特許第6087151号(P6087151)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087151タイル、タイルと担体の集合体、集合体製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087151
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】タイル、タイルと担体の集合体、集合体製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/00 20060101AFI20170220BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20170220BHJP
   H05B 33/06 20060101ALI20170220BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   G09F9/00 348Z
   G09F9/40 301
   H05B33/06
   H05B33/14 A
【請求項の数】12
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2012-551110(P2012-551110)
(86)(22)【出願日】2011年1月31日
(65)【公表番号】特表2013-519106(P2013-519106A)
(43)【公表日】2013年5月23日
(86)【国際出願番号】NL2011050063
(87)【国際公開番号】WO2011093712
(87)【国際公開日】20110804
【審査請求日】2014年1月23日
(31)【優先権主張番号】10152129.2
(32)【優先日】2010年1月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】512185280
【氏名又は名称】ネーデルランゼ オルハニサティー フォール トゥーヘパスト−ナトゥールウェテンスハッペァイク オンデルゾーク テーエンオー
【氏名又は名称原語表記】NEDERLANDSE ORGANISATIE VOOR TOEGEPAST−NATUURWETENSCHAPPELIJK ONDERZOEK TNO
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ファン デン ブランド, イェルーン
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘック,ヘラルドゥス ティトゥス
(72)【発明者】
【氏名】デ コック,マルハレータ,マリア
【審査官】 請園 信博
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−152066(JP,A)
【文献】 特開平05−040447(JP,A)
【文献】 特開2006−106764(JP,A)
【文献】 特表2006−501508(JP,A)
【文献】 特開2009−139463(JP,A)
【文献】 特表2005−509904(JP,A)
【文献】 実開昭62−065680(JP,U)
【文献】 特開2005−209623(JP,A)
【文献】 特開2007−163992(JP,A)
【文献】 特開2009−158188(JP,A)
【文献】 特開平10−335063(JP,A)
【文献】 特表2010−518570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 − 9/46
H01L 27/32
51/50
H05B 33/00 − 33/28
H05K 3/32 − 3/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイルと担体との集合体であって、前記担体は複数の方向において伸張可能であり、前記タイルは電気物理トランスデューサおよび該トランスデューサへの電気コネクタをもつ箔を有し、前記タイルは、前記タイルの中央領域に配置された接続部において前記担体に機械的かつ電気的に結合され、前記接続部を囲む最小長方形のサイズは、タイルの主表面の面積の高々10%である、
集合体。
【請求項2】
前記タイルは第一および第二の互いに反対側の主表面を備え、前記担体に面する前記第二の主表面は、前記接続部において互いに異なる横方向位置において第一および第二の互いに反対の磁極をもち、前記タイルは、その第一および第二の磁極と、前記担体の主表面上のそれぞれ第三および第四の磁極との間の磁気結合によって、前記担体と集合させられる、請求項1記載の集合体。
【請求項3】
前記タイルと前記担体の結合された一対の磁極が前記電気コネクタの少なくとも一つへの電気的接続を与える、請求項1記載の集合体。
【請求項4】
前記タイルは、前記電気コネクタの少なくとも一つへの電気的接続を与える少なくとも一つの伝導性ワイヤによって前記担体と集合させられる、請求項1ないし3のうちいずれか一項記載の集合体。
【請求項5】
前記箔を通る第一および第二の切り込みが電気物理トランスデューサの電気コネクタに並行して延在し、前記第一および第二の切り込みは、前記電気コネクタに対して互いに反対側に配置され、それにより、前記電気コネクタの一部分を担持し、前記担体と反対側を向く第一の主表面をもつ、前記箔のストリップ形状部分を画定し、前記電気コネクタは、前記第一の切り込みを通って前記第一の主表面に行き、前記電気コネクタの前記一部分に当たって、前記第二の切り込みを通って前記第一の主表面から離れるよう延在する電気伝導性要素によって、前記一部分において前記担体の電気伝導体に電気的に接続される、請求項4記載の集合体。
【請求項6】
前記タイルが、少なくとも接着剤によって、前記担体と集合させられる、請求項1ないし5のうちいずれか一項記載の集合体。
【請求項7】
前記接着剤が電気伝導性接着剤である、請求項6記載の集合体。
【請求項8】
前記複数のタイルは、前記担体に対して第一の高さに配置された第一の複数のタイルと、前記担体に対して前記第一の高さと異なる第二の高さに配置された第二の複数のタイルとを含み、前記第一の複数のタイルが前記第二の複数のタイルを囲み、前記第二の複数のタイルが前記第一の複数のタイルを囲むよう、前記第一の複数および前記第二の複数のタイルが互いの間に規則的に配置される、請求項1ないし7のうちいずれか一項記載の集合体。
【請求項9】
前記担体が製織物である、請求項1記載の集合体。
【請求項10】
前記担体が箔である、請求項1記載の集合体。
【請求項11】
前記担体が伸張可能である、請求項9または10記載の集合体。
【請求項12】
複数のタイルを基板と集合させる方法であって、前記基板は複数の方向において伸張可能であり、前記タイルは電気物理トランスデューサおよび該トランスデューサへの電気コネクタをもつ箔を有し、当該方法は、前記タイルを、前記タイルの中央に配置された接続部において前記基板に機械的かつ電気的に結合させることを含み、前記接続部を囲む最小長方形のサイズは、タイルの主表面の面積の高々10%である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はタイルに、特に電気物理トランスデューサを有するタイルに関する。
【0002】
本発明はさらにタイルの、担体との集合体(assembly)に関する。
【0003】
本発明はさらに集合体を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0004】
本稿では電気物理トランスデューサは電気信号を物理現象に変換する、または物理現象を電気信号に変換するデバイスとして定義される。前者の例は電気ルミネセント・デバイス、電気音響デバイスおよび電気色デバイスである。後者の例は光起電性デバイス、音響センサーおよびタッチ・センサーである。
【0005】
柔軟な箔の形で製造される電気光デバイスが知られている。これはある程度の自由を許容するが、それでもそのようなデバイスをたとえば球形のような任意の形に変形することは可能ではない。そのようなデバイスを、たとえば所望される形状をもつ型〔モールド〕上に逐次的に層を堆積していくことによって特定の所定の形状に製造することは考えられるかもしれないが、結果として得られる製品は他の用途のために別の形状に変形されることはできない。ましてや、製品は使用中に任意に変形可能ではない。
【0006】
他の目的のために変形されることのできる、あるいは使用中に任意に変形されることさえできる電気物理トランスデューサが必要とされている。
【0007】
任意に変形可能なトランスデューサを有する必要性が生じるのは、たとえば、電子回路がある三次元オブジェクト、たとえば家具の覆いまたは自動車の内装に容易に適合されるようにする用途においてである。
【0008】
使用中の変形を許容する必要性が生じるのは、たとえば、医学用途、たとえば人間の皮膚の治療のために光子放射を使う用途においてである。もう一つの例は、ロボット工学においてである。ロボット工学では、変形可能な形状を有する人工皮膚においてタッチ感応機能をもつことが望まれる。
【0009】
特許文献1は、柔軟かつ伸張可能な第一および第二の導体のグリッドをもつ柔軟かつ伸張可能な基板を有する複合マイクロホンを記載している。第一の導体は第二の導体に対して直交して配置される。複数の音響センサーはそれぞれ、グリッド中の各導体対と接続している。音響センサーを担持する基板は任意の形状の表面上に、たとえば半球状の表面上に配置でき、それにより大きな空間角において感度をもつマイクロホンが得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】国際公開第2009/134127号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007115572号
【特許文献3】国際公開第9639707号
【特許文献4】国際公開第2010067283号
【特許文献5】国際公開第2009133497号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
タイルの、柔軟なまたは折り畳み可能な担体との集合体においては、一方ではタイルが担体に信頼できる形で取り付けられ、他方ではタイルが担体の動きをできるだけ制約しないことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第一の側面によれば、基板をもつ、複数のタイルの集合体が提供される。それらのタイルは電気物理トランスデューサおよび該トランスデューサへの電気コネクタをもつ箔を有し、前記タイルは、前記タイルの接続部において前記担体に機械的かつ電気的に結合される。
【0013】
本発明の第一の側面に基づく集合体では、タイルは接続部において担体に取り付けられる。それにより、担体の動きの自由を制約するのは接続部のみである。接続部の大きさは、タイルの担体への各接続を囲む最小長方形(smallest rectangle)SRとして定義される。この大きさは、タイルの主表面の面積の高々10%の面積をもつ。
【0014】
ある好ましい実施形態では、接続部はタイルに関して中央に配置される。中心に配置される接続部の位置は、タイルから中央接続までの横方向距離が短いので、比較的信頼できる接続を与える。
【0015】
用途に依存して、担体は一つまたは複数の方向において柔軟および/または伸張可能であってもよい。担体〔キャリア〕は箔〔フォイル〕、たとえば弾性箔、たとえばゴム箔であってもよいが、代替的に製織物〔テキスタイル〕であってもよい。個々のタイルが剛性であったとしても、全体としての配置は柔軟および/または伸張可能である。
【0016】
弾性媒体において使うための柔軟かつ伸張可能な導体は、たとえば、特許文献2などに記載されるように、蛇行した形で提供することによって実現されうる。あるいはまた、本来的に柔軟、伸張可能かつ伝導性、たとえば特許文献3などにおいて記載されるような伝導性および非伝導性ポリマーのブレンドである材料が使用されてもよい。製織物担体の使用はたとえば特許文献4および特許文献5において記載されている。
【0017】
本発明の第二の側面によれば、複数のタイルを基板と集合させる方法が提供される。前記タイルは電気物理トランスデューサおよび該トランスデューサへの電気コネクタをもつ箔を有し、当該方法は、前記タイルを、前記タイルの中央部において前記担体に機械的かつ電気的に結合させることを含む。
【0018】
よって、第二の側面に基づく集合方法は、担体の動きの自由を制約しすぎることなく、タイルの信頼できる取り付けをもつ集合体を提供する。
【0019】
ある実施形態では、タイルは、担体のほうに面する主表面において提供され、前記中央部において互いに異なる横方向位置において第一および第二の互いに反対の磁極がある。タイルは、その第一および第二の磁極と、担体の主表面上のそれぞれ第三および第四の磁極との間の磁気結合によって、担体と集合させられる。
【0020】
このようにして、箔の電気接点が担体の電気接点と合うよう、タイルは担体に対して簡単に整列させられる。タイルの整列の目的のためには、タイルと担体がそれぞれ二つの互いに反対の磁極をもつことが十分である。にもかかわらず、タイルおよび担体は二対以上の協働する磁極によって結合されてもよい。互いに結合されるタイルおよび担体の磁極はさらに、担体からタイルへの電気的接続のはたらきをしてもよい。
【0021】
もう一つの実施形態では、タイルは、前記電気伝導体の少なくとも一つへの電気的接続を与える少なくとも一つの伝導性ワイヤによって担体と集合させられる。タイルはたとえば、ボタンが布に縫いつけられるのと同様の仕方で電気伝導性ワイヤによって担体に取り付けられてもよい。このようにして、非常に信頼できる機械的および電気的伝導が達成される。
【0022】
さらにもう一つの実施形態では、タイルは、少なくとも電気伝導性の接着剤によって担体と集合させられる。上記の諸方法のさまざまな組み合わせが有利に使用されうる。たとえば、タイルは、担体上の互いに協働する磁極によって基板に磁気的に整列させられてもよく、その後、タイルはさらに電気伝導性のワイヤ接続によって基板に取り付けられてもよい。
【0023】
集合体のある実施形態では、複数のタイルは、担体に対して第一の高さに配置された第一の複数のタイルと、担体に対して前記第一の高さより大きな第二の高さに配置された第二の複数のタイルとを含み、第一の複数のタイルが第二の複数のタイルを囲み、第二の複数のタイルが第一の複数のタイルを囲むよう、第一の複数および第二の複数のタイルは互いの間に規則的に配置される。
【0024】
このようにして、第二の複数のタイルは第一の複数のタイルのうちの近隣のタイルに重なることができる。それにより、たとえ担体が伸ばされたとしても、担体の主表面はタイルによって完全に覆われる。
【0025】
本発明の第三の側面によれば、電気物理トランスデューサおよび該トランスデューサへの電気コネクタをもつ箔を有するタイルであって、前記タイルは、主表面の中央部において、第一および第二の互いに反対の磁極を与えられる、タイルが提供される。ある実施形態では、前記第一および第二の互いに反対の磁極の少なくとも一方は、前記トランスデューサへの電気コネクタと電気的に接続される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
これらおよびその他の側面について、図面を参照してより詳細に述べる。
図1】複数のタイル1の、担体40との集合体を示す図である。
図2】本発明の第一の側面に基づく集合体の第一の実施形態におけるタイルの一つを示す図である。Aは該タイルを上面図で示し、BはAのB-Bに基づく断面を示す。
図3】上記第一の側面に基づく集合体の第二の実施形態におけるタイルを示す図である。Aは上面図であり、BはAのB-Bに基づく断面である。
図4図3のAにおけるビューVに基づく、電気接続を加えるより詳細な例を示す図である。
図5図3のAにおけるビューVに基づく、電気接続を加えるより詳細な例を示す図である。
図6図5の詳細を示す図である。
図7】上記第一の側面に基づく集合体の第三の実施形態のタイルを示す図である。
図8】上記第一の側面に基づく集合体の変形の例を示す図である。
図9】上記第一の側面に基づく集合体のさらなる例を示す図である。
図10】本発明の第一の側面に基づく集合体のさらなる実施形態を概略的に示す図である。Aは上面図を示し、BはAのBに基づく側面図を示す。
図11図10の集合体の伸張された状態を示す図である。Aは上面図を示し、BはAのBに基づく側面図を示す。
図12】上記第一の側面に基づく集合体の代替例を示す図である。Aは概略的な上面図を示し、BはAのB-Bに基づく断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明について、以下で、本発明の実施形態を示す図面を参照しつつより十全に述べる。しかしながら、本発明は、多くの異なる形で具現されうるものであり、本稿に記載される実施形態に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は本開示が十全かつ完備であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるよう提供される。図面では、層および領域の大きさおよび相対的な大きさは明確のために誇張されることがある。
【0028】
第一、第二、第三などの用語が本稿でさまざまな項目を記述するために使用されることがあるが、これらの項目はこれらの用語によって限定されるべきではないことは理解されるであろう。項目は、コンポーネントもしくは要素またはコンポーネントもしくは要素の諸側面、たとえば要素の表面または要素の高さといった記載される特徴を意味するものと理解される。これらの用語は項目を別の項目から区別するために使用されているだけである。よって、第一の項目が、本発明の教示から外れることなく第二の項目と称されることもできる。
【0029】
本発明の諸実施形態は、本発明の理想化された実施形態(および中間的な構造)の概略的な図解である断面図を参照して記載される。よって、たとえば製造技法および/または製造公差の結果として図の形状からの変動が予期される。よって、本発明の実施形態は本願で図示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、たとえば製造から帰結する形状の逸脱をも含むものである。
【0030】
特別に定義がされるのでない限り、本稿で使われる全ての用語(科学技術用語を含む)は本発明が属する分野の当業者が普通に理解するのと同じ意味をもつ。さらに、一般に使われる辞書において定義されるような用語は関連技術のコンテキストにおける意味と整合する意味をもつものと解釈されるべきであり、本稿で明示的にそのように定義されているのでない限り理想化されたまたは過度に形式的な語義において解釈されるものではない。本稿で言及されるあらゆる刊行物、特許出願、特許および他の文献は、参照によってその全体において組み込まれる。食い違いがある場合には、定義を含め本明細書が支配する。さらに、材料、方法および例は単に例解するものであって、限定することは意図されていない。
【0031】
図1は、担体40と合わせた複数のタイル1の集合体を示している。図示した実施形態において、担体は伸張可能である。図1のaは、担体の弛緩した状態を示す。bは担体が横方向に伸張された状態を示す。cは担体が縦方向に伸張された状態を示す。dは担体が両方向に伸張された状態を示す。
【0032】
典型的には、タイルは正方形で、一辺は1ないし15cmの範囲であるが、より小さなサイズ、たとえば50μmから先も可能である。他の形も可能であり、たとえば円形のタイルが使われてもよい。
【0033】
図2のAおよびBはタイル1の一つをより詳細に示している。図2のAは上面図であり、図2のBは図2のAにおけるB-Bによる断面を示す。図のように、タイル1aは、電気物理トランスデューサ10と該トランスデューサへの電気コネクタ24とをもつ箔20を有する。タイル1は接続部1cおよび残りの部分1pを有する。図示した実施形態では、接続部はタイルの中央領域内に配置されており、残りの部分は周辺部である。タイル1は、その接続部において、担体40に機械的かつ電気的に結合される。図示した実施形態では、機械的かつ電気的結合は、担体40の磁極52、54と互いに協働するタイル1の磁極51、53によって与えられる。図示した実施形態では、互いに協働する磁極51、52、53、54によって形成される接続を囲む最小長方形SRは(1.4×3.0=)4.2単位の面積をもつ。箔20の第一の主表面22は(10.4×10.4=)108単位の面積をもつ。よって、最小長方形の面積は箔20の主表面の面積の約3.8%である。箔20と担体40との間の機械的接触が占める10%を超えない比較的小さな面積は、担体40の移動性をさらに高める。
【0034】
図示した実施形態では、電気物理トランスデューサ10は電気ルミネセント・デバイスである。特に、電気ルミネセント・デバイスはOLEDである。図示した実施形態では、OLEDは、カソード12、発光ポリマー14およびアノード16を有する。OLEDはさらに包皮18を有する。にもかかわらず、無機LEDのような他の電気ルミネセント・デバイスも考えられる。タイル1は代替的または追加的に、光起電力デバイス、電気音響デバイス、タッチ感応性デバイスなどといった他の電気物理トランスデューサを設けられてもよい。ある実施形態では、担体は、互いに異なる型の電気物理トランスデューサをもつさまざまなタイルを有する。たとえば、担体上に配置されるいくつかのタイルは光起電力デバイスを有していてもよく、一方、他のタイルは電気ルミネセント・デバイスを有していてもよい。ある実施形態では、タイルはトランスデューサの組み合わせを設けられてもよい。たとえば、タイルは、タッチ感応性デバイスと、該タッチ感応性デバイスがタイルがタッチされたことを検出したかどうかを示す電気ルミネセント・デバイスとの組み合わせを有していてもよい。
【0035】
図2に示した集合体の実施形態では、タイル1および担体40の結合された一対の磁極51、52が電気コネクタの少なくとも一つ24への電気的接続を与える。同様に、タイル1および担体40の結合されたさらなる一対の磁極53、54が他の電気コネクタ28への電気的接続を与える。
【0036】
図3は第二の実施形態を示す。図3のAは上面図であり、図2に対応する部分は同じ参照符号をもつ。図3の実施形態では、BはAにおけるB-Bに基づく断面である。タイル1は、電気コネクタの少なくとも一つ24への電気的接続を与える一本の伝導性ワイヤ26の形の少なくとも一つの電気伝導性要素によって、担体40と集合させられる。この場合、さらなる伝導性ワイヤ31が電気コネクタの他方28への電気的接続を与える。
【0037】
より詳細には、箔20を通る第一および第二の切り込み25aおよび25bが電気物理トランスデューサ10の電気コネクタ24に並行して延在する。第一および第二の切り込み25aおよび25bは、電気コネクタ24に対して互いに反対側に配置される。それにより、電気コネクタ24の一部を担持する、箔20のストリップ形状部分27が画定される。電気コネクタ24が前記部分において担体40の電気伝導体に電気的に接続されるのは、第一の切り込み25aを通って第一の表面22に行き、前記電気コネクタ24の前記部分に当たって、第二の切り込み25bを通って第一の表面22を離れるよう延在する電気伝導性要素26による。電気伝導性要素26は別個の電気伝導性要素であってもよいし、あるいは担体中の電気伝導体と一体であってもよい。図示した実施形態では、第一および第二の切り込み25aおよび25bはさらに第二の電気コネクタ28の一部に並行して、前記伝導体28の互いに反対側に延在する。それにより、箔20のストリップ形状部分27の第一の表面22は、電気コネクタ28の一部をも担持する。電気コネクタ28が担体40の電気伝導体に電気的に接続されるのも同様に、第一の切り込み25aを通って第一の表面22に行き、前記電気コネクタ28の一部分に当たって、第二の切り込み25bを通って第一の表面22を離れるよう延在する電気伝導性要素31による。
【0038】
切り込み25a、bは、丸く広がった端部の形の切り込み延長ストッパー25sの形で終わる。
【0039】
この実施形態では、電気伝導性要素26、31によって形成される接続を囲む最小長方形SRは(1.3×1.3=)1.7単位の面積をもつ。箔20の第一の主表面22は(10.4×10.4=)108単位の面積をもつ。よって、最小長方形の面積は箔20の主表面の面積の約1.5%である。
【0040】
電気伝導性要素26に電気的接続を加える詳細例が図3のAのビューVに基づく図4および図5に示されている。
【0041】
図4に示される第一の図解(1)は箔20を示す。参照符号23は、箔20の、担体40に面する主な側を示す。第二の図解(2)は、箔20の残りの部分の平面から出て曲げられるストリップ形状部分27を示す。それにより開口25cが形成される。ストリップ形状部分27はたとえば、該部分27を下方に圧する道具によって下方に曲げられてもよい。あるいはまた、ストリップ形状部分27は、磁気的な道具によって下方に引っ張られる磁性要素を有していてもよい。第三の図解(3)はいかにして電気伝導性要素26が、ストリップ形状部分27によって担持される前記少なくとも第一の電気伝導性トラックに当たって前記開口を通じて給送されるかを示している。第四の図解(4)はその結果を示している。第五の図解(5)は、ストリップ形状部分が解放されて曲がり戻った後の箔20を示している。
【0042】
図5は、電気伝導性トラックを担体の電気伝導体42に接続するためにステープル状のピッチ26aが使用される代替を示している。この場合、電気伝導体42の対(図6参照)は、電気接点423を有する第一の電気伝導体421および電気接点424を有する第二の電気伝導体422を有する。第二の図解(2)は、下方に圧されるステープル状のピッチ26aを示している。この図解において、ステープル状のピッチ26aは担体の電気伝導体421、422を抱え込み、それにより両伝導体との機械的接続が形成される。しかしながら、電気的接続は、電気伝導体421とのみ、その電気接点423において形成される。同様に、第二のステープル状のピッチ31aは、電気伝導体422とその電気接点424において電気的接続を形成するのみである。
【0043】
図7の例によって示されるように、さまざまな固定具が組み合わされてもよい。図7の例では、タイル1は、図2を参照して詳述したように担体40に磁気的に結合される。加えて、タイル1はさらに図3および図4図6を参照して詳述したようにして担体40に結合される。加えて、タイル1および担体は接着剤33、たとえばポリウレタンあるいはエポキシ・ベースの接着剤のようなホットメルト接着剤によって互いに取り付けられてもよい。あるさらなる実施形態では、タイルおよび担体の互いに協働する磁極を互いに対して付着させるよう接着剤が使用されてもよい。タイルと担体の磁極の間の磁力は、タイルを担体に対して整列させるために使用されてもよく、その後、タイルは前記接着剤によってまたは図3および図4図6に基づくワイヤ接続によって、整列された位置において恒久的に固定されてもよい。磁極が電気伝導性媒体としても使われる場合、接着剤は、箔と担体との間に配置される、Agを充填されたエポキシ・ベースの接着剤のような電気伝導性接着剤であってもよい。
【0044】
この実施形態では、電気伝導性要素26、31および磁性要素51、52、53、54によって形成される接続を囲む最小長方形SRは(1.6×4.5=)7.2単位の面積をもつ。箔20の第一の主表面22は(10.4×10.4=)108単位の面積をもつ。よって、最小長方形の面積は箔20の主表面の面積の約6.7%である。
【0045】
タイル1が配置される担体40は製織物または箔であってもよく、伸張可能であってもよい。図8は、担体40についてさまざまな変形が可能にされることを示している。タイル1の中央部分のみが担体40に取り付けられる(a)という事実のため、担体は曲げることができ(b)、伸張することができ(c)、および/または任意の仕方で変形することができる(d)。
【0046】
図9は、タイル1をもつ担体40が球形に引き伸ばされる例を示している。
【0047】
図10は、本発明の第一の側面に基づくさらなる集合体を概略的に示している。図10のAは上面図を示し、BはAのBによる側面図を示す。図10のAに示した実施形態では、複数のタイル1は、担体40に対して第一の高さH1に配置される第一の複数のタイル1aと、担体40に対して第一の高さとは異なる第二の高さH2に配置される第二の複数のタイル1bとを含む。タイルの厚さに依存して、第一の高さH1はたとえば200μmから1mmの範囲であり、第二の高さH2はたとえば250μmから1.2mmの範囲である。ただし、H2>H1の関係は守るものとする。第一の複数のタイル1aおよび第二の複数1bは互いの間に規則的に配置される。特に、第一の複数のタイル1aが第二の複数のタイル1bを囲み、第二の複数のタイル1bが第一の複数のタイル1aを囲む。図10は、担体が弛緩された、伸張されていない状態にある状況を示している。ここでは、相対的に高く配置されている第二の複数1bのタイルは第一の複数1aのタイルに重なる。図11は第二の状況を示し、それぞれ上面図およびAにおけるBに基づく側面図を示している。この第二の状況では、担体40は伸張されている。第二の複数1bのタイルはもはや第一の複数1aのタイルに重ならないが、それら複数のタイルはいまだ担体40全体を覆っている。これはたとえば、タイルに照明のための発光素子が設けられ、均一な照射プロファイルが望まれる場合に有利である。
【0048】
タイルの接続部が中心から外れて配置される代替的な実施形態が可能である。その一例が図12に示されている。
【0049】
図12のAは、各タイル1がその右端の近傍タイルによって部分的に支持される、タイル1の魚の鱗様配置を上面図で示している。同様に、タイルの各行はより下に配置されているタイルの行によって支持される。図12のBはAのB-Bによる断面を示す。
【0050】
請求項において、「有する/含む」の語は他の要素やステップの存在を排除するものではなく、単数形の表現は複数を排除するものではない。単一のコンポーネントまたは他のユニットが請求項に記載されるいくつかの項目の機能を充足してもよい。ある種の施策が互いに異なる請求項において記載されているというだけの事実が、それらの施策の組み合わせが有利に使用できなことを示すものではない。請求項に参照符号があったとしてもその範囲を限定するものと解釈すべきではない。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B