【実施例】
【0112】
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0113】
〔種粒子の重量平均分子量の測定方法〕
以下の実施例および比較例における種粒子の重量平均分子量(Mw)の測定は、以下のようにして行った。
【0114】
種粒子の重量平均分子量(Mw)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定する。測定する重量平均分子量(Mw)はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量である。
【0115】
試料(種粒子)0.003gをテトラヒドロフラン(THF)10mlに23℃で24時間静置することで完全に溶解させる。この時点で完全に溶解していない場合は、更に24時間静置毎(合計72時間まで)に完全に溶解しているか否かを確認する。72時間後に完全に溶解できない場合は、上記試料に架橋成分が含まれていると判断する。得られた溶液を0.45μmの非水系クロマトディスクを用いて濾過する。得られた濾液をGPCにより分析し、PS換算重量平均分子量を測定する(完全に溶解できない場合は、溶解した成分を濾過し、濾液を用いてPS換算重量平均分子量を測定する)。以下に示す検量線の作成方法により予め作成した検量線から、上記試料のPS換算重量平均分子量を求める。なお、測定条件は下記の通りとする。
【0116】
<測定条件>
測定装置:高速GPC装置(東ソー株式会社製の商品名「HLC−8320GPC EcoSEC−WorkStation」、RI検出器(示差屈折率検出器)内蔵)
カラム:東ソー株式会社製の商品名「TSKgel SuperHZM−H」(4.6mmI.D×15cmL)×2本
ガードカラム:東ソー株式会社製の商品名「TSKguardcolumn SuperHZ−H」(4.6mmID×2cmL)×1本
流量:試料側 0.175ml/min、リファレンス側 0.175ml/min
検出器:上記高速GPC装置に内蔵のRI検出器
濃度:0.3g/l
注入量:50μl
カラム温度:40℃
システム温度:40℃
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
【0117】
<検量線の作成方法>
検量線用標準ポリスチレン試料としては、東ソー社株式会社製の商品名「TSK standard POLYSTYRENE」の重量平均分子量が、500、2630、9100、37900、102000、355000、3840000、及び5480000である標準ポリスチレン試料と、昭和電工株式会社製商品名「Shodex STANDARD」の重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を用いる。
【0118】
検量線の作成方法は以下の通りである。まず、上記検量線用標準ポリスチレン試料をグループA(重量平均分子量が1030000のもの)、グループB(重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000のもの)及びグループC(重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000のもの)にグループ分けする。グループAに属する重量平均分子量が1030000である標準ポリスチレン試料を5mg秤量した後にTHF20mlに溶解し、得られた溶液50μlを試料側カラムに注入する。グループBに属する重量平均分子量が500、9100、102000及び3480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ10mg、5mg、5mg、及び5mg秤量した後にTHF50mlに溶解し、得られた溶液50μlを試料側カラムに注入する。グループCに属する重量平均分子量が2630、37900、355000及び5480000である標準ポリスチレン試料をそれぞれ5mg、5mg、5mg、及び1mg秤量した後にTHF40mlに溶解し、得られた溶液50μlを試料側カラムに注入する。これら標準ポリスチレン試料の保持時間から較正曲線(三次式)を上記高速GPC装置専用のデータ解析プログラムGPCワークステーション(EcoSEC−WS)にて作成し、これをPS換算重量平均分子量測定の検量線として用いる。
【0119】
〔種粒子の体積平均粒子径の測定方法〕
以下の実施例および比較例における種粒子の体積平均粒子径の測定は、以下のようにして行った。
【0120】
以下の実施例および比較例における種粒子の体積平均粒子径の測定は、以下のようにして行った。
【0121】
種粒子の体積平均粒子径の測定は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「LS 13 320」)およびユニバーサルリキッドサンプルモジュールによって行った。
【0122】
測定には、種粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)および超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。
【0123】
また、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアにおいて、ミー理論に基づいた評価のために必要となる以下に示す光学的なパラメータを、設定する。
【0124】
<パラメータ>
液体(ノニオン性界面活性剤水溶液)の屈折率B.I.の実部=1.333(水の屈折率)
固体(測定対象の種粒子)の屈折率の実部=種粒子の屈折率
固体の屈折率の虚部=0
固体の形状因子=1
また、測定条件及び測定手順は、以下の通りとする。
【0125】
<測定条件>
測定時間:60秒
測定回数:1
ポンプ速度:50〜60%
PIDS相対濃度:40〜55%程度
超音波出力:8
【0126】
<測定手順>
オフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、上記した分散液を、スポイトを用いて、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のユニバーサルリキッドサンプルモジュール内へ注入する。上記のユニバーサルリキッドサンプルモジュール内の濃度が上記のPIDS相対濃度に達し、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアが「OK」と表示したら、測定を開始する。なお、測定は、ユニバーサルリキッドサンプルモジュール中でポンプ循環を行うことによって上記種粒子を分散させた状態、かつ、超音波ユニット(ULM ULTRASONIC MODULE)を起動させた状態で行う。
【0127】
また、測定は室温で行い、得られたデータから、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアにより、上記の予め設定された光学的なパラメータを用いて、種粒子の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)を算出する。
【0128】
なお、種粒子の屈折率については、種粒子を構成する重合体の屈折率を入力し測定を実施した。例えば、種粒子を構成する重合体がポリメタクリル酸メチル又はポリメタクリル酸エチルである場合には、既知であるポリメタクリル酸メチル及びポリメタクリル酸エチルの屈折率1.495を入力し、種粒子を構成する重合体がポリスチレンである場合には、既知であるポリスチレンの屈折率1.595を入力した。
【0129】
〔樹脂粒子の体積平均粒子径および粒子径の変動係数の測定方法〕
以下の実施例および比較例における樹脂粒子の体積平均粒子径および粒子径の変動係数の測定は、以下のようにして行った。
【0130】
樹脂粒子の体積平均粒子径は、コールターマルチサイザーIII(ベックマン・コールター株式会社製測定装置)により測定する。測定は、ベックマン・コールター株式会社発行のMultisizer
TM 3ユーザーズマニュアルに従って校正されたアパチャーを用いて実施するものとする。
【0131】
なお、測定に用いるアパチャーの選択は、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が1μm以上10μm以下の場合は50μmのサイズを有するアパチャーを選択し、測定する樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が10μmより大きく30μm以下の場合は100μmのサイズを有するアパチャーを選択し、樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が30μmより大きく90μm以下の場合は280μmのサイズを有するアパチャーを選択し、樹脂粒子の想定の体積平均粒子径が90μmより大きく150μm以下の場合は400μmのサイズを有するアパチャーを選択するなど、適宜行う。測定後の体積平均粒子径が想定の体積平均粒子径と異なった場合は、適正なサイズを有するアパチャーに変更して、再度測定を行う。
【0132】
また、50μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−800、Gain(ゲイン)は4と設定し、100μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−1600、Gain(ゲイン)は2と設定し、280μmおよび400μmのサイズを有するアパチャーを選択した場合、Current(アパチャー電流)は−3200、Gain(ゲイン)は1と設定する。
【0133】
測定用試料としては、樹脂粒子0.1gを0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)および超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。コールターマルチサイザーIIIの測定部に、ISOTON(登録商標)II(ベックマン・コールター株式会社製:測定用電解液)を満たしたビーカーをセットし、ビーカー内を緩く攪拌しながら、前記分散液を滴下して、コールターマルチサイザーIII本体画面の濃度計の示度を5〜10%に合わせた後に、測定を開始する。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。
【0134】
体積平均粒子径は、10万個の粒子の体積基準の粒度分布における算術平均である。
【0135】
樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)を、以下の数式によって算出する。
【0136】
樹脂粒子の粒子径の変動係数=(樹脂粒子の体積基準の粒度分布の標準偏差
÷樹脂粒子の体積平均粒子径)×100
〔樹脂粒子の比表面積の測定方法〕
以下の実施例および比較例における樹脂粒子の比表面積の測定は、以下のようにして行った。
【0137】
樹脂粒子の比表面積は、ISO 9277第1版 JIS Z 8830:2001記載のBET法(窒素吸着法)により測定した。対象となる樹脂粒子について、株式会社島津製作所社製の自動比表面積/細孔分布測定装置Tristar3000を用いてBET窒素吸着等温線を測定し、窒素吸着量からBET多点法を用いて比表面積を算出した。加熱ガスパージによる前処理を実施した後、吸着質として窒素を用い、吸着質断面積0.162nm
2の条件下で定容量法を用いて測定を行った。なお、前記前処理は、具体的には、樹脂粒子が入った容器を65℃で加熱しながら、窒素パージを20分行い、室温放冷した後、その容器を65℃で加熱しながら、前記容器内の圧力が0.05mmHg以下になるまで真空脱気を行うことにより、行った。
【0138】
〔トルエンに対する溶出成分量の測定方法〕
以下の実施例および比較例における樹脂粒子のトルエンに対する溶出成分量の測定は、以下のようにして行った。
【0139】
約1g(0.9900〜1.0100g)の樹脂粒子の重量A(g)と、沸石の重量B(g)とをそれぞれ精秤した後、200mlナス型フラスコに、精秤した樹脂粒子と沸石とを投入し、さらに、トルエン100mlを加えて、溶液を得る。
【0140】
得られた溶液の入った上記ナス型フラスコを130℃のオイルバスに入れ、冷却管をセットした後、還流させながら24時間加熱する。24時間加熱後、あらかじめ乾燥させたガラス繊維フィルター(株式会社ADVANTEC製の「GA200」)が取り付けられたブフナーロート型ガラスろ過器の重量C(g)を精秤し、精秤した上記のガラス繊維フィルターが取り付けられたブフナーロート型ガラスろ過器により、上記ナス型フラスコ内の溶液を吸引ろ過する。
【0141】
吸引ろ過後、上記のガラス繊維フィルターが取り付けられたブフナーロート型ガラスろ過器を真空オーブンにて130℃で3時間乾燥させる。デシケーター内で、上記のガラス繊維フィルターが取り付けられたブフナーロート型ガラスろ過器を冷却させた後、上記のガラス繊維フィルターが取り付けられたブフナーロート型ガラスろ過器の重量D(g)を精秤し、以下の式により、トルエンに対する溶出成分量を算出した。
【0142】
溶出成分量(重量%)={1−(D−C−B)÷A}×100
A:樹脂粒子の重量(g)
B:沸石の重量(g)
C:ガラス繊維フィルターが取り付けられたブフナーロート型ガラスろ過器の重量(g)
D:ガラス繊維フィルターが取り付けられ、このガラス繊維フィルターに樹脂粒子及び沸石が残った状態のブフナーロート型ガラスろ過器の重量(g)
【0143】
〔樹脂粒子表面における孔の存在割合の測定方法〕
以下の実施例および比較例について、樹脂粒子表面における孔の存在割合の測定を、以下のようにして行った。
【0144】
走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、SEM画像一画面中に、樹脂粒子が30±10(個)存在するように倍率を調整し、撮影を行った。一画面中に撮影された樹脂粒子の総数をX(個)、一画面中に撮影された表面の半分以上に孔が見られる樹脂粒子の個数をY(個)とし、以下の式により、樹脂粒子の孔の存在割合を算出した。なお、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた撮影を3回行い、3枚のSEM画像から下記式より得られる値の平均値を、樹脂粒子の孔の存在割合とした。
【0145】
樹脂粒子表面における孔の存在割合(%)=(Y/X)×100
〔実施例1〕
[種粒子製造工程]
水性媒体としての水375gに、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸エチル65gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン1.3g(メタクリル酸エチル100重量部に対して、
2重量部)とを投入して、混合物を得た。また、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム0.3gを水性媒体としての水15gに溶解させて過硫酸アンモニウム水溶液を得た。上記の水とメタクリル酸エチルとn−オクチルメルカプタンとの混合物を55℃に昇温し、次いで、上記過硫酸アンモニウム水溶液を添加して窒素パージした後、55℃で12時間攪拌することでメタクリル酸エチルの重合を行い、メタクリル系重合体からなる種粒子(以下、種粒子(1)という)のスラリー(固形分14重量%)を得た。得られたスラリー中に含まれる種粒子(1)の体積平均粒子径は、0.75μmであり、重量平均分子量(Mw)は13000であった。
【0146】
[第1の種粒子肥大化工程]
水性媒体としての水600gに、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.75gを溶解させて混合溶液を得た。得られた混合溶液に、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル156gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン1.6g(メタクリル酸メチル100重量部に対して、
1重量部)と、重合開始剤(油溶性重合開始剤)としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.6gとを加え、混合物を得た。得られた混合物を、高速乳化・分散機(商品名「T.KホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)により10000rpmの回転数で10分間撹拌して、乳化液を得た。
【0147】
この乳化液に、種粒子製造工程で得られた体積平均粒子径が0.75μmで重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)83g(種粒子(1)の含有量11.6g)を加え、30℃で3時間攪拌し、乳化液中に種粒子(1)が分散した分散液を得た。この時の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、種粒子(1)の粒子径の拡大が確認され、乳化液中のメタクリル酸メチルは完全に種粒子(2)に吸収されていることが確認された。
【0148】
2Lのオートクレーブ中の水300gに分散安定剤としてのポリビニルアルコール5.6gと、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.5gとを溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液に、上記分散液を添加して、窒素パージを行った後、55℃で3時間加熱することでメタクリル酸メチルの重合を行い、次いで、70℃で2時間加熱することでメタクリル酸メチルの重合を行い、メタクリル系重合体からなる肥大化した種粒子(以下、種粒子(2)という)のスラリー(固形分14重量%)を得た。得られたスラリー中に含まれる種粒子(2)の体積平均粒子径は、1.5μmであり、重量平均分子量(Mw)は20000であった。
【0149】
[第2の種粒子肥大化工程]
水性媒体としての水600gに、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを溶解させて混合溶液を得た。得られた混合溶液に、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル300gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン1.5g(メタクリル酸メチル100重量部に対して、0.5重量部)と、重合開始剤(油溶性重合開始剤)としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを3gとを加え、混合物を得た。得られた混合物を、高速乳化・分散機(商品名「T.KホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)により10000rpmの回転数で10分間撹拌して、乳化液を得た。
【0150】
この乳化液に、第1の種粒子肥大化工程で得られた体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)41g(種粒子(2)の含有量5.74g)を加え、30℃で3時間攪拌し、乳化液中に種粒子(2)が分散した分散液を得た。この時の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、種粒子(2)の粒子径の拡大が確認され、乳化液中のメタクリル酸メチルは完全に種粒子(2)に吸収されていることが確認された。
【0151】
2Lのオートクレーブ中の水1200gに分散安定剤としてのポリビニルアルコール18gを溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液に、上記分散液を添加して、窒素パージを行った後、65℃で12時間加熱することでメタクリル酸メチルの重合を行い、次いで、80℃で2時間加熱することでメタクリル酸メチルの重合を行い、メタクリル系重合体からなる肥大化した種粒子(以下、種粒子(3)という)のスラリー(固形分14重量%)を得た。得られたスラリー中に含まれる種粒子(3)の体積平均粒子径は6.3μmであり、重量平均分子量(Mw)は120000であった。
【0152】
[樹脂粒子製造工程]
水性媒体としての水800gに、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4gを溶解させて混合溶液を得た。得られた混合溶液に、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル560g及び架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート240gの単量体混合物(メタクリル酸メチルの含有量70重量%、エチレングリコールジメタクリレートの含有量30重量%)と、重合開始剤(油溶性重合開始剤)としての2,2’―アゾビスイソブチロニトリル4.8g及び過酸化ベンゾイル3gとを加え、混合物を得た。得られた混合物を、高速乳化・分散機(商品名「T.KホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)により10000rpmの回転数で10分間撹拌して、乳化液を得た。
【0153】
この乳化液に、第2の種粒子肥大化工程で得られた体積平均粒子径が6.3μmで、重量平均分子量(Mw)が120000である種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)425g(種粒子(3)の含有量59.5g)を加え、30℃で3時間攪拌し、乳化液中に種粒子(3)が分散した分散液を得た。この時の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、種粒子(3)の粒子径の拡大が確認され、乳化液中のメタクリル酸メチルは完全に種粒子(3)に吸収されていることが確認された。
【0154】
5Lのオートクレーブ中の水2000gに分散安定剤としてのポリビニルアルコール36gと、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.6gとを溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液に、上記分散液を添加して、窒素パージを行った後、70℃で2時間加熱することで上記単量体混合物の重合を行い、次いで、スルファミン酸0.8gと、アスコルビン酸ナトリウム1.1gとを加えて、105℃で2.5時間加熱することで上記単量体混合物の重合を行って、スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して固形分を取り出し、この固形分を真空乾燥機により60℃で12時間乾燥させて、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0155】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は16.3μmであり、粒子径の変動係数は12.0%であり、比表面積は1.3m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、
図1及び2のSEM画像に示されるように、表面全体に複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であり、また、表面の孔の大きさはその部位によって異なることが認められた。
【0156】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(3)の使用重量W
1)/種粒子(3)の使用重量W
1)は、14.4(種粒子(3)の重量平均分子量Mwの1.2/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(3)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子(架橋重合体)におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は27.9重量%である。
【0157】
〔実施例2〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0158】
[第1の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0159】
[第2の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が6.3μmであり、重量平均分子量(Mw)が120000である肥大化した種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0160】
[樹脂粒子製造工程]
メタクリル酸メチル560g及びエチレングリコールジメタクリレート240gの単量体混合物(メタクリル酸メチルの含有量70重量%、エチレングリコールジメタクリレートの含有量30重量%)に代えて、メタクリル酸メチル400g及びエチレングリコールジメタクリレート400gの単量体混合物(メタクリル酸メチルの含有量50重量%、エチレングリコールジメタクリレートの含有量50重量%)を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0161】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は15.7μmであり、粒子径の変動係数は14.1%であり、比表面積は、1.6m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、表面全体に複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であり、また、表面の孔の大きさはその部位によって大きく異なることが認められた。
【0162】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(3)の使用重量W
1)/種粒子(3)の使用重量W
1)は、14.4(種粒子(3)の重量平均分子量Mwの1.2/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(3)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子(架橋重合体)におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は46.5重量%である。
【0163】
〔実施例3〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0164】
[第1の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0165】
[第2の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が6.3μmであり、重量平均分子量(Mw)が120000である肥大化した種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0166】
[樹脂粒子製造工程]
第2の種粒子肥大化工程で得られた体積平均粒子径が6.3μmで重量平均分子量(Mw)が120000である種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)の使用量を210g(種粒子(3)の含有量29.4g)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0167】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は20.3μmであり、粒子径の変動係数は11.0%であり、比表面積は、1.0m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、表面の一部に複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であり、その樹脂粒子の表面は、複数の孔が形成された部位と、孔のない平坦な部位とで構成されていることが認められた。
【0168】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(3)の使用重量W
1)/種粒子(3)の使用重量W
1)は、28.2倍(種粒子(3)の重量平均分子量Mwの2.4/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(3)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子(架橋重合体)におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は28.9重量%である。
【0169】
〔実施例4〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0170】
[第1の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0171】
[第2の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が6.3μmであり、重量平均分子量(Mw)が120000である肥大化した種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0172】
[樹脂粒子製造工程]
第2の種粒子肥大化工程で得られた体積平均粒子径が6.3μmで重量平均分子量(Mw)が120000である種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)の使用量を58.6g(種粒子(3)の含有量8.2g)に変更した以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0173】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は28.6μmであり、粒子径の変動係数は11.4%であり、比表面積は、0.9m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、表面の一部に複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であり、その樹脂粒子の表面は、複数の孔が形成された部位と、孔のない平坦な部位とで構成されていることが認められた。
【0174】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(3)の使用重量W
1)/種粒子(3)の使用重量W
1)は、98.6(種粒子(3)の重量平均分子量Mwの8.2/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(3)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子(架橋重合体)におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は、29.7重量%である。
【0175】
〔実施例5〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0176】
[第1の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0177】
[第2の種粒子肥大化工程]
分子量調整剤としのn−オクチルメルカプタンの使用量を3g(メタクリル酸メチル100重量部に対して、1重量部)に変更した以外は、実施例1の第2の種粒子肥大化工程と同様にして、メタクリル系重合体からなる種粒子(以下、種粒子(4)という)のスラリー(固形分14重量%)を得た。得られたスラリー中に含まれる種粒子(4)の体積平均粒子径は6.7μmであり、重量平均分子量(Mw)は20000であった。
【0178】
[樹脂粒子製造工程]
体積平均粒子径が6.3μmで重量平均分子量(Mw)が120000である種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)425g(種粒子(3)の含有量59.5g)に代えて、本実施例の第2の種粒子肥大化工程で得た体積平均粒子径が6.7μmで重量平均分子量(Mw)が20000である種粒子(4)のスラリー(固形分14重量%)668g(種粒子(4)の含有量93.5g)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0179】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は13.8μmであり、粒子径の変動係数は12.5%であり、比表面積は、0.5m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、
図3及び4のSEM画像に示されるように、表面全体に複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であり、また、表面の孔の大きさはその部位によって大きく異なることが認められた。
【0180】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(4)の使用重量W
1)/種粒子(4)の使用重量W
1)は、9.6(種粒子(4)の重量平均分子量Mwの4.8/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(4)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子(架橋重合体)におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は26.9重量%である。
【0181】
〔実施例6〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0182】
[第1の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0183】
[第2の種粒子肥大化工程]
実施例5と同様にして、体積平均粒子径が6.7μmであり、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(4)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0184】
[樹脂粒子製造工程]
体積平均粒子径が6.3μmで重量平均分子量(Mw)が120000である種粒子(3)のスラリー(固形分14重量%)425g(種粒子(3)の含有量59.5g)に代えて、本実施例の第2の種粒子肥大化工程で得た体積平均粒子径が6.7μmで重量平均分子量(Mw)が20000である種粒子(4)のスラリー(固形分14重量%)425g(種粒子(4)の含有量59.5g)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0185】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は16.1μmであり、粒子径の変動係数は13.2%であり、比表面積は、0.4m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子は、
図5及び6のSEM画像に示されるように、表面の一部に複数の孔を有する多孔質樹脂粒子であり、その樹脂粒子の表面は、複数の孔が形成された部位と、孔のない平坦な部位とで構成されていることが認められた。
【0186】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(4)の使用重量W
1)/種粒子(4)の使用重量W
1)は、14.4(種粒子(4)の重量平均分子量Mwの7.2/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(4)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は,27.9重量%である。
【0187】
〔比較例1〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmの種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0188】
[第1の種粒子肥大化工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が1.5μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である肥大化した種粒子(2)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0189】
[第2の種粒子肥大化工程]
実施例5と同様にして、体積平均粒子径が6.7μmであり、重量平均分子量(Mw)が20000である肥大化した種粒子(4)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0190】
[樹脂粒子製造工程]
水性媒体としての水720gに、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを溶解させて混合溶液を得た。得られた混合溶液に、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル460g及び架橋性単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート200gとの単量体混合物(メタクリル酸メチルの含有量69.7重量%、エチレングリコールジメタクリレートの含有量30.3重量%)と、重合開始剤(油溶性重合開始剤)としての2,2’―アゾビスイソブチロニトリル4.0g及び過酸化ベンゾイル4.0gとを加え、混合物を得た。得られた混合物を、高速乳化・分散機(商品名「T.KホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)により10000rpmの回転数で10分間撹拌して、乳化液を得た。
【0191】
この乳化液に、本実施例の第2の種粒子肥大化工程で得られた体積平均粒子径が6.7μmで重量平均分子量(Mw)が20000である種粒子(4)のスラリー(固形分14重量%)53g(種粒子(4)の含有量7.4g)を加え、30℃で3.5時間攪拌し、乳化液中に種粒子(4)が分散した分散液を得た。この時の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、種粒子(4)の粒子径の拡大が確認され、乳化液中のメタクリル酸メチルは完全に種粒子(4)に吸収されていることが確認された。
【0192】
5Lのオートクレーブ中の水1200gに分散安定剤としてのポリビニルアルコール330gと、重合禁止剤としての亜硝酸ナトリウム0.4gとを溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液に、上記分散液を添加して、窒素パージを行った後、60℃で1時間加熱することで上記単量体混合物の重合を行い、次いで、スルファミン酸0.5gと、アスコルビン酸ナトリウム0.7gとを加えて、105℃で2.5時間加熱することで上記単量体混合物の重合を行って、スラリーを得た。得られたスラリーをろ過して固形分を取り出し、この固形分を真空乾燥機により60℃で12時間乾燥させて、樹脂粒子(架橋重合体)を得た。
【0193】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は30.4μmであり、粒子径の変動係数は13.6%であり、比表面積は0.2m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子の表面には、
図7及び8のSEM画像に示されるように、孔の存在が認められなかった。
【0194】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(4)の使用重量W
1)/種粒子(4)の使用重量W
1)は、89.9(種粒子(4)の重量平均分子量Mwの45.0/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(4)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は、30.0重量%である。
【0195】
〔比較例2〕
[種粒子製造工程]
実施例1と同様にして、体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)を得た。
【0196】
[第1の種粒子肥大化工程]
水性媒体としての水600gに、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3gを溶解させて混合溶液を得た。得られた混合溶液に、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル150gと、分子量調整剤としてのn−オクチルメルカプタン1.5g(メタクリル酸メチル100重量部に対して、1重量部)と、重合開始剤(油溶性重合開始剤)としての2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを1.5gとを加え、混合物を得た。得られた混合物を、高速乳化・分散機(商品名「T.KホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)により10000rpmの回転数で10分間撹拌して、乳化液を得た。
【0197】
この乳化液に、種粒子製造工程で得られた体積平均粒子径が0.75μmで、重量平均分子量(Mw)が13000である種粒子(1)のスラリー(固形分14重量%)9.2g(種粒子(1)の含有量1.29g)を加え、30℃で3時間攪拌し、乳化液中に種粒子(1)が分散した分散液を得た。この時の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、種粒子(1)の粒子径の拡大が確認され、乳化液中のメタクリル酸メチルは完全に種粒子(1)に吸収されていることが確認された。
【0198】
2Lのオートクレーブ中の水1200gに分散安定剤としてのポリビニルアルコール5.4gを溶解させて水溶液を得た。得られた水溶液に、上記分散液を添加して、窒素パージを行った後、55℃で4時間加熱することでメタクリル酸メチルの重合を行い、次いで、70℃で2時間加熱することでメタクリル酸メチルの重合を行い、メタクリル系重合体からなる肥大化した種粒子(以下、種粒子(5)という)のスラリー(固形分14重量%)を得た。得られたスラリー中に含まれる種粒子(5)の体積平均粒子径は3.3μmであり、重量平均分子量(Mw)は20000であった。
【0199】
[樹脂粒子製造工程]
体積平均粒子径が6.7μmで重量平均分子量(Mw)が20000である種粒子(4)のスラリー(固形分14重量%)53g(種粒子(4)の含有量7.4g)に代えて、本実施例の第1の種粒子肥大化工程で得た体積平均粒子径が3.3μmで、重量平均分子量(Mw)が20000である種粒子(5)のスラリー(固形分14重量%)47g(種粒子(5)の含有量6.58g)を用いた以外は、比較例1と同様にして、樹脂粒子を得た。
【0200】
得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は15.9μmであり、粒子径の変動係数は14.4%であり、比表面積は0.3m
2/gであった。また、得られた樹脂粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像したところ、得られた樹脂粒子の表面には、孔の存在が認められなかった。
【0201】
なお、本実施例の樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((前記単量体混合物の使用重量W
2+種粒子(5)の使用重量W
1)/種粒子(5)の使用重量W
1)は、101.3(種粒子(5)の分子量の50.7/10000)倍である。また、本実施例において、樹脂粒子製造工程における種粒子(5)と上記単量体混合物の合計使用量に占めるエチレングリコールジメタクリレート(架橋性単量体)の使用量の割合(樹脂粒子におけるにエチレングリコールジメタクリレートに由来する構造単位の含有量、即ち、架橋度に等しい)は、30.0重量%である。
【0202】
実施例1〜6及び比較例1〜2の樹脂粒子について、樹脂粒子の架橋度、樹脂粒子製造工程で使用した種粒子、この種粒子の重量平均分子量(Mw)及び体積平均粒子径、樹脂粒子製造工程における膨潤倍率((W
1+W
2)/W
2)、並びに、樹脂粒子の体積平均粒子径、樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)、樹脂粒子の比表面積、樹脂粒子のトルエンに対する溶出成分量、及び樹脂粒子表面における孔の存在割合の各測定結果を示す。
【0203】
【表1】
【0204】
表1に示す結果より、実施例1〜6の樹脂粒子は、当該樹脂粒子を構成する架橋重合体における前記架橋性単量体に由来する構造単位の含有量(架橋度)が18〜89重量%(具体的には、26.9〜46.5重量%)の範囲内で、表面に複数の孔を有し(樹脂粒子表面における孔の存在割合が60%以上、具体的には、71〜100%で)、且つ、粒子径の変動係数が15%以下である単分散性の多孔質樹脂粒子であり、トルエンに対する溶出成分量が1〜10重量%の範囲内の耐溶剤性に優れるものであることが認められた。一方、比較例1及び2の樹脂粒子は、当該樹脂粒子を構成する架橋重合体に対する前記架橋性単量体に由来する構造単位の含有量(架橋度)が18〜89重量%の範囲内で、粒子径の変動係数が15%以下であるものの、表面に孔を有しておらず(表面における孔の存在割合が0%であり)、トルエンに対する溶出成分量が10重量%を超え、耐溶剤性に劣るものであった。
【0205】
〔実施例7(光学シートの製造例(実施例1の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子100重量部と、バインダー樹脂としてのアクリルバインダー(三菱レイヨン株式会社製、製品名:ダイヤナール(登録商標)LR−102)140重量部とを混合し、混合物を得た。得られた混合物に、重量比1:1のトルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤260重量部を添加し、混合して分散液を得た。
【0206】
得られた分散液を、遠心攪拌機(株式会社シンキー製、型式:AR−100)を用いて3分間攪拌し、その後、3時間放置した。
【0207】
次いで、放置後の上記分散液に、硬化剤(旭化成ケミカルズ株式会社製、製品名:デュラネート(登録商標)TKA−100)30重量部を添加して、再び上記の遠心攪拌機を用いて3分間攪拌し、コーティング剤としての分散液を得た。
【0208】
次いで、攪拌後の分散液(コーティング剤)を、75μmのコーターを用いてPETフィルム上に塗布し、70℃に保った乾燥機にて1時間乾燥して、光拡散層(表面層)を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0209】
〔実施例8(光学シートの製造例(実施例2の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに実施例2で得られた樹脂粒子を用いること以外は実施例7と同様にして、光拡散層を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0210】
〔実施例9(光学シートの製造例(実施例3の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに実施例3で得られた樹脂粒子を用いること以外は実施例7と同様にして、光拡散層を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0211】
〔実施例10(光学シートの製造例(実施例4の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに実施例4で得られた樹脂粒子を用いること以外は実施例7と同様にして、光拡散層を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0212】
〔実施例11(光学シートの製造例(実施例6の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに実施例6で得られた樹脂粒子を用いること以外は実施例7と同様にして、光拡散層を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0213】
〔比較例3(光学シートの製造例(比較例1の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに比較例1で得られた樹脂粒子を用いること以外は実施例7と同様にして、光拡散層を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0214】
〔比較例4(光学シートの製造例(比較例2の樹脂粒子を含む光学シート))〕
実施例1で得られた樹脂粒子の代わりに比較例2で得られた樹脂粒子を用いること以外は実施例7と同様にして、光拡散層を備えた光拡散シート(光学シート)を得た。
【0215】
実施例7〜11及び比較例3〜4の光拡散シートのそれぞれについて、以下に示す測定方法により、ヘイズ及び相対輝度を測定した。また、実施例7〜11及び比較例3〜4の光拡散シートのそれぞれについて、以下に示す方法により、外観を評価した。
【0216】
〔ヘイズの測定方法〕
光拡散シート(光学シート)のヘイズの測定は、JIS K 7136に従って、日本電色工業株式会社製のヘイズメーター「NDH−2000」型を使用して測定した。
【0217】
〔輝度の測定方法〕
厚み4mmの導光板の横二方向に太さ4mmの冷陰極管を置き、更に導光板上に、作製した光拡散シート(光学シート、6.5cm×6.5cm)とプリズムシートを置いた。導光板の下には反射シート(東レ株式会社製の商品名「ルミラー E60L」)を置き、導光板から30cm離れた位置に固定した輝度計(コニカミノルタ製の商品名「CS−100」)で導光板を通過する光量(相対輝度)を測定した。
【0218】
〔外観の評価方法〕
光拡散シート(光学シート)の外観を以下の基準で評価した。
【0219】
○:目視で感知される欠陥(スジやムラ)の全くない極めて優れた外観
△:多少、所々に欠陥が見られる。
×:全面に細かい欠陥がはっきりと確認される極めて悪い外観
【0220】
実施例7〜11及び比較例3〜4の光拡散シート(光学シート)について、光拡散シートの作製に使用した樹脂粒子の実施例番号、ヘイズ及び相対輝度の測定結果、並びに、外観の評価結果を表2に示す。
【0221】
【表2】
【0222】
表2に示す結果より、実施例1〜4、及び6の樹脂粒子をそれぞれ含む実施例7〜11の光拡散フィルム(光学シート)は、比較例1及び2の樹脂粒子をそれぞれ含む比較例3及び4の光拡散フィルム(光学シート)と比べて、ヘイズが高く、輝度の高いものであり、且つ、外観に優れることが認められた。