(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の情報入力装置では、感圧センサが筐体及びパネルの縁部に配置されているので、装置の製造工程が複雑になる。
【0005】
本発明の目的は、表示一体型入力装置において、感圧センサの配置を簡単にすることで、装置の製造工程を簡素化することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る表示一体型入力装置は、ハウジングと、カバー部材と、表示入力パネルと、感圧センサとを備えている。
ハウジングは、凹部を有する。
カバー部材は、凹部の開口を塞ぐように設けられ、ハウジングの縁部に支持された縁部を有する。
表示入力パネルは、カバー部材の凹部側の面に固定されたタッチセンサ及び表示部を有する。
感圧センサは、凹部の底部と表示入力パネルとの間に配置され、カバー部材が押圧されたときに表示入力パネルから荷重を受けることで押圧力を検出する。
この装置では、感圧センサがハウジングの凹部の底部と表示入力パネルとの間に配置されているので、感圧センサの配置が簡単になり、表示一体型入力装置の製造工程が簡素化される。
【0008】
感圧センサは表示入力パネルとハウジングとの間で、非押圧状態において圧力が付与されていてもよい。
表示一体型入力装置は、AD変換部と、ゼロ点補正部と、をさらに備えていてもよい。
AD変換部は、感圧センサからの検出信号をアナログ−デジタル変換する。
ゼロ点補正部は、アナログ−デジタル変換された検出信号をゼロ点補正する。
この装置では、感圧センサには非押圧状態において圧力が付与されているので、押圧力が小さな場合でも押圧力を確実に検出できる。
さらに、この装置では、ゼロ点補正部がゼロ点補正を行うことで、環境の変化に起因するベースラインの変化を減らすことができ、押圧力を正確に検出できる。
【0009】
表示一体型入力装置は、感度補正率記憶部と、感度較正部と、をさらに備えていてもよい。
感度補正率記憶部は、カバー部材が押圧されたときの押圧位置ごとの検出信号に基づいて取得された各検出信号の感度補正率を記憶する。
感度較正部は、カバー部材が押圧されると、タッチセンサによって検出された押圧位置に応じて、アナログ−デジタル変換された検出信号に感度補正率を乗じることで、感度較正を行う。
この装置では、感度較正部によって検出信号の感度較正が行われるので、面内の圧力検出のばらつきが低減され、その結果、押圧力を正確に検出できる。
【0010】
表示一体型入力装置は、弾性部材をさらに備えていてもよい。弾性部材は、感圧センサと表示入力パネルの間及び/又は感圧センサと凹部の底部の間に配置されている。
この装置では、弾性部材によって、感圧センサを表示入力パネルと凹部の底部との間に実装する際に、高さ方向の隙間のばらつきを吸収できる。
【0011】
感圧センサは、抵抗変化型圧力センサであってもよい。
この装置では,抵抗変化型圧力センサを用いているので、構造が簡単になる。
【0012】
表示一体型入力装置は、電圧印加部をさらに備えていてもよい。電圧印加部は、抵抗変化型圧力センサに電圧を印加する。
電圧印加部は、カバー部材が押圧されている間に抵抗変化型圧力センサに電圧を印加し、カバー部材が押圧されていない間は抵抗変化型圧力センサに電圧を印加しない。
この装置では、抵抗変化型圧力センサに電圧を印加しているのはカバー部材が押圧されている間のみなので、消費電力が低減される。
【0013】
抵抗変化型圧力センサは、
ポリイミド基材からなるセンサ基材と、
熱硬化型の導電ペーストからなる電極とを有していてもよい。
この装置では、例えば抵抗変化型圧力センサに非押圧状態において圧力が付与されている状態であっても、信頼性及び耐久性を高く維持できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る表示一体型入力装置では、感圧センサの配置を簡単にすることで、装置の製造工程が簡素化される。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.第1実施形態
(1)情報入力装置の概略構成
図1及び
図2を用いて、情報入力装置1を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る表示一体型入力装置の平面図である。
図2は、
図1のII−II概略断面図である。
情報入力装置1は、操作者からの接触動作によって情報を入力可能な装置である。情報入力装置1は、例えば、スマートフォン、タブレット型コンピュータ、スマートウォッチ等の電子機器である。
【0017】
情報入力装置1は、表示一体型入力装置3を有している。表示一体型入力装置3は、表示装置の機能と入力装置の機能とを有している。
表示一体型入力装置3は、ハウジング5を有している。ハウジング5は、剛性が高い材料からなり、例えばプラスチック製である。ハウジング5は、箱形形状を有している。凹部5aを有している。凹部5aは、
図2に示すように、上方に開口している。凹部5aは、底部5bと、底部5bの周囲に形成された縁部5cとによって構成されている。この実施形態では、凹部5aは平板形状である。
【0018】
表示一体型入力装置3は、カバー部材7を有している。カバー部材7は、操作者の押圧操作を受け付ける操作面を構成する。カバー部材7は、比較的剛性が高く光透過可能な材料からなる。カバー部材7は、ガラス、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)等からなる。カバー部材7は、ハウジング5の凹部5aに対応する形状及び位置を有している。カバー部材7は、凹部5aの開口を塞ぐように配置されている。つまり、この実施形態では、カバー部材7は平板形状である。具体的には、カバー部材7は、縁部7aがハウジング5の縁部5cによって支持されており、
図2の上方からカバー部材7に押圧力が作用すると、カバー部材7からハウジング5の縁部5cによって荷重が受けられるようになっている。カバー部材7の厚みは、0.1〜10mmの範囲にある。
【0019】
表示一体型入力装置3は、表示入力パネル9を有している。表示入力パネル9は、カバー部材7の凹部5a側の面7bに固定されている。表示入力パネル9は、表示機能と、タッチ入力機能とを有している。具体的には、表示入力パネル9は、表示部15(
図6)を有している。表示部15は、液晶パネル、有機ELパネル、又はその他の表示装置である。表示入力パネル9は、タッチセンサ17(
図6)を有している。タッチセンサ17は、抵抗膜式、静電容量式、又はその他の方式である。表示部15とタッチセンサ17は互いに固定され、好ましくは一体的に形成されている。表示部15とタッチセンサ17の一体化は、インセル、オンセル、又はその他の方式である。表示入力パネル9の厚みは、0.05〜10mmの範囲にある。表示入力パネル9と底部5bとの間の隙間は、0.1〜10mmの範囲にある。
カバー部材7が操作者によって押されると、カバー部材7及び表示入力パネル9が撓んで変形する。具体的には、表示入力パネル9が押圧ポイントを中心に底部5bに対して突出するように変形する。
【0020】
表示一体型入力装置3は、感圧センサ11を有している。感圧センサ11は、押圧力が付与されると、検出信号を発生するセンサである。感圧センサ11は、凹部5a内でハウジング5と表示入力パネル9との間に配置されている。具体的には、感圧センサ11は、表示入力パネル9と凹部5aの底部5bとの間に挟まれている。感圧センサ11は、カバー部材7が押圧されたときに表示入力パネル9から荷重を受けることで押圧力を検出する。以上に述べたように、感圧センサ11がハウジング5の凹部5aの底部5bと表示入力パネル9との間に配置されているので、感圧センサ11の配置が簡単になり、表示一体型入力装置3の製造工程が簡素化される。
具体的には、感圧センサ11は、ハウジング5の底部5bの所定の位置に配置又は固定されることで実装が可能である。
【0021】
感圧センサ11は、
図1に示すように、平面視において、表示一体型入力装置3の中心に1個だけ配置されている。これにより、簡単な構造で正確な押圧力検出が可能になる。ただし、感圧センサ11の数及び位置は特に限定されない。
感圧センサ11は、この実施形態では、抵抗変化型圧力センサである。したがって、構造が簡単である。なお、感圧センサ11の詳細構造は後述される。
【0022】
表示一体型入力装置3は、荷重伝達部材13を有している。荷重伝達部材13は、感圧センサ11に対して押圧力を効果的に伝達するための部材である。荷重伝達部材13は、表示入力パネル9と感圧センサ11との間に配置されている。荷重伝達部材13は、感圧センサ11より面積が小さく、かつ、感圧センサ11におけるセンサ部分に対応して配置されている。これにより、荷重伝達部材13によって荷重が集中的に感圧センサ11に伝達され、つまり、感圧センサ11のセンサ部分における面圧が高くなる。具体的には、荷重伝達部材13は、円柱形状である。また、荷重伝達部材13は、感圧センサ11の上面に固定されている。
荷重伝達部材13は、弾性部材からなる。このように弾性部材によって、感圧センサ11を表示入力パネル9と凹部5aの底部5bとの間に実装する際に、高さ方向の隙間のばらつきを吸収できる。具体的には、荷重伝達部材13はシリコンゴムである。荷重伝達部材13のゴム強度は、例えば、A10〜A90の範囲である。ただし、荷重伝達部材13の材料は特に限定されず、スポンジ状の材料又は他のゴムであってもよい。
なお、感圧センサ11の高さ寸法は、0.05〜1mmの範囲にある。荷重伝達部材13の高さ寸法は、0.05〜10mmの範囲にある。感圧センサ11と荷重伝達部材13を合わせた高さ寸法は、0.1〜11mmの範囲にある。
【0023】
また、荷重伝達部材13は、感圧センサ11と表示入力パネル9の間に配置されているが、感圧センサ11とハウジング5の間に配置されていてもよいし、両方に配置されていてもよい。
荷重伝達部材13は、感圧センサ11に固定されていてもよいし、固定されていなくてもよい。
感圧センサ11は、表示入力パネル9とハウジング5との間で、非押圧状態において圧力が付与されていてもよい。その場合は、押圧力が小さな場合でも押圧力を確実に検出できる。また、初期の不安定な検出値を排除できる。
【0024】
(2)抵抗変化型圧力センサの概略構成
図3〜
図5を用いて、抵抗変化型圧力センサとしての感圧センサ11の原理を説明する。
図3は、抵抗変化型圧力センサの概略構成図である。
図4は、抵抗変化型圧力センサの概略断面図である。
図5は、抵抗変化型圧力センサの押圧力とADC出力の関係を示すグラフである。
前述の通り、感圧センサ11は、抵抗変化型圧力センサである。抵抗変化型圧力センサとは、Resistive Force Sensorとも呼ばれている。感圧センサ11は、
図4に示すように、薄い空気ギャップ25を介して配置された第1センサ基材21及び第2センサ基材23を有している。空気ギャップ25は、第1センサ基材21及び第2センサ基材23の周縁に設けられたスペーサ27によって維持されている。スペーサ27は、第1センサ基材21と第2センサ基材23とを固定する接着剤としても機能する。第1センサ基材21には、第2センサ基材23と対向する面に、抵抗材料29が形成されている。第2センサ基材23には、交互に配置された2組の櫛歯状の電極部31a、33aをそれぞれ有する一対の電極31、33が形成されている。
感圧センサ11各材料は、
図3に示すように、平面視で円形である。ただし形状は限定されない。
【0025】
上記の構造において、第1センサ基材21及び第2センサ基材23が互いに接近するように押されると抵抗材料29が櫛歯状の電極部31a、33aに接触する面積が増大し、それにより一対の電極31、33の間のセンサ抵抗Rpが減少する。
第1センサ基材21及び第2センサ基材23の材料は、可撓性を有する絶縁性フィルムであり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルイミド(PEI)等でよいが、特にポリイミド基材からなることが好ましい。電極31、33は、例えば銀ペースト又は銅ペーストであるが、特に限定されない。ただし、電極31、33は、熱硬化型の導電ペーストからなることが好ましい。なお、電極材料は、金属箔、スパッタ膜、蒸着膜、ラミネート膜などをペースト以外のものであってもよい。
上記の材料を選択することで、例えば感圧センサ11に非押圧状態において圧力が付与されている状態であっても、信頼性及び耐久性を高く維持できる。
【0026】
基準抵抗Rrefは、感圧センサ11の圧力変化によって変化する抵抗値を後段のAD変換部(ADC)37に好適な電圧値に変化するための抵抗である。センサ抵抗Rpは、感圧センサ11において変化する抵抗であり、感圧センサ11が押圧されることにより値が下がる。電圧印加部35からの基準電圧Vrefがセンサ抵抗Rpの片側(電極31)に接続され、基準抵抗Rrefが接地されている。また、センサ抵抗Rpの反対側(電極33)と基準抵抗Rrefの一端が接続され、その接続点がAD変換部37に接続されている。押圧力により変化するセンサ抵抗Rp、基準電圧Vrefに基づき、加えられた押圧力に比例する押圧電圧Vpressが次式のように発生する。
Vpress=Vref*Rref/(Rp+Rref)
【0027】
押圧電圧Vpressは、感圧センサ11からの検出信号として、AD変換部37に入力され、AD変換部37によってデジタル信号に変換される。押圧力が増加すると感圧センサ11におけるセンサ抵抗Rpが減少するので、
図5に示すように、AD変換部37からの出力は増加する。
なお、感圧センサ11に非押圧状態において圧力が付与されている場合は、第1センサ基材21及び第2センサ基材23が互いに近接しており、抵抗材料29が櫛歯状の電極部31a、33aに接触している。
【0028】
(3)情報入力装置の制御構成
図6を用いて、情報入力装置1の制御構成を説明する。
図6は、情報入力装置の制御ブロック図である。
表示入力パネル9及び感圧センサ11は、操作表示部41を構成している。
【0029】
タッチ検出部43は、タッチIC43aを有しており、タッチセンサ17からの信号を検出する。
圧力検出部45は、AD変換部37を有しており、感圧センサ11からの信号を検出する。AD変換部37は、A/D変換により所定のサンプル周期でアナログの出力信号をデジタルの出力値に変換する。
【0030】
コントローラ47は、タッチ検出部43及び圧力検出部45からの入力信号に基づいて、情報入力装置1の各種制御を実行するための装置である。例えば、コントローラ47は、表示入力パネル9が操作されると、それに基づいて情報処理を行い、さらに表示部15に各種画像データを表示させる。コントローラ47は、CPU、RAM、ROMを有しており、プログラムを実行することで各種動作を実行するコンピュータである。
以下、コントローラ47の各種機能を説明する。これら機能は、ハードウェア、ソフトウェア、又はそれらの組み合わせによって実現される。
【0031】
コントローラ47は、表示制御部51を有している。表示制御部51は、例えばLCDドライバであり、表示部15に画像データを送信する。
コントローラ47は、入力位置算出部53を有している。入力位置算出部53は、タッチ検出部43からの信号に基づいて、タッチされた位置を判定する。
コントローラ47は、電圧印加部35を有している。電圧印加部35は、前述したように、感圧センサ11に対して、基準電圧Vrefをパルス信号として印加する。電圧印加部35は、カバー部材7が押圧されている間に感圧センサ11に電圧を印加し、カバー部材7が押圧されていない間は感圧センサ11に電圧を印加しないように動作してもよい。その場合は、消費電力が低減される。また、周囲からの電気ノイズの影響も低減される。
【0032】
コントローラ47は、圧力算出部55を有している。圧力算出部55は、圧力検出部45から信号に基づいて押圧力を判定する。
圧力算出部55は、ゼロ点補正部57を有している。ゼロ点補正部57は、アナログ−デジタル変換された検出信号をゼロ点補正する。ゼロ点補正部57がゼロ点補正を行うことで、環境の変化に起因するベースラインの変化を減らすことができ、それにより押圧力を正確に検出できる。
【0033】
圧力算出部55は、感度較正部59を有している。感度較正部59は、カバー部材7が押圧されると、タッチセンサ17によって検出された押圧位置に応じて、アナログ−デジタル変換された検出信号に感度補正率を乗じることで、感度較正を行う。この装置では、感度較正部59によって検出信号の感度較正が行われるので、面内の圧力検出のばらつきが低減され、その結果、押圧力を正確に検出できる。
感度補正率は、情報入力装置1の出荷前に、カバー部材7の各点を所定の力で押して生データを取得し、それを用いて各点の較正及びスケール調整を行うことで、得られる。感度補正率は、後述するように、感度補正率記憶部63に格納される。
【0034】
コントローラ47は、メモリ61を有している。メモリ61は、感度補正率記憶部63を有している。感度補正率記憶部63は、カバー部材7が押圧されたときの押圧位置ごとの検出信号に基づいて、各検出信号の感度補正率を記憶している。
コントローラ47は、入力操作判断部65を有している。入力操作判断部65は、入力位置算出部53と圧力算出部55から入力情報に基づいて、情報入力装置1への入力操作を判断する。入力操作判断部65は、表示制御部51と電圧印加部35とを制御する。
なお、上記説明では、コントローラ47は1つのコントローラとして説明されたが、その機能は複数のコントローラで実現されてもよい。
【0035】
(4)情報入力装置の制御動作
(4−1)基本フロー
図7及び
図8を用いて、情報入力装置1の制御動作を説明する。
図7及び
図8は、情報入力装置の制御動作を示すフローチャートである。なお、以下で説明するフローチャートは例示であり、各ステップは適宜省略及び入れ替え可能である。また、複数のステップが同時に実行されたり、一部重複して実行されたりしてもよい。
図7に示すように、ステップS1では、入力操作判断部65は、タッチ検出部43からの信号に基づいてタッチ検出が行われるのを待つ。
【0036】
タッチ検出がありと判断されれば、ステップS2では、入力操作判断部65は、電圧印加部35に駆動信号を送信することで、電圧印加部35に感圧センサ11への基準電圧Vrefの印加を開始させる。
ステップS3では、圧力算出部55が、圧力検出部45からの検出信号に基づいて、押圧力を検出して判定する。この動作は後に詳細に説明する。
【0037】
ステップS4では、入力操作判断部65は、タッチが継続しているか否かを判断する。タッチが継続していれば(ステップS4でYes)、プロセスはステップS3に戻る。つまり、押圧力の検出及び判定が繰り返し行われる。タッチが継続していなければ(ステップS4でNo)、プロセスはステップS5に移行する。
ステップS5では、入力操作判断部65は、電圧印加部35に駆動停止信号を送信することで、電圧印加部35に感圧センサ11への電圧印加を停止させる。
ステップS5が終了すると、プロセスはステップS1に戻る。
【0038】
(4−2)圧力検出・判定フロー
図8を用いて、
図7のステップS3(圧力検出・判定)を詳細に説明する。
ステップS6では、ゼロ点補正部57が、検出信号をゼロ点補正する。この実施形態でのゼロ点補正とは、AD変換部37から出力されたデジタル信号の最初の値をゼロとして、最初の値と後の値の差分を検出信号の大きさとする処理である。
【0039】
図9を用いて、ゼロ点補正の原理を説明する。
図9は、ゼロ点補正の原理を説明するためのグラフである。
図9の左側に示すように、例えば温度といった環境の違いに起因して、ベースラインの大きさは異なる。そのような問題を解決するために、
図9の右側に示すように、タッチ検出するごとにゼロ点補正をすることで、環境の変化に起因するベースラインの変化を減らすことができ、押圧力を正確に検出できる。
【0040】
図8のステップS7では、感度較正部59は、タッチセンサ17から得られた押圧位置に基づいて、当該位置に対応する感度補正率を感度補正率記憶部63から読み出し、それを検出信号の値に乗じる。
ステップS8では、圧力算出部55は、補正後の検出信号を入力操作判断部65に出力する。その後、入力操作判断部65は、位置情報(X−Y)と押圧力情報(Z)とを結合処理して、タッチパネル情報を作成する。
【0041】
図10及び
図11を用いて、感度較正の原理を説明する。
図10は、感度較正の原理を説明するための表示一体型入力装置の平面図である。
図11は、感度較正の原理を説明するためのグラフである。
図10には、押圧点1〜4が示されている。押圧点1〜4は、感圧センサ11からの距離及び/又は相対位置が互いに異なっているので、
図11の左側に示すよう押圧力に対するADC出力の傾きが大きく異なる。そこで、そのような問題を解決するために、
図11の右側に示すように、感度較正部59によって検出信号の感度較正が行われる。その結果、面内の圧力検出のばらつきが低減され、つまり、押圧力を正確に検出できる。
また、感度補正率記憶部63と感度較正部59とを備えることにより面内の圧力検出のばらつきを低減できるので、感圧センサ11は、表示一体型入力装置3の中心からわざと外れた位置に配置することもできる。こうすることにより、表示入力パネル9と凹部5aの底部5bとの間の隙間に他の部品を自由に配置可能となる。
【0042】
2.実施形態の特徴
本発明の一見地に係る表示一体型入力装置3(表示一体型入力装置の一例)は、ハウジング5(ハウジングの一例)と、カバー部材7(カバー部材の一例)と、表示入力パネル9(表示入力パネルの一例)と、感圧センサ11(感圧センサの一例)とを備えている。
ハウジング5は、凹部5aを有する。
カバー部材7は、凹部5aの開口を塞ぐように設けられ、ハウジング5の縁部5cに支持された縁部7aを有する。
表示入力パネル9は、カバー部材7の凹部5a側の面7bに固定されたタッチセンサ17及び表示部15を有する。
感圧センサ11は、凹部5aの底部5bと表示入力パネル9との間に配置され、カバー部材7が押圧されたときに表示入力パネル9から荷重を受けることで押圧力を検出する。
この装置では、感圧センサ11がハウジング5の凹部5aの底部5bと表示入力パネル9との間に配置されているので、感圧センサ11の配置が簡単になり、装置の製造工程が簡素化される。
【0043】
3.他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
以下、
図12〜
図14を用いて、感圧センサ11の配置の変形例を説明する。
図12〜
図14は、変形例における表示一体型入力装置の概略断面図である。
【0044】
(1)前記実施形態では、荷重伝達部材13は円柱形状であったが、形状は特に限定されない。
図12では、荷重伝達部材13Aは球面形状であり、頂点が感圧センサ11に当接している。この場合は、押圧力に対する抵抗値の低減が急激になり、つまり感圧センサ11の感度が向上する。なお、この変形例では、荷重伝達部材13Aは、表示入力パネル9に固定されている。
(2)前記実施形態では、感圧センサ11がハウジング5側に配置され、荷重伝達部材13が表示入力パネル9側に配置されていたが、
図13に示すように両者の位置は反対でもよい。
【0045】
(3)
図14では、上記の(1)と(2)との組み合わせが開示されている。すなわち、感圧センサ11が表示入力パネル9側に配置され、荷重伝達部材13がハウジング5側に配置されており、荷重伝達部材13Aが球面形状である。なお、この変形例では、荷重伝達部材13Aは、底部5bに固定されている。
(4)感圧センサ11が複数配置されている場合は、数及び位置は特に限定されない。また、感圧センサ11が複数の場合も上記(1)〜(3)のいずれも適用可能である。
【0046】
以下、
図15及び
図16を用いて、荷重伝達部材13の変形例を説明する。
図15及び
図16は、変形例における表示一体型入力装置の概略断面図である。
(5)前記実施形態では、荷重伝達部材13は感圧センサ11より小面積であったが、感圧センサ11と同じ面積又は大面積であってもよい。この場合は、感圧センサ11に荷重が集中することが防止される。
図15に示す変形例では、荷重伝達部材13Bは、感圧センサ11と凹部5aの底部5bとの間に設けられている。荷重伝達部材13Aは感圧センサ11の下面全体を覆っている。さらに、荷重伝達部材13Bは、感圧センサ11の周囲において表示入力パネル9と底部5bとの間で全面的に設けられている。ただし、荷重伝達部材13Bは、感圧センサ11とほぼ同じ形状であってもよいし、感圧センサ11よりわずかに大きな形状であってもよい。
図16に示す変形例では、荷重伝達部材13Bは、感圧センサ11と表示入力パネル9との間に設けられている。荷重伝達部材13Bは感圧センサ11の上面全体を覆っている。また、荷重伝達部材13Bは、感圧センサ11の周囲において表示入力パネル9と底部5bとの間で全面的に設けられている。ただし、荷重伝達部材13Bは、感圧センサ11とほぼ同じ形状であってもよいし、感圧センサ11よりわずかに大きな形状であってもよい。
【0047】
(6)
図17及び
図18を用いて、感圧センサ11の他の例を説明する。
図17は、変形例における抵抗変化型圧力センサの概略構成図である。
図18は、変形例における抵抗変化型圧力センサの概略断面図である。
感圧センサ11Aは、第1電極101A及び第1感圧インク層103Aが順番に積層された第1プラスチックフィルム105Aを有している。また、感圧センサ11Aは、第2電極101B及び第2感圧インク層103Bが順番に積層された第2プラスチックフィルム105Bを有している。第1及び第2プラスチックフィルム105A、105Bは、第1及び第2感圧インク層103A、103B同士が向き合うように接着層107によって互いに接着されている
感圧センサ11Aの各材料は、
図17に示すように、平面視で円形である。ただし形状は限定されない。
第1感圧インク層103Aは、第1電極101Aを覆うように第1プラスチックフィルム105A上に配置されている。第2感圧インク層103Bは、第2電極101Bを覆うように第2プラスチックフィルム105B上に配置されている。なお、感圧インク層は、いずれか一方のプラスチックフィルムに設けるだけでもよく、一方の電極を覆う状態に配置されていればよい。
第1及び第2電極101A、101Bはコネクタ(図示せず)に接続されており、コネクタは情報入力装置に内蔵された圧力検出部(図示せず)に接続されている。
【0048】
圧力検出部(図示せず)は、表示入力パネルが押圧操作された時の第1及び第2感圧インク層103A、103Bにおける抵抗の変化を検出する。この抵抗の変化の検出によって、第1及び第2感圧インク層103A、103Bに加えられる外力を検出することができ、表示入力パネルへの荷重を検出できる。
なお、この実施形態では感圧インク層同士の間には非押圧状態において隙間が確保されているが、非押圧状態において感圧インク同士が当接していてもよいし、さらに非押圧状態において圧力が付与されていてもよい。
【0049】
感圧インクを構成する組成物は、外力に応じて電気抵抗値などの電気特性が変化する素材で構成されている。組成物としては、例えば、英国のPeratech社製の量子トンネル現象複合材料(QTC(商標))を用いることができる。
なお、感圧センサ11は、抵抗変化型圧力センサに限定されない。感圧センサは、静電容量方式の圧力センサ、感圧導電性ゴム、歪みゲージを用いてもよい。
(7)前記実施形態では電圧印加部35がコントローラ47の内部にあったが、電圧印加部はコントローラの外部にあってもよい。
【0050】
(8)前記実施形態ではAD変換部37がコントローラ47の外部に配置されていたが、AD変換部37はコントローラ47の内部に設けられていてもよい。
(9)前記実施形態では位置情報と圧力情報はコントローラ47内で結合されていたが、本発明はそのような実施形態に限定されない。例えば、コントローラの外部にあるAD変換部からの信号がタッチICからの信号と結合されてからコントローラに入力されてもよい。
【0051】
(10)前記実施形態ではハウジング5は箱形形状であったが、その形状は特に限定されない。
(11)前記実施形態ではカバー部材7、表示入力パネル9及び凹部5aの底部5bは平面形状であったが、立体形状、例えば一方向に曲率を有する曲面を呈する形状であってもよい。
(12)前記実施形態では荷重伝達部材13が弾性部材として機能していたが、荷重伝達部材とは別に弾性部材を設けてもよい。その場合、荷重伝達部材は弾性を有していてもよいし、弾性を有していなくてもよい。