特許第6087481号(P6087481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6087481
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】粘度測定方法及び粘度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 11/10 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   G01N11/10
【請求項の数】23
【全頁数】65
(21)【出願番号】特願2016-557674(P2016-557674)
(86)(22)【出願日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】JP2016063318
【審査請求日】2016年9月27日
(31)【優先権主張番号】特願2015-95077(P2015-95077)
(32)【優先日】2015年5月7日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591116036
【氏名又は名称】アヲハタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】干 野 隆 芳
【審査官】 後藤 大思
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5596244(JP,B1)
【文献】 特許第3446117(JP,B2)
【文献】 特開2014−55928(JP,A)
【文献】 干野隆芳, 川井清司, 羽倉義雄,高粘度ニュートン流体の連続粘度測定を目的としたショートバックエクストルージョン法の提案,日本食品科学工学会誌,日本,2013年 2月15日,Vol.60, No.2,Page.100-109
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 11/00−11/16
JSTPlus(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を測定する方法であって、
(A)内周半径Rを有する円筒状容器に入れられた試料に、前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有するプランジャを前記円筒状容器と同軸状に初期深さLだけ浸漬させて静止させる工程と、
(B)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(C)前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求める工程と、
(D)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(E)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(F)前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求める工程と、
(G)第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求める工程と、
(H)第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出する工程と、
を備えたことを特徴とする粘度測定方法。
【数1】
【請求項2】
第1相対移動距離ΔL及び第2相対移動距離ΔLは、前記初期深さLより小さいことを特徴とする請求項1に記載の粘度測定方法。
【請求項3】
前記流動性指数nを求める工程では、前記第1相対移動速度vp1または前記第2相対移動速度vp2において、前記プランジャが前記試料から受ける力の収束値FTeが、前記プランジャが前記試料から受ける浮力Fより大きいか否かを判断し、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、前記流動性指数nを求める処理を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の粘度測定方法。
【請求項4】
第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、上式(2)〜(5)及び下式(6)である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の粘度測定方法。
【数2】
【請求項5】
前記流動性指数nを求める工程は、
仮の流動性指数nを決定する工程と、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元座標λを求める工程と、
前記仮の流動性指数nと、前記第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元流速Φを求める工程と、
前記仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元座標λを求める工程と、
前記仮の流動性指数nと、前記第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元流速Φを求める工程と、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求める工程と、
求めた流動性指数nを前記仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが前記仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定する工程からやり直す、という工程と、
を含む
ことを特徴とする請求項4に記載の粘度測定方法。
【請求項6】
非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を測定する方法であって、
(A)内周半径Rを有する円筒状容器に入れられた試料に、前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有するプランジャを前記円筒状容器と同軸状に初期深さLだけ浸漬させて静止させる工程と、
(B)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(C)前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求める工程と、
(D)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(E)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で前記相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(F)前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求める工程と、
(G)第1相対移動速度vp1における第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記相対移動距離ΔLと、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求める工程と、
(H)第1相対移動速度vp1をv、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、F、FTeと、前記相対移動距離ΔLと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出する工程と、を備えたことを特徴とする粘度測定方法。
【数3】
【請求項7】
非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を測定する方法であって、
(A)内周半径Rを有する円筒状容器に入れられた試料に、前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有するプランジャを前記円筒状容器と同軸状に初期深さLだけ浸漬させて静止させる工程と、
(B)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(C)前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求める工程と、
(D)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(E)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(F)前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求める工程と、
(G)第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求める工程と、
(H)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(I)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第3相対移動速度vp3で第3相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(J)前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第3ピーク値FT3および第3収束値FTe3を求める工程と、
(K)第3相対移動速度vp3をv、第3相対移動距離ΔLをΔL、第3ピーク値FT3をF、第3収束値FTe3をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出する工程と、
を備えたことを特徴とする粘度測定方法。
【数4】
【請求項8】
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている
ことを特徴とする粘度測定装置。
【数5】
【請求項9】
第1相対移動距離ΔL及び第2相対移動距離ΔLは、前記初期深さLより小さいことを特徴とする請求項8に記載の粘度測定装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記流動性指数nを求める前に、前記第1相対移動速度vp1または前記第2相対移動速度vp2において、前記プランジャが前記試料から受ける力の収束値FTeが、前記プランジャが前記試料から受ける浮力Fより大きいか否かを判断し、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、前記流動性指数nを求める処理を行うようになっている
ことを特徴とする請求項8または9に記載の粘度測定装置。
【請求項11】
第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、上式(2)〜(5)及び下式(6)である
ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の粘度測定装置。
【数6】
【請求項12】
前記制御部は、前記流動性指数nを求める際に、
仮の流動性指数nを決定し、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元流速Φを求め、
前記仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元流速Φを求め、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求め、
求めた流動性指数nを前記仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが前記仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定するところからやり直す、ようになっている
ことを特徴とする請求項11に記載の粘度測定装置。
【請求項13】
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で前記相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1における第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記相対移動距離ΔLと、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1をv、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、F、FTeと、前記相対移動距離ΔLと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている
ことを特徴とする粘度測定装置。
【数7】
【請求項14】
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第3相対移動速度vp3で第3相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第3ピーク値FT3および第3収束値FTe3を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第3相対移動速度vp3をv、第3相対移動距離ΔLをΔL、第3ピーク値FT3をF、第3収束値FTe3をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている
ことを特徴とする粘度測定装置。
【数8】
【請求項15】
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
を備えた粘度測定装置を制御するための制御装置であって、
前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている
ことを特徴とする制御装置。
【数9】
【請求項16】
第1相対移動距離ΔL及び第2相対移動距離ΔLは、前記初期深さLより小さいことを特徴とする請求項15のいずれかに記載の制御装置。
【請求項17】
前記流動性指数nを求める前に、前記第1相対移動速度vp1または前記第2相対移動速度vp2において、前記プランジャが前記試料から受ける力の収束値FTeが、前記プランジャが前記試料から受ける浮力Fより大きいか否かを判断し、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、前記流動性指数nを求める処理を行うようになっている
ことを特徴とする請求項15または16に記載の制御装置。
【請求項18】
第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、上式(2)〜(5)及び下式(6)である
ことを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の制御装置。
【数10】
【請求項19】
前記流動性指数nを求める際に、
仮の流動性指数nを決定し、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元流速Φを求め、
前記仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元流速Φを求め、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求め、
求めた流動性指数nを前記仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが前記仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定するところからやり直す、ようになっている
ことを特徴とする請求項18に記載の制御装置。
【請求項20】
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
を備えた粘度測定装置を制御するための制御装置であって、
前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で前記相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1における第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記相対移動距離ΔLと、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1をv、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、F、FTeと、前記相対移動距離ΔLと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている
ことを特徴とする制御装置。
【数11】
【請求項21】
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
を備えた粘度測定装置を制御するための制御装置であって、
前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第3相対移動速度vp3で第3相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第3ピーク値FT3および第3収束値FTe3を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第3相対移動速度vp3をv、第3相対移動距離ΔLをΔL、第3ピーク値FT3をF、第3収束値FTe3をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている
ことを特徴とする制御装置。
【数12】
【請求項22】
少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュータシステムに請求項15〜21のいずれかに記載の制御装置を実現させるプログラム。
【請求項23】
少なくとも1台のコンピュータを含むコンピュータシステム上で動作する第2のプログラムを制御する命令が含まれており、
前記コンピュータシステムによって実行されて、前記第2のプログラムを制御して、前記コンピュータシステムに請求項15〜21のいずれかに記載の制御装置を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘度測定方法及び粘度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の物性は、加工、物流、消費に伴う過程において品質の制御を行うための重要な特性値である。特に、粘度を簡単に測定することができれば、調理や充填などの加工適性だけでなく、食感や使いやすさなどを把握することもでき、他の食品との比較も容易となる。
【0003】
粘度測定装置には様々なタイプのものがあり、回転型と並進型に大別される。
【0004】
回転型粘度測定装置は、低価格で簡易な測定が可能であるという特徴を有し、低粘度で均一な試料の測定に適している。しかしながら、高粘度でゲル化したような試料では、測定値が安定するまでの間に加えられる「ずり変形」や振動によって試料の内部構造が変化してしまって、本来の粘度より低く測定されてしまうという問題がある。
【0005】
一方、並進型粘度測定装置は、回転駆動部がなく装置構造が簡易であるという特徴を有する。並進型粘度測定装置には、平行平板型と共軸二重円筒型とがある。非特許文献1〜4には、共軸二重円筒型の粘度測定装置を使用した粘度測定方法が開示されている。
【0006】
非特許文献1〜3に開示された方法(バックエクストルージョン(BE)法と呼ばれることがある)は代表的な並進型粘度測定法であって、円筒状容器に入れられた試料に円柱状のプランジャを試料の外側から押し込み、容器とプランジャとの間の空隙の環状部において試料を上方に向かって流動させ、プランジャに加わる応力の時間曲線から粘度を求める方法である。この方法は、ニュートン流体からハーシェルバルクレイ流体まで解析可能であるが、環状部において定常な流動を得るために試料に加える変形程度を大きくする必要があり、測定のために与えられる変形によって試料の構造が破壊されてしまうため、同一試料を連続的に測定することができない。また、試料が高粘度になると、測定後に容器やプランジャに付着した試料を丁寧に除去する必要があり、作業が煩雑になるとともに時間がかかる。また、測定の正確度もやや劣るため、一般には普及していない。
【0007】
一方、本件発明者らによる非特許文献4に開示された方法(ショートバックエクストルージョン(SBE)法と呼ばれることがある)は、円筒状容器に入れられた試料に、円柱状のプランジャを予め所定の深さだけ浸漬させておき、その位置から僅かな距離だけプランジャを更に押し込み、環状部において定常流動を起こし、プランジャに加わる応力の時間曲線から粘度を測定する方法である。この方法では、BE法とは異なり、プランジャと容器との間の環状部がプランジャを押し込む前から試料で満たされているため、プランジャの移動距離が短くても定常流動を起こすことができる。そのため、プランジャ及び容器への試料の付着量が少なく、連続測定が可能となる。
【0008】
本件発明者は、SBE法によるニュートン流体および指数則流体の解析方法を既に提案している(特許文献1及び2参照)。この方法によれば、BE法に比べて正確度の高い粘度測定が可能である。しかしながら、SBE法によるハーシェルバルクレイ流体の解析方法は知られていない。
【0009】
ところで、非ニュートン流体とは、粘度が「ずり速度」に依存する流体であり、非ニュートン流体の粘度は、「ずり応力」を「ずり速度」で除した見かけ粘度で表される。また、指数則流体とは、流動を開始させるのに必要なずり応力の最小値(降伏値という)がゼロである非ニュートン流体であり、ハーシェルバルクレイ流体とは、降伏値がゼロより大きい非ニュートン流体である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2014−055928号公報
【特許文献2】特許第5596244号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Morgan, R.G., Suter, D.A., Sweat, V.E., Mathematical analysis of a simple back-extrusion rheometer. American society of agricultural engineers, 79, 6001, (1979)
【非特許文献2】Osorio, F.A., Steffe, J.F., Back extrusion of power law fluids. J. Texture Stud., 18, 43-63 (1987)
【非特許文献3】Osorio, F.A., Steffe, J.F., Evaluating Herschel-Bulkley fluids with the back extrusion (annular pumping) technique. Rheologica Acta, 30, 549-558 (1991)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を精度よく測定できる粘度測定方法及び粘度測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明による粘度測定方法は、
非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を測定する方法であって、
(A)内周半径Rを有する円筒状容器に入れられた試料に、前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有するプランジャを前記円筒状容器と同軸状に初期深さLだけ浸漬させて静止させる工程と、
(B)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(C)前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求める工程と、
(D)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(E)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(F)前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求める工程と、
(G)第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求める工程と、
(H)第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出する工程と、
を備える。
【数1】
【0014】
本発明による粘度測定方法において、第1相対移動距離ΔL及び第2相対移動距離ΔLは、前記初期深さLより小さくてもよい。
【0015】
本発明による粘度測定方法において、前記流動性指数nを求める工程では、前記流動性指数nを求める前に、前記第1相対移動速度vp1または前記第2相対移動速度vp2において、前記プランジャが前記試料から受ける力の収束値FTeが、前記プランジャが前記試料から受ける浮力Fより大きいか否かを判断し、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、前記流動性指数nを求める処理を行ってもよい。
【0016】
本発明による粘度測定方法において、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、上式(2)〜(5)及び下式(6)であってもよい。
【数2】
【0017】
本発明による粘度測定方法において、前記流動性指数nを求める工程は、
仮の流動性指数nを決定する工程と、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元座標λを求める工程と、
前記仮の流動性指数nと、前記第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元流速Φを求める工程と、
前記仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元座標λを求める工程と、
前記仮の流動性指数nと、前記第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元流速Φを求める工程と、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求める工程と、
求めた流動性指数nを前記仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが前記仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定する工程からやり直す、という工程と、
を含んでもよい。
【0018】
本発明による粘度測定方法は、
非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を測定する方法であって、
(A)内周半径Rを有する円筒状容器に入れられた試料に、前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有するプランジャを前記円筒状容器と同軸状に初期深さLだけ浸漬させて静止させる工程と、
(B)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(C)前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求める工程と、
(D)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(E)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で前記相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(F)前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求める工程と、
(G)第1相対移動速度vp1における第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記相対移動距離ΔLと、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求める工程と、
(H)第1相対移動速度vp1をv、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、F、FTeと、前記相対移動距離ΔLと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出する工程と、を備える。
【数3】
【0019】
また本発明による粘度測定方法は、
非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を測定する方法であって、
(A)内周半径Rを有する円筒状容器に入れられた試料に、前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有するプランジャを前記円筒状容器と同軸状に初期深さLだけ浸漬させて静止させる工程と、
(B)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(C)前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求める工程と、
(D)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(E)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(F)前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求める工程と、
(G)第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求める工程と、
(H)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させる工程と、
(I)前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第3相対移動速度vp3で第3相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、
(J)前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第3ピーク値FT3および第3収束値FTe3を求める工程と、
(K)第3相対移動速度vp3をv、第3相対移動距離ΔLをΔL、第3ピーク値FT3をF、第3収束値FTe3をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出する工程と、
を備える。
【数4】
【0020】
本発明による粘度測定装置は、
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数5】
【0021】
本発明による粘度測定装置において、第1相対移動距離ΔL及び第2相対移動距離ΔLは、前記初期深さLより小さくてもよい。
【0022】
本発明による粘度測定装置において、前記制御部は、前記流動性指数nを求める前に、前記第1相対移動速度vp1または前記第2相対移動速度vp2において、前記プランジャが前記試料から受ける力の収束値FTeが、前記プランジャが前記試料から受ける浮力Fより大きいか否かを判断し、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、前記流動性指数nを求める処理を行うようになっていてもよい。
【0023】
本発明による粘度測定装置において、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、上式(2)〜(5)及び下式(6)であってもよい。
【数6】
【0024】
本発明による粘度測定装置において、
前記制御部は、前記流動性指数nを求める際に、
仮の流動性指数nを決定し、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元流速Φを求め、
前記仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元流速Φを求め、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求め、
求めた流動性指数nを前記仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが前記仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定するところからやり直す、ようになっていてもよい。
【0025】
本発明による粘度測定装置は、
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で前記相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1における第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記相対移動距離ΔLと、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1をv、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、F、FTeと、前記相対移動距離ΔLと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数7】
【0026】
また本発明による粘度測定装置は、
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
前記駆動部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御部は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第3相対移動速度vp3で第3相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御部は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第3ピーク値FT3および第3収束値FTe3を求めるようになっており、
更に前記制御部は、第3相対移動速度vp3をv、第3相対移動距離ΔLをΔL、第3ピーク値FT3をF、第3収束値FTe3をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数8】
【0027】
本発明による制御装置は、
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
を備えた粘度測定装置を制御するための制御装置であって、
前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数9】
【0028】
本発明による制御装置において、第1相対移動距離ΔL及び第2相対移動距離ΔLは、前記初期深さLより小さくてもよい。
【0029】
本発明による制御装置において、前記流動性指数nを求める前に、前記第1相対移動速度vp1または前記第2相対移動速度vp2において、前記プランジャが前記試料から受ける力の収束値FTeが、前記プランジャが前記試料から受ける浮力Fより大きいか否かを判断し、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、前記流動性指数nを求める処理を行うようになっていてもよい。
【0030】
本発明による制御装置において、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、上式(2)〜(5)及び下式(6)であってもよい。
【数10】
【0031】
本発明による制御装置において、前記流動性指数nを求める際に、
仮の流動性指数nを決定し、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第1無次元流速Φを求め、
前記仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元座標λを求め、
前記仮の流動性指数nと、前記第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、前記第2無次元流速Φを求め、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求め、
求めた流動性指数nを前記仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが前記仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定するところからやり直す、ようになっていてもよい。
【0032】
本発明による制御装置は、
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
を備えた粘度測定装置を制御するための制御装置であって、
前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で前記相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1における第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記相対移動距離ΔLと、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1をv、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、前記v、F、FTeと、前記相対移動距離ΔLと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数11】
【0033】
また本発明による制御装置は、
所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器と、
前記円筒状容器より小径の外周半径Rを有し、前記円筒状容器の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャと、
前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に相対移動させる駆動部と、
前記プランジャに設けられ、前記プランジャが前記試料から受ける力を測定する測定部と、
を備えた粘度測定装置を制御するための制御装置であって、
前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記円筒状容器に入れられた試料に前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第1ピーク値FT1および第1収束値FTe1を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第2ピーク値FT2および第2収束値FTe2を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κ=R/Rと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、前記流動性指数nを求めるようになっており、
更に前記制御装置は、前記駆動部を制御して、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、前記プランジャを前記円筒状容器と同軸状に第3相対移動速度vp3で第3相対移動距離ΔLだけ前記試料に更に浸漬させるようになっており、
前記測定部は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後に前記プランジャが前記試料から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっており、
前記制御装置は、前記プランジャの第3相対移動速度vp3に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、前記プランジャが前記試料から受ける力の第3ピーク値FT3および第3収束値FTe3を求めるようになっており、
更に前記制御装置は、第3相対移動速度vp3をv、第3相対移動距離ΔLをΔL、第3ピーク値FT3をF、第3収束値FTe3をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数12】
【0034】
前記制御装置あるいは当該制御装置の各要素手段は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0035】
また、コンピュータシステムにそれらを実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0036】
ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、非ニュートン流体の試料の見かけ粘度を精度よく測定できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の一実施の形態による粘度測定装置の概略図である。
図2図1の粘度測定装置の構造を説明するための模式図である。
図3】SBE法における粘度測定装置の動作を説明するための図である。
図4】本発明の一実施の形態により作成される力−時間曲線の一例を示すグラフである。
図5】本発明の一実施の形態による粘度測定方法を説明するためのフローチャートである。
図6】ひずみ制御型レオメータを用いて測定された応力成長曲線を示すグラフである。
図7】応力制御型レオメータを用いて測定された応力とひずみとの関係を示すグラフである。
図8】ひずみ制御型レオメータで測定された応力成長最大値に基づくマヨネーズの流動曲線を示すグラフである。
図9】ひずみ制御型レオメータで測定された応力成長最大値に基づくLMペクチン溶液の流動曲線を示すグラフである。
図10】本発明の一実施の形態による測定例において、試料の流動性指数nを求めるために作成されたグラフである。
図11】本発明の一実施の形態による測定例において、試料としてマヨネーズが用いられた時の測定結果を示すグラフである。
図12】BE法における粘度測定装置の動作を説明するための図である。
図13】BE法による比較測定例において、試料としてマヨネーズが用いられた時の測定結果を示すグラフである。
図14】本発明の一実施の形態による粘度測定方法の測定理論を説明するために用いられる図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明の一実施の形態の粘度測定装置の概略図であり、図2は、当該粘度測定装置の機能を説明するための模式図である。
【0041】
図1及び図2に示すように、本実施の形態の粘度測定装置10は、所定の内周半径Rを有し、試料が入れられる円筒状容器11と、円筒状容器11より小径の外周半径Rを有し、円筒状容器11の内部に同軸状に相対移動可能に配置されるプランジャ12と、プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に相対移動させる駆動部13と、プランジャ12に設けられ、プランジャ12が試料から受ける力を測定する測定部14と、駆動部13を制御する制御部(制御装置)15と、を備えている。
【0042】
本実施の形態の駆動部13は、表面に円筒状容器11が載置される台座13aと、台座13aを支持する支持部材13bと、支持部材13bを鉛直方向に直線移動させるボールネジ(不図示)と、ボールネジに接続されたモータ(不図示)と、を有している。
【0043】
ボールネジとモータとは、粘度測定装置10の筐体16の内部に配置されており、図示を省略されている。ボールネジのネジ軸は筐体16の内部に鉛直に立設されている。
【0044】
筐体16の正面には鉛直方向に延ばされたスリット18が設けられている。支持部材13bは水平方向に延びる細長形状であり、当該支持部材13bの一端側がスリット18を貫通してボールネジのナット部分に固定されている。
【0045】
台座13aは、表面を鉛直上向きに向けられた状態で、支持部材13bの他端側に固定されている。そして、台座13aの表面には、円筒状容器11が中心軸線を鉛直方向と平行に向けられて載置されている。
【0046】
モータ(不図示)は、ボールネジ(不図示)に回転動力を伝達するようになっている。ボールネジに伝達された回転動力は、鉛直方向の直線動力に変換され、これにより、支持部材13bは台座13a及び台座13a上の円筒状容器11と一緒に鉛直方向に直線移動するようになっている。
【0047】
本実施の形態の測定部14は、荷重センサ(ロードセル)であり、台座13aの鉛直上方に配置され、筐体16に固定されて支持されている。測定部14の測定面は、鉛直下向きに向けられている。
【0048】
測定部14の測定面にはプランジャ取付部17が固定されており、プランジャ12は、プランジャ取付部17に取り付けられている。これにより、プランジャ12が受ける鉛直上向きの力が、プランジャ取付部17を介して測定部14へと伝達されるようになっている。測定部14は、当該力の大きさを、時間の経過に応じて計測するようになっている。
【0049】
円筒状容器11は、プランジャ12と同軸状に配置されており、プランジャ12の外周半径Rは円筒状容器11の内周半径Rより小径である。これにより、駆動部13によって円筒状容器11が鉛直上向きに直線移動される際に、プランジャ12は相対的に円筒状容器11の内部に上方から非接触で同軸状に挿入されるようになっている。
【0050】
本実施の形態の制御部15は、測定部14に接続されており、測定部14によって測定された力の測定値を読み出して、記憶部に記憶するように構成されている。制御部15は、制御プログラム等を記憶した記憶部を含むコンピュータシステムによって構成されている。
【0051】
また、制御部15は、駆動部13に接続されており、駆動部13の動作を制御するように構成されている。具体的には、制御部15は、駆動部13のモータに接続されて、当該モータに供給される電流の向き及び大きさを制御するように構成されており、これにより、モータの回転方向及び回転量が制御され、その結果、台座13a上の円筒状容器11が、所望の速度で鉛直方向に直線移動されると共に、鉛直方向の所望の位置に位置決めされる(停止される)ようになっている。
【0052】
更に、本実施の形態の制御部15は、駆動部13を制御して、円筒状容器11に入れられた試料20にプランジャ12を円筒状容器11と同軸状に所定の初期深さLだけ浸漬させて静止させた後、プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ試料20に更に浸漬させるようになっている。そして、本実施の形態の測定部14は、プランジャ12の第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっている。そして、本実施の形態の制御部15は、プランジャ12の第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1とを求めるようになっている。
【0053】
更に、本実施の形態の制御部15は、駆動部13を制御して、プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に第1相対移動速度vp1とは異なる第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ試料20に更に浸漬させるようになっている。そして、本実施の形態の測定部14は、プランジャ12の第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっている。そして、本実施の形態の制御部15は、プランジャ12の第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2とを求めるようになっている。
【0054】
必ずしも必須では無いが、本実施の形態の制御部15は、駆動部13を制御して、プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に前記初期深さLまで戻して静止させた後、プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に更に異なる第m相対移動速度vpm(m=3、4、5、…)で第m相対移動距離ΔLだけ試料20に更に浸漬させるようになっている。そして、本実施の形態の測定部14は、プランジャ12の第m相対移動速度vpmに基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力を時間の経過に応じて測定するようになっている。そして、本実施の形態の制御部15は、プランジャ12の第m相対移動速度vpmに基づく相対移動に起因する力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第mピーク値FTmと第m収束値FTemとを求めるようになっている。
【0055】
本実施の形態では、第1、第2相対移動距離ΔL、ΔL(及び第m相対移動速度ΔL)は、初期深さLより小さく設定されている。プランジャ12と円筒状容器11との間の環状部はプランジャ12を押し込む前から試料20で満たされているため、プランジャ12の相対移動距離ΔL、ΔLが短くても環状部において定常流動を起こすことが可能である。また、プランジャ12の相対移動距離ΔL、ΔLが短いことで、プランジャ12及び容器11への試料20の付着量が少なくなり、連続測定が可能となる。
【0056】
更に、本実施の形態の制御部15は、第1相対移動速度vp1または第2相対移動速度vp2(または第m相対移動速度vpm)においてプランジャ12が試料20から受ける力の収束値FTeが、プランジャ12が試料20から受ける浮力Fより大きいか否かを判断するようになっている。
【0057】
そして、本実施の形態の制御部15は、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、(第m相対移動速度vpmにおける第m相対移動距離ΔLと第mピーク値FTmと第m収束値FTemと、)プランジャ比κ=R/Rと、試料20の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係に基づいて、流動性指数nを求めるようになっている。
【0058】
更に本実施の形態の制御部15は、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断した場合に、第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、(または、第m相対移動速度vpmをv、第m相対移動距離ΔLをΔL、第mピーク値FTmをF、第m収束値FTemをFTeとする時、)前記v、ΔL、F、FTeと、前記プランジャ比κと、前記流動性指数nと、前記試料の密度ρと、重力加速度gと、下式(1)とに基づいて、前記試料の見かけ粘度μを算出するようになっている。
【数13】
【0059】
なお、流動性指数nを求める処理で用いられる、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、プランジャ比κと、前記試料の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係は、具体的には、例えば、上式(2)〜(5)及び下式(6)である。
【数14】
【0060】
具体的には、例えば、制御部15は、流動性指数nを求める際に、
仮の流動性指数nを決定し、
前記仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第1無次元座標λを求め、
仮の流動性指数nと、第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第1無次元流速Φを求め、
仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第2無次元座標λを求め、
仮の流動性指数nと、第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第2無次元流速Φを求め、
第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、流動性指数nを求め、
求めた流動性指数nを仮の流動性指数nと比較し、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと等しい場合には試料20の見かけ粘度μを算出する処理に進むようになっており、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと異なる場合には仮の流動性指数nを決定するところからやり直すようになっている。
【0061】
なお、本明細書において「等しい」という用語は、厳密な意味に縛られることはなく、測定誤差の範囲内で一致するものを含めて解釈される。
【0062】
ところで、上式(3)〜(5)に基づいて無次元座標を計算により求める際には、例えば、シンプソン法で近似計算することができる数値解析プログラムを使用することができる。一方、上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて無次元座標を求める際には、例えば、Fredrickson, A., Bird, R.B., Non-Newtonian flow in annuli. Industrial & Engineering Chemistry, 50, 347-352 (1958)、または、Hanks, R. W. "The Axial Laminar Flow of Yield-Pseudoplastic Fluids in a Concentric Annulus". Ind. Eng. Chem. Process Des.Dev., 18(3), 488-493. (1979)に記載されたものを利用することができる。また、上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて無次元流速を求める際には、例えば、前述の非特許文献3に記載されたものを利用することができる。
【0063】
なお、本実施の形態の制御部15は、第1相対移動速度vp1または第2相対移動速度vp2(または第m相対移動速度vpm)においてプランジャ12が試料20から受ける力の収束値FTeが、プランジャ12が試料20から受ける浮力Fより大きいか否かを判断する際に、前記収束値FTeが前記浮力Fと等しいと判断した場合には、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と、(第m相対移動速度vpmにおける第m相対移動距離ΔLと第mピーク値FTmと、)下式(8)とに基づいて、試料20の流動性指数nの逆数s(=1/n)を求めるようになっている。
【数15】
【0064】
そして、本実施の形態の制御部15は、求めた流動性指数nが1と等しいか否か、を判断し、流動性指数nが1と等しい場合には、特許文献1(特開2014−055928号公報)に記載の粘度測定方法に基づいて試料20の粘度を算出するようになっており、流動性指数nが1とは異なる場合は、特許文献2(特許第5596244号公報)に記載の粘度測定方法に基づいて試料20の見かけ粘度を算出するようになっている。
【0065】
次に、以上のような本実施の形態の作用について説明する。
【0066】
まず、非ニュートン流体の試料20が入れられた円筒状容器11が、プランジャ12と同軸状に位置合わせされた状態で、台座13aの表面に載置される。
【0067】
(A)そして、制御部15により駆動部13が制御されて、円筒状容器11が鉛直上向きに直線移動され、プランジャ12の下端部が円筒状容器11内の試料20に所定の初期深さLだけ浸漬されて静止される(図3(a)参照)。ここで、測定部14により測定される力の測定値がゼロに初期化される。
【0068】
(B)次いで、制御部15により駆動部13が制御されて、円筒状容器11が鉛直上向きに第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ更に直線移動され、すなわち、プランジャ12は円筒状容器11内の試料20に第1相対移動速度vp1で第1相対移動距離ΔLだけ更に浸漬される(図3(b)参照)。
【0069】
プランジャ12の第1相対移動速度vp1に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける鉛直上向きの力が、測定部14によって時間の経過に応じて測定される(図5のステップS101参照)。測定部14により測定された力の測定値は、制御部15によって読み出されて記憶される。
【0070】
(C)本実施の形態の制御部15では、プランジャ12の第1相対移動速度vp1に基づく相対移動に起因する力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第1ピーク値FT1及び第1収束値FTe1が求められる。具体的には、測定部14の測定値に基づいて図4に示すような力−時間曲線が作成され、当該力−時間曲線の最大値が第1ピーク値FT1とされ、当該力−時間曲線の収束曲線から所定時間(例えば約5〜30分)放置相当の値が計算されて第1収束値FTe1とされる。なお、本件発明者による実験結果によれば、力−時間曲線の最大値(ピーク値)に対応する時間は、前記更なる浸漬動作が停止する瞬間に合致することが多いが、前記更なる浸漬動作が停止する瞬間より前である場合もある。
【0071】
(D)次に、制御部15により駆動部13が制御されて、円筒状容器11が鉛直下向きに直線移動されることにより、プランジャ12が円筒状容器11と同軸状に前記初期深さLまで戻されて静止される。本実施の形態では、プランジャ12の相対移動距離が短いため、容器11及びプランジャ12に付着する試料20は微量である(図3(c)参照)。よって、試料20の液面が落ち着くまでに要する測定間隔を短くすることができる(図3(d)参照)。
【0072】
(E)次いで、制御部15により駆動部13が制御されて、円筒状容器11が鉛直上向きに第1相対移動速度vp1とは異なる第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ更に直線移動され、すなわち、プランジャ12は円筒状容器11内の試料20に第2相対移動速度vp2で第2相対移動距離ΔLだけ更に浸漬される。
【0073】
プランジャ12の第2相対移動速度vp2に基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける鉛直上向きの力が、測定部14によって時間の経過に応じて測定される(図5のステップS101参照)。測定部14により測定された力の測定値は、制御部15によって読み出されて記憶される。
【0074】
(F)本実施の形態の制御部15では、プランジャ12の第2相対移動速度vp2に基づく相対移動に起因する力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第2ピーク値FT2及び第2収束値FTe2が求められる。具体的には、測定部14の測定値に基づいて力−時間曲線が作成され、当該力−時間曲線の最大値が第2ピーク値FT2とされ、当該力−時間曲線の収束曲線から所定時間(例えば約5〜30分)放置相当の値が計算されて第2収束値FTe2とされる。
【0075】
なお、プランジャ12の第1、第2相対移動距離ΔL、ΔLはいずれも、プランジャ12と円筒状容器11との間の環状部において定常流動が得られるだけの値である。本実施の形態では、プランジャ12の相対移動前に環状部に試料20が満たされているため、プランジャ12の第1、第2相対移動距離ΔL、ΔLが短くても、環状部において定常な流動を起こすことができる。これにより、プランジャ12と円筒状容器11への試料20の付着量が少なくなり、測定誤差を増大させずに連続測定を行うことが可能となる。
【0076】
更に、(D)工程、少なくともプランジャ12の相対移動速度が変更された(E)工程、及び、(F)工程が、順次繰り返されることにより、3種類以上の相対移動速度における力のピーク値がそれぞれ求められてもよい。すなわち、制御部15により駆動部13が制御されて、円筒状容器11が鉛直下向きに直線移動されることにより、プランジャ12が円筒状容器11と同軸状に前記初期深さLまで戻されて静止される。次いで、制御部15により駆動部13が制御されて、円筒状容器11が鉛直上向きに更に異なる第m相対移動速度vpm(m=3、4、5、…)で第m相対移動距離ΔLだけ更に直線移動され、すなわち、プランジャ12は円筒状容器11内の試料20に第m相対移動速度vpmで第m相対移動距離ΔLだけ更に浸漬される。プランジャ12の第m相対移動速度vpmに基づく前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける鉛直上向きの力が、測定部14によって時間の経過に応じて測定される(図5のステップS101参照)。測定部14により測定された力の測定値は、制御部15によって読み出されて記憶される。本実施の形態の制御部15では、プランジャ12の第m相対移動速度vpmに基づく相対移動に起因する力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第mピーク値FTm及び第m収束値FTemが求められる。具体的には、測定部14の測定値に基づいて力−時間曲線が作成され、当該力−時間曲線の最大値が第mピーク値FTmとされ、当該力−時間曲線の収束曲線から所定時間(例えば約5〜30分)放置相当の値が計算されて第m収束値FTemとされる。
【0077】
(G)次に、制御部15では、第1相対移動速度vp1または第2相対移動速度vp2(または第m相対移動速度vpm)においてプランジャ12が試料20から受ける力の収束値FTeが、プランジャ12が試料20から受ける浮力Fより大きいか否か、が判断される(図5のステップS102参照)。
【0078】
そして、前記収束値FTeが前記浮力Fより大きいと判断される場合には、制御部15では、試料20が非ニュートン流体のうちハーシェルバルクレイ流体のカテゴリに属すると判定され、ハーシェルバルクレイ流体の解析方法が適用される(図5のステップS103参照)。すなわち、制御部15では、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、(第m相対移動速度vpmにおける第m相対移動距離ΔLと第mピーク値FTmと第m収束値FTemと、)プランジャ比κ=R/Rと、試料20の流動性指数nと、の間に成り立つ所定の関係、すなわち上式(2)〜(5)及び下式(6)に基づいて、流動性指数nが求められる。
【0079】
具体的には、例えば、制御部15では、まず、仮の流動性指数nが決定される。
【0080】
次に、仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、前記プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第1無次元座標λが求められる。
【0081】
続いて、仮の流動性指数nと、求めた第1無次元座標λと、第1無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第1無次元流速Φが求められる。
【0082】
次に、仮の流動性指数nと、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と第2収束値FTe2と、前記プランジャ比κと、第2無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)もしくは上式(3)〜(5)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第2無次元座標λが求められる。
【0083】
続いて、仮の流動性指数nと、求めた第2無次元座標λと、第2無次元流速Φと、の間に成り立つ上式(2)もしくは上式(2)に基づいて作成されたグラフまたは表に基づいて、第2無次元流速Φが求められる。
【0084】
そして、第1相対移動速度vp1における第1無次元座標λと第1無次元流速Φと、第2相対移動速度vp2における第2無次元座標λと第2無次元流速Φと、上式(6)とに基づいて、試料20の流動性指数nが求められる。
【0085】
3種類以上の相対移動速度における力のピーク値及び収束値が既に求められている場合には、例えば、2種類の相対移動速度からなる組(vpi、vpj)毎に、上式(6)を参照し、数式「(vpj/Φ)/(vpi/Φ)」が示す値と数式「(Fcb_j/(L+L2_j)λ)/(Fcb_i/(L+L2_i)λ)」が示す値とがそれぞれ算出され、対数軸上に前者を縦軸の値、後者を横軸の値としてプロットされ、その近似直線の傾きから試料20の流動性指数nの逆数s(=1/n)が求められる。
【0086】
次に、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと比較される。求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと異なる場合には、仮の流動性指数nを決定するところからやり直される。一方、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと等しい場合には、次の(H)工程へと進められる。
【0087】
(H)そして、制御部15では、第1相対移動速度vp1をv、第1相対移動距離ΔLをΔL、第1ピーク値FT1をF、第1収束値FTe1をFTeとする時、または、第2相対移動速度vp2をv、第2相対移動距離ΔLをΔL、第2ピーク値FT2をF、第2収束値FTe2をFTeとする時、(または、第m相対移動速度vpmをv、第m相対移動距離ΔLをΔL、第mピーク値FTmをF、第m収束値FTemをFTeとする時、)前記v、ΔL、F、FTeと、プランジャ比κと、流動性指数nと、試料20の密度ρと、重力加速度gと、上式(1)とに基づいて、試料20の見かけ粘度μが算出される。
【0088】
ところで、前述の(G)行程において、力の収束値FTeが浮力Fと等しいと判断された場合には、制御部15では、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と、第2相対移動速度vp2における第2相対移動距離ΔLと第2ピーク値FT2と、上式(8)とに基づいて、試料20の流動性指数nの逆数s(=1/n)が求められる(図5のステップS104参照)。
【0089】
3種類以上の相対移動速度における力のピーク値が既に求められている場合には、例えば、2種類の相対移動速度からなる組(vpi、vpj)毎に、上式(8)を参照し、数式「vpj/vpi」が示す値と数式「(Fcb2/(L+L2_j))/(Fcb1/(L+L2_i))」が示す値とがそれぞれ算出され、対数軸上に前者を縦軸の値、後者を横軸の値としてプロットされ、その近似直線の傾きから試料20の流動性指数nの逆数s(=1/n)が求められる。
【0090】
そして、求めた流動性指数nが1と等しいか否か、が判断される(図5のステップS105参照)。流動性指数nが1と等しいと判断される場合には、制御部15では、試料20がニュートン流体のカテゴリに属すると判定され、ニュートン流体の解析方法が適用される(図5のステップS106参照)。すなわち、制御部15では、特許文献1(特開2014−055928号公報)に記載の粘度測定方法に基づいて、試料20の粘度が算出される。一方、流動性指数nが1とは異なると判断される場合には、制御部15では、試料20が非ニュートン流体のうち指数則流体のカテゴリに属すると判定され、指数則流体の解析方法が適用される(図5のステップS107参照)。すなわち、制御部15では、特許文献2(特許第5596244号公報)に記載の粘度測定方法に基づいて、試料20の見かけ粘度が算出される。
【0091】
次に、具体的な実施例について説明する。
【0092】
粘度測定装置10の駆動部13と測定部14と制御部15とを包含する装置として、株式会社サン科学製レオメータCR−3000EX−S(試料台速度0.5〜1200mm/min、距離分解能0.01mm、測定荷重±20N、荷重分解能10−4N、最大データ取込間隔2000points/sec)が使用され、円筒状容器11には、恒温水が循環されるステンレス製カップ(内径50.04mm、深さ66.60mm)が使用され、プランジャ12には、κ0.8ステンレス製プランジャ(外径40.00mm、長さ61.6mm、プランジャ比κ=0.8)、κ0.7ステンレス製プランジャ(外径34.98mm、長さ61.6mm、プランジャ比κ=0.7)、κ0.6ステンレス製プランジャ(外径30.01mm、長さ61.6mm、プランジャ比κ=0.6)、または、κ0.5ステンレス製プランジャ(外径24.99mm、長さ61.6mm、プランジャ比κ=0.5)が使用された。
【0093】
ところで、非ニュートン流体の標準粘度を示す物質は市販されていないため、本実施例では、非ニュートン流体の試料20として、マヨネーズと、ローメトキシルペクチン(以下、LMペクチン)4.5%溶液と、が用意された。このマヨネーズとLMペクチン4.5%溶液とは、非ニュートン流体のうちハーシェルバルクレイ流体のカテゴリに属するものである。
【0094】
マヨネーズとしては、市販のキユーピー印マヨネーズ(450g)(キユーピー株式会社製、QPI、賞味期限2015年8月3日)を、市中の店舗にて購入したものが使用された。ハバード型比重瓶を用いて求められたマヨネーズの20℃における密度ρは、942.3kg/mであった。
【0095】
LMペクチン4.5%溶液は、ペクチン LC810(DuPont Nutrition & Health,Grindsted pectin LC810)と、クエン酸一水和物(和光純薬工業株式会社,試薬特級)と、クエン酸三カルシウム(片山化学工業株式会社,試薬特級)と、塩化カルシウム(二水和物)(和光純薬工業株式会社,試薬特級)と、ショ糖(グラニュー糖)(三井製糖株式会社)と、ソルビン酸カリウム(台糖株式会社,食品添加物)と、クロラムフェニコール(和光純薬工業株式会社,試薬)とが、下表1の配合で調整された溶液である。
【表1】
【0096】
具体的には、まず、蒸留水171.192mlにクエン酸一水和物28.000gとクエン酸三カルシウム0.808gとが撹拌溶解され、総量200mlに合わせて密封容器に充填されて緩衝液が作成された。また、蒸留水193.4mlに塩化カルシウム(二水和物)6.600gが撹拌溶解され、総量200mlに合わせて密封容器に充填されて塩化カルシウム液が作成された。そして、蒸留水729.5mlに前記緩衝液30.00ml、前記塩化カルシウム液10.00mlが入れられ、加熱沸騰され、ショ糖(グラニュー糖)90gとLMペクチン40.5gとが混合されたものが徐々に振り入れられながら撹拌溶解され、更にソルビン酸カリウム0.90gとクロラムフェニコール0.090gとが加えられて溶解され、沸騰された。そして、総量900gに合わされたものが密閉容器に充填された後、冷却され、16〜24時間20℃の恒温室に保管されたものが使用された。ハバード型比重瓶を用いて求められたLMペクチン4.5%溶液の20℃における密度は、1067.6kg/mであった。
【0097】
このような非ニュートン流体の試料20の基準となる構成方程式が、コーンプレート型粘度計により測定されたデータから求められた。
【0098】
具体的には、ひずみ制御型レオメータARES G2(TA インストルメンツ社製)が使用され、直径40mm、コーン角度1度の円錐型プランジャを用いて、定常流粘度測定モードで所定のずり速度が与えられ、1分間に1000点の測定が行われ、測定されたずり応力の最大値が基準値として求められた。ここで、ずり応力の最大値が求められるのは、以下の理由による。すなわち、コーンプレート型粘度計による定常流粘度測定では、測定時間を例えば30秒に設定しても、測定毎のばらつきが大きく、安定した定常流状態での粘度測定が困難である。これは、高分子溶融液やマヨネーズなどでは、応力成長の挙動が報告されており、定常流状態に達するには、長い緩和時間を必要とすることが予測され、試料の構造を破壊した状態での測定となるためであると考えられる。一方、本実施の形態のような並進型粘度測定法では、試料の構造を破壊せずに測定することが可能である。よって、本実施の形態の測定により得られる応力時間曲線は、応力成長の挙動の最大値に対応していると考えることができる。
【0099】
図6は、ずり速度が0.5[1/s]の時に測定された、マヨネーズの20℃における応力成長の挙動を示している。なお、ずり速度dγ/dtは、応力成長現象を確認可能な10[1/s]以下である0.5、0.87、1.52、2.64、4.59、8.01[1/s]の6点のいずれかに設定された。各ずり速度において3回の測定が行われた。このような測定により得られた、マヨネーズのずり速度dγ/dtとずり応力σの最大値との関係を図8に示す。また、LMペクチン4.5%溶液のずり速度dγ/dtとずり応力σの最大値との関係を図9に示す。図8及び図9において、応力成長の測定から得られたずり応力σの最大値は、測定毎のばらつきが少なく、ずり速度dγ/dt=0.5〜8.01の範囲で良い相関関係を示していることが確認できる。
【0100】
次に、応力制御型レオメータHaake Pheo Stress 6000(サーモサイエンティフィック社製)が使用され、直径40mm、コーン角度1度の円錐型プランジャを用いて、ステップ定常流粘度測定モードでずり応力σが0から100[Pa]となるように所定のずり速度が試料に与えられ、試料のひずみγの測定が行われ、対数軸上にずり応力σを横軸の値、ひずみγを縦軸の値としてプロットされ、その2本の近似直線の交点の横軸の値から降伏値が求められた。図7は、マヨネーズの20℃におけるずり応力σとひずみγとの関係を示している。この測定が3回行われ、3回の測定の平均値が求められた。
【0101】
そして、以上の測定により得られた降伏値及び各ずり速度におけるずり応力の最大値に基づいて、試料の基準となる構成方程式が求められた。具体的には、例えば、マヨネーズの構成方程式として、下式(9)が求められた。
【数16】
【0102】
また、LMペクチン4.5%溶液の構成方程式として、下式(10)が求められた。
【数17】
【0103】
続いて、本実施の形態による測定例を説明する。
【0104】
(A)まず、円筒状容器11に試料20が入れられ、プランジャ12は液面からの初期深さL=36.54mmとなるように試料20に浸漬されて静止された。以後、円筒状容器11の循環水の温度が調整されることにより、測定中の試料20の実温が20±0.3℃になるように制御された。
【0105】
(B)次いで、駆動部13においてプランジャ12の第1相対移動距離ΔLが9.61mmに設定された状態で、プランジャ12が第1相対移動速度vp1=0.643mm/sで試料20に更に浸漬され、その後、応力が収束するまで5分間放置された。
【0106】
(C)前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力の第1ピーク値FT1及び第1収束値FTe1が求められた。ここで、プランジャ12が高速で動く場合、慣性によって停止距離が延びるため、力−時間曲線が示した第1ピーク値FT1に対応する時間と第1相対移動速度vp1とに基づいて実際の第1相対移動距離ΔLが算出された。
【0107】
本実施の形態による測定例では、この後に、プランジャ12を前記初期深さL=36.54mmまで戻して静止させる工程と、(B)工程、及び、(C)工程、が順次(2回)繰り返されることにより、プランジャ12の第1相対移動速度vp1に対応する第1ピーク値FT1及び第1収束値FTe1が、合計で3回測定された。なお、プランジャ12を前記初期深さL=36.54mmまで戻すと、図3(c)に示すように試料20が容器11及びプランジャ12に付着したが、その量は微量であった。よって、試料20の液面が落ち着くまでの2分間の測定間隔を各回の測定の間に空ける以外は、連続的に測定が行われた。
【0108】
(D)次に、プランジャ12が前記初期深さL=41.6mmまで戻されて静止された。
【0109】
(E)次いで、駆動部13においてプランジャ12の第2相対移動距離ΔLが9.61mmに設定された状態で、プランジャ12が第2相対移動速度vp2=1.058mm/sで試料20に更に浸漬され、その後、応力が収束するまで一定時間(5分間)放置された。
【0110】
(F)前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力の第2ピーク値FT2及び第2収束値FTe2が求められた。ここでも、力−時間曲線が示した第2ピーク値FT2に対応する時間と第2相対移動速度vp2とに基づいて実際の第2相対移動距離ΔLが算出された。
【0111】
本実施の形態による測定例では、この後に、(D)工程ないし(F)工程が順次(2回)繰り返されることにより、プランジャ12の第2相対移動速度vp2に対応する第2ピーク値FT2及び第2収束値FTe2が、合計で3回測定された。ここでも、試料20の液面が落ち着くまでの一定時間(2分間)の測定間隔を各回の測定の間に空ける以外は、連続的に測定が行われた。
【0112】
本実施の形態による測定例では、更に、(D)工程、プランジャ12の相対移動速度が第3相対移動速度vp3=1.740mm/s、第4相対移動速度vp4=2.860mm/s、第5相対移動速度vp5=4.700mm/s、及び、第6相対移動速度vp6=7.727mm/sのいずれかに変更された(E)工程、及び、(F)工程が、2分間の測定間隔で繰り返された。
【0113】
すなわち、プランジャ12が前記初期深さL=36.54mmまで戻されて静止され、駆動部13においてプランジャ12の第3相対移動距離ΔLが9.61mmに設定された状態で、プランジャ12が第3相対移動速度vp3=1.740mm/sで試料20に更に浸漬され、前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力の第3ピーク値FT3及び第3収束値FTe3が求められた。ここでも、力−時間曲線が示した第3ピーク値FT3に対応する時間と第3相対移動速度vp3とに基づいて実際の第3相対移動距離ΔLが算出された。以上の工程が繰り返されることにより、プランジャ12の第3相対移動速度vp3に対応する第3ピーク値FT3及び第3収束値FTe3が、合計で3回測定された。
【0114】
次に、プランジャ12が前記初期深さL=36.54mmまで戻されて静止され、駆動部13においてプランジャ12の第4相対移動距離ΔLが9.61mmに設定された状態で、プランジャ12が第4相対移動速度vp4=2.860mm/sで試料20に更に浸漬され、前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力の第4ピーク値FT4及び第4収束値FTe4が求められた。ここでも、力−時間曲線が示した第4ピーク値FT4に対応する時間と第4相対移動速度vp4とに基づいて実際の第4相対移動距離ΔLが算出された。以上の工程が繰り返されることにより、プランジャ12の第4相対移動速度vp4に対応する第4ピーク値FT4及び第4収束値FTe4が、合計で3回測定された。
【0115】
次に、プランジャ12が前記初期深さL=36.54mmまで戻されて静止され、駆動部13においてプランジャ12の第5相対移動距離ΔLが9.61mmに設定された状態で、プランジャ12が第5相対移動速度vp5=4.700mm/sで試料20に更に浸漬され、前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力の第5ピーク値FT5及び第5収束値FTe5が求められた。ここでも、力−時間曲線が示した第5ピーク値FT5に対応する時間と第5相対移動速度vp5とに基づいて実際の第5相対移動距離ΔLが算出された。以上の工程が繰り返されることにより、プランジャ12の第5相対移動速度vp5に対応する第5ピーク値FT5及び第5収束値FTe5が、合計で3回測定された。
【0116】
次に、プランジャ12が前記初期深さL=36.54mmまで戻されて静止され、駆動部13においてプランジャ12の第6相対移動距離ΔLが9.61mmに設定された状態で、プランジャ12が第6相対移動速度vp6=7.727mm/sで試料20に更に浸漬され、前記更なる浸漬動作中及び前記更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力の第6ピーク値FT6及び第6収束値FTe6が求められた。ここでも、力−時間曲線が示した第6ピーク値FT6に対応する時間と第6相対移動速度vp6とに基づいて実際の第6相対移動距離ΔLが算出された。以上の工程が繰り返されることにより、プランジャ12の第6相対移動速度vp6に対応する第6ピーク値FT6及び第6収束値FTe6が、合計で3回測定された。
【0117】
以上により、全部で6種類の相対移動速度vp1〜vp6に対応する力のピーク値FT1〜FT6が、各々3回ずつ求められた。一例として、試料20としてマヨネーズが使用され、プランジャ12としてκ0.6ステンレス製プランジャが使用されたときに求められた力のピーク値F及び収束値FTeの相対移動速度vp1〜vp8毎の平均値を下表2にまとめて示す。
【表2】
【0118】
(G)次いで、各相対移動速度vp1〜vp6においてプランジャ12が試料20から受ける力の収束値FTe1〜FTe6が、プランジャ12が試料20から受ける浮力Fより大きいことを確認した後、各相対移動速度vp1〜vp6における相対移動距離ΔL〜ΔLと力のピーク値FT1〜FT6と力の収束値FTe1〜FTe6と、プランジャ比κ=R/Rと、試料20の流動性指数nと、の間に成り立つ上式(2)〜(5)及び下式(6)に基づいて、試料20の流動性指数nが求められた。
【0119】
具体的には、まず、仮の流動性指数nが、例えば0.3725に設定された。
【0120】
次に、仮の流動性指数nと、第1相対移動速度vp1における第1相対移動距離ΔLと第1ピーク値FT1と第1収束値FTe1と、プランジャ比κと、第1無次元座標λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)を満たすような第1無次元座標λが、シンプソン法で近似計算することができる数値解析プログラム(富士通株式会社製)を使用して計算により求められた。次に、この第1無次元座標λと、仮の流動性指数nと、上式(2)とに基づいて、第1無次元流速Φが計算により求められた。
【0121】
同様にして、仮の流動性指数nと、各相対移動速度vp2〜vp6における相対移動距離ΔL〜ΔLと力のピーク値FT2〜FT6と力の収束値FTe2〜FTe6と、プランジャ比κと、無次元座標λ〜λと、の間に成り立つ上式(3)〜(5)を満たすような第2無次元座標λ〜λが、前述の数値解析プログラム(富士通株式会社製)を使用して計算により求められた。次に、各相対移動速度vp2〜vp6における無次元座標λ〜λと、仮の流動性指数nと、上式(2)とに基づいて、各相対移動速度vp2〜vp6における無次元流速Φ〜Φが計算により求められた。
【0122】
仮の流動性指数nと、各相対移動速度vp1〜vp6において求められた無次元座標λ及び無次元流速Φとが、前述の表(2)にまとめて示されている。
【0123】
そして、各相対移動速度vp1〜vp6における無次元座標λ〜λと無次元流速Φ〜Φと、上式(6)とに基づいて、試料20の流動性指数nが求められた。具体的には、2種類の相対移動速度からなる組(vpi、vpj)毎に、上式(6)を参照し、数式「(vpj/Φ)/(vpi/Φ)」が示す値と数式「(Fcb_j/(L+L2_j)λ)/(Fcb_i/(L+L2_i)λ)」が示す値とがそれぞれ算出され、図10に示すように、対数軸上に前者を縦軸の値、後者を横軸の値としてプロットされ、その近似直線の傾きから試料20の流動性指数nの逆数s(=1/n)が求められた。ここでは、図10に基づいて、s=2.6877(n=0.3721)と求められた。
【0124】
そして、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと比較され、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと異なる場合には、求めた流動性指数nが仮の流動性指数nと等しくなるまで、流動性指数nを求める計算が繰り返された。
【0125】
(H)次に、6種類の相対移動速度vp1〜vp6の各々において、相対移動速度vpと、相対移動距離ΔLと、力のピーク値Fと、力の収束値FTeと、プランジャ比κと、流動性指数nと、試料20の密度ρと、重力加速度gと、上式(1)とに基づいて、試料20のずり速度dγ/dt、ずり応力σ及び見かけ粘度μがそれぞれ算出された。
【0126】
一例として、試料20としてマヨネーズが使用され、プランジャ12としてκ0.6ステンレス製プランジャが使用されたときの測定結果を、図11に示す。図11では、丸印(○)は、本実施の形態による測定例の実際の測定値を示し、実線は、上式(9)に示された、コーンプレート型粘度計で測定された応力成長最大値に基づくマヨネーズの流動曲線(基準線)を示す。
【0127】
本実施の形態による測定例を評価するために、各ずり速度dγ/dtにおけるずり応力の実際の測定値σをσwi、当該ずり速度dγ/dtにおける基準線上の値をσw0とした場合に、下式(11)で示される二乗平均平方根誤差(Root Mean Square Error)(以下、RMSE)が計算された。
【数18】
【0128】
プランジャ比κ毎の非ニュートン流体の各試料20におけるRMSEを下表3にまとめて示す。
【表3】
【0129】
次に、バックエクストルージョン(BE)法による比較測定例を説明する。
【0130】
(a)まず、円筒状容器11に試料20が入れられ、プランジャ12は液面より上方の初期位置に位置決めされた(図12(a)参照)。以後、円筒状容器11の循環水の温度が調整されることにより、測定中の試料20の実温が20±0.3℃になるように制御された。
【0131】
(b)次いで、プランジャ12の相対移動距離ΔLが33.00mmに設定された状態で、プランジャ12が第1相対移動速度vp1=0.643mm/sで試料20に浸漬され、その後、応力が収束するまで5分間放置された(図12(b)参照)。
【0132】
(c)前記浸漬動作中及び前記浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力が測定され、測定結果に基づいて力−時間曲線が作成され、プランジャ12が試料20から受ける力のピーク値F及び収束値FTeが求められた。ここで、プランジャ12が高速で動く場合、慣性によって停止距離が延びるため、力−時間曲線が示したピーク値Fに対応する時間と相対移動速度vとに基づいて実際の相対移動距離ΔLが算出された。
【0133】
(d)次いで、プランジャ12が液面より上方に引き上げられ、元の初期位置に位置決めされた。この時、図12(c)に示すように試料20が容器11の壁面及びプランジャ12の壁面に付着しているため、付着した試料20を容器11及びプランジャ12から丁寧に取り除くとともに、容器11に新たな試料20を追加して、液面を元の高さ位置に戻した(図12(d)参照)。
【0134】
この比較測定例では、この後に、(b)工程、(c)工程、及び、(d)工程が順次(2回)繰り返されることにより、プランジャ12の第1相対移動速度vp1に対応する力のピーク値F及び収束値FTeが、合計で3回測定された。
【0135】
(e)プランジャ12の相対移動速度が変更された(b)工程ないし(d)工程が順次繰り返されることにより、合計で6種類の相対移動速度における試料20の力のピーク値F及び収束値FTeが、各々3回ずつ測定された。一例として、試料20としてマヨネーズが使用され、プランジャ12としてκ0.6ステンレス製プランジャが使用されたときに求められた力のピーク値F及び収束値FTeの相対移動速度vp1〜vp8毎の平均値を下表4にまとめて示す。
【表4】
【0136】
次に、前述の非特許文献3に記載された、BE法によるハーシェルバルク流体の解析方法に従って、6種類の相対移動速度vp1〜vp6の各々において、試料20のずり速度dγ/dt及びずり応力σがそれぞれ算出された。
【0137】
一例として、試料20としてマヨネーズが使用され、プランジャ12としてκ0.6ステンレス製プランジャが使用されたときの測定結果を、図13に示す。図13では、丸印(○)は、比較測定例の実際の測定値を示し、実線は、上式(9)に示された、コーンプレート型粘度計で測定された応力成長最大値に基づくマヨネーズの流動曲線(基準線)を示す。
【0138】
比較測定例を評価するために、各ずり速度dγ/dtにずり応力の実際の測定値σwiと、当該ずり速度dγ/dtにおける基準線上の値をσw0とに基づいて、上式(11)に示されるRMSEが計算された。プランジャ比κ毎の非ニュートン流体の各試料20におけるRMSEを下表5にまとめて示す。
【表5】
【0139】
以上の本件発明者による実際の検証によれば、比較測定例では、いずれのプランジャ比κにおいてもRMSEが大きく、すなわち、ハーシェルバルクレイ流体の流動特性を正確に測定することができなかった。一方、本実施の形態による測定例では、4種類のプランジャ比(κ=0.8、0.7、0.6、0.5)のどれが選択された場合であっても、比較測定例と比較すると誤差が小さく、すなわち、ハーシェルバルクレイ流体の流動特性を正確に測定することができた。特に、プランジャ比κが0.5〜0.7の範囲ではRMSEが0.1以下という非常に良い精度で測定することができた。
【0140】
すなわち、以上のような本実施の形態によれば、ハーシェルバルクレイ流体の見かけ粘度の測定精度を、バックエクストルージョン(BE)法に比べて、顕著に向上させることができる。
【0141】
なお、好ましくは、第1、第2相対移動距離ΔL、ΔL(及び第m相対移動速度ΔL)は、初期深さLより小さい。このような態様によれば、試料20の変形量が小さいため、容器11やプランジャ12に付着した試料20を取り除くことなく、測定を複数回繰り返し行うことができる。そのため、BE法に比べて、測定時間を大幅に短縮することができる。
【0142】
なお、本実施の形態では、(B)工程と(E)工程においてプランジャ12が互いに異なる第1、第2相対移動距離ΔL、ΔLだけ更に浸漬されたが、これに限定されず、(B)工程と(E)工程においてプランジャ12が同一の相対移動距離ΔLだけ更に浸漬されてもよい。
【0143】
また、本実施の形態では、試料20の流動性指数nの計算に用いられた第1ピーク値FT1及び第1収束値FTe1または第2ピーク値FT2及び第2収束値FTe2に基づいて当該試料20の見かけ粘度μが求められたが、これに限定されず、試料20の流動性指数nの計算に用いられていない第7ピーク値FT7及び第7収束値FTe7(特許請求の範囲の請求項7、14及び21における第3ピーク値FT3及び第3収束値FTe3に対応する)に基づいて当該試料20の見かけ粘度μが求められてもよい。すなわち、(G)工程の後、(H)プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に初期深さLまで戻して静止させる工程と、(I)プランジャ12を円筒状容器11と同軸状に第7相対移動速度vp7で第7相対移動距離ΔLだけ試料20に更に浸漬させ、当該更なる浸漬動作中及び当該更なる浸漬動作後にプランジャ12が試料20から受ける力を時間の経過に応じて測定する工程と、(J)プランジャ12の第7相対移動速度vp7に基づく相対移動に起因する前記力の測定値に基づいて、プランジャ12が試料20から受ける力の第7ピーク値FT7及び第7収束値FTe7を求める工程と、(K)第7相対移動速度vp7をv、第7相対移動距離ΔLをΔL、第7ピーク値FT7をF、第7収束値FTe7をFTeとする時、前記v、ΔL、F、FTeと、プランジャ比κと、流動性指数nと、試料20の密度ρと、重力加速度gと、上式(1)とに基づいて、試料20の見かけ粘度μを算出する工程と、が行われてもよい。
【0144】
なお、前述のように、制御部15はコンピュータシステムによって構成され得るが、コンピュータシステムに制御部15を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0145】
さらに、制御部15が、コンピュータシステム上で動作するOS等のプログラム(第2のプログラム)によって実現される場合、当該OS等のプログラムを制御する各種命令を含むプログラム及び当該プログラムを記録した記録媒体も、本件の保護対象である。
【0146】
ここで、記録媒体とは、フレキシブルディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0147】
最後に、本発明の前記実施の形態による粘度測定方法の測定理論を説明する。
【0148】
まず、解析条件として円筒状容器の内周半径Rに対するプランジャの外周半径Rの比をプランジャ比κとして下式(12)で表す。
【数19】
【0149】
プランジャに加わる力(応力)Fcbは、プランジャが試料に初期深さLだけ浸漬されて静止された位置においてゼロに初期化されていれば、更なる浸漬中及び更なる浸漬後の、定常流動が得られた後の最大応力であるピーク値Fから、液深Lにおけるプランジャの浮力を除けばよく、下式(13)で表される。
【数20】
【0150】
一定時間放置後に収束する応力FTeは、降伏値Fを持たない流体では試料から受ける浮力Fと等しくなるため式(14)で表され、降伏値Fを持つ流体では式(15)で表される。
【数21】
【数22】
【0151】
ここで、浮力Fは下式(16)で表される。
【数23】
【0152】
また、降伏応力σは下式(17)で表される。
【数24】
【0153】
また、無次元降伏応力Tは下式(18)で表される。
【数25】
【0154】
ところで、図14に示すような放射座標系において、栓流部分の中心をλ、中心軸に近い方の境界をλ、遠い方の境界をλとすると、下式(19)〜(21)の関係が成り立つ。よって、無次元降伏応力Tと無次元座標λとを用いて、上式(4)及び(5)の関係を得ることができる。
【数26】
【数27】
【数28】
【0155】
この領域では、流動性指数nの逆数sを仮定すると、無次元座標λに関して、上式(3)が成り立つ。また、無次元流速Φは、この無次元座標λを用いて、上式(2)で表される。
【0156】
プランジャの異なる相対移動速度における測定データから得られる無次元流速Φには、下式(22)の関係が成り立つことから、上式(6)のように変形することで、流動性指数nの逆数sが求められる。
【数29】
【0157】
こうして求めた流動性指数nと仮定した流動性指数nとが等しくなるように計算が繰り返されることで、正しい流動性指数n、無次元座標λ及び無次元流速Φが求められる。
【0158】
無次元ずり応力Twは、無次元座標λを用いて、下式(23)で表される。
【数30】
【0159】
圧力損失Pは、下式(24)で表される。
【数31】
【0160】
粘性定数Kは、下式(25)で表される。
【数32】
【0161】
ずり速度dγ/dtは、下式(26)で表される。
【数33】
【0162】
ずり応力σは、下式(27)で表される。
【数34】
【0163】
従って、これらの諸式から、試料の見かけ粘度μは上式(1)で表される。
【符号の説明】
【0164】
10 粘度測定装置
11 円筒状容器
12 プランジャ
13 駆動部
13a 台座
13b 支持部材
14 測定部
15 制御部
16 筐体
17 プランジャ取付部
18 スリット
20 試料
【要約】
【課題】非ニュートン流体の試料の粘度を精度よく測定できる粘度測定方法を提供する。
【解決手段】粘度測定方法は、(A)円筒状容器に入れられた試料にプランジャを初期深さLだけ浸漬させる工程と、(B)プランジャを速度vp1で距離ΔLだけ更に浸漬させると共に、プランジャが受ける力を測定する工程と、(C)力のピーク値FT1及び収束値FTeを求める工程と、(D)プランジャを初期深さLまで戻す工程と、(E)プランジャを速度vp2で距離ΔLだけ更に浸漬させると共に、プランジャが受ける力を測定する工程と、(F)力のピーク値FT2及び収束値FT2を求める工程と、(G)異なる速度vp1、vp2で求めた力のピーク値及び収束値に基づいて流動性指数nを求める工程と、(H)所定の式に基づいて見かけ粘度μを算出する工程と、を備える。
図1
図2
図4
図5
図6
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