特許第6087175号(P6087175)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087175
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】油圧ショベル
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/08 20060101AFI20170220BHJP
   E02F 9/26 20060101ALI20170220BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   F01N3/08 B
   E02F9/26 B
   E02F9/20 C
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-44533(P2013-44533)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-173448(P2014-173448A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年6月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】502246528
【氏名又は名称】住友建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】石井 信行
【審査官】 石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−002285(JP,A)
【文献】 特開2011−189886(JP,A)
【文献】 特開2009−096224(JP,A)
【文献】 特開2009−162000(JP,A)
【文献】 特開2009−196499(JP,A)
【文献】 特開2011−173590(JP,A)
【文献】 特開2010−203160(JP,A)
【文献】 特開2012−122386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/08
B60K 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載されたエンジンの排気ガスを尿素水により処理する尿素選択還元型のNOx処理装置と、
前記上部旋回体の右前方位置に配置され、前記NOx処理装置へ供給する前記尿素水が給水される液体還元剤用タンクと、
該液体還元剤用タンク内の前記尿素水の液量を検出する液量検出センサと、
前記上部旋回体に設けられており、補給用の尿素水が充填された給水タンクから前記液体還元剤用タンクに前記尿素水を給水する給水ポンプと、
補給処理を開始する際に操作される給水スイッチと、
前記給水ポンプが起動することにより給水中であることを表示する表示装置と、
前記液量検出センサの出力に基づき、前記液体還元剤用タンク内の前記尿素水の液量が所定量となったこと検知した際、前記給水ポンプを停止させる制御手段と、
を有する油圧ショベルであって、
前記制御手段は、
前記給水スイッチがONされることにより前記給水ポンプの駆動を開始させ、前記給水スイッチがOFFされることにより前記表示装置を停止させること、
前記液体還元剤用タンクは、
前方に工具箱が隣接して配置され、後方に燃料タンクが配置されていること、
前記工具箱は、
前記給水スイッチ及び前記表示装置が配設されており、前記給水ポンプを収納可能であることを特徴とする油圧ショベル。
【請求項2】
前記表示装置は、前記尿素水の補給状況に応じて点滅表示されることを特徴とする請求項1記載の油圧ショベル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給水口から液体還元剤が給水される液体還元剤用タンクを有する油圧ショベルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディーゼルエンジンを搭載した油圧ショベル等の建設機械では、高次の排ガス規制に対応すべく、排気系に排ガス処理装置が設置されている。この排ガス処理装置としては、尿素水溶液(液体還元剤)を用いた尿素選択還元型のNOx処理装置が多く採択されている。
【0003】
この種のNOx処理装置は、排気ガス通路に設けられた還元触媒の上流側に尿素水を噴射し、排気ガス中のNOxを還元することにより無害化する構成とされている。よって、尿素選択還元型のNOx処理装置を設けた建設機械は、尿素水が貯留される液体還元剤用タンク(尿素水タンク)を有している(特許文献1)。
【0004】
尿素水の残量が少なくなった場合には、尿素水タンクには尿素水の補給が行われる。この尿素水を補給する方法としては、市販されている尿素水ボックスを作業者が手で持ち、尿素水タンクの給水口から補給処理を行うことが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−154150号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、尿素水タンクのタンク容量が大きい場合、尿素水ボックス(一般に10〜20リットル)による補給処理では補給回数が多くなり、作業者の負担が大きくなってしまう。
【0007】
これに対処するため、ドラム缶(200リットル)から尿素水タンクに尿素水を補給することも行われている。この場合、ドラム缶を作業者が尿素水タンクの給水口まで持ち上げるのは不可能であるため、給水ポンプを用いて補給することが行われている。
【0008】
この種の給水ポンプはドラム缶及び尿素水タンクから独立した構成とされており、吸引用の配管をドラム缶に挿入すると共に供給側の配管を給水口に挿入し、ポンプを駆動することによりドラム缶から尿素水タンクに尿素水を補給する構成とされている。
【0009】
この給水ポンプを用いた補給方法では、ポンプが手動である場合はやはり作業者に負担が掛かるという問題点がある。またポンプが電動である場合には、給水ポンプが尿素水タンクから独立した構成であったため、独立した電源(乾電池,充電式電池等)が必要となり、やはり作業者に負担が発生してしまう。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、液体還元剤の補給時における作業者の負担軽減を図りうる油圧ショベルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題は、第1の観点からは、
下部走行体と、
前記下部走行体に旋回可能に搭載された上部旋回体と、
前記上部旋回体に搭載されたエンジンの排気ガスを尿素水により処理する尿素選択還元型のNOx処理装置と、
前記上部旋回体の右前方位置に配置され、前記NOx処理装置へ供給する前記尿素水が給水される液体還元剤用タンクと、
該液体還元剤用タンク内の前記尿素水の液量を検出する液量検出センサと、
前記上部旋回体に設けられており、補給用の尿素水が充填された給水タンクから前記液体還元剤用タンクに前記尿素水を給水する給水ポンプと、
補給処理を開始する際に操作される給水スイッチと、
前記給水ポンプが起動することにより給水中であることを表示する表示装置と、
前記液量検出センサの出力に基づき、前記液体還元剤用タンク内の前記尿素水の液量が所定量となったこと検知した際、前記給水ポンプを停止させる制御手段と、
を有する油圧ショベルであって、
前記制御手段は、
前記給水スイッチがONされることにより前記給水ポンプの駆動を開始させ、前記給水スイッチがOFFされることにより前記表示装置を停止させること、
前記液体還元剤用タンクは、
前方に工具箱が隣接して配置され、後方に燃料タンクが配置されていること、
前記工具箱は、
前記給水スイッチ及び前記表示装置が配設されており、前記給水ポンプを収納可能であることを特徴とする油圧ショベルにより解決することができる。
【発明の効果】
【0012】
開示の発明によれば、上部旋回体に設けられた給水ポンプにより給水タンクから液体還元剤用タンクに給水され、所定量まで給水された際に制御手段により自動的に給水が停止されるため、液体還元剤の補給時における作業者の負担軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の一実施形態である油圧ショベルの側面図である。
図2図2は、本発明の一実施形態である油圧ショベルの上部旋回体を平面視した概略構成図である。
図3図3は、尿素タンク近傍を概略的に示す斜視図である。
図4図4は、尿素水補給装置の概略構成図である。
図5図5は、制御装置が行う尿素水補給を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態である油圧ショベルを示しているしかしながら、本発明は液体還元剤用タンクを有するものであれば、他の建設機械についても適用が可能なものである。
【0016】
建設機械は、下部走行体1の上部に上部旋回体2が旋回可能に装架され、上部旋回体2の前方一側部にキャブ3が設けられている。また、上部旋回体2の前方中央部にブーム4が俯仰可能に枢着され、このブーム4の先端部にはアーム5が上下回動可能に連結されている。更に、アーム5の先端部には、バケット6が上下回動可能に取り付けられている。
【0017】
図2は、上部旋回体の後部を平面視した状態を概略的に示す図である。
【0018】
図2に示すように、上部旋回体2の後部にはエンジンルーム7が形成され、このエンジンルーム7内にはディーゼルエンジン8が設置されている。また、ディーゼルエンジン8の前方側(図2における手前側)には冷却ファン8bが設けられると共に、この冷却ファン8bの前方にはラジエータ等を含む熱交換機ユニット13が設置されている。
【0019】
更に、ディーゼルエンジン8には排気管8aが接続され、この排気管8aの下流側には、高次の排ガス規制に対応すべく、エンジン排ガス中の窒素酸化物(以下、NOxという。)を浄化する排ガス処理装置9が設置されている。
【0020】
排ガス処理装置9としては、液体還元剤として尿素水を用いた尿素選択還元型のNOx処理装置が採択されている。この排ガス処理装置9は、排気管8aに備えられた還元触媒(図示せず)の上流側に尿素水11を噴射して排ガス中のNOxを還元し、この還元反応を還元触媒により促進してNOxを無害化する構成とされている。
【0021】
従って、この種の排ガス処理装置9を備えた建設機械には、尿素水11(図5参照)を蓄えるための液体還元剤用タンク10(以下、尿素水タンクという)が備えられている。
【0022】
図3は、尿素水タンク10の設置状態を概略的に示す斜視図である。
【0023】
図3に示すように、上部旋回体2の旋回フレーム14の前部には左右一対のブーム取り付け用の支持ブラケット17L,17Rが立設されている。また、支持ブラケット17Lの外側であって、後方には燃料タンク18及びサンプタンク19が直列に配置されている。また、燃料タンク18の前側には尿素水タンク10が、尿素水タンク10の前には工具箱16がそれぞれ配置されている。そして、これらのタンク10,18,19は、上部旋回体2の外装カバー(図示せず)で囲われている。
【0024】
従って図示の例では、前から工具箱16、尿素水タンク10、燃料タンク18、及びサンプタンク19が順に隣接して配置されている。なお、燃料タンク18等の順序は任意である。燃料タンク18及びサンプタンク19は、幅方向に横並びに配置されてもよい。
【0025】
尿素水タンク10は樹脂材料から形成されており、その内部に尿素水11が貯留される。この尿素水タンク10は上部に給水口20が設けられており、後述するように給水口20から尿素水11が補給(給水)される。
【0026】
更に、尿素水タンク10は、尿素水供給パイプ及びインジェクタ(図示せず)等を介して排気管8aに接続されている。よって、尿素水タンク10内の尿素水11は、尿素水供給パイプを介しインジェクタから排気管8aに噴射される。
【0027】
上記構成とされた尿素水タンク10は、尿素水残量が少なくなると補給処理が行われる。尿素水タンク10には、尿素水11の補給処理を行うための尿素水補給装置30が設けられている。以下、図4及び図5を用いて尿素水補給装置30について説明する。
【0028】
図4に示すように、尿素水補給装置30は、給水スイッチ31、レベルセンサ32、給水ポンプ33、表示装置34、及び制御装置36等を有している。
【0029】
給水スイッチ31は尿素水補給装置30を起動するためのスイッチであり、制御装置36に接続されている。
【0030】
レベルセンサ32(液量検出センサ)は、尿素水タンク10内の尿素水11の液量を検出するセンサである。このレベルセンサ32は、制御装置36と接続されている。よってレベルセンサ32で検出された尿素水11の液量(液面レベル)は、電気信号として制御装置36に出力される。
【0031】
このレベルセンサ32は特に種類を限定されるものではないが、例えば尿素水タンク10内に設けられたフロートにより尿素水11の液量を検出する構成のものを用いることができる。
【0032】
給水ポンプ33は、給水タンク40に充填されている尿素水11を尿素水タンク10に圧送するためのポンプである。この給水ポンプ33の吸引側には吸引用ホース35Aの一端が接続されており、供給側には供給用ホース35Bの一端が接続されている。
【0033】
また、尿素水タンク10に対して尿素水11の補給処理を行う際、吸引用ホース35Aの他端部は作業者により給水タンク40内に挿入される。本実施形態で用いる給水タンク40は、約200リットルの尿素水11が装填されたドラム缶状のものである。よって、10〜20リットル程度が充填された尿素水ボックスと異なり、作業者が持って補給処理を行うことは困難である。
【0034】
一方、供給用ホース35Bの他端は、給水口20に接続されている。よって給水ポンプ33が駆動すると、吸引用ホース35Aを介して給水タンク40から吸引された尿素水11は、給水ポンプ33から供給用ホース35Bを介して給水口20に供給され、給水口20から尿素水タンク10内に補給(給水)される。
【0035】
給水ポンプ33により給水タンク40から尿素水タンク10に尿素水11が給水されることにより、尿素水タンク10内の尿素水11の液面レベルは上昇する。レベルセンサ32はこれを検知し、制御装置36に出力する。このように、制御装置36は尿素水タンク10内の尿素水11の液量を常時検知できる構成となっている。
【0036】
上記構成とされた給水ポンプ33は制御装置36に接続され、この制御装置36により駆動制御が行われる構成とされている。
【0037】
なお、給水ポンプ33は腐食性が高い尿素水11を圧送するポンプである。このため、給水ポンプ33は尿素水11に対して耐食性がある樹脂等より形成されている。
【0038】
表示装置34は、尿素水補給装置30による尿素水11の補給状況を示す装置である。この尿素水補給装置30は液晶表示装置でもよく、また単に補給状況に応じて点燈するLEDライト等の表示装置であってもよい。
【0039】
なお本実施形態では、尿素水補給装置30の不使用時においては、上記した給水ポンプ
33及び各ホース35A,35Bを具箱16に収納する構成としている。図3に示したように、工具箱16は尿素水タンク10の手前位置に配置している。よって、この工具箱16に給水ポンプ33及び各ホース35A,35Bを収納することにより、尿素水11の補給処理時における利便性を高めることができる。
【0040】
また、給水スイッチ31及び表示装置34は、尿素水タンク10或いは工具箱16に配置するか、或いはその近傍位置に配置することが望ましい。本実施形態では、給水スイッチ31及び表示装置34を工具箱16に設けた構成としている。これにより、給水スイッチ31の操作性の向上、及び表示装置34の視認性の向上を図ることができる。
【0041】
次に図4及び図5を用いて、上記構成とされた尿素水補給装置30を有した建設機械において、尿素水タンク10に対して尿素水11を補給する際の作業者の処理、及び尿素水補給装置30の制御装置36が実施する補給制御処理について説明する。なお、図5は尿素水補給装置30を構成する制御装置36が実施する尿素水補給処理を示すフローチャートである。
【0042】
尿素水タンク10に対して尿素水11の補給をする際、まず作業者は尿素水11が装填されたドラム缶状の給水タンク40を上部旋回体2の外装カバー(図示せず)に設けられたメンテナンス用ドア(図示せず)の近傍位置に運ぶ。続いて作業者は、上部旋回体2の外装カバーに設けられたメンテナンス用ドアを開く。
【0043】
このメンテナンス用ドアを開いた際、工具箱16は手前に位置した状態となっている。作業者は工具箱16を開き、内部に収納されている吸引用ホース35Aを引出し、これをドラム缶状の給水タンク40内に挿入装着する。
【0044】
吸引用ホース35Aの給水タンク40への装着処理が終了すると、作業者は工具箱16に配設されている給水スイッチ31を操作してONとする(閉操作する)。給水スイッチ31がONとされることにより、尿素水補給装置30は起動して制御装置36は図5に示す補給制御処理を開始する。
【0045】
制御装置36は給水スイッチ31からONにされたことを検知すると(ステップ10。なお、図5ではステップをSと示している)、給水ポンプ33を起動する(ステップ12)。給水ポンプ33が起動することにより、給水タンク40内の尿素水11は給水ポンプ33により吸引され尿素水タンク10に補給される。
【0046】
また制御装置36は、給水ポンプ33を起動されると同時に表示装置34を起動させる。具体的には、表示装置34に補給処理が開始されたことを作業者に知らせる表示を行う。
【0047】
前記のように、表示装置34は工具箱16に配設されている。よって、作業者は表示装置34を見ることにより、尿素水補給装置30が駆動して尿素水11が給水タンク40から尿素水タンク10に補給されていることを知ることができる。
【0048】
一方、給水ポンプ33により尿素水11の補給が行われることにより、尿素水タンク10内の尿素水11の液面レベルは上昇する。給水スイッチ31のON操作によりレベルセンサ32も起動し、レベルセンサ32で検出された尿素水タンク10内における尿素水11の液量(以下、タンク内液量という)は制御装置36に送信される(ステップ16)。
【0049】
制御装置36には、予め尿素水タンク10の適正充填量が記憶されている。制御装置36は、レベルセンサ32で検出されたタンク内液量と適正充填量との比較処理を行う(ステップ18)。
【0050】
制御装置36は、タンク内液量が適正充填量未満である場合(ステップ18で否定判断がされた場合)には、ステップ12〜16の処理を繰り返し実行する。よって、タンク内液量が適正充填量に至るまでは、給水ポンプ33による尿素水11から尿素水タンク10への尿素水11の補給処理は継続される。
【0051】
一方、ステップ18においてタンク内液量が適正充填量以上になったと判断されると(ステップ18で肯定判断がされると)、制御装置36は給水ポンプ33を停止させる(ステップ20)。これにより、給水ポンプ33による給水タンク40から尿素水タンク10への尿素水11の補給が停止される。
【0052】
また給水ポンプ33が停止され時点で、制御装置36は表示装置34に給水ポンプ33が停止されたことを表示する(ステップ22)。これにより作業者は、尿素水タンク10内への尿素水11の補給処理が終了し、尿素水タンク10内の尿素水11が適正充填量になったことを知ることができる。
【0053】
作業者は、表示装置34の表示により補給処理が終了したことを知ると、給水スイッチ31をOFFとする(閉操作する)。制御装置36は、作業者が給水スイッチ31をOFFしたか否かを判断する。そして、給水スイッチ31がOFFされるまで、表示装置34の表示を維持する(ステップ24)。
【0054】
そして、ステップ24において作業者により給水スイッチ31がOFFに操作されたことを確認すると、制御装置36は表示装置34の表示を停止させる(ステップ26)。これにより、作業者の給水スイッチ31の切り忘れを防止することができる。
【0055】
上記のよう尿素水補給装置30は、タンク内液量が適正充填量になると自動的に給水ポンプ33停止し、給水タンク40から尿素水タンク10への尿素水11の補給が停止させる。よって、作業者が手動のポンプ等を操作する等の必要はなく、また尿素水タンク10内の液量を常時監視する必要もなくなるため、尿素水11の補給作業の作業負担を軽減することができる。
【0056】
また、尿素水補給装置30では、タンク内液量が適正充填量になった時点で自動的に尿素水11の補給が停止されるため、尿素水11が尿素水タンク10から溢れ出ることも防止することができる。
【0057】
なお、上記した実施形態では、供給用ホース35Bを給水口20に固定し、尿素水補給装置30を常時尿素水タンク10に接続した構成を示した。しかしながら、尿素水補給装置30を給水口20に対して着脱可能な構成とし、尿素水補給装置30を建設機械のオプションとすることも可能である。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は上記した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能なものである。
【0059】
例えば、上記した実施形態ではドラム缶状の給水タンク40を用いた補給処理を例として挙げているが、尿素水ボックス(一般に10〜20リットル)を用いた補給処理であっても何ら問題はない。
【符号の説明】
【0060】
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 キャブ
7 エンジンルーム
8 ディーゼルエンジン
9 排ガス処理装置
10 尿素水タンク
11 尿素水
13 熱交換機ユニット
14 旋回フレーム
16 工具箱
18 燃料タンク
19 サンプタンク
20 給水口
30 尿素水補給装置
32 レベルセンサ
31 給水スイッチ
33 給水ポンプ
34 表示装置
35A,35B 給水ホース
36 制御装置
40 給水タンク
図1
図2
図3
図4
図5