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特許6087484配信装置、配信方法、プログラム、及び、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6087484
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】配信装置、配信方法、プログラム、及び、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   G06F13/00 610Q
【請求項の数】8
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-572858(P2016-572858)
(86)(22)【出願日】2016年3月9日
(86)【国際出願番号】JP2016057326
【審査請求日】2016年12月13日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智彦
【審査官】 小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−11326(JP,A)
【文献】 高橋隆雄,Postfixのフィルタ機能を使いこなす サーバ・サイドのスパム対策,Linux WORLD,日本,(株)IDGジャパン,2005年 4月 1日,第4巻,第4号,p.42-50
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信部と、
前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知部と、
前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成部と、
前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信部と、
前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知部と、
前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定部と、
を備えることを特徴とする配信装置。
【請求項2】
前記推定部は、前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記断片又は前記第2ニュースレターにスパムと判定された原因があると推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
【請求項3】
前記モニタアカウントはn個あり、
前記生成部は、前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記第1ニュースレターをn個の断片に分割し、分割した断片を1つずつ含むn種類の第2ニュースレターを生成し、
前記第2配信部は、前記n個のモニタアカウントに、前記n種類の第2ニュースレターを1種類ずつ配信し、
前記推定部は、前記n個のモニタアカウントのうち、スパムであると判定された旨が検知されたモニタアカウントに配信された前記第2ニュースレターに含まれる断片に、スパムと判定された原因があると推定する
ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
【請求項4】
前記推定部は、前記n種類の第2ニュースレターの全てがスパムであると判定された旨が検知されると、第1ニュースレター及び第2ニュースレターに共通する属性にスパムと判定された原因があると推定する
ことを特徴とする請求項3に記載の配信装置。
【請求項5】
前記モニタアカウントは、サブスクライバアカウントに含まれ、
前記第1配信部は、前記モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにも、前記第1ニュースレターを配信し、
前記第2配信部は、前記モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにも、前記第2ニュースレターを配信する
ことを特徴とする請求項1に記載の配信装置。
【請求項6】
配信装置が実行する配信方法であって、
前記配信装置が、少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信工程と、
前記配信装置が、前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知工程と、
前記配信装置が、前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成工程と、
前記配信装置が、前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信工程と、
前記配信装置が、前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知工程と、
前記配信装置が、前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定工程と、
を備えることを特徴とする配信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信部、
前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知部、
前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成部、
前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信部、
前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知部、
前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、
少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信部、
前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知部、
前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成部、
前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信部、
前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知部、
前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配信装置、配信方法、プログラム、及び、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体に関し、特に、メールのスパム判定に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インターネットを利用して、企業や個人が、顧客や会員に様々な情報を電子メールで送信する行為は広く行われている。このようなメールは、受信者の同意を得ずに広告や勧誘などの目的で送信される場合があり、スパムメール(或いは、迷惑メール、ジャンクメール)と呼ばれている。これに対し、メールサービスプロバイダや受信者は、スパムフィルタを利用して、スパムメールを自動的に削除したり、ごみ箱等の所定の場所に移動したりする対策を採るのが一般的である。
【0003】
近年のスパムフィルタは、受信者の反応に基づいて人工知能や機械学習を行うことで、スパム判定を行うものが増えてきている。例えば、特許文献1には、受信者はメールがスパムか否かを投票し、この投票結果をスパム判定の機械学習のトレーニングに利用することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2006−521635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、受信者がスパムと判断した理由は、受信者から報告されておらず、スパムと認定された原因(例えば、禁止される単語やフレーズ)を知得することが困難である。一方、メールを配信する者は、スパムと判定される内容を特定し、そのような内容をメールに含めないようにすることにより、スパムと判定されないようにしたいという要望がある。
【0006】
本発明は、上記のような課題を解決するもので、スパムと判定された原因を調べるのに好適な配信装置、配信方法、プログラム、及び、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点に係る配信装置は、
少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信部と、
前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知部と、
前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成部と、
前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信部と、
前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知部と、
前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定部と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
また、上記観点に係る配信装置において、
前記推定部は、前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記断片又は前記第2ニュースレターにスパムと判定された原因があると推定する
ことを特徴とする。
【0009】
また、上記観点に係る配信装置において、
前記モニタアカウントはn個あり、
前記生成部は、前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記第1ニュースレターをn個の断片に分割し、分割した断片を1つずつ含むn種類の第2ニュースレターを生成し、
前記第2配信部は、前記n個のモニタアカウントに、前記n種類の第2ニュースレターを1種類ずつ配信し、
前記推定部は、前記n個のモニタアカウントのうち、スパムであると判定された旨が検知されたモニタアカウントに配信された前記第2ニュースレターに含まれる断片に、スパムと判定された原因があると推定する
ことを特徴とする。
【0010】
また、上記観点に係る配信装置において
前記推定部は、前記n種類の第2ニュースレターの全てがスパムであると判定された旨が検知されると、第1ニュースレター及び第2ニュースレターに共通する属性にスパムと判定された原因があると推定する
ことを特徴とする。
【0011】
また、上記観点に係る配信装置において
前記モニタアカウントは、サブスクライバアカウントに含まれ、
前記第1配信部は、前記モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにも、前記第1ニュースレターを配信し、
前記第2配信部は、前記モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにも、前記第2ニュースレターを配信する
ことを特徴とする。
【0012】
本発明の第2の観点に係る配信方法は、
配信装置が実行する配信方法であって、
前記配信装置が、少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信工程と、
前記配信装置が、前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知工程と、
前記配信装置が、前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成工程と、
前記配信装置が、前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信工程と、
前記配信装置が、前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知工程と、
前記配信装置が、前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定工程と、
を備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータを、
少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信部、
前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知部、
前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成部、
前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信部、
前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知部、
前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定部、
として機能させることを特徴とする。
【0014】
本発明の第4の観点に係る非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体は、
コンピュータを、
少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する第1配信部、
前記モニタアカウントにて前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第1検知部、
前記第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、前記スパムであると判定された前記第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する生成部、
前記モニタアカウントに、前記第2ニュースレターを配信する第2配信部、
前記モニタアカウントにて前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する第2検知部、
前記第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、前記第1ニュースレターのうちの前記断片以外にスパムと判定された原因があると推定する推定部、
として機能させることを特徴とするプログラムを記録する。
【0015】
上記非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。ここで、非一時的な(non-transitory)情報記録媒体とは、有形な(tangible)情報記録媒体をいう。非一時的な情報記録媒体は、例えば、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等である。また、一時的な(transitory)情報記録媒体とは、伝送媒体(伝搬信号)それ自体を示す。一時的な情報記録媒体は、例えば、電気信号、光信号、電磁波等である。なお、一時的な(temporary)記憶領域とは、データやプログラムを一時的に記憶するための領域であり、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スパムと判定された原因を調べるのに好適な配信装置、配信方法、プログラム、及び、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る配信装置と、メールサービスプロバイダと、端末装置と、の関係を示す図である。
図2】配信装置からサブスクライバアカウントへの電子メールの配信を説明するための図である。
図3】本発明の実施形態に係る配信装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
図4】実施形態1に係る配信装置の概要構成を示す図である。
図5】サブスクライバアカウントテーブルを説明するための図である。
図6】第1ニュースレターの例を示す図である。
図7】第2ニュースレターの例を示す図である。
図8】実施形態1に係る配信装置が行う配信処理を説明するためのフローチャートである。
図9】第1ニュースレター及び第2ニュースレターの例を示す図である。
図10】実施形態2に係る配信装置が行う配信処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(1.全体構成)
本発明の実施形態に係る配信装置100は、図1に示すように、インターネット400に接続される。インターネット400には、配信装置100と、メールサービスプロバイダ200と、端末装置300−1、300−2〜300−m(mは1以上の自然数。以下、これらを総称して「端末装置300」という。)と、が接続されている。
【0019】
配信装置100は、リストに登録されている配信先の電子メールアドレス(以下、「サブスクライバアカウント」という)に、様々な情報を含む電子メールを配信する。サブスクライバアカウントには、配信装置100が受信可能なモニタアカウントが含まれる。すなわち、配信装置100は、自らが配信した電子メールを受信する。なお、配信装置100は、モニタアカウントのみに電子メールを配信してもよい。
【0020】
メールサービスプロバイダ200は、電子メールアドレスの提供、電子メールの送受信又は保存等の電子メールを利用するための様々なサービスを提供する。
【0021】
端末装置300は、サブスクライバアカウントを有するユーザが使用する装置である。
【0022】
図2に、配信装置からサブスクライバアカウントへ電子メールを配信する際の通信の一例を示す。
【0023】
配信装置100は、サブスクライバアカウント宛に電子メールを配信する(1)。
【0024】
メールサービスプロバイダ200は、受信したサブスクライバアカウント宛のメールがスパムであるか否かの判定を行う(2)。
【0025】
メールサービスプロバイダ200は、送られてきたメールがスパムでないと判定した場合、宛先のサブスクライバアカウントに送信、又は、メールサーバ上のサブスクライバアカウントの受信ボックスに配置する(3−1)。
【0026】
メールサービスプロバイダ200は、送られてきたメールがスパムであると判定した場合、宛先のサブスクライバアカウントに当該メールがスパムメールであることを通知する(3−2)。あるいは、メールの削除やメールサーバ上のサブスクライバアカウントの所定の場所(例えば、ゴミ箱)に配置してもよい。
【0027】
配信装置100は、モニタアカウントにおいてスパム判定をモニタリングする(4)。
【0028】
(2.情報処理装置の概要構成)
本発明の実施形態に係る配信装置100が実現される典型的な情報処理装置600の概要構成について説明する。
【0029】
情報処理装置600は、図3に示すように、CPU(Central Processing Unit)601と、ROM(Read Only Memory)602と、RAM(Random Access Memory)603と、記憶装置604と、NIC(Network Interface Card)605と、画像処理部606と、音声処理部607と、ディスプレイ608と、スピーカ609と、コントローラ610と、を備える。
【0030】
CPU 601は、情報処理装置600全体の動作を制御し、各構成要素と接続され、制御信号やデータをやりとりする。
【0031】
ROM 602には、情報処理装置600全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0032】
RAM 603は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、記憶装置604から読み出したプログラムやデータ、その他、通信に必要なデータ等が保持される。
【0033】
記憶装置604は、ハードディスクやフラッシュメモリ等から構成され、情報処理装置600で処理するデータを記憶する。また、記憶装置604は、CD(Compact Disc)等の非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体からデータを読み出すデバイス等を備えるように構成されてもよい。
【0034】
NIC 605は、情報処理装置600をインターネット等のコンピュータ通信網に接続するためのものであり、NIC 605を介して他の情報処理装置等とやりとりをする。
【0035】
画像処理部606は、記憶装置604等から読み出されたデータをCPU 601や画像処理部606が備える画像演算プロセッサによって加工処理し、画像処理部606が備えるフレームメモリに記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され、ディスプレイ608に出力される。
【0036】
音声処理部607は、記憶装置604等から読み出されたデータをアナログ音声信号に変換し、スピーカ609から出力させる。
【0037】
コントローラ610は、ユーザからの指示入力を受け付ける。
【0038】
以下、上記情報処理装置600において実現される配信装置100について、図1乃至図10を参照して説明する。情報処理装置600に電源が投入されると、実施形態に係る配信装置100として機能させるプログラムが実行され、実施形態に係る配信装置100が実現される。
【0039】
(3.実施形態1の配信装置の概要構成)
実施形態1の配信装置100は、スパムと認定された第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターがスパムと判定されたか否かに基づいて、スパムと判定された原因を推定する。
【0040】
実施形態1の配信装置100は、図4に示すように、第1配信部101と、第1検知部102と、生成部103と、第2配信部104と、第2検知部105と、推定部106と、から構成される。
【0041】
本実施形態及び以下に示す実施形態において、CPU 601及びNIC 605が協働して、第1配信部101、第1検知部102、第2配信部104、及び、第2検知部105、として機能する。また、CPU 601が生成部103及び推定部106として機能する。
【0042】
第1配信部101は、少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する。
【0043】
モニタアカウントとは、サブスクライバアカウントに含まれるアカウントであって、配信装置100が受信可能な電子メールアドレスであり、メールサービスプロバイダ200が提供する電子メールアドレスである。
【0044】
サブスクライバアカウントとは、配信装置100が電子メールを配信する宛先の電子メールアドレスであり、例えば、サブスクライバアカウントテーブル700aに登録されている。サブスクライバアカウントテーブル700aは、配信装置100に格納されていてもよいし、外部の装置に格納されていてもよい。
【0045】
サブスクライバアカウントテーブル700aは、アカウントID 700a1と、サブスクライバアカウント700a2と、モニタアカウントフラグ700a3と、が対応付けて登録されている。モニタアカウントフラグ700a3が“Yes”の場合は、対応するサブスクライバアカウント700a2がモニタアカウントであることを示し、“No”の場合は、対応するサブスクライバアカウント700a2がモニタアカウントではないことを示す。
【0046】
例えば、図5のサブスクライバアカウントテーブル700aの1行目は、アカウントID 700a1が“1”のサブスクライバアカウント700a2は“abc@xxx.com”であり、モニタアカウントであることを示す。
【0047】
第1ニュースレターとは、配信装置100が複数のサブスクライバアカウントに配信する電子メールである。例えば、メールマガジンのように、発行元の顧客や会員に定期的又は不定期に発行されるものである。第1ニュースレターは、配信装置100に格納されていても、外部の装置に格納されていてもよい。図6に、第1ニュースレターの例を示す。第1ニュースレター510には、発行元が顧客や会員に提供する記事が複数記載されている。なお、発行元と配信装置100の使用者とは、同一でも異なっていてもよい。
【0048】
例えば、第1配信部101は、サブスクライバアカウントテーブル700aを参照し、当該テーブルに登録されているサブスクライバアカウント700a2のうちモニタアカウントフラグ700a3が“Yes”のサブスクライバアカウントに、配信装置100に格納された第1ニュースレター510を送信する。
【0049】
第1検知部102は、モニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する。
【0050】
通常、メールサービスプロバイダが提供する電子メールアドレスは、メールサービスプロバイダのスパムフィルタを経て、宛先のメールアドレスに送信される。スパムフィルタでスパムであると判定されると、電子メールのメールヘッダにスパムと判定されたことを示す情報が書き込まれる。例えば、Subjectヘッダに“spam”の文字が追加されたり、スパムであることを示す任意のヘッダが追加されたりする。よって、第1検知部102は、第1ニュースレターのメールヘッダ内にスパムと判定されたことを示す情報が存在する場合は、第1ニュースレターがスパムであると判定されたとみなす。
【0051】
また、スパムフィルタにおいてスパムであると判定されると、宛先の電子メールアドレスに送信されなかったり、ごみ箱等の不要メールが配置される場所に振り分けられたりする。したがって、第1検知部102は、第1ニュースレターがモニタアカウントに到着しなかった場合や、ごみ箱等の不要メールが配置される場所に振り分けられた場合も、第1ニュースレターがスパムであると判定されたと見なしてもよい。
【0052】
例えば、第1検知部102は、モニタアカウントに到着した第1ニュースレター510をメールサーバから取得し、取得した第1ニュースレター510のメールヘッダを調べる。そして、第1検知部102は、メールヘッダ内にスパムと判定されたことを示す情報が書き込まれている場合、この情報を検知することにより、スパムであると判定された旨を検知する。あるいは、第1検知部102は、第1ニュースレター510が配信から所定の時間を経過してもメールサーバに到着していないことや、ごみ箱等に振り分けられたことを検知することにより、スパムであると判定された旨を検知する。第1検知部102により、スパムであると判定された旨が検知されなければ、第1ニュースレター510は、スパムと判定される原因となる内容が含まれていないと推定される。
【0053】
生成部103は、第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、スパムであると判定された第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する。
【0054】
第2ニュースレターとは、配信装置100が配信する、第1ニュースレターの断片を含む電子メールである。第2ニュースレターには、断片の他に発行元が適宜用意した情報が含まれていてもよい。例えば、第2ニュースレターには、断片511の他に、図7の記事n+1(内容521)が含まれる。第2ニュースレターに含まれる内容やテンプレート等は、配信装置100に格納されていても、外部の装置に格納されていてもよい。
【0055】
第1ニュースレターの断片とは、例えば、第1ニュースレターに含まれる単語やフレーズ、文、文章、或いは、画像であり、第1ニュースレターに含まれているものであれば、どのようなものでもよいが、第1ニュースレターの全てを含むものではない。
【0056】
断片は、文章であれば、段落単位、節単位、或いは、話題の単位であることが望ましい。また、画像の場合には、その画像を説明する文章を合わせて1つの断片とするようにしてもよい。すなわち、断片は、第2ニュースレターに単独で含まれても不自然でないような単位とする。例えば、多くのメールマガジンでは、話題が変わったことを表す記号(節の始まりを意味する記号)が設定されているので、その記号ごとに断片を切り出すようにしてもよい。なお、断片の決定は、配信装置100の使用者や第1ニュースレターの作成者・発行元等が、適宜設定できるようにしてもよい。
【0057】
例えば、第1ニュースレター510(図6)がスパムであると認定されたとすると、生成部103は、第1ニュースレター510の断片511を含む第2ニュースレター520(図7)を生成する。
【0058】
なお、第2ニュースレターには、第1ニュースレターの断片のみを含むようにしてもよい。すなわち、第2ニュースレター520において、内容521が無く、断片511のみが含まれるようにしてもよい。
【0059】
第2配信部104は、モニタアカウントに、第2ニュースレターを配信する。
【0060】
例えば、第2配信部104は、サブスクライバアカウントテーブル700aを参照し、当該テーブルに登録されているサブスクライバアカウント700a2のうちモニタアカウントフラグ700a3が“Yes”のサブスクライバアカウントに、第2ニュースレター520を送信する。
【0061】
第2検知部105は、モニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する。
【0062】
例えば、第2検知部105は、モニタアカウントに到着した第2ニュースレター520をメールサーバから取得し、取得した第2ニュースレター520のメールヘッダ内のスパムと判定されたことを示す情報を検知する。あるいは、第2検知部105は、第2ニュースレター520の配信から所定の時間経過してもメールサーバに到着していないことや、ごみ箱等に振り分けられたことを検知する。
【0063】
推定部106は、第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、第1ニュースレターのうちの断片以外にスパムと判定された原因があると推定する。
【0064】
例えば、第2ニュースレター520がスパムであると判定された旨が検知されない場合、推定部106は、第1ニュースレターの断片511は、スパムと判定された原因ではないと判断し、第1ニュースレターのうち断片511以外の部分にスパムと判定された原因があると推定する。
【0065】
一方、推定部106は、第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、断片又は第2ニュースレターにスパムと判定された原因があると推定する。
【0066】
例えば、第2ニュースレター520がスパムであると判定された旨が検知された場合、推定部106は、第1ニュースレターの断片511、又は、第2ニュースレターの内容521若しくは第2ニュースレターの属性にスパムと判定された原因があると推定する。
【0067】
本実施形態によれば、配信装置が受信可能なモニタアカウントを使用することにより、自らが配信したメールがスパムと判定されたか否かを知ることができる。そして、スパムと判定されたメールの断片を含むメールをさらにモニタアカウントに配信することにより、メールのどの部分がスパムと判定された原因となったかを調べることができる。
【0068】
また、第1配信部101は、モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにも、第1ニュースレターを配信し、第2配信部104は、モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにも、第2ニュースレターを配信するようにしてもよい。
【0069】
例えば、第1配信部101は、サブスクライバアカウントテーブル700aを参照し、当該テーブルに登録されているサブスクライバアカウント700a2のうちモニタアカウントフラグ700a3が“No”のサブスクライバアカウントに、配信装置100に格納された第1ニュースレター510を送信する。すなわち、第1配信部101は、サブスクライバアカウントテーブル700aに登録されている全てのサブスクライバアカウントに第1ニュースレター510を送信する。また、第2配信部104は、サブスクライバアカウントテーブル700aに登録されている全てのサブスクライバアカウントに第2ニュースレター520を送信する。
【0070】
このような構成により、モニタアカウントへメールを配信する際に、会員や顧客等の登録されているユーザにもメールを配信するので、通常のニュースレターの配信を行いつつ、スパム判定された原因を効率良く調べることができる。また、メールサービスプロバイダが、大量配信をしているという情報に基づいて、スパム判定をしている場合、メールを多くのアカウントに配信しなければスパム判定された原因を調べることができない。しかし、モニタアカウント以外の複数のサブスクライバアカウントにもメールを配信することにより、大量配信をしているという情報に基づいてスパム判定をしているメールサービスプロバイダのスパム判定の傾向を知ることができる。
【0071】
(4.実施形態1の配信装置の動作)
本実施形態の配信装置100の動作について説明する。配信装置100は、例えば、電源が投入されると、図8に示す配信処理を開始する。
【0072】
第1配信部101は、少なくとも1つのモニタアカウントを含む複数のサブスクライバアカウントに、第1ニュースレターを配信する(ステップS101)。
【0073】
例えば、第1配信部101は、サブスクライバアカウントテーブル700a(図5)を参照し、当該テーブルに登録されているサブスクライバアカウント700に、第1ニュースレター510(図6)を送信する。
【0074】
第1検知部102は、モニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知したか否かを判断する(ステップS102)。第1検知部102は、モニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知したと判断すると(ステップS102;Yes)、生成部103は、第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する(ステップS103)。一方、第1検知部102は、モニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知していないと判断すると(ステップS102;No)、配信処理を終了する。
【0075】
例えば、第1検知部102は、モニタアカウントに到着した第1ニュースレター510のメールヘッダ内において、スパムと判定されたことを示す情報を検知すると、生成部103は、第1ニュースレター510の断片511を含む第2ニュースレター520(図7)を生成する。一方、第1検知部102が、モニタアカウントにおいて第1ニュースレター510がスパムと判定された旨を検知しない場合、すなわち、スパム判定されずに正常に受信できた場合、第1ニュースレター510には、スパムと判定される原因がないと考えられ、配信処理を終了する。
【0076】
第2配信部104は、複数のサブスクライバアカウントに、第2ニュースレターを配信する(ステップS104)。
【0077】
例えば、第2配信部104は、サブスクライバアカウントテーブル700aを参照し、当該テーブルに登録されているサブスクライバアカウントに、第2ニュースレター520を送信する。
【0078】
第2検知部105は、モニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する(ステップS105)。第2検知部105が、モニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知すると(ステップS105;Yes)、推定部106は、断片又は第2ニュースレターにスパムと判定された原因があると推定する(ステップS106)。一方、第2検知部105が、モニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知しない場合(ステップS105;No)、推定部106は、第1ニュースレターのうちの断片以外にスパムと判定された原因があると推定する(ステップS107)。
【0079】
例えば、第2検知部105は、モニタアカウントに到着した第2ニュースレター520のメールヘッダ内において、スパムと判定されたことを示す情報を検知すると、推定部106は、第1ニュースレターの断片511、又は、第2ニュースレターの内容521若しくは第2ニュースレターの属性にスパムと判定された原因があると推定する。一方、第2検知部105が、モニタアカウントにおいて第2ニュースレター520がスパムであると判定された旨を検知しない場合、すなわち、スパム判定されずに正常に受信できた場合、推定部106は、第1ニュースレターのうち断片511以外の部分にスパムと判定された原因があると推定する。
【0080】
(5.実施形態2の配信装置の概要構成)
実施形態2の配信装置100は、スパムと認定された第1ニュースレターをn個に分割し、n個の断片を1つずつ含むn種類の第2ニュースのうち、どの第2ニュースレターがスパムと判定されたかに基づいて、スパムと判定された原因の推定を行う。
【0081】
実施形態2の配信装置100は、図4に示すように、実施形態1と同様の構成要素から成るが、異なる機能を有する。
【0082】
本実施形態において、モニタアカウントはn個存在する。なお、nは1以上の自然数である。
【0083】
例えば、サブスクライバアカウントテーブル700a(図5)には、モニタアカウントフラグ700a3が“Yes”のサブスクライバアカウントがn個登録されているとする。例えば、アカウントID 700a1が、“1”〜“n”のサブスクライバアカウントがモニタアカウントであるとする。
【0084】
第1配信部101は、n個のモニタアカウントに第1ニュースレターを配信する。
【0085】
例えば、第1配信部101は、サブスクライバアカウントテーブル700aを参照し、アカウントID 700a1が“1”〜“n”のモニタアカウントに、第1ニュースレター510(図6)を送信する。なお、第1配信部101は、モニタアカウント以外のサブスクライバアカウントにも、第1ニュースレター510を配信してもよい。
【0086】
第1検知部102は、n個のモニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する。
【0087】
例えば、第1検知部102は、アカウントID 700a1が“1”〜“n”のモニタカウントに到着した第1ニュースレター510をメールサーバから取得し、取得した第1ニュースレター510のメールヘッダを調べる。そして、第1検知部102は、メールヘッダ内のスパムと判定されたことを示す情報を検知する。また、第1検知部102は、アカウントID700a1が“1”〜“n”のモニタカウントにおいて、第1ニュースレター510の配信から所定時間経過後の未到着や、ごみ箱への振り分けを検知する。
【0088】
生成部103は、第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、第1ニュースレターをn個の断片に分割し、分割した断片を1つずつ含むn種類の第2ニュースレターを生成する。
【0089】
例えば、n個のモニタアカウントのいずれかにおいて、第1ニュースレター510がスパムであると判定された旨が検知されると、図9に示すように、第1ニュースレターをn個の断片511〜51nに分割する。そして、それぞれの断片を含む第2ニュースレター520−1〜520−nを生成する。なお、図9は、第2ニュースレター520−1〜520−nが、断片のみを含む例を示している。
【0090】
なお、第1ニュースレターは、段落単位、節単位、或いは、話題の単位でn個に分割する。画像を含む場合には、画像及びその説明文を1つの単位として分割する。
【0091】
分割した断片がn個よりも小さい場合は、断片の内容が重複してもよい。例えば、n(モニタアカウントの数)が“6個”であり、第1ニュースレター510に、話題が“3個”しか存在しない場合、生成部103は、第2ニュースレター520−1及び520−2、第2ニュースレター520−3及び520−4、第2ニュースレター520−5及び520−6、のそれぞれには同じ話題の断片を含ませることにより6種類の第2ニュースレター520−1〜520―6を生成してもよい。
【0092】
分割した断片がn個よりも大きい場合は、関連する内容の断片を統合してn個の断片とするようにしてもよいし、配信装置100の使用者等が、取捨選択するようにしてもよい。
【0093】
また、断片は、段落、節、或いは、話題の一部を抜粋したものでもよい。例えば、断片を、前回のニュースレターの記事を抜粋したものとしてもよい。この場合、ニュースレターのバックナンバーの閲覧サービスを利用可能であれば、第2ニュースレターの閲覧者はその内容を知ることができ、スパム判定を行うと同時に、ユーザに有益な情報を提供することができる。
【0094】
第2配信部104は、n個のモニタアカウントに、n種類の第2ニュースレターを1種類ずつ配信する。
【0095】
例えば、第2配信部104は、アカウントID“1”のモニタアカウントに第2ニュースレター520−1を配信し、アカウントID“2”のモニタアカウントに第2ニュースレター520−2を配信する。同様にして、アカウントID“3”〜“n”のモニタアカウントに、第2ニュースレター520−3〜520−nを配信する。なお、第2配信部104は、モニタアカウント以外のサブスクライバアカウントには、n種類の第2ニュースレターをランダムに振り分けて配信するようにしてもよい。
【0096】
第2検知部105は、n個のモニタアカウントにて、各モニタアカウントに配信された第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する。
【0097】
例えば、第2検知部105は、n個のモニタアカウントに到着した第2ニュースレター520−1〜520−nをメールサーバから取得し、取得した電子メールのメールヘッダ内に、スパムと判定されたことを示す情報を検知する。
【0098】
推定部106は、n個のモニタアカウントのうち、スパムであると判定された旨が検知されたモニタアカウントに配信された第2ニュースレターに含まれる断片に、スパムと判定された原因があると推定する。
【0099】
例えば、アカウントID“2”のモニタアカウントに配信した第2ニュースレター520−2がスパムであると判定された旨が検知されると、第2ニュースレター520−2に含まれる断片512にスパムと判定された原因があると推定する。
【0100】
また、推定部106は、n種類の第2ニュースレターの全てについてスパムであると判定された旨が検知されると、第1ニュースレター及び第2ニュースレターに共通する属性にスパムと判定された原因があると推定する。
【0101】
第1ニュースレター及び第2ニュースレターに共通する属性とは、ニュースレターの内容以外であって、メールヘッダに含まれる情報である。
【0102】
例えば、第2ニュースレター520−1〜520−nの全てに対しスパムであると判定された旨が検知された場合、すなわち、第2ニュースレター520−1〜520−nの全てに対し、メールヘッダ内のスパムを示す情報、メールの未到達、或いは、ごみ箱への振り分け、のいずれかを検知した場合、第1ニュースレター510及び第2ニュースレター520−1〜520−nに共通する属性(例えば、差出人アドレス)にスパムと判定された原因があると推定する。
【0103】
なお、推定部106は、n種類の第2ニュースレターのいずれについてもスパムであると判定された旨が検知されない場合は、第1ニュースレター固有の属性に、スパムと判定される原因があると推定してもよい。
【0104】
本実施形態によれば、スパムと判定されたメールのうち、何にスパムと判定された原因があるのかを、絞り込むことができる。
【0105】
また、スパムと判定された第2ニュースレターを第1ニュースレターとみなし、配信装置100を適用してもよい。すなわち、スパム判定の原因と推定された断片をさらに分割して、分割した断片のそれぞれを含む新たな第2ニュースレターを生成し、モニタアカウントに配信し、スパムと判定された原因を推定するという処理を繰り返す。これにより、フレーズや単語単位のように、さらに細かな要素にスパムと判定された原因を絞り込むことができ、スパム判定の原因を特定することができる。
【0106】
なお、n個のモニタアカウントは、同じメールサービスプロバイダから提供されるアカウント(電子メールアドレス)に統一することが望ましい。このような構成にすることにより、そのメールサービスプロバイダのスパムフィルタがどのような内容をスパムと判定するかを知ることができる。
【0107】
(6.実施形態2の配信装置の動作)
本実施形態の配信装置100の動作について説明する。配信装置100は、例えば、電源が投入されると、図10に示す配信処理を開始する。
【0108】
第1配信部101は、n個のモニタアカウントを含むサブスクライバアカウントに第1ニュースレターを配信する(ステップS201)。
【0109】
例えば、第1配信部101は、サブスクライバアカウントテーブル700aを参照し、アカウントID 700a1が“1”〜“n”のモニタアカウントを含むサブスクライバアカウントに、第1ニュースレター510(図6)を送信する。
【0110】
第1検知部102は、n個のモニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知したか否かを判断する(ステップS202)。第1検知部102は、n個のモニタアカウントのいずれかにおいて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知したと判断すると(ステップS202;Yes)、生成部103は、第1ニュースレターをn個の断片に分割し、分割した断片を1つずつ含むn種類の第2ニュースレターを生成する(ステップS203)。一方、第1検知部102は、n個のモニタアカウントのいずれにおいても、第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知していないと判断すると(ステップS202;No)、配信処理を終了する。
【0111】
例えば、第1検知部102は、アカウントID 700a1が“1”〜“n”のモニタカウントに到着した第1ニュースレター510のいずれかにおいて、メールヘッダ内のスパムと判定されたことを示す情報を検知すると、生成部103は、第1ニュースレター510をn個の断片511〜51nに分割し、それぞれの断片を含む第2ニュースレター520−1〜520−nを生成する。一方、第1検知部102が、n個のモニタアカウントのいずれにおいても第1ニュースレター510がスパムと判定された旨を検知しない場合、すなわち、スパム判定されずに正常に受信できた場合、第1ニュースレター510には、スパムと判定される原因がないと考えられ、配信処理を終了する。
【0112】
第2配信部104は、n個のモニタアカウントに、n種類の第2ニュースレターを1種類ずつ配信し、n個のモニタアカウント以外のサブスクライバアカウントに、n種類の第2ニュースレターをランダムに振り分けて配信する(ステップS204)。
【0113】
例えば、第2配信部104は、アカウントID“1”〜“n”のモニタアカウントに第2ニュースレター520−1〜520−nをそれぞれ配信し、モニタアカウント以外のサブスクライバアカウントには、n種類の第2ニュースレターをランダムに振り分けて配信する。
【0114】
第2検知部105は、n個のモニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知したか否かを判断する(ステップS205)。第2検知部105は、n個のモニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知すると(ステップS205;Yes)、n種類の第2ニュースレターの全てでスパムであると判定された旨が検知されたか否かを判断する(ステップS206)。一方、第2検知部105は、n個のモニタアカウントのいずれにおいても、第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されないと判断すると(ステップS205;No)、推定部106は、第1ニュースレターに固有の属性にスパムと判定された原因があると推定する(ステップS208)。
【0115】
例えば、第2検知部105は、n個モニタアカウントに到着した第2ニュースレター520−1〜520−nのいずれかのメールヘッダ内に、スパムと判定されたことを示す情報を検知すると、さらに、第2ニュースレター520−1〜520−nのすべてで、スパムと判定された旨が検知されたか否かを判断する。一方、第2検知部105は、第2ニュースレター520−1〜520−nの全てについてスパムと判定された旨を検知しない(スパムと判定されずに正常に受信した)場合、推定部106は、第2ニュースレター520−1〜520−nとは異なる、第1ニュースレターのみが有する属性にスパムと判定された原因があると推定する。
【0116】
ステップS206において、第2検知部105が、n種類の第2ニュースレターの全てでスパムであると判定された旨が検知されたと判断すると(ステップS206;Yes)、推定部106は、第1ニュースレター及び第2ニュースレターに共通する属性にスパムと判定された原因があると推定する(ステップS207)。一方、第2検知部105が、n種類の第2ニュースレターの全てでスパムであると判定された旨が検知されていないと判断すると(ステップS206;No)、推定部106は、スパムであると判定された旨が検知された第2ニュースレターに含まれる断片に、スパムと判定された原因があると推定する(ステップS209)。
【0117】
例えば、第2検知部105は、第2ニュースレター520−1〜520−nの全てに対しスパムであると判定された旨を検知すると、推定部106は、第1ニュースレター510及び第2ニュースレター520−1〜520−nに共通する属性にスパムと判定された原因があると推定する。一方、第2検知部105が、第2ニュースレター520−1〜520−nの全てに対しスパムであると判定された旨を検知しない場合、すなわち、第2ニュースレター520−1〜520−nのいずれかはスパム判定とされること無く受信できた場合、推定部106は、スパムであると判定された旨が検知された第2ニュースレター(例えば、第2ニュースレター520−2)に含まれる断片(断片512)にスパムと判定された原因があると推定する。
【0118】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【符号の説明】
【0119】
100 配信装置
101 第1配信部
102 第1検知部
103 生成部
104 第2配信部
105 第2検知部
106 推定部
200 メールサービスプロバイダ
300、300−1、300−2〜300−m 端末装置
400 インターネット
510 第1ニュースレター
511、512〜51n 断片
520、520−1、520−2〜520−n 第2ニュースレター
521 内容
600 情報処理装置
601 CPU
602 ROM
603 RAM
604 記憶装置
605 NIC
606 画像処理部
607 音声処理部
608 ディスプレイ
609 スピーカ
610 コントローラ
700 サブスクライバアカウント
【要約】
第1配信部(101)は、少なくとも1つのモニタアカウントに、第1ニュースレターを配信する。第1検知部(102)は、モニタアカウントにて第1ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する。生成部(103)は、第1ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されると、スパムであると判定された第1ニュースレターの断片を含む第2ニュースレターを生成する。第2配信部(104)は、モニタアカウントに、第2ニュースレターを配信する。第2検知部(105)は、モニタアカウントにて第2ニュースレターがスパムであると判定された旨を検知する。推定部(106)は、第2ニュースレターがスパムであると判定された旨が検知されなければ、第1ニュースレターのうちの断片以外にスパムと判定された原因があると推定する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10