特許第6087459号(P6087459)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087459売上分析装置、売上分析方法および売上分析プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6087459
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】売上分析装置、売上分析方法および売上分析プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20170220BHJP
【FI】
   G06Q30/02 300
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-66251(P2016-66251)
(22)【出願日】2016年3月29日
【審査請求日】2016年9月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000139012
【氏名又は名称】株式会社リクルートホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100139066
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】井原 真吾
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−234402(JP,A)
【文献】 特開2008−71140(JP,A)
【文献】 特開2009−80861(JP,A)
【文献】 特開2008−123550(JP,A)
【文献】 特開2014−160369(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0249815(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0278091(US,A1)
【文献】 ”国産ERP特集 海外ベンダとの差別化政策がヒット! 着実にユーザー数を増やす国産ERP”,季刊 IT化経営最前線 2004 AUTUMN,日本,株式会社リックテレコム,2004年11月 1日,P10-13
【文献】 ”国産業務パッケージ8製品 業務適合度の高さで海外ERPに迫る”,ネットワークコンピューティング,日本,株式会社リックテレコム,1998年 1月 1日,第10巻 第1号,P95-105
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶する手段と、
店舗の売上データを読み込む手段と、
前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定する手段と、
前記店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、当該売上高に基づいて店舗規模を特定する手段と、
前記記憶された前記テンプレートの中から、前記特定された業種および前記特定された店舗規模に対応する前記テンプレートを選択する手段と、
前記選択された前記テンプレートを用いて、前記店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成する手段と、
を備えることを特徴とする売上分析装置。
【請求項2】
前記レポートを生成する手段は、前記レポートとして、前記分析結果に基づくグラフを生成し、前記店舗規模が所定の規模以上である場合には、前記グラフに加え、前記分析結果に基づく数値化データを生成する、ことを特徴とする請求項1記載の売上分析装置。
【請求項3】
前記店舗の売上データに基づいて店舗内での売上高が大きい人気商品を特定する手段をさらに備え、
前記レポートを生成する手段は、前記特定された前記人気商品と他の商品との売上高に基づいて前記人気商品との併売ランキングを算出し、前記レポートとして、前記人気商品との併売ランキングをさらに生成する、ことを特徴とする請求項2記載の売上分析装置。
【請求項4】
前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて、店舗がチェーンストアであるか否かを判定する手段をさらに備え、
前記レポートを生成する手段は、店舗がチェーンストアであると判定された場合に、前記レポートとして、チェーンストアをまとめて管理する本部向けのデータをさらに生成する、ことを特徴とする請求項2または3記載の売上分析装置。
【請求項5】
ユーザが操作する端末が、
店舗の売上データを読み込むステップと、
前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定するステップと、
前記店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、当該売上高に基づいて店舗規模を特定するステップと、
売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶する記憶装置から、前記特定された業種および前記特定された店舗規模に対応する前記テンプレートを選択するステップと、
前記選択された前記テンプレートを用いて、前記店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成するステップと、
を実行することを特徴とする売上分析方法。
【請求項6】
コンピュータを、
売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶する手段、
店舗の売上データを読み込む手段、
前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定する手段、
前記店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、当該売上高に基づいて店舗規模を特定する手段、
前記記憶された前記テンプレートの中から、前記特定された業種および前記特定された店舗規模に対応する前記テンプレートを選択する手段、
前記選択された前記テンプレートを用いて、前記店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成する手段、
として機能させることを特徴とする売上分析プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上分析装置、売上分析方法および売上分析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、売上データ等のデータを収集、蓄積、分析、加工し、その結果を可視化して経営方針の意思決定に役立てるビジネス・インテリジェンス(BI)という手法が経営戦略を策定する際に利用されている。下記特許文献1には、各店舗の売上データに基づいて売上分析処理を行い、その分析結果を出力する店舗売上管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−250132号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
売上データを分析する場合、業種や店舗規模等が異なると、分析時に重視する指標や、必要となる分析結果の出力形式が異なる傾向にある。したがって、分析システムや分析ツールを導入する場合には、最適な分析結果が得られるように導入先ごとにカスタマイズすることが望ましい。
【0005】
これに対して特許文献1の店舗売上管理システムでは、全ての店舗で共通の売上分析処理を行うことになる。したがって、特許文献1の店舗売上管理システムを、業種や規模の異なる複数の店舗で利用する場合には、各店舗に適した分析結果を得ることは困難となる。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、売上データに基づいて、その店舗に適した分析レポートを生成することができる売上分析装置、売上分析方法および売上分析プログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様である売上分析装置は、売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶する手段と、店舗の売上データを読み込む手段と、前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定する手段と、前記店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、当該売上高に基づいて店舗規模を特定する手段と、前記記憶された前記テンプレートの中から、前記特定された業種および前記特定された店舗規模に対応する前記テンプレートを選択する手段と、前記選択された前記テンプレートを用いて、前記店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成する手段と、を備える。
【0008】
前記レポートを生成する手段は、前記レポートとして、前記分析結果に基づくグラフを生成し、前記店舗規模が所定の規模以上である場合には、前記グラフに加え、前記分析結果に基づく数値化データを生成する、こととしてもよい。
【0009】
前記店舗の売上データに基づいて店舗内での売上高が大きい人気商品を特定する手段をさらに備え、前記レポートを生成する手段は、前記特定された前記人気商品と他の商品との売上高に基づいて前記人気商品との併売ランキングを算出し、前記レポートとして、前記人気商品との併売ランキングをさらに生成する、こととしてもよい。
【0010】
前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて、店舗がチェーンストアであるか否かを判定する手段をさらに備え、前記レポートを生成する手段は、店舗がチェーンストアであると判定された場合に、前記レポートとして、チェーンストアをまとめて管理する本部向けのデータをさらに生成する、こととしてもよい。
【0011】
本発明の一態様である売上分析方法は、ユーザが操作する端末が、店舗の売上データを読み込むステップと、前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定するステップと、前記店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、当該売上高に基づいて店舗規模を特定するステップと、売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶する記憶装置から、前記特定された業種および前記特定された店舗規模に対応する前記テンプレートを選択するステップと、前記選択された前記テンプレートを用いて、前記店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成するステップと、を実行する。
【0012】
本発明の一態様である売上分析プログラムは、コンピュータを、売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶する手段、店舗の売上データを読み込む手段、前記店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定する手段、前記店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、当該売上高に基づいて店舗規模を特定する手段、前記記憶された前記テンプレートの中から、前記特定された業種および前記特定された店舗規模に対応する前記テンプレートを選択する手段、前記選択された前記テンプレートを用いて、前記店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成する手段、として機能させる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、売上データに基づいて、その店舗に適した分析レポートを生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態における店舗端末を含む商品管理システムの構成を例示する図である。
図2図1に示す店舗端末の構成を例示する図である。
図3】店舗の売上データを分析し、その分析結果に基づいてレポートを生成する際の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態における店舗端末(売上分析装置)を含む商品管理システムの構成を例示する概略図である。商品管理システム1は、単数又は複数の店舗端末2と、管理サーバ3とを備える。店舗端末2および管理サーバ3は、ネットワークNを介して相互に通信できるように構成される。
【0017】
本実施形態では、例示的に、飲食店の各店舗に店舗端末2を導入する場合について説明する。店舗端末2は、それぞれの店舗ごとに、単数又は複数備えることができる。
【0018】
店舗端末2は、例えば、注文受付機能、会計機能、売上分析機能を有する。注文受付機能は、来店した顧客からの注文内容を登録する機能であり、会計機能は、登録した注文内容を用いて会計処理(例えば、売上データ登録処理、レシートの発行処理)を実行する機能である。売上分析機能は、会計処理により蓄積された店舗の売上データを分析し、その分析結果に基づくレポートを生成する機能である。売上分析機能の詳細は後述する。
【0019】
店舗端末2に登録された各データや分析結果は、適宜管理サーバ3に送信され、管理サーバ3において店舗ID等が付与された状態で管理される。
【0020】
本実施形態では、店舗端末2として、タブレット端末を想定する。しかし、店舗端末2はこれに限定されず、店舗端末2として、例えば、ノートPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、その他の端末装置を適宜用いることができる。
【0021】
管理サーバ3は、例えば、演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムが動作することにより、サーバ機能を実現するものである。ここで、管理サーバ3を構成するコンピュータは、必ずしも1台である必要はなく、ネットワーク上に分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。
【0022】
ネットワークNは、店舗端末2と管理サーバ3との間で情報を送受信可能な通信網を含む。ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0023】
図2は、店舗端末2の構成を概略的に示すブロック図である。店舗端末2は、例えば、プロセッサ21と、通信インタフェース22と、入力デバイス23と、表示デバイス24と、記憶資源25とを備える。
【0024】
プロセッサ21は、算術論理演算ユニットおよび各種レジスタ(プログラムカウンタ、データレジスタ、命令レジスタ、汎用レジスタ等)から構成され、記憶資源25に格納されているプログラム250を実行することで、売上分析機能等の各種機能を実現する。プログラム250の一例として、店舗端末2にインストールされた売上分析用のアプリケーションプログラム(売上分析プログラム。以下、「売上分析アプリ」ともいう。)がある。アプリケーションプログラムは、例えば、管理サーバ3からネットワークNを通じてダウンロードし、店舗端末2にインストールする。
【0025】
通信インタフェース22は、管理サーバ3との接続インタフェースを提供するものであり、無線通信インタフェースまたは有線通信インタフェースから構成される。入力デバイス23は、ユーザからの入力操作を受け付けるインタフェースを提供するものであり、タッチパネル、キーボード、マウス等を例示することができる。表示デバイス24は、各種機能を実行する際に用いる表示画面等の画像表示インタフェースをユーザに提供するものであり、例えば、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等が挙げられる。本実施形態では、入力デバイス23および表示デバイス24として、例示的にタッチパネル付きディスプレイを用いる。
【0026】
記憶資源25は、例えば、物理デバイスの記憶領域が提供する論理デバイスである。物理デバイスは、例えば、ディスクドライブまたは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶資源25には、上記プログラム250に加え、オペレーティングシステムプログラム、ドライバプログラム、各種データ等が格納される。ドライバプログラムとしては、例えば、入力デバイス23を制御するための入力デバイスドライバプログラムや、表示デバイス24を制御するための出力デバイスドライバプログラム等がある。
【0027】
各種データとしては、例えば、売上日時データ、売上商品データ、売上金額データ等を含む売上データや、売上情報を分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを含むテンプレート情報がある。売上データは、データ項目として、例えば、売上日時項目、売上商品項目、売上金額項目等を有し、売上情報DB(データベース)252に記憶される。テンプレート情報は、データ項目として、例えば、業種項目、店舗規模項目、テンプレート項目等を有し、テンプレートDB253に記憶される。
【0028】
本実施形態におけるプログラム250は、例示的に、売上分析処理モジュール251を有する。この売上分析処理モジュール251を実行することで売上分析機能が発現する。図3を参照し、店舗の売上データを分析し、その分析結果に基づいてレポートを生成する際の手順について、その一例を説明する。図3は、売上データを分析してレポートを生成する際の店舗端末2における基本的な処理の流れを例示するフローチャートである。
【0029】
最初に、ユーザである店員の操作に応じて、店舗端末2の売上分析アプリの起動要求を受け付けると、店舗端末2の売上分析処理モジュール251は、分析処理実行画面をディスプレイ24に表示させる(ステップS101)。売上分析アプリの起動要求は、例えば、店舗端末2のディスプレイ24に表示されたアイコンをタップ(選択)等することで行う。
【0030】
続いて、店員の操作に応じて、分析する売上データの指定および分析の開始指示を受け付けると、売上分析処理モジュール251は、指定された売上データを読み込み、売上分析処理の実行を開始する(ステップS102)。
【0031】
続いて、売上分析処理モジュール251は、売上データに含まれる売上商品データに基づいて店舗の業種を特定する(ステップS103)。
【0032】
具体的に、売上分析処理モジュール251は、例えば、業種名に対応付けて商品名やサービス名等を設定した業種テーブルを参照することで、各売上商品データに対応する業種名を選択し、その選択した業種名を分析して店舗の業種を特定する。
【0033】
ここで、業種として、例えば、小売業、飲食業、サービス業等が該当する。上記業種テーブルに記憶されるデータ構成を以下に例示する。業種名“小売業”に対応付けて、“婦人服”、“ビジネスシューズ”、“シャープペンシル”等の商品名が記憶され、業種名“飲食業”に対応付けて、“ハンバーガー”、“日替わり定食”、“とんこつラーメン”等の商品名が記憶され、業種名“サービス業”に対応付けて、“ヘアカット”、“シャンプー”、“遊園地入場料”等のサービス名が記憶される。
【0034】
続いて、売上分析処理モジュール251は、売上データに基づいて月別の売上高を算出し、その算出した売上高に基づいて店舗規模を特定する(ステップS104)。
【0035】
具体的に、売上分析処理モジュール251は、例えば、売上金額の範囲ごとに店舗規模を設定した店舗規模テーブルを参照することで、売上高に対応する店舗規模を特定する。店舗規模として、例えば、“大規模”、“中規模”、“小規模”等を用いることができる。
【0036】
続いて、売上分析処理モジュール251は、上記ステップS103で特定した業種および上記ステップS104で特定した店舗規模に対応するテンプレートを、テンプレートDB253から選択する(ステップS105)。
【0037】
ここで、業種に応じて、分析時に重視する指標が異なることから、業種ごとに分析指標の異なる分析アルゴリズムを準備し、それぞれの分析アルゴリズムを、その業種に対応するテンプレートに設定する。業種ごとに重視する指標として、例えば、以下のような指標がある。小売業では、併売率、セット率(複数点商品購入率)、顧客単価等を重視する。飲食業では、グループ人数、予約率、ABC分析(例えばメニューごとの人気ランキング)等を重視する。サービス業では、顧客単価、予約率、主要商品(メインメニュー)、時間単価(例えばマッサージにおける施術時間あたりの値段)等を重視する。
【0038】
また、店舗規模に応じて、必要となる分析結果の出力形式が異なることから、店舗規模ごとに分析結果の出力形式が異なる出力アルゴリズムを準備し、それぞれの出力アルゴリズムを、その店舗規模に対応するテンプレートに設定する。分析結果の出力形式として、例えば、分析結果に基づくグラフや、分析結果に基づく数値化データ等が該当し、グラフの座標軸に設定する目盛の大きさや、その他の商品としてまとめる対象の大きさ等を店舗規模に応じて設定することができる。
【0039】
また、店舗規模が比較的小さい場合には、分析結果に基づくグラフのみを出力し、店舗規模が比較的大きい場合には、分析結果に基づくグラフに加え、分析結果に基づく数値化データを出力することとしてもよい。また、店舗規模が比較的小さい場合には、全ての商品の分析結果を表示し、店舗規模が比較的大きい場合には、人気商品(メニュー)のみのランキングを表示することとしてもい。店舗規模が比較的小さいか、比較的大きいかの判断は、例えば、月別の売上高に基づく閾値を設定し、その閾値を用いて判断することができる。
【0040】
続いて、売上分析処理モジュール251は、上記ステップS105で選択したテンプレートを用いて、店舗の売上データを分析し、その分析結果に基づくレポートを生成する(ステップS106)。
【0041】
ここで、売上分析アプリは、上記基本的な流れで説明した機能に加え、(1)人気商品との併売ランキング生成機能、(2)本部向けレポート生成機能を発現することができる。
【0042】
(1)人気商品との併売ランキング生成機能
売上分析処理モジュール251は、売上データに基づいて店舗内での売上高が大きい人気商品を特定する。売上分析処理モジュール251は、特定した人気商品と他の商品との売上高に基づいて人気商品との併売ランキングを算出する。売上分析処理モジュール251は、人気商品との併売ランキングに基づいてレポートを生成する。人気商品を特定する条件は任意に設定することができ、例えば、売上高の順位で決めてもよいし、その商品の売上高が全体に占める割合で決めてもよい。
【0043】
(2)本部向けレポート生成機能
売上分析処理モジュール251は、売上データに含まれる売上商品データに基づいて、店舗がチェーンストアであるか否かを判定する。売上分析処理モジュール251は、店舗がチェーンストアであると判定した場合に、チェーンストアをまとめて管理する本部向けのデータを生成し、本部向けのレポートを生成する。本部向けのレポートには、例えば、売上総額、顧客単価、曜日別売上額、利益総額等、店舗ごとに横比較し易い項目を一括して表示することができる。
【0044】
具体的に、売上分析処理モジュール251は、例えば、チェーンストアに特有の商品名を登録したチェーンストア商品テーブルを参照することで、チェーンストアに特有の商品名に該当する売上商品データが存在するか否かに応じて、店舗がチェーンストアであるか否かを判定する。また、店舗名を利用してその店舗がチェーンストアであるか否かを判定することとしてもよい。
【0045】
上述したように、実施形態における店舗端末2によれば、店舗の売上データを読み込み、その売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定するとともに、その売上データに基づいて月別の売上高を算出し、その算出した売上高に基づいて店舗規模を特定することができる。また、特定した業種および店舗規模に対応するテンプレートをテンプレートDBから選択し、その選択したテンプレートを用いて、店舗の売上データを分析し、その分析結果に基づくレポートを生成することができる。
【0046】
これにより、実施形態における店舗端末2によれば、店舗の売上データに基づいて、その店舗に適した分析レポートを生成することが可能となる。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。
【符号の説明】
【0048】
1…商品管理システム
2…店舗端末
3…管理サーバ
21…プロセッサ
22…通信インタフェース
23…入力デバイス
24…表示デバイス
24…ディスプレイ
25…記憶資源
250…プログラム
251…売上分析処理モジュール
252…売上情報DB
253…テンプレートDB
N…ネットワーク
【要約】
【課題】売上データに基づいて、その店舗に適した分析レポートを生成する。
【解決手段】売上データを分析してレポートを生成するためのアルゴリズムを規定したテンプレートを、業種と店舗規模との組み合わせに対応付けて記憶するテンプレートDBと、店舗の売上データを読み込み、店舗の売上データに含まれる売上商品データに基づいて業種を特定し、店舗の売上データに基づいて月別の売上高を算出し、その売上高に基づいて店舗規模を特定し、上記特定した業種および店舗規模に対応するテンプレートをテンプレートDBから選択し、その選択したテンプレートを用いて、店舗の売上データを分析し、分析結果に基づくレポートを生成する。
【選択図】図2
図1
図2
図3