(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087272
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】分析基板
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20170220BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
G01N35/00 D
G01N37/00 101
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-263836(P2013-263836)
(22)【出願日】2013年12月20日
(65)【公開番号】特開2015-121413(P2015-121413A)
(43)【公開日】2015年7月2日
【審査請求日】2016年2月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000190116
【氏名又は名称】信越ポリマー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110973
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100153958
【弁理士】
【氏名又は名称】崎浜 丈誠
(72)【発明者】
【氏名】中山 孝行
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勤
【審査官】
長谷 潮
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第00/079285(WO,A2)
【文献】
特開平03−225278(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0139578(US,A1)
【文献】
特開2009−198489(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/028577(WO,A1)
【文献】
米国特許第07758810(US,B2)
【文献】
国際公開第2013/077391(WO,A1)
【文献】
国際公開第2006/011393(WO,A1)
【文献】
特表2005−513418(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00−37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の分析に用いられ、自転させた際の遠心力を利用して中心から径方向外側に送液可能な円盤状の分析基板であって、
それぞれ独立して試料の分析に用いられる分析ユニットを複数有し、
前記分析基板の一方の面の、所定の検出センサにより反射光の検出が行われる対象となる検出範囲において、所定の方向から照射される光に対する反射態様が前記検出範囲の他の部位と異なり、前記分析ユニットの位置を特定するための基準部を少なくとも一つ有しており、
前記検出範囲は、前記分析基板の同一円周上の領域を含む範囲であり、
前記分析ユニットは、廃液を集めるための廃液槽を有し、
前記廃液槽は、前記分析基板の中で最も広い面積を有する部分であり、
前記基準部は、前記分析基板の裏面の外縁部に形成される凹状部であり、当該凹部状の底面を前記分析基板の中心軸側に向く傾斜面としており、かつ前記分析基板の中心と前記廃液槽とを結ぶ直線上から外れた位置に配置されている分析基板。
【請求項2】
透明樹脂材料により構成されている、請求項1に記載の分析基板。
【請求項3】
それぞれの前記分析ユニットは、前記試料を検出、反応、吸着、離脱、または分解する部位となる検出部を有し、
前記基準部は、前記検出部よりも外縁側に配置されている、請求項1または請求項2に記載の分析基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状物を分析するための分析基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表面に微細流路が形成された分析基板を用いて、血液や生体液などから特定のたんぱく質などの生体物質を分離、混合、検出等する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような分析基板は、例えば、アレルギー、伝染病、成人病などを調べるための抗原抗体反応分析、成人病などを調べるための血液成分の分析、遺伝子分析、腫瘍マーカー分析などに用いられることが検討されている。
【0003】
近年、一度に多くの分析を短時間且つ簡易に行うために、複数の分析ユニットが形成された分析基板が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−10435号公報
【特許文献2】特開2009−47564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の分析ユニットが形成された分析基板を用いて分析を行う場合には、分析基板を回転させた際に、分析基板における分析ユニットの位置を適切に特定することが要請される。例えば、特許文献2に開示された技術では、分析基板を回転させる際に、ステッピングモーターを用いて、そのステッピングモーターへ供給するパルス数により、分析基板上の流路パターン(分析ユニットに相当)における測定流路を特定している。
【0006】
ステッピングモーターを備えずとも、分析基板上の各分析ユニットの位置を検出できるようにすることが要請されている。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、分析基板上の分析ユニットの位置を適切に認識することのできる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的達成のため、本発明の一実施の形態に係る分析基板は、試料の分析に用いられ、自転させた際の遠心力を利用して中心から径方向外側に送液可能な円盤状の分析基板であって、それぞれ独立して試料の分析に用いられる分析ユニットを複数有し、分析基板の一方の面の、所定の検出センサにより反射光の検出が行われる検出範囲において、所定の方向から照射される光に対する反射態様が検出範囲の他の部位と異なり、分析ユニットの位置を特定するための基準部を少なくとも一つ有する。
分析基板。
【0009】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、検出範囲が、分析基板の同一円周上の領域を含む範囲である。
【0010】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、透明樹脂材料により構成されている。
【0011】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、それぞれの分析ユニットが、試料を検出、反応、吸着、離脱、または分解する部位となる検出部を有し、基準部が、検出部よりも外縁側に配置されている。
【0012】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部が、分析基板の外縁近傍に設けられている。
【0013】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部が、所定の方向から照射された光が、所定の方向に反射しないように形成されている。
【0014】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部が凹状部である。
【0015】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部が、外径0.5〜2mmの凹状部である。
【0016】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部の凹状部の底面が、分析基板の一方の面に対して交差するように傾いた傾斜面となっている。
【0017】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部の傾斜面が、分析基板の一方の面となす角が20〜80度である。
【0018】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、基準部が、分析基板の裏面に形成されている。
【0019】
本発明の他の実施の形態に係る分析基板は、さらに、分析ユニットが廃液を集めるための廃液槽を有し、基準部は、分析基板の中心と、廃液槽とを結ぶ直線上から外れた位置に配置されている。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、分析基板上の分析ユニットの位置を適切に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板の平面図、側面図、及び裏面図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板のB−B線断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板を用いる分析装置の構成図である。
【
図6】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る分析基板のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また実施の形態の中で説明されている諸要素及びその組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0023】
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板について説明する。
【0024】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板の平面図、側面図、及び裏面図である。
【0025】
分析基板1は、液状の試料(液状物)を分析するための基板である。分析基板1は、液状物を貯留する液体槽と、液状物の流路と、液状物を検出して分析するための検出部とを備える基板2を備える。また、分析基板1は、基板2の少なくとも一部の開口を覆うように、基板2の一方の面(例えば、基板2の上面)に貼付されるカバー部材3を有する。カバー部材3は、フィルムやシートを使用することができるがこれに限らず、基板と同様に成形体であっても良い。分析基板1は、例えば、それを自転させ、遠心力を利用して中心から径方向外側に液状物を送液可能なコンパクトディスク型の基板である。基板2は、中央に穴4を有する円盤形状を有し、平面視にて16個の分析ユニット5(
図1の点線で囲まれた領域)を備える。本実施の形態では、各分析ユニット5は、同じ形態を有するが、一部若しくは全部が異なる形態であっても良い。また、分析ユニット5の数も、16個に限定されず、17個以上あるいは15個以下であっても良い。
【0026】
基板2及びカバー部材3は、特にその材質に限定は無く、また、透光性材料あるいは非透光性材料のいずれにより構成されていても良いが、好適には、樹脂やガラス等の透光性材料から成り、本実施形態ではより好適にはアクリル樹脂から成る。分析基板1を構成する基板2は、後述の基準部検出センサ28から照射される光の少なくとも一部を反射する機能を有する。このため、基板2では、光を通過するのみならず、光反射能を備えるのが好ましい。基板2及びカバー部材3は、アクリル樹脂以外の樹脂、例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等あるいはシリコーンゴムやポリジメチルシロキサン等の弾性ゴムから構成されても良い。特に、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂が好ましい。ここで、「透光性」とは、有色であるか無色であるかおよび光の透過率の多寡を問わず、光を透過させることができる意味を示している。基板2の製法は、特に限定されるものではないが、例えば、未硬化状態の材料を金型内に流し込んで成形する方法がある。
【0027】
図1に示すように、各分析ユニット5は、その領域内に検出部6を備える。検出部6は、基板2と一体的に形成されていても、あるいは別体に形成されていて基板2に着脱自在であっても良い。
【0028】
基板2の裏面側には、分析基板1の基準位置を検出するための凹状部である基準部7が形成されている。本実施の形態では、基準部7は、検出部6よりも外側の分析基板1の外縁近傍に形成されている。基準部7は、後述する分析装置25の基準部検出センサ28による反射光の検出が行われる対象となる円周状の検出範囲S上に形成されている。基準部7は、基準部検出センサ28により所定方向から照射される光を、基準部検出センサ28で検出できないように反射させる。なお、検出範囲Sの基準部7以外の部位は、基準部検出センサ28により所定方向から照射される光を、基準部検出センサ28で検出できるように反射させる。本実施の形態では、基準部7は、好ましくは、基板2の中心と、基準となる分析ユニット5の検出部6とを結ぶ直線上又はその直線の近傍に形成されている。また、基準部7は、基板2の中心と、後述する廃液槽20とを結ぶ直線から離れた位置に形成されている。廃液槽20は、比較的広い凹部であり、基板2の中心と、廃液槽20とを結ぶ直線上の領域は、基板2においては、最も軽い領域となっている。このような直線上の領域に、さらに軽くしてしまう基準部7を設けていないので、基板2の中心を軸として回転させる場合の全体のバランスが低下することを適切に抑制することができる。
【0029】
図2は、
図1中の分析ユニットの拡大図である。
【0030】
分析ユニット5は、検出部6と、液状物を貯留するための液体槽10,11と、廃液を集めるための廃液槽20とを備える。液体槽10,11及び廃液槽20は、共に、分析用基板1の表側の面から厚さ方向に窪む凹部形状を有する。廃液槽20は、分析ユニット5では、一番広い面積を占めている。液体槽10、液体槽11及び廃液槽20は、それぞれ、検出部6と、流路13、流路14及び流路21を介して接続される。また、検出部6は、流路17を介して凹部16と接続されている。これら流路13,14,17,21は、好ましくは、幅及び深さが10μm〜100μm程度の溝である。凹部16は、検出部6内の液状物の送液の際のエアーベントとなる部位である。流路13,14,17,21及び凹部16は、基板2の表側の面から厚さ方向内側に向かって窪む形状にて、基板2に設けられている。
【0031】
図3は、
図1中の領域Xの拡大図である。
【0032】
図3に示すように、分析基板1の一方の面(裏面)の外縁近傍には、基準部7が形成されている。基準部7は、円形状の開口として形成されている。基準部7の開口の外径Dは、例えば、0.5〜2mmである。
【0033】
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板のB−B線断面図である。
【0034】
基準部7の底面7Aは、
図4に示すように、分析基板1の裏面と角度θをなす傾斜面となっている。底面7Aと、分析基板1の裏面とがなす角度θは、例えば、20〜80度である。この角度θは、基準部検出センサ28により基準部7に対して照射された光の反射光を基準部検出センサ28が受光できない、又は、検出に十分な光量の反射光を受光できないような角度であれば良い。この基準部7によると、例えば、下方から垂直上方に照射された矢印Cで示す光を、下方ではなく、矢印C’に示す右下方向に反射させる。これにより、下方に配置された基準部検出センサ28は、反射光を受光することができない。一方、検出範囲Sの基準部7以外の部位においては、下方から垂直上方に照射された矢印Cで示す光は、矢印Cと反対方向に反射させるので、基準部検出センサ28は、十分な反射光を受光することができる。このため、基準部検出センサ28は、反射光の検出有無により基準部7の位置を特定することができる。基準部7は、貫通孔や切り欠きではないので、金型を用いて基準部7を有する基板2を形成する際において、フローマークや離型不良を起こす可能性がほとんどない。
【0035】
次に、分析基板1を用いて分析を行う分析装置について説明する。
【0036】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る分析基板を用いる分析装置の構成図である。
【0037】
分析装置25は、試料の分析に用いられ、分析基板1を自転させた際の遠心力を利用して、分析基板1の中心から径方向外側に送液可能な装置である。
【0038】
分析装置25は、分析基板1を接続可能な回転軸部27と、回転軸部27を回転させるモータ26とを有する。したがって、モータ26を駆動して回転軸部27を回転させることにより、分析基板1を回転(自転)させることができる。なお、モータ26の駆動は、図示しない制御装置によって制御されている。
【0039】
また、分析装置25は、分析基板1の裏面側の基準部7を検出するための基準部検出センサ28と、分析基板1の検出部6からの光を受光する受光部29とを備える。
【0040】
基準部検出センサ28は、例えば、反射式の光電センサである。基準部検出センサ28は、所定の方向(例えば、垂直上方)に光を照射し、その方向からの反射光を受光し、受光の状態を制御装置に通知する。本実施の形態では、基準部検出センサ28から照射される光が、分析基板1の裏面の検出範囲Sの一部の範囲に対して垂直下方から当たるように、基準部検出センサ28の位置が調整されている。本実施の形態では、基準部検出センサ28から照射される光が分析基板1の基準部7に当たっている場合には、基準部検出センサ28は、照射した光の反射光を検出できない一方、基準部検出センサ28から照射される光が分析基板1の検出範囲Sの基準部7以外の部位に当たっている場合には、基準部検出センサ28は、照射した光の反射光を適切に検出できる。
【0041】
基準部検出センサ28が検出した光の状態は、電気信号として制御装置に送られる。制御装置は、照射した光の反射光を受信したことを示す信号であれば、その時点に基準部検出センサ28により光が照射されている部位は、検出範囲Sの基準部7以外の部位であることを認識でき、照射した光の反射光を受信していないことを示す信号であれば、その時点に基準部検出センサ28により光が照射されている部位は、基準部7であることを認識できる。このように、制御装置では、分析基板1に形成された基準部7の位置を認識できるので、分析基板1を回転させている際に基準部7が検出される間隔に基づいて、分析基板1の回転速度を把握することができ、このように把握した回転速度に基づいて、モータ26の駆動を制御することにより、分析基板1の回転速度を適切に制御することができる。また、基準部7の位置を認識できるので、基準部7の位置と分析基板1の各分析ユニット5との位置関係に基づいて、各分析ユニット5の位置を高精度に把握することができる。従って、例えば、或る特定の分析ユニット5に液状物を導入するのを自動化したり、或る特定の検出部6へ物質を固定したりする作業を自動化したりすることができ、人為的なミスを防止できる。
【0042】
受光部29は、分析基板1の回転時に通過する検出部6を観察できるように、分析基板1の上方に配置されている。受光部29は、例えば、CCDカメラ、光電子増倍管(PMT)、フォトダイオード(PD)、有機フォトダイオード(OPD)などであり、特に、その中でもCCDカメラが好適である。受光部29による受光に基づく信号は制御装置に送信され、制御装置において、記録および解析が行われる。制御装置は、基準部検出センサ28からの信号により特定した基準部7の位置及び分析基板1の回転速度、基準部7の位置と分析基板1の各分析ユニット5との位置関係等に基づいて、受光部29による受光に基づく信号のいずれの部分がどの分析ユニット5に対応する信号であるかを高精度に識別することができる。
【0043】
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態に係る分析基板について説明する。本実施の形態では、第1の実施の形態と共通する構成部分については、同一の符号を付し、適宜、その説明を省略する。
【0044】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る分析基板のB−B線断面図である。
【0045】
基準部7の底面7Bは、光を乱反射させる面となっている。この基準部7は、下方から垂直上方に照射された矢印Cで示す光を、例えば、矢印Eに示すように乱反射させる。これにより、基準部検出センサ28が下方から基準部7に光を照射した際に、十分な光量の反射光を受光することができない。一方、検出範囲Sの基準部7以外の部位においては、下方から垂直上方に照射された光は、反対方向に反射されるので、基準部検出センサ28は、十分な反射光を受光することができる。このため、基準部検出センサ28からの信号を受信する制御装置は、基準部7の位置を適切に特定することができる。
【0046】
<他の実施の形態>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
【0047】
例えば、第1及び第2の実施の形態においては、分析基板1は、基準部7を1つ備えるようにしていたが、基準部7を2つ以上設けるようにしても良い。例えば、分析ユニット5のそれぞれに対応する位置に基準部を設けるようにしても良い。また、基準部7を設ける位置は、基板の裏面に限らず、表面であっても良いし、基板の外縁部に限らず、内周部であっても良い。さらに、基準部7は、凹形状に限らず、凸形状であっても良い。
【0048】
また、第1及び第2の実施の形態においては、基準部7は、照射された方向(基準部検出センサ28が受光可能な方向)に十分な光を反射させないようにし、検出範囲Sの基準部7以外の部分は、照射された光をその方向に反射させるようにしていたが、基準部7のみが照射された方向(基準部検出センサ28が受光可能な方向)に光を反射し、検出範囲Sの基準部7以外の部分が、照射された光をその方向に反射させないようにしても良い。すなわち、所定の方向から照射される光に対する、基準部検出センサ28が受信可能な方向に反射するか否かに関する反射態様が、基準部7と、検出範囲Sの基準部7以外の部位とで異なっていれば良い。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、液状物の分析を行うための分析基板として利用できる。
【符号の説明】
【0050】
1 分析基板
2 基板
3 カバー部材
5 分析ユニット
6 検出部
7 基準部
7A 底面(傾斜面)
20 廃液槽
28 基準部検出センサ(検出センサ)