらに基台部31の上部に設けたガラス球33によってLED発光ユニット20が保護されている。さらに前記LED発光ユニット20における基板5の下面には制御ユニット34が設けられ、この制御ユニット34はリード線35を介して口金32から電力の供給を受け、LED発光ユニット20の点灯制御をおこなっている。
【0032】
上記構成におけるLED発光装置30は、基台部31に対してLED発光ユニット20を固定する固定部に位置調整手段として、LED発光ユニット20の基板5のネジ穴5aを調整可能な大きさに形成してあり、後述する位置調整固定作業において位置検出LEDブロックL1,L7の検出結果に基づいて位置調整手段による位置調整を行って、前記LED発光ユニット20と基台部31との位置決め固定を行うようにしている。
【0033】
(第4実施形態)
次に図8により本発明の第4実施形態であるLED発光装置に付いて説明する。図8は本発明の第4実施形態であるLED発光装置40の断面図であり、その基本的構成は図7に示すLED発光装置30と同じであり、同一部材には同一番号を付し、重複する説明は省略する。図8におけるLED発光装置40が図7におけるLED発光装置30と異なるところは、LED発光装置30がLED発光ユニット20の保護のためにガラス球33を設けていたのに対し、LED発光装置40はLED発光ユニット10の保護用として基台部31の上面に保持台41を固定し、この保持台41の段差部41aにレンズ43を載置しており、このレンズ43は後述する位置決め固定作業終後に、接着剤45によって保持台41の段差部41aに接着固定されている。
【0034】
上記LED発光装置40における位置調整手段としては、保持台41の段差部41aに載置したレンズ43が、段差部41a上で矢印A方向に移動調整可能に構成されている。後述する位置調整固定作業において位置検出LEDブロックL4の検出結果に基づいて位置調整手段による位置調整を行って、前記LED発光ユニット10とレンズ43との位置決め固定を行うようにしている。
【0035】
次に本発明のLED発光装置の位置決め固定に用いる位置検出装置と、その位置検出装置を用いたLED発光装置に対するLED発光ユニットの位置決め固定動作を説明する。
【0036】
図9図12により、位置検出装置の構成と、その位置検出装置を用いてLED発光装置30にLED発光ユニット20を位置決め固定する作業を説明する。図9は位置検出装置50の構成を示すブロック図であり、LED発光装置30を口金32にとって固定する取り付け台部51と、LED発光ユニット20の位置検出LEDブロックL1,L7の位置を光学的に検出する位置検出部52と、取り付け台部51及び位置検出部52を制御する制御装置53とにより構成され、制御装置53は取り付け台部51及び位置検出部52の電気的制御を行う制御部53aと位置検出部52の検出結果を表示する表示部53bとを有する。また図9においては取り付け台部51にLED発光装置30が口金32によって取り付けられた状態を示している。
【0037】
図10図9に示す制御装置53における表示部53bの拡大平面図であり、表示部53bにおける表示画面にはLED発光ユニット10及びLED発光ユニット20の位置検出LEDブロックL1,L4、L7に対応した合わせマークH1,H2、H3が設けられている。そして後述する制御装置53の位置調整固定作業において、測定モードの設定により、対応する合わせマークを選択表示する。
【0038】
次に図11図13により図9に示す位置検出装置50を用いて、図7に示すLED発光装置30に、図4に示すLED発光ユニット20を位置決め固定する作業を説明する。
図11は位置検出装置50の取り付け台部51にLED発光装置30を口金32によって取り付けた状態を示しており、この位置決め固定する作業においては、ガラス球33は点線で示すごとく取り付けられていない。
【0039】
この状態において、位置検出装置50の電源をONにして動作状態にすると、制御装置53の制御装置53から取り付け台部51に駆動電圧が供給さることによりLED発光装置30が動作状態となる。このとき制御装置53からLED発光装置30に供給さる駆動電圧は、LED発光ユニット20の規定電圧より低い検査点灯電圧V2となっておりため、LED発光ユニット20の点灯状態は図5に示す検査点灯状態であり、LEDブロックL1、l7のみ点灯している。
【0040】
そして、位置検出装置50の検出モードを、LED発光ユニット20を備えたLED発光装置30の検出モードに設定することによって、制御装置53の表示部53bは図10に示す合わせマークH1,H3の2つを選択表示する。この状態において位置検出部52は検査点灯状にあるLED発光ユニット20のLEDブロックL1,L7からの入射光Pを検出して表示部53bに表示する。この表示状態と、その表示検出に基づくLED発光ユニット20の位置決め動作を図12図13により説明する。
【0041】
図12は位置検出装置50の位置検出部52に検出されて、表示部53bに表示されたLED発光ユニット20の平面図であり、検査点灯状にある位置検出LEDブロックL1とL7とが写し出され、そのLEDブロックL1、L7の近傍に合わせマークH1,H3が枠状に表示されている。図12の表示状態は位置調整前の状態で有り、LEDブロックL1、L7と合わせマークH1,H3の枠とが少しずれた状態となっている。
【0042】
この状態において、作業者が図12に示す位置ずれを修正する位置調整固定作業を行うことになるが、この作業は図11に示すLED発光装置30に載置されたLED発光ユニット20の、基板5を基台部31に固定しているネジ3a、3bをゆるめ、基板5に設けられている位置調整手段である大きなネジ穴5a,5bを利用して基板5の位置をずらし、合わせマークH1,H3の枠の位置に位置検出LEDブロックL1、L7の位置を合わせ込む。すなわち図13に示すように、合わせマークH1,H3の枠の内部に位置検出LEDブロックL1、L7が収まる状態にする。
【0043】
この状態において、LED発光ユニット20の発光面の位置が口金32に対して正しく位置決めされたことになる。従って、この状態においてネジ3a,3bを締めつけて位置調整固定作業が終了する。この後は位置検出装置50からLED発光装置30を取り外し、基台部31にガラス球33を取り付けてLED発光装置30が完成する。この位置調整固定作業によって、LED発光装置30を照明装置に、口金32によって取り付けたときに正しい方向に照明光が放射される。
【0044】
次に図14図16により図9に示す位置検出装置50を用いて、図8に示すLED発光装置40に図1に示すLED発光ユニット10を位置決め固定する作業を説明する。
図14は位置検出装置50の取り付け台部51にLED発光装置40を口金32によって取り付けた状態を示しており、この位置決め固定する作業においては、レンズ43は保持台41の段差部41aに対して、接着剤45による接着はおこなわれておらず、保持台41の段差部41a上を移動可能となっている。
【0045】
この状態において、位置検出装置50の電源をONにして動作状態にすると、制御装置53の制御装置53から取り付け台部51に駆動電圧が供給さることによりLED発光装置40が動作状態となる。このとき制御装置53からLED発光装置30に供給さる駆動電圧は、LED発光ユニット10の規定電圧より低い検査点灯電圧V2となっておりため、LED発光ユニット10の点灯状態は図2に示す検査点灯状態であり、LEDブロックL4のみ点灯している。
【0046】
そして、位置検出装置50の検出モードを、LED発光ユニット10を備えたLED発光装置40の検出モードに設定することによって、制御装置53の表示部53bは図10に示す合わせマークH2を選択表示する。この状態において位置検出部52は検査点灯状にあるLED発光ユニット10のLEDブロックL4からの入射光Pを検出して表示部53bに表示する。この表示状態と、その表示検出に基づくLED発光ユニット10の位置決め動作を図15図16により説明する。
【0047】
図15は位置検出装置50の位置検出部52に検出されて、表示部53bに表示されたLED発光ユニット10の平面図であり、検査点灯状にある位置検出LEDブロックL4が写し出され、そのLEDブロックL4の近傍に合わせマークH2が枠状に表示されている。図15の表示状態は位置調整前の状態で有り、LEDブロックL4と合わせマークH2の枠とが少しずれた状態となっている。
【0048】
この状態において、作業者が図15に示す位置ずれを修正する位置調整固定作業を行うことになるが、この作業は図14に示すLED発光装置40に載置されたLED発光ユニット10の基板5を、基台部31にネジ3a、3b固定した状態で、保持台41の段差部41aに載置したレンズ43の位置を調整することによって行う。すなわち位置調整手段である段差部41aを利用してレンズ43の位置をずらし、図15に示す表示部53bに表示された合わせマークH2の枠に位置検出LEDブロックL4の位置を合わせ込む。すなわち図16に示すように、合わせマークH2の枠の内部に位置検出LEDブロックL4が収まる状態にする。
【0049】
この状態において、LED発光ユニット10の発光面の位置がレンズ43に対して正しく位置決めされたことになる。この状態において点線で示す接着剤45により、レンズ43の端部を保持台41の段差部41aに接着固定して位置調整固定作業が終了し、図8に示すLED発光装置40が完成する。そしてこの位置調整固定作業が行われることによって、LED発光ユニット10の発光がレンズ43によって正確に集光され、正しい方向に照明光が放射される。
【0050】
上記の如く本発明においては、LED発光装置において、LED発光ユニットの発光面に対して、口金やレンズ等の光学装置の位置を正しく合わせ込むことによって、照明装置として常に正しい方向に照明光の放射が可能な、品質の安定したLED発光装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0051】
1、1a〜1h、101,101a〜101c LED
2a、2b 駆動電極
3a,3b ネジ
5 基板
5a ネジ穴
10,20 LED発光ユニット
30,40 LED発光装置
31 基台部
32 口金
33 ガラス球
34 制御ユニット
35 リード線
41 保持台
41a 段差部
45 接着剤
50 位置検出装置
51 取り付け台部
52 位置検出部
53 制御装置
53a 制御部
53b 表示部
L1〜L7 LEDブロック
H1〜H3 合わせマーク
100,200 チップユニット
102a 上電極
102b 下電極
103a,103b 吸着部
105 サブマウント基板
図1
図2
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