(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターと、
前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記外壁面から離れる方向に突出する全長が30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とから成り、前記セパレーターの先端部に固定されて使用される金属製棒状体と、
内部に植物の根が生育可能な材料を収容可能な格子状の枠体から成る箱状体と、
前記凹部の周囲の外壁面に当接して使用される板状部分と、前記板状部分の略中央に形成され前記金属製棒状体の頭部が挿通可能な挿通孔と、前記板状部分に対して前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部であって前記箱状体の格子状枠体中の任意の部分を引っ掛けるための鉤部とを有し、前記外壁面に当接する板状部分と前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部とにより平面の全体がコの字状に形成されている、壁面緑化システム用の金属製壁面当接体と、
前記壁面当接体を、前記壁面当接体の板状部分が前記外壁面に対し当接かつ押圧された状態で固定されるように、前記金属製棒状体に固定するためのナットと、
を含み、前記板状部分が建物外壁面に当接かつ固定されている前記壁面当接体の鉤部に前記箱状体の格子状枠体を引っ掛けることにより構成される、壁面緑化システム。
本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターと、
前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記外壁面から離れる方向に突出する全長が30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とが一体的に形成されて成る金属製棒状体と、
前記凹部の周囲の外壁面に当接して使用される板状部分、前記板状部分に形成され前記金属製棒状体の頭部が挿通可能な挿通孔であってその平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状である挿通孔、及び前記板状部分に対して前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部であって内部に植物の根が生育可能な材料を収容可能な箱状体の一部を引っ掛けるための鉤部、を有する金属製の壁面当接体と、
前記壁面当接体を、前記壁面当接体の板状部分が前記外壁面に対し押圧された状態で固定されるように、前記金属製棒状体に固定するためのナットと、
を含む、壁面緑化システム。
本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターと、
前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記外壁面から離れる方向に突出する全長が30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とが一体的に形成されて成る金属製棒状体と、
前記凹部の周囲の外壁面に当接して使用される板状部分、前記板状部分に形成され前記金属製棒状体の頭部が挿通可能な挿通孔であってその平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状である挿通孔、及び前記板状部分に対して前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部、を有する金属製の壁面当接体と、
前記壁面当接体を、前記壁面当接体の板状部分が前記外壁面に対し押圧された状態で固定されるように、前記金属製棒状体に固定するためのナットと、
を含む、金属製引っ掛け用具。
前記金属製棒状体の頭部が挿通可能とされた、前記壁面当接体の前記板状部分に形成された挿通孔は、その平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状に形成されており、前記金属製棒状体の頭部を、前記壁面当接体の長穴状の挿通孔に挿通した状態で、前記挿通孔が長穴状に延びる斜め方向に沿って移動させることより、前記金属製棒状体の鉤部の位置を外壁面に対して調整可能とした、請求項1又は2に記載の壁面緑化システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図11に示す従来の壁面緑化システムにおいては、各緑化パネルの外壁面への取付に際しては、まずH形鋼を矩形に組んだ枠を外壁面と対向するように立設し、その後、前記枠に鋼製の支持桁31を複数段重ねて水平に取り付け、さらに前記各支持桁31に各植栽容器32を横方向に並べるなどの作業が必要であるが、そのようなH形鋼や支持桁などの調達及びその設置等の作業のためには極めて多額の材料及び作業コストが発生してしまう。
【0006】
このように、従来の壁面緑化システムにおいては、緑化パネルが落下しないように建物外壁面に強固に取り付ける等の必要から極めて多額の材料及び作業コストが掛かってしまうという問題があった。また上記は緑化パネルを外壁面に引っ掛ける場合であるが、従来技術においては、他の有体物を壁面(内壁面をも含む)に引っ掛ける場合も同様の問題があった。
【0007】
本発明はこのような従来技術の問題点に着目して為されたものであって、緑化パネルの建物外壁面への取り付け等のための材料コスト及び作業コストを従来と比較して大幅に低減しながら緑化パネルを外壁面に容易に且つ安定的に取り付けることができる壁面緑化システム及び方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記のような外壁面緑化の目的だけではなく、より一般的に、建物の壁面(内壁面をも含む)に所望の有体物を低コストで効率的且つ安定的に引っ掛けることを可能にする金属製引っ掛け用具及び壁面への有体物引っ掛け方法を提供することをも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による壁面緑化システムは、本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターと、前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記外壁面から離れる方向に突出する全長が30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とから成り、前記セパレーターの先端部に固定されて使用される金属製棒状体と、内部に植物の根が生育可能な材料を収容可能な格子状の枠体から成る箱状体と、前記凹部の周囲の外壁面に当接する板状部分と、前記板状部分の略中央に形成され前記金属製棒状体の頭部が挿通可能な挿通孔と、前記板状部分に対して前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部であって前記箱状体の格子状の枠体中の任意の部分を引っ掛けるための鉤部とを有し、前記外壁面に当接する板状部分と前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部とにより平面の全体がコの字状に形成されている、壁面緑化システム用の金属製壁面当接体と、前記壁面当接体を、前記壁面当接体の板状部分が前記外壁面に対し当接かつ押圧された状態で固定されるように、前記金属製棒状体に固定するためのナットと、を含み、前記板状部分が建物外壁面に当接かつ固定されている前記壁面当接体の鉤部に前記箱状体の格子状枠体を引っ掛けることにより構成されるものである。
【0009】
また、本発明による壁面緑化システムは、本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターと、前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記外壁面から離れる方向に突出する全長が30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とが一体的に形成されて成る金属製棒状体と、前記凹部の周囲の外壁面に当接する板状部分、前記板状部分に形成され前記金属製棒状体の頭部が挿通可能な挿通孔であってその平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状である挿通孔、及び前記板状部分に対して前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部であって内部に植物の根が生育可能な材料を収容可能な箱状体の一部を引っ掛けるための鉤部、を有する金属製の壁面当接体と、前記壁面当接体を、前記壁面当接体の板状部分が前記外壁面に対し押圧された状態で固定されるように、前記金属製棒状体に固定するためのナットとを含むものである。
【0010】
また、本発明による壁面緑化システムに用いるのに適した金属製引っ掛け用具は、本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターと、前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記外壁面から離れる方向に突出する全長が30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とが一体的に形成されて成る金属製棒状体と、前記凹部の周囲の外壁面に当接する板状部分、前記板状部分に形成され前記金属製棒状体の頭部が挿通可能な挿通孔であってその平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状である挿通孔、及び前記板状部分に対して前記外壁面から離れる方向に突出する鉤部、を有する金属製の壁面当接体と、前記壁面当接体を、前記壁面当接体の板状部分が前記外壁面に対し押圧された状態で固定されるように、前記金属製棒状体に固定するためのナットと、を含むものである。
【0011】
また、本発明による壁面緑化システムにおいては、前記金属製棒状体の頭部が挿通可能とされた、前記壁面当接体の前記板状部分に形成された挿通孔は、その平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状に形成されており、前記金属製棒状体の頭部を、前記壁面当接体の長穴状の挿通孔に挿通した状態で、前記挿通孔が長穴状に延びる斜め方向に沿って移動させることより、前記金属製棒状体の鉤部の位置を外壁面に対して調整可能としたものであってもよい。
【0012】
また、本発明による壁面緑化システムは、建物の外壁から突設された金属製引っ掛け用具と、内部に植物の根が生育可能な材料が収容される箱状体であって、前記金属製引っ掛け用具の前記壁面当接体の鉤部に載置又は係止可能な部材を含む箱状体と、を備えたものである。
【0013】
また、本発明による壁面緑化システムにおいては、前記箱状体の外周部には、前記金属製引っ掛け用具を構成する前記壁面当接体の鉤部に載置又は係止可能な部材として、前記鉤部を外部から自らの内部に挿通可能な孔又は開口部が複数形成されており、前記鉤部は、前記箱状体の複数の孔又は開口部の縁部を載置又は係止可能な形状に形成されるようにしてもよい。
【0014】
また、本発明による壁面緑化システムにおいては、前記金属製引っ掛け用具を構成する前記金属製棒状体の頭部が挿通可能とされた前記壁面当接体の板状部分の挿通孔は、その平面が重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状に形成されており、前記金属製棒状体の頭部を、前記壁面当接体の長穴状の挿通孔に挿通した状態で、前記挿通孔が長穴状に延びる斜め方向に沿って移動させることより、前記金属製棒状体の鉤部の位置を外壁面に対して調整(位置決め)可能とされるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明による建物の壁面に有体物を引っ掛ける方法は、その本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって約10mm以上延びた位置であって壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターに対して、前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記壁から離れる方向に突出する全長が約30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用の部分に雄ネジが形成されている頭部とが一体的に形成されて成る金属製棒状体を用意するステップ、前記コンクリート型枠セパレーターの先端部に対して、前記金属製棒状体の胴体部の雌ネジ穴を螺合して締結するステップ、前記金属製棒状体の頭部の前記仮想平面から外側に突出した部分を、「板状部分と、前記板状部分の略中央に形成された挿通孔とを含む金属製の壁面当接体」の前記挿通孔に挿通させ、前記板状部分を壁面に当接又は対向させるステップ、及び前記壁面当接体が前記壁面に当接又は対向された状態で固定されるように、前記壁面当接体及び前記金属製棒状体の前記頭部に対してナットを前記壁面方向に螺合し締結するステップ、を含むものである。
【0016】
さらに本発明による建物の外壁面に緑化パネルを取り付ける方法は、その本体部が建物のコンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)され、その先端部が、外壁面から内部方向に窪むように形成された凹部の壁内部側(奥側)の面(以下「奥側面」という)から、前記奥側面から外側方向に向かって約10mm以上延びた位置であって外壁面に略平行な仮想平面よりも内部側の位置まで突出し、前記先端部には雄ネジが形成されている、コンクリート型枠セパレーターに対して、前記奥側面と前記仮想平面との間の距離と略一致する長さを有する胴体部であって前記セパレーターの先端部の雄ネジを螺入させる雌ネジ穴を有する胴体部と、前記胴体部の前記仮想平面側の端部から前記壁から離れる方向に突出する全長が約30mm以上の、前記胴体部よりも細長い頭部であって、その外周面中のナット等による締結用部分に雄ネジが形成されている頭部とが一体的に形成されて成る金属製棒状体を用意するステップ、前記コンクリート型枠セパレーターの先端部に対して、前記金属製棒状体の胴体部の雌ネジ穴を螺合して締結するステップ、前記金属製棒状体の頭部の前記仮想平面から外側に突出した部分を、「板状部分と、前記板状部分の略中央に形成された挿通孔と、前記板状部分から外側方向に突出する鉤部とを含む金属製の壁面当接体」の前記挿通孔に挿通させ、前記壁面当接体の板状部分を外壁面に当接又は対向させるステップ、前記壁面当接体が前記外壁面に当接又は対向された状態で固定されるように、前記金属製棒状体の頭部に対してナットを前記外壁面方向に螺入し締結するステップ、及び「内部に植物の根が生育可能な材料が収容される箱状体であって、その外周側に複数の孔又は開口部の縁部を有する箱状体」の前記縁部を、前記外壁面に固定された前記壁面当接体の鉤部に、載置又は係止するステップ、を含むものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、コンクリート製の壁の内部に埋設(埋め殺し)されたコンクリート型枠セパレーターの先端部であって壁面の凹部内で外側方向に突出する先端部(外周面に雄ネジが形成されている)に対して、金属製棒状体の胴体部(雌ネジ穴が形成されている)を螺合して固定し、これにより、前記金属製棒状体の前記胴体部から外側方向に突出する細長い頭部(前記胴体部と一体形成されている)を、壁面から外側方向に突設させるようにしている。よって、本発明によれば、コンクリート製壁の内部に埋設(埋め殺し)されたセパレーターのコンクリート壁から露出した端部に強固に締結された状態で壁面から安定的に突出する金属製棒状体(有体物を、直接に又は他の部材を介して、引っ掛けるために利用するのに適した棒状体)を、低コストで且つ効率的に、壁面に設置できるようになる。また、本発明によれば、前記金属製棒状体の前記セパレーター先端部への螺合・締結を解除させるという単純な作業を行うだけで(コンクリート壁を毀損することなく)、前記の壁面から突出する金属製棒状体を取り外し、壁面を、突出物(金属製棒状体)がない通常の壁面の状態に復帰させることができる。
【0018】
また本発明において、さらに、前記金属製棒状体の前記胴体部から外側方向に突出する頭部(前記胴体部と一体形成されている)を前記壁面当接体の挿通孔に挿通させ、前記壁面当接体の板状部分(前記挿通孔の周辺部分)を壁面に当接又は対向させ、さらに、前記壁面当接体が壁面に押圧されながら固定されるように、前記金属製棒状体の頭部に対してナットを螺合し締結したときは、前記金属製棒状体が、前記セパレーターだけでなく前記の壁面とこれに押圧固定された壁面当接体によっても支持されることになる結果、前記金属製棒状体を前記壁面に対してより強固に且つ安定的に支持できるようになる。また、本発明によれば、前記ナットを取り外して、前記壁面当接体を取り外し、さらに前記金属製棒状体を前記セパレーター先端部から取り外すという単純な作業を行うだけで(コンクリート壁を毀損することなく)、前記建物壁面から突出する金属製棒状体を取り外して、壁面を、突出物(金属製棒状体)がない通常の壁面の状態に復帰させることができる。
【0019】
また、本発明において、前記壁面当接体に外側方向に突出する鉤部を備えるようにしたときは、前記壁面当接体の鉤部に有体物を載置又は係止するだけで、有体物の壁面への取り付けを行えるようになる。
【0020】
また、本発明において、前記壁面当接体の前記板状部分に形成された挿通孔を、重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状に形成したときは、前記金属製棒状体の頭部に対して前記壁面当接体の挿通孔を前記長穴に沿って移動させるだけで、容易に、前記壁面当接体の鉤部の前記頭部すなわち壁面に対する位置を、調整(前記鉤部の壁面に対する位置決め)できるようになる。
【0021】
また、本発明に係る壁面緑化システムにおいて、「内部に植物の根が生育可能な材料が収容される箱状体であって、前記金属製引っ掛け用具の前記壁面当接体の鉤部に載置又は係止可能な部材を含む箱状体」を使用するときは、前記箱状体の前記「鉤部に載置又は係止可能な部材」(例えば、前記箱状体の外周部を構成する複数の孔又は開口部の縁部)を前記鉤部に載置又は係止するという短時間に行える簡単な作業だけで、容易に、緑化パネルを外壁面に取り付けることができる。また、本発明によれば、前記ナットを前記頭部から取り外し、前記壁面当接体を前記頭部から取り外し、さらに前記金属製棒状体を前記セパレーターの先端部から取り外すという単純な作業を行うだけで(コンクリート壁を毀損することなく)、前記建物壁面から突出する金属製棒状体を取り外して、壁面を、突出物(金属製棒状体)がない通常の壁面の状態に復帰させることができる。
【0022】
また、本発明に係る壁面緑化システムにおいて、前記壁面当接体の前記板状部分に形成された挿通孔を、重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状に形成したときは、前記挿通孔を前記金属製棒状体の頭部に挿通させた状態で前記長穴状に沿って移動させるだけで、前記金属製棒状体の鉤部の外壁面に対する位置調整(位置決め)が容易にできるようになる。
【0023】
また、本発明による建物の壁面に有体物を引っ掛ける方法によれば、コンクリート製壁の内部に埋設されたコンクリート型枠セパレーターを基部として強固に且つ安定的に壁面から突出する金属製棒状体(有体物を、直接に又は他の部材を介して、引っ掛けるために利用するのに適した棒状体)を、低コストで且つ極めて容易に、壁面に設置できるようになり、さらに、前記金属製棒状体が前記の壁面に対して押圧固定された壁面当接体及びナットによっても支持されるので、前記金属製棒状体を前記壁面に対してより強固に且つ安定的に支持できるようになる。
【0024】
さらに本発明による建物の外壁面に緑化パネルを取り付ける方法においては、コンクリート製壁の内部に埋設されたコンクリート型枠セパレーターを基部として強固に且つ安定的に外壁面から突出する金属製棒状体であって有体物を引っ掛けるために利用可能な金属製棒状体を、低コストで且つ極めて容易に、外壁面に設置できるようになり、さらに、前記金属製棒状体が前記の外壁面に対して押圧固定された壁面当接体及びナットによっても支持されるので、前記金属製棒状体を前記外壁面に対してより強固に且つ安定的に支持できるようになる。よって、本発明によれば、前記のように外壁面に対してより強固に且つ安定的に支持された金属製棒状体の鉤部に「緑化パネルを構成する箱状体の複数の孔又は開口部の縁部」を載置又は係止するという短時間内の簡単な作業を行うだけで、緑化パネルを外壁面に容易に取り付けられるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
[実施形態1]
以下、本発明の実施形態1を
図1Aないし1Cを用いて説明する。
図1A及び
図1Bは、本発明の実施形態1において壁面(内壁面をも含む)から「有体物を、直接に又は他の部材を介して、引っ掛けるために利用するのに適した棒状体」を突設するための構成及び動作を説明するための図である。
【0027】
図1A(a)は従来から使用されているコンクリート打設用の型枠固定用セパレーターとその使用方法を説明する図である。
図1A(a)において、1はコンクリート打設時に各堰板4の間隔を確保するために使用される、従来より公知のセパレーターと同一形状の金属製セパレーター(但し、従来例と異なって、コンクリートとの接着性の良好な素材によりコーティングする等の防錆及び防水処理が外表面に施されたセパレーター)、1a,1bは前記セパレーター1の左右両端部(外周部にはそれぞれ雄ネジが形成されている)、2a,2bは前記セパレーター1の雄ネジが形成された端部1a,1bがそれぞれ螺合(螺入)されるネジ孔を備えたプラスチックコーン(Pコン)、3は前記各プラスチックコーン2a,2bの端部よりも数mm〜数cmだけ壁内部側(建物内部側)にそれぞれ配置される止水盤、4は前記各プラスチックコーン2a,2bの外側面にそれぞれ配置される堰板、5は雄ネジが形成された棒状の端部5aを介して前記プラスチックコーン2a,2bとそれぞれ固定される型枠締付けボルト(図示しない支保工と接続されて各堰板4を前記セパレーター1方向に押圧しながら支持するもの)である。
【0028】
このような従来のセパレーター1を使用するときは、従来は、コンクリート打設後は、セパレーター1及び止水盤3はコンクリート中に埋め殺しにされるがプラスチックコーン2a,2bは取り除かれていた(取り除いた後の凹状空洞部にはモルタル等が埋められていた)。なお、従来は、前述のような本体部がコンクリート中に埋設(埋め殺し)されたセパレーター1を利用して、建物の外壁面から例えば棒状又は鉤状の支持部材を突設することは、全く想定されていなかった。
【0029】
次に、
図1A(b)、同(c)及び
図1Bを参照して本実施形態1に係る引っ掛け用具を説明する。本実施形態1において、
図1A(a)に関して前述した従来のコンクリート型枠セパレーターと同じ形状のセパレーター1を使用して、前記各堰板4間の空間(
図1Aの符号A参照。)内にコンクリートを打設し、その後、堰板4、及びPコン2a,2bを取り除くと、
図1A(b)に示すようなコンクリート壁10が形成される。このコンクリート壁10には、前記プラスチックコーン2a,2bを取り除いた後の図示左右の各部分に、それぞれ、凹状の各空洞部(凹部)41が形成される。
【0030】
これらの各空洞部41内では、それぞれ、前記セパレーター1の図示左右の各端部1a,1bが、前記各空洞部41内の内部側(奥側)の奥側平面41aから、外側方向に突出している。前記セパレーター1の各端部1a,1bは、その先端が、前記奥側平面41aと前記空洞部41の外壁平面と平行な仮想平面41bとの間の距離(
図1A(b)の符号a参照)よりも短い距離、例えば約10〜15mm(より望ましくは約12.5mm)だけ、前記奥側平面41aから突出するように、形成されている(
図1(c)も参照。従来のセパレーターの端部が前記各凹部41内に突出するときの状態と同じである)。すなわち、前記セパレーター1の各端部1a,1bの先端は、従来と同様に、前記奥側平面41aから、前記奥側平面41aと前記各空洞部41の外側の壁面10aと平行な仮想平面41bとの中間の位置まで、突出している。
【0031】
前記各空洞部41の中、
図1Aの図示左側の内壁面側の空洞部41は、従来と同様にモルタル(
図1B(a)の符号43を参照)で埋められる。他方、
図1Aの図示右側の外壁面側の空洞部41内では、
図1A(b)の矢印Bで示すように、前記奥側平面41aから突出するセパレーター1の端部1bに、
図1A(c)に示すような金属製棒状体11の胴体部11aが締結、装着される。
【0032】
ここで、前記金属製棒状体11の構成を、
図1A(c)及び
図1Cを参照して説明する。
図1A(c)は金属製棒状体11の構成を示す側面図であって一部(図中の符号Cで示す部分)を断面とする側面図、
図1C(a)〜(c)は金属製棒状体11を示す斜視図である。
図1A(c)及び
図1Cにおいて、11aは前記セパレーター1の図示右側端部1bに螺合される胴体部、11bは前記胴体部11aの図示右側の端部の端面11acから前記セパレーター1から離れる方向に突出するように前記胴体部11aと一体的に形成される細長い頭部である。
【0033】
前記胴体部11aには、前記セパレーター端部1b側と対向する端面から自らの内部方向に延びるネジ穴11aaが形成されている。前記胴体部11aは軸方向と直交する方向の外周断面が円形であるが、前記胴体部11a中の前記頭部11bに近い部分(軸方向が数mm程度の部分)11abだけは、その外周断面が、前記胴体部11aの締結用工具による締結が容易となるように、六角形状に形成されている。
【0034】
他方、前記頭部11bの外周面には、雄ネジが形成されている。なお、前記頭部11bの外周面の全体の中で前記雄ネジが形成される部分は、ナット(
図1B(b)の符号27参照)等による締結のために使用される部分だけであってもよい。特に、前記頭部11bの外周面中の、前記胴体部11aの端面11baとの境界(前記胴体部11aの図示右側の端面)から約5mmまでの範囲内の境界近傍部分11acには、後述のように壁面当接体の板状部分(
図1B(b)の符号21a参照)が配置される(よって前記ナットは配置されない)ので、前記境界近傍部分11acには、雄ネジが形成されていなくてもよい。
【0035】
なお、
図1A(c)において、前記胴体部11aの軸方向の長さa(前記奥側平面41aと、前記空洞部41の外壁平面41bに平行な仮想平面41bとの間の距離と一致する)は例えば25mm、前記胴体部11aの軸方向と直交する方向の長さ(直径)は例えば15mm、前記頭部11bの軸方向の長さbは例えば40mm、前記頭部11bの軸方向と直交する方向の長さ(直径)は例えば9mm、前記頭部11bの外周面中の後述の壁面当接体の板状部分が配置される部分(前述のようにネジ穴が形成されない、前記胴体部11aの図示右側の端面すなわち前記胴体部11aとの境界の近傍部分)の軸方向の長さcは例えば5mmである。
【0036】
図1B(a)は、前述のような金属製棒状体11の胴体部11aを、前記セパレーター1の端部1bに螺合し締結した状態を示している。このとき、前述のように、前記胴体部11aの軸方向の長さaが、「前記奥側平面41aと前記空洞部41の外壁平面41bに平行な仮想平面41bとの間の距離」と一致している結果、
図1B(a)に示すように、前記胴体部11aの外壁側の端面11acは、前記空洞部41の外壁面10aと平行な仮想平面41bと同一平面となるように配置される。
【0037】
次に、本実施形態1において使用する取付金具(壁面当接体)21の構成を
図4,5を参照して説明する。
図4において、21は例えば鉄製で表面を防水・防錆処理のため亜鉛メッキされている取付金具(壁面当接体)、21aは前記取付金具(壁面当接体)21の背面部(板状部分。建物外壁面に対向又は当接する平板状部分)、21bは前記背面部(板状部分)21aの左右の側面部、22は前記背面部(板状部分)21aの略中央部に形成された図示斜め方向に延びる(例えば重力方向に対して約30〜60度、例えば約45度だけ斜め方向に延びる)挿通孔(長穴)、23,24は前記両側面部21bの前方側(外壁面から離れる側)の各端部における上方及び下方の各位置にそれぞれ形成された鉤部(鉤状切欠部)である。前記鉤部23,24は、それぞれ、例えば緑化パネルなどの有体物の一部(望ましくは水平方向に延びる棒状の物体)を受け入れる(挿通させる)挿通部23a,24aと、前記有体物の一部を載置し係止する載置部23b,24bとを含んでいる。
【0038】
本実施形態1では、
図1B(b)に示すように、前記金属製棒状体11の頭部11bに対して、前記取付金具(壁面当接体)21の挿通孔(長穴)22を挿通させ、前記頭部11bを前記挿通孔(長穴)22の長手方向に沿って相対的に移動させて位置調整した後、前記取付金具(壁面当接体)21の背面部(板状部分)21aを外壁面10a及び前記胴体部11aの端面11acに当接させる(前記背面部(板状部分)21aは、摩擦抵抗を高めるために、ゴム製シートを介して前記外壁面10a及び端面11acに押圧、対向させるようにしてもよい)。
【0039】
次に、本実施形態1では、
図1B(b)及び(c)、及び
図5に示すように、ナット27を、ワッシャー27aを介して前記金属製棒状体11の頭部11bに螺合し、前記金属製棒状体11を前記外壁面10aに押圧した状態で締結する。これにより、前記金属製棒状体11は、前記セパレーター1によって支持されるだけでなく、前記取付金具(壁面当接体)21及び外壁10(前記取付金具(壁面当接体)21と外壁10との間の摩擦力)によっても、安定的に支持されるようになる(なお、前記取付金具(壁面当接体)21と外壁10との間の摩擦力を高めるため、前記取付金具(壁面当接体)21と外壁10との間にゴム製シート(後述の
図7〜9参照)を介在させることが望ましい)。
【0040】
以上により、本実施形態1による金属製引っ掛け具のコンクリート外壁10への設置が完了する。本実施形態1においては、前述のような外壁面10aから突出する前記金属製棒状体11の頭部11bを、有体物を引っ掛けるために利用するか、又は有体物を引っ掛ける鉤部などの部材を有する取付金具(壁面当接体。
図1B(b)及び
図5の符号21参照)を外壁面に取り付けるために使用することができる。
【0041】
よって、本実施形態1によれば、コンクリート製外壁の内部に埋設(埋め殺し)されたセパレーター1の空洞部41内でコンクリート壁から露出した端部1bに強固に締結された状態で外壁面10aから安定的に突出する金属製棒状体11を、低コストで且つ極めて容易に、外壁面10aに設置できるようになる(なお、前記金属製棒状体11は、有体物を引っ掛けるために利用するか、又は有体物を引っ掛ける鉤部23,24などの部材を有する取付金具(壁面当接体)21(
図5など参照)を外壁面に取り付けるために使用するものである)。また、本実施形態1によれば、前記金属製棒状体11の前記セパレーターの端部1bへの螺合を取り外すという単純な作業を行うだけで、前記外壁面10aから突出する金属製棒状体11を取り外し、外壁面10aを、突出物(金属製棒状体11)がない通常の外壁面の状態に復帰させることができる。
【0042】
また本実施形態1においては、さらに、前記金属製棒状体11の前記胴体部11aから外側方向に突出する頭部4bを前記取付金具(壁面当接体)21の挿通孔(長穴)22に挿通させ、前記取付金具(壁面当接体)21の背面部(板状部分21a。前記挿通孔22の周辺部分)を外壁面10aに当接させ、且つ前記取付金具(壁面当接体)21が前記壁面にナットにより押圧されるように、前記金属製棒状体11の前記雄ネジが形成された頭部11bに対してナット27を螺入し固定している。よって、本実施形態1によれば、前記金属製棒状体11は、前記セパレーター1によってだけでなく、外壁面10aに押圧固定された取付金具(壁面当接体)21及びナット27によっても支持されるので、前記金属製棒状体11を、外壁面10aに対してより強固に且つ安定的に支持できるようになる。また、本実施形態1によれば、前記ナット27を取り外して、前記取付金具(壁面当接体)21を取り外し、さらに前記金属製棒状体11を前記セパレーターの端部1bから取り外すという単純な作業を行うだけで(コンクリート壁を毀損することなく)、外壁面10aを、突出物(金属製棒状体11の頭部11b)がない通常の壁面の状態に復帰させることができる。
【0043】
また、本実施形態1においては、前記取付金具(壁面当接体)21に外側方向に突出する鉤部23,24を形成するようにしているので、前記取付金具(壁面当接体)21の鉤部23,24に有体物を載置又は係止するだけで、有体物の外壁面10aへの取り付けを行えるようになる。
【0044】
また、本実施形態1においては、前記取付金具(壁面当接体)21の前記背面部(板状部分)21aに形成された挿通孔(長穴)22を、重力方向に対して斜め方向に延びる長穴状に形成しているので、前記取付金具(壁面当接体)21の挿通孔22に挿通された金属製棒状体11の頭部11bを前記挿通孔22の長穴形状に沿って相対的に移動させるだけで、容易に、前記取付金具(壁面当接体)21の鉤部23,24の外壁面10aに対する位置を調整である(前記鉤部23,24を外壁面10aに対する位置決めできる)ようになる。
【0045】
[実施形態2]
次に、本発明の実施形態2に係る壁面緑化システム及び方法を
図2,3を参照して説明する。なお、本実施形態2においても前記実施形態1と同様の金属製引っ掛け用具を外壁に設置しているが、この点は、前記実施形態1で説明したので、以下では説明を省略する。
図2は本実施形態2の緑化パネルとなる箱状体16の一例を示す斜視図、
図3は前記箱状体16の正面図である。前記箱状体16は、
図2及び
図3に示すように、例えば表面が亜鉛メッキされその上にビニールコーティングされた鉄製の棒状体(ワイヤ)17を例えば50mm間隔で互いに縦横方向に平行に延びる略格子状(又は略ネット状)に組み合わせて溶接等で固定し、全体として略箱状(上方は開放されている略箱状)に形成したものである。このように、前記箱状体16は、鉄製の棒状体17を略格子状に組み合わせて形成しているので、後述する取付金具(壁面当接体)の一部を箱状体16の内部に挿通、挿入するための孔又は開口部(窓部、空間部など)が多数、存在している。なお前記箱状体16の平面は例えば600〜900mmの略正方形である。
【0046】
なお、この箱状体16を使用して緑化パネルを構成するときは、例えば、前記箱状体16の底面、背面(建物の外壁面10aと対向する面)及び両側面の外周側を例えばロックウール、スポンジその他の水透過性を有する素材で覆い、その後、前記箱状体16内に水苔その他の培養土を収容し(敷き詰めて)、その後、前記箱状体16の前面側から前記培養土中に植物を植栽する。なお、
図2,3において、符号17aは前記箱状体16(格子状体)の上方端部を構成する棒状体(後述する取付金具(壁面当接体)21の上方の鉤部23に取り付けられる部分。
図6参照)、符号17bは前記箱状体16(格子状体)の下方端部を構成する棒状体(後述する取付金具(壁面当接体)21の下方の鉤部24に取り付けられる部分。
図6参照)である。
【0047】
次に、本実施形態2において、前記箱状体16(緑化パネル)を、前記外壁面10aから突出した前記金属製棒状体11の頭部11bに取り付けるための取付金具(壁面当接体)21について説明する。この取付金具(壁面当接体)21については、前記実施形態1に関して
図1A(c)、
図1C、
図4、及び
図5などを参照して説明したものと同一である。なお
図4において、前記鉤部23は、前記箱状体16の上端部を構成する棒状体17a(
図2,3参照)を受け入れる(挿通させる)挿通部23aと、前記棒状体17aを載置し係止する載置部23bとを含んでいる。また前記鉤部24は、前記箱状体16の下端部を構成する棒状体17b(
図2,3参照)を受け入れる(挿通させる)挿通部24aと、前記棒状体17bを載置し係止する載置部24bとを含んでいる。
【0048】
本実施形態2においては、前記実施形態1と同様に、前記取付金具(壁面当接体)21の背面部(板状部分)21aの略中央部に、重力方向に対して斜め方向に延びる挿通孔(長穴)22が、形成されている。よって、本実施形態2では、前記取付金具(壁面当接体)21を前記外壁面10aから突出する前記金属製棒状体11の頭部11bに固定するとき、
図5に示すように、前記金属製棒状体11の頭部11b(外壁面10aから突出する部分)を前記挿通孔(長穴)22に挿通した後、その挿通孔(長穴)22中で前記頭部11bを前記斜め方向に相対的に移動させる(
図5の矢印α参照)ことにより、前記頭部11bに対する取付金具(壁面当接体)21の上下方向及び左右方向の位置(よって外壁面10aに対する緑化パネルの位置)を調整しながら位置決めすることができる。前記取付金具(壁面当接体)21は、前述のように位置決めされた後、
図5に示すナット27及びスプリングワッシャ(
図1B(b)の符号27a参照)などにより前記金属製棒状体11の頭部11b(雄ネジが形成されている)に固定される。
【0049】
なお、前述のように、本実施形態2では、前記箱状体16の上端及び下端部分の各棒状体17a,17b(
図2,3参照)が、それぞれ、前記取付金具(壁面当接体)21の各鉤部23,24中の挿通部23a,24aに挿入され、さらにその下方の載置部23b,24bに載置、係止される。
図4,5において、25,26は前記箱状体16の上端及び下端部をそれぞれ構成する各棒状体17a,17b(
図2,3参照)が前記各挿通部23a,24aに挿通されるとき、一緒に、前記箱状体16の各孔(各棒状体17の間の隙間である開口部)から前記箱状体16の内部に挿通、挿入される部分である。
【0050】
すなわち、本実施形態2では、
図6(a)に示すように、箱状体16の上端部の外壁面10a側を構成する棒状体17aは、取付金具(壁面当接体)21の図示下方の挿通部23a内に挿通、挿入され更に図示右方向に移動した後(
図6(b)参照)、下降されることにより、前記鉤部23の下方の載置部23b上に載置、係止される(
図6(c)参照)。また、
図6(a)に示すように、箱状体16の下端部の外壁面10a側を構成する棒状体17bは、取付金具(壁面当接体)21の図示上方の挿通部24a内に挿通、挿入され更に図示右方向に移動した後(
図6(b)参照)、下降されることにより、前記鉤部24の下方の載置部24b上に載置、係止される(
図6(c)参照)。このとき、前記各部分25,26も前記棒状体17a,17bと一緒に、前記箱状体16の各孔(各棒状体17の間の隙間である開口部)から前記箱状体16の内部に挿通、挿入される(
図6(b)参照)。以上の動作により、「前記金属製棒状体11の頭部11b(外壁面から突出した部分)に前記ナット27(
図1B(c)、
図5参照)等で固定された取付金具(壁面当接体)21」を介しての、緑化パネル(箱状体16)の外壁面10aへの取付けが行われる。
【0051】
図7〜
図10はこのようにして、緑化パネル(箱状体16)の外壁面10aへの取付けが行われた後の状態を示す斜視図である。すなわち、
図7〜10では、外壁面から突出する前記金属製棒状体11の頭部11bを、前記取付金具(壁面当接体)21の挿通孔(長穴)22内で相対的に移動させつつ調整することにより緑化パネルの外壁面10aに対する位置を調整した後の様子が示されている(特に
図7,8,9など参照)。なお、
図7〜9では、前記取付金具(壁面当接体)21と外壁10との間の摩擦力を高めることにより、前記金属製棒状体11を外壁面10aに対してより安定的に支持できるようにするため、前記取付金具(壁面当接体)21と外壁10との間にゴム製シートが介在させられている。
【0052】
また、
図7〜10では、前記箱状体16の上端部(上端部の外壁面側)を構成する棒状体17a(
図6(a)参照)が、取付金具(壁面当接体)21の挿通部23a内に挿通、挿入された後(
図6(b)参照)、下降されて載置部23b上に載置、係止されている状態(
図6(c)参照)、及び、このとき前記鉤部23の下方部分25が前記箱状体16の孔(各棒状体17の間の隙間である開口部)から前記箱状体16の内部に挿通、挿入されている状態が示されている。
【0053】
また同様に、
図7〜10では、前記箱状体16の下端部(下端部の外壁面側)を構成する棒状体17b(
図6(a)参照)が、取付金具(壁面当接体)21の挿通部24a内に挿通、挿入された後(
図6(b)参照)、下降されて載置部24b上に載置、係止されている状態(
図6(c)参照)、及び、このとき前記鉤部24の上方部分26が前記箱状体16の孔(各棒状体17の間の隙間である開口部)から前記箱状体16の内部に挿通、挿入されている状態も示されている。
【0054】
以上説明したように、本実施形態2においては、前記各箱状体(緑化パネル)16を、前記取付金具(壁面当接体)21の鉤部23,24に載置又は係止するだけで、壁面緑化システムを構築することができるので、壁面緑化システム設置のための材料コスト及び作業コストを従来と比較して大幅に低減しながら、緑化パネル16を外壁面10aに容易に且つ安定的に取り付けることができるようになる。
【0055】
特に、本実施形態2においては、前記取付金具(壁面当接体)21中の背面部(板状部分)21aに、前記外壁面10aから突出する前記金属製棒状体11の頭部11bが挿通可能な挿通孔(長穴)22であって重力方向に対して斜め方向に延びる挿通孔(長穴)22を形成するようにしたので、各箱状体(緑化パネル)16を外壁面10aに取り付けるとき、作業者は、前記外壁面10aから突出する前記金属製棒状体11の頭部11bを前記挿通孔(長穴)22内に挿通させた後に前記頭部11bと前記挿通孔(長穴)22との位置を相対的に移動させることにより、外壁面10aと前記頭部11bに固定される前記取付金具(壁面当接体)21の鉤部23,24すなわち前記各箱状体(緑化パネル)16との相対的な位置調整(上下及び左右方向の調整)を極めて容易に行えるようになる。
【0056】
また、本実施形態2においては、前記外壁面10aから突設された前記金属製棒状体11の頭部11bが、前記胴体部11aを介してコンクリート壁に埋設されたセパレーター1に固定されているので、建物完成後にアンカーボルト等を使用して支持用の棒などを外壁に外付けする場合などと比較して、前記各箱状体(緑化パネル)16を取り付けるための取付金具(壁面当接体)を、極めて低コストで且つ強固に外壁に設置することができる。
【0057】
また、本実施形態2においては、前記箱状体16の外周部に、前記取付金具(壁面当接体)21の一部を外部から自らの内部に挿通可能な孔又は開口部(窓部、空間部など)を複数形成しておき、前記箱状体16の上端部又は下端部を構成する棒状体17a,17b(孔又は開口部の縁部)を、前記取付金具(壁面当接体)21の鉤部23,24に係止又は載置できるようにしたので、極めて簡単な作業だけで、前記取付金具(壁面当接体)21に前記箱状体16を取り付けることができる。
【0058】
さらに、本実施形態2においては、前記箱状体16の外周部を、細長い棒状体17が互いに離間及び交差しながら固定する略格子状となるように形成しておき、前記箱状体16を構成する棒状体17の一部17a,17bを、前記取付金具(壁面当接体)の鉤部23,24に係止又は載置するようにしたので、極めて簡単な作業だけで、前記取付金具(壁面当接体)21に前記箱状体16を取り付けることができる。
【0059】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態として述べたものに限定されるものではなく、様々な修正及び変更が可能である。例えば、前記実施形態1においては、壁面当接体(取付金具)21の板状部分21aを壁面10aに直接当接させるようにしたが、本発明では、板状部分21aと壁面10aとの間に、例えば摩擦抵抗を高めるための「中心部に開口部を有するゴム製円板」を介在させるようにしてもよい(この場合は、板状部分21aは壁面10aに対して当接ではなく対向する)。また、前記実施形態2においては、外壁面10aから突出する前記金属製棒状体11の頭部11bを使用して緑化パネル(箱状体)を取り付ける鉤部23,24を有する取付金具(壁面当接体)21を外壁10に取り付けるようにしたが、本発明ではこれに限られるものではなく、緑化パネル(箱状体)を取り付ける鉤部は、例えば棒状又は鉤状の支持体をアンカーボルトなどでコンクリート外壁面10aに外付け(後付け)してものであってもよい。
【0060】
また、前記実施形態2においては、前記取付金具(壁面当接体)21の両側部21bの前方(外壁面から離れる方向)端部の上下の各位置にそれぞれ鉤部23,24を備えるようにしたが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば1つの取付金具(壁面当接体)の両側部にそれぞれ1つだけの鉤部を備えるようにしてもよい。
【0061】
また、前記実施形態2の
図4,5に示す例では、前記取付金具(壁面当接体)21の挿通孔(長穴)22を、重力方向に対して約45度斜め方向に延びる長穴としたが、本発明ではこれに限られることなく、例えば重力方向に対して約30〜60度のいずれかの角度で斜め方向に延びる長穴としてもよい。また、前記の
図4,5に示す例では、取付金具(壁面当接体)21の背面部(板状部分)21aに挿通孔(長穴)22を1つだけ形成するようにしているが、本発明においては、この長穴に対して約90度交差するもう1つの長穴をも形成する(すなわち、全体として平面が略X字状の長穴を形成する)ようにしてもよい。
【0062】
さらに、前記実施形態2においては、前記取付金具(壁面当接体)21中の前記鉤部23,24とその下方又は上方の部分25,26とを前記箱状体16内に挿通、挿入できるようにするために、前記箱状体16を、棒状体17が互いに離間しながら固定されることにより全体として略格子状に形成されるように構成したが、本発明ではこれに限られるものではなく、例えば平板状部材に複数の孔(窓部などの開口部)を形成することにより、前記取付金具(壁面当接体)21中の前記鉤部23,24とその下方又は上方の部分25,26が前記箱状体16内に挿通、挿入できるようにしてもよい。