(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087441
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】気体圧でシールされた複数のトロカールを有するシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
A61B17/34
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-531178(P2015-531178)
(86)(22)【出願日】2013年9月5日
(65)【公表番号】特表2015-527171(P2015-527171A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】US2013058192
(87)【国際公開番号】WO2014039633
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2015年7月17日
(31)【優先権主張番号】13/606,824
(32)【優先日】2012年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509065827
【氏名又は名称】サージクェスト,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094651
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 晃
(72)【発明者】
【氏名】マストリ,ドミニク
(72)【発明者】
【氏名】タン,レイモンド,ユエシン
(72)【発明者】
【氏名】スターンズ,ラルフ
(72)【発明者】
【氏名】ブリエ,ケネス
【審査官】
沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】
特表2010−502360(JP,A)
【文献】
特開平09−014468(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0153027(US,A1)
【文献】
特表2009−526589(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加圧流体源(12)からトロカール・アセンブリ(16,18)への加圧流体の流れを選択的に制御するように構成、かつ適合されたバルブ・アセンブリ(14)であって、
(a)主トロカール・アセンブリ(16)に結合し、主トロカール・アセンブリ(16)に加圧流体を向けるように構成,かつ適合され、および3つの通路(21a-21c)を形成した、第1の継手(20)と、
(b)副トロカール・アセンブリ(18)に結合し、前記副トロカール・アセンブリ(18)に加圧流体を向けるように構成,かつ適合され、および2つの通路(27a,27b)を形成した、第2の継手(26)と、
(c)前記加圧流体源(12)に結合し、前記流体源(12)からの加圧流体を前記第1および第2の継手(20,26)に向けるように構成、かつ適合され、および3つの通路(33a-33c)を形成した、第3の継手(32)と、
(d)少なくとも第1の動作位置および第2の動作位置で動作可能であるように適合、かつ構成された少なくとも1つの弁部材(38)であって、
(i)前記第1の動作位置が、前記加圧流体源(12)からの加圧流体を、結合された主トロカール・アセンブリ(16)に向ける一方、前記加圧流体源(12)からの加圧流体が少なくとも結合された副トロカール・アセンブリ(18)へ流れるのを妨げるようにし、および
(ii)前記第2の動作位置が、前記加圧流体源(12)からの加圧流体を、前記結合された主トロカール・アセンブリ(16)へおよび少なくとも前記結合された副トロカール・アセンブリ(18)へ向ける、弁部材(38)と、
(e)3つの通路(22a-22c)を形成し、前記3つの通路(22a-22c)が、前記主トロカール・アセンブリ(16)を前記第1の継手(20)の前記3つの通路(21a-21c)に結合するように構成、かつ前記3つの通路(22a-22c)が、それぞれ加圧、戻り、および注入ラインを形成する、第1の細長いチューブ(22)と、および
(f)2つの分離した通路(28a,28b)を形成した第2の細長いチューブ(28)であって、前記2つの通路(28a,28b)が、前記副トロカール・アッセンブリ(18)を前記第2の継手(26)の前記2つの通路(27a,27b)に結合するように構成、かつ前記2つの通路(28a,28b)が、それぞれ加圧および戻りラインを形成し、これにより、前記弁部材(38)の前記第2の動作位置が、前記加圧流体源(12)からの加圧流体が、前記第1および第2の細長いチューブ(22,28)の前記加圧ライン(22a,28a)を介して、同時に両方の前記トロカール・アセンブリ(16,18)へ送られ、次いで、前記第1および第2の細長いチューブ(22,28)の前記戻りライン(22b,28b)を介して、両方の前記トロカール・アセンブリ(16,18)から戻されることを可能にする一方、前記主トロカール・アセンブリ(16)を介してのみ、前記第1の細長いチューブ(22)の前記注入ライン(22c)経由で、腹圧の検知および注入を容易にする、第2の細長いチューブ(28)とを含む、バルブ・アセンブリ(14)。
【請求項2】
前記第2の細長いチューブ(28)の前記2つの通路(28a,28b)が、前記副トロカール・アセンブリ(18)を前記第2の継手(26)の前記2つの通路に結合するように構成されている、請求項1に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項3】
3つの通路(34a-34c)が形成された第3の細長いチューブ(34)をさらに含み、前記第3の細長いチューブ(34)の前記3つの通路の第1の通路(31a)が、前記加圧流体源(12)を前記第3の継手の前記3つの通路の第1の通路(33a)に結合するように構成されている、請求項2に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの弁部材(38)が、前記第1の動作位置と前記第2の動作位置との間で回転可能である、請求項1に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つの弁部材(38)が、縦軸(66)の周りで回転可能な細長いシャフト(64)を含む、請求項1に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項6】
前記細長いシャフト(64)が、第1のアパーチャ(68)および第2のアパーチャ(70)を有する、請求項5に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項7】
前記細長いシャフト(64)の前記第1のアパーチャ(68)および前記第2のアパーチャ(70)が、前記第1の動作位置において前記第2の継手(26)から流体的に隔離され、および前記第2の動作位置において前記第2の継手(26)に流体的に結合されるように構成されている、請求項6に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの弁部材(38)が、第1のハンドル部材(88)を含む、請求項5に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項9】
前記細長いシャフト(64)が、上端部(64a)および底端部(64b)を有し,前記第1のハンドル部材(88)が、前記細長いシャフト(64)の前記上端部(64a)および前記底端部(64b)の一方に結合されている、請求項8に記載のバルブ・アセンブリ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの弁部材(38)が、第2のハンドル部材(90)を含み、前記第2のハンドル部材(90)が、前記細長いシャフト(64)の前記上端部(64a)および前記底端部(64b)の他方に結合されている、請求項9に記載のバルブ・アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2012年9月7日出願の米国特許出願第13/606,824号明細書の優先権を主張し、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
【0002】
本発明は、外科的アクセス用のシステムおよび方法に関し、より詳細には、手術装置に加圧流体を供給するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
腹腔鏡による、または「低侵襲」の外科技術は、ますます一般的になってきている。そのような処置の利点は、患者への外傷を減らすこと、感染の機会を減らすこと、および回復時間を短くすることを含む。腹腔内での、そのような処置は、一般に、トロカールまたはカニューレとして公知の装置によって実施され、これらは、患者の腹腔への腹腔鏡手術器械の導入を容易にする。
【0004】
さらに、そのような処置は、一般に、二酸化炭素などの加圧流体で腹腔(腹膜腔)を満たすか、または「ガス注入(insufflating)」して、気腹と呼ばれる状態を作ることを含む。ガス注入は、注入流体を送達するために装備されたトロカールによって、または注入針などの別個の注入装置によって実施され得る。注入ガスを大量に損失させずに、気腹へ手術器具を導入することが、気腹を維持するために望ましい。
【0005】
典型的な腹腔鏡による処置の最中、外科医は、3〜4箇所小さく切開し、これらの切開は、通常それぞれ約12ミリメートル以下であり、かつ典型的には、トロカール装置に配置された別個の挿入器またはオブチュレータを使用することにより、トロカール装置自体を用いて行われる。挿入後、挿入器は除去され、およびトロカールは、それを通って腹腔まで器具を挿入できるようにする。典型的なトロカールは、腹腔にガス注入するための手段を提供することが多いため、外科医は、作業を行うための開放内部空間を有することになる。
【0006】
トロカールは、一旦挿入されると、腔内の圧力を維持するための手段を提供する必要があり、これは、トロカールと使用中の手術器具との間にシールを提供する一方で、手術器具に少なくともある程度の運動の自由度を与えることを必要とする。そのような器具は、例えば、ハサミ、把持器、閉塞具、焼灼ユニット、カメラ、光源、および他の手術器具を含み得る。シール要素および機構は一般にトロカールに設けられて、注入ガスの漏れを防止する。シール要素および機構は、一般に、比較的曲げやすい材料で構成されたダックビル型の弁を含み、およびトロカールを通過する手術器具の外表面の周りをシールするように構成されている。しかしながら、このように実施されるシールは、複数の器具の間をシールできず、および手術器具の自由な運動および/またはトロカールを通した組織の除去を阻止する。そのようなシールはまた、外科的処置の最中に損傷を受けやすい。あるいは、フラッパー弁またはバネ仕掛けのトラップドアを使用できる。しかしながら、これらのタイプの機械的な弁は、同様の欠点を有する。
【0007】
ほとんどの弁、特に手術器具に直接接触する弾性弁部材を含むダックビル型の弁は、手術器具の運動に干渉するだけでなく、外科医が、手術している患者の解剖学的構造を正確に感知しにくくしてしまう。低侵襲外科的処置は、カメラなどの可視化支援装置を用いて実施されるが、外科医の奥行き知覚が処置中抑制される。さらに、内視鏡がメカニカル・シールを通過するとき、そのカメラのレンズには汚れが付くことがあり、一般にシミが出現し、これにより、さらに視認が困難になる。そのようなメカニカル・シールが存在しない場合には、検体は、過度の干渉なく、摘出され得る。さらに、外科医が、手術器具を動かすことによって構造および組織の抵抗を物理的に感知する能力は、外科的処置の成功および安全性に重要な役割を果たす。上述の機械的な弁が接触することによって手術器具に伝えられた摩擦力が、感覚信号、すなわち触知覚をマスクしてしまう。感覚信号、すなわち触知覚は、そうでなければ、外科医が使用中の手術器具の対向端部で何が発生しているかを正確に判断するために使用し得る。
【0008】
最近になって外科的処置中に使用されているシールの1つのタイプは、加圧流体源に結合されたトロカール・アセンブリに設けられた流体または気体圧シールである。トロカール・アセンブリは、患者の腔(例えば、腹腔)に挿入され、および腔にアクセスするためのルーメンを画定する。加圧流体は、トロカール・アセンブリのルーメンに向けられて、ルーメン内に気体圧シールをもたらす。このようにして、手術器具は、ルーメンおよび気体圧シールを通過し、かつ体腔内で操作される。加圧流体は、そこを通って挿入された手術器具の周りを流れ、トロカール・アセンブリにおける気体圧シール、および患者の体腔と外部環境との間の圧力差を維持する一方、手術部位においてトロカール・アセンブリによって操作されるときの手術器具に対する摩擦力を最小にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
シール技術のための従来の方法およびシステムは、一般的に、それらの意図した目的に対しては満足のいくものであると考えられているが、当技術分野では、邪魔されずに体腔にアクセスできるようにするため、およびガス注入中に生成された気腹を維持しながら外科的アクセス装置を操作するために、作製および使用が簡単である改良されたシステムおよび方法が依然として求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、加圧流体を複数のトロカール・アセンブリに選択的に提供するための、新しくかつ有用なバルブ・アセンブリおよび方法に関する。バルブ・アセンブリは、主トロカール・アセンブリに結合して、そこへ加圧流体を向けるように構成および適合された第1の継手;副トロカール・アセンブリに結合してそこへ加圧流体を向けるように構成および適合された第2の継手;加圧流体源に結合し、流体源からの加圧流体を第1および第2の継手へ向けるように構成され、かつ適合された第3の継手;および少なくとも第1および第2の動作位置で動作可能であるように適合され、かつ構成された少なくとも1つの弁部材を含む。好ましい実施形態では、バルブ・アセンブリの第1の動作位置は、流体源からの加圧流体を、結合された主トロカール・アセンブリへ向ける一方、流体源からの加圧流体が、少なくとも結合された副トロカール・アセンブリに流れないようにし、およびバルブ・アセンブリの第2の動作位置は、流体源からの加圧流体を、結合された主トロカール・アセンブリへ、および少なくとも結合された副トロカール・アセンブリへ向けるようにする。
【0011】
バルブ・アセンブリのいくつかの実施形態では、第1の継手は3つの通路を規定し、第2の継手は2つの通路を画定し、および第3の継手は3つの通路を画定する。バルブ・アセンブリは第1の細長いチューブに結合し、このチューブは、好ましくは、主トロカール・アセンブリを第1の継手の3つの通路に結合するように構成されている3つの通路を画定する。バルブ・アセンブリはまた、好ましくは副トロカール・アセンブリを第2の継手の2つの通路に結合するように構成された2つの通路を画定する第2の細長いチューブ、および好ましくは3つの通路を画定する第3の細長いチューブに結合し、これら通路の第1の通路は、加圧流体源を第3の継手の3つの通路の第1の通路に結合するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態では、バルブ・アセンブリの少なくとも1つの弁部材は、縦軸の周りで回転可能な細長いシャフトを含み、バルブ・アセンブリを第1の動作位置と第2の動作位置との間で切り替える。細長いシャフトは、好ましくは、第1および第2のアパーチャを規定し、これらアパーチャは、第1の動作位置においてバルブ・アセンブリの第2の継手から流体的に隔離され、および第2の動作位置においてバルブ・アセンブリの第2の継手に流体的に結合されるように構成されている。あるいは、少なくとも1つの弁部材は、プッシュ・プル・バルブとして構成されてもよい。
【0013】
本発明の一態様によれば、少なくとも1つの弁部材は第1のハンドル部材を含み、細長いシャフトは上端部および底端部を有し、および第1のハンドル部材は、細長いシャフトの上端部および底端部の一方に結合される。
【0014】
本発明のシステムおよび方法のこれらのおよび他の特徴は、図面と併せて、以下の好ましい実施形態の詳細な説明から当業者に容易に明らかとなる。
【0015】
本発明が属する技術分野の当業者が、過度の実験をせずに本発明の装置および方法の作製および使用方法を容易に理解できるように、その好ましい実施形態を、いくつかの図面を参照して本明細書において下記で詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の図示の実施形態に従って構成されたバルブ・アセンブリ・システムの例示的な実施形態の斜視的な部分分解図である。
【
図2】
図1のバルブ・アセンブリの主トロカール・カップラーの拡大分解図である。
【
図3】
図1のバルブ・アセンブリの副トロカール・カップラーの拡大分解図である。
【
図4】
図1のバルブ・アセンブリの流体源カップラーの拡大図である。
【
図6】
図1のバルブ・アセンブリの第1、第2、および第3の継手および弁の拡大図である。
【
図7a】線7aに沿って取った、
図6の第1、第2、および第3の継手および弁の第1の断面図である。
【
図7b】線7bに沿って取った、
図6の第1、第2、および第3の継手および弁の第2の断面図である。
【
図12】外科的処置中に使用されている本発明のシステムの斜視図である。
【
図13】外科的処置中に使用されている本発明のシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここで、本発明の図示された実施形態が示されている添付図面を参照して、本発明をさらに十分に説明する。下記で説明する図示の実施形態は、単に本発明の例示であるため、本発明は図示の実施形態になんら限定されるものではなく、当業者によって理解されるように様々な形態で供することができる。それゆえ、本明細書で開示するいずれの構造的および機能的な詳細も、限定と解釈されるものではなく、単に特許請求の範囲の基礎、および本発明を様々に用いることを当業者に教示するための代表であると解釈されることを理解されたい。さらに、本明細書で使用される用語および語句は、限定を意図するものではなく、むしろ、本発明の理解可能な説明を提供するためのものである。
【0018】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本発明の実施または試験において、本明細書で説明したものと同様または均等ないずれかの方法および材料を同様に使用し得るが、例示的な方法および材料を以下説明する。本明細書で述べる全ての文献は、参照により本明細書に援用され、引用される文献に関連して方法および/または材料を開示および説明する。本明細書および添付の特許請求の範囲では、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上、明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、複数形を含むことに留意する必要がある。
【0019】
本明細書で説明した文献は、単に、本出願の出願日より前にそれらが開示されているために提供されている。本明細書のいかなる部分も、本発明が、先行発明であるゆえにそれらの文献に先行する権利を有しないことを認めると解釈されるべきではない。さらに、提供された文献の日付は、実際の公開日と異なっていてもよく、実際の公開日は、個別に確認する必要があり得る。
【0020】
図1から始めると、本発明によるシステムの例示的な実施形態の部分図が示されており、全体的に参照符号10が付されている。システム10は、一般的に、加圧流体源12に結合されたバルブ・アセンブリ14を含み、バルブ・アセンブリ14は、下記で説明するように、流体源12からの加圧流体を主トロカール・アセンブリ16および副トロカール・アセンブリ18に選択的に提供するように構成されている。
【0021】
腹腔を穿孔し、かつ流体シールをもたらすように適合され、かつ構成されたトロカール・アセンブリと共に使用される、加圧流体源を含むシステムおよび装置の例は、以下の出願および特許に記載されており、それら全ての全体を参照により本明細書に援用する:2009年10月9日出願のPCT/US09/005537号出願明細書、2008年10月10日出願の米国仮特許出願第61/104,448号明細書、2007年12月20日出願の米国特許出願第11/960,701号明細書、2007年12月18日出願のPCT/US07/88017号出願明細書、2007年4月17日出願の米国仮特許出願第60/923,917号明細書、2007年7月16日出願の米国仮特許出願第60/959,826号明細書、2007年4月13日出願の米国特許出願第11/786,832号明細書、2006年12月18日出願の米国仮特許出願第60/875,436号明細書、2006年10月6日出願の米国特許出願第11/544,856号明細書、2006年9月8日出願の米国特許出願第11/517,929号明細書(現在、米国特許第7,854,724号明細書)、2004年2月11日出願の米国特許出願第10/776,923号明細書(現在、米国特許第7,338,473号明細書)、2003年12月18日出願の米国特許出願第10/739,872号明細書(現在、米国特許第7,285,112号明細書)、2003年5月17日出願の米国特許出願第10/441,149号明細書(現在、米国特許第7,182,752号明細書)、および2003年4月8日出願の米国仮特許出願第60/461,149号明細書。上記にリストした参照文献において開示されている様々な装置、システム、および方法論が、システム10と一緒に用いられ得る。
【0022】
本発明のシステム10は、本発明の例示的な方法論に従って使用され、患者の腹腔にガス注入し、流体源12の単一のポートからの加圧流体を使用して主および副トロカール・アセンブリ16、18内に、流体、気体圧シールを選択的に提供し、および、そのような加圧流体を主および副トロカール・アセンブリ16、18から流体源12の単一のポートを通って戻るように再循環させる。システム10の新しくかつ有用なバルブ・アセンブリ14は、そのような動作および機能性を容易にし、かつ
図1〜
図11を参照して下記で説明する。本発明の好ましい方法論によるシステム10の動作は、
図12および
図13を参照して下記で説明する。
【0023】
ここで、引き続き
図1を参照して説明すると、バルブ・アセンブリ14は、第1の細長いチューブ22に結合されるように構成された第1の継手20と、主トロカール・カップラー24と、第2の細長いチューブ28に結合されるように構成された第2の継手26と、副トロカール・カップラー30と、第3の細長いチューブ34に結合されるように構成された第3の継手32と、流体源カップラー36と、弁部材38とを含む。
【0024】
バルブ・アセンブリ14の第1、第2、および第3の継手20、26、32、および弁部材38は、一緒にマニホールド6を形成し、これは、
図6〜
図7bから最もよく分かる。第1の継手20は、3つの通路21a、21b、21cを画定するハウジング21を含み、第2の継手26は、2つの通路27a、27bを画定するハウジング27を含み、および第3の継手32は、3つの通路33a、33b、33cを画定するハウジング33を含む(
図7、
図7a、
図7b)。第3の継手32の通路33aは、第1の継手20の通路21a、および第2の継手26の通路27aの双方に流体的に結合される。第3の継手32の通路33bは、第1の継手20の通路21b、および第2の継手26の通路27bの双方に流体的に結合される。第3の継手の通路33cは、第1の継手20の通路21cに流体的に結合されるが、第2の継手26の通路27a、27bのどちらにも流体的に結合されない。マニホールド6のハウジング21、27、33は、好ましくは、単一の一体ユニットとして互いに一体的に形成されるが、その代わりに、ネジ係合、締まり嵌め、または当技術分野で公知の任意の他の好適な手段によって、互いに取り外し可能に結合されてもよい。
【0025】
以下、引き続き
図1および
図6から
図7bを参照して説明すると、第1の細長いチューブ22は、好ましくは、3つの別個のチューブ22a、22b、22cを画定する三股チューブであり、これら別個のチューブは、マニホールド6内の第1の継手20の3つの通路21a、21b、21cに、およびマニホールド6に対向する端部23において主トロカール・カップラー24に流体的に結合するようなサイズにされ、かつ、そのように構成されている。第2の細長いチューブ28(
図1)は、好ましくは、2つの別個のチューブ28a、28bを画定する二股チューブであり、これら別個のチューブは、マニホールド6内の第2の継手26の2つの通路27a、27bに、およびマニホールド6に対向する端部29にある副トロカール・カップラー30に流体的に結合するようなサイズにされ、かつそのように構成されている。第3の細長いチューブ34は、好ましくは、3つの別個のチューブ34a、34b、34cを画定する三股チューブであり、これら別個のチューブは、マニホールド6内の第3の継手32の3つの通路33a、33b、33cに、およびマニホールド6に対向する端部37において流体源カップラー36に流体的に結合するようなサイズにされかつそのように構成されている。主トロカール・カップラー24、副トロカール・カップラー30、および流体源カップラー36は、主トロカール・アセンブリ16、副トロカール・アセンブリ18、および流体源12にそれぞれ取り外し可能に結合される。
【0026】
ここで
図2を参照すると、主トロカール・カップラー24は、アタッチメント本体40と、アタッチメント本体40を通って延在しかつその各対向側面においてそこから突出する環状壁43a、43b、43cによって画定された3つのシリンダー状流路42a、42b、42cと、アタッチメント・リング44と、主トロカール・アセンブリ16に装着された収納用カラー46とを含む。収納用カラー46は3つの通路48a、48b、48cを画定し、これら通路は、環状壁43a、43b、43cを受け入れ、かつ主トロカール・アセンブリ16内のそれぞれのチャンバーに至るようなサイズにされ、かつそのように構成され、そのチャンバーに、加圧流体が供給され、かつ回収される。アタッチメント・リング44は、アタッチメント本体40を収納用カラー46にネジ式に結合し、流路42a、42b、42cを通路48a、48b、48cに流体的に結合する。第1の細長いチューブ22のチューブ22a、22b、22cは、リング44に対向するアタッチメント本体40の側面で流路42a、42b、42cに取り外し可能におよび流体的に結合される。この構成は、三股の第1の細長いチューブ22を主トロカール・アセンブリ16に流体的に結合する。
【0027】
図3を参照すると、副トロカール・カップラー30は、アタッチメント本体50と、アタッチメント本体50を通って延在しかつその各対向側面から突出する環状壁53a、53bによって画定された2つのシリンダー状流路52a、52bと、アタッチメント・リング54と、副トロカール・アセンブリ18に装着された収納用カラー56とを含む。収納用カラー56は2つの通路58a、58bを画定し、これら通路は、環状壁53a、53bを受け入れかつ副トロカール・アセンブリ18内のそれぞれのチャンバーに至るようなサイズにされかつそのように構成され、そのチャンバーに、加圧流体が供給され、かつ回収される。アタッチメント・リング54は、アタッチメント本体50を収納用カラー56にネジ式に結合し、流路52a、52bは通路58a、58bに流体的に結合される。第2の細長いチューブ28のチューブ28a、28bは、リング54に対向するアタッチメント本体50の側面において流路52a、52bに取り外し可能におよび流体的に結合される。この構成は、二股の第2の細長いチューブ28を副トロカール・アセンブリ18に流体的に結合する。
【0028】
図4および
図5を参照すると、流体源カップラー36は、流体源12に結合され、かつそれによって受け入れられる3つのチャンネル62a、62b、62cを規定するアタッチメント本体60を含み、かつその端部37において第3の細長いチューブ34の第1、第2、および第3のチューブ34a、34b、34cに流体的に結合するように構成されている。この構成は、三股の第3の細長いチューブ34を流体源12に流体的に結合する。
【0029】
ここで
図8を参照すると、バルブ・アセンブリ14の弁38は、縦軸66の周りで回転可能な細長いシャフト64を含む。細長いシャフト64は、そこを通って延在する上部および下部アパーチャ68、70と、その対向する側面の上部凹面72、74と、その対向する側面の下部凹面76、78と、凹面72、74、76、78から突出する環状壁71、73、75、77とを画定する。凹面72、74、76、78は、環状壁71、73、75、77を覆って凹面72、74、76、78に圧入されるOリング80、82、84、86をそれぞれ受け入れるように構成される。弁38は、また、細長いシャフト64の上端部64aに結合する上部ハンドル88と、細長いシャフト64の下端部64bに結合する下部ハンドル90とを含む。上端部および下端部64a、64bは、シャフト64と比べて直径が小さく、かつシャフト64と一体的に形成されても、または、それに取り外し可能に結合されてもよい。上端部および下端部64a、64bへのハンドル88、90の結合は、任意の好適な手段、例えば、ネジ係合、圧入、糊接着剤などによって達成され得る。シャフト64は、また、シャフト64の外表面の周りに、シャフト64の縦軸66に対して同心円状に向けられた3つの追加的なOリング81、83、85を備える。Oリング81、83、85は、好ましくは、シャフト64の外表面によって画定された周囲の溝に収まる。Oリング80、81、82、83、84、85、86は、下記でさらに説明するように、シャフト64に回転抵抗および流体シールをもたらすように機能する。上部および下部ハンドル88、90のいずれかを使用者が操作して、
図9および
図10に示す第1の動作位置と第2の動作位置との間で弁38の細長いシャフト64を回転させ得る。
【0030】
図9を参照すると、第1の動作位置にある第2の細長いチューブ28に動作可能に関連付けられ、かつ、それに結合された弁38が示されている。第1の動作位置では、上部および下部アパーチャ68、70は、二股チューブ28の2つのチューブ28a、28bから流体的に隔離されている。弁38のOリング80、81、82、83、84、85、86は、チューブ28a、28bのそれぞれの縁部とインターフェースを形成し、干渉によって弁38の細長いシャフト64に回転抵抗をもたらし、この干渉は、ハンドル88、90の一方を手動操作することによって克服される。このようにして、Oリング80、81、82、83、84、85、86は、弁38の回転位置を
図9の第1の動作位置に維持するのを支援する。
【0031】
図10を参照すると、第2の動作位置にある第2の細長いチューブ28に動作可能に関連付けられ、かつそれに結合された弁38が示されている。第2の動作位置では、上部および下部アパーチャ68、70は、二股チューブ28の2つのチューブ28a、28bに流体的に結合される。弁38のOリング81、83、85、およびOリング80、82、84、86(
図10では見えない)は、その対向する側面にあるチューブ28a、28bのそれぞれの縁部とインターフェースを形成し、弁38の細長いシャフト64の回転位置を、干渉によって、
図10の第2の動作位置に維持するのを支援する。そのような干渉は、ハンドル88、90の一方を手動操作することによって克服され得る。弁38が第2の動作位置に配置されるとき、Oリング80、82、84、86はまた、上部および下部アパーチャ68、70とチューブ28a、28bとの間のシールをそれぞれ提供することが理解されよう。
図12および
図13に関して下記でさらに説明するように、弁38は手動で操作されて、バルブ・アセンブリ14を第1の動作位置と第2の動作位置との間で動かし得る。
【0032】
ここで
図11および
図11aを参照すると、システム10は、また、好ましくは、ベレス針アセンブリ92と一緒に使用され、べレス針アセンブリは、コネクタ本体94、カラー96、継手97、チューブ98、および針99を含む。コネクタ本体94は、それを通って延在し、かつその各対向側面から突出する3つの環状壁91a、91b、91cを含む。環状壁91a、91b、91cは流路93a、93b、93cを画定し、これら流路は、三股の第1のチューブ状部材22の3つのチューブ22a、22b、22cに流体的に結合するように構成されている。カラー96は、コネクタ本体94を継手97にネジ式に結合し、これは、ルーメン95cを介してチューブ98に流体的に結合される。継手97から突出するプラグ95a、95bが、流路93a、93bに栓をする。コネクタ本体94、カラー96、および継手97が係合することにより、ルーメン95cによって流路93cをチューブ98に流体的に結合し、かつプラグ95a、95bによって流路93a、93bをチューブ98から流体的に隔離する。下記でさらに説明するように、この構成によって、三股の第1のチューブ状部材22の流路22cからチューブ98および針99のルーメンへ注入流体を移動させ、腹腔へのガス注入を行うことができる。コネクタ本体94、カラー96、および継手97は、好ましくは、予め組立てられた状態で提供されるため、外科医は、針99をチューブ98に接続する必要があるだけである。
【0033】
上記で開示した本発明のシステム10の構造を用いて、その動作を以下説明する。
図12を参照すると、
図1のバルブ・アセンブリ14が、患者の腹腔へのガス注入を行うために、初めに使用される。最初に、ベレス針アセンブリ92が、コネクタ本体94およびカラー96を介して第1の細長い三股チューブ22の端部23に結合され、チューブ22cがチューブ98および針99のルーメン(図示せず)に流体的に結合され、かつチューブ22a、22bがチューブ98および針99のルーメンから流体的に隔離される。第1、第2、および第3の細長いチューブ22、28、34は、バルブ・アセンブリ14の第1、第2、および第3の継手20、26、32に結合され、および第3の細長いチューブ34の端部37は、流体源12に結合される。流体源12は、好ましくは、加圧流体(例えば、二酸化炭素ガス)を入れるタンクを含み、および好ましくは、制御装置13および圧力調整器内に装着されかつそれに動作可能に結合されて、それを制御式に動作させ、単一のポート15を通して加圧流体を制御式に提供する。
【0034】
ポート15を流れる加圧流体がない状態で、患者の腹壁102は、ベレス針アセンブリ92の針99を使用して穿刺され、チューブ98を針99のルーメンと流体連通させて配置する。その後、制御装置13が動作されて、流体源12からポート15を経由してチューブ34c(注入ライン)を通って注入ガス(例えば、CO
2)を供給する。注入ガスは、チューブ34c、バルブ・アセンブリ14の第3の継手32の通路33c、バルブ・アセンブリ14の第1の継手20の通路21c、第1の細長い三股チューブ22のチューブ22c、コネクタ本体94の通路93c(
図11)、チューブ98を通って、最終的には針99のルーメンを通って、患者の腹腔まで流れ、注入される。第3の継手32の通路33cは、第1の継手20の通路21cに流体的に結合されるが、第2の継手26の通路のいずれにも流体的に結合されない。弁38は
図9の第1の動作位置に留まる。
【0035】
コントローラ13は、好ましくは圧力センサーを含み、圧力センサーは、少なくともチューブ34c内の圧力を監視し、および予め決められた圧力閾値に達すると、自動的に電源を切るか、または注入ガスの供給量を減らす。コントローラ13はまた、ガス注入中にまたはガス注入後に、電源を入れるため、電源を切るため、または腹腔への注入ガスの供給量を減らすために、手動で動作され得るが、コントローラ13は、予め決められた最大圧力に達したら、注入流体の供給動作ができなくなるようにされることが勧められる。
【0036】
腹腔内が予め決められた圧力閾値に達したら、コネクタ本体94、カラー96、継手97、およびチューブ98が、針99および第1の細長い三股チューブ22から取り外される。針99は患者から除去され、および針によって残された小さな切開は封止されて、腹壁102による脱気を防止する。あるいは、針が弁を備える場合、針は、弁を「オフ」の位置にした状態で腹壁102に残され、腹腔の脱気を防止してもよい。
【0037】
図13を参照すると、その後、腹壁102は、好ましくはカニューレおよび栓子を含む主トロカール・アセンブリ16を使用して第1の位置103で穿刺される。栓子は、摺動式に挿入され、かつ主トロカール・アセンブリの近位端部16aにある開口部19を通って、第1の位置103にある腹壁102までおよびそこを貫通させて移動される。その後、栓子によって作られた腹壁102にある切開口を貫通させて主トロカール・アセンブリ16の遠位端部16bを挿入する。栓子の外径とカニューレの内径との間の摩擦嵌合/シールによって、主トロカール・アセンブリ16による脱気を防止する。
【0038】
その後、第1の細長いチューブ22の端部23を、主トロカール・カップラー24を使用して主トロカール・アセンブリ16に取り付け、それにより、第1の細長いチューブ22のチューブ22a、22b、22cの各々を、主トロカール・アセンブリ16のカニューレの様々なチャンバーに流体的に結合する。例えば、圧力/供給ラインおよび真空/戻りラインに対応するチューブ22a、22bが、カニューレのチャンバーと流体連通するように配置され、それぞれ、チャンバー内に流体/気体圧シール、かつガスの戻り/再循環を生成し(そうでなければガスは主トロカール・アセンブリ16の開口部19を通って出る)、および感知/注入ライン22cが、患者の腹腔に至るカニューレによって画定された別個のチャンバーと流体連通して配置され、腹腔内の腹圧を感知する。弁部材38は、初めは、
図9の第1の動作位置、
図13では、上部ハンドル88の破線の位置39によって示されている位置に維持される。
【0039】
制御装置13は、流体源12からポート15を経由して三股チューブ34のチューブ34a(圧力ライン)を通って加圧ガスを供給するように動作される。その後、主トロカール・アセンブリ16の栓子を除去し、加圧流体(例えば、CO
2ガス)が、チューブ34aを通って、バルブ・アセンブリ14の第3の継手32の通路33a、バルブ・アセンブリ14の第1の継手20の通路21a、第1の細長い三股チューブ22のチューブ22a、主トロカール・カップラー24のアタッチメント本体40の通路42a(
図2)、および収納用カラー46の通路48aを通って、主トロカール・アセンブリ16の近位チャンバーまで流れる。加圧ガスが、主トロカール・アセンブリ16のチャンバーに供給される間、ガスは、同時に、そこからチューブ22bを介して回収される。特に、回収されたガスは、主トロカール・アセンブリ16のチャンバーから、収納用カラー46の通路48b、および主トロカール・カップラー24のアタッチメント本体40の通路42b、チューブ22b、バルブ・アセンブリ14の第1の継手20の通路21b、第3の継手32の通路33b、第3の細長い三股チューブ34のチューブ34bを通って、ポート15に戻ってそこを通って、流体源12まで流れる。主トロカール・アセンブリ16への加圧ガスの供給流は、好ましくは主トロカール・アセンブリ16のチャンバーの近位端部に形成され、かつそれと流体連通している1つ以上のノズルを通って流れ、かつ、下方に向けられて、そこに流体/気体圧シール、および患者の腹腔からのガスの近位方向への流出に対する効果的なバリアーを形成し、および上記で引用しかつ参照により本明細書に援用する出願および特許に説明されているように、そこに形成された気腹を維持する。主トロカール・アセンブリ16から回収されたガスは、そうでなければ主トロカール・アセンブリ16の開口部19を通って出るガスを再循環させる。
【0040】
バルブ・アセンブリ14の第3の継手32の通路33aからの加圧流体は、第1の継手20の通路21aおよび第2の継手26の通路27aの双方に流れるが、弁38は、第1の動作位置39に維持されており、それゆえ、第2の継手26の通路27aがチューブ28aから流体的に隔離されていることが重要である。それゆえ、第1の動作位置に弁38が配置された状態では、第2の細長い二股チューブ28に加圧流体は流れない。
【0041】
手術器具および/またはカメラなどの記録装置が、任意選択的に、必要に応じて、主トロカール・アセンブリ16のカニューレを通って、開口部19を経由して患者の腹部まで移動される。加圧流体は、コントローラ13によって決められた量および圧力レベルで、上述の流体路を経由して圧力/供給ライン22aおよび真空/戻りライン22bを通って流れ続け、主トロカール・アセンブリ16における流体シール、および腹腔における腹圧を維持する。コントローラ13は、感知/注入チューブ34c(これは、上述の通り、チューブ22cに流体的に結合されている)を経て、腹腔内の圧力、ならびにチューブ22aに流体的に結合されている圧力ライン34aにおける圧力を継続的に監視し、および必要ならばそれらを調整して、流体/気体圧シールを維持する。
【0042】
その後、腹壁102は、好ましくは同様に、カニューレおよび栓子を含む副トロカール・アセンブリ18を使用して第2の位置105で穿刺される。栓子は、摺動式に挿入され、かつ副トロカール・アセンブリ18の近位端部18aにある開口部25を通って、第2の位置105にある腹壁102までおよびそこを貫通して移動される。その後、副トロカール・アセンブリ18の遠位端部18bが、栓子によって作られた腹壁102の切開口を貫通して挿入される。栓子の外径とカニューレの内径との間の摩擦嵌合/シールは、副トロカール・アセンブリ18による脱気を防止する。
【0043】
その後、第2の細長いチューブ28の端部29を、副トロカール・カップラー30を使用して副トロカール・アセンブリ18に取り付け、それにより、第2の細長いチューブ28のチューブ28a、28bの各々を副トロカール・アセンブリ18のカニューレのチャンバーに流体的に結合し(例えば、圧力/供給ラインおよび真空/戻りラインに、それぞれ対応するチューブ28a、28b)、これらチューブは、副トロカール・アセンブリ18のカニューレのチャンバーと流体連通するように配置され、それぞれ、チャンバー内の流体/気体圧シール、およびガスの戻し/再循環を生成する(ガスは、そうでなければ副トロカール・アセンブリ18の開口部25を通って出る)。
【0044】
その後、弁38は、上部および底部ハンドル88、90の一方を回転させることによって
図10の第2の動作位置に操作され、それゆえ、チューブ28a、28bを第2の継手26の通路27a、27bに流体的に結合し、これらは、第3の継手32の通路33a、33bに流体的に結合され、それにより、チューブ34aを通された流体源12からの加圧流体が、主トロカール・アセンブリ16および副トロカール・アセンブリ18の双方へ方向付けられる。特に、加圧流体(例えば、CO
2ガス)は、上述の同じ流体路を通って主トロカール・アセンブリ16まで流れ続けるが、第2の継手26において、もはや弁38によって遮断されないため、同様に、通路27a、チューブ28a、副トロカール継手30のアタッチメント本体50の通路52a、収納用カラー56の通路58aを流れ、かつ、副トロカール・アセンブリ18の栓子が除去されると、副トロカール・アセンブリ18のチャンバーまで流れる。
【0045】
加圧ガスは、同時に、チューブ28bを介して副トロカール・アセンブリ18のチャンバーから回収される。特に、回収された加圧ガスは、副トロカール・アセンブリ18のチャンバーから、収納用カラー56の通路58b、および副トロカール・カップラー30のアタッチメント本体50の通路52b、チューブ28b、第2の継手26の通路27b、第3の継手32の通路33b、および第3の細長い三股チューブ34のチューブ34bを通って流体源12まで流れる。加圧ガスの供給流は、好ましくは副トロカール・アセンブリ18のチャンバーの近位端部に形成されかつそれと流体連通する1つ以上のノズルを通って流れ、かつ下方に向けられて、そこに流体/気体圧シール、および患者の腹腔からのガスの近位方向の流出に対する効果的なバリアーを形成し、およびそこに形成された気腹を維持する。その後、手術器具および/またはカメラなどの記録装置を、任意選択的に、必要に応じて、副トロカール・アセンブリ18のカニューレを通して、開口部25を経由して、患者の腹部まで移動させる。加圧流体は、圧力/供給ライン28aおよび真空戻りライン28bを通って流れ続け、そこに流体シールを維持する。コントローラ13は、感知/注入チューブ34c(これは、上述の通り、チューブ22cに流体的に結合されている)を経て腹腔内の圧力を、ならびにチューブ22a、22bに流体的に結合されている圧力および真空ライン34a、34bにおける圧力を継続的に監視し、および必要ならばそれらを調整して、流体気体圧シールを維持する。
【0046】
弁38が
図10の第2の動作位置に配置されている場合(
図13のハンドル位置41によって示す)、流体源12からポート15を通して供給された加圧流体が、マニホールド6内で第1および第2のトロカール・アセンブリ16、18に分岐し、および第1および第2のトロカール・アセンブリ16、18から回収された加圧流体は、マニホールド6内で合流し、かつポート15を通って戻されるように送られることが重要である。このようにして、および本発明の図示の実施形態に従って、加圧流体は、2つ以上のトロカール・アセンブリを連続的に流れる必要なく、単一のポート15を使用して、複数のトロカール・アセンブリに選択的に送られかつそこから回収され得ることが理解される。さらに、本発明のバルブ・アセンブリと一緒に複数のトロカール・アセンブリを使用することは、より良好なシールを可能にし、同時に使用され得る手術器具数に関してより柔軟にでき、および設定時間および手術に関してより効率的にできる。
【0047】
追加的な弁を使用すること、およびバルブ・アセンブリ14の圧力/供給ラインおよび真空/戻りラインをさらに分けることによって、追加的な(例えば、第3、第4、第5などの)トロカール・アセンブリをシステム10に追加してもよいことが理解されよう。しかしながら、腹腔の感知は、単一のトロカール・アセンブリ(例えば、主トロカール・アセンブリ16)で行われることが好ましい。
【0048】
二股チューブ28の圧力および戻りライン28a、28bを、ルアー・ロック・アセンブリを介して、当技術分野で公知の標準的なトロカールに機械的におよび流体的に結合されるように構成し得ることも理解される。このようにして、本システム10と一緒に標準的なトロカールを使用できる。
【0049】
バルブ・アセンブリは第3の動作位置に構成可能にでき、この動作位置では、加圧流体が主および副トロカール・アセンブリに流れないようにし、ならびに追加的なトロカール・アセンブリがバルブ・アセンブリ14に全く結合されないようにすることも想定される。例えば、弁38と同様のまたは異なる第2の弁が、第3の継手32に結合され、かつチューブ34cを流れる加圧流体が第1および第2の細長いチューブ22、28のいずれにも達しないように構成可能とし得ることが想定される。
【0050】
上記は、本発明の実施で考慮される最良の態様、および本発明を作製および使用する方法およびプロセスの説明を、本発明に関連する技術分野の当業者がこれら装置および方法を作製および使用できるようにするのに十分な、明白で簡潔な、かつ正確な表現で、提供する。しかしながら、本発明は、上述したもののような修正形態および代替的な方法ステップの影響を受けやすく、これらは十分に均等である。従って、本発明は、開示した特定の実施形態に限定されない。それどころか、本発明は、その趣旨および範囲内にある全ての修正形態ならびに代替的な構成および方法を包含する。
【0051】
上記の記述および添付図面は、説明であり、限定ではないと解釈される。本発明を、1つまたは複数のその好ましい実施形態に関連して開示したが、以下の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内にある他の実施形態があってもよいことが理解されるべきである。特定の機能を実施するための手段またはステップとして表現される請求項がある場合、そのような請求項は、構造的均等物および均等な構造、材料ベースの均等物および均等な材料、および行為ベースの均等物および均等な行為の双方を含めて、本明細書およびその均等物で説明する対応する構造、材料、または行為を網羅するとみなされることを意図する。