特許第6087337号(P6087337)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087337
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】蛍光センサおよびセンサシステム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   G01N21/64 Z
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-500142(P2014-500142)
(86)(22)【出願日】2013年1月24日
(86)【国際出願番号】JP2013051419
(87)【国際公開番号】WO2013121850
(87)【国際公開日】20130822
【審査請求日】2015年12月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-31964(P2012-31964)
(32)【優先日】2012年2月16日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進
(74)【代理人】
【識別番号】100101661
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100135932
【弁理士】
【氏名又は名称】篠浦 治
(72)【発明者】
【氏名】太田 亮
(72)【発明者】
【氏名】松本 淳
【審査官】 伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−247260(JP,A)
【文献】 特開2012−093128(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/119916(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62−21/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面と第2の主面とを貫通する貫通孔の壁面に、蛍光を電気信号に変換する光電変換素子が形成されており、前記第2の主面に第2の光電変換素子が形成されている検出基板部と、
前記貫通孔の内部に配設された、励起光を受光するとアナライトの濃度に応じた強度の前記蛍光を発生するインジケータと、
前記光電変換素子を覆う、前記蛍光を透過し前記励起光を遮断するフィルタ層と、
前記貫通孔の前記第1の主面の開口を覆う前記アナライトが通過可能な遮光層と、
前記貫通孔の前記第2の主面の開口の直下領域および前記第2の光電変換素子の直下領域を覆う前記励起光を発生する発光素子チップと、を具備し、
前記光電変換素子からの前記電気信号が、前記第2の光電変換素子からの電気信号を用いて、補正されることを特徴とする蛍光センサ。
【請求項2】
前記検出基板部、前記フィルタ層、前記インジケータ、前記遮光層および前記発光素子チップを含むセンサ部を針先端部に有する針型センサであることを特徴とする請求項1に記載の蛍光センサ。
【請求項3】
前記第2の主面に、前記光電変換素子と接続された検出信号配線と、前記発光素子チップと接続された駆動信号配線と、が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の蛍光センサ。
【請求項4】
前記フィルタ層が前記第2の主面にも配設されていることを特徴とする請求項3に記載の蛍光センサ。
【請求項5】
前記貫通孔の前記壁面がテーパー形状であることを特徴とする請求項4に記載の蛍光センサ。
【請求項6】
第1の主面と第2の主面とを貫通する貫通孔の壁面に蛍光を電気信号に変換する第1の光電変換素子が形成されているとともに、前記第2の主面に第2の光電変換素子が形成されている検出基板部と、
前記貫通孔の内部に配設された、アナライトに反応し励起光を受光すると前記アナライトの濃度に応じた強度の前記蛍光を発生するインジケータと、
前記貫通孔の前記第1の主面の開口を覆う前記アナライトが通過可能な遮光層と、
前記第2の主面の前記開口の直下領域および前記第2の光電変換素子の直下領域を覆う前記励起光を発生する発光素子チップと、を含むセンサ部を、針先端部に有する針型センサと、
前記光電変換素子からの電気信号を、前記第2の光電変換素子からの電気信号を用いて、補正する演算部と、を具備することを特徴とするセンサシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中のアナライトの濃度を計測する蛍光センサおよび前記蛍光センサを具備するセンサシステムに関し、特に半導体製造技術およびMEMS技術を用いて作製された微小蛍光光度計である蛍光センサおよび前記蛍光センサを具備するセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
液体中のアナライトすなわち被計測物質の濃度を測定するための様々な分析装置が開発されている。例えば、蛍光色素とアナライトを含む被計測溶液とを透明容器に注入し、励起光を照射し蛍光色素からの蛍光強度を計測することによりアナライト濃度を計測する蛍光光度計が知られている。蛍光色素は、アナライトの存在によって性質が変化し励起光を受光するとアナライト濃度に対応した強度の蛍光を発生する
小型の蛍光光度計は、光源と光検出器と蛍光色素を含有したインジケータとを有している。そして、被計測溶液中のアナライトが出入り自在なインジケータに光源からの励起光を照射し、インジケータが発生する蛍光を光検出器が受光する。光検出器は光電変換素子であり、受光強度に応じた電気信号を出力する。光検出器からの電気信号をもとに溶液中のアナライト濃度が算出される。
【0003】
近年、微量試料中のアナライトを計測するために、半導体製造技術およびMEMS技術を用いて作製される微小蛍光光度計が提案されている。以下、微小蛍光光度計のことを。「蛍光センサ」と呼ぶ。
【0004】
例えば、図1および図2に示す蛍光センサ130が国際公開第2010/119916号パンフレットに開示されている。蛍光センサ130の主機能部であるセンサ部110は、光電変換素子112が形成されているシリコン基板111と、フィルタ層114と、発光素子チップ115と、透明保護層116と、インジケータ117と、遮光層118と、を有する。アナライト2は、遮光層118を通過して、インジケータ117に進入する。蛍光センサ130のフィルタ層114は励起光を遮断し蛍光を透過する。更に、発光素子チップ115は蛍光を透過する。
【0005】
蛍光センサ130では、発光素子チップ115が発生した励起光がインジケータ117に入射すると、インジケータ117はアナライト濃度に応じた蛍光を発生する。
【0006】
インジケータ117が発生した蛍光の一部は、発光素子チップ115とフィルタ層114とを通過し、光電変換素子112に入射し光電変換される。なお、発光素子チップ115が光電変換素子112の方向(下方向)出射した励起光は、フィルタ層114により蛍光強度と比較して計測上問題ないレベルまで減光される。蛍光センサ130は、構成が単純で小型化が容易である。
【0007】
しかし、蛍光センサ130は、インジケータ117が出射した蛍光のうち、光電変換素子112の方向、すなわち下方に出射された蛍光だけしか検出することができない。このため、蛍光センサ130は、小型であるが、高い検出感度を得ることは容易ではなかった。
【0008】
本発明の実施形態は、小型で検出感度が高い蛍光センサおよび検出感度が高いセンサシステムを提供することを目的とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様の蛍光センサは、第1の主面と第2の主面とを貫通する貫通孔の壁面に、蛍光を電気信号に変換する光電変換素子が形成されており、前記第2の主面に第2の光電変換素子が形成されている検出基板部と、前記貫通孔の内部に配設された、励起光を受光するとアナライトの濃度に応じた強度の前記蛍光を発生するインジケータと、前記光電変換素子を覆う、前記蛍光を透過し前記励起光を遮断するフィルタ層と、前記貫通孔の前記第1の主面の開口を覆う前記アナライトが通過可能な遮光層と、前記貫通孔の前記第2の主面の開口の直下領域および前記第2の光電変換素子の直下領域を覆う前記励起光を発生する発光素子チップと、を具備し、前記光電変換素子からの前記電気信号が、前記第2の光電変換素子からの電気信号を用いて、補正される
【0010】
また、本発明の別の一態様のセンサシステムは、第1の主面と第2の主面とを貫通する貫通孔の壁面に蛍光を電気信号に変換する第1の光電変換素子が形成されているとともに、前記第2の主面に第2の光電変換素子が形成されている検出基板部と、前記貫通孔の内部に配設された、アナライトに反応し励起光を受光すると前記アナライトの濃度に応じた強度の前記蛍光を発生するインジケータと、前記貫通孔の前記第1の主面の開口を覆う前記アナライトが通過可能な遮光層と、前記第2の主面の前記開口の前記直下領域および前記第2の光電変換素子の直下領域を覆う前記励起光を発生する発光素子チップと、を含むセンサ部を、針先端部に有する針型センサと、前記光電変換素子からの電気信号を、前記第2の光電変換素子からの電気信号を用いて、補正する演算部と、を具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の蛍光センサのセンサ部の断面構造を示した説明図である。
図2】従来の蛍光センサのセンサ部の構造を説明するための分解図である。
図3】第1実施形態の蛍光センサを有するセンサシステムを説明するための説明図である。
図4】第1実施形態の蛍光センサの構造を説明するためのセンサ部の分解図である。
図5】第1実施形態の蛍光センサのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6A】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6B】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6C】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6D】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6E】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6F】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図6G】第1実施形態の蛍光センサの製造方法を説明するためのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図7】第1実施形態の変形例の蛍光センサのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
図8】第2実施形態の蛍光センサのセンサ部の断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
<第1実施形態>
最初に、本発明の第1実施形態の蛍光センサ30およびセンサシステム1について説明する。図3に示すように、センサシステム1は、蛍光センサ30と、本体部40と、本体部40からの信号を受信し記憶するレシーバー45と、を有する。本体部40とレシーバー45との間の信号の送受信は無線または有線で行われる。
【0013】
蛍光センサ30は、被検体に穿刺される針部34と、針部34の後端部と接合されたコネクタ部35と、からなる。針部34は、細長い針本体部33と、主要機能部であるセンサ部10を含む針先端部32と、を有する。針先端部32、針本体部33、コネクタ部35は、同一材料により一体形成されていてもよいし、別々に作製され接合されていてもよい。
【0014】
コネクタ部35は、本体部40の嵌合部41と着脱自在に嵌合する。蛍光センサ30のセンサ部10から延設された複数の配線51〜54は、コネクタ部35が本体部40の嵌合部41と機械的に嵌合することにより、本体部40と電気的に接続される。
【0015】
蛍光センサ30は、センサ部10を体内に挿入後、所定期間、例えば、1週間、継続してアナライト濃度を測定可能な針型センサである。しかし、センサ部10を体内に挿入しないで、採取した体液、または体外の流路を介して体内と循環する体液を、体外においてセンサ部10と接触させてもよい。
【0016】
本体部40は、センサ部10の駆動および制御などを行う制御部42と、センサ部10から出力された信号を処理する演算部43と、を有する。制御部42及び演算部43は、それぞれCPU等の演算回路からなるが、同一のCPUであってもよい。なお、制御部42または演算部43の少なくともいずれかが、蛍光センサ30のコネクタ部35等に配設されていてもよいし、レシーバー45に配設されていてもよい。
【0017】
図示しないが、本体部40は、レシーバー45との間で無線信号を送受信するための無線アンテナと、電池等と、を更に有する。レシーバー45との間の信号を有線にて送受信する場合には、本体部40は無線アンテナに代えて信号線を有する。なお、本体部40が必要な容量のメモリ部を有する場合にはレシーバー45は、なくても良い。
【0018】
<センサ部の構造>
次に、図4および図5を用いて、蛍光センサ30の主要機能部であるセンサ部10の構造について説明する。なお、図は、いずれも説明のための模式図であり、縦横の寸法比等は実際とは異なっており、一部の構成要素を図示しない場合もある。また、図4および図5に示すZ軸方向を上方向という。
【0019】
蛍光センサ30は、検出基板部11と、フィルタ層14と、インジケータ17と、遮光層18と、発光素子チップである発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)チップ15と、を主機能要素として具備する。
【0020】
シリコン等の半導体からなる検出基板部11には、第1の主面11SAと第2の主面11SBとを貫通する貫通孔21が形成されている。
【0021】
そして、貫通孔21の壁面22には、蛍光を電気信号に変換する光電変換素子であるフォトダイオード(Photo Diode:PD)素子12が形成されている。すなわち、PD素子12は、貫通孔21の内部に配設されたインジケータ17を囲むように設けられ、受光面がインジケータ17に向くように配設されている。PD素子12は、矩形の貫通孔21の4つの壁面22の全てに形成されていてもよいし、一部の壁面22にのみに形成されていてもよい。
【0022】
一方、検出基板部11の第2の主面11SBには、PD素子12からの検出信号を出力するための、検出信号配線51、52が配設されている。検出信号配線51はPD素子12の受光部と同じ半導体不純物タイプの低抵抗領域12Sを介してPD素子12の受光部と接続されており、検出信号配線52は検出基板部11と同じ半導体不純物タイプの低抵抗領域12Hと接続されている。
【0023】
また、検出基板部11の第2の主面11SBには、LEDチップ15の駆動信号電極15A、15Bに駆動信号を供給する駆動信号配線53、54も配設されている。
【0024】
壁面22に形成されたPD素子12を覆うように、透明な保護層16とフィルタ層14とが配設されている。すなわち、保護層16とフィルタ層14とは、PD素子12の受光面側に、PD素子12を覆うように配設されている。フィルタ層14は、例えば波長375nmの励起光を遮断し、例えば波長460nmの蛍光は透過する。
【0025】
そして、蛍光センサ30では、LEDチップ15は、透明な接合層13を介して、検出基板部11と接合されている。そして、LEDチップ15の平面視寸法は、貫通孔21の第2の主面11SBの開口の寸法よりも大きい。このため、LEDチップ15は、貫通孔21の第2の主面11SBの開口の直下領域を完全に覆っている。言い換えれば、貫通孔21の底面はLEDチップ15上の接合層13により構成されている。
【0026】
接合層13は、LEDチップ15の表面と検出基板部11の第2の主面11SBとを覆う保護層でもある。接合層13としては、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、透明な非晶性フッ素樹脂等の有機樹脂、あるいはシリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの透明無機材料が使用可能である。接合層13は、電気的絶縁性を有すること、水分遮断性を有すること、励起光に対して良好な透過率を有すること、などの特性を有する材料から選択される。
【0027】
なお、接合層13は、貫通孔21の第2の主面11SBの開口の直下領域に開口を有していてもよい。この場合には、貫通孔21の底面はLEDチップ15の表面となる。そして、接合層13の材料には、励起光を遮蔽する材料を用いることが好ましい。
【0028】
貫通孔21の内部に配設されているインジケータ17は、進入してきたアナライト2との相互作用および励起光によりアナライト2の濃度に応じた強度の蛍光を発生する。インジケータ17の厚さは数10μm〜数100μm程度である。インジケータ17は、内部に進入したアナライト2の量、すなわち被計測溶液中のアナライト濃度に応じた強度の蛍光を発生する蛍光色素が含まれたベース材料から構成されている。
【0029】
貫通孔21の第1の主面11SAの開口を覆う遮光層18は、厚さが数10μm程度である。遮光層18は、励起光および蛍光が外部へ漏光するのを防止すると同時に、外光が内部に進入するのを防止する。また、遮光層18はアナライト2の通過を妨げないアナライト透過性も有している。
【0030】
LEDチップ15の底面(下面)および側面を覆うように配設された漏光防止層19は、底面および側面から出射される励起光、および、検出基板部11の第2の主面11SBで反射した励起光が外部に漏光するのを防止する。すなわち、漏光防止層19は遮光層18と類似した機能を有するが、アナライト透過性は必要ない。
【0031】
<蛍光センサの製造方法>
次に、図6A図6Gを用いて、蛍光センサ30の製造方法について簡単に説明する。なお、図6A図6Gは1個の蛍光センサ30のセンサ部10の領域の部分断面図であるが、実際の工程では、ウエハプロセスとして一括して多数の蛍光センサ30のセンサ部10が作製される。
【0032】
最初に、図6Aに示すように、シリコンウエハ(検出基板)11Wの第2の主面11SBに、通常の半導体プロセスを用いて、PD素子12からの検出信号を出力する低抵抗領域12S、12Hが、不純物注入処理により形成される。
【0033】
すなわち、低抵抗領域12Sは、PD素子12の受光部と同じ半導体不純物タイプの不純物を導入して形成され、低抵抗領域12Hは、シリコンウエハ11と同じ半導体不純物タイプの不純物を導入して形成される。例えばPD素子の受光部がP型半導体の場合、低抵抗領域12Sには、ボロンを導入し、低抵抗領域12Hはリンまたはヒ素等を導入して形成される。
【0034】
検出基板部11の材料は、表面にPD素子12を形成するためには単結晶シリコンが好ましいが、ガラスまたはセラミック等でもよい。ガラス等からなる検出基板部の場合には、ポリシリコン等の半導体層を貫通孔21の壁面22に成膜することで、光電変換素子が形成される。
【0035】
光電変換素子としては、フォトコンダクタ(光導電体)素子、またはフォトトランジスタ(Photo Transistor)素子などでもよい。
【0036】
次に、図6Bに示すように、貫通孔形成部に開口のあるマスク層71を介して、第2の主面11SB側から、シリコンウエハ11Wのエッチングが行われ、貫通孔21が形成される。エッチングには公知の各種の方法を用いることができる。低抵抗領域12Sは、検出信号配線51と接続される領域以外は、エッチングにより除去される。
【0037】
貫通孔21の断面の形状および大きさは、蛍光センサ30の仕様に応じて設計される。貫通孔21の断面の大きさは、センサ部10の配設箇所が針先端部32であるために、例えば、縦150μm、横500μmのように細長い形状であることが好ましい。一方、貫通孔21の断面の形状(平面視形状)は、多角形、円または楕円等様でもよいが、開口効率が大きく、加工が容易なことから、矩形が好ましい。
【0038】
次に、図6Cに示すように、貫通孔21の壁面22に受光部であるPD素子12が形成される。すなわち、貫通孔21形成領域が開口となっているマスク層71が配設されたシリコンウエハ11Wを、5〜30度に傾けた状態として少なくとも4方向からイオン注入処理が行われる。例えば、シリコンウエハ11WがN型の場合は、ボロン(B)を、加速電圧:10〜200keV、注入量:1×1015〜1×1016cm−2程度で注入する。このとき貫通孔21の壁面22の表面に、10〜100nmの薄い酸化物層があってもよい。イオン注入後の熱処理により壁面22に、低抵抗領域12Sと接続されたPD素子12が形成される。熱処理の後で、マスク層71は、除去される。
【0039】
そして、図6Dに示すように、シリコンウエハ11Wの貫通孔21の壁面22のPD素子12を覆うように、保護層16とフィルタ層14と、が順に、CVD法等により配設される。
【0040】
保護層16は、シリコン酸化層またはシリコン窒化層等の無機絶縁層の単層膜または前記単層膜を積層した多層層である。保護層16としては蛍光の透過率が高い、シリコン酸化層、シリコン窒化層、酸化シリコン層とシリコン窒化層とからなる複合積層層、シリコーン樹脂層、または透明非晶性フッ素樹脂層を用いることができる。
【0041】
フィルタ層14は、多重干渉型でもよいが、好ましくは、吸収型であり、例えばシリコン、炭化シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、もしくは有機材料等からなる単層層、または前記単層層を積層した多層層である。例えば、シリコン層および炭化シリコン層は、波長375nmでは透過率は10−5%以下であるのに対して、波長460nmでは透過率10%以上と、(励起光波長の透過率/蛍光波長の透過率)の比として6桁以上の透過率選択性を有する。なお、フィルタ層14はインジケータ17が発生する蛍光のみを通すバンドパスフィルタであってもよい。
【0042】
フィルタ層14は、壁面22だけでなく、第2の主面11SBにも配設されることが好ましい。第2の主面11SBに配設されたフィルタ層14は、検出基板部11への励起光の進入を防止するために、PD素子12のノイズレベルを低下する効果を有する。
【0043】
すなわち、第2の主面11SBにもフィルタ層14が配設されている蛍光センサ30は、PD素子12が出力する検出信号のS/N比が高いために高感度である。
【0044】
次に、図6Eに示すように、PD素子12からの検出信号を出力するための検出信号配線51、52およびLEDチップ15に駆動信号を供給するための駆動信号配線53、54がスパッタ法または蒸着法等により配設される。
【0045】
検出信号配線51、52および駆動信号配線53、54の材料は、金属材料であるAl、Cu、Au、Pt、W、Mo等、または、不純物を高濃度に含んだ低抵抗ポリシリコン等を用いる。層間絶縁層59の材料は、シリコン酸化膜もしくはシリコン窒化膜等の無機絶縁材料、または、ポリイミド等の有機絶縁材料を用いる。
【0046】
なお、LEDチップ15が発生する励起光が検出基板部11に入射しないように、検出信号配線51、52および駆動信号配線53、54の少なくともいずれかを、幅広に配設してもよい。
【0047】
図6Eに示すように、蛍光センサ30では、検出信号配線51、52と駆動信号配線53、54とは、層間絶縁層59を介して異なる層に配置された多層配線構造である。しかし、検出信号配線51、52と駆動信号配線53、54を、1つの配線層で構成してもよい。
【0048】
多層配線構造の場合は層間絶縁層59が検出信号配線51、52と駆動信号配線53、54の間にCVD法等により形成される。このとき、貫通孔21の壁面のフィルタ層14の表面にも層間絶縁層59が形成される場合には、層間絶縁層59は、保護層16と同様のシリコン酸化物等の透明材料からなることが好ましい。フィルタ層14の表面に形成された層間絶縁層59は、フィルタ層14の保護層としての機能を有する。
【0049】
次に、図6Fに示すようにLEDチップ15が、検出基板部11の貫通孔21の第2の主面11SBの開口を覆うように接合層13を介して接合される。
【0050】
発光素子チップは、LEDチップ15に限られるものではなく、有機EL素子、無機EL素子、またはレーザダイオード素子などの発光素子が形成されたチップの中から選択される。そして、蛍光透過率、光発生効率、励起光の波長選択性の広さ、および励起光となる紫外線以外の波長の光を僅かしか発生しないことなどの観点からは、LEDチップ15が好ましい。
【0051】
接合層13は、例えば樹脂を塗布し硬化処理を行うことで作製される。また樹脂を塗布する表面にCVD法等により、透明なSiO層またはシリコン窒化層等を配設しておいてもよい。LEDチップ15の駆動信号電極15A、15Bと駆動信号配線53、54との電気的接続には導電性接着剤、または、フリップチップボンディングなどを用いる。
【0052】
すなわち、LEDチップ15が検出基板部11の第2の主面11SBに接合されるときに、同時に、LEDチップ15の駆動信号電極15A、15Bは、駆動信号配線53、54と電気的に接続される。すなわち、LEDチップ15と検出基板部とは物理的接合と同時に、電気的接合も行われるため、蛍光センサ30は作製が容易である。そして、接合層13は電気的接続部を封止する封止部材の機能も有している。
【0053】
そして、LEDチップ15の下面および側面に、漏光防止層19が配設される。漏光防止層19は、遮光層18と同じ材料でもよいし、カーボンブラックを配合した有機樹脂、金属、または、これらの材料からなる多層膜または複合膜でもよい。なお、漏光防止層19が予め配設されたLEDチップ15を、検出基板部11に接合してもよい。
【0054】
なお、漏光防止層19として、アルミニウムまたは銀等の反射率の高い金属膜を用いると、LEDチップ15の底面および側面から放射される励起光を、上方すなわちインジケータ17の方向に反射する反射膜としての機能を付与することもできる。
【0055】
また、漏光防止層19を、検出基板部11の下面全体、側面および遮光層18に覆われていない上面にも配設してもよい。更に、LEDチップ15を覆う第1の遮光層と、第1の遮光層を含めて検出基板部11を覆う第2の遮光層と、を配設してもよい(図7参照)。
【0056】
次に、図6Gに示すように、シリコンウエハ11Wは、上下反転され、貫通孔21の第1の主面11SAの開口から内部に、インジケータ17が配設される。
【0057】
蛍光色素は、アナライト2の種類に応じて選択され、アナライト2の量に応じて発生する蛍光の強度が可逆的に変化する蛍光色素ならば、どのようなものにも使用できる。蛍光センサ30は、グルコースのような糖類を測定するために、蛍光色素には、ルテニウム有機錯体、蛍光フェニルボロン酸誘導体、または蛋白と結合したフルオレセイン等のグルコースと可逆結合する物質等を用いる。
【0058】
インジケータ17は、例えば、含水し易いハイドロゲルをベース材料として、ハイドロゲル内に上記蛍光色素を含有するまたは結合されている。ハイドロゲルの成分としてはメチルセルロースもしくはデキストランなどの多糖類、(メタ)アクリルアミド、メチルアクリルアミド、もしくはヒドルキシエチルアクリレート等のモノマーを重合して作製するアクリレート系ハイドロゲル、またはポリエチレングリコールとジイソシアネートから作製するウレタン系ハイドロゲルなどを用いることができる。
【0059】
インジケータ17は、シランカップリング剤などよりなる接着層を介して、貫通孔21の壁面22、上面の遮光層18または下面の接合層13等と接合されていてもよい。また、接合層13の貫通孔21の直下領域に開口がある場合には、インジケータ17が貫通孔21の底面を構成するLEDチップ15の表面に、接合されていてもよい。
【0060】
なお、貫通孔21に重合前のゲル骨格形成材を含むインジケータを充填し、遮光層18で開口を覆った後に、重合させてインジケータ17を作製してもよい。例えば、蛍光色素と、ゲル骨格形成材と、重合開始剤と、を含むリン酸緩衝液を、貫通孔21の内部に入れ、窒素雰囲気下で1時間放置すると、インジケータ17が作製される。蛍光色素としては、9、10−ビス[N−[2−(5,5−ジメチルボリナン−2−イル)ベンジル]−N−[6‘−[(アクリロイルポリエチレングリコール−3400)カルボニルアミノ]−n−ヘキシルアミノ]メチル]−2−アセチルアントラセン(F−PEG−AAm)を、ゲル骨格形成材としては、アクリルアミドを、重合開始剤としては、ペルオキソ二硫酸ナトリウムおよびN、N、N’、N‘−テトラメチルエチレンジアミンを用いる。
【0061】
最後に、遮光層18が、貫通孔21の第1の主面11SAの開口を覆うように配設される。遮光層18には、サブミクロンサイズのポア構造からなる、金属、セラミック等の無機薄膜または、ポリイミドもしくはポリウレタン等の有機ポリマーの基材にカーボンブラックが混入されたハイドロゲル類とのコンポジット構造、または、セルロース類もしくはポリアクリルアミド等のアナライト透過性ポリマーにカーボンブラックを混入した樹脂、または、それらを積層化した樹脂等を用いることができる。
【0062】
そして、ウエハ11Wが個片化されることにより、多数のセンサ部10が一括して作製される。そして、センサ部10が、別途作製された、コネクタ部35から延設された針本体部33の先端部と接合されることで、蛍光センサ30が完成する。
【0063】
蛍光センサの製造方法としては、これに限られるものではなく、例えば、図6Eに示す状態のシリコンウエハ11Wを個片化し、それぞれの検出基板部11に、LEDチップ15等を接合してもよい。
【0064】
また、検出基板部11の延設部が針部34の針本体部33を構成するようにシリコンウエハ11Wを加工し、コネクタ部35と接合してもよい。
【0065】
以上の説明のように、蛍光センサ30は、ウエハプロセスにより一括大量生産が可能である。このため、蛍光センサ30は、安価に安定した品質を提供できる。
【0066】
<蛍光センサの動作>
次に、蛍光センサ30の動作を説明する。
【0067】
LEDチップ15は、例えば30秒に1回の間隔で中心波長が375nm前後の励起光をパルス発光する。例えば、LEDチップ15へのパルス電流は1mA〜100mAであり、発光のパルス幅は1ms〜100msである。
【0068】
LEDチップ15が発生した励起光は接合層13を透過して、インジケータ17に入射する。インジケータ17は、アナライト2の濃度に対応した強度の蛍光を発する。なお、アナライト2は遮光層18を通過して、インジケータ17に進入する。インジケータ17の蛍光色素は、例えば、波長375nmの励起光に対して、より長波長の例えば波長460nmの蛍光を発生する。
【0069】
インジケータ17が発生した蛍光の一部は、フィルタ層14と保護層16とを透過して、PD素子12に入射する。そして蛍光は、PD素子12において光電変換され光発生電荷を生じることで、検出信号として出力される。
【0070】
蛍光センサ30では、本体部40の演算部43が検出信号、すなわち、PD素子12からの光発生電荷に起因する電流または蓄積した光発生電荷に起因する電圧をもとに演算処理を行い、アナライト量を算出する。
【0071】
蛍光センサ30は、インジケータ17を取り囲む壁面22に形成されたPD素子12により蛍光を検出する。つまり、インジケータ17から、上下の2方向および側面の4方向の合計6方向に出射される蛍光のうち、4方向に出射される蛍光を検出する。このため蛍光センサ30は、小型でありながら検出感度が高い。同様に蛍光センサ30を具備するセンサシステム1は検出感度が高い。
【0072】
すなわち、蛍光センサ30は、インジケータ17と隣接したLEDチップ15を有し、インジケータ17から発生する蛍光も隣接した壁面22に形成されたPD素子12で検出する。このため蛍光センサ30は、超小型であるにも関わらず、検出感度が高い。更に、一枚の検出基板を加工することにより、一括して多数の蛍光センサが製造できるので、蛍光センサ30は加工工程が容易であり、コストが安い。
【0073】
<第1実施形態の変形例>
第1実施形態の蛍光センサ30は、貫通孔21の壁面22が第1の主面11SA(第2の主面11SB)に対して略垂直であった。これに対して、図7に示すように、第1実施形態の変形例のセンサシステム1Aの蛍光センサ30Aは、センサ部10Aの検出基板部11Aの貫通孔21Aの壁面22Aが、テーパーのある形状、すなわち、壁面が主面に対して、所定の角度θで傾斜しており、第1の主面11SAの開口が、第2の主面11SBの開口よりも大きい。壁面22Aがテーパー形状の貫通孔21Aは、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液、水酸化カリウム(KOH)水溶液などを用いるウエットエッチング等により形成することができる。
【0074】
例えば、シリコンウエハ11Wとしてシリコン(100)面を用いた場合には、(111)面のエッチング速度が(100)面に比べて遅い異方性エッチングとなるため、貫通孔21Aの壁面22Aは、(111)面となり、角度θは、54.7度となる。
【0075】
壁面22Aが傾斜している貫通孔21Aは、壁面22が垂直な貫通孔21に比べてPD素子12Aを形成できる面積が広いために、より高感度であるだけでなく、壁面22AへのPD素子12Aの形成が容易であるため生産性が高い。なお壁面22Aの傾斜角度θが30〜70度であれば、上記効果が顕著である。
【0076】
なお、図7に示すように、蛍光センサ30Aでは接合層13Aは貫通孔21Aの第2の主面11SBの開口と略同じ開口がある遮光材料からなる。また、第1の漏光防止層19は反射率の高いアルミニウムからなる。更に、カーボンを含む遮光性の高い樹脂からなる第2の漏光防止層19Aが、針先端部32の遮光層18の上部以外を覆っている。
【0077】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態のセンサシステム1Bおよび蛍光センサ30Bについて説明する。蛍光センサ30B等は蛍光センサ30等と類似しているので同じ構成要素には同じ符号を付し説明は省略する。
【0078】
図8に示すように、蛍光センサ30Bのセンサ部10Bの検出基板部11Bには、インジケータ17が発生する蛍光を検出する第1の光電変換素子であるPD素子12に加えて、LEDチップ15Lが発生する励起光を検出する第2の光電変換素子であるPD素子12Bが形成されている。すなわち、検出基板部11Bの貫通孔21の壁面22に第1のPD素子12の受光部が形成されており、第2の主面11SBに第2のPD素子12Bの受光部が形成されている。第1の光電変換素子と第2の光電変換素子とは同じ構造のPD素子である。
【0079】
そして、LEDチップ15Lは、貫通孔21の第2の主面11SBの開口の直下領域だけでなく、第2のPD素子12Bの直下領域も覆っている。すなわち、LEDチップ15Lの平面視寸法は、貫通孔21の開口の直下領域を覆い、かつ、PD素子12Bの直下領域も覆うだけの大きさである。
【0080】
なお、PD素子12Bの表面には、フィルタ層14は配設されていない。このため、PD素子12Bは、LEDチップ15Lが発生する励起光の強度に応じた電気信号(検出信号)を出力する。
【0081】
蛍光センサ30Bの製造方法は、蛍光センサ30の製造方法と類似している。図6Aで示した工程で、不純物注入処理による低抵抗の低抵抗領域12S、12Hの形成と同時に、PD素子12Bの受光部が形成される。貫通孔21の壁面のPD素子12は、蛍光センサ30と同様に図6Cで示した工程で形成される。
【0082】
検出基板部11Bの第2の主面11SBには、PD素子12Bから出力される検出信号を伝達する検出信号配線55も配設されている。なお、低抵抗領域12Hと接続された検出信号配線52は、PD素子12とPD素子12Bとの共通配線となる。
【0083】
インジケータ17が発生する蛍光の強度は、アナライト濃度だけでなく、照射された励起光強度の影響により増減する。しかし、センサシステム1Bでは、蛍光センサ30Bから出力された電気信号(検出信号)を処理する演算部43が、第1のPD素子12からの電気信号(検出信号)を、第2のPD素子12Bからの電気信号をもとに補正する。
【0084】
蛍光センサ30Bおよびセンサシステム1Bは、蛍光センサ30およびセンサシステム1等が有する効果を有し、更に、励起光の強度が、LEDチップ15Lの発光効率バラツキまたは動作時の励起光量ドリフト等により変化しても、高精度の測定が可能である。
【0085】
なお、蛍光センサ30Bにおいても、貫通孔の壁面をテーパー形状とすることで、蛍光センサ30Aと同様の効果を得ることができる。
【0086】
上記説明では、グルコース等の糖類を検出する蛍光センサ30等を例に説明したが、蛍光色素の選択によって、酵素センサ、pHセンサ、免疫センサ、または微生物センサ等の多様な用途に対応することができる。例えば、蛍光色素に、生体内の水素イオン濃度または二酸化炭素を測定する場合には、ヒドロキシピレントリスルホン酸誘導体などを用い、糖類を測定する場合には蛍光残基を有するフェニルボロン酸誘導体などを用い、カリウムイオンを測定する場合には蛍光残基を有するクラウンエーテル誘導体などを用いる。
【0087】
すなわち、本発明は、上述した実施形態および変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等ができる。
【0088】
本出願は、2012年2月16日に日本国に出願された特願2012−031964号を優先権主張の基礎として出願するものであり、上記の開示内容は、本願明細書、請求の範囲、図面に引用されたものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図7
図8