(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記収容部は、前記鋼矢板基体に固定された板部材で構成され、該板部材と該鋼矢板基体との間に前記収容空間が形成されることを特徴とする請求項1に記載の地中熱交換機能を有する鋼矢板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の地中熱ヒートポンプシステムを採用するには、地中熱を回収するための熱交換配管を地中に埋設する必要がある。熱交換配管を地中に埋設する際には、油圧ショベル、ボーリング、アースオーガ等の大型の重機を用いて地下十数から百数十メートルの穴を掘削し、こうして形成された穴に、熱交換配管を挿入したり、敷き詰めたりするといった工法が採られる。しかしながら、こうした工法では、掘削のために大型の重機を用いることから、掘削作業時の騒音および振動が問題となり、また、作業時間が長時間となるばかりか、掘削により発生する残土処理が必要となり、熱交換配管の設置費用が高くなってしまうという課題がある。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題に鑑み、熱交換配管の設置作業時の騒音および振動を低減するとともに、設置費用を低減することができる地中熱交換機能を有する鋼矢板、地中熱交換配管システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の地中熱交換機能を有する鋼矢板は、鋼矢板基体と、鋼矢板基体に設けられ、鋼矢板基体の長手方向に延在した収容空間が内部に形成される収容部と、
収容部および鋼矢板基体のいずれか一方または双方に設けられ、地中の土砂との接触面積を増加させる突出部と、収容空間に収容され、内部を熱媒が流通する熱交換配管と、を備え、熱交換配管は、鋼矢板基体の長手方向に延在するとともに、収容部に互いに並列して収容された往路管および復路管と、往路管の一端と復路管の一端とを接続する接続管と、を備え、往路管には、接続管に接続される一端側と反対側に入口端が設けられ、復路管には、接続管に接続される一端側と反対側に出口端が設けられ、入口端から往路管に流入した熱媒が、接続管および復路管を介して、復路管の出口端から外部に排出され、復路管の出口端側の外周面に断熱材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また、収容部は、鋼矢板基体に固定された板部材で構成され、板部材と鋼矢板基体との間に収容空間が形成されるとしてもよい。
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の地中熱交換配管システムは、地中に埋設される鋼矢板基体と、鋼矢板基体に設けられ、鋼矢板基体の長手方向に延在した収容空間が内部に形成される収容部と、
収容部および鋼矢板基体のいずれか一方または双方に設けられ、地中の土砂との接触面積を増加させる突出部と、収容空間に収容され、内部を熱媒が流通する熱交換配管と、熱交換配管に接続される配管を有し、配管と熱交換配管との間で熱媒を循環させるとともに、熱交換配管から配管に還流した熱媒の熱を回収する熱回収装置と、を備え、熱交換配管は、鋼矢板基体の長手方向に延在するとともに、収容部に互いに並列して収容された往路管および復路管と、往路管の一端と復路管の一端とを接続する接続管と、を備え、往路管には、接続管に接続される一端側と反対側に入口端が設けられ、復路管には、接続管に接続される一端側と反対側に出口端が設けられ、入口端から往路管に流入した熱媒が、接続管および復路管を介して、復路管の出口端から外部に排出され、復路管の出口端側の外周面に断熱材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、熱交換配管の設置作業時の騒音および振動を低減するとともに、設置費用を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0017】
本実施形態における地中熱交換機能を有する鋼矢板の構成について理解を容易にするため、まず、地中熱交換機能を有する鋼矢板を使用した地中熱交換配管システム100を説明する。
図1は、地中熱交換配管システム100を説明するための図である。図中、熱媒の流れを黒矢印で、空気の流れを白抜き矢印で示す。
【0018】
図1に示すように、地中熱交換配管システム100は、鋼矢板120と、ヒートポンプ140と、室内機160とを含んで構成される。鋼矢板120の詳細な説明は後述するが、鋼矢板120は、不凍液等の熱媒が流通する熱交換配管126を備えた地中熱交換器として機能し、深度20から100メートル程度に設置される。ヒートポンプ140は熱回収装置であり、例えば、冷暖房の室外機である。ヒートポンプ140は建物Bの屋外の地上部に設けられ、冷媒の圧縮と膨張を繰り返すことで空気の温度を変える。具体的には、夏季に冷房として使用する場合、配管140dを流通した冷媒は、膨張弁142により減圧されて低温の液体となり、配管140bを介して室内機160に送られ、室内の空気とを熱交換することで室内の空気を冷却する。熱交換された冷媒は配管140aを介してヒートポンプ140に戻り、コンプレッサ144により圧縮されて高温のガスとなり、配管140cを流通し、熱交換配管126を流通する熱媒と熱交換することで冷却される。このとき、外気温と比較して低い温度の地中熱を利用することができる。そして、冷却された冷媒は再び配管140dを流通する。
【0019】
冬季に暖房として使用する場合、配管140cを流通し、コンプレッサ144により圧縮されて高温のガスとなった冷媒が、配管140aを介して室内機160に送られ、室内の空気と熱交換することで室内の空気を暖める。熱交換された冷媒は、配管140bを介してヒートポンプ140に戻り、膨張弁142により減圧されて低温の液体となり、配管140dを流通し、熱交換配管126を流通する熱媒と熱交換することで温められる。このとき、外気温と比較して高い温度の地中熱を利用することができる。そして、暖められた冷媒は再び配管140cを流通する。
【0020】
ここでは、一般的な地中熱ヒートポンプの事例を例示したが、河川熱利用、海水利用ヒートポンプの熱交換に用いてもよい。またヒートポンプを用いない直接熱交換に用いてもよい。すなわち、単純に夏季に冷熱を得るために開放型の配管構成にして冷媒を流通することや、空気循環にすることもある。
【0021】
また、太陽熱温水器と組み合わせた「ソルエア」方式の地中熱ヒートポンプシステムでは、季節単位で太陽熱を地中熱として蓄積することができる。具体的には、夏季に地中の温度は太陽熱によって数十℃に上昇するため、この熱を地中熱として蓄積し、冬季に利用する。なお、このような「ソルエア」方式の地中熱ヒートポンプシステムに本発明の鋼矢板120を用いる場合には、鋼矢板120を地中に埋設した状態で、鋼矢板120上方の地表面に断熱材を敷き、地中熱が地表から大気に漏れださないようにすることで地中熱の蓄積の効果を大きくできる。
【0022】
地中熱交換用の鋼矢板120は、建物Bの下部の地中に限らず、道路、公園などにも、上下水道やガス管などの既設埋設物を避けさえすれば、埋設可能である。
【0023】
凍結の恐れのある道路などでは、ヒートパイプ方式で熱を汲み上げて冬季の路面凍結を避けることも可能となる。
【0024】
(第1の実施形態:鋼矢板120)
次に、第1の実施形態にかかる鋼矢板120の構成について説明する。
図2は、第1の実施形態にかかる鋼矢板120を説明するための図であり、
図2(a)は鋼矢板120の斜視図、
図2(b)は
図2(a)のII(b)−II(b)線における水平断面図である。
【0025】
図2に示すように、鋼矢板120は、鋼矢板基体122、収容部124、熱交換配管126を含んで構成される。鋼矢板基体122は、略方形の平板であるウェブ部122aと、ウェブ部122aの短手方向の両端部に、所定の角度を有して設けられた略方形の平板であるフランジ部122bとを含んで構成されるU型鋼矢板である。フランジ部122bにおける、ウェブ部122aと接合された短手方向の一端部と反対側の他端部には、継手部122cが設けられている。継手部122cは、フランジ部122bの短手方向の他端部を、ウェブ部122aと略平行となるようにウェブ部122a外方に屈曲させた部位である。継手部122cには爪部122dが設けられ、爪部122dと、別の鋼矢板120の継手部122cとを嵌合させることで、鋼矢板基体122を連結させることができる。
【0026】
収容部124は、断面コ字(U字)型の板部材で構成され、収容部124の長手方向の長さは鋼矢板基体122の長手方向の長さよりも短く、収容部124の短手方向の長さは鋼矢板基体122におけるウェブ部122aの短手方向の長さより短い。収容部124を構成する板部材において、対向に配置される2枚の板の短手方向の一端側が、例えば溶接等により鋼矢板基体122のウェブ部122aに接合される。収容部124がウェブ部122aに設けられることで、収容空間124bが形成される。
【0027】
収容部124の長手方向の一端には底部124aが設けられている。底部124aには、収容部124におけるウェブ部122aと略水平な面の長手方向の一端から、ウェブ部122aに向かって傾斜面が形成される。底部124aの傾斜面により、鋼矢板120が地中に埋設される際の抵抗が軽減される。
【0028】
熱交換配管126は、不凍液等の熱媒が流通される配管であり、鋼矢板基体122のウェブ部122aと収容部124とで形成される収容空間124bに収容される。本実施形態で用いる熱交換配管126は、従来の地中熱ヒートポンプシステムで使用されている市販の熱交換配管(例えば、Uチューブ)を使用することができる。熱交換配管126は、ヒートポンプ140の配管140c、140dがそれぞれ接続される往路管126a、復路管126bと、往路管126aの一端と復路管126bの一端とを接続する接続管126cとを含んで構成される。接続管126cが鋼矢板基体122の長手方向の一端側(底部124a側)に位置し、往路管126aの他端側の入口端126dと、復路管126bの他端側の出口端126eとが、鋼矢板基体122の長手方向の他端側に位置するように、往路管126aと復路管126bとが並列して収容部124に収容される。
【0029】
熱媒は、入口端126dから往路管126aへ流入し、往路管126a内を流通しながら地中熱と熱交換される。そして、熱媒は、接続管126cを流通すると流通方向を略180度反転して、復路管126bを流通し、出口端126eから排出される。
【0030】
(鋼矢板120設置方法)
次に、鋼矢板120の具体的な設置方法について説明する。
図3は、第1の実施形態にかかる鋼矢板120の設置方法の流れを説明するためのフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態にかかる鋼矢板120の設置方法は、埋設工程S210と配管収容工程S220とを含む。
【0031】
(埋設工程S210)
収容部124を設けた鋼矢板基体122は、圧入工法やバイブロ工法により地中に埋設することが可能である。収容部124を設けた鋼矢板基体122が設置される地面の鉛直上方において、収容部124を設けた鋼矢板基体122は、長手方向における、収容部124の底部124a側の一端を下にした状態で、圧入機に支持される。そして、圧入機によって収容部124を設けた鋼矢板基体122の一端側から地中に圧入される。
【0032】
(配管収容工程S220)
熱交換配管126は、地中に埋設された、収容部124を設けた鋼矢板基体122における収容空間124b内に収容される。収容部124に収容された熱交換配管126は接続管126cが収容部124の底部124a側に位置し、往路管126aの入口端126dと、復路管126bの出口端126eとが、鋼矢板基体122の一端側に位置する。そして、往路管126aと復路管126bとが並列する。
【0033】
熱交換配管126が収容部124に収容された後、熱交換配管126の周囲の収容空間124bに土や砂が充填される。これにより、熱交換配管126と鋼矢板基体122および収容部124との伝熱効率を向上させることができる。
【0034】
従来、熱交換配管126を地中に埋設する際には、大型の重機を用いて地下数十から百数十メートルの穴を掘削し、こうして形成された穴に熱交換配管126が挿入されていた。このため、掘削作業時の騒音や振動が問題となり、また、作業時間が長時間となるばかりか、掘削により発生する残土の処理が必要となり、熱交換配管126の設置費用が高くなっていた。
【0035】
圧入工法では主に油圧式圧入機等の小型の重機を用いるため、大型の重機が必要となる従来の工法と比較して騒音や振動が小さい。また、圧入工法では残土が発生せず、残土の処理にかかる時間と費用を削減することができるため、鋼矢板120の設置費用を低減することが可能となる。さらに、従来大型の重機を使用することができないため熱交換配管126を設置することができなかった狭小地でも、鋼矢板120を設置することが可能となる。
【0036】
また、従来では、一度挿入された熱交換配管126は容易に撤去することができなかったため、熱交換配管126が損傷した際に修理および交換することが困難であった。また、地上の建物の建て替えの際には、地中に設けられた熱交換配管126が建て替えの障害となるおそれがあった。本実施形態にかかる鋼矢板120では、鋼矢板120を1枚ずつ挿入および撤去することが可能であるため、熱交換配管126が損傷した際の修理および交換や、地上の建物の建て替えの際の撤去が容易となる。
【0037】
なお、熱交換配管126を収容空間124bに収容した状態で、鋼矢板120を圧入してもよい。
【0038】
以上説明したように、本実施形態にかかる鋼矢板120の設置方法によれば、作業時の騒音および振動を低減するとともに、設置費用を低減することができる。
【0039】
(第1の実施形態の変形例1)
図4は、第1の実施形態の変形例1にかかる鋼矢板120を説明するための図であり、
図4(a)は第1の実施形態の変形例1にかかる鋼矢板120の斜視図、
図4(b)は、
図4(a)のIII(b)−III(b)線における水平断面図である。なお、理解を容易にするため、
図4(a)において収容部124を省略している。
【0040】
熱交換配管126において、往路管126aを流通した熱媒は地中熱と熱交換され、復路管126bを流通してヒートポンプ140へ導入される。地中熱と熱交換された熱媒が復路管126bを流通する際、地表近くの土砂と熱交換されることで、熱交換配管126を流通する前と後との熱媒の温度差が小さくなる、つまり、結果として熱交換率が低下する可能性がある。そこで、
図4に示すように、変形例1にかかる鋼矢板120では、復路管126bの外周面のうち、地表の近い部分に断熱材126fを設ける。断熱材126fによって、地中熱と熱交換された熱媒が復路管126bを流通する際に、地表近くの土砂と熱交換されることを抑制し、往路管126aにおいて地中熱と熱交換された温度の熱媒をヒートポンプ140へ導入させることが可能となる。
【0041】
(第1の実施形態の変形例2)
図5は第1の実施形態の変形例2にかかる鋼矢板120を説明するための図であり、
図5(a)は、鋼矢板120の斜視図、
図5(b)は、
図5(a)のIV(b)−IV(b)線における水平断面図である。
【0042】
図5に示すように、鋼矢板120における鋼矢板基体122および収容部124にはそれぞれ突出部としてフィン122e、124cが設けられている。フィン122eは、鋼矢板基体122のウェブ部122aにおいて、収容部124が設けられた側と逆側から外方に略垂直に突出し、鋼矢板基体122の長手方向に延在した平板である。本実施形態では、フィン122eは4個設けられている。また、フィン124cは、収容部124において、ウェブ部122aと対向する面から外方に略垂直に突出し、収容部124の長手方向に延在した平板である。本実施形態では、フィン124cは2個設けられている。
【0043】
鋼矢板120がフィン122e、124cを設けることで、鋼矢板120と地中の土砂との接触面積が増加し、鋼矢板120と地中の土砂との伝熱効率を向上させることができる。
【0044】
(第1の実施形態の変形例3)
図6は第1の実施形態の変形例3にかかる鋼矢板120を説明するための図であり、
図6(a)は、鋼矢板120の斜視図、
図6(b)は
図6(a)のV(b)−V(b)線における水平断面図である。
【0045】
図6に示すように、鋼矢板120における鋼矢板基体122のウェブ部122aは波形に形成され、突出部122fが設けられている。このため、鋼矢板120と地中の土砂との接触面積が増加し、鋼矢板120と地中の土砂との伝熱効率を向上させることができる。
【0046】
(第2の実施形態:鋼矢板300)
図7は、第2の実施形態にかかる鋼矢板300および第2の実施形態の変形例にかかる鋼矢板400を説明するための図であり、
図7(a)は鋼矢板300の斜視図、
図7(b)は第2の実施形態の変形例にかかる鋼矢板400の斜視図である。鋼矢板300は、従来周知の排水機能を有する鋼矢板に、熱交換配管126を備えた構成である。上述した第1の実施形態における構成要素として既に述べた熱交換配管126は実質的に機能が等しいので重複説明を省略し、ここでは、構成が相違する排水機能を有する鋼矢板を主に説明する。
【0047】
図7(a)に示すように、鋼矢板300では、液状化対策に用いられる市販の排水機能を有する鋼矢板を使用する。排水機能を有する鋼矢板は、鋼矢板基体122のウェブ部122aに、断面コ字(U字)型の板部材322が備えられている。板部材322には、フィルタ付きの多数の排水孔324が設けられている。土壌の液状化層において、地震等により間隙水圧が上昇すると、土壌中の水は、フィルタを介して、排水孔324から板部材322とウェブ部122aとの間に流入され、鋼矢板基体122の上方に排水される。収容部124(
図2参照)に代えて、板部材322を収容部とし、板部材322とウェブ部122aとの間に形成される収容空間322aに熱交換配管126を挿入することで、市販の排水機能を有する鋼矢板を、地中熱交換機能を有する鋼矢板300として、地中熱交換配管システム100に利用することができる。
【0048】
このように、第2の実施形態によれば、市販の排水機能を有する鋼矢板を用いればよいので、鋼矢板300を安価にかつ容易に製造することが可能となる。なお、排水機能を必要としない場合には、市販の排水機能を有する鋼矢板からフィルタを取り除いてもよい。
【0049】
(第2の実施形態の変形例)
図7(b)に示すように、鋼矢板基体122に、板部材322と収容部124とを備えることで、排水機能と地中熱交換機能をともに有する鋼矢板400として使用することができる。したがって、液状化対策を行う場合には、排水機能を有する鋼矢板と、地中熱交換配管システム100における鋼矢板とを別個に設置する必要がなく、省スペース化を図ることができる。また、液状化対策と地中熱交換器の設置を同時に行うことができるため、設置費用を削減することが可能となる。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0051】
例えば、上記実施形態において、鋼矢板基体122はU型鋼矢板としたが、鋼矢板基体122の形状に制限はなく、H型鋼矢板、Z型鋼矢板等を使用してもよい。
【0052】
また、上記実施形態において、熱交換配管126を収容空間124b、322aに収容した状態で鋼矢板120、300、400を地中に設置したが、熱交換配管126は、鋼矢板120、300、400を地中に設置した後に収容空間124b、322aに収容されてもよい。
【0053】
また、上記実施形態において、断面コ字(U字)型の収容部124が、鋼矢板基体122に設けられることで、鋼矢板基体122のウェブ部122aと収容部124との間に収容空間124bが形成されるとしたが、上部が開口した箱型の収容部を鋼矢板基体122に設け、収容部の内部を収容空間としてもよい。
【0054】
また、上記実施形態において、復路管126bの外周面の一部に断熱材126fを設ける構成としたが、復路管126bの外周面の全部に断熱材126fを設けてもよい。