(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧延用誘導装置に設けてある対の主ガイドローラー及び対の副ガイドローラーのそれぞれの面間を通過する圧延材を互いに単独で駆動可能である主及び副の各駆動シリンダー並びに主及び副の各芯間調整機構を用いて上記面間で保持しながら誘導すると共に、上記主及び副の各ガイドローラーによる抱合時に主及び副の各ガイドローラーにかかる負荷を上記主及び副の各駆動シリンダーによって個別に制御しながら上記圧延材を誘導する方法であって、
上記主及び副の各駆動シリンダーの各ピストンロッドそれぞれの移動を通じて上記主及び副の各芯間調整機構を互いに単独作動させて、上記主ガイドローラー及び副ガイドローラーそれぞれの面間を調整しかつ各面間を上記圧延材に対応するものに追従させて誘導する
ことを特徴とする圧延材の誘導方法。
圧延用誘導装置本体と、互いに単独で駆動可能である主駆動シリンダー及び副駆動シリンダーと、上記主駆動シリンダーによって作動可能である主芯間調整機構及び上記副駆動シリンダーによって作動可能である副芯間調整機構を備えており、
上記圧延用誘導装置本体はガイドボックス並びに対の主ガイドローラー及び副ガイドローラーを備えており、
上記主駆動シリンダーは主抱合力調整部、主面間調整部及び主位置保持部を備え、上記副駆動シリンダーは副抱合力調整部、副面間調整部及び副位置保持部を備えており、
上記主及び副の各芯間調整機構は主及び副の各ラックギア、主及び副の各ラックギアと噛み合っている主及び副の各ギアホイール並びに主及び副の各ギアホイールと互いに偏心状態に結合している主及び副の各芯間調整偏心ピンを備えており、
上記主抱合力調整部は主ピストン及び主ピストンロッドを備え、上記副抱合力調整部は副ピストン及び副ピストンロッドを備えており、
上記対の主ガイドローラーは上記主芯間調整偏心ピンの偏心回転に追従回転可能であり、上記対の副ガイドローラーは上記副芯間調整偏心ピンの偏心回転に追従回転可能であり、
上記主ラックギアは上記主ピストンロッドの先端部に接続され、上記副ラックギアは上記副ピストンロッドの先端部に接続されており、
上記対の主ガイドローラーの面間は上記主ピストンロッドに連動する上記主芯間調整機構を通じて変更可能であり、
上記対の副ガイドローラーの面間は上記副ピストンロッドに連動する上記副芯間調整機構を通じて変更可能である
ことを特徴とする圧延用誘導装置。
ガイドボックスには支点ピンとなる偏心ローラーピンを回転中心とする対のローラーホルダーを取り付けてあり、対の主ガイドローラーは上記各ローラーホルダーの先端側にローラーピンを回転中心として設けられており、対の副ガイドローラーはガイドボックスに取り付けてある偏心ローラーピンを兼用している副芯間調整偏心ピンを回転中心として設けてあり、上記支点ピンは主芯間調整偏心ピンを兼用していることを特徴とする請求項2記載の圧延用誘導装置。
主芯間調整偏心ピン及び副芯間調整偏心ピンはいずれもガイドボックスに取り付けてあり、上記主芯間調整偏心ピンが主ガイドローラーの偏心ローラーピンであり、上記副芯間調整偏心ピンが副ガイドローラーの偏心ローラーピンであることを特徴とする請求項2記載の圧延用誘導装置。
主ラックギアに対向しかつこの主ラックギアに当接可能であるストッパを配置してあり、このストッパは上記主ラックギアの設定範囲を越える移動を制御するものであることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の圧延用誘導装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明について図面を参照して説明する。
まず、本発明に係る圧延用誘導装置について
図1〜
図6に基づいて説明する。
図1に示す圧延用誘導装置G1は、圧延用誘導装置本体1、主及び副の各駆動シリンダー2,3並びに主及び副の各芯間調整機構4,5を備えている。
【0009】
図1〜
図3に示す圧延用誘導装置本体1において、ガイドボックス6内には対のローラーホルダー7を配置してある。ローラーホルダー7はそれぞれ偏心ローラーピン8を支点としてガイドボックス6に回転可能に取り付けられている。対の偏心ローラーピン8は支点ピンであって、後述するように副ガイドローラー12の副芯間調整偏心ピンであって副芯間調整機構5の一部を構成している。各偏心ローラーピン8は上端部に軸受部9bを一体的に設けてあり、下端部が軸受部10b内に嵌め込まれている。軸受部9b,10bはガイドボックス6の上部及び下部にそれぞれ回転自在に嵌め込まれている。各偏心ローラーピン8は、ガイドボックス6に軸受部9b,10bを介して軸受けされている。偏心ローラーピン8の中心は、互いに同心である軸受部9b及び軸受部10bの中心から
図1右側に所定距離偏心している。
各ローラーホルダー7の先端側は、ガイドボックス6の出側(
図1右側)に向けて突出されている。各ローラーホルダー7の先端部は圧延ロール(図示せず。)の入口側に向けて突出されている。各ローラーホルダー7の先端側には、2組のガイドローラー11,12が並んで配置されている。
図1右側に位置している対の主ガイドローラー11はローラーピン13を回転中心として設けられている。
主ガイドローラー11の
図1左側に隣接している対の副ガイドローラー12は偏心ローラーピン8を回転中心として設けられている。
また、ガイドボックス6には、偏心ローラーピン8の
図1左側に間隔を置いて主芯間調整偏心ピン14を配置してある。主芯間調整偏心ピン14は、上端部に軸受部9aを一体的に設けてあり、下端部が軸受部10a内に嵌め込まれている。軸受部9a,10aはガイドボックス6の上部及び下部にそれぞれ回転自在に嵌め込まれている。各主芯間調整偏心ピン14は、ガイドボックス6に軸受部9a,10aを介して軸受けされている。主芯間調整偏心ピン14の中心は、互いに同心である軸受部9a及び軸受部10aの中心から
図1左側に所定距離偏心している。
さらに、
図1及び
図2に示すように、各ローラーホルダー7の両側上下に保持ボルト15をねじ込んである。各保持ボルト15の先端部が主芯間調整偏心ピン14に当接している。各ローラーホルダー7の先端側の対向間にばね(図示せず。)を配置してあり、このばねが両ローラーホルダーの先端側の主ガイドローラー11間を開くように、後端側を閉じる方向にばね力を付与している。
ガイドボックス6の後端側(
図1左側)にはエントリーガイド16を配置してある。
【0010】
主及び副の各駆動シリンダー2,3について説明する。
図1に示す主及び副の各駆動シリンダー2,3は互いに単独で駆動可能であって、油圧シリンダーが使用されている。
図1上段に位置している主駆動シリンダー2は主ガイドローラー11の駆動源であり、下段の副駆動シリンダー3は副ガイドローラー12の駆動源である。
主及び副の各駆動シリンダー2,3におけるシリンダチューブ24a,24bは、
図1及び
図2に示すように上下一体に積層された状態でガイドボックス6の上部に固定されている。
図4〜
図6において、主及び副の各駆動シリンダー2,3は、主及び副の各抱合力調整部18,19、主及び副の各面間調整部20,21並びに主及び副の各位置保持部22,23を備えており、いずれも実質的に同一構成である。
このため、主駆動シリンダー2の具体的構成を説明し、副駆動シリンダー3の詳細な説明を省略する。
【0011】
主駆動シリンダー2の主抱合力調整部18について
図4に基づいて説明する。
図右側の主抱合力調整部18において、シリンダチューブ24a内には主ピストン25a及び主ピストンロッド26aを移動可能に設けてある。主ピストンロッド26aの先端部側はシリンダチューブ24aの端部から外側に突出されている。シリンダチューブ24a内は主ピストン25aを挟んで
図4右側が引側室27a、左側が押側室28aとなっている。
図4では、主ピストン25aが押側室28aの最も後端側に後退しているために、押側室は隙間として図示されている。引側室27a及び押側室28a内には制御回路(図示せず。)に通じているポート29a及びポート30aから作動油が供給される。
ポート30aから押側室28a内に作動油が供給されて主ピストン25aが加圧されると、主ピストンロッド26aは前進(
図4右側に移動)し、ポート29aから引側室27a内に作動油が供給されて主ピストンが加圧されると、主ピストンロッドは後退(図左側に移動)する。
【0012】
図4左側の主面間調整部20において、ガイドスリーブ31aがシリンダチューブ24aの後端に接続されている。ガイドスリーブ31a内には主調整ロッド32aを軸方向に移動可能に収納してある。主調整ロッド32aの先端部は径を細くした突起部32a1となっている。この突起部が主ピストン25a内に延伸されている。そして、主調整ロッド32a内には、先端部側を残してほぼ全長に亘って内孔32a2を軸方向に形成してある。内孔32a2の内周面に雌ねじを設けているねじ孔である。主調整ロッド32aの内孔32a2内には主面間調整スクリュー33aをねじ込んである。主面間調整スクリュー33aの後端部はガイドスリーブ31aの後端部から外側に突出され、突出端部が操作つまみ34aとなっている。操作つまみ34aを回転操作することにより、主面間調整スクリュー33aがねじ込まれている主調整ロッド32aは移動し、操作つまみの回転方向に応じて前進又は後退する。
主面間調整スクリュー33aの動作は、ガイドスリーブ31aの後端側に配置してあって、内部に向けてねじ込んである固定ボルト35aによって固定される。
【0013】
主位置保持部22に関して
図4に示す部分拡大図を参照して説明する。
主ピストン25a内には調整室36a及び流路37a,38aを設けてある。調整室36aは、その両側に配置されている流路37a,38aによって引側室27a及び押側室28aにそれぞれ通じている。調整室36a内には、対向配置されている調整ボール39a,40aと、両調整ボール間に渡してあるばね41aとからなる保持器が内蔵されている。ばね41aの両端部は、常に調整ボール39a,40aに対して流路37a,38a側に押圧するばね力を付与している。このため、調整室36a側に面している両流路37a,38aの開口(出口)は調整ボール39a,40aによって閉鎖可能である。圧延時では、一方の流路38aの開口は調整ボール40aによってわずかな隙間を開けた状態で閉鎖されているが、他方の流路37aの開口は引側室27a内に供給された作動油の油圧力がばね41のばね力を越えているので開放され、上記作動油が調整室36a内に流入されている状態にある。
また、主調整ロッド32aの突起部32a1は一方(
図4左方)の流路38aを貫通して流路の出口から調整室36a内の一方の調整ボール40aに当接可能である。
【0014】
副駆動シリンダー3は、副ピストンロッド26bが主駆動シリンダー2の主ピストンロッド26aより長い点を除いて主駆動シリンダーと同一構成である。副ピストンロッド26bはこれを複数に分割可能である。
副駆動シリンダー3におけるシリンダチューブ24b、副ピストン25b、副ピストンロッド26b、引側室27b、押側室28b、ポート29b,30b、ガイドスリーブ31b、副調整ロッド32b、突起部32b1、内孔32b2、副面間調整スクリュー33b、操作つまみ34b、固定ボルト35b、調整室36b、流路37b,38b、調整ボール39b,40b及びばね41bは、主駆動シリンダー2におけるシリンダチューブ24a、主ピストン25a、主ピストンロッド26a、引側室27a、押側室28a、ポート29a,30a、ガイドスリーブ31a、主調整ロッド32a、突起部32a1、内孔32a2、主面間調整スクリュー33a、操作つまみ34a、固定ボルト35a、調整室36a、流路37a,38a、調整ボール39a,40a及びばね41aにそれぞれ対応している。
【0015】
主及び副の各芯間調整機構4,5について説明する。
図1〜
図3において、主及び副の各芯間調整機構4,5は、対の主及び副の各ラックギア42a,42b、主及び副の各ラックギアと噛み合っている対の主及び副の各ギアホイール43a,43b並びに主及び副の各ギアホイールと互いに偏心状態に結合している主芯間調整偏心ピン14及び偏心ローラーピン8を備えている。
主芯間調整機構4と副芯間調整機構5とは実質的に同一構成である。
【0016】
図1〜
図3に示す主芯間調整機構4における対の主ラックギア42aは両側面にラックを形成してあり、主駆動シリンダー2の主ピストンロッド26aの先端部に着脱可能に接続されている。
対の主ギアホイール43aは主芯間調整偏心ピン14の軸受部9aと同心であってかつこの軸受部と主ギアホイールの軸部43a1と一体的に設けられている。主ギアホイールの軸部43a1の上部はギアカバー44に軸受けされている。主ギアホイール43aの中心は主芯間調整偏心ピン14のそれより
図2右側に偏心している。
主ラックギア42aは、
図2に示すように対の主ギアホイール43a間に前後方向(図左右方向)に移動可能に配置されていると共に、主ギアホイールと噛み合っている。
このため、主ピストンロッド26aの伸縮に追従する主ラックギア42aが例えば前方(
図2右方)に移動すると、互いに噛み合っている主ギアホイール43aは対向方向に回転し、回転する主ギアホイールに対して軸部43a1と一体の軸受部9aに対して主芯間調整偏心ピン14が偏心回転し、偏心回転に伴ってローラーホルダー7は後端側が互いに閉じる方向に、先端側が開く方向(対の主ガイドローラー11の面間が広がる方向に)に回転する。
反対に、主ラックギア42aが例えば後方(
図2左方)に移動すると、ローラーホルダー7は偏心ローラーピン8を支点として後端側が互いに開く方向に、先端側が閉じる方向(対の主ガイドローラー11の面間が狭くなる方向に)に回転する。
このように、主ラックギア42aの前後移動に伴って、互いに対向方向又は反対方向に回転する主ギアホイール43aに対して偏心位置している各主芯間調整偏心ピン14が偏心回転し、このような偏心回転により対の主ガイドローラー11の面間が同時に広くなったり狭くなったりする。
【0017】
図1及び
図3に示す副芯間調整機構5において、副駆動シリンダー3の長い副ピストンロッド26bは主駆動シリンダー2の短い主ピストンロッド26aの真下から図右方に延伸され、その先端部に副ラックギア42bを着脱可能に接続してある。
対の副ギアホイール43bは偏心ローラーピン8の軸受部9bと同心であってかつこの軸受部と副ギアホイールの軸部43b1と一体的に設けられている。副ギアホイールの軸部43b1の上部はギアカバー44の棚部441に軸受けされている。副ギアホイール43bの中心は偏心ローラーピン8のそれより
図2左側に偏心している。
副ラックギア42bは、
図2に示すように対の副ギアホイール43b間に前後方向(図左右方向)に移動可能に配置されていると共に、副ギアホイールと噛み合っている。
このため、副ピストンロッド26bの伸縮に追従する副ラックギア42bが例えば前方(
図2右方)に移動すると、互いに噛み合っている副ギアホイール43bは対向方向に回転し、回転する副ギアホイールに対して軸部43b1と一体の軸受部9bが偏心回転し、偏心ローラーピン8を介して副ガイドローラー12の面間が開く方向に偏心回転する。
反対に、副ラックギア42bが例えば後方(
図2左方)に移動すると、互いに噛み合っている副ギアホイール43bは反対方向に回転し、回転する副ギアホイールに対して軸部43b1と一体の軸受部9bが偏心回転し、偏心ローラーピン8を介して副ガイドローラー12の面間が綴じる方向に偏心回転する。
このように、副ラックギア42bの前後移動に伴って、互いに反対方向又は対向方向に回転する副ギアホイール43bに対して偏心位置している偏心ローラーピン8が偏心回転し、このような偏心回転により対の副ガイドローラー12の面間が同時に広くなったり狭くなったりする。
したがって、主ラックギア42aと副ラックギア42bとの双方が前方移動する場合、一方では主ギアホイール43aを介して主ガイドローラー11及び副ガイドローラー12の各面間が広がり、後方移動する場合には主ガイドローラー11及び副ガイドローラー12の各面間が共に狭くなる。また、主ラックギア42aと副ラックギア42bのいずれか一方、例えば主ラックギア42aが前方移動し、副ラックギア42bが後方移動する場合には、主ガイドローラー11の面間が広がり、副ガイドローラー12の面間が狭くなる。
このように、駆動シリンダー2,3の駆動による主及び副の各ピストンロッド26a,26b並びに主及び副の各ラックギア42a,42bの移動方向によって2組のガイドローラー11,12を同時に広げたり、狭くしたり、一方を広げ、他方を狭くすることが自在にできる。
【0018】
図1及び
図2において、ギアカバー44上には主ラックギア42aと対向位置関係にストッパ45を配置してある。ストッパ45はギアカバー44上に固定してある保持部材46によって水平状態に保持されている。ストッパ45は主ラックギア42aが所定距離を越えて前進移動することを阻止する手段である。
これは、主駆動シリンダー2を制御する制御回路の故障時や人為的な理由により、主ピストンロッド26aを介して主ラックギア42aが設定範囲を越えて移動した結果、主ガイドローラー11の面間の開き過ぎによる圧延材の倒れを防止するためである。ストッパ45は主ラックギア42aの設定範囲を越える移動を制御するものである。
【0019】
次に圧延材の誘導方法について説明する。
(誘導前)
予め、主及び副の各駆動シリンダー2,3並びに主及び副の各芯間調整機構4,5を用いて標準の圧延材の寸法に対応するように主ガイドローラー11及び副ガイドローラー12の面間の調整を行っておく。
主ガイドローラー11の面間調整について説明する。
主面間調整部20の主調整ロッド32aの面間の調整操作と併行して、主抱合力調整部18の主ピストンロッド26aの移動による対の主ガイドローラー11の標準の面間寸法の調整を行う。
図1及び
図4において、圧力源から作動油を主駆動シリンダー2の押側室28aに供給し、その油圧力によって主ピストン25aを加圧して主ピストンロッド26a及び主ラックギア42aを主ピストンの移動方向と同じ方向に移動させる。この移動に伴って、主ラックギア42aに噛み合っている主ギアホイール43aが偏心回転され、対の主ガイドローラー11間が開いて面間寸法が変化する。主ガイドローラー11の面間寸法を最大にしておく。
その後、最大となっている面間寸法が徐々に小さくなるように調整して行く。
操作つまみ34aを回転操作することにより、主面間調整スクリュー33aがねじ込まれている主調整ロッド32aは移動し、突起部32a1で一方の調整ボール40aを押込んでこの調整ボールと流路38aの出口の隙間を開け、引側室27aからの主ピストン25aへの加圧により他方の調整ボール39aと流路37aの出口の隙間を開ける。
主調整ロッド32aの押し込みを所定位置で止めて主調整ロッドを停止し、調整を完了する。
主ピストンロッド26aを後退させるには、作動油を主駆動シリンダー2の引側室27aに適宜供給して主ピストン25aを加圧すれば、主ピストンロッド及び主ラックギア42aが後退し、後退移動に伴って対の主ガイドローラー11間が狭くなり、面間が設定値に調整される。
この状態において、引側室27aの作動油が常に引側室側の流路37aから押側室側の流路38aを経由して押側室28aへ流し続けて主ピストン25aが標準停止位置(中間停止位置)に維持されている。
【0020】
副駆動シリンダー3による副ガイドローラー12の面間及び抱合力の調整並びに副面間調整スクリュー33bによる副調整ロッド32bの調整に関して、いずれも主駆動シリンダー2による主ガイドローラー11の面間及び抱合力の調整並びに主面間調整スクリュー33aによる主調整ロッド32aの調整と同様である。
【0021】
(誘導時)
作動油を主及び副の各駆動シリンダー2,3の引側室27a,27bに供給して各引側室を加圧状態にして圧延を開始する。
圧延が開始されると、圧延材は圧延用誘導装置本体1のエントリーガイド16からガイドボックス6内に入って対の主及び副の各ガイドローラー11,12の面間を通過して圧延機の入側に誘導されて圧延ロールによって圧延される。圧延材の通過時に、圧延材の寸法より微小に狭く設定された対の主ガイドローラー11の面間が開いて圧延材を誘導し、これらの主ガイドローラーの面間よりやや広く設定されている副ガイドローラー12の面間によって圧延材を誘導する。
主ガイドローラー11間を通過する圧延材が面間寸法の設定範囲を越えて倒れる状況が発生し、主ガイドローラーの面間が広く開いて、主ピストンロッド26aが前進しても、この段階における他方の副ガイドローラー12の動作は主ピストンロッドの移動に影響を受けないから、副ガイドローラーの面間は当初の寸法を維持し、面間が広がることがないから圧延材の倒れを阻止する。
このように、対の主ガイドローラー11の面間寸法が設定値に調整されている状態における圧延材の誘導時では、例えば主ガイドローラー11の面間寸法が設定値の上限を越えようとしても、主ガイドローラーの動作に追従しない副ガイドローラー12の面間で上記圧延材の倒れを防止し、圧延材の倒れが発生することなく、圧延材を適確に圧延ロールの入口側に誘導することができる。
【0022】
誘導時における主駆動シリンダー2の主位置保持部22の作用について説明する。
面間寸法より大きい圧延材が対の主ガイドローラー11間に進入すると、主ピストンロッド26aは
図4右側に移動(前進)し、対の主ガイドローラー11の面間を広くする方向に移動するので、主ピストン25aの移動に伴って主調整ロッド32aの先端部が調整ボール40aから離れ、この調整ボールが押側室側の流路38aの出口を閉鎖する。このため、引側室27aの圧力が上昇し、主ピストンロッド26aの移動(前進)が止まり、対の主ガイドローラー11の面間の拡大が止まる。
引側室27aの圧力が上昇し続けると、主ピストン25aが
図4左側に加圧されることによって主ピストンロッド26aは左側(後退)に移動し、対の主ガイドローラー11の面間を狭くする方向に移動するので、主調整ロッド32aの先端部が調整ボール40aに当接し、ばね41aを引側室27a側に押圧するが、引側室の油圧力により調整ボール39aが引側室側の流路37aの出口を開ける。このため、作動油は引側室27aから押側室28a側へ流れ、主ピストン25aは中間停止状態となり、主ピストンロッド26aの移動(後退)が止まり、対の主ガイドローラー11の面間の設定値が保持される。
副駆動シリンダー3の副位置保持部23の作用も主駆動シリンダー2の主位置保持部22のそれらと同じである。
【0023】
本発明に係る圧延用誘導装置の他の実施形態について
図7〜
図9に基づいて説明する。
図示する圧延用誘導装置G2は、圧延用誘導装置本体101、主及び副の各駆動シリンダー102,103並びに主及び副の各芯間調整機構104,105を備えている点で、前記圧延用誘導装置G1の構成と共通している。
このため、圧延用誘導装置G1に対して圧延用誘導装置G2が相違する構成部分について説明し、共通する構成部分についての詳細な説明を省略する。
また、圧延用誘導装置G1と共通する圧延用誘導装置G2の構成部分に付する符号に関して、圧延用誘導装置G1の説明に使用した符号をそのまま使用する。
圧延用誘導装置G2の第1の特徴は圧延用誘導装置本体101に前記ローラーホルダー7を設けていない点にあり、第2の特徴は主駆動シリンダー102が下に、副駆動シリンダー103が上に配置されている点にある。
以下、圧延用誘導装置G2について各特徴を中心として説明する。
【0024】
図7〜
図9に示す圧延用誘導装置本体101において、ガイドボックス106に対の主ガイドローラー111及び対の副ガイドローラー112を配置してある。
図7右側の主ガイドローラー111は偏心ローラーピン114にこれを回転中心として取り付けられ、左側の副ガイドローラー112は偏心ローラーピン108にこれを回転中心として取り付けられている。
対の偏心ローラーピン114は主ガイドローラーの主芯間調整偏心ピンであって主芯間調整機構104の一部を構成している。各偏心ローラーピン114及び軸受部109a,110aは前記主芯間調整偏心ピン14及び軸受部9a,10aと同一構成である。ただし、各偏心ローラーピン114は、その中心は軸受部109a,110aの中心より
図7右側に偏心している点で主芯間調整偏心ピン14とは相違している。
対の偏心ローラーピン108は副ガイドローラーの副芯間調整偏心ピンであって副芯間調整機構105の一部を構成している。各偏心ローラーピン108及び軸受部109b,110bは前記偏心ローラーピン8及び軸受部9b,10bと同一構成である。ただし、各偏心ローラーピン108は、その中心は軸受部109b,110bの中心より
図7右側に偏心している点で偏心ローラーピン8とは相違している。
116はエントリーガイドである。
【0025】
図7〜
図9に示す圧延用誘導装置本体101の主駆動シリンダー102及び副駆動シリンダー103並びに主及び副の各芯間調整機構104,105において、主駆動シリンダーはガイドボックス106上に、そしてこの主駆動シリンダーの上に副駆動シリンダーをそれぞれ配置してある。
主駆動シリンダー102の主ピストンロッド26Aが主ガイドローラー111の真上まで延伸されている。主ピストンロッド26Aは長く形成されており、分割可能である。主ピストンロッド26Aの先端部に主ラックギア42aを着脱可能に接続してある。主ラックギア42aは主ギアホイール43aと噛み合っている。主ギアホイール43aの軸部43a1は軸受部109aに設けられており、この軸受部と同心であってかつ偏心ローラーピン114に対して偏心している。
副駆動シリンダー103の副ピストンロッド26Bは、その先端部に副ラックギア42bを着脱可能に接続してある。副ラックギア42bは副ギアホイール43bと噛み合っている。副ギアホイール43bの軸部43b1は軸受部109bに設けられており、この軸受部と同心であってかつ偏心ローラーピン108に対して偏心している。
【0026】
主駆動シリンダー102及び副駆動シリンダー103並びに主及び副の各芯間調整機構104,105の作用について説明する。
主駆動シリンダー102の主ピストンロッド26Aを伸ばして主ラックギア42aを前進(
図7右方移動)させることにより、主ラックギアに噛み合っている主ギアホイール43aが回転し、偏心回転する偏心ローラーピン114によって対の主ガイドローラー111の面間が広くなる。反対に主ピストンロッド26Aを収縮して主ラックギア42aを後退(
図7左方移動)させることにより、対の主ガイドローラー111の面間が狭くなる。
副駆動シリンダー103の副ピストンロッド26Bを伸ばして副ラックギア42bを前進させることにより、対の副ガイドローラー112の面間が広くなり、反対に収縮して副ラックギア42bを後退させることにより、対の副ガイドローラー112の面間が狭くなる。
圧延材の誘導時における圧延用誘導装置本体101の作用効果は前記圧延用誘導装置本体1のそれと同じである。
【0027】
本発明に係る圧延用誘導装置本体1,101によれば、互いに単独で駆動可能である主及び副の各駆動シリンダー2,3,102,103を用いることができるので、主及び副の各ガイドローラー11,12,111,112を圧延材の寸法変化にそれぞれが単独で追従することができるので、圧延材の倒れを防止することができ、そして圧延材の先端形状や進入状態に合わせて、それぞれ単独面間調整をすることができ、主及び副の各ガイドローラーへの衝撃を緩和し、割損の防止ができ、圧延用誘導装置の長寿命化に寄与することができる。また、主ガイドローラー11,111による抱合を主駆動シリンダー2,102及び主芯間調整機構4,104で、また、副ガイドローラー12,112による抱合を副駆動シリンダー3,103及び副芯間調整機構5,105でそれぞれ別々に行うので、抱合の駆動手段を兼用している従来例と比較して高抱合力を得ることができる。