特許第6087361号(P6087361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087361導電性シャーシを有するコンピュータ用のアンテナ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087361
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】導電性シャーシを有するコンピュータ用のアンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 13/10 20060101AFI20170220BHJP
   H01Q 1/44 20060101ALI20170220BHJP
   H01Q 5/10 20150101ALI20170220BHJP
   H01Q 5/364 20150101ALI20170220BHJP
   H01Q 21/28 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   H01Q13/10
   H01Q1/44
   H01Q5/10
   H01Q5/364
   H01Q21/28
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-533571(P2014-533571)
(86)(22)【出願日】2012年9月12日
(65)【公表番号】特表2014-533454(P2014-533454A)
(43)【公表日】2014年12月11日
(86)【国際出願番号】US2012054876
(87)【国際公開番号】WO2013048737
(87)【国際公開日】20130404
【審査請求日】2015年5月22日
(31)【優先権主張番号】61/541,740
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/269,572
(32)【優先日】2011年10月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502208397
【氏名又は名称】グーグル インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アジャイ チャンドラ ベンカタ グマーラ
【審査官】 米倉 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0231521(US,A1)
【文献】 国際公開第2007/058230(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/011599(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0238079(US,A1)
【文献】 特開2004−336328(JP,A)
【文献】 特開2004−056421(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 1/44−1/46
H01Q 5/00−5/55
H01Q 13/10−13/18
H01Q 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
導電性フレームと、
前記導電性フレームの第1の面内に形成される、スロットアンテナであって、スロット開口を含み、少なくとも第1の周波数共振を提供するように構成され、また、前記スロットアンテナを開放部分および短絡部分に分割する給電点を含む、スロットアンテナと、
前記導電性フレームの第2の面内に形成され、第1の絶縁材料によって前記導電性フレームから分離される、結合要素であって、前記給電点を介して、電気信号によって励振されるように構成される、結合要素と、
前記スロットアンテナの端部と結合され、前記導電性フレームの第3の面内に形成され、また、第2の絶縁材料によって前記導電性フレームから分離される、結合アームと、を備え、
前記第1の面、第2の面、および第3の面は、前記スロットアンテナ、前記結合要素、および前記結合アームが互いの上側または下側にあるように、異なる面である、
装置。
【請求項2】
前記スロットアンテナの前記給電点は、電気信号を直接受信するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項3】
前記スロットアンテナの前記短絡部分は、前記スロットアンテナの前記開放部分の周囲に位置付けられ、容量結合を介して、前記スロットアンテナで第2の周波数共振を生成する、請求項に記載の装置。
【請求項4】
前記給電点は、前記スロットアンテナの前記短絡部分のキャパシタンス、および前記スロットアンテナの前記開放部分のインダクタンスが、所定のインピーダンスに一致するように位置付けられる、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記導電性フレームは、前記スロットアンテナの接地面を形成する、請求項に記載の装置。
【請求項6】
前記結合要素は、容量結合を介して、前記スロットアンテナで1つ以上の追加の周波数共振を生成するように構成され、
前記結合要素は、前記スロットアンテナに物理的に接触しないように位置付けられる、請求項に記載の装置。
【請求項7】
前記スロットアンテナは、前記導電性フレームの第1の部分と前記導電性フレームの第2の部分との間に位置付けられ、
前記導電性フレームの前記第1の部分は、第1の周波数共振を生成するために、電気的に励振されるように構成され、
前記導電性フレームの前記第2の部分は、前記スロットアンテナの接地面を形成する、請求項に記載の装置。
【請求項8】
前記結合要素は、容量結合を介して、前記スロットアンテナで第2の周波数共振を生成するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項9】
直接的な電気的結合を防止するために、前記導電性フレームの前記結合要素および前記第1の部分は、物理的に分離される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記スロット開口の幅は、0.6ミリメートルである、請求項に記載の装置。
【請求項11】
前記スロット開口の幅は、2ミリメートルである、請求項に記載の装置。
【請求項12】
装置であって、
命令を実行するためのプロセッサと、
情報をユーザに表示するためのモニタと、
前記プロセッサ、前記モニタ、およびアンテナシステムを収容するための導電性筐体と、
スロットアンテナ、結合要素、および結合アームを含む前記アンテナシステムと、
を備え、
前記スロットアンテナは、
前記導電性筐体の第1の面内に含まれ、
スロット開口を含み、
少なくとも第1の周波数共振を提供するように構成され、また、
前記スロットアンテナを開放部分および短絡部分に分割する給電点を含み、
前記結合要素は、
前記導電性筐体の第2の面内に形成され、
第1の絶縁材料によって前記導電性筐体から分離され、また、
前記給電点を介して、電気信号によって励振されるように構成され、
前記結合アームは、
前記スロットアンテナの端部と結合され、
前記導電性筐体の第3の面内に形成され、また、
第2の絶縁材料によって前記導電性筐体から分離され、
前記第1の面、第2の面、および第3の面は、前記スロットアンテナ、前記結合要素、および前記結合アームが互いの上側または下側にあるように、異なる面である、
装置。
【請求項13】
前記結合要素は、
容量結合を介して、前記スロットアンテナで第2の周波数共振を生成するように構成され、
前記スロットアンテナに物理的に接触しないように位置付けられる、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年10月8日に出願の米国特許出願第13/269,572号、名称「ANTENNAS FOR COMPUTERS WITH CONDUCTIVE CHASSIS」に対する優先権を主張し、その継続出願であり、該出願は、合衆国法典第35巻第119条(e)の下で、2011年9月30日に出願の米国仮特許出願第61/541,740号、名称「ANTENNAS FOR COMPUTERS WITH CONDUCTIVE CHASSIS」に対する優先権を主張する。これらのより初期に出願された出願の主題のどちらも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
この説明は、電気信号の伝送および受信に関し、より具体的には、スロットアンテナに関する。
【背景技術】
【0003】
ラップトップおよびタブレット等のための、金属またはより全般的には導電性筐体が、広まっている。全般的に、これらの金属またはより全般的には導電性筐体は、優雅な見た目および機械的強度をコンピュータの設計に提供する。しかしながら、それは、アンテナに関する問題を難しくする。
【0004】
モノポールアンテナ、逆Fアンテナ(IFA)、または平面IFA(PIFA)のような標準的なアンテナ設計は、それぞれ、十分な帯域幅を提供し、効率的に放射するために、電気的接地からある高さまたはある距離を必要とする。導電性筐体と結合されると、所望の高さおよび距離が可能でなくなり得る。
【0005】
スロットアンテナは、一般的に、穴またはスロット状の切り抜きを有する金属面、通常は平板を含む。平板が駆動周波数によってアンテナとして駆動されると、スロットは、ダイポールアンテナに類似する方法で電磁波を放射する。全般的に、スロットの形状およびサイズ、ならびに駆動周波数は、放射分布パターンを決定する。しかしながら、現代のネットワーク周波数(例えば、セルラーネットワーク、無線ローカルエリアネットワーク(WLANまたはWi−Fi)等)のためのアンテナとしての機能を果たすために、スロットアンテナは、従来、非常に幅の広いスロット(例えば、6〜7mmよりも大きい)を必要とする。あるいは、より小さいスロットを有するスロットアンテナは、従来、所望の帯域幅または放射周波数が不十分である。これらの欠陥はどちらも、導電性筐体内のスロットアンテナの実際的応用を限定する。
【発明の概要】
【0006】
1つの全般的態様によれば、装置は、導電性フレームと、スロットアンテナとを含み得る。スロットアンテナは、導電性フレームによって少なくとも部分的に形成され得、スロットアンテナは、スロット開口を含み、少なくとも第1の周波数共振を提供するように構成される。スロット開口の幅は、第1の共振周波数の波長の1/200以下であり得る。
【0007】
別の全般的態様によれば、方法は、電気信号をアンテナシステムの給電点に伝送することを含み得る。アンテナシステムは、スロットアンテナを含み得る。スロットアンテナは、導電性フレームに包含され得る。スロットアンテナは、スロット開口を含み得る。スロットアンテナは、少なくとも第1の周波数共振を提供するように構成され得る。スロット開口の幅は、第1の共振周波数の波長の1/200以下であり得る。
【0008】
別の全般的態様によれば、装置は、プロセッサと、モニタと、導電性筐体と、アンテナシステムとを含み得る。プロセッサは、命令を実行し得る。モニタは、情報をユーザに表示し得る。導電性筐体は、プロセッサ、モニタ、およびアンテナシステムを少なくとも部分的に収納し得る。アンテナシステムは、スロットアンテナを含み得る。スロットアンテナは、導電性筐体によって含まれ得る。スロットアンテナは、スロット開口を含み得る。スロットアンテナは、少なくとも第1の周波数共振を提供するように構成され得る。スロット開口の幅は、第1の共振周波数の波長の1/200以下であり得る。
【0009】
1つ以上の実現例の詳細は、添付図面および下の説明で記述される。他の特徴は、説明および図面から、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0010】
スロットアンテナのためのシステムおよび/または方法は、実質的に、図面の少なくとも1つに示される通りであり、および/または図面の少なくとも1つと関連して説明される通りであり、特許請求の範囲でより完全に記述される通りである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態の図である。
【0012】
図2】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態によって作成される周波数グラフである。
【0013】
図3】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態の図である。
【0014】
図4】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態によって作成される周波数グラフである。
【0015】
図5】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態の図である。
【0016】
図6】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態によって作成される周波数グラフである。
【0017】
図7】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態の図である。
【0018】
図8】開示される主題に従うシステムの例示的な実施形態によって作成される周波数グラフである。
【0019】
図9】開示される主題に従う手法の例示的な実施形態のフローチャートである。
【0020】
図10】開示される主題に従って使用することができるコンピュータデバイスおよびモバイルコンピュータデバイスの実施例を示す図である。
【0021】
種々の図面における同じ参照符号は、同じ要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、開示される主題に従うシステム100の例示的な実施形態の図である。好ましい実施形態において、システム100は、例えば、共有コンピューティング端末、シンクライアント、デスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップ、ネットブック、タブレット、スマートフォン等の、コンピューティングデバイスを含み得る。
【0023】
そのような実施形態において、システム100は、導電性筐体またはフレーム102を含み得る。種々の実施形態において、この導電性筐体またはフレーム102は、金属(例えば、アルミニウム、マグネシウム合金、チタン等)を含み得る。
【0024】
いくつかの実施形態において、ラップトップシャーシは、例えば、4つの部品または区画に分割され得る。Aケースは、ラップトップ画面もしくは後蓋の上側または裏側の、ラップトップシャーシの一部分を含み得る。Bケースは、ラップトップ画面もしくは前蓋の前または同じ側の、ラップトップシャーシ上の一部分を含み得る。Cケースは、ラップトップの画面の反対側またはキーボード側の頂部を含む、一部分を含み得る。Dケースは、ラップトップの底部、下部キャリッジ、または脚側を含み得る。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0025】
種々の実施形態において、アンテナは、しばしば、シャーシとラップトップディスプレイ(例えば、LCD画面等)との間で、ラップトップのAケース内に配置される。この空間は、しばしば、非常に小さい(例えば、4または5mm)。このように、アンテナは、アンテナが良好に放射すること、または広帯域幅もしくは広範囲のサポート周波数を有することを困難にする、金属または導電性シャーシに対して静置され得る。種々の実施形態において、ケースがプラスチックもしくは非導電性であるか、またはアンテナがAケースの中で従来の位置(例えば、ラップトップの画面とキーボード/下「半分」との間のヒンジ)から遠ざけられた場合、これは、問題でなくなり得る。類似するアンテナ設計の問題または懸念は、他のコンピューティングデバイス(例えば、タブレット、スマートフォン等)について起こり得る。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0026】
図示される実施形態において、システム100は、スロットアンテナ104を含み得る。種々の実施形態において、このスロットアンテナ104は、4分の1波長のスロットアンテナを含み得る。いくつかの実施形態において、スロットアンテナ104のスロット開口106は、導電性フレーム102の中へ組み込まれ得る。例えば、スロット開口106は、コンピューティングデバイスのシャーシまたはフレームの外側で認識できるロゴまたは他の設計の一部として含まれ得る。種々の実施形態において、2つの金属部品の間隔が狭く、1つ以上の場所で接合されるときに、類似するスロットが達成され得る。例えば、金属ヒンジは、1mm以下の間隔でAケースに取り付けられ得る。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0027】
種々の実施形態において、スロットアンテナ104は、電気信号(図示せず)によって励振され得る。この電気信号は、スロットアンテナ104が伝送する信号を含み得る。スロットアンテナ104はまた、伝送された電気信号を受信し得ることを理解されたい。しかしながら、簡潔にするために、スロットアンテナ104は、全般的に、電気信号を伝送または放射するように説明され、この用語は、開示される主題に限定されないことを理解されたい。
【0028】
種々の実施形態において、電気信号は、接地部分および作動または非接地部分を含み得、ワイヤまたはケーブル(例えば、同軸ケーブル、ツイストペアワイヤ等)を介して、スロットアンテナ104に供給され得る。一実施形態において、電気信号の接地は、導電性フレーム102に適用され得る。具体的な実施形態において、電気信号の接地は、導電性フレーム102(例えば、図7の部分708等)の非隔離部分と結合され得る。そのような実施形態において、これは、導電性フレーム102に、スロットアンテナ102のための接地面としての機能を果たさせ得る。電気信号の作動または非接地部分は、給電点108でスロットアンテナ104と結合され得る。種々の実施形態において、給電点108は、スロットアンテナ104の平坦な縁部側の一部分であり得、スロットアンテナ108の両側または両縁部に接続されない(例えば、給電点108は、例示の目的で、実際のサイズよりも大きく示され得る)。
【0029】
種々の実施形態では、スロットアンテナ104に沿って給電点108を選択することによって、スロットアンテナ104は、短絡部分112と平行に開放部分110を含むものとして見なされ得る。そのような実施形態において、開放部分110は、開放伝送線として見なされ得、伝送線を開放させる、給電点108からスロット開口106までのスロットアンテナ104の一部分として画定され得る。同様に、短絡部分または閉鎖部分112は、開放伝送線として見なされ得、伝送線を短絡させる、スロットアンテナの給電点106から閉端部107までのスロットアンテナ104の一部として画定され得る。
【0030】
種々の実施形態では、短絡部分112のキャパシタンスを開放部分110のインダクタンスと平衡させることによって、スロットアンテナ104のインピーダンスを調整することができる。いくつかの実施形態において、給電点108は、キャパシタンスおよびインダクタンスのそれぞれを調整するために、スロットアンテナ104の長さに沿って移動または摺動し得る。種々の実施形態において、給電点108の場所は、スロットアンテナ104の部分110および112のキャパシタンスおよびインダクタンスが、本質的または実質的に互いに相殺され得るように、また、スロットアンテナ104の共振周波数が、スロット開口または開口部106の幅およびスロットアンテナ104の長さによって決定され得るように選択され得る。
【0031】
種々の実施形態において、スロット開口106の幅は、非常に小さくなり得る。一実施形態において、スロット開口106の幅は、共振周波数または共振波長の1/200未満(またはそれ以下)であり得る。そのような実施形態において、約1GHzの共振周波数を有するスロットアンテナ104は、約1.5mm未満のスロット開口106の幅を有し得る。2.5Ghzの共振は、0.6mmのスロット開口106を有し得る、等である。別の実施形態において、スロット開口106の幅は、2mm未満(またはそれ以下)であり得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0032】
図示される実施形態において、スロットアンテナ104は、略「L」字形を有するように図示される。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないこと、および他の図(例えば、図5および図7)は、同じく開示される主題がそれに限定されない、他のスロットアンテナ104の空洞形状を図示することを理解されたい。
【0033】
同様に、図1は、単一のアンテナ104だけを示す。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。種々の実施形態では、複数のアンテナ104が、同じ(または異なる)導電性フレーム102内に存在し得、またはそれを使用し得る。例えば、図5は、複数のアンテナを示す。例えば、システムまたはデバイスは、各ネットワークまたは通信の規格または周波数に対して1つ以上のアンテナを含み得る。Wi−Fiプロトコルの例としては、電気電子技術者協会(IEEE)802.11g、IEEE802.11n等が挙げられるが、それらに限定されない。セルラープロトコルの例としては、IEEE802.16m(別名、無線MAN(メトロポリタンエリアネットワーク)アドバンスト)、ロングタームエボリューション(LTE)アドバンスト、GSM(移動体通信用グローバルシステム)進化型高速データレート(EDGE)、進化型高速パケットアクセス(HSPA+)等が挙げられるが、それらに限定されない。種々の実施形態において、通信規格またはプロトコルは、複数のアンテナを利用する多入力および多出力(MIMO)システム(例えば、IEEE802.11n、セルラー4G等)を使用し得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0034】
図2は、開示される主題に従うシステム(例えば、図1のシステム100)の例示的な実施形態によって作成される周波数グラフ200である。グラフ200のY軸は、デシベル(dB)で測定され、X軸は、周波数、具体的にはギガヘルツ(GHz)で測定される。
【0035】
グラフ200は、第1のスロットアンテナ(例えば、図1のスロットアンテナ104)の周波数共振を示す、線202を含み得る。グラフ200は、第2のスロットアンテナ(例えば、図1のスロットアンテナ104のような第2のアンテナ)の周波数共振を示す、線204を含み得る。グラフ200は、第1のスロットアンテナと第2のスロットアンテナとの間の相互結合を示す、線204を含み得る。
【0036】
一実施形態(例えば、セルラー通信)において、周波数は、アンテナが−6dBの以下の反射減衰量を提供する場合に、一致しているとみなされ得る。例示される実施形態において、第1のおよび第2のスロットアンテナは、約750〜850メガヘルツ(MHz)で共振を提供する。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0037】
図3は、開示された主題に従うシステム300の例示的な実施形態の図である。好ましい実施形態において、システム300は、例えば、共有コンピューティング端末、シンクライアント、デスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップ、ネットブック、タブレット、スマートフォン等の、コンピューティングデバイスを含み得る。
【0038】
一実施形態において、システム300は、導電性(例えば、金属等の)フレームまたは筐体102を含み得る。上で説明されるように、システム300はまた、スロットアンテナ104も含み得る。
【0039】
種々の実施形態において、システム300はまた、非閉ループとして図示される、結合要素312を含み得る。種々の実施形態において、結合要素312は、モノポールを含み得る。いくつかの実施形態において、結合要素312は、導電性材料(例えば、金属等)を含み得る。好ましい実施形態において、結合要素312および導電性筐体102は、同じ金属または導電性材料を含み得る。そのような実施形態において、結合要素312は、絶縁材料または担体(例えば、図7で図示されるもの等)によって、導電性フレーム102から分離され得る。
【0040】
種々の実施形態において、結合要素312は、給電点308を介して、電気信号によって励振され得る。そのような実施形態において、結合要素312は、スロットアンテナ104と容量結合され得る。この容量結合は、スロットアンテナ104を励振させ得る。この励振は、スロットアンテナ104の共振周波数をもたし得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、モノポール結合要素312の長さおよびスロットアンテナ104の長さを調整することによって、より小さい周波数範囲(図4で示される)で周波数共振が生成され得る。種々の実施形態において、所望の共振周波数は、結合要素312とスロットアンテナ104との間の容量結合の量を変更することによって調整され得る。
【0042】
いくつかの実施形態において、システム300は、高周波結合アーム314を含み得る。そのような実施形態では、4分の1波長の結合アーム314がスロットアンテナ104の高電場(High−E)領域の近くに配置されるときに、第2の寄生共振が広帯域で生成され得る。一実施形態において、高周波結合アーム314は、高周波帯域で、または高周波帯域内(高周波および低周波は、互いに対してである)で共振を生成するために、ある周波数で励振され得る。そのような実施形態において、高周波結合アーム314は、スロットアンテナ104の端部306と物理的に結合または接続され得る。
【0043】
図示される実施形態において、高周波結合アーム314は、導電性材料(例えば、金属等)を含む、「L」字形として示される。好ましい実施形態において、高周波結合アーム314および導電性筐体102は、同じ金属または導電性材料を含み得る。上で説明されるように、そのような実施形態において、高周波結合アーム314は、絶縁材料または担体によって、導電性フレーム102から分離され得る。
【0044】
好ましい実施形態において、スロットアンテナ104、結合要素312、および高周波結合アーム314は、導電性フレーム102の2つまたは3つの異なる面内または深さ内に存在し得るか、または配置され得、よって、スロットアンテナ104、結合要素312、および高周波結合アーム314は、互いの上側または下側にある。但し、種々の実施形態において、これらの要素104、312、および314は、3次元であり、(例えば、スロットアンテナ104の端部306等で)それらの主面のそれぞれを横断して互いに接続し得る。
【0045】
図4は、開示される主題に従うシステム(例えば、図3のシステム300)の例示的な実施形態によって作成される周波数グラフ400である。グラフ400のY軸は、デシベル(dB)で測定され、X軸は、周波数、具体的にはギガヘルツ(GHz)で測定される。
【0046】
グラフ400は、第1のスロットアンテナ(例えば、図3のスロットアンテナ104)の周波数共振を示す、線402を含み得る。グラフ400は、第2のスロットアンテナ(例えば、図3のスロットアンテナ104のような第2のアンテナ)の周波数共振を示す、線404を含み得る。グラフ400は、第1のスロットアンテナと第2のスロットアンテナの間の相互結合を示す、線404を含み得る。
【0047】
図示される実施形態において、線402の低周波共振(例えば、約0.76〜0.83GHzの間)は、スロットアンテナと結合要素との間の容量結合によって生じる、スロットアンテナの低周波共振を示し得る。同様に、線404の低周波共振(例えば、約0.79〜0.85GHzの間)は、第2の結合要素に起因する第2のスロットアンテナの低周波共振を表し得る。
【0048】
図示される実施形態において、線402の高周波共振(例えば、約1.83〜1.90GHzの間)は、高周波結合アームによって生じる、スロットアンテナの高周波共振を示し得る。同様に、線404の高周波共振(例えば、約1.84〜1.93GHzの間)は、第2の高周波結合アームに起因する第2のスロットアンテナの高周波共振を表し得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0049】
図5は、開示された主題に従うシステム500の例示的な実施形態の図である。好ましい実施形態において、システム500は、例えば、共有コンピューティング端末、シンクライアント、デスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップ、ネットブック、タブレット、スマートフォン等の、コンピューティングデバイスを含み得る。
【0050】
種々の実施形態において、システム500は、導電性フレームまたは筐体102内に、2つのスロットアンテナ504および504aを含み得る。図1および図3の「L」字形スロットアンテナとは異なり、スロットアンテナ504および504aは、図示される螺旋形または「紙クリップ」のような形状等の、より複雑な形状を有し得る。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0051】
そのような実施形態において、スロットアンテナ504は、給電点508を含み得る。上で説明されるように、この給電点508は、スロットアンテナ504を、短絡部分または伝送線512、および開放部分または伝送線510に分割し得る。図示される実施形態において、開放部分510は、非閉ループのように成形され得、短絡部分512は、開放部分510の周囲で「C」字形であり得る。部分510および512は、導電性フレーム102の介在部分514によって分離され得る。同様に、スロットアンテナ504aには、類似する構造、または同一の構造さえも存在し得る。ここでも、上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0052】
種々の実施形態において、低いおよび高い2つの周波数共振は、スロットアンテナ504で生成され得る。上で説明されるように、これらの共振は、部分510および512のそれぞれの長さによって制御され得る。
【0053】
図示される実施形態において、短絡部分512が開放部分510を包み込む方法のため、部分510と512との間には電気的結合が存在し得る。別の実施形態では、逆もあり得る。そのような実施形態において、短絡部分512と開放部分510との間のフレーム部分514の幅または量は、スロットアンテナ504での追加の周波数共振を制御または生成し得る。種々の実施形態において、これらの追加の周波数共振は、スロットアンテナ504が放射または伝送し得る帯域幅または周波数範囲を増加させ得る。
【0054】
具体的な実施形態において、スロットアンテナ504の幅またはX軸寸法は、ほぼ16mmであり得る。スロットアンテナ504の高さまたはY軸寸法は、ほぼ8mmであり得る。種々の実施形態において、スロットアンテナ504と504aとの間の距離は、ほぼ22mmであり得る。方向を示す用語(例えば、幅、高さ、X軸サイズ等)は、相対的なものであり、開示される主題を特定の配向に限定するものでないことを理解されたい。また、上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことも理解されたい。
【0055】
図6は、開示される主題に従うシステム(例えば、図5のシステム500)の例示的な実施形態によって作成される周波数グラフ600である。グラフ600のY軸は、デシベル(dB)で測定され、X軸は、周波数、具体的にはギガヘルツ(GHz)で測定される。
【0056】
グラフ600は、第1のスロットアンテナ(例えば、図5のスロットアンテナ504)の周波数共振を示す、線602を含み得る。グラフ400は、第2のスロットアンテナ(例えば、図5のスロットアンテナ504a)の周波数共振を示す、線604を含み得る。グラフ500は、第1のスロットアンテナと第2のスロットアンテナの間の相互結合を示す、線504を含み得る。
【0057】
図示される実施形態において、線602の低周波共振(例えば、約2.15〜2.9GHzの間)は、スロットアンテナの開放部分によって生じる、スロットアンテナの低周波共振を示し得る。図示される実施形態において、線602の高周波共振(例えば、約4.97〜7.00GHzの間)は、スロットアンテナの短絡部分によって生じる、スロットアンテナの高周波共振を示し得る。線604についても同様である。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0058】
図7は、開示された主題に従うシステム700の例示的な実施形態の図である。好ましい実施形態において、システム700は、例えば、共有コンピューティング端末、シンクライアント、デスクトップパーソナルコンピュータ、ラップトップ、ネットブック、タブレット、スマートフォン等の、コンピューティングデバイスを含み得る。
【0059】
種々の実施形態において、システム700は、導電性フレームまたは筐体102と、スロットアンテナ704とを含み得る。図示される実施形態において、スロットアンテナ704は、図1もしくは図3の「L」字形のスロットアンテナ、または図5のより複雑な構造とは対照的に、直線状または「U」字形のスロットアンテナ704を含み得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0060】
図示される実施形態において、スロットアンテナ704は、導電性フレーム102を、導電性フレーム102の接地面部分708および電気的隔離部分706に本質的に分割するように位置付けられ得る。そのような実施形態において、電気的隔離部分706は、スロットアンテナ704によって接地面部分708から分離され得、よって、電気は、接地面部分708の中と同じくらい、電気的隔離部分706内を自由に流れ得ない。種々の実施形態において、隔離部分706は、それを画定するスロットアンテナ704と同じくらいの長さにしかなり得ない。一実施形態において、隔離部分706の長さは、所望の共振周波数の4分の1波長であり得る。そのような実施形態において、スロットアンテナ704は、片側が接地面708によって有効に囲まれ得る。
【0061】
種々の実施形態において、アンテナ給電点(図示せず)は、隔離部分706に接続され得る。隔離部分706は、給電点を介して励振され得、よって、共振周波数は、スロットアンテナ704内で生成され得る。
【0062】
上で説明されるように、種々の実施形態において、システム700は、結合要素710を含み得る。図示される実施形態において、結合要素710は、図3で図示される非閉ループ形とは対照的に、本質的に「U」字形であり得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。種々の実施形態において、結合要素710の長さは、その所望の共振周波数のそれぞれの4分の1波長であり得る。
【0063】
そのような実施形態において、第2の共振周波数は、結合要素710とスロットアンテナ704との間の容量結合を介して、スロットアンテナ704で生成され得る。上で説明されるように、電気信号は、結合要素710に印加され得る。種々の実施形態において、結合要素710は、結合要素710とスロットアンテナ704または隔離部分706のいずれかとの(容量的に対して)直接的な電気的結合を防止するために、非導電性セパレータ712によって物理的に分離され得る。種々の実施形態において、接地ワイヤまたはコネクタ(図示せず)は、結合要素710の接地点711gを接地面部分708に直接的に結合し得る。そのような実施形態において、結合要素710の接地点711gと給電点711fとの間の長さまたは距離は、結合要素710の共振の一致を制御し得る。
【0064】
図8は、開示される主題に従うシステム(例えば、図7のシステム700)の例示的な実施形態によって作成される周波数グラフ800である。グラフ800のY軸は、デシベル(dB)で測定され、X軸は、周波数、具体的にはギガヘルツ(GHz)で測定される。
【0065】
グラフ800は、スロットアンテナ(例えば、図7のスロットアンテナ704)の周波数共振を示す、線802を含み得る。線802は、2つの共振部分804および806を含み得る。図示される実施形態において、共振部分804は、結合要素によって生じる共振周波数を示し得る。共振部分806は、導電性フレームの隔離部分によって生成される共振を示し得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0066】
図9は、開示された主題に従う手法の例示的な実施形態のフローチャートである。種々の実施形態において、手法900は、図1図3図5図7、または図10のシステム等のシステムによって使用または作成され得る。さらに、手法900の部分は、図2図4図6、または図8によって図示されるような結果を作成するために使用され得る。但し、上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。開示される主題は、手法900によって図示されるアクションの順序または数に限定されないことを理解されたい。
【0067】
ブロック902は、上で説明されるように、一実施形態において、電気信号がアンテナシステムの給電点に伝送され得ることを示す。上で説明されるように、種々の実施形態において、アンテナシステムは、スロット開口を有するスロットアンテナを含み得る。上で説明されるように、いくつかの実施形態において、このスロットアンテナは、導電性フレームに包含され得るか、またはそれ自体であり得る。上で説明されるように、いくつかの実施形態において、このスロットアンテナは、第1の周波数共振を提供し、印加された電気信号を伝送するように構成され得る。上で説明されるように、いくつかの実施形態において、スロット開口は、非常に小さくなり得、例えば、スロットアンテナの共振波長の1/200未満等であり得る。種々の実施形態において、導電性フレームは、スロットアンテナの接地面を少なくとも部分的に形成し得る。上記は、開示される主題がそれに限定されない、単なる1つの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0068】
いくつかの実施形態において、給電点は、スロットアンテナを、短絡部分および開放部分に分配または分割し得る。そのような一実施形態において、給電点は、短絡部分のキャパシタンスおよび開放部分のインダクタンスが所定のインピーダンス(例えば、75Ω等)に一致するように組み合わせ得るように位置付けられ得る。上で説明されるように、種々の実施形態において、容量結合を介して、スロットアンテナで第2の共振周波数を生成するために、スロットアンテナの短絡部分は、スロットアンテナの開放部分の実質的に周囲に位置付けられ得る。
【0069】
上で説明されるように、別の実施形態において、アンテナシステムは、導電性結合要素を含み得る。上で説明されるように、そのような一実施形態において、給電点は、導電性結合要素に包含され得るか、またはそれと結合され得る。種々の実施形態において、導電性結合要素は、スロットアンテナに物理的に接触しないように位置付けられ得る。上で説明されるように、種々の実施形態において、導電性結合要素は、共振周波数または最小の別の共振周波数を提供するために、スロットアンテナと容量結合され得る。
【0070】
上で説明されるように、さらに別の実施形態において、スロットアンテナは、導電性フレームの隔離部分を生成するために、導電性フレーム内に位置付けられ得る。上で説明されるように、そのような実施形態において、給電点は、隔離部分に包含され得るか、またはそれと結合され得る。そのような実施形態において、隔離部分は、励振されると、スロットアンテナ内で共振周波数を生成し得る。
【0071】
上で説明されるように、種々の実施形態において、このブロックによって示されるアクションの1つ以上は、図1図3図5図7、または図10の装置またはシステム、図1図3図5、または図7の給電点、スロットアンテナ、および導電性フレームによって行われ得る。
【0072】
上で説明されるように、ブロック904は、一実施形態において、アンテナシステムの第2の給電点が、励振され得るか、またはそれに伝送される第2の電気信号を有し得ることを示す。上で説明されるように、種々の実施形態において、スロットアンテナおよび導電性フレームに加えて、アンテナシステムは、導電性結合要素を含み得る。上で説明されるように、そのような実施形態において、導電性結合要素は、第2の給電点を介して励振され、容量結合を介して、スロットアンテナで第2の周波数共振を生成するように構成され得る。上で説明されるように、種々の実施形態において、このブロックによって示されるアクションの1つ以上は、図5図7、または図10の装置またはシステム、図5または図7の給電点、スロットアンテナ、導電性フレーム、および導電性結合要素によって行われ得る。
【0073】
種々の実施形態において、1つまたは複数の電気信号が給電点(複数可)に印加されると、次いで、アンテナシステムは、電気信号が(例えば、そのデバイスアンテナシステムを介して)別のデバイスによって受信され得るような方法で、電波を介して、その電気信号または実質的にその中に含まれる情報を伝送または送信し得る。別の実施形態において、アンテナシステムは、最初に、(例えば、別のデバイス等から)電波を介して電気信号を受信し、次いで、その電気信号または実質的にその中に含まれる情報を、給電点に伝送し得、該給電点では、そこからアンテナシステムを含むデバイスによってそれが受信され、処理され得る。上記は、開示される主題がそれらに限定されない、単なるいくつかの実例となる実施例に過ぎないことを理解されたい。
【0074】
図10は、本明細書で説明される手法で使用され得る、汎用コンピュータデバイス1000および汎用モバイルコンピュータデバイス1050の実施例を示す。コンピューティングデバイス1000は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータ等の、種々の形態のデジタルコンピュータを表すことが意図される。コンピューティングデバイス1050は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の類似するコンピューティングデバイス等の、種々の形態のモバイルデバイスを表すことが意図される。本明細書で示されるコンピュータ、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、例示的なものに過ぎず、本文書で説明および/または主張される本発明の実現例を限定するものでない。
【0075】
コンピューティングデバイス1000は、プロセッサ1002と、メモリ1004と、記憶デバイス1006と、メモリ1004および高速拡張ポート1010に接続する高速インターフェース1008と、低速バス1014および記憶デバイス1006に接続する低速インターフェース1012とを含む。構成要素1002、1004、1006、1008、1010、および1012のそれぞれは、種々のバスを使用して相互接続され、共通のマザーボード上に、または必要に応じて他の手法で載置され得る。プロセッサ1002は、高速インターフェース1008に結合されたディスプレイ1016等の外部入力/出力デバイス上に、GUIのグラフィック情報を表示するために、メモリ1004または記憶デバイス1006に記憶される命令を含む、コンピュータデバイス1000内で実行するための命令を処理することができる。他の実装例では、複数のメモリおよび複数のタイプのメモリとともに、必要に応じて、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが使用され得る。また、複数のコンピューティングデバイス1000が接続され得、各デバイスは、(例えば、サーババンク、一群のブレードサーバ、またはマルチプロセッサシステムとしての)必要な動作部分を提供する。
【0076】
メモリ1004は、コンピューティングデバイス1000内に情報を記憶する。一実現例において、メモリ1004は、1つまたは複数の揮発性メモリユニットである。別の実現例において、メモリ1004は、1つまたは複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ1004はまた、磁気ディスクまたは光ディスク等の、別の形態のコンピュータが読み出し可能な媒体であり得る。
【0077】
記憶デバイス1006は、コンピューティングデバイス1000のための大容量記憶を提供することができる。一実現例において、ストレージデバイス1006は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、もしくはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の類似する固体メモリデバイス、またはストレージエリアネットワークもしくは他の構成を含む一連のデバイス等の、コンピュータが読み出し可能な媒体であるか、またはそれを含み得る。コンピュータプログラム製品は、情報担体に実体的に具現化することができる。コンピュータプログラム製品はまた、実行されると、上で説明されるような1つ以上の方法を行う、命令も含み得る。情報担体は、メモリ1004、記憶デバイス1006、またはプロセッサ1002上のメモリ等の、コンピュータが読み出し可能なまたは機械が読み出し可能な媒体である。
【0078】
高速コントローラ1008は、コンピューティングデバイス1000のための帯域幅集中的操作を管理し、一方で、低速コントローラ1012は低い帯域幅集中的操作を管理する。そのような機能の割り当ては、例示的なものに過ぎない。一実現例において、高速コントローラ1008は、メモリ1004、(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通して)ディスプレイ1016、および種々の拡張カード(図示せず)を受け付け得る高速拡張ポート1010に結合される。実現例において、低速コントローラ1012は、記憶デバイス1006および低速拡張ポート1014に結合される。種々の通信ポート(例えば、USB、Bluetooth、イーサネット、無線イーサネット)を含み得る、低速拡張ポートは、例えばネットワークアダプタを通して、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、またはスイッチもしくはルータ等のネットワーキングデバイス等の、1つ以上の入力/出力デバイスに結合され得る。
【0079】
コンピューティングデバイス1000は、図で示されるような、いくつかの異なる形態で実現され得る。例えば、それは、標準サーバ1020として、または一群のそのようなサーバで複数倍に実現され得る。また、それは、ラックサーバシステム1024の一部として実現され得る。加えて、それは、ラップトップコンピュータ1022等のパーソナルコンピュータで実現され得る。あるいは、コンピューティングデバイス1000からの構成要素は、デバイス1050等の、モバイルデバイス(図示せず)の中の他の構成要素と組み合わせられ得る。そのようなデバイスのそれぞれは、コンピューティングデバイス1000、1050の1つ以上を含み得、システム全体は、相互に通信している複数のコンピューティングデバイス1000、1050で構成され得る。
【0080】
コンピューティングデバイス1050は、数ある他の構成要素の中でも、プロセッサ1052と、メモリ1064と、ディスプレイ1054等の入力/出力デバイスと、通信インターフェース1066と、送受信機1068とを含む。デバイス1050にはまた、さらなる記憶を提供するために、マイクロドライブまたは他のデバイス等の記憶デバイスも提供され得る。構成要素1050、1052、1064、1054、1066、および1068のそれぞれは、種々のバスを使用して相互接続され、構成要素のいくつかは、共通のマザーボード上に、または必要に応じて他の手法で載置され得る。
【0081】
プロセッサ1052は、コンピューティングデバイス1050内で、メモリ1064に記憶される命令を含む、命令を実行することができる。プロセッサは、別個のおよび複数のアナログおよびデジタルプロセッサを含む、チップのチップセットとして、実現され得る。プロセッサは、例えば、ユーザインターフェースの制御、デバイス1050によって動作されるアプリケーション、およびデバイス1050による無線通信等の、デバイス1050の他の構成要素の協調を提供し得る。
【0082】
プロセッサ1052は、ディスプレイ1054に結合される制御インターフェース1058およびディスプレイインターフェース1056を通してユーザと通信し得る。ディスプレイ1054は、例えば、TFTLCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)もしくはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、または他の適切なディスプレイ技術であり得る。ディスプレイインターフェース1056は、グラフィカルおよび他の情報をユーザに提示するために、ディスプレイ1054を駆動するための適切な回路を備え得る。制御インターフェース1058は、ユーザからコマンドを受け取り、プロセッサ1052に提出するためにそれらを変換し得る。加えて、外部インターフェース1062は、デバイス1050の他のデバイスとのニアエリア通信を可能にするように、プロセッサ1052との通信を提供し得る。外部インターフェース1062は、例えば、いくつかの実現例において、有線通信を提供し得、他の実現例において、無線通信を提供し得、また、複数のインターフェースも使用し得る。
【0083】
メモリ1064は、コンピューティングデバイス1050内に情報を記憶する。メモリ1064は、1つもしくは複数のコンピュータが読み出し可能な媒体、1つもしくは複数の揮発性メモリユニット、または1つもしくは複数の不揮発性メモリユニットの1つ以上として実現することができる。また、拡張メモリ1074も提供され得、例えばSIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインターフェースが挙げられ得る、拡張インターフェース1072を通してデバイス1050に接続され得る。そのような拡張メモリ1074は、デバイス1050のための追加の記憶空間を提供し得るか、または、デバイス1050のためのアプリケーションまたは他の情報も記憶し得る。具体的には、拡張メモリ1074は、上で説明されるプロセスを実行する、または補足するための命令を含み得、また、セキュア情報も含み得る。したがって、例えば、拡張メモリ1074は、デバイス1050のためのセキュリティモジュールとして提供され得、また、デバイス1050のセキュアな使用を可能にする命令でプログラムされ得る。加えて、ハッキングできない手法でSIMMカードに識別情報を配置する等の、セキュアアプリケーションが、追加の情報とともに、SIMMカードを介して提供され得る。
【0084】
下で論じられるように、メモリとしては、例えば、フラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリが挙げられ得る。一実現例において、コンピュータプログラム製品は、情報担体に実体的に具現化される。コンピュータプログラム製品は、実行されると、上で説明されるような1つ以上の方法を行う、命令を含む。情報担体は、メモリ1064、拡張メモリ1074、またはプロセッサ1052上のメモリ等の、例えば送受信機1068または外部インターフェース1062を通じて受け取られ得る、コンピュータが読み出し可能なまたは機械が読み出し可能な媒体である。
【0085】
デバイス1050は、通信インターフェース1066を通して無線で通信し得、必要に応じて、デジタル信号処理回路を含み得る。通信インターフェース1066は、数ある中でも、GSM音声通話、SMS、EMS、もしくはMMSメッセージング、CDMA、TDMA、PDC、WCDMA、CDMA2000、もしくはGPRS等の、種々のモードまたはプロトコルの下での通信を提供し得る。そのような通信は、例えば、無線周波数送受信機1068を通して起こり得る。加えて、Bluetooth、WiFi、または他のそのような送受信機(図示せず)等を使用して、短距離通信が起こり得る。加えて、GPS(グローバルポジショニングシステム)受信モジュール1070は、必要に応じてデバイス1050上で動作するアプリケーションによって使用され得る、追加のナビゲーション関連および場所関連の無線データをデバイス1050に提供し得る。
【0086】
デバイス1050はまた、オーディオコーデック1060を使用して可聴的にも通信し得、ユーザから音声情報を受け取り、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る。オーディオコーデック1060は、同様に、例えばデバイス1050のハンドセットで、スピーカー等を通して、ユーザに対する可聴音を発生させ得る。そのような音は、音声電話からの音を含み得、記録された音(例えば、音声メッセージ、音楽ファイル等)を含み得、また、デバイス1050上で動作するアプリケーションによって発生される音も含み得る。
【0087】
コンピューティングデバイス1050は、図で示されるように、いくつかの異なる形態で実現され得る。例えば、それは、携帯電話1080として実現され得る。それはまた、スマートフォン1082、携帯情報端末、または他の類似するモバイルデバイスの一部として実現され得る。
【0088】
本明細書で説明されるシステムおよび手法の種々の実現例は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現することができる。これらの種々の実現例は、記憶システムからデータおよび命令を受け取るために、該記憶システムにデータおよび命令を送るために結合され、専用または汎用であり得る、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサ、少なくとも1つの入力デバイス、少なくとも1つの出力デバイスを含む、プログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能である、1つ以上のコンピュータプログラムの実現例を含むことができる。
【0089】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られる)は、プログラマブルプロセッサのための機械命令を含み、高水準手続きプログラミング言語および/もしくはオブジェクト指向プログラミング言語、ならびに/またはアセンブリ言語/機械言語で実現することができる。本明細書で使用される「機械が読み出し可能な媒体」、「コンピュータが読み出し可能な媒体」という用語は、機械が読み出し可能な信号として機械命令を受け取る機械が読み出し可能な媒体を含む、機械命令および/またはデータを、プログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。「機械が読み出し可能な信号」という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される任意の信号を指す。
【0090】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書で説明されるシステムおよび手法は、情報をユーザに表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)、ならびにそれによってユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)を有するコンピュータ上で実現することができる。ユーザとの相互作用を提供するために、他の種類のデバイスを使用することも可能である。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)とすることができ、ユーザからの入力は、音響入力、音声入力、または触覚入力を含む、任意の形態で受け取ることができる。
【0091】
本明細書で説明されるシステムおよび手法は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ等)を含む、またはミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンド構成要素(例えば、ユーザがそれを通して本明細書で説明されるシステムおよび手法の実現例と相互作用することができるグラフィカルユーザインターフェースまたはウェブブラウザを有する、クライアントコンピュータ)を含む、またはそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせ含む、コンピューティングシステムで実現することができる。システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、およびインターネットが挙げられる。
【0092】
コンピューティングシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、全般的に、互いから遠隔であり、一般的に、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で動作し、互いにクライアント−サーバ関係を有する、コンピュータプログラムによって生じる。
【0093】
いくつかの実施形態を説明してきた。それでも、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、種々の変更が行われ得ることが理解されるであろう。
【0094】
加えて、図に描画される論理フローは、望ましい結果を達成するために、示される特定の順序または連続的な順序を必要としない。加えて、他のステップが提供され得、または説明されるフローからステップが省略され得、また、説明されるシステムに他の構成要素が追加され得、または説明されるシステムから他の構成要素が除去され得る。したがって、他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10