特許第6087353号(P6087353)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087353皮膚科学的デバイスのためのアプリケータおよび組織界面モジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087353
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】皮膚科学的デバイスのためのアプリケータおよび組織界面モジュール
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/04 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   A61N5/04
【請求項の数】12
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2014-524030(P2014-524030)
(86)(22)【出願日】2012年7月31日
(65)【公表番号】特表2014-524281(P2014-524281A)
(43)【公表日】2014年9月22日
(86)【国際出願番号】US2012048999
(87)【国際公開番号】WO2013019796
(87)【国際公開日】20130207
【審査請求日】2015年7月7日
(31)【優先権主張番号】61/513,834
(32)【優先日】2011年8月1日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/555,410
(32)【優先日】2011年11月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509287278
【氏名又は名称】ミラマー ラブズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ベン−ハイム, ヨアブ
(72)【発明者】
【氏名】ベントレイ, ピーター ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】チュン, ドン フーン
(72)【発明者】
【氏名】フランシス, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン, ジェシー イー.
(72)【発明者】
【氏名】シャン, ケビン
(72)【発明者】
【氏名】スー, テッド
(72)【発明者】
【氏名】キム, スティーブン
【審査官】 川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−505969(JP,A)
【文献】 特表2011−517992(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/096840(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0119830(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波ベースの組織修正システムにおいてアプリケータと共に使用される組織界面モジュールであって、前記組織界面モジュールは、
前記組織界面モジュールの近位側における取付け機構であって、前記取付け機構は、アプリケータに取り付くように適合されている、取付け機構と、
前記アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素真空ポートを受け取るように適合されているアプリケータチャンバであって、前記アプリケータチャンバは、前記アプリケータチャンバの遠位側において生体障壁を備えている、アプリケータチャンバと、
前記組織界面モジュールの遠位側において組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、
前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、かつ、それらと連通しているフィルタであって、前記フィルタは、開口部を備え、前記開口部は、空気が通過することを可能にし、液体が通過することを防止するように構成されているフィルタと
前記アプリケータによって真空が前記真空ポートを通して前記アプリケータチャンバに印加される場合に、前記組織取込みチャンバから前記フィルタを通って前記アプリケータチャンバ内に流動する真空流路と
を備えている、組織界面モジュール。
【請求項2】
前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間にあり、かつ、それらと連通している可変流量制限器をさらに備えている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項3】
前記可変流量制限器は、前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間の圧力差に応答して、前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間の流動開口部を拡張するように適合されている可撓性要素を備えている、請求項2に記載の組織界面モジュール。
【請求項4】
前記取付け機構は、前記アプリケータにおける対応する要素に磁気的に取り付くように適合されている磁気要素を備えている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項5】
前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約22.5度の角度で配置されている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項6】
前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている
組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置されている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項7】
前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約12.5度〜32.5度の角度で配置されている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項8】
前記組織取込みチャンバか前記フィルタを通って前記アプリケータチャンバを通って前記アプリケータの真空ポート内への真空流路を備えている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項9】
前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、かつ、それらと連通してい第2のフィルタをさらに備え、前記第2のフィルタは、開口部を備え、前記開口部は、空気通過することを可能にし、液体通過することを防止するように構成されている請求項1に記載の組織界面モジュール。
【請求項10】
前記フィルタおよび前記第2のフィルタは、前記生体障壁の両側に位置付けられている、請求項9に記載の組織界面モジュール。
【請求項11】
前記生体障壁は、前記フィルタと前記第2のフィルタとを組み合わせたものとほぼ同一の表面積を備えている、請求項に記載の組織界面モジュール。
【請求項12】
前記取付け機構は、強磁性プレートを備え、前記強磁性プレートは、磁気回路完成すると、前記アプリケータに取り付くように適合されている、請求項1に記載の組織界面モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、米国仮特許出願第61/513,834号(2011年8月1日出願、名称「Applicator and Consumable for Dermatological Device」)、および、米国仮特許出願第61/555,410号(2011年11月3日出願、名称「Applicator and Tssue Interface Module for Dermatological Device」)の利益を出張する。これら出願の開示は、参照により本明細書に引用される。
【0002】
(参照による引用)
本明細書に記載される全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度において、本明細書に参照することによって組み込まれる。
【0003】
(技術分野)
本開示は、概して、組織へのエネルギーの印加に関する。より具体的には、本開示は、皮膚、表皮、真皮、および皮下組織の状態を治療するための組織へのエネルギーの印加に関する。
【背景技術】
【0004】
多汗症または過剰発汗は、一般的疾患であり、過剰な腋窩、顔、または足の発汗をもたらし得る。過剰発汗は、脱水症および感染症を含む、物理的副作用、ならびに羞恥心等の心理的副作用の両方を生じさせ得る。
【0005】
薬剤、発汗抑制剤、ボトックス、および焼灼療法を含む、多汗症の多くの形態の治療が、現在公知である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
マイクロ波ベースの組織修正システムにおけるアプリケータとの使用のための組織界面モジュールであって、アプリケータに取り付くように適合されている、組織界面モジュールの近位側における取付け機構と、アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートを受け取るように適合されているアプリケータチャンバであって、遠位側において生体障壁を備えている、アプリケータチャンバと、組織界面モジュールの遠位側における組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通しているフィルタであって、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えているフィルタとを備えている組織界面モジュールが、提供される。
【0007】
いくつかの実施形態では、組織界面モジュールはさらに、組織取込みチャンバとフィルタとの間にあり、それらと連通している可変流量制限器を備えている。一実施形態では、可変流量制限器は、組織取込みチャンバとフィルタとの間の圧力差に応答して、組織取込みチャンバとフィルタとの間の流動開口部を拡張するように適合されている可撓性要素を備えている。
【0008】
種々の実施形態では、取付け機構は、アプリケータにおける対応する要素に磁気的に取り付くように適合されている磁気要素を備えている。
【0009】
いくつかの実施形態では、組織界面モジュールはさらに、アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面であって、生体障壁に対して、約22.5度の角度で配置されている組織界面モジュール係合表面を備えている。他の実施形態では、組織界面モジュールはさらに、アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面であって、生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置されている組織界面モジュール係合表面を備えている。追加の実施形態では、組織界面モジュールはさらに、アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面であって、生体障壁に対して、約12.5度〜32.5度の角度で配置されている組織界面モジュール係合表面を備えている。
【0010】
いくつかの実施形態では、組織界面モジュールは、組織取込みチャンバから、フィルタを通る、アプリケータチャンバ内への真空流路を備えている。他の実施形態では、組織界面モジュールは、組織取込みチャンバから、フィルタを通り、アプリケータチャンバを通る、アプリケータの真空ポート内への真空流路を備えている。
【0011】
いくつかの実施形態では、組織界面モジュールはさらに、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通している第2のフィルタであって、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えている第2のフィルタを備えている。一実施形態では、フィルタおよび第2のフィルタは、生体障壁の両側に位置付けられる。他の実施形態では、生体障壁は、フィルタと第2のフィルタを組み合わせたものとほぼ同一の表面積を備えている。
【0012】
一実施形態では、取付け機構は、磁気回路の完成に応じて、アプリケータに取り付くように適合されている強磁性プレートを備えている。
【0013】
患者の組織を治療する方法であって、組織界面モジュールをアプリケータに取り付け、マイクロ波アンテナ、冷却プレート、および真空ポートを組織界面モジュールのアプリケータチャンバ内に設置することと、組織界面モジュールの組織取込みチャンバの遠位開口部を組織表面に対して設置することと、アプリケータ内の真空源から、アプリケータチャンバ、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間のフィルタを通して、真空を吸い込むことと、マイクロ波エネルギーを患者の組織に印加することとを含む方法もまた、提供される。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、真空を吸い込むステップの間、組織取込みチャンバとフィルタとの間の開口部のサイズを変動させることを含む。いくつかの実施形態では、変動させるステップは、可撓性部材を移動させ、開口部のサイズを変化させることを含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、取り付けるステップは、組織界面モジュールをアプリケータに磁気的に結合することを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、アプリケータチャンバは、遠位側に生体障壁を備え、取り付けるステップは、磁気組織界面モジュール係合表面をアプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合することを含み、組織界面モジュール係合表面は、生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置される。
【0017】
マイクロ波ベースの組織修正システムであって、マイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートを備えているマイクロ波アプリケータと、マイクロ波アプリケータに取り付くように適合されている、組織界面モジュールの近位側における取付け機構と、マイクロ波アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートに接続するように適合されているアプリケータチャンバであって、遠位側において生体障壁を備えている、アプリケータチャンバと、組織界面モジュールの遠位側における組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通しているフィルタであって、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えているフィルタとを備えている組織界面モジュールとを備えている、システムが、提供される。
【0018】
いくつかの実施形態では、組織修正システムはさらに、組織取込みチャンバとフィルタとの間にあり、それらと連通している可変流量制限器を備えている。
【0019】
他の実施形態では、取付け機構は、アプリケータにおける対応する要素に磁気的に取り付くように適合されている磁気要素を備えている。
【0020】
追加の実施形態では、組織修正システムはさらに、マイクロ波アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面であって、生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置されている組織界面モジュール係合表面を備えている。
【0021】
いくつかの実施形態では、組織修正システムはさらに、組織取込みチャンバから、フィルタを通り、アプリケータチャンバを通る、マイクロ波アプリケータの真空ポート内への真空流路を備えている。
【0022】
別の実施形態では、組織界面モジュールはさらに、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通している第2のフィルタであって、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えている第2のフィルタを備えている。いくつかの実施形態では、フィルタおよび第2のフィルタは、生体障壁の両側に位置付けられる。
【0023】
マイクロ波ベースの組織修正システムにおけるアプリケータとの使用のための組織界面モジュールであって、アプリケータに取り付くように適合されている、組織界面モジュールの近位側における取付け機構であって、水平から約17.5度〜27.5度の角度を形成する係合表面を備えている、取付け機構と、アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートに接続するように適合されているアプリケータチャンバであって、遠位側における生体障壁であって、空気および液体が通過するのを防止するように構成されている生体障壁を備えている、アプリケータチャンバと、組織界面モジュールの遠位側におけるスカートによって画定される組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通しているフィルタであって、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えている、フィルタとを備えている、組織界面モジュールもまた、提供される。
【0024】
追加の実施形態では、組織界面モジュールはさらに、組織取込みチャンバから、フィルタを通り、アプリケータチャンバを通る、マイクロ波アプリケータの真空ポート内への真空流路を備えている。
【0025】
他の実施形態では、組織界面モジュールはさらに、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通している第2のフィルタであって、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えている、第2のフィルタを備えている。いくつかの実施形態では、フィルタおよび第2のフィルタは、生体障壁の両側に位置付けられる。
【0026】
いくつかの実施形態では、組織界面モジュールはさらに、組織取込みチャンバとフィルタとの間に配置されている流体トラップであって、組織および液体を捕捉するように構成されている、流体トラップを備えている。
【0027】
患者の組織を治療する方法であって、組織界面モジュールをアプリケータに嵌合させ、マイクロ波アンテナ、冷却プレート、および真空ポートを組織界面モジュールのアプリケータチャンバ内に設置することと、磁石を作動させ、組織界面モジュールの取付け機構とアプリケータとの間の磁気回路を完成させることと、組織界面モジュールの組織取込みチャンバの遠位開口部を組織表面に対して設置することと、アプリケータ内の真空源から、アプリケータチャンバ、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間のフィルタを通して、真空を吸い込むことと、マイクロ波エネルギーを患者の組織に印加することとを含む、方法が、提供される。
【0028】
消耗品医療デバイスであって、アプリケータチャンバであって、該消耗品の近位側に位置付けられているアプリケータチャンバと、組織チャンバであって、該消耗品医療デバイスの遠位側に位置付けられている組織チャンバと、該アプリケータチャンバと該組織チャンバとの間に位置付けられている第1の生体障壁であって、実質的に不浸透性、可撓性、マイクロ波透過性である第1の生体障壁と、真空経路であって、該アプリケータチャンバの遠位端から、該組織チャンバの近位端に延在し、第2の生体障壁、真空トラップ、拡張可能開口を備え、該組織チャンバから、該拡張可能開口を通り、該真空トラップを通り、該第2の生体障壁を通る、該アプリケータチャンバ内への空気の流動を促進するように適合されている真空経路とを備えている医療デバイスもまた、提供される。
【0029】
いくつかの実施形態では、消耗品はさらに、シェルと、挿入体であって、該シェル内に位置付けられ、該消耗品の本体を形成する挿入体と、ガスケットであって、該挿入体上に位置付けられ、該ガスケットの遠位側における該挿入体と該シェルとの間に真空シールを提供し、真空シールを該ガスケットの近位側におけるアプリケータに対して提供するように成形され、該真空トラップの一部を形成するガスケットとを備えている。
【0030】
いくつかの実施形態では、消耗品はさらに、反射体であって、該アプリケータチャンバに入射する任意のマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を反射し、該アプリケータチャンバ内に位置付けられているアプリケータから電気的に絶縁され、該シェルと該挿入体との間に位置付けられ、該組織チャンバの少なくとも一部を囲む遠位端を有する反射体を備えている。
【0031】
一実施形態では、消耗品はさらに、ラッチプレートであって、該アプリケータチャンバ内に位置付けられる該挿入体上に位置付けられ、該第1の生体障壁が第1の位置にある場合、該第1の生体障壁と所定の角度を形成するラッチプレートを備えている。
【0032】
消耗品医療デバイスを通して空気を引き込む方法であって、該消耗品医療デバイスのアプリケータチャンバ内に真空を生成するステップであって、該アプリケータチャンバは、第1の生体障壁によって、組織チャンバから分離され、該第1の生体障壁は、可撓性かつ体液および空気に対して不浸透性である、ステップと、真空トラップから、第2の生体障壁を通して、該アプリケータチャンバ内に空気を引き込むステップであって、該第2の生体障壁は、空気に対して浸透性であるが、体液に対して実質的に不浸透性である、ステップと、拡張可能開口を通して、該真空トラップ内に空気を引き込むステップであって、該拡張可能開口は、該組織チャンバを実質的に囲み、少なくとも部分的に、該第1の生体障壁によって形成され、該アプリケータチャンバへの真空の印加に応じて開放し、該第1の生体障壁を該アプリケータチャンバ内に(冷却プレートに対して)引き込む、ステップと、該組織チャンバ内に真空を生成するステップと、該組織チャンバ内に生成された真空を使用して、外側該組織チャンバ内に位置付けられる組織を該組織チャンバ内に引き込むステップとを含む方法が、提供される。
【0033】
汗を減少させる目的のために、エネルギーを患者に伝送する方法であって、アンテナ、電場拡散器、流体チャネル、および冷却プレートを備えているアプリケータを通して、エネルギーを伝送するステップと、アプリケータチャンバ、可撓性生体障壁、および組織チャンバを備えている消耗品を通して、エネルギーを伝送するステップとを含む、方法が、提供される。
【0034】
組織チャンバをアプリケータチャンバに接続する拡張可能チャネルを形成するために協働するように構成されている可撓性生体障壁および冷却プレートを含む消耗品であって、組織チャンバからの空気が、拡張可能チャネル、流体トラップ、第2の生体障壁、第2の生体障壁を取付け機構から分離する真空チャネル、およびアプリケータチャンバを通過する、真空経路を含む、消耗品。
【0035】
いくつかの実施形態では、取付け機構は、磁気プレートを備えている。
【0036】
別の実施形態は、ケーブルアセンブリを通してアプリケータをマイクロ波発生器コンソールに接続するように適合されている多機能コネクタであって、冷却流体コネクタ、冷却流体戻りコネクタ、マイクロ波コネクタ、電子コネクタ、および真空コネクタを備えているコネクタを備えている。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
マイクロ波ベースの組織修正システムにおけるアプリケータとの使用のための組織界面モジュールであって、前記組織界面モジュールは、
前記組織界面モジュールの近位側における取付け機構であって、前記取付け機構は、アプリケータに取り付くように適合されている、取付け機構と、
前記アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートを受け取るように適合されているアプリケータチャンバであって、前記アプリケータチャンバは、遠位側において生体障壁を備えている、アプリケータチャンバと、
前記組織界面モジュールの遠位側において組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、
前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通しているフィルタであって、前記フィルタは、空気が通過することを可能にし、液体が通過することを防止するように構成されている開口部を備えている、フィルタと
を備えている、組織界面モジュール。
(項目2)
前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間にあり、それらと連通している可変流量制限器をさらに備えている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目3)
前記可変流量制限器は、前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間の圧力差に応答して、前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間の流動開口部を拡張するように適合されている可撓性要素を備えている、項目2に記載の組織界面モジュール。
(項目4)
前記取付け機構は、前記アプリケータにおける対応する要素に磁気的に取り付くように適合されている磁気要素を備えている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目5)
前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約22.5度の角度で配置されている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目6)
前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置されている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目7)
前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約12.5度〜32.5度の角度で配置されている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目8)
前記組織取込みチャンバから、前記フィルタを通る、前記アプリケータチャンバ内への真空流路を備えている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目9)
前記組織取込みチャンバから、前記フィルタを通り、前記アプリケータチャンバを通る、前記アプリケータの真空ポート内への真空流路を備えている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目10)
前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通している、第2のフィルタをさらに備え、前記第2のフィルタは、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目11)
前記フィルタおよび前記第2のフィルタは、前記生体障壁の両側に位置付けられている、項目10に記載の組織界面モジュール。
(項目12)
前記生体障壁は、前記フィルタと前記第2のフィルタとを組み合わせたものとほぼ同一の表面積を備えている、項目10に記載の組織界面モジュール。
(項目13)
前記取付け機構は、強磁性プレートを備え、前記強磁性プレートは、磁気回路の完成に応じて、前記アプリケータに取り付くように適合されている、項目1に記載の組織界面モジュール。
(項目14)
患者の組織を治療する方法であって、
組織界面モジュールをアプリケータに取り付け、マイクロ波アンテナ、冷却プレート、および真空ポートを前記組織界面モジュールのアプリケータチャンバ内に設置することと、
前記組織界面モジュールの組織取込みチャンバの遠位開口部を組織表面に対して設置することと、
前記アプリケータ内の真空源から、前記アプリケータチャンバと、前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間のフィルタとを通して、真空を吸い込むことと、
マイクロ波エネルギーを前記患者の組織に印加することと
を含む、方法。
(項目15)
真空を吸い込むステップの間、前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間の開口部のサイズを変動させることをさらに含む、項目14に記載の方法。
(項目16)
前記変動させるステップは、可撓性部材を移動させ、前記開口部のサイズを変化させることを含む、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記取り付けるステップは、前記組織界面モジュールを前記アプリケータに磁気的に結合することを含む、項目14に記載の方法。
(項目18)
前記アプリケータチャンバは、遠位側に生体障壁を備え、前記取り付けるステップは、磁気組織界面モジュール係合表面を前記アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合することを含み、組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置されている、項目14に記載の方法。
(項目19)
マイクロ波ベースの組織修正システムであって、
マイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートを備えているマイクロ波アプリケータと、
組織界面モジュールと
を備え、
前記組織界面モジュールは、
前記組織界面モジュールの近位側における取付け機構であって、前記取付け機構は、前記マイクロ波アプリケータに取り付くように適合されている、取付け機構と、
前記マイクロ波アプリケータの前記マイクロ波アンテナ、前記冷却要素、および前記真空ポートに接続するように適合されているアプリケータチャンバであって、前記アプリケータチャンバは、遠位側において生体障壁を備えている、アプリケータチャンバと、
前記組織界面モジュールの遠位側において組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、
前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通しているフィルタであって、前記フィルタは、空気が通過することを可能にし、液体が通過することを防止するように構成されている開口部を備えている、フィルタと
を備えている、組織修正システム。
(項目20)
前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間にあり、それらと連通している可変流量制限器をさらに備えている、項目19に記載の組織修正システム。
(項目21)
前記取付け機構は、前記アプリケータにおける対応する要素に磁気的に取り付くように適合されている磁気要素を備えている、項目19に記載の組織修正システム。
(項目22)
前記マイクロ波アプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合するように適合されている組織界面モジュール係合表面をさらに備え、前記組織界面モジュール係合表面は、前記生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置されている、項目19に記載の組織修正システム。
(項目23)
前記組織取込みチャンバから、前記フィルタを通り、前記アプリケータチャンバを通る、前記マイクロ波アプリケータの前記真空ポート内への真空流路を備えている、項目19に記載の組織修正システム。
(項目24)
前記組織界面モジュールは、前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通している第2のフィルタをさらに備え、前記第2のフィルタは、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えている、項目19に記載の組織修正システム。
(項目25)
前記フィルタおよび前記第2のフィルタは、前記生体障壁の両側に位置付けられている、項目24に記載の組織修正システム。
(項目26)
マイクロ波ベースの組織修正システムにおけるアプリケータとの使用のための組織界面モジュールであって、前記組織界面モジュールは、
前記組織界面モジュールの近位側における取付け機構であって、前記取付け機構は、アプリケータに取り付くように適合され、前記取付け機構は、水平から約17.5度〜27.5度の角度を形成する係合表面を備えている、取付け機構と、
前記アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素、および真空ポートに接続するように適合されているアプリケータチャンバであって、前記アプリケータチャンバは、遠位側における生体障壁を備え、前記生体障壁は、空気および液体が通過することを防止するように構成されている、アプリケータチャンバと、
前記組織界面モジュールの遠位側におけるスカートによって画定される組織取込み開口部を有する組織取込みチャンバと、
前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通しているフィルタであって、前記フィルタは、空気が通過することを可能にし、液体が通過することを防止するように構成されている開口部を備えている、フィルタと
を備えている、組織界面モジュール。
(項目27)
前記組織取込みチャンバから、前記フィルタを通り、前記アプリケータチャンバを通る、前記マイクロ波アプリケータの前記真空ポート内への真空流路を備えている、項目26に記載の組織界面モジュール。
(項目28)
前記組織界面モジュールは、前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間に配置され、それらと連通している第2のフィルタをさらに備え、前記第2のフィルタは、空気の通過を可能にし、液体の通過を防止するように構成されている開口部を備えている、項目26に記載の組織界面モジュール。
(項目29)
前記フィルタおよび前記第2のフィルタは、前記生体障壁の両側に位置付けられている、項目28に記載の組織界面モジュール。
(項目30)
前記組織取込みチャンバと前記フィルタとの間に配置されている流体トラップをさらに備え、前記流体トラップは、組織および液体を捕捉するように構成されている、項目26に記載の組織界面モジュール。
(項目31)
患者の組織を治療する方法であって、
組織界面モジュールをアプリケータに嵌合させ、マイクロ波アンテナ、冷却プレート、および真空ポートを前記組織界面モジュールのアプリケータチャンバ内に設置することと、
磁石を作動させ、前記組織界面モジュールの取付け機構と前記アプリケータとの間の磁気回路を完成させることと、
前記組織界面モジュールの組織取込みチャンバの遠位開口部を組織表面に対して設置することと、
前記アプリケータ内の真空源から、前記アプリケータチャンバと、前記アプリケータチャンバと前記組織取込みチャンバとの間のフィルタとを通して、真空を吸い込むことと、
マイクロ波エネルギーを前記患者の組織に印加することと
を含む、方法。
(項目32)
消耗品医療デバイスであって、前記医療デバイスは、
アプリケータチャンバであって、前記アプリケータチャンバは、前記消耗品の近位側に位置付けられている、アプリケータチャンバと、
組織チャンバであって、前記組織チャンバは、前記消耗品医療デバイスの遠位側に位置付けられている、組織チャンバと、
前記アプリケータチャンバおよび前記組織チャンバとの間に位置付けられている第1の生体障壁であって、前記生体障壁は、実質的に不浸透性であり、可撓性であり、マイクロ波透過性である、第1の生体障壁と、
真空経路と
を備え、
前記真空経路は、前記アプリケータチャンバの遠位端から前記組織チャンバの近位端に延在し、
前記真空経路は、第2の生体障壁と、真空トラップと、拡張可能開口とを備え、
前記真空経路は、前記組織チャンバから、前記拡張可能開口を通り、前記真空トラップを通り、前記第2の生体障壁を通る、前記アプリケータチャンバ内への空気の流動を促進するように適合されている、
消耗品医療デバイス。
(項目33)
前記消耗品は、
シェルと、
挿入体であって、前記挿入体は、前記シェル内に位置付けられ、前記消耗品の本体を形成する、挿入体と、
ガスケットであって、前記ガスケットは、
前記挿入体上に位置付けられ、
前記ガスケットの遠位側における前記挿入体と前記シェルとの間に真空シールを提供し、
前記ガスケットの近位側におけるアプリケータに対する真空シールを提供するように成形され、
前記真空トラップの一部を形成する、
ガスケットと
をさらに備えている、項目32に記載の消耗品。
(項目34)
前記消耗品は、反射体をさらに備え、前記反射体は、前記アプリケータチャンバに入射する任意のマイクロ波エネルギーの少なくとも一部を反射し、
前記アプリケータチャンバ内に位置付けられているアプリケータから電気的に絶縁され、
前記シェルと前記挿入体との間に位置付けられ、
前記組織チャンバの少なくとも一部を囲む遠位端を有する、
項目33に記載の消耗品。
(項目35)
前記消耗品は、ラッチプレートをさらに備え、前記ラッチプレートは、
前記アプリケータチャンバ内に位置付けられ、
前記挿入体上に位置付けられ、
前記第1の生体障壁が第1の位置にある場合、前記第1の生体障壁と所定の角度を形成する、
項目32−34のいずれかに記載の消耗品。
(項目36)
消耗品医療デバイスを通して空気を引き込む方法であって、前記方法は、
前記消耗品医療デバイスのアプリケータチャンバ内に真空を生成するステップであって、前記アプリケータチャンバは、第1の生体障壁によって、組織チャンバから分離され、前記第1の生体障壁は、可撓性であり、かつ、体液および空気に対して不浸透性である、ステップと、
真空トラップから、第2の生体障壁を通して、前記アプリケータチャンバ内に空気を引き込むステップであって、前記第2の生体障壁は、空気に対して浸透性であるが、体液に対して実質的に不浸透性である、ステップと、
拡張可能開口を通して、前記真空トラップ内に空気を引き込むステップであって、前記拡張可能開口は、
前記組織チャンバを実質的に囲み、
少なくとも部分的に、前記第1の生体障壁によって形成され、
前記アプリケータチャンバへの真空の印加に応じて開放し、前記第1の生体障壁を前記アプリケータチャンバ内に(冷却プレートに対して)引き込む、
ステップと、
前記組織チャンバ内に真空を生成するステップと、
前記組織チャンバ内に生成された真空を使用して、前記組織チャンバの外側に位置付けられている組織を前記組織チャンバ内に引き込むステップと
を含む、方法。
(項目37)
汗を減少させる目的のために、エネルギーを患者に伝送する方法であって、前記方法は、
アプリケータを通して前記エネルギーを伝送するステップであって、
前記アプリケータは、アンテナと、電場拡散器と、流体チャネルと、冷却プレートとを備えている、ステップと、
消耗品を通して前記エネルギーを伝送するステップであって、
前記消耗品は、アプリケータチャンバと、可撓性生体障壁と、組織チャンバとを備えている、ステップと
を含む、方法。
(項目38)
可撓性生体障壁および冷却プレートを含む消耗品であって、前記可撓性生体障壁および冷却プレートは、組織チャンバをアプリケータチャンバに接続する拡張可能チャネルを形成するために協働するように構成され、前記消耗品は、真空経路を含み、
前記組織チャンバからの空気は、前記拡張可能チャネルと、流体トラップと、第2の生体障壁と、第2の生体障壁を取付け機構から分離する真空チャネルと、アプリケータチャンバとを通過する、消耗品。
(項目39)
前記取付け機構は、磁気プレートを備えている、項目38に記載の消耗品。
(項目40)
ケーブルアセンブリを通してアプリケータをマイクロ波発生器コンソールに接続するように適合されている多機能コネクタであって、前記コネクタは、
前記コネクタは、冷却流体コネクタと、冷却流体戻りコネクタと、マイクロ波コネクタと、電子コネクタと、真空コネクタとを備えている、コネクタ。
【0037】
本発明の新規特徴が、以下の請求項にその特殊性とともに記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解が、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態と、付随の図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1図1は、アプリケータを持つ医師と、患者を図示する。
図2図2は、アプリケータに取り付けられた組織界面モジュールの斜視図を示す。
図3図3は、アプリケータから分断された組織界面モジュールの斜視図を図示する。
図4図4は、多機能コネクタの端面図を示す。
図5図5は、組織界面モジュールの端面図を図示する。
図6図6は、組織界面モジュールの上面図である。
図7図7は、組織界面モジュールの上部斜視図を示す。
図8図8は、代替組織界面モジュールの上部斜視図を図示する。
図9図9は、組織界面モジュールの分解上部斜視図を示す。
図10図10は、代替組織界面モジュールの分解上部斜視図である。
図11図11は、組織界面モジュールの側面切断図を示す。
図12図12は、組織界面モジュールの側面切断斜視図を図示する。
図13図13は、組織界面モジュールからの挿入体アセンブリの斜視端面図である。
図14図14は、図13の挿入体アセンブリの分解斜視側面図である。
図15図15は、組織界面モジュールを伴わない、アプリケータの端面図を示す。
図16図16は、アプリケータの一区画および組織界面モジュールの一部の切断図を図示する。
図17A図17A−17Bは、アプリケータの一部および組織界面モジュールの一部の側面切断図である。
図17B図17A−17Bは、アプリケータの一部および組織界面モジュールの一部の側面切断図である。
図18図18は、組織に係合され、真空が印加された状態にある、アプリケータおよび組織界面モジュールの一区画の側面切断図を図示する。
図19図19は、真空が印加された状態にある、空気経路を示す、アプリケータおよび組織界面モジュールの一区画の側面切断図を示す。
図20図20は、真空導管を含む、アプリケータの内部構成要素を示す、アプリケータおよび組織界面モジュールの側面切断斜視図である。
図21図21は、アプリケータの内部構成要素を示す、アプリケータの側面切断斜視図を図示する。
図22図22は、組織界面モジュールがアプリケータに取り付けられた状態にあって、磁気駆動構成要素の一部を示す、アプリケータの側面切断斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1は、エネルギー送達システム110によって、患者を治療する医師を図示する。エネルギー送達システム110は、コンソール112と、アプリケータ114と、組織界面モジュール116とを含むことができる。コンソール112は、ディスプレイ164と、電力コード108と、収納ケース120と、フットペダルスイッチ132とを含み得る。ディスプレイ164は、グラフィカルユーザインターフェースを示し、治療ステップを通して、医師を誘導するために使用され得、そのようなグラフィカルユーザインターフェースは、例えば、治療温度のカラーマップ、設置数インジケータ、および設置位置決め矢印を含み得る。アプリケータ114は、ケーブルアセンブリ134と、多機能コネクタ136とを含むことができる。エネルギー送達システムは、エネルギーを患者の組織に送達するように構成することができる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、マイクロ波エネルギーを患者の皮膚に送達し、多汗症、過剰発汗、臭汗症、セルライト、脂肪、皺、座瘡、または無駄毛等の皮膚の状態を治療するように構成される。
【0040】
システム110が組み立てられると、アプリケータ114(ハンドピースとも称され得る)は、多機能コネクタ136を介して、コンソール112(発生器とも称され得る)に接続されることができる。コンソールは、例えば、5.8ギガヘルツの周波数において、エネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)を発生するように構成することができる。いくつかの実施形態では、アプリケータは、例えば、マイクロ波ケーブル、引張コード、USBケーブル、および真空管類によって、コンソールに接続されることができる。アプリケータはまた、組織界面モジュール116(消耗品、使い捨て品、組織界面、アプリケータ−組織界面、またはバイオチップとも称され得る)に接続され得る。フットペダルスイッチは、発生器に接続され、コンソールを制御し得るか、または代替として、アプリケータ自体のスイッチまたはボタンが、コンソールを制御することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、コンソールはまた、真空源と、冷却流体源(例えば、冷却機)と、冷却流体ポンプと、増幅器と、マイクロ波発生器と、制御回路(図示せず)とを含む。コンソールのこれらの特徴は、多機能コネクタ136およびケーブルアセンブリ134を通して、アプリケータ114に伝達され得る真空圧力、冷却流体、およびマイクロ波エネルギーを発生させるために使用される。
【0042】
図2は、組織界面モジュール116がアプリケータに取り付けられた状態における、アプリケータ114の斜視図を示す。ケーブルアセンブリ134は、アプリケータの近位部分から延在して示される。アプリケータスイッチ130は、ハンドル上に配置されることができ、アプリケータから治療を開始するために使用されることができる。アプリケータはまた、LEDインジケータ、アンテナスイッチ、およびアプリケータスイッチ130を制御するように適合される、主制御回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、主制御回路は、アプリケータ内の各アンテナで測定された直接または反射電力を示す、信号を受信するように設計されることができる。
【0043】
図3は、組織界面モジュール116がアプリケータから分断された状態における、アプリケータ114の斜視図を示す。組織界面モジュールの除去は、組織界面モジュールの一方または両方に位置付けられる電極160および印刷回路基板162を係合するように構成される電気接点119を明らかにする。電極160は、例えば、組織界面モジュールがアプリケータに取り付けられる場合、組織界面モジュールの適切な整列を検出するために使用され得る。印刷回路基板上のセキュリティチップもまた、例えば、ESDキャパシタ等のESD保護とともに含まれ得る。集積回路(本図には図示せず)もまた、例えば、適切な整列を検出するために含まれることができる。いくつかの実施形態では、印刷回路基板および集積回路は、以前に使用された組織界面モジュールの再使用を検出することができる。そのような情報は、例えば、ユーザに新しい組織界面モジュールが使用されるべきであることを通知するか、またはシステムが、例えば、以前の患者からの生物学的流体で汚染され得る、組織界面モジュールを再使用することを防止するために使用され得る。図3はまた、図1のコンソールへのアプリケータの取り付けのために、ケーブルアセンブリ134の近位端に配置される多機能コネクタ136の端面図を示す。
【0044】
図4は、多機能コネクタ136およびケーブルアセンブリ134の端面図を示す。図4では、多機能コネクタ136は、冷却流体コネクタ224と、冷却流体戻りコネクタ225と、マイクロ波コネクタ220と、電子コネクタ222と、真空コネクタ226とを含む。多機能コネクタ136およびケーブルアセンブリ134は、図1のコンソール112と図2−3のアプリケータ114との間の単純接続を提供し、アプリケータが、治療手技のために必要なマイクロ波エネルギー、電気エネルギー、冷却流体、および真空を受け取ることを可能にする。
【0045】
図5は、モジュールの組織に接触する側から見た、組織界面モジュール116の端面図を図示する。組織界面モジュール116は、組織界面表面200と、第1の生体障壁152と、真空切り欠き214と、スカート206とを有する組織取込みチャンバ142を含むことができる。組織取込みチャンバは、患者の治療領域内の組織取込みを促進するためのサイズを有することができる。組織取込みチャンバは、アプリケータから放射されるエネルギーへの干渉を防止するためのサイズを有することができる。いくつかの実施形態では、組織取込みチャンバは、奥行約.255〜.295インチを有する、長さ約1.54インチ×幅0.7インチであるようなサイズを有することができる。組織取込みチャンバは、その遠位端に半径約.1875インチを有する角を含み得る。組織取込みチャンバは、界面モジュール内かつアプリケータの遠位端に隣接して、組織を適切に位置付けるために使用される。
【0046】
スカート206は、例えば、コンプライアントな医療グレードプラスチック(熱可塑性エラストマー(TPE))、例えば、ウレタン、シリコーン、天然または合成ゴム、エラストマー材料、シリコーンを伴うウレタン発泡体、コンプライアントなプラスチック、またはゴムシールコーティング等から作製され得る。好適なスカートは、スカートが圧縮されていないとき、組織取込みチャンバの上方に0.15インチ〜0.40インチ、より具体的には、約0.25インチの高さを有し得る。いくつかの実施形態では、スカートは、デュロメータ密度定格(軟度)約60A、または40A〜60A、または20A〜80Aを有することができる。一実施形態では、スカート206は、圧縮されていないとき、平均角度約53度を有する、内側壁を含み得る。いくつかの実施形態では、スカート206は、医師が、例えば、スカートを患者の皮膚上の一時的マーキングと整列させることによって、アプリケータを治療されるべき組織と適切に位置付けるのを補助するために、透明またはシースルーであり得る。
【0047】
膜または第1の膜とも称され得る、第1の生体障壁152は、実質的に、液体(例えば、血液または汗等の体液)および気体(例えば、空気)の両方に不浸透性であるように構成される。いくつかの実施形態では、第1の生体障壁は、例えば、ポリウレタンフィルム等の不浸透性材料から構築され得、厚さ、例えば、0.0005インチまたは0.00085インチを有し得る。他の実施形態では、第1の生体障壁は、厚さ約0.00075インチ〜0.001インチを有し得る。生体障壁152はさらに、気泡または隙間を生成せずに、アプリケータ114の組織治療表面502に適合するように十分に可撓性であるように設計される。本発明のいくつかの実施形態では、第1の生体障壁152および第2の生体障壁154は、多機能生体障壁を備え、第1の不浸透性膜および第2の空気浸透性膜を含み得る。
【0048】
第1の生体障壁は、特定のマイクロ波および熱特性を有するように設計され得る。例えば、第1の生体障壁は、0.1以下、より具体的には、損失正接約.0004の損失正接(tan(δ))を有するように設計されることができる。他の実施形態では、第1の生体障壁は、約0.0〜0.2ジーメンス/メートルの伝導性(σ)を有する等、マイクロ波システムで使用するために好適な電気伝導性を有するように設計され得る。第1の生体障壁はまた、少なくとも約0.1ワット/メートルケルビン(0.1W/mK)、望ましくは、0.1〜0.6W/mK、最も望ましくは、0.25〜0.45W/mKの熱伝導性を有する等、マイクロ波システムで使用するために好適な熱伝導性を有するように設計され得る。さらに、第1の生体障壁は、約7874W/m2Kの熱伝達係数を有する等、マイクロ波システムで使用するために好適な熱伝達係数を有するように設計され得る。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1の生体障壁152は、特に、真空が第1の生体障壁に印加されると、治療または組織表面に適合するように設計されることができる。いくつかの実施形態では、第1の生体障壁は、断裂または変形を伴わずに、約−20水銀柱インチの真空によって、少なくとも.010インチたわむように構成することができる。第1の生体障壁は、気泡、隙間、または変形のような気泡または変形を形成させずに治療または組織表面を被覆するためにたわむように設計され得、気泡または変形は、第1の生体障壁152を通過するマイクロ波エネルギーを摂動させ、組織界面表面200に隣接して、および/または生体障壁152と冷却プレート128との間に、潜在的熱点をもたらし得る。本発明の実施形態では、組織冷却プレート128の遠位表面は、アプリケータ114の組織治療表面502を形成する。
【0050】
組織界面モジュール116が、皮膚等の組織に配置されると、スカート206は、組織を係合し、組織、スカート、および第1の生体障壁152間に組織取込みチャンバ142を形成する。真空が、次いで、アプリケータ(本図には図示せず)によって、組織界面モジュールに印加され、組織を組織取込みチャンバ142内に、かつ第1の生体障壁152および組織界面表面200まで引き込むことができる。真空は、生体障壁を囲む真空切り欠き214を通して引き込まれ、組織取込みチャンバおよびアプリケータチャンバ内の真空を達成することができる(以下に説明される)。図5の実施形態では、組織界面モジュール116が、4つの真空切り欠き214を含むように見られ得る。しかしながら、他の実施形態では、より多いまたはより少ない真空切り欠きが、第1の生体障壁の周囲に実装されることができる。真空切り欠きの数の増加および生体障壁の周縁の周囲への真空切り欠きの位置付けは、組織取込みチャンバ内の真空性能を改善し、切り欠きのうちの1つ以上が、治療の間、血液、組織、または他の体液で詰まった場合でも、真空冗長性を提供することができる。
【0051】
図6は、例えば、図1−3のアプリケータ等のアプリケータに取り付けるように構成される、モジュールの非治療側からの組織界面モジュール116の上面図である。図6では、組織界面モジュール116は、第1の生体障壁152と、アプリケータチャンバ118と、取付け機構126(例えば、強磁性プレートであり得る)と、真空チャネル138と、取付け支持体127と、ガスケット158とを含む。アプリケータチャンバ118は、組織界面モジュールがアプリケータ(図示せず)に取り付けられると、例えば、マイクロ波アンテナ、冷却要素または冷却プレート、および少なくとも1つの真空ポートを含む、アプリケータを受け取り、それに接続するように適合される。ガスケットは、アプリケータがアプリケータチャンバ118内に位置付けられると、実質的に、気密(密封)シールをアプリケータに対して提供することができる。ガスケットは、硬度デュロメータ、例えば、20A〜80Aを有し得る。ガスケットはまた、いくつかの実施形態では、約1/16インチの厚さを有し得る。
【0052】
取付け機構は、組織界面モジュールの内部または近位側に位置付けられ、モジュールをアプリケータに取り付くように適合されることができる。組織界面モジュールとアプリケータとの間の接続は、少なくとも1つの取付け機構によって促進され得る。いくつかの実施形態では、取付け機構は、アプリケータおよび組織界面モジュール上の機械的要素を含み得る。他の実施形態では、取付け機構は、金属または強磁性プレートを備え、金属または強磁性プレートは、アプリケータ上の磁石または複数の磁石に取り付くように、および/または、例えば、位置付け可能磁石および磁石エクステンダを含むアプリケータの完全磁気回路要素を形成するように構成される。取付け機構は、例えば、医療グレードステンレス鋼プレートであることができる。いくつかの実施形態では、取付け機構は、厚さ約0.63インチを伴う、幅約0.5インチおよび長さ1.05インチのサイズを有する、磁気プレートであることができる。これらのプレートのサイズは、性能に実質的影響を及ぼすことなく、例えば、他の実施形態では、例えば、±20%、変動することができる。より厚いおよび/またはより大きい磁気プレートは、磁気保持力を改善することなく、プレートの質量を増加させ、組織界面モジュールがアプリケータから落下または外れる可能性を高くする望ましくない影響を有し得る。より薄いおよび/またはより小さい磁気プレートは、磁気保持力を減少させ、同様に、組織界面モジュールがアプリケータから落下または外れる可能性を高くする望ましくない影響を有し得る。取付け機構は、取付け支持体127上に設置され、取付け支持体127は、機構を上方に持ち上げて維持し、取付け機構が、真空チャネル138および第2の生体障壁(本図には図示せず)を通る空気の流動を制限することを防止することができる。いくつかの実施形態では、取付け支持体は、取付け機構を第2の生体障壁の上方に約0.010インチ持ち上げて維持するように適合され、実質的に、組織界面モジュールのサイズを増加させずに、真空チャネル138を通る空気流動を最適化する。
【0053】
図7は、同様に、モジュールの非治療側を示す、組織界面モジュール116の上部斜視図である。図7は、組織界面モジュールがアプリケータに取り付けられると、アプリケータ114を受け取り、それを第1の生体障壁152に対して適切に位置付けるように適合されるアプリケータチャンバ118を示す。前述のように、アプリケータチャンバ118は、組織界面モジュールがアプリケータに取り付けられると、アプリケータのマイクロ波アンテナ、冷却要素または冷却プレート、および真空ポートを受け取るように適合される。ガスケット158は、組織界面モジュールがアプリケータに取り付けられると、モジュールとアプリケータとの間にシールを提供することができる。アプリケータチャンバ118の近位端において、ガスケット158によって形成される開口部は、組織界面モジュール116がアプリケータ114上に位置付けられると、真空出口504としての役割を果たし、空気が、アプリケータチャンバ118から、アプリケータ114の真空入口174に流動するように空気を導き得る。本発明の一実施形態では、ガスケット158の近位端に位置し得る、係合表面500は、組織界面モジュール116がアプリケータ114に取り付けられる場合、係合表面500がアプリケータ114に接触するように位置付けられ得る。前述のように、組織界面モジュールの内部は、例えば、組織界面モジュールとアプリケータの適切な整列を検出するように構成される、電極160および印刷回路基板162を含むことができる。
【0054】
また、組織の係合を促進するように構成される、スカート206と、組織界面モジュールと治療される組織の特定の部分を整列させるために、スカート上に配置される、整列マーカー208とが示される。療法の間、一時的入墨を含む、スタンプまたはマーキングが、患者組織にマークされ、治療の間、アプリケータを適切に設置するために使用され得る。そのようなスタンプは、治療されるべき面積(例えば、腋窩)を覆うためのサイズを有し得る。医師は、異なる腋窩サイズに対して、異なるスタンプサイズを選択する必要があり得る。スタンプは、例えば、麻酔注射部位を含む、患者上のいくつかの異なる治療点をマークするために使用される。医師は、例えば、スカート206上の整列マーカー208を使用して、治療前に、アプリケータを適切に設置するために生成されたマークを使用し得る。
【0055】
図8は、組織界面モジュール116の代替実施形態の上部斜視図である。本実施形態では、印刷回路基板162、電極160、および集積回路163は、モジュールの取付け機構126と同一の側に位置付けられる。図7におけるように、スカート206、整列マーカー208、第1の生体障壁152、ガスケット158、およびアプリケータチャンバ118はまた、本代替実施形態にも見られ得る。
【0056】
図9は、図5−7の組織界面モジュール116の分解上部斜視図である。図9では、組織界面モジュール116は、外側シェル193と、内側挿入体192とを備えていることができる。内側挿入体は、第1の生体障壁152と、第2の生体障壁154と、取付け機構126と、ガスケット158と、真空チャネル138と、取付け支持体127と、アプリケータチャンバ118とを備えていることができる。シェル193は、電極160と、印刷回路基板162と、集積回路163と、カバー168と、整列マーカー208と、スカート206とを含むことができる。
【0057】
図9に示されるように、1つ以上の第2の生体障壁154が、第1の生体障壁152の両側に位置付けられることができる。第2の生体障壁154として使用するために好適な膜またはフィルタは、空気に対して浸透性であるが、実質的に、生物学的流体に不浸透性である膜を含み得る。以下により詳細に説明されるように、真空が、アプリケータチャンバを通して、アプリケータから引き込まれると、第2の生体障壁154は、空気または気体を通過させるが、流体または組織は通過させず、それによって、真空が、組織取込みチャンバ内に生成されることが可能となり、組織チャンバから第2の生体障壁を通して空気を引き込み、第1の生体障壁152および組織界面表面を治療されるべき組織と係合させる。
【0058】
いくつかの実施形態では、第2の生体障壁は、疎水性材料から作製される。他の実施形態では、第2の生体障壁は、所定の値の細孔サイズ対面積比を有し、気体または空気を通過させるが、血液および汗等の液体を通過させない。いくつかの実施形態では、第2の生体障壁は、組織が組織取込みチャンバ142内に吸い込まれる場合、全体の開口部が、約2分の1秒(3秒まで)以内で、そのような第2の生体障壁をまたぐ圧力の平衡を促進するようなサイズおよび細孔サイズを有し得る。別の実施形態では、第2の生体障壁は、空気が組織チャンバおよびアプリケータチャンバから吸い込まれる場合、組織取込みチャンバ内の真空が、アプリケータチャンバ内の真空未満となるように位置付けられ、アプリケータの治療表面に対する第1の生体障壁の位置付けを促進し得る。他の実施形態では、第2の生体障壁は、真空が生体障壁をまたぐ圧力を平衡化するのに役立つように印加される場合、所定の値の流量を有し得る。一実施形態では、第2の生体障壁は、約.45umの細孔サイズおよび所定の数平方インチの流動面積を有することができる。第2の生体障壁は、例えば、前述の規格を満たす、ポリエステルバッキング上のPTFE、ポリエチレンフィルム、ナイロン、または他の材料であり得る。
【0059】
依然として、図9を参照すると、反射体166が、随意に、内側挿入体と外側シェルとの間に位置付けられるか、あるいは内側挿入体、外側シェル、または両方に統合されることができる。反射体は、所定の開口部を伴う電気的に伝導性のメッシュを備えていることができ、このメッシュは、マイクロ波エネルギーを反射することによって、アプリケータから組織へのエネルギー送達の性能を改善する。いくつかの実施形態では、反射体は、漂遊電磁場を隔離し、漂遊電磁エネルギーを反射してアプリケータに戻すように構成される。いくつかの実施形態では、反射体は、アプリケータから電気的に絶縁され、かつ組織取込みチャンバ内に位置付けられる組織から電気的に絶縁されるように位置付けられる。反射体は、モジュールの組織界面表面を実質的に囲むためのサイズおよび構成を有することができる。いくつかの実施形態では、反射体は、ワイヤが約30×30ワイヤ/インチであるように配列される、約0.008インチの直径を有するワイヤの金属メッシュ材料を備えていることができる。
【0060】
図10は、図8の組織界面モジュール116の分解上部斜視図である。図10では、組織界面モジュール116は、外側シェル193と、内側挿入体192とを備えていることができる。内側挿入体は、第1の生体障壁152と、第2の生体障壁154と、取付け機構126と、ガスケット158と、真空チャネル138と、取付け支持体127と、アプリケータチャンバ118と、電極160と、印刷回路基板162と、集積回路163と、タブ部材146と、ラッチ開口部147とを備えていることができる。シェル193は、整列マーカー208と、スカート206とを含むことができる。反射体166が、随意に、内側挿入体と外側シェルとの間に位置付けられる、あるいは内側挿入体、外側シェル、または両方に統合されることができる。
【0061】
図11は、組織界面モジュール116の側面切断図を図示し、図12は、組織界面モジュールの側面切断斜視図を示す。図11−12のモジュールは、組織取込みチャンバ142、第1の生体障壁152、第2の生体障壁154、アプリケータチャンバ118、電極160、印刷回路基板162、取付け機構126、ガスケット158、内側挿入体192、外側シェル193、反射体166、スカート206、取込みチャンバ開口部143、真空切り欠き214、組織界面表面200、および消耗品ガスケット158を含む、前述の特徴の多くを含むことができる。取付け機構126は、アプリケータに取り付ける(例えば、磁気取り付けを介して)ように構成される係合表面125を含む。いくつかの実施形態では、係合表面125は、同一の角度を備えている取付け点を有するアプリケータに結合するように、水平(例えば、第1の生体障壁152を通る平面)から、角度約22.5度を形成する。他の実施形態では、係合表面125は、水平から(例えば、第1の生体障壁152から)、角度約17.5度〜27.5度、または代替として、約12.5度〜32.5度を形成する。他の実施形態では、取り付けの角度は、最大45度まで変動することができる。
【0062】
前述のように、取付け機構は、真空チャネル(図11には図示せず)を覆って、取付け支持体上に配置されることができる。第2の生体障壁154は、取付け支持体および真空チャネルの他の側に位置付けられることができる。前述の特徴に加え、組織界面モジュール116はさらに、モジュールの中に統合されている流体トラップ156と、組織取込みチャンバ142と流体トラップ156との間の拡張可能開口(可変流量制限器とも称される)170とを含むことができる。
【0063】
流体トラップ156は、治療の間、組織界面モジュール内に収集され得る、血液、汗、および任意の他の体液または組織を収集するように構成される。体液または組織を流体トラップ156内に収集することによって、組織界面モジュールは、第2の生体障壁を、そうでなければ治療に干渉する、または治療を不可能にするであろう、妨害物がない状態に維持することが可能である。したがって、第2の生体障壁は、アプリケータチャンバ118と組織取込みチャンバ142との間に配置され、両方と連通する。前述のように、第2の生体障壁154は、第2の生体障壁を通る空気または気体の通過を可能にするが、液体が通過することを防止するように構成される開口部を備えていることができる。アプリケータチャンバ118は、第2の生体障壁154および真空チャネル(図6および9の真空チャネル138)を介して、組織取込みチャンバ142と連通可能である。
【0064】
拡張可能開口170は、組織取込みチャンバの近位端に含まれ得、開口は、例えば、第1の生体障壁と組織取込みチャンバの内部辺縁との間に、組織取込みチャンバの上部で間隙を備え得る。切り欠きが、真空取り込みを向上させるために、間隙の近位の組織取込みチャンバ内に含まれ得る。いくつかの実施形態では、開口の1つの壁は、真空が印加されると、サイズおよび空気流動を増加させるように可撓性であり得る。アプリケータの組織界面表面200は、拡張するにつれて、開口の幅を制限するように作用し得る。好適な開口は、空気が真空経路内に通過することを可能にする一方、組織がそのような真空経路を遮断することを防止するためのサイズを有する。
【0065】
拡張可能開口170は、真空が、アプリケータ(図示せず)によって、アプリケータチャンバ118および組織取込みチャンバ142に印加されると、拡張するように構成されることができる。組織界面モジュールへの真空の印加は、第1の生体障壁152をアプリケータの冷却プレートに向かって内向きに引き込み、拡張可能開口170のサイズを増加させることができる。図17Aおよび17Bは、第1の生体障壁152がその曲がった状態にあり、拡張可能開口170がその最小幅にある、本発明の実施形態を図示する。図18では、拡張可能開口170は、アプリケータチャンバ118への真空圧力の印加によって、その最大幅まで開放されており、一実施形態では冷却プレート128であり得る組織治療表面502に対して生体障壁152を引き込み、開口170を開放させる。組織が組織チャンバ142内に引き込まれ、空気が組織チャンバ142から引き出される場合、アプリケータチャンバ118内の圧力が組織チャンバ142内の圧力未満であるような僅かな真空圧力差が、第2の生体障壁154をまたぐ圧力降下によって維持される。この圧力差は、例えば、組織の取り込みの間、冷却プレート128に対して生体障壁152の位置を維持するために使用され得る。この圧力差はさらに、生体障壁152が、組織の組織界面表面200への接触に先立って、冷却プレート128に対して位置付けられることを保証するために使用され得、例えば、生体障壁152が、気泡、隙間、または変形を伴わずに、冷却プレート128に対して位置付けられ、および/または組織が、生体障壁152を移動または変形させずに、組織チャンバ142内に引き込まれることを保証し得る。空気が組織チャンバ142から除去され、組織と置換されると、空気は、もはやアプリケータチャンバ118内に流入せず、2つのチャンバ内の圧力は、実質的に、平衡化されるであろう。組織がアプリケータチャンバ118内に適切に位置付けられている場合、組織界面表面200を押す組織は、冷却プレート128に対して、生体障壁152の位置を維持するように作用し、熱点をもたらし得る隙間、気泡、または変形の形成を防止するであろう。
【0066】
図13は、内側挿入体192の斜視端面図を図示し、第1の生体障壁152と、第2の生体障壁154と、ガスケット158とを示す。内側挿入体のこの図は、図11−12に説明される流体トラップと界面接触し、流体トラップの形成に役立つ第2の生体障壁154の一部を示す。図13に示されるように、第2の生体障壁は、第1の生体障壁154のそばで、内側挿入体上の残っている空間の大部分を占有するためのサイズを有することができる。第2の生体障壁の表面積を最大限にすることは、真空性能を増加させ、第2の生体障壁のうちの1つが、組織または体液で詰まる場合、冗長性を提供することができる。図示される実施形態では、第2の生体障壁は、内側挿入体192の表面積の約50%を占有し、第1の生体障壁は、ほぼ残りの表面積を占有することができる。他の実施形態では、第1の生体障壁は、内側挿入体の表面積の約50〜70%を占有することができ、第2の生体障壁は、内側挿入体の表面積の残りの30〜50%を占有することができる。
【0067】
図14は、内側挿入体192の分解斜視側面図であり、第2の生体障壁154の背後の真空チャネル138および取付け支持体127を明らかにする。前述のように、真空チャネル138は、取付け機構(図示せず)の下および第2の生体障壁を通る空気流動を可能にして、組織界面モジュールのアプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間の真空連通を可能にする。
【0068】
図15は、組織界面モジュール116が取り付けられていない状態における、アプリケータ114の端面図を示す。アプリケータ114は、モジュールの電極および印刷回路基板との電気結合のための電気接点119と、冷却プレート128と、アプリケータ真空入口174と、審美的特徴175と、組織界面モジュールの取付け機構を係合するように構成される係合表面178とを含むことができる。アプリケータ真空入口174は、真空源(図示せず)に結合される。組織界面モジュールが図15のアプリケータに取り付けられると、アプリケータ真空入口は、アプリケータチャンバによって受け取られ、前述のように、真空をアプリケータチャンバを通して、第2の生体障壁を通して、次いで、組織取込みチャンバを通して引き込むように構成される。
【0069】
アプリケータの冷却プレート128は、プレートの裏側を囲むアルミナまたは他の金属フレームを含むことにより、構造強度をプレートに追加し得、複数(例えば、4つ)のネジ山付きロッドが、アルミナフレーム、プレート、導波管ホルダ(図示せず)に接合され得る。いくつかの実施形態では、プレートは、約96%のアルミナと4%の他の材料とを有するセラミック材料を備えていることができる。冷却プレートはさらに、例えば冷却プレートまたは治療されるべき組織の温度を検出するための銅およびコンスタンタンの1つ以上の熱電対トレースを含み得る。そのようなトレースは、例えば、そのような熱電対の出力に及ぼす雑音の影響を低減させるために、隣り合わせの対に経路を定められ得る。アプリケータが組織界面モジュールに取り付けられると、モジュールへの真空印加が、アプリケータの冷却プレートに対する、モジュールの第1の生体障壁の引き込みをもたらすことができる。
【0070】
図16は、アプリケータ114の一区画およびアプリケータに取り付けられた組織界面モジュール116の一部の側面切断図を示す。図16では、側面からの角度は、スカート206が、組織取込みチャンバ142および組織界面表面200をどのように形成するかを示す。図16はまた、組織取込みチャンバ142から、拡張可能開口170を通る、流体トラップ156内への真空流路を明らかにする。また、冷却流体を前述のアプリケータ冷却プレートに供給する、アプリケータ114の冷却剤導管185も示される。冷却剤導管は、AglOntm技術を使用した抗菌性継手および管類を備えていることができる。そのような継手および管類は、微生物(例えば、細菌、白かび、かび、および菌類)の定着に対する保護を提供し得る。管類はまた、そのような抗菌性継手および管類を通過する冷却流体のマイクロ波特性(例えば、損失特性)に影響を及ぼしたり、低減または修正したりすることなく、微生物の定着に対して保護を提供するように適合され得る。
【0071】
図17A−17Bは、アプリケータ114およびアプリケータに取り付けられた組織界面モジュール116の拡大側面切断図である。図17A−17Bでは、アプリケータ114は、磁気エクステンダ179と取付け機構126との間の磁気回路を完成するように構成される回転可能磁石186を含む。磁気エクステンダと取付け機構との間の磁気回路の磁気的完成は、組織界面モジュール上の取付け機構126をアプリケータ上の磁気エクステンダ179に結合する。磁石186は、該磁石を、不完全磁気回路と完全磁気回路との間で磁気エクステンダ179内で回転させるために、直流ギヤモータまたはRCサーボモータ等の回転機構に結合されることができる。図17Aでは、磁石186の「N」および「S」極は、垂直位置に示され、したがって、磁気エクステンダ179と取付け機構126との磁気回路を完成しない。磁気回路が不完全であるとき、取付け機構と磁気エクステンダとの間に、磁力が殆どまたは全く存在せず、アプリケータからの組織界面モジュールの除去を可能にする。図17Bでは、磁石186の「N」および「S」極は、水平位置に回転されており、それによって、磁気回路を完成し、磁気エクステンダを取付け機構に磁気的に取り付ける。いくつかの実施形態では、停止部が、ホール効果位置センサまたは硬い停止部材を使用して、実装され得る。
【0072】
既に前述されたが、図17A−17Bに示される、組織界面モジュールの他の特徴は、ガスケット158と、拡張可能開口170と、統合された流体トラップ156と、スカート206と、組織取込みチャンバ142と、第1の生体障壁152と、第2の生体障壁154と、外側シェル193と、反射体166と、取付け機構126とを含む。また、示されるように、アプリケータ114のガスケット接触表面は、ガスケット158を組織界面モジュールから受け取るように角度付けられ得る。本実施形態では、シールは、ある角度で設置されるので、ガ組織界面モジュールがアプリケータに取り付く場合、スケットは曲り、密閉特性を改善し、組織界面モジュールをアプリケータに取り付けるために要求される力を低減させる。
【0073】
図18は、治療および真空が開始された状態における、組織と接触して設置される図17A−17Bのアプリケータおよび組織界面モジュールを図示する。図18では、表皮410、真皮412、真皮−皮下界面414、皮下組織416、および筋肉418を含む組織が、真空によって、組織界面表面200および生体障壁152に向かって、組織取込みチャンバ142内に引き込まれるように示される。アプリケータから、組織界面モジュールのアプリケータチャンバに印加される真空圧力は、組織取込みチャンバ142内に位置する組織を局在化して安定化させるように適合されることができる。真空圧力はまた、組織取込みチャンバ内に位置付けられる組織をアプリケータ114の組織界面表面200および第1の生体障壁152に対して保持するように適合される。加えて、アプリケータチャンバ内の真空は、マイクロ波エネルギーの印加の間、標的組織を冷却するように、生体障壁152を冷却プレート128と接触するよう引き込む。いくつかの実施形態では、真空は、治療の間、流量約13.7標準流体リットル/分を有するように構成される。
【0074】
図18では、アプリケータ114は、磁気エクステンダ179と、冷却プレート128とを含む。消耗品116は、消耗品ガスケット158と、拡張可能開口170と、統合された流体トラップ156と、スカート206と、組織取込みチャンバ142と、第1の生体障壁152と、第2の生体障壁154と、シェル193と、反射体166と、消耗品ラッチプレート126と、組織界面表面200とを含む。表皮410、真皮412、真皮−皮下界面414、皮下組織416、および筋肉418を含む組織は、部分的に、組織取込みチャンバ142内に位置付けられて示される。
【0075】
一特定の実施形態では、図18に示されるように、係合表面500(本実施形態では、ガスケット158の上部であり得る)から、取付け機構126の最上部分の、係合表面125上の接続点590までの垂直距離90は、約0.15インチである。一実施形態では、係合表面500から、左磁気エクステンダの内側を交差する、取付け機構126の一部の、係合表面125上の接続点592までの垂直距離92は、約0.22インチである。一実施形態では、係合表面500から、右磁気エクステンダの内側を交差する、取付け機構126の一部の、係合表面125上の接続点594までの垂直距離94は、約0.27インチである。また、さらなる実施形態では、係合表面500から、取付け機構126の係合表面125の下側部分上の接続点596までの垂直距離96は、約0.34インチである。いくつかの実施形態では、これらの測定値は、±0.01インチ、変動し得る。いくつかの実施形態では、これらの測定は、±0.05インチ、変動し得る。一実施形態では、取付け機構126の角度は、組織界面モジュールがアプリケータに取り付けられると、磁気エクステンダ179の角度で同じであり、エクステンダと取付け機構との間に平坦な密着を提供することができる。
【0076】
図19は、図17−18のアプリケータおよび組織界面モジュールの側面切断図であり、真空が印加された状態における、組織界面モジュールを通る空気経路AおよびBを示す。示されるように、真空は、直接、アプリケータ114によって、組織界面モジュール116のアプリケータチャンバ118に印加され、アプリケータチャンバ内ならびに組織界面チャンバ142内に真空を生成することができる。第1の真空流路Aは、組織界面チャンバ142から、拡張可能開口170を通り、流体トラップ156内へ、かつ第2の生体障壁154を通り、アプリケータチャンバ118内およびアプリケータ自体内に流動する。第2の真空流路Bは、真空が、直接、アプリケータチャンバ118から、アプリケータ内に引き込まれる状態を示す。真空が、流路Aに沿って生成されると、組織は、図18に示されるように、組織取込みチャンバ142内に引き込まれる。血液または汗等の任意の組織または体液は、流体トラップ156内に収集されるが、第2の生体障壁154を通過することは不可能である。第2の生体障壁154は、空気または気体に浸透性であるが、液体にはそうではないので、真空は、流体トラップ内の組織または体液の収集にかかわらず、第2の生体障壁を通して引き込まれることができる。真空空気経路AおよびBは、組織界面表面200の両側(すなわち、組織取込みチャンバ142内およびアプリケータチャンバ118内)の圧力を平衡化または実質的に平衡化するために使用されることができる。
【0077】
いくつかの実施形態では、真空流路は、組織界面モジュール116およびアプリケータ114の完全に内部であり、アプリケータ自体から発生し、アプリケータチャンバ118から、第2の生体障壁154を通り、流体トラップ156を通り、拡張可能開口170を通り、最後に、組織界面チャンバ142を通して真空を引き込み、組織を係合する。多くの実施形態では、真空流路は、組織界面モジュールからアプリケータまたは真空源への外部取り付け(例えば、真空を組織界面モジュールに接続する管)を要求せずに、直接、組織界面モジュールのアプリケータチャンバから、アプリケータの真空ポートに連結する。一実施形態では、真空経路は、間隙幅約0.020インチを有する、その少なくとも1つの部分を含み得る。
【0078】
真空は、組織界面モジュール116がアプリケータ114に取り付けられ、組織が組織取込みチャンバによって係合されると(図18に示されるように)、達成および維持され得る。消耗品は、その中に設計される1つ以上の真空平衡経路を有し得る。ある真空平衡経路は、組織取込みチャンバ、真空リザーバ、および、他の流体を通過させずに空気を通過させるように適合される少なくとも1つの生体障壁から成り得る。真空リザーバ入口もまた、含まれ得、真空が印加されると、入口を開放し、より広い間隙を生成することを可能にするために可撓性であり得る。反射体が、例えば、真空リザーバの一部として、真空経路内にさらに含まれ得る。
【0079】
システム110内の真空は、アプリケータチャンバまで延びている第2の真空経路を含むことによって、平衡化され得る。アプリケータチャンバは、アプリケータが、アプリケータチャンバ内に挿入されると、アプリケータチャンバの周囲に気密シールを形成し(例えば、消耗品内に位置付けられたガスケットを用いて)、アプリケータの遠位端(例えば、冷却プレート適用表面)を生体障壁の.010インチ以内に位置付けることを可能にするように設計および構成され得る。第1および第2の平衡経路は、アプリケータチャンバ内で組み合わせられ得る。組織チャンバから、第2の生体障壁を通して排気される空気は、1つ以上の磁気プレートを越えて流動し得る。
【0080】
図20−21は、それぞれ、アプリケータ論理回路181と、マイクロ波送給ケーブル182と、冷却剤導管185と、真空導管184と、アンテナアレイ124と、マイクロ波スイッチ180と、磁気駆動186とを含むアプリケータ114の内部構成要素の側面切断図および側面切断斜視図を示す。示されるように、組織界面モジュールのアプリケータチャンバ118は、アプリケータのマイクロ波送給ケーブル182、冷却導管185、および真空導管184を受け取るように適合および構成される。
【0081】
図22は、消耗品116が取り付けられた状態における、アプリケータ114の側面切断斜視図であり、磁気駆動186を含む磁気駆動構成要素の一部を示す。図17A−17Bに前述のように、磁気駆動186は、磁気エクステンダ内の磁気回路を完成し、組織界面モジュールをアプリケータに磁気的に取り付けることができる。
【0082】
患者を治療する方法であって、組織界面モジュールをアプリケータに取り付け、マイクロ波アンテナおよび冷却プレートをアプリケータチャンバ内に設置することと、組織界面モジュールの組織取込みチャンバの遠位開口部を組織表面に対して設置することと、アプリケータ内の真空源から、アプリケータチャンバと、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間のフィルタとを通して、真空をことと、マイクロ波エネルギーを患者の組織に印加することとを含む、方法もまた提供される。いくつかの実施形態では、マイクロ波エネルギーを患者の組織に印加することは、患者の過剰発汗または無駄毛を治療することができる。
【0083】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、真空を吸い込むステップの間、組織取込みチャンバとフィルタとの間の開口部のサイズを変動させることを含むことができる。一実施形態では、変動させるステップは、可撓性部材を移動させ、開口部のサイズを変化させることを含む。
【0084】
方法のいくつかの実施形態では、取り付けるステップは、組織界面モジュールをアプリケータに磁気的に結合することを含む。
【0085】
方法の別の実施形態では、アプリケータチャンバは、遠位側に生体障壁を備え、取り付けるステップは、磁気組織界面モジュール係合表面をアプリケータ上の対応するアプリケータ係合表面と係合することを含み、組織界面モジュール係合表面は、生体障壁に対して、約17.5度〜27.5度の角度で配置される。
【0086】
患者の組織を治療する別の方法であって、組織界面モジュールをアプリケータに嵌合させ、マイクロ波アンテナ、冷却プレート、および真空ポートを組織界面モジュールのアプリケータチャンバ内に設置することと、磁石を作動させ、組織界面モジュールの取付け機構とアプリケータとの間の磁気回路を完成させることと、組織界面モジュールの組織取込みチャンバの遠位開口部を組織表面に対して設置することと、アプリケータ内の真空源から、アプリケータチャンバと、アプリケータチャンバと組織取込みチャンバとの間のフィルタとを通して、真空を吸い込むことと、マイクロ波エネルギーを患者の組織に印加することとを含む、方法が、提供される。
【0087】
本発明に関連する追加の詳細に関しては、材料および製造技術は、当業者の水準内で採用され得る。一般的にまたは論理的に採用される追加の作用の観点から、本発明の方法に基づく局面に対しても同じことが当てはまり得る。また、記載された本発明の変化形の任意の選択的な特徴は、独立して、または本明細書に記載される特徴の任意の1つ以上と組み合わせて、説明および主張され得ると考えられる。同様に、単数の項目の参照は、複数の同じ項目が存在する可能性を含む。より具体的には、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「および(and)」、「前記(said)」、および「その(the)」は、文脈によって別途明示的に記載がない限り、複数形も含む。さらに、特許請求の範囲は、任意の選択的な要素を排除するように作成され得ることを留意されたい。従って、この記述は、特許請求項の範囲の記載との関連において、「単に」、「唯一」等のそのような排他的用語の使用、または「否定的」限定の使用の前提のベースとしての役割を果たすことが意図される。本明細書に別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本発明の範囲は、本主題明細書によって制限されず、むしろ、採用される特許請求項の範囲の用語の明白な意味によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21
図22