【課題を解決するための手段】
【0005】
はんだ製品は、導電性材料への接合のための第1の無鉛はんだの層を含んでいる多層はんだ製品であってよい。第2の無鉛はんだの層を、第1のはんだの層上に位置させることができる。第2のはんだは、第1のはんだよりも低い溶融温度を有することができる。第2のはんだの溶融温度は、310°Fよりも低くてよい。
【0006】
特定の実施形態においては、第2のはんだが、自動車用ガラスへのはんだ付けに適することができ、第1のはんだよりも柔らかい材料であってよい。第1のはんだが、約465°Fの溶融温度を有することができ、第2のはんだが、約250°Fの溶融温度を有することができる。第1のはんだが、約70%以上のすずを有するすずおよび銀の組成物であってよく、第2のはんだが、少なくとも約40%のインジウムおよび約55%未満のすずからなるインジウム、すず、銀、および銅の組成を有することができる。いくつかの実施形態においては、第2のはんだが、約50%以上のインジウム、最大で約30%のすず、約3%〜5%の銀、および約0.25%〜0.75%の銅からなる組成を有することができる。一実施形態においては、第1のはんだが、約95%のすずおよび約5%の銀であってよく、第2のはんだが、約65%のインジウム、約30%のすず、約4.5%の銀、および約0.5%の銅であってよい。第1および第2のはんだの層は、約0.007〜0.040インチの間の範囲の総厚さを有することができ、いくつかの実施形態においては、総厚さは、約0.013〜0.015インチであってよい。第1のはんだの層は、約0.
005〜0.010インチの厚さの範囲にあってよい。第2のはんだの層は、約0.001〜0.008インチの厚さの範囲にあってよく、いくつかの実施形態においては、約0.005〜0.008インチの間の厚さの範囲にあってよい。第1および第2のはんだの層を、導電性材料で形成されたベース基材へと接合できる。ベース基材は、銅の帯などの金属薄板で製作できる。多層はんだ製品は、電気コネクタなどの電気装置であってよい。
【0007】
本発明における電気装置は、導電性材料で形成されたベースまたはベース基材を含むことができる。第1の無鉛はんだの層を、ベース上に位置させることができる。第2の無鉛はんだの層を、第1のはんだの層上に位置させることができる。第2のはんだは、第1のはんだよりも低い溶融温度を有することができる。第2のはんだの溶融温度は、約310°F未満であってよい。
【0008】
さらに本発明は、第1の無鉛はんだの層を設けることを含んでいる多層はんだ製品の製作方法を提供する。第2の無鉛はんだの層を、第1および第2のはんだの層を一対のローラの間で一緒に冷間圧延することによって、第1のはんだの層へと接合することができる。第2のはんだの層は、第1のはんだの層よりも低い溶融温度を有することができる。第2のはんだの層の溶融温度は、約310°F未満であってよい。
【0009】
特定の実施形態においては、第1のはんだの層を、導電性材料の薄板から形成されたベース基材の表面に形成できる。第1のはんだのシートを、ベース基材の表面に付け、熱源によってベース基材上で溶融させることができる。第1のはんだは、ベース基材の帯へと付けられた帯であってよい。フラックスを、第1のはんだとベース基材との間に塗布することができる。第1のはんだを、ベース基材上で所望の寸法へと整形することができる。第2のはんだの帯を、第1のはんだへと冷間圧延することができる。第2のはんだの第1のはんだに対する冷間圧延は、第1および第2のはんだの相対する表面の前処理を必要とせずに、実行することが可能である。第1および第2のはんだの層を組み合わせた総厚さを、冷間圧延において約30%〜50%だけ縮小させることができる。冷間圧延の後に、第1および第2のはんだの層を熱源で加熱することができる。冷間圧延の前に、第1および第2のはんだを、固定されていてよい定置式のガイドにおいて互いに対して位置合わせすることができる。
【0010】
第2のはんだを、第1のはんだよりも柔らかいように選択することができる。第1のはんだは、約465°Fの溶融温度を有することができ、第2のはんだは、約250°Fの溶融温度を有することができる。第1のはんだは、約70%以上のすずを有するすずおよび銀の組成を有することができ、第2のはんだは、少なくとも約40%のインジウムおよび約55%未満のすずからなるインジウム、すず、銀、および銅の組成を有することができる。いくつかの実施形態においては、第2のはんだは、約50%以上のインジウム、最大で約30%のすず、約3%〜5%の銀、および約0.25%〜0.75%の銅からなる組成を有することができる。一実施形態においては、第1のはんだは、約95%のすずおよび約5%の銀であってよく、第2のはんだは、約65%のインジウム、約30%のすず、約4.5%の銀、および約0.5%の銅であってよい。
【0011】
ベース基材を、銅の帯などの金属薄板から形成することができる。多層はんだ製品を、電気コネクタなどの電気装置へとさらに形成することができる。第1および第2のはんだの層は、約0.007〜0.040インチの間の範囲の総厚さを有することができ、いくつかの実施形態においては、総厚さは約0.013〜0.015インチであってよい。第1のはんだの層は、約0.005〜0.010インチの厚さの範囲にあってよい。第2のはんだの層は、約0.001〜0.008インチの厚さの範囲にあってよく、いくつかの実施形態においては、約0.005〜0.008インチの間の厚さの範囲にあってよい。
【0012】
さらに本発明は、電気装置を自動車用ガラスへとはんだ付けする方法であって、第1の無鉛はんだの層を電気装置上に設けることを含んでいる方法を提供する。第2の無鉛はんだの層が、第1のはんだの層上に設けられる。第2のはんだは、第1のはんだよりも低い溶融温度を有することができる。第2のはんだの溶融温度は、約310°F未満であってよい。第2のはんだの層がガラスに当接して位置するように、電気装置を自動車用ガラスに対して配置することができる。第1のはんだの層を実質的に溶かすことなく、第2のはんだの層を溶融させるように、あらかじめ選択された量の熱を第2のはんだへと加えて、電気装置を自動車用ガラスへとはんだ付けすることができる。
【0013】
第1のはんだの層は、銅で形成することができる電気装置の金属ベース上に設けることができる。第1および第2のはんだは、上述した構成、寸法、組成、および特性と同様の構成、寸法、組成、および特性を有することができる。
【0014】
また、本発明は、導電性材料で形成されたベースと、ベース上の第1の無鉛はんだの層とを含んでいる電気装置を提供する。第2の無鉛はんだの層が、第1のはんだの層上に位置する。第2のはんだは、すず、インジウム、銀、および銅を含む組成を有することができる。第2のはんだは、第1のはんだよりも低い溶融温度を有することができる。
【0015】
特定の実施形態においては、第2のはんだが、約360°F未満の溶融温度を有することができる。いくつかの実施形態においては、第2のはんだが、約315°F未満の溶融温度を有することができ、他の実施形態においては、第2のはんだが、約310°F未満の溶融温度を有することができる。第2のはんだは、少なくとも約50%のすず、少なくとも約10%のインジウム、約1%〜10%の銀、および約0.25%〜0.75%の銅を含む組成を有することができる。一実施形態においては、第2のはんだが、約60%のすず、約35%のインジウム、約4.5%の銀、および約0.5%の銅を含むことができる。第2のはんだは、約300°Fの溶融温度を有することができる。第1のはんだは、すずおよび銀を、約70%以上のすずにて含むことができる。第1のはんだは、約95%のすずおよび約5%の銀を含むことができる。第1のはんだは、約465°Fの溶融温度を有することができる。ベースを、銅などの金属薄板で製作することができる。この電気装置は、電気コネクタであってよい。
【0016】
さらに本発明は、導電性材料への接合のための第1の無鉛はんだの層と、第1のはんだの層上に位置する第2の無鉛はんだの層と含んでいる多層はんだ製品を提供する。第2のはんだは、すず、インジウム、銀、および銅を含む組成を有することができる。第2のはんだは、第1のはんだよりも低い溶融温度を有することができ、自動車用ガラスへのはんだ付けに適することができる。
【0017】
特定の実施形態において、第1および第2のはんだは、本明細書に記載のとおりであってよい。さらに、製品は、導電性材料で形成されたベース基材をさらに含むことができ、第1および第2のはんだの層がベース基材へと接合される。ベース基材は、銅の帯などといった金属薄板で製作できる。
【0018】
また、本発明は、多層はんだ製品の製作方法であって、第1の無鉛はんだの層を用意すること、および第2の無鉛はんだの層を、第1および第2のはんだの層を一対のローラの間で一緒に冷間圧延することによって、第1のはんだの層へと接合すること、を含んでいる方法を提供できる。第2のはんだは、すず、インジウム、銀、および銅を含む組成を有することができる。第2のはんだの層は、第1のはんだの層よりも低い溶融温度を有している。
【0019】
さらに本発明は、電気装置を自動車用ガラスへとはんだ付けする方法であって、第1の
無鉛はんだの層を電気装置上に設けることを含んでいる方法を提供する。第2の無鉛はんだの層が、第1のはんだの層上に設けられる。第2のはんだは、すず、インジウム、銀、および銅を含む組成を有することができる。第2のはんだは、第1のはんだよりも低い溶融温度を有している。第2のはんだの層がガラスに当接して位置するように、電気装置を自動車用ガラスに対して配置することができる。第1のはんだの層を実質的に溶かすことなく、第2のはんだの層を溶融させるように、あらかじめ選択された量の熱を第2のはんだへと加えて、電気装置を自動車用ガラスへとはんだ付けすることができる。
【0020】
特定の実施形態において、第1および第2のはんだは、本明細書に記載のとおりであってよい。
【0021】
また、本発明は、すず、インジウム、銀、およびビスマスを含む元素の混合物を有するはんだ組成物を提供することができ、約30%〜85%のすずおよび約15%〜65%のインジウムを含むことができる。
【0022】
特定の実施形態においては、このはんだ組成物が、さらに銅を含むことができる。この組成物は、約1%〜10%の銀、約0.25%〜6%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。いくつかの実施形態においては、この組成物が、約1%〜6%の銀、約0.25%〜4%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。この組成物は、約50%〜83%のすず、および約15%〜45%のインジウムを含むことができる。この組成物は、約315°F未満の固相線温度を有することができる。
【0023】
さらに本発明は、すず、インジウム、銀、およびビスマスを含む元素の混合物を有するはんだ組成物を提供でき、約30%〜85%のすず、約13%〜65%のインジウム、および約0.25%〜4%のビスマスを含むことができる。
【0024】
特定の実施形態においては、この組成物が銅を含むことができる。この組成物は、約1%〜10%の銀および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。いくつかの実施形態においては、この組成物が、約1%〜6%の銀、約0.25%〜4%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。この組成物は、約50%〜83%のすず、および約13%〜45%のインジウムを含むことができる。いくつかの実施形態において、この組成物は、約15%〜45%のインジウムを含むことができる。この組成物は、約315°F未満の固相線温度を有することができる。
【0025】
また、本発明は、すず、インジウム、銀、ビスマス、および銅を含む元素の混合物を有するはんだ組成物を提供でき、約30%〜85%のすずおよび約13%〜65%のインジウムを含むことができる。
【0026】
特定の実施形態において、この組成物は、約1%〜10%の銀、約0.25%〜6%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。いくつかの実施形態においては、この組成物が、約1%〜6%の銀、約0.25%〜4%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。この組成物は、約50%〜83%のすず、および約13%〜45%のインジウムを含むことができる。いくつかの実施形態においては、この組成物が、約15%〜45%のインジウムを含むことができる。他の実施形態においては、この組成物が、約66%〜85%のすずおよび約13%〜26%のインジウムを含むことができる。この組成物は、約315°F未満の固相線温度を有することができる。さらなる実施形態においては、この組成物が、約70%〜80%のすずおよび約15%〜26%のインジウムを含むことができる。一実施形態においては、この組成物が、約70%〜74%のすず、約18%〜26%のインジウム、約1%〜6%の銀、約
0.25%〜4%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。他の実施形態においては、この組成物が、約73%〜78%のすず、約17%〜22%のインジウム、約1%〜6%の銀、約0.25%〜4%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。さらに他の実施形態においては、この組成物が、約78%〜85%のすず、約13%〜16%のインジウム、約1%〜6%の銀、約0.25%〜4%のビスマス、および約0.25%〜0.75%の銅を含むことができる。
【0027】
また、本発明は、すず、インジウム、および銀を含んでおり、約60%を超えるすずおよび約330°F未満の固相線温度を有しているはんだ組成物を提供できる。
【0028】
特定の実施形態においては、固相線温度が約315°F未満であってよい。この組成物は、さらにビスマスを含むことができ、いくつかの実施形態は、さらに銅を含むことができる。
【0029】
さらに本発明は、すず、インジウム、銀、およびビスマスを、約30%〜85%のすずおよび約15%〜65%のインジウムを含めて一緒に混ぜ合わせることを含んでいるはんだ組成物の形成方法を提供することができる。
【0030】
また、本発明は、すず、インジウム、銀、およびビスマスを、約30%〜85%のすず、約13%〜65%のインジウム、および約0.25%〜4%のビスマスを含めて一緒に混ぜ合わせることを含んでいる組成物の形成方法を提供することができる。
【0031】
さらに本発明は、すず、インジウム、銀、ビスマス、および銅を、約30%〜85%のすずおよび約13%〜65%のインジウムを含んだ状態で、一緒に混ぜ合わせることを含んでいるはんだ組成物の形成方法を提供することができる。
【0032】
また、本発明は、すず、インジウム、および銀を、約60%を超えるすずを含めて一緒に混ぜ合わせること、組成物に約330°F未満の固相線温度をもたらすことを含んでいる方法を提供することができる。
【0033】
さらに本発明は、すず、インジウム、銀、およびビスマスを含む元素の混合物を有し、約30%〜85%のすずおよび約15%〜65%のインジウムを含むはんだ組成物を用意することを含んでいるはんだ付け方法を提供することができる。次いで、このはんだ組成物が、はんだ付け装置で溶かされる。