【実施例】
【0064】
実施例1 hCG発現ベクターの構築
hCGαポリペプチドのコード配列(AH007338, SEQ ID 1)およびhCGβポリペプチドのコード配列(NP_000728, SEQ ID 2)をPCRで増幅した(プライマーはそれぞれ、CGa-fwおよびCGa-rev、CGb-fwおよびCGb-revの組み合わせで使用)。
【化3】
【0065】
得られたhCGβDNA増幅産物を制限酵素、AscIおよびHpaIで消化し、ネオマイシン選択マーカーを保有するCMV駆動性哺乳動物細胞発現ベクターのAscI/HpaI部位に挿入した。同様に、hCGαDNAをBamHIおよびNheIで消化し、既にhCGβポリペプチドDNAを含有させた発現ベクターのBamHI/NheI部位に挿入した。
【0066】
このベクターDNAをE.coliのDH5α株に形質導入した。コロニーを採取して増殖し、hCGαおよびβの両方を含有するベクターを含むもののうち20個を選択してシーケンシングを行った。シーケンシング用に選択したコロニーの全てがSEQ ID 1およびSEQ ID 2と一致する正しい配列を含有した。プラスミドphCG A+Bをトランスフェクションに使用した(
図1)。
【0067】
実施例2 ST3発現ベクターの構築
βガラクトシドα-2,3-シアリルトランスフェラーゼ4のコード配列(ST3、L23767、SEQ ID 3)のPCR増幅を、プライマー、2,3STfwおよび2,3STrevを使用して行った。
【化4】
【0068】
得られたST3 DNA増副産物を制限酵素、BamHIおよびAflIIで消化し、ハイグロマイシン耐性マーカーを保有するCMV駆動性哺乳動物細胞発現ベクターのBamHI/AflII部位に挿入した。ベクターを上記のように増幅し、シーケンシングを行った。クローンpST3#1(
図2)はSEQ ID 3と一致する正しい配列を含有し、これをトランスフェクションに使用した。
【0069】
実施例3 ST6発現ベクターの構築
βガラクトサミドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ1のコード配列(ST6、NM_003032、SEQ ID 4)のPCR増幅を、プライマー、2,6STfwおよび2,6STrevを使用して行った。
【化5】
【0070】
ST6 DNA増副産物を制限酵素、BamHIおよびAflIIで消化し、ハイグロマイシン耐性マーカーを保有するCMV駆動性哺乳動物細胞発現ベクターのBamHI/AflII部位に挿入した。ベクターを上記のように増幅し、シーケンシングを行った。クローンpST6#11(
図3)はSEQ ID 4と一致する正しい配列を含有し、これをトランスフェクションに使用した。
【0071】
実施例4 PER.C6細胞におけるphCG A+Bの安定発現
クローンのトランスフェクション、単離、およびスクリーニング
hCGを生成するPer.C6クローンを作製するために、1つのプラスミドからhCGの両ポリペプチド鎖を発現させた(実施例1参照)。
【0072】
安定発現クローンを得るために、リポソーム型トランスフェクション試薬をphCG A+Bコンストラクトと共に使用した。G418を含有する10% FCS含有Per.C6選択培地中で、安定発現クローンを選択培養した。トランスフェクションの3週間後、G418耐性クローンが増殖した。合計389個のクローンを単離した。単離したクローンを選択培地中、70-80%の集密度まで培養した。hCG選択的ELISAを用いて上清のhCGタンパク質含量を測定し、クローン化した細胞株におけるhCG受容体の薬理活性をcAMP蓄積アッセイによって測定した。機能性タンパク質を発現するクローン(118個)を24ウェル、6ウェル、およびT80フラスコに順次、拡大培養した。
【0073】
47個のクローンからの物質の生産性およびクオリティーを測定する試験を行うために、まずT80フラスコで十分量の物質を生成させた。細胞を上記の補足培地中で7日間培養し、上清を回収した。生産性はhCG選択的ELISAを用いて測定した。物質の等電点プロファイルを測定した(実施例6に記載する方法を使用)。IEFの情報を用いて、代謝クリアランス速度分析に供するクローンの選択を行った。十分な生産性およびクオリティーを有するクローンを選択し、シアリルトランスフェラーゼ操作に使用した。
【0074】
実施例5a α2,3-シアリルトランスフェラーゼを過剰発現する細胞ではシアリル化のレベルが増加する。hCG発現Per.C6細胞におけるpST3の安定発現;クローンのトランスフェクション、単離、およびスクリーニング
高度にシアリル化されたhCGを生成するPer.C6クローンを作製するために、既にhCGの両ポリペプチド鎖を発現することが確認されているPer.C6細胞(実施例4参照)において、別のプラスミド(実施例2参照)からα2,3-シアリルトランスフェラーゼを発現させた。実施例4に記載するPER.C6(登録商標)細胞から作製したクローンについて、その特性(生産性、良好な増殖プロファイル、機能性タンパク質の生成、および生成されるシアリル化含有hCG)に基づく選択を行った。
【0075】
安定発現クローンを上記実施例4のように作製した。α2,3-シアリルトランスフェラーゼ・プログラムからのクローンを単離、拡大培養、およびアッセイを行った。α2,3に関する試験のためのクローン数は最終的に5個であった。α2,3-シアリルトランスフェラーゼ・クローンを懸濁条件で無血清培地に馴化させた。
【0076】
前記のようにhCG選択的ELISA、hCG受容体細胞株における機能性応答、およびIEFを用いてクローンのアッセイを行った(実施例6)。また、代謝クリアランス速度(実施例9)およびUSP hCGバイオアッセイ(実施例10)についての評価も行った。結果を市販の組換えhCG(Ovitrelle、Serono社)および親hCG Per.C6細胞株と比較した。代表的なサンプルを実施例および図に示す。
【0077】
結論として、Per.C6細胞におけるhCGおよびα2,3-シアリルトランスフェラーゼの共発現により、hCGのみを発現する細胞に比較して、高レベルのシアリル化hCGが得られる。
【0078】
実施例5b hCG発現PER.C6細胞におけるpST3の安定発現-別法
上記のように作製したα、βヘテロダイマー(実施例4)はシアリル化のレベルが低く、非常に塩基性の高いIEFプロファイルを示した。上記(実施例5a)のように、Per.C6細胞におけるhCGおよびα2,3-シアリルトランスフェラーゼの共発現により、hCGのみを発現する細胞に比較して、高レベルのシアリル化hCGが得られる。
【0079】
懸濁細胞培養法で、Per.C6細胞へのhCGαおよびβサブユニット遺伝子とα2,3-シアリルトランスフェラーゼ酵素遺伝子の2重トランスフェクションを行った。hCGベクター(2元(α/β)発現ベクター、実施例1)およびα2,3-シアリルトランスフェラーゼをコードするベクター(実施例2)の共トランスフェクションにより、無血清条件下において細胞株を作製した。PER.C6(登録商標)細胞から作製したクローンについて、その特性(生産性、良好な増殖プロファイル、機能性タンパク質の生成、および生成されるシアリル化含有hCG)に基づく選択を行った。クローンを単離、拡大培養、およびアッセイした。
【0080】
前記のように、hCG選択的ELISA、hCG受容体細胞株における機能性応答、およびIEFを用いてクローンのアッセイを行った(実施例6)。また、代謝クリアランス速度(実施例9)およびUSP hCGバイオアッセイ(実施例10)についての評価も行った。結果を市販の組換えhCG(Ovitrelle、Serono社)および親hCG Per.C6細胞株と比較した。代表的なサンプルを実施例および図に示す(実施例6、9、10、
図4、および5参照)。クローンによって生成された組換えhCG(すなわち、本発明にかかる組換えhCG)は、α2,3-シアリルトランスフェラーゼ無しで発現させたhCGおよびOvitrelleと比較して、著しく向上したシアリル化を示す(すなわち平均して、多数のシアル酸を有するhCGアイソフォームがより多い)(実施例6および8、
図4参照)。
【0081】
実施例6 等電点電気泳動によるPer.C6生成hCGアイソフォームの等電点(pI)分析
電気泳動は、電場による溶媒中での荷電分子の移動と定義される。電場による生体分子の移動度は電場の強度、分子の正味荷電、分子のサイズおよび形状、分子が移動する溶媒のイオン強度および特性に依存する。
【0082】
等電点電気泳動法(IEF)は、タンパク質をそのpIに基づいて分離するための電気泳動法である。pIは、タンパク質が正味の荷電を有さず、電場を移動しないpHである。hCGアイソフォームのシアル酸含量により各アイソフォームのpIがわずかに変化するため、これを用いて各クローンからのPer.C6 hCGアイソフォームを可視化することができる。
【0083】
細胞培養上清中のPer.C6生成hCGアイソフォームの等電点を、等電点電気泳動法を用いて分析した。Per.C6 hCGクローンからの細胞培養液を実施例4、5a、および5bに記載するように調製した。
【0084】
Per.C6 hCGサンプルの分離を、Novex(登録商標)IEFゲル(5%ポリアクリルアミド含有)上、ネイティブ条件下、pH 3.0-7.0のグラジエント、両性電解質溶液(pH 3.0-7.0)中で行った。当該分野で知られる方法により、クマシーブルー染色を用いてタンパク質を可視化した。
【0085】
図4に、本発明の組成物(レーン3(10μg)およびレーン4(15μg))および従前技術によるCHO由来組成物(レーン1(Ovitrelle 10μg)およびレーン2(Ovitrelle 15μg))中のrhCGアイソフォームをクマシーブルー染色によるIEFで検出したものを示す。バンドは異なる数のシアル酸分子を含有するhCGアイソフォームを示す。この方法を用いて、より多くのシアル酸分子を保有するhCGアイソフォームを生成するクローンを同定した。
図4に示すように、α2,3-シアリルトランスフェラーゼ操作したヒト細胞株由来組換えhCGは、Ovitrelleに比較して、より酸性度の高いプロファイルを示す。
【0086】
実施例7 Per.C6 hCGのシアル酸結合の分析
レクチンに基づくグリカン識別法を用いて、複合糖質の分析を行った。この方法によれば、ニトロセルロースに結合した糖タンパク質および複合糖質のキャラクタリゼーションを行うことができる。レクチンは特定の部分(例えばα2,3結合型シアル酸)を選択的に認識する。適用したレクチンはステロイド・ハプテンであるジゴキシゲニンとコンジュゲートし、これによって結合したレクチンの免疫学的検出が可能となる。
【0087】
親クローン(更なるシアリルトランスフェラーゼを発現させていない)およびα2,3-シアリルトランスフェラーゼ導入クローン由来の精製Per.C6 hCGを、標準的なSDS-PAGE法を用いて分離した。市販の組換えhCG(Ovitrelle、Serono社)を標準物質として用いた。
【0088】
DIG Glycan Differentiation Kit(Roche社、カタログ番号11 210 238 001)を製造者の説明書に従って使用し、シアル酸の分析を行った。セイヨウニワトコ凝集素(Sambucus nigra agglutinin、SNA)との陽性反応は末端結合(2,6)シアル酸の存在を示す。イヌエンジュ凝集素(Maackia amurensis agglutinin II、MAA)との陽性反応は末端結合(α2,3)シアル酸の存在を示す。
【0089】
要約すると、親クローンはα2,3およびα2,6シアル酸のいずれも、含有レベルが低かった。α2,3-シアリルトランスフェラーゼ操作したクローンでは、α2,3シアル酸結合の含有レベルが高く、α2,6シアル酸結合の含有レベルが低かった。標準物質であるOvitrelleはα2,3シアル酸結合しか含有しない。これは、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞で生成された組換えタンパク質についての知見と一致している(Kagawaら, 1988, Takeuchiら, 1988, Svenssonら, 1990)。
【0090】
結論として、α2,3-シアリルトランスフェラーゼによるPer.C6 hCG細胞の操作により、サンプル中の組換えhCGにコンジュゲートするシアル酸分子の数を増加することができた。
【0091】
実施例8Aおよび8B 総シアル酸の定量
シアル酸はタンパク質に結合した炭水化物であってモノサッカライドと見なされ、他のモノサッカライド(例えばガラクトース、マンノース、グルコサミン、ガラクトサミン、およびフコース)と化合して存在する。本発明の精製rhCG上の総シアル酸を、Stantonらの方法に基づく方法を用いて測定した(J. Biochem. Biophys. Methods. 30 (1995), 37 - 48)。
【0092】
実施例8A
α2,3-シアリルトランスフェラーゼで改変したPer.C6組換えhCG(例えば実施例5a、実施例5b)の総シアル酸含量を測定したところ、(タンパク質のモル数に対するシアル酸のモル数の比で)15 mol/mol以上、例えば18 mol/mol以上、例えば19.1 mol/molであった。これはOvitrelle(総シアル酸含量 17.6 mol/mol)に匹敵する。
【0093】
実施例8B
α2,3-シアリルトランスフェラーゼで改変したPer.C6組換えhCG(080019-19)(上記実施例5bの方法で調製したもの)の総シアル酸含量を測定したところ、(タンパク質のモル数に対するシアル酸のモル数の比で)20 mol/molであった。この場合も、これはOvitrelle(総シアル酸含量 17.6 mol/mol)を凌ぐものである。この事例(080019-19)について試験を行い、α2,3およびα2,6シアル酸の相対量を定量した(実施例8C)。
【0094】
実施例8C α2,3およびα2,6シアル酸の相対量の定量
精製rhCG((080019-19)の例および実施例5で調製した他の2つの例)上のα2,3およびα2,6シアル酸の相対量(%)を、既知の方法、すなわち順相(NP-)HPLCを用いて測定した。
【0095】
O-結合型グリカン中のα2,3およびα2,6シアル酸を定量するために、以下の分析を実施した。Orela Glycan Release Kitを用いてO-結合型グリカンをhCGサンプルから開裂し、NP-HPLCで分離した。抽出およびプールしたグリカン・サンプル(上記のように抽出)を異なるシアリダーゼで消化し、結合を確認した。このグリカンの酵素消化は、α2-3,6,8シアリダーゼおよびα2-3シアリダーゼを用いて行った。その後、酵素消化したグリカンをNPカラムで再分離し、調製した標準物質を用いてNP-HPLCでO-グリカンを同定した。算出した相対%を以下の表に示す(SA=シアル酸)。
【表1】
【0096】
相対%は、α2,3-シアリル化では55-65%の範囲(例えば59%);α2,6-シアリル化では35-45%の範囲(例えば41%)であった。
【0097】
実施例8D モノ-、ジ-、トリ-、およびテトラ-アンテナ型シアリル化構造の相対量の定量
精製rhCG(実施例8Cで使用した3つのサンプル)から抽出したグリカン上のモノ-、ジ-、トリ-、およびテトラ-シアリル化構造の相対量(%)を既知の方法で測定した。
【0098】
各rhCGサンプルを固定化(ゲルブロック)、洗浄、還元、およびアルキル化し、PNGase Fで一晩消化した。その後、N-グリカンを抽出および処理した。NP-HPLCおよびWAX-HPLC分析に用いるN-グリカンを、Royleらに詳述されているように、フルオロフォア2ABで標識した。
【0099】
電荷によってN-グリカンを分離する弱アニオン交換(WAX)HPLC(実施例8C)をRoyleらの報告に従い、Fetuin N-グリカン標準物質を参照として行った。含有されるシアル酸数に従ってグリカンを溶出した。全てのサンプルはモノ(1S)、ジ(2S)、トリ(3S)、およびテトラ(4S)シアリル化構造を含有した。シアリル化構造の相対量は以下の比率であった;1S:2S:3S:4S=0.1-4%:35-45%:0.5-8%:0-1%。
【0100】
好ましい例(080019-19)では、モノ(1S)、ジ(2S)、トリ(3S)、およびテトラ(4S)シアリル化構造を含有した。シアリル化構造の相対量は以下の比率であった;1S:2S:3S:4S=0.1-4%:35-45%:0.5-8%:0-1%。
【0101】
実施例9 rhCGの代謝クリアランス速度の測定
α2,3-シアリルトランスフェラーゼを用いて操作したPer.C6組換えhCGサンプル(例えば実施例5a、5b)の代謝クリアランス速度(MCR)を測定するために、意識のあるメス・ラット(クローン毎に3検体)の尾静脈にrhCGをボーラス注射し(サンプルのELISA定量(DRG社、EIA 1288)に基づき、1-10 μg/ラット)、時間=0とした。試験サンプル注射の1、2、4、8、12、24、および32時間後に、尾の先端部から血液サンプル(400μL)を採取した。遠心分離によって血清を回収し、ELISA(DRG社、EIA 1288)によってhCG含量のアッセイを行った。α2,3-シアリルトランスフェラーゼで操作したPer.C6 hCGサンプルのMCRは、半減期が標準物質と同程度であることを示した(
図5)。
図6は、α2,3-シアリルトランスフェラーゼで操作した他のhCGサンプルの半減期が標準物質と比較して向上されることを示している(
図6)。
【0102】
実施例10 USPにかかるhCGバイオアッセイ
hCGバイオアッセイを実施し、hCG特異的活性を測定した。活性の測定はUSP(USP Monographs:Chorionic Gonadotropin, USPC Official 8/1/09-11/30/09)に従い、Ovitrelleを標準物質として用いて行った。Ovitrelleの生体活性は26,000 IU/mgである(Curr Med Res Opin. 2005 Dec; 21(12): 1969 - 76)。許容限界(acceptance limit)は>21,000 IU hCG/mgである。α2,3-シアリルトランスフェラーゼで操作したヒト細胞株由来組換えhCGサンプル(シアル酸含量 19.1 mol/mol、実施例8参照)の生体活性は27,477 IU hCG/mgであった。
【0103】
実施例11 生成および精製の概要
無血清培地中で懸濁培養したPER.C6細胞において組換えhCGを生成させる方法を開発した。方法は以下に記載するが、いくつかのhCG生成PER.C6細胞株に適用される。
【0104】
Lowryら(1976)の方法の変法を用いて、α2,3-クローンから組換えhCGを精製した。
【0105】
PER.C6-hCGを作製するために、細胞株を無血清培地(すなわちExewll 525(JRH Biosciences社))に馴化させた。まず、細胞をT80培養フラスコ中、単層で70-90%の集密度まで培養した。継代の際は、細胞を無血清培地(Excell 525+4mM L-グルタミン)中に再懸濁し、0.3x10
6細胞/mlの密度とした。25mlの細胞懸濁液を250mlの振とうフラスコに採取し、100rpm、37℃、5% CO
2で振とう培養した。細胞密度が>1x10
6細胞/mlに達した後、細胞を継代して0.2または0.3x10
6 細胞/mlの密度とし、更に37℃、5% CO
2、100rpmで振とう培養した。
【0106】
hCGを生成するために、細胞を無血清培養用培地(すなわちVPRO(JRH Biosciences社))に移した。この培地では、PER.C6細胞は非常に高い細胞密度(バッチ培養で通常、>10
7細胞/ml)まで増殖できる。まず細胞をExcell 525中、>1x10
6細胞/mlまで培養し、次いで1000rpmで5分間遠心分離した後、VPRO培地+6mM L-グルタミンに懸濁して1x10
6細胞/mlとした。その後、振とうフラスコ中、37°C、5% CO
2、100rpmで7-10日間培養した。この間に、細胞は>10
7細胞/mlの密度まで増殖した。細胞生存率が低下し始めた後、培地を回収した。細胞を1000rpmで5分間遠心分離し、上清を用いてhCGの定量および精製を行った。hCGの濃度をELISA(DRG社、EIA 1288)で測定した。
【0107】
その後、Lowryら(1976)の方法の変法を用いてhCGを精製した。これは、DEAEセルロースでのクロマトグラフィー、Sephadex G100でのゲルろ過、ヒドロキシアパタイトでの吸着クロマトグラフィー、および調製用ポリアクリルアミド電気泳動によって行った。
全てのクロマトグラフィー操作で、免疫反応性組換えhCGの存在をRIA(DRG社、EIA 1288)およびIEF(実施例6)で確認した。
【0108】
実施例12 PEG化
本発明のある例では、ポリ(エチレングリコール)はhCG(またはそのアゴニスト変異体)のアミノ酸残基を介して(例えば共有)結合している。好ましくは、ポリ(エチレングリコール)はhCGのN-末端に結合している。種々の官能基、リンカー、立体配置、および分子量を有する多くの活性ポリ(エチレングリコール)が当業者に知られている。それらを使用して、当該分野で知られる方法によってPEG-hCGコンジュゲートまたはPEG-hCGアゴニスト変異体コンジュゲートを合成してもよい(例えばRoberts M. J.ら, Adv. Drug Del. Rev. 54: 459-476,2002;Harris J. M.ら, Drug Delivery Sytems 40: 538-551,2001参照)。
【0109】
N-末端をPEG化したhCGの実質的に均質な製剤を、メトキシ-PEG-ヒドラジン(20kD)を使用して合成した。メトキシ-PEG-ヒドラジン(20kD)は広く入手可能であり、当該分野でもよく知られている。アミノ基転移反応を用いて、ヒト由来組換えhCGのN-末端アミン基を除去し、この位置をアルデヒドとした。このアルデヒド基とメトキシ-PEG-ヒドラジン(20kD)との化学反応により、hCGのN-末端のPEG化が起こる。当該分野で知られる方法により、一段階のイオン交換クロマトグラフィーを用いて、反応混液からPEG化されたhCG産物を>95%(SEC分析)まで精製した。
【0110】
10KD-超遠心機(Vivaspin 20)(4,000rpm、8oC)により、20mM酢酸アンモニウム、150mM NaCl(pH8)中の1mg/mLの精製rhCG(研究室内で実施例5b記載の方法によって生成し、実施例11記載の方法によって精製したもの)を3mg/mLまで濃縮し、50mM酢酸ナトリウム、150mM NaCl(pH5.5)に馴化させた。
【0111】
アミノ基転移反応:濃縮したhCGを、2M酢酸ナトリウム、0.4M酢酸、0.1Mグリオキシル酸ナトリウム、および5mM CuSO
4(pH5.5)を含有する溶液中、室温で4時間インキュベートした。その後、EDTAを最終濃度20mMまで添加して反応を停止させた。10KD-超遠心機を用いて望ましくないアミノ基転移反応成分を除去し、バッファーを50mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl(pH7.5)に交換した。
【0112】
PEG化:m-PEG-ヒドラジンの10mMストック溶液を調製するために、凍結乾燥粉末(NOF社)を1mM HClに溶解した。シアノ水素化ホウ素ナトリウムの200mMストック溶液を調製するために、凍結乾燥粉末(Fluka社)を水に溶解した。
【0113】
アミノ基転移したrhCG(3mg/mL)を含有するバイアルに、11倍モル量のm-PEGヒドラジンを10mMストック溶液から撹拌しながら添加した。その直後に、還元剤として75倍モルのシアノ水素化ホウ素ナトリウムをストック溶液から添加した。反応混液を室温で24時間撹拌し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(HPLCカラム;Superdex-75(GE healthcare社))によってhCGのPEG修飾(PEG化)の度合いをモニタリングした。24時間後、反応を停止させ、バッファー(400mMグリシン、50mMリン酸ナトリウム、150mM NaCl、pH 6.7)で1:1から1mg/mLに希釈した。最終pHの調整は1M HClを用いて行った。反応混液を0.2μmのフィルターで濾過し、分注して4℃で保存した。SEC HPLC分析を
図7に示す。
【0114】
HPLC分析(
図7)が示すように、この方法によってPEG化されたhCGが得られた。hCG分子の約16%がPEG化された。ヒト化タンパク質の約80-90%はそのN-末端にアセチル基を有し、これはhCGのアミノ基転移段階での収量が相対的に低いことを意味するため、この反応の収量は相対的に低いと信じられる。
【0115】
実施例12A 2分枝m-PEG-アルデヒド(20Kd)を用いるPEG化
m-PEG-アルデヒドの官能基は、pH5.5で主にN-末端と相互作用する。直鎖m-PEG-アルデヒドを用いて行う実験では、期待される2分枝ではなく約6から7分枝のPEG鎖を有するPEG化hCGが生成される。これは、m-PEG-アルデヒドが他のアミノ酸、例えばヒスチジン(hCGは4個のヒスチジン残基を有する)と相互作用することを示唆している。
【0116】
出願人は、2分枝m-PEG-アルデヒドを使用することにより、望ましくないPEG化を低減または防止し(立体障害により、N-末端以外の部位へのアクセスが抑制される)、N-末端のみがPEG化された産物の収量が増加することを発見した。実施した手順は、スキーム1および以下の通りである:
【化6】
本明細書に記載するスキーム1、2、および3では、CH
3-(CH
2CH
2O)
nはmPEGを表す一般式である。スキーム1、2、および3中の整数nおよびmは、特許請求の範囲に記載する整数と同義ではない。
【0117】
10KD-超遠心機(Vivaspin 20)(4,000rpm、8oC)により、20mM酢酸アンモニウム、150mM NaCl(pH8)中の1mg/mLの精製rhCG(研究室内で実施例5b記載の方法によって生成し、実施例11記載の方法によって精製したもの)を3mg/mLまで濃縮し、50mM酢酸アンモニウム、150mM NaCl(pH5.5)に馴化させた。
【0118】
2分枝m-PEG-アルデヒド(40KD)ストック溶液(10mM)を調製するために、凍結乾燥粉末(NOF社)を1mM HClに溶解した。シアノ水素化ホウ素ナトリウムの200mMストック溶液を調製するために、凍結乾燥粉末(Fluka社)を水に溶解した。
【0119】
rhCG(3mg/mL)を含有するバイアルに、10倍モル量の2分枝m-PEG-アルデヒドを10mMストック溶液から撹拌しながら添加した。その直後に、還元剤として75倍モル量のシアノ水素化ホウ素ナトリウムをストック溶液から添加した。反応混液を室温で24時間撹拌し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)(HPLCカラム;Superdex-200(GE healthcare社))によってhCGのPEG修飾(PEG化)の度合いをモニタリングした。24時間後、反応を停止させ、バッファー(400mMグリシン、50mMリン酸ナトリウム、 150mM NaCl、pH 6.7)で1:1から1mg/mLに希釈した。最終pHの調整は1M HClを用いて行った。反応混液を0.2μmのフィルターで濾過し、分注して4℃で保存した。
【0120】
SEC(Superdex-200 10/300mm GL)HPLC分析を
図8Aに示す。
図8Aに示すように、PEG化されたhCGの2つの集団が観察された。第1に溶出されたピーク(no.1)はPEG鎖の分子量がより高く、第2に溶出されたピーク(no.2)はPEG鎖の分子量がより低かった。hCG分子の94%がPEG化されており、実施例12に比較して収量が有意に増加したことを示している。使用したSEC条件下では、各集団におけるPEG鎖の数を測定することはできない。これは、残存する遊離の2分枝m-PEG-アルデヒドがPEG化されたhCGと同じRT(保持時間)で溶出されるためである。分枝PEG化されたhCG産物の活性をバイオアッセイで試験した(実施例13)。
【0121】
認識されるように、より高度に分枝したm-PEG試薬(例えば以下に示すような4分枝m-PEG-アルデヒド)を使用するほど、分子量がより低いPEG鎖を有するPEG-hCG(
図1-Bのピークno.2)の単一集団が生成される確率がより高くなり、これは、4分枝m-PEG-アルデヒドがN-末端以外の部位へのアクセスを更に抑制するためである。
【化7】
【0122】
上記スキーム1と同様の方法によって4分枝mPEGアルデヒドを調製するのに好適なスキームをスキーム2に示す。
【化8】
【0123】
実施例12B
rhCG(研究室内で実施例5b記載の方法によって生成し、実施例11記載の方法によって精製したもの)を、実施例12Aの方法を用いて直鎖m-PEG-アルデヒド(10KD)で修飾した。実施した手順はスキーム3および以下の通りである:
【化9】
【0124】
直鎖PEG化されたhCG産物のSEC HPLC分析を
図8Bに示す。また、直鎖PEG化されたhCGの活性をバイオアッセイで試験した(実施例13)。
【0125】
実施例13:活性PEG hCGのバイオアッセイ
組換えhCGを実施例5bの方法によって生成し、実施例11記載の方法によって精製した。21検体のラットを3群に分け(7検体/群)、各ラットに以下のいずれかの用量の組換えhCGを、3つの独立した日に3回注射した(各注射は異なる日に行った)(1群=1用量):4.3ng(A群のラット)、8.6ng(B群のラット)、および17.1ng(C群のラット)。5日後、ラットを殺処分し、既知の慣例的なバイオアッセイ法に従って、効力測定のために子宮の重量を測定した。
【0126】
総量4.3ngの組換えhCGの一日一回注射を3回行ったラットでは、5日後の子宮の平均重量は30-40mgであった。総量8.6ngのrhCGの一日一回注射を3回行ったラットでは、5日後の子宮の平均重量は60-70mgであった。総量17.1ngの組換えhCGの一日一回注射を3回行ったラットでは、5日後の子宮の平均重量は110-120mgであった(下記の表参照)。
【0127】
出願人は、本発明の生成物が、週1回投与を行うことのできる長時間作用型製剤となりうる可能性について検討した。
【0128】
出願人は、同じバイオアッセイを用いて、以下のように処理したラットの5日後の子宮重量を測定した:
(i)研究室内で実施例5bの方法によって生成し、実施例11の方法によって精製した組換えhCGの単回注射。一日一回注射を3回行った際の最も高い濃度より10倍高い濃度(170ng)で投与;
(ii)実施例12Aの方法によって生成した本発明の分枝PEG化組換えhCGの単回注射。一日一回注射を3回行った際の最も高い濃度より10倍高い濃度(170ng)で投与;および、
(iii)実施例12の方法によって生成した本発明の直鎖PEG化組換えhCGの単回注射。一日一回注射を3回行った際の最も高い濃度より10倍高い濃度(170ng)で投与。
結果を以下の表に示す。
【0129】
分枝PEG-rhCGバイオアッセイの例(表の5列目)に見られるように、本発明の分枝PEG化hCGの単回注射では、子宮の平均重量は134.11mgであり、一番高い用量(17.1ng)での3回注射とほぼ同等であった。これは、本発明のPEG化hCGを用いた「1週間持続放出」製剤が実現可能であることを強く示唆している。組換えhCGの1週間製剤を提供できるということは、既知のhCG製剤に優る重要な利点である。
【表2】
【0130】
参考文献
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69(2), 379-389.
【0131】
SEQ ID 1
ヒト絨毛性ゴナドトロピンアルファポリペプチド
寄託番号AH007338
hCGアルファのヌクレオチド配列
1 ATGGATTACT ACAGAAAATA TGCAGCTATC TTTCTGGTCA CATTGTCGGT GTTTCTGCAT
61 GTTCTCCATT CCGCTCCTGA TGTGCAGGAT TGCCCAGAAT GCACGCTACA GGAAAACCCA
121 TTCTTCTCCC AGCCGGGTGC CCCAATACTT CAGTGCATGG GCTGCTGCTT CTCTAGAGCA
181 TATCCCACTC CACTAAGGTC CAAGAAGACG ATGTTGGTCC AAAAGAACGT CACCTCAGAG
241 TCCACTTGCT GTGTAGCTAA ATCATATAAC AGGGTCACAG TAATGGGGGG TTTCAAAGTG
301 GAGAACCACA CGGCGTGCCA CTGCAGTACT TGTTATTATC ACAAATCTTA A
【0132】
hCGアルファのタンパク質配列
1 MDYYRKYAAI FLVTLSVFLHVLHSAPDVQDCPECTLQENPFFSQPGAPILQCMGCCFSRA
61 YPTPLRSKKTMLVQKNVTSESTCCVAKSYNRVTVMGGFKVENHTACHCSTCYYHKS
【0133】
SEQ ID 2
ヒト絨毛性ゴナドトロピンベータポリペプチド
寄託番号NP_000728
hCGベータのヌクレオチド配列
ヌクレオチド配列
1 ATGGAGATGT TCCAGGGGCT GCTGCTGTTG CTGCTGCTGA GCATGGGCGG GACATGGGCA
61 TCCAAGGAGC CGCTTCGGCC ACGGTGCCGC CCCATCAATG CCACCCTGGC TGTGGAGAAG
121 GAGGGCTGCC CCGTGTGCAT CACCGTCAAC ACCACCATCT GTGCCGGCTA CTGCCCCACC
181 ATGACCCGCG TGCTGCAGGG GGTCCTGCCG GCCCTGCCTC AGGTGGTGTG CAACTACCGC
241 GATGTGCGCT TCGAGTCCAT CCGGCTCCCT GGCTGCCCGC GCGGCGTGAA CCCCGTGGTC
301 TCCTACGCCG TGGCTCTCAG CTGTCAATGT GCACTCTGCC GCCGCAGCAC CACTGACTGC
361 GGGGGTCCCA AGGACCACCC CTTGACCTGT GATGACCCCC GCTTCCAGGA CTCCTCTTCC
421 TCAAAGGCCC CTCCCCCCAG CCTTCCAAGT CCATCCCGAC TCCCGGGGCC CTCGGACACC
481 CCGATCCTCC CACAATAA
【0134】
hCGベータのタンパク質配列
1 MEMFQGLLLL LLLSMGGTWA SKEPLRPRCR PINATLAVEK EGCPVCITVN TTICAGYCPT
61 MTRVLQGVLP ALPQVVCNYR DVRFESIRLP GCPRGVNPVV SYAVALSCQC ALCRRSTTDC
121 GGPKDHPLTC DDPRFQDSSS SKAPPPSLPS PSRLPGPSDT PILPQ
【0135】
SEQ ID 3
β-ガラクトシドα-2,3-シアリルトランスフェラーゼ4
寄託番号L23767
ST3GAL4のヌクレオチド配列
1 ATGTGTCCTG CAGGCTGGAA GCTCCTGGCC ATGTTGGCTC TGGTCCTGGT CGTCATGGTG
61 TGGTATTCCA TCTCCCGGGA AGACAGGTAC ATCGAGCTTT TTTATTTTCC CATCCCAGAG
121 AAGAAGGAGC CGTGCCTCCA GGGTGAGGCA GAGAGCAAGG CCTCTAAGCT CTTTGGCAAC
181 TACTCCCGGG ATCAGCCCAT CTTCCTGCGG CTTGAGGATT ATTTCTGGGT CAAGACGCCA
241 TCTGCTTACG AGCTGCCCTA TGGGACCAAG GGGAGTGAGG ATCTGCTCCT CCGGGTGCTA
301 GCCATCACCA GCTCCTCCAT CCCCAAGAAC ATCCAGAGCC TCAGGTGCCG CCGCTGTGTG
361 GTCGTGGGGA ACGGGCACCG GCTGCGGAAC AGCTCACTGG GAGATGCCAT CAACAAGTAC
421 GATGTGGTCA TCAGATTGAA CAATGCCCCA GTGGCTGGCT ATGAGGGTGA CGTGGGCTCC
481 AAGACCACCA TGCGTCTCTT CTACCCTGAA TCTGCCCACT TCGACCCCAA AGTAGAAAAC
541 AACCCAGACA CACTCCTCGT CCTGGTAGCT TTCAAGGCAA TGGACTTCCA CTGGATTGAG
601 ACCATCCTGA GTGATAAGAA GCGGGTGCGA AAGGGTTTCT GGAAACAGCC TCCCCTCATC
661 TGGGATGTCA ATCCTAAACA GATTCGGATT CTCAACCCCT TCTTCATGGA GATTGCAGCT
721 GACAAACTGC TGAGCCTGCC AATGCAACAG CCACGGAAGA TTAAGCAGAA GCCCACCACG
781 GGCCTGTTGG CCATCACGCT GGCCCTCCAC CTCTGTGACT TGGTGCACAT TGCCGGCTTT
841 GGCTACCCAG ACGCCTACAA CAAGAAGCAG ACCATTCACT ACTATGAGCA GATCACGCTC
901 AAGTCCATGG CGGGGTCAGG CCATAATGTC TCCCAAGAGG CCCTGGCCAT TAAGCGGATG
961 CTGGAGATGG GAGCTATCAA GAACCTCACG TCCTTCTGA
【0136】
ST3GAL4のタンパク質配列
1 MCPAGWKLLA MLALVLVVMV WYSISREDRY IELFYFPIPE KKEPCLQGEA ESKASKLFGN
61 YSRDQPIFLR LEDYFWVKTP SAYELPYGTK GSEDLLLRVL AITSSSIPKN IQSLRCRRCV
121 VVGNGHRLRN SSLGDAINKY DVVIRLNNAP VAGYEGDVGS KTTMRLFYPE SAHFDPKVEN
181 NPDTLLVLVA FKAMDFHWIE TILSDKKRVR KGFWKQPPLI WDVNPKQIRI LNPFFMEIAA
241 DKLLSLPMQQ PRKIKQKPTT GLLAITLALH LCDLVHIAGF GYPDAYNKKQ TIHYYEQITL
301 KSMAGSGHNV SQEALAIKRM LEMGAIKNLT SF
【0137】
SEQ ID 4
β-ガラクトサミドα-2,6-シアリルトランスフェラーゼ1
寄託番号NM_003032
ST6GAL1のヌクレオチド配列
1 ATGATTCACA CCAACCTGAA GAAAAAGTTC AGCTGCTGCG TCCTGGTCTT TCTTCTGTTT
61 GCAGTCATCT GTGTGTGGAA GGAAAAGAAG AAAGGGAGTT ACTATGATTC CTTTAAATTG
121 CAAACCAAGG AATTCCAGGT GTTAAAGAGT CTGGGGAAAT TGGCCATGGG GTCTGATTCC
181 CAGTCTGTAT CCTCAAGCAG CACCCAGGAC CCCCACAGGG GCCGCCAGAC CCTCGGCAGT
241 CTCAGAGGCC TAGCCAAGGC CAAACCAGAG GCCTCCTTCC AGGTGTGGAA CAAGGACAGC
301 TCTTCCAAAA ACCTTATCCC TAGGCTGCAA AAGATCTGGA AGAATTACCT AAGCATGAAC
361 AAGTACAAAG TGTCCTACAA GGGGCCAGGA CCAGGCATCA AGTTCAGTGC AGAGGCCCTG
421 CGCTGCCACC TCCGGGACCA TGTGAATGTA TCCATGGTAG AGGTCACAGA TTTTCCCTTC
481 AATACCTCTG AATGGGAGGG TTATCTGCCC AAGGAGAGCA TTAGGACCAA GGCTGGGCCT
541 TGGGGCAGGT GTGCTGTTGT GTCGTCAGCG GGATCTCTGA AGTCCTCCCA ACTAGGCAGA
601 GAAATCGATG ATCATGACGC AGTCCTGAGG TTTAATGGGG CACCCACAGC CAACTTCCAA
661 CAAGATGTGG GCACAAAAAC TACCATTCGC CTGATGAACT CTCAGTTGGT TACCACAGAG
721 AAGCGCTTCC TCAAAGACAG TTTGTACAAT GAAGGAATCC TAATTGTATG GGACCCATCT
781 GTATACCACT CAGATATCCC AAAGTGGTAC CAGAATCCGG ATTATAATTT CTTTAACAAC
841 TACAAGACTT ATCGTAAGCT GCACCCCAAT CAGCCCTTTT ACATCCTCAA GCCCCAGATG
901 CCTTGGGAGC TATGGGACAT TCTTCAAGAA ATCTCCCCAG AAGAGATTCA GCCAAACCCC
961 CCATCCTCTG GGATGCTTGG TATCATCATC ATGATGACGC TGTGTGACCA GGTGGATATT
1021 TATGAGTTCC TCCCATCCAA GCGCAAGACT GACGTGTGCT ACTACTACCA GAAGTTCTTC
1081 GATAGTGCCT GCACGATGGG TGCCTACCAC CCGCTGCTCT ATGAGAAGAA TTTGGTGAAG
1141 CATCTCAACC AGGGCACAGA TGAGGACATC TACCTGCTTG GAAAAGCCACACTGCCTGGC
1201 TTCCGGACCA TTCACTGCTA A
【0138】
ST6GAL1のタンパク質配列
1 MIHTNLKKKF SCCVLVFLLF AVICVWKEKK KGSYYDSFKL QTKEFQVLKS LGKLAMGSDS
61 QSVSSSSTQD PHRGRQTLGS LRGLAKAKPE ASFQVWNKDS SSKNLIPRLQ KIWKNYLSMN
121 KYKVSYKGPG PGIKFSAEAL RCHLRDHVNV SMVEVTDFPF NTSEWEGYLP KESIRTKAGP
181 WGRCAVVSSA GSLKSSQLGR EIDDHDAVLR FNGAPTANFQ QDVGTKTTIR LMNSQLVTTE
241 KRFLKDSLYN EGILIVWDPS VYHSDIPKWY QNPDYNFFNN YKTYRKLHPN QPFYILKPQM
301 PWELWDILQE ISPEEIQPNP PSSGMLGIII MMTLCDQVDI YEFLPSKRKT DVCYYYQKFF
361 DSACTMGAYH PLLYEKNLVK HLNQGTDEDI YLLGKATLPG FRTIHC