特許第6087199号(P6087199)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087199車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステム、及び、車上装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087199
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステム、及び、車上装置
(51)【国際特許分類】
   B60L 3/00 20060101AFI20170220BHJP
   B61L 27/00 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   B60L3/00 Z
   B61L27/00 G
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-91522(P2013-91522)
(22)【出願日】2013年4月24日
(65)【公開番号】特開2014-217138(P2014-217138A)
(43)【公開日】2014年11月17日
【審査請求日】2016年1月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000196587
【氏名又は名称】西日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000004651
【氏名又は名称】日本信号株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130476
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 昭穂
(72)【発明者】
【氏名】北岡 栄一
(72)【発明者】
【氏名】蒲 浩志
(72)【発明者】
【氏名】島田 直人
(72)【発明者】
【氏名】原津 裕之
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 理
(72)【発明者】
【氏名】松田 和之
(72)【発明者】
【氏名】勝田 信
【審査官】 笹岡 友陽
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−227009(JP,A)
【文献】 特開2000−335419(JP,A)
【文献】 特開2001−186606(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00− 3/12
B60L 7/00−13/00
B60L 15/00−15/42
B61L 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
模擬信号処理部と、模擬信号送信部とを含み、車両に搭載して用いられ、車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステムであって、
前記模擬信号処理部は、搭載車両の走行中に外部から供給される地点情報に基づき、前記搭載車両が任意の地点に到達したと判断したとき、前記到達地点に対応する制御情報を、前記模擬信号送信部を通じて模擬的に発信する、
シミュレーションシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたシミュレーションシステムであって、
前記模擬信号処理部は、車両制御が行われるべき地点の位置情報と、前記地点における制御情報とを有し、前記搭載車両の走行中に外部から供給される地点情報を、前記位置情報に照らし合わせて前記搭載車両の現在位置を把握し、前記把握した現在位置における前記制御情報を生成する、
シミュレーションシステム。
【請求項3】
請求項2に記載されたシミュレーションシステムであって、
前記模擬信号処理部は、走路において地上子が設置されている地点の位置情報と、地上子が設置されていない任意の地点の位置情報とを有している、
シミュレーションシステム。
【請求項4】
請求項2又は3に記載されたシミュレーションシステムであって、
前記模擬信号処理部は、前記把握した制御情報を格納する、シミュレーションシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載されたシミュレーションシステムを含み、前記シミュレーションシステムから発信される前記制御情報に基づいて車両制御を行う、
車上装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステム、及び、車上装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、新型車両の導入や、運行計画の改正などによる列車運行の制御安全性を検証する方法として、走行記録装置を搭載させた車両を、実際の走路上で模擬走行させることが知られている。この検証方法では、カーブや勾配、速度制限箇所、信号など、実際の走路における地上側設備の情報に基づき、検証作業のための実効的な模擬走行記録を採ることができる反面、営業時間に行うことができない点で問題がある。
【0003】
すなわち、営業時間内で搭載車両を模擬走行させる場合、他の通常運行列車への安全性を確保するため、検証対象となる走行区間を線路閉鎖する必要があり、列車運行管理上、過剰な負担となる。この負担を回避するには、営業時間を避けて、深夜に模擬走行を行わざるを得ず、その結果、検証作業の効率低下、及び、コスト高を招く。
【0004】
上述した従来の検証方法における問題を回避する技術として、例えば特許文献1乃至3に記載されたものが知られている。特許文献1乃至3に記載された技術は、いわゆる模擬装置であって、実際の走路における地上側設備の情報に基づき、コンピュータ上に走路シミュレーションを構築し、模擬走行実験を行うことにより、列車運行の制御安全性を検証するものである。
【0005】
特許文献1乃至3に係る模擬装置を用いた模擬走行実験は、一般に、車両に模擬装置を取り付け、工場内などに据え置きした状態で行われるから、実際の走路上を模擬走行させる場合と異なり、線路閉鎖による負担が回避される。同様に、営業時間を避けて深夜に模擬走行実験をおこなう必要もないから、時間的制限による検証作業の効率低下、及び、コスト高の問題も回避される。
【0006】
しかし、特許文献1乃至3に係る模擬装置では、以下の点で新たな問題が生じる。すなわち、この種の列車運行の制御安全性に係る検証精度は、鉄道利用客の安全確保に直接関連するものであるから、可能な限り高精度化が求められるところ、実際の走路上に存在する全ての地上側設備の情報を網羅する完全な走路シミュレーションを構築することは現実的に困難であるから、検証精度を確保することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−078891号公報
【特許文献2】特開2002−029423号公報
【特許文献3】特表2007−532941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、列車走行に係る制御安全性の検証精度の確保と、検証作業の効率向上とを同時に達成しうる車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステム、及び、車上装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明に係る車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステムは、車両に搭載して用いられるものであって、模擬信号処理部と、模擬信号送信部とを含む。模擬信号処理部は、搭載車両の走行中に外部から供給される地点情報に基づき、搭載車両が任意の地点に到達したと判断したとき、到達地点に対応する制御情報を、模擬信号送信部を通じて模擬的に発信する。
【0010】
上述のように、本発明に係るシミュレーションシステムを構成する模擬信号処理部は、走行中に外部から供給される地点情報に基づき、搭載車両が任意の地点に到達したとき、到達地点に対応する制御情報を、模擬信号送信部を通じて模擬的に発信するから、実際の走路上で模擬走行実験を行うことが可能となる。従って、列車走行に係る制御安全性の検証精度の確保することができる。
【0011】
模擬信号送信部から模擬的に発信される制御情報は、搭載車両の走行中に外部から供給される地点情報に基づき、模擬信号処理部において演算処理された模擬的な情報である。従って、模擬信号処理部を適宜設定することにより、営業時間を避けて、深夜に検証作業をおこなう必要もなくなるから、列車走行に係る制御安全性の検証精度の向上と、検証効率の向上とを同時に達成することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上述べたように、本発明によれば、列車走行に係る制御安全性の検証精度の向上と、検証効率の向上とを同時に達成しうる車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステム、及び、車上装置を提供することができる。
【0013】
本発明の他の目的、構成及び利点については、添付図面を参照し、更に詳しく説明する。添付図面は、単に、例示に過ぎない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステムのブロック図である。
図2図1のシミュレーションシステムを用いた模擬走行を示す図である。
図3図1のシミュレーションシステムを用いた模擬走行を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1乃至図3において同一符号は、同一又は対応部分を示すものとする。本発明に係る車上データベースを用いた列車制御におけるシミュレーションシステム4は、車両1に搭載され、車上装置2の一部として用いられるものである。この種の車上装置2は、地上装置と組み合されて列車制御装置を構成する。
【0016】
図1の地上装置は、軌道10の一定区間毎に設置される地上子Tを含む。地上子Tは、典型的には閉そく区間毎に設置され、当該地上子Tが設置されている地点の情報、対応する信号機の信号現示情報、さらには閉そく信号機が示す閉そく境界の位置などの制御情報S10を車上装置2に供給する。
【0017】
図1の車上装置2は、この種の車上装置における基本的な構成、すなわち、床下S形車上子21、P車上子22、SW車上子23、車上データベース処理部24、車軸回転検出器25などに加え、シミュレーションシステム4を有している点に特徴の一つがある。以下、シミュレーションシステム4を中心に説明する。
【0018】
シミュレーションシステム4は、地点検知用送受信器41と、模擬信号処理部42と、模擬信号送信部43とを含む。地点検知用送受信器41は、搭載車両1の走行中に、床下S形車上子21を通じて地上子Tから供給される制御情報S10を、模擬信号処理部42に供給する。
【0019】
模擬信号処理部42は、制御情報S10に基づき、搭載車両1が任意の地点に到達したと判断したとき、到達地点に対応する制御情報S11を生成し、模擬信号送信部43を通じて模擬的に発信する。より詳細に説明すると、図1の模擬信号処理部42は、模擬データベース処理部44と、監視部45とを有している。
【0020】
模擬データベース処理部44は、搭載車両1が実際に走行する所定の走路において、車両制御が行われるべき複数の地点の情報と、地点のそれぞれで行われるべき車両制御動作とをデータ化した制御情報S11を有し、走行中に地上子Tから供給される制御情報S10を、制御情報S11に照らし合わせて搭載車両1の現在位置を把握し、把握した現在位置に対応する制御情報S11を出力する。
【0021】
模擬データベース処理部44に格納される地点情報は、走路の全長距離や軌道ID、閉そく数、閉そく長、閉そく境界の位置、勾配、制限速度、駅間の距離と最高速度、軌道曲線や勾配、分岐器の設置数と設置位置、地上子Tの設置数と設置位置、信号機の設置数と設置位置、信号現示系列情報などをデータ化したものである。模擬データベース処理部44に格納される地点情報には、走路において地上子Tが設置されている地点の情報に加え、地上子Tが設置されていない任意の地点の情報とを含むことができる。
【0022】
模擬データベース処理部44に格納される車両制御のための情報には、地点のそれぞれに対応する停止目標位置のほか、搭載列車の車両形式、搭載している車軸回転検出器の種別、車両最高速度、車両種別毎の修正速度、減速度、空走時間、車上子取付位置などをデータ化した車両性能情報も含まれる。
【0023】
模擬信号処理部42は、地上子Tからの制御情報S10と、走行中の搭載車両1から供給される速度情報S20とを、模擬データベース処理部44に格納された制御情報S11に照らし合わせて搭載車両1の現在位置を把握し、把握した現在位置に対応する制御情報S11を、模擬信号送信部43に供給する。速度情報S20は、例えば地上子T間における現在地を把握するため、搭載車両1に取り付けられた車軸回転検出器25などから受領する。もっとも、速度情報S20は、電磁波や、無線(CBTC)差分、GPS差分などからも求めることができる。
【0024】
模擬信号送信部43は、車上子試験器46と、P模擬地上子47と、SW模擬地上子48とを有し、模擬信号処理部42から供給された制御情報S11を模擬的に発信する。具体的に、模擬信号処理部42から供給された制御情報S11は、車上子試験器46の演算処理によってP車上子22、及び、SW車上子23の信号特性に応じて変換され、変換された制御情報S11がP模擬地上子47と、SW模擬地上子48とのそれぞれから模擬的に発信される。
【0025】
車上データベース処理部24は、制御情報S11に基づいて制御情報S12を生成する。生成された制御情報S12は、車両制御へ供給される。制御情報S10、制御情報S11、及び、制御情報S12は、実質的に同一の情報である。
【0026】
車上データベース処理部24は、所定の走路において車両制御が行われるべき地点の位置情報と、地点で行われるべき車両制御動作とをデータ化した制御情報S12を有している。制御装置部を構成するデータベース部に格納される情報は、走路の全長距離や軌道ID、閉そく数、閉そく長、閉そく境界の位置、勾配、制限速度、駅間の距離と最高速度、軌道曲線や勾配、分岐器の設置数と設置位置、地上子Tの設置数と設置位置、信号機の設置数と設置位置、信号現示系列情報などをデータ化したものである。すなわち、車上データベース処理部24は、模擬データベース処理部44と同一の情報を有している。違う言葉で表現すれば、模擬データベース処理部44は、少なくとも、車上データベース処理部24に含まれる情報を全て有している。
【0027】
車上データベース処理部24は、制御情報S11を、制御情報S12に照らし合わせて当該車両1の現在位置を把握し、把握した現在位置の制御情報S12を監視部45に出力する。すなわち、監視部45には、模擬信号処理部42による制御情報S11と、車上データベース処理部24による制御情報S12とが格納される。
【0028】
図1のシミュレーションシステム4を用いた模擬走行について、さらに図2、及び、図3を参照して説明する。図2及び図3において、符号T1、T3は閉そく区間毎に設置される地上子であり、閉そく境界BS1乃至BS3によって画定される閉そく区間が示されている。
【0029】
まず、図1及び図2を参照すると、車上装置2は、搭載車両1が進行方向Fに走行し、地上子T1が設置された現在位置に到達したとき、床下S形車上子21と地上子T1とが結合することにより、地上子T1から制御情報S10を受信する。
【0030】
シミュレーションシステム4は、床下S形車上子21を通じて供給される制御情報S10を、制御情報S11に照らし合わせて搭載車両1の現在位置を把握し、把握した現在位置に対応する制御情報S11を生成し、車上データベース処理部24に模擬的に発信する。車上データベース処理部24は、制御情報S11に基づき現在位置BS1を把握する一方で、把握した現在位置BS1における制御情報S12を車両制御へ供給するとともに、監視部45に出力する。
【0031】
他方、図1及び図3に示すように、模擬データベース処理部44の制御情報S11は、地上子が設置されていない任意の地点T2の位置情報とを含むことができる。模擬信号処理部42は、走行中に外部から供給される地点情報に基づき、搭載車両1が任意の地点T2に到達したと判断したとき、到達地点T2に対応する制御情報S11を生成し、模擬信号送信部43を通じて模擬的に発信する。この構成により、地上子が設置されていない任意の地点T2に、データ上の仮想地上子(T2)を設置することができる。
【0032】
ところで、既に説明したところではあるが、従来、新型車両導入や、運行計画の改正などによる列車運行の制御安全性を検証する方法として、走行記録装置を搭載させた車両を、実際の走路上で模擬走行させることが行われている。この検証方法では、カーブや勾配、速度制限箇所、信号など実際の走路における地上側設備の情報に基づき、検証作業のための実効的な模擬走行記録を採ることができる反面、営業時間に行うことができない点で問題がある。
【0033】
すなわち、営業時間内で搭載車両を模擬走行させる場合、他の通常運行列車への安全性を確保するため、検証対象となる走行区間を線路閉鎖する必要があり、列車運行管理上、過剰な負担となる。この負担を回避するには、営業時間を避けて、深夜に模擬走行を行わざるを得ず、その結果、検証作業の効率低下、及び、コスト高を招く。
【0034】
上述した従来の検証方法における問題を回避する技術として、いわゆる模擬装置(特許文献1乃至3参照)が知られている。この種の模擬装置は、実際の走路における地上側設備の情報に基づき、コンピュータ上に走路シミュレーションを構築し、車両1に模擬装置を取り付け、工場内などに据え置きした状態で模擬走行実験を行うことにより、列車運行の制御安全性を検証するものである。
【0035】
しかし、従来の模擬装置では、以下の点で新たな問題が生じる。すなわち、シミュレータ装置はPCなどで構成され、模擬伝送装置や模擬システムとして使用されている。一般的にシミュレータ装置は、工場内などで据え置き形にてソフトデバック等に使用され、装置と一緒に列車に実装し、動的なシミュレーションは実施していなかった。この種の列車運行の制御安全性に係る検証精度は、鉄道利用客の安全確保に直接関連するものであるから、可能な限り高精度化が求められるところ、実際の走路上に存在する全ての地上側設備の情報を網羅する完全な走路シミュレーションを構築することは現実的に困難であるから、検証精度を確保することができない。
【0036】
これに対し、図1乃至図3を参照して説明した本発明の実施形態に係る模擬装置は、上述した問題を全て解決することができる。すなわち、模擬装置は、車上装置2を構成することにより、車両1に搭載されて用いられるから、実際の走路上で模擬走行させることが可能である。従って、列車走行に係る制御安全性の検証精度の確保することができる。
【0037】
模擬データベース処理部44は、所定の走路において車両制御が行われるべき地点の位置情報を有している。模擬信号処理部42は、走行中に外部から供給される制御情報S10を、模擬データベース処理部44の制御情報S11に照らし合わせて搭載車両1の現在位置を把握するとともに、現在位置に対応する制御情報S11を生成する。上述した構成によると、車両1を実際の走路上で走行させながら、走行中の車両1に実際に供給される制御情報S10に基づいて、シミュレーションを行うことができる。従って、列車走行に係る制御安全性の検証精度の向上させることができる。
【0038】
模擬信号処理部42は、走行中に外部から供給される制御情報S10を、模擬データベース処理部44の制御情報S11に照らし合わせて搭載車両1の現在位置を把握するとともに、現在位置に対応する制御情報S11を生成する。すなわち、模擬信号処理部42で生成される制御情報S11は、実際の制御情報S10に基づき演算処理された模擬の情報である。従って、模擬データベース処理部44に格納される制御情報S11を適宜設定することにより、営業時間を避けて、深夜に検証作業をおこなう必要もないから、検証作業の効率が向上する。従って、列車走行に係る制御安全性の検証精度の向上と、検証効率の向上とを同時に達成することができる。
【0039】
具体的に、模擬データベース処理部44の制御情報S11は、好ましくは走路において地上子T1、T3の制御情報S10と、仮想地上子T2の制御情報S10とを含むことができる。このように制御情報S11を設定することにより、実際の走路上の情報に限定されず、様々な条件でシミュレーションを行うことができる。従って、列車走行に係る制御安全性の検証精度の向上と、検証効率の向上とを同時に達成することができる。
【0040】
以上、好ましい実施例を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種種の変形態様を採り得ることは自明である。
【符号の説明】
【0041】
1 搭載車両
2 車上装置
3 地上装置
4 シミュレーションシステム
42 模擬信号処理部
43 模擬信号送信部
S10〜S12 制御情報
図1
図2
図3