特許第6087244号(P6087244)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087244
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】位置検出装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170220BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20170220BHJP
   H04B 1/10 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   G06F3/041 522
   G06F3/041 512
   G06F3/044 120
   H04B1/10 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-182677(P2013-182677)
(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公開番号】特開2015-49821(P2015-49821A)
(43)【公開日】2015年3月16日
【審査請求日】2016年2月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】北村 一博
【審査官】 原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/069290(WO,A1)
【文献】 特開2013−172157(JP,A)
【文献】 特開2006−302111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
H04B 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面の表面に静電容量方式のタッチパネルを配置した位置検出装置であって、
互いに交差する向きに配置された複数の透明電極を有する前記タッチパネルと、
前記複数の透明電極の一部を選択してそれらの間の静電容量の変化を測定することにより指示体の接触位置を検出する位置検出手段と、
静電容量の変化測定の対象になっていない残りの前記透明電極を低インピーダンス状態にする低インピーダンス設定手段と、
を備え、AMラジオとともに車両に搭載されており、前記AMラジオで放送波を受信中に、前記低インピーダンス設定手段によって前記透明電極が低インピーダンス状態に設定されることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の透明電極には、第1の方向に沿って配置された複数の第1の電極と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の第2の電極とが含まれており、
前記位置検出手段は、一部の前記第1の電極に向けて位置検出用信号を入力するとともに一部の前記第2の電極から出力される前記位置検出用信号に対応する信号を取り込んでおり、
前記低インピーダンス設定手段は、前記位置検出用信号の入力および前記位置検出信号に対応する信号の出力に用いられた前記透明電極以外の前記透明電極を低インピーダンス状態にすることを特徴とする位置検出装置。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記低インピーダンス設定手段は、前記透明電極を固定電位に接続することによりこの透明電極を低インピーダンス状態にすることを特徴とする位置検出装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記固定電位は、接地電位であり、
前記低インピーダンス設定手段は、前記透明電極を接地することによりこの透明電極を低インピーダンス状態にすることを特徴とする位置検出装置。
【請求項5】
請求項3または4において、
複数の前記透明電極のそれぞれにはスイッチが接続されており、
前記スイッチによって、前記位置検出用信号の入力あるいは前記位置検出用信号に対応する信号の出力と、前記固定電位に対する接続とを切り替えることを特徴とする位置検出装置。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれか一項において、
前記位置検出用信号の入力あるいは前記位置検出用信号に対応する信号の出力が行われる一部の前記透明電極に隣接する他の前記透明電極は、前記固定電位に接続せずに開放することを特徴とする位置検出装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項において、
前記AMラジオと同じ筐体に搭載されていることを特徴とする位置検出装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項において、
前記AMラジオで受信中の放送波の受信周波数が、前記表示装置から放出されるノイズの周波数に一致する場合に、前記低インピーダンス設定手段によって前記透明電極が低インピーダンス状態に設定されることを特徴とする位置検出装置。
【請求項9】
請求項において、
前記AMラジオで受信中の放送波の受信周波数が、前記表示装置の水平同期周波数の高調波成分の周波数に一致する場合に、前記低インピーダンス設定手段によって前記透明電極が低インピーダンス状態に設定されることを特徴とする位置検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LCD(液晶表示装置)等の表示装置の表面に重ねて静電容量方式のタッチパネルを搭載した位置検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表示パネルの観察側にタッチパネルを備えるとともに、表示パネルとタッチパネルとの間に電気的ノイズを防ぐためのシールド層を設けたタッチパネル付き表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このタッチパネル付き表示装置では、シールド層が導電性ポリマーを含む透明導電膜を用いて形成されており、表示装置の光学特性が低下しないように工夫されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−68760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述した特許文献1に開示されたタッチパネル付き表示装置では、表示装置の表面に透明導電膜のシールド層が重ねて配置されるため、透明度が低下するという問題があった。また、表示装置やタッチパネルとは別にシールド層を追加する必要があるため、製造工程や組み付け工程が複雑化し、コスト上昇を招くという問題があった。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、表示装置が発生するノイズを低減することができるとともに、透明度が低下せず、工程の複雑化によるコスト上昇を抑えることができる位置検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の位置検出装置は、表示装置の表示画面の表面に静電容量方式のタッチパネルを配置した位置検出装置であって、互いに交差する向きに配置された複数の透明電極を有するタッチパネルと、複数の透明電極の一部を選択してそれらの間の静電容量の変化を測定することにより指示体の接触位置を検出する位置検出手段と、静電容量の変化測定の対象になっていない残りの透明電極を低インピーダンス状態にする低インピーダンス設定手段とを備えている。
【0007】
位置検出用に一部の透明電極が選択されたときに、残りの透明電極を低インピーダンス状態にすることにより、表示装置の表面から放出されるノイズを遮蔽することが可能になる。また、位置検出用に従来から備わっている透明電極を用いており、別にシールド層を追加する必要がなく、そのための工程の追加も必要ないため、透明度の低下や、工程の複雑化によるコスト上昇を抑えることができる。
【0008】
また、上述した複数の透明電極には、第1の方向に沿って配置された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配置された複数の第2の電極とが含まれており、位置検出手段は、一部の第1の電極に向けて位置検出用信号を入力するとともに一部の第2の電極から出力される位置検出用信号に対応する信号を取り込んでおり、低インピーダンス設定手段は、位置検出用信号の入力および位置検出信号に対応する信号の出力に用いられた透明電極以外の透明電極を低インピーダンス状態にすることが望ましい。このように、位置検出用に用いられる第1の電極と第2の電極を除くほとんどの電極を低インピーダンス状態にしているため、表示装置の表面から放出されるノイズを遮蔽する効果を高めることができる。
【0009】
また、上述した低インピーダンス設定手段は、透明電極を固定電位に接続することによりこの透明電極を低インピーダンス状態にすることが望ましい。特に、上述した固定電位は、接地電位であり、低インピーダンス設定手段は、透明電極を接地することによりこの透明電極を低インピーダンス状態にすることが望ましい。これにより、透明電極によってシールド層を形成して、表示装置の表面から放出されるノイズの外部に対する漏れを低減することができる。
【0010】
また、上述した複数の透明電極のそれぞれにはスイッチが接続されており、スイッチによって、位置検出用信号の入力あるいは位置検出用信号に対応する信号の出力と、固定電位に対する接続とを切り替えることが望ましい。このように、スイッチを追加するだけで、任意の透明電極を所定のタイミングで低インピーダンス状態にすることが可能となる。
【0011】
また、上述した位置検出用信号の入力あるいは位置検出用信号に対応する信号の出力が行われる一部の透明電極に隣接する他の透明電極は、固定電位に接続せずに開放することが望ましい。これにより、位置検出の感度を維持しつつ、表示装置から放出されるノイズの低減を図ることができる。
【0012】
また、本発明の位置検出装置はAMラジオとともに車両に搭載されている。あるいは、本発明の位置検出装置は、AMラジオと同じ筐体に搭載されていることが望ましい。これにより、車両に搭載されたAMラジオについて、表示装置から放出されるノイズの影響を低減することができる。
【0013】
また、上述したAMラジオで放送波を受信中に、低インピーダンス設定手段によって透明電極が低インピーダンス状態に設定される。あるいは、上述したAMラジオで受信中の放送波の受信周波数が、表示装置から放出されるノイズの周波数に一致する場合に、低インピーダンス設定手段によって透明電極が低インピーダンス状態に設定されることが望ましい。また、上述したAMラジオで受信中の放送波の受信周波数が、表示装置の水平同期周波数の高調波成分の周波数に一致する場合に、低インピーダンス設定手段によって透明電極が低インピーダンス状態に設定されることが望ましい。これにより、表示装置から放出されるノイズが、受信中のAM放送に混入することを確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】一実施形態の車載装置の構成を示す図である。
図2】タッチパネルとタッチパネル制御部によって構成される位置検出装置の構成を示す図である。
図3】タッチパネルに含まれる第1および第2の透明電極の具体例を示す図である。
図4】タッチパネルに含まれる第1および第2の透明電極の他の具体例を示す図である。
図5】透明電極の低インピーダンス状態を実現するタッチパネルの接続状態の説明図である。
図6】スイッチによる接続状態の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明のタッチパネル付き表示装置を適用した一実施形態の車載装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態の車載装置の構成を示す図である。図1に示すように、車載装置1は、ナビゲーション処理部10、AMラジオチューナ14、FMラジオチューナ16、AV処理部18、表示処理部20、表示装置22、タッチパネル30、タッチパネル制御部32、操作部34、入力処理部36、デジタル−アナログ変換器(D/A)40、スピーカ42、制御部50を備えている。
【0016】
ナビゲーション処理部10は、自車位置を検出するGPS装置12とともに用いられ、地図データを用いて車載装置1が搭載された車両の走行を案内するナビゲーション動作を行う。AMラジオチューナ14は、AM放送の番組を受信し、番組内容に対応する音声をを再生する処理を行う。FMラジオチューナ16は、FM放送の番組を受信し、番組内容に対応する音声をを再生する処理を行う。AV処理部18は、圧縮されてハードディスク装置等(図示せず)に記憶されている音楽データや映像データを読み出して再生する処理を行う。
【0017】
表示処理部20は、各種の操作画面や入力画面等を表示する映像信号を出力して表示装置22にこれらの画面を表示するとともに、AV処理部18によって再生した映像画面等を表示する映像信号を出力して表示装置22にこの画面を表示する。表示装置22は、運転席と助手席の中央前方に配置されており、液晶表示装置(LCD)を用いて構成されている。例えば、9インチサイズで768×1024の画素数(解像度)を有し、水平同期周波数が62kHzに設定されている。
【0018】
タッチパネル30は、表示装置22の表示画面の表面に配置されている。タッチパネル制御部32は、タッチパネル30を用いて位置検出を行うために必要な制御を行う。タッチパネル30とタッチパネル制御部32によって、静電容量方式で位置検出を行う位置検出装置が構成されている。表示装置22に各種の操作画面や入力画面が表示された時点で、これらの操作画面や入力画面の一部を利用者が指などで直接指し示すことにより、操作画面や入力画面の表示項目を選択することができるようになっており、このような操作画面や入力画面を用いた操作を可能とするために、指し示された指などの位置を検出するタッチパネル30が備わっている。タッチパネル制御部32の詳細については後述する。
【0019】
操作部34は、車載装置1に対する利用者による操作を受け付けるためのものであり、表示装置22の周囲に配置された各種の操作キー、操作スイッチ、操作つまみ等を含んで構成されている。入力処理部36は、操作部34を監視しており、その操作内容を決定する。
【0020】
デジタル−アナログ変換器40は、ナビゲーション処理部10、AMラジオチューナ14、FMラジオチューナ16、AV処理部18のそれぞれの処理によって生成される音声データや音楽データをアナログの音声信号に変換してスピーカ42から出力する。なお、実際には、デジタル−アナログ変換器40とスピーカ42の間には信号を増幅する増幅器が接続されているが、図1ではこの増幅器は省略されている。また、デジタル−アナログ変換器40とスピーカ42との組合せは再生チャンネル数分備わっているが、図1では一組のみが図示されている。制御部50は、車載装置1の全体を制御するためのものであり、ROMやRAMなどに格納された所定のプログラムをCPUで実行することにより実現される。上述した車載装置1の各構成は、スピーカ42を除いて同じ筐体に収容されている。
【0021】
図2は、タッチパネル30とタッチパネル制御部32によって構成される位置検出装置の構成を示す図である。タッチパネル30は、表示装置22の表示画面の全体を覆う検出領域を有しており、この検出領域のX軸方向(水平方向)に沿って延在する複数の第1の透明電極30Aと、Y軸方向(垂直方向)に沿って延在する複数の第2の透明電極30Bとを有する。
【0022】
図3は、タッチパネル30に含まれる第1および第2の透明電極30A、30Bの具体例を示す図である。図3に示す例では、X軸方向に延在する第1の透明電極30Aは、一方の対角線がX軸と平行になるように配置された正方形電極をX軸に沿って複数個並べて相互に接続した形状を有する。同様に、Y軸方向に延在する第2の透明電極30Bは、一方の対角線がY軸と平行になるように配置された正方形電極をY軸に沿って複数個並べて相互に接続した形状を有する。図3に示すように、隣接する正方形電極を接続する連結部が互いに交差するように配置することで、表示画面の全体が第1および第2の透明電極30A、30Bの正方形電極で覆われる。これら第1および第2の透明電極30A、30Bは、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜を用いて形成される。なお、一方の第2の透明電極30Bにおいて、隣接する正方形電極を接続する連結部のみを金属材料で形成することにより、この連結部以外の第1および第2の透明電極30A、30Bの全体を1層のITO膜を用いて形成することが可能となる。
【0023】
図4は、タッチパネル30に含まれる第1および第2の透明電極30A、30Bの他の具体例を示す図である。図4に示す例では、X軸方向に延在する第1の透明電極30Aは、幅広の長方形形状を有する。また、Y軸方向に延在する第2の透明電極30Bは、幅が狭い長方形形状を有する。図4に示すように、幅広の長方形形状を有する第1の透明電極30AをY軸方向に並べることにより、表示画面の全体が第1の透明電極30Aで覆われる。これら第1および第2の透明電極30A、30Bは、例えばITO(Indium Tin Oxide)膜を用いて形成される。
【0024】
また、図2において、タッチパネル制御部32は、制御部130、位置検出部132、低インピーダンス設定部134、スイッチ140、142、144、146を備えている。制御部130は、タッチパネル制御部32の全体を制御する。
【0025】
位置検出部132は、タッチパネル30に設けられた第1の透明電極30Aと第2の透明電極30Bとの間の静電容量の変化を測定することにより、利用者の指等の指示体が指し示す位置を検出する。例えば、位置検出部132は、スイッチ140を介して一の第1の透明電極30Aを選択し、所定の位置検出用信号をこの選択した第1の透明電極30Aに入力するとともに、スイッチ142を切り替えて第2の透明電極30Bを順番に選択してその電圧(位置検出用信号に対応する信号)を順番に検出する。この動作を、スイッチ140を切り替えてすべての第1の透明電極30Aについて繰り返すことにより、第1および第2の透明電極30A、30B間の静電容量の変化が測定され、静電容量が変化した第1のおよび第2の透明電極30A、30Bの交差位置が指示体によって指し示された位置として特定される。
【0026】
低インピーダンス設定部134は、スイッチ144に指示を送って、スイッチ140による選択状態にない残りの第1の透明電極30Aを接地するとともに、スイッチ146に指示を送って、スイッチ142による選択状態にない残りの第2の透明電極30Bを接地する。このように、信号の入出力(電圧検出)が行われていない第1および第2の透明電極30A、30Bを接地することにより、これらの透明電極を低インピーダンス状態にすることができる。なお、第1および第2の透明電極30A、30Bを接地する代わりに、グランド電位以外の固定電位、例えば電源の高電位側端子に接続するようにしてもよい。
【0027】
図5は、透明電極の低インピーダンス状態を実現するタッチパネル30の接続状態の説明図である。図5に示すように、X軸方向に延在する複数の第1の透明電極30Aでは、位置検出用信号が入力される一の第1の透明電極30Aのみが位置検出部132に接続され、残りの第1の透明電極30Aがすべて接地される。また、Y軸方向に延在する複数の第2の透明電極30Bでは、電圧検出が行われる一の第2の透明電極30Bのみが位置検出部132に接続され、残りの第2の透明電極30Bがすべて接地される。なお、図2に示す構成では、スイッチ140とは別にスイッチ144を備えたが、図6に示すように、これらを一つのスイッチ140Aで実現するようにしてもよい。スイッチ142、146についても同様である。
【0028】
このように、本実施形態の位置検出装置(タッチパネル30およびタッチパネル制御部32)では、位置検出用に一部の透明電極(第1および第2の透明電極30A、30B)が選択されたときに、残りの透明電極を低インピーダンス状態にすることにより、表示装置22の表面から放出されるノイズを遮蔽することが可能になる。また、位置検出用に従来から備わっている透明電極を用いており、別にシールド層を追加する必要がなく、そのための工程の追加も必要ないため、透明度の低下や、工程の複雑化によるコスト上昇を抑えることができる。特に、位置検出用に用いられる第1の透明電極30Aと第2の透明電極30Bを除くほとんどの電極を低インピーダンス状態にしているため、表示装置22の表面から放出されるノイズを遮蔽する効果を高めることができる。
【0029】
また、第1および第2の透明電極30A、30Bを接地電位(あるいは固定電位)に接続して、これらの透明電極30A、30Bを低インピーダンス状態にすることにより、透明電極30A、30Bによってシールド層を形成して、表示装置22の表面から放出されるノイズの外部に対する漏れを低減することができる。
【0030】
また、スイッチ140〜146によって、位置検出部132への接続と、接地電位(固定電位)に対する接続とを切り替えているため、一部のスイッチ144、146を追加するだけで、任意の透明電極を所定のタイミングで低インピーダンス状態にすることが可能となる。なお、信号の入出力に従来から備わっているスイッチ140、142の構成を一部変更してスイッチ144、146の機能を持たせる場合には、スイッチ144、146の追加も不要になる。
【0031】
また、本実施形態の位置検出装置は、AMラジオ(AMラジオチューナ14)とともに車両に搭載されているとともに、AMラジオと同じ筐体に搭載されている。表示装置22の水平同期周波数が62kHzであり、その10次よりも高次の高調波成分の周波数がAMラジオ放送の周波数と重なる。このため、表示装置22の表面から放出されたノイズが、AMラジオ放送を受信する際のノイズとなるおそれがある。これに対し、本実施形態では、タッチパネル30をシールド層として用いて表示装置22の表面から放出されるノイズを低減しているため、AMラジオでAMラジオ放送を受信する際のノイズの影響を低減することができる。
【0032】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、位置検出用信号の入力あるいは位置検出用信号に対応する信号の出力が行われる第1および第2の透明電極30A、30B以外のすべての透明電極を接地するようにしたが、位置検出用信号の入力あるいは位置検出用信号に対応する信号の出力が行われる第1および第2の透明電極30A、30Bに隣接する透明電極については、接地電位(あるいは固定電位)に接続せずに開放することが望ましい。例えば、図5に示す例において、第1の透明電極30A1、30A2と第2の透明電極30B1、30B2については接地せずに開放状態にすることが望ましい。これにより、位置検出の感度を維持しつつ、表示装置22から放出されるノイズの低減を図ることができる。
【0033】
また、上述した実施形態では、AMラジオの動作状態と関係なくタッチパネル30をシールド層として用いて表示装置22のノイズを低減したが、AMラジオの動作状態と関連づけるようにしてもよい。例えば、AMラジオ放送を受信中に限って、低インピーダンス設定部134(図2)の動作を有効にしてもよい。あるいは、AMラジオ放送を受信中であって、このAMラジオ放送の受信周波数が、表示装置22から放出されるノイズの周波数(同期周波数62kHzの高調波成分の周波数)に一致する場合に限って、低インピーダンス設定部134(図2)の動作を有効にしてもよい。これにより、表示装置22から放出されるノイズが、受信中のAM放送に混入することを確実に防止することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上述したように、本発明によれば、位置検出用に一部の透明電極が選択されたときに、残りの透明電極を低インピーダンス状態にすることにより、表示装置の表面から放出されるノイズを遮蔽することが可能になる。また、位置検出用に従来から備わっている透明電極を用いており、別にシールド層を追加する必要がなく、そのための工程の追加も必要ないため、透明度の低下や、工程の複雑化によるコスト上昇を抑えることができる。
【符号の説明】
【0035】
1 車載装置
14 AMラジオチューナ
20 表示処理部
22 表示装置
30 タッチパネル
30A 第1の透明電極
30B 第2の透明電極
32 タッチパネル制御部
130 制御部
132 位置検出部
134 低インピーダンス設定部
140、142、144、146 スイッチ
図1
図2
図3
図4
図5
図6