(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(i)前記照射源は掃引波長光源である、または(ii)前記照射源は広帯域光源である、のうちの少なくとも1つであり、前記画像システムは分光計を含む、請求項1に記載の装置。
前記画像システムは、前記照射源により放射された前記照射の一部を検体アーム内に向けるように適合され、かつ前記組織から前記検体アームを介して反射された照射を検知する干渉計を含み、前記画像システムは、前記組織の特性を提供するために、参照アームから受け取った照射と、前記検体アームから受け取った照射とを含む前記照射を処理すること、かつ前記組織の特性を複数の組織のタイプの標準化された特性のデータベースと比較することにより、前記組織の特性を識別する、請求項1に記載の装置。
組織の特性を識別するためのソフトウェアプログラムを記憶するコンピュータがアクセス可能な記憶媒体であって、前記ソフトウェアプログラムが、処理装置により実行されるとき、前記処理装置に、
照射源により、照射を用いて前記組織の軸方向走査を行わせるステップ、および
前記組織の特性を識別するために、スペクトラルドメイン低コヒーレンス干渉法または光学周波数ドメイン反射法のうちの少なくとも1つに基づいて、組織内部深く焦点を当てるためのレンズがファイバの先端に設けられたプローブによって得られた、前記照射に関連する前記軸方向走査照射に関連する一次元データを処理した信号の、分割されたそれぞれの窓における平均偏差又は標準偏差を算出するステップ、からなる手順を実行させるように構成された、コンピュータがアクセス可能な記憶媒体。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
探針法における光学コヒーレンス断層撮影法および共焦点顕微鏡検査法の使用について前述してきたが、これらの探針法により医師は組織の画像を得ることが可能になる。しかしながらこれらの従来の探針法は特定の欠点を有している。
【0006】
これらの探針法で用いられる方法は、二次元で部位を走査することでサンプルの部位に単収束する画像が必要であり、これにより、被験物の二次元画像が作成される。これらの公知の画像探針法システムの走査および画像の要求事項として、複合的かつ高価で使い捨ての構成部品および操作卓部品を必要とする。既存の画像探針法の多くの部品は、複合的かつ高価な構造が必要とされているため、探針法を日常的に使用することを不可能なものとしている。
【0007】
さらに、現在の画像探針法では複合的かつ高価な注文製作された注射器を用いているが、この注射器は滅菌および使い捨てができない。
【0008】
過去において、低コヒーレンス干渉計(「LCI」)画像の組織診断での使用を評価するための研究がなされてきた。光学コヒーレンス断層撮影(「OCT」)はLCI画像であり、これはサンプル全体に検体アーム光を走査しながら、二次元画像を生成し、多くの体軸横断走査を得るために行なわれる。LCI画像法を行なうためには、従来のシステムによりいくつかの厳格な要求事項を満足させなければならない。これらの事項には、
1.高速参照アーム遅延走査(1秒当たり最低1000走査)
2.高出力広帯域電源(最低5ミリワット)
3.複合プローブ(少なくとも1つのレンズおよび走査機構を有しなければならない)
4.高価な光データ取得装置
5.画像表示装置
等が含まれる。
【0009】
従来のシステムにおけるこれらの要求事項は、OCTシステムおよびOCTプローブの費用を大幅に増大させる。
【0010】
低価格および正確な画像システム、プロセスおよび穿刺生検プローブであって、医師は別途に少々の訓練を受けるだけでよい解決方法が望まれる。従来の注射器および注射針を組み合わせて用いることができる穿刺生検プローブならば、注文製作の注射外筒または注射針を開発したり製造したりするための高コストを避けることができ、望ましい。かかる例示的なシステムは、生態組織検査用の注射針の状況および場所に関わらず、完全なリアルタイムまたはほぼリアルタイムのフィードバックを提供することが可能であることがまた望まれる。
【0011】
かかるプローブはまた種々の組織タイプを識別したり、これらと連係して機能したり、標的部位に届いた場合または不適切な組織が発見された場合には利用者の注意を喚起したりすることが可能でなければならない。連係部分は、光学屈折率が組織と互いに隣接する場合に発生する屈折率連係である。屈折率は、組織の分子構成に特有なものであり、このため連係は組織全体で起こる。これらの屈折率連係は、散乱を生じさせることがあるが、これはLCIおよびOCTで検出された信号である。
【0012】
本発明の他の特長および利点は、後述される添付の特許請求の範囲に関連して、本発明の実施形態の詳細な説明を読むことにより明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は一般に、干渉計測距装置を用いて組織タイプを認識するための装置、プロセス、ソフトウェア構成、記憶媒体を提供する。
【0014】
プローブまたは機器の使い捨て部分は、単独のシングルモード光学ファイバを用いるが、これは安価であるとともに医療用注射針のルーメンと嵌合することが可能である。単独のシングルモード光学ファイバの直径は125μmから250μmの間でよい。
【0015】
本発明にしたがうと、二次元画像は必要とされない。
【0016】
この結果、画像システムの要求事項は大幅に少なくなる。かかる要求事項には、
1.低出力広帯域電源(0.001ミリワットから5ミリワット)
2.簡単なプローブ(レンズまたは走査機構は不要)
3.安価な光データ取得装置
4.簡単で安価かつ小型の検出装置
5.簡略化された画像表示または可聴通知装置
の使用があげられるが、これに限定されるものではない。
【発明の効果】
【0017】
したがって、本発明にしたがった一次元干渉計測距装置を用いて組織を識別するシステムにより、コストを低くし、システム操作卓を小さくし、かつ使い捨て可能なデータ収集プローブのコストを大幅に削減することが可能となる。
【0018】
本発明にしたがった使い捨て可能なプローブは、現行のシステムの材料費よりはるかに低く作成することができる。また光源および検出装置で必要とされるコストもまた従来のOCTシステムで必要とされるコストよりはるかに低いものとなる。
【0019】
これらを考慮すると、プローブは極めて一般的な手法、たとえば静脈内カテーテルの配置、または腰椎穿刺時の誘導などの際に用いられてもよい。さらに、コスト削減およびシステム構成部品を小型化するためにも本発明は携帯型装置で実現されるものであってもよい。
【0020】
本発明の他の特長および利点は、後述される添付の特許請求の範囲に関連して、本発明の実施形態の詳細な説明を読むことにより明らかにされる。
【0021】
本発明のさらなる目的、特長および利点は、本発明の実施形態を図示して説明する添付の図面に関連して後述される発明の詳細な説明を読むことにより明らかにされる。
【0022】
本願明細書に参照される任意の特許、出願特許または公報特許は、参照としてその全体が記載されていることにも、さらに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2は、本発明のシステムにしたがった干渉計測距装置を用いて、本発明の一実施形態による組織10を識別するための組織識別システム2を示す。組織識別システム2は組織を識別するために一次元データセットを用いる。組織を識別するための十分な情報を得るために二次元データを用いる多くの従来技術システムとは異なり、組織識別システム2は一次元データセットを用いて組織を識別することができる。
【0025】
2つの組織タイプ間の相違は一次元データセットから理解することができる。
【0026】
たとえば
図1は、2つの異なる組織タイプの一次元干渉計測距装置体の軸横断走査を示す2つのグラフを示す。これらのグラフから理解されるように、(下方のグラフに示される)脂肪組織は、(上方のグラフに示される)筋肉組織と比較して大幅に異なる軸方向の反射側面を有する。組織識別システム5は画像システム5およびプローブ50を備える。
【0027】
画像システム5は光源12を有し、干渉計14内部に設けられる。干渉計14はファイバ光学干渉計14であってもよい。また、光源12の例示的な実施形態として本願明細書の開示において光が用いられているが、マイクロ波、無線周波、X線、その他類似のものなど他の適切な電磁照射が用いられてもよいことは理解されたい。
【0028】
干渉計14、または他の技術者に公知のビームスプリッタを、検体アームのパワー効率を高めるためのサーキュレータとして利用してもよい。干渉計14はビームスプリッタ18、参照アーム20、検体アーム24、少なくとも1つの検出器26に連係された通信機器を含む。
【0029】
光源12は干渉計14に、光源12から放出された光がビームスプリッタ18に伝達されるように連結される。ビームスプリッタ18が光源12により参照アーム20に向かって放出された光の部分を誘導する間に、光の残りの部分は検体アーム24に誘導される。参照アーム20は機構26を含む。
【0030】
機構26は時間に依存した光学遅延を生成する。特定の実施形態においては、機構26は移動可能な参照反射鏡または鏡であってもよい。移動可能な参照反射鏡または鏡は、特定の適用分野に適した可変時間遅延を生成してもよい。
【0031】
検体アーム24に連係する光学ファイバ29は、光学連結器58に連結される。光学連結器58はまた光学ファイバ25に連結されるが、このファイバは後述されるようにプローブ50内に挿入される。検体アーム24および参照アーム20から戻った光信号はビームスプリッタ18により組み合わされる。組織サンプル10(たとえば、
図1Aおよび1Bを参照のこと)内部の深さに関して、少なくとも1つの検出器26を有する2つのアーム間の干渉を測定することにより反射率が求められる。(すなわち光線を2つの垂直に偏光された光線に分岐することにより)たとえば、それぞれが偏光固有状態の2つの検出器26を用いて、組織複屈折の検出が実施されてもよい。
【0032】
用いられる干渉計測距装置のタイプに応じて、1つから4つの検出器26が使用されてもよい。
【0033】
特定の実施形態において、干渉計測距装置の3つのタイプのうち1つは、(1)光学時間ドメイン反射率計、(2)スペクトラルドメイン反射率計、(3)光学周波数ドメイン反射率計を用いてもよい。さらに他のタイプの干渉計測距装置を、組織識別システム2と共に用いてもよいことは理解されたい。
【0034】
光学時間ドメイン反射率計が用いられる場合は、光源12は広帯域光源であってもよく、干渉計14が必要である。参照アーム20は低速で、1秒当たり20から50の走査を行なう遅延走査を有する参照アームであってもよい。また検出器26は1つないし4つの検出器を含むものであってもよい。
【0035】
スペクトラルドメイン反射率計を用いる場合には、光源12は広帯域光源であり、干渉計14が求められる。検出アームは分光計を含み、検出器26は単一検出器を含む。また低コヒーレンス干渉分光法データは測定スペクトラムのフーリエ変換を取ることにより得られる
【0036】
これらの双方の開示内容は全て本願明細書に記載されている。光学周波数ドメイン反射率計を用いる場合には、光源12は掃引光学光源であり、干渉計14が必要とされる。検出器26は1つないし4つの検出器を有し、低コヒーレンス干渉分光法データは測定スペクトラムのフーリエ変換を取ることにより得られる。
【0037】
光学時間ドメイン反射率計に関する詳細、スペクトラルドメイン反射率計の詳細及び光学周波数ドメイン反射率計の詳細は、特許文献1および非特許文献1〜5に開示されている。
【0038】
本発明の他の実施形態において、干渉計14は、Mach−Zehinderの干渉計、Michelsonの干渉計、非往復式または循環式干渉計、Sagnac干渉計、Twyman−Green干渉計およびこれらと類するものであってもよい。
【0039】
プローブ50は、生態組織検査機器51を含んでもよく、この機器は注射器54にあわせて、内部を光学ファイバ25が貫通する穿孔を有する注射針52を含む。ファイバ25はプローブ50ひいては注射針52内に挿入されてもよい。
【0040】
注射針52およびファイバ25は経皮(また他の場合には)サンプルされる組織10に挿入されてもよい。他の例示的な実施形態においては、注射針52は一般的な注射外筒、特別な注射外筒、注射針、スチレットまたはこれらに類するものであってもよい。
【0041】
図3を参照すると、ファイバ25は
図3のA部分に示されるように、被覆加工60および劈開された光学ファイバコア62を含む。光信号はファイバ25を介して導かれて、光腰部64を形成する。光腰部の直径は約9ナノメートルでよい。他のレンズまたは光学装置はファイバ25に取り付けられて、組織内部深く焦点をあてるが、これには、屈折率勾配レンズとよばれることもある屈折率勾配レンズ66(
図3のB部参照)、ボールレンズ68(
図3のC部参照)、銅部分レンズ、マイクロレンズ、勾配付きファイバ端部、プリズムおよびこれらに類するものなどが含まれてもよい。また、ファイバ25は角度劈開されてもよく、または電磁照射の任意のパターンを生成するように構成されてもよい。
【0042】
特定の実施形態においては、被覆加工60の外径は直径で125ナノメートルであり、かつ光学ファイバコアの外径は直径で9ナノメートルである。
【0043】
コンピュータ断層撮影(CT)、磁気共鳴撮影画像(MRI)、超音波ガイダンスを用いて伝統的に行なわれる注射針による生検には、
図4に示されるようにファイバ25が生態組織検査注射針52に挿入されてもよく、また、穿刺生検機器内に内蔵されてもよく、注射針52のルーメン70を介して挿入されてもよい。
【0044】
これらの手法タイプでは細密な注射針吸引を用いない。腫瘍または塊を手作業で認識することはできないが、CTまたはMRIなどの非観血的画像技術を介することにより始めて認識が可能となる。これらおよび他の誘導型の穿刺生検手法は、より大型でありかつ、より長い注射針を用いてもよく、その際には生態組織検査手法の誘導補助をするファイバ25を用いる。
【0045】
細密注射針吸引用のプローブ50の注射針52にファイバ25を挿入するためには、ファイバ25は開口部72を介して挿入されてもよいが、
図5では開口部72を本体内に図示していない。注射器51の本体内、次いで、(1)
図5に示されるように注射針52内部へ、(2)注射器51のプランジャ74を介して次いで
図6に示されるように注射針52を介して、(3)
図7で示されるように、注射器51と注射針52との間に取り付けられる中間片76を介して、および/または他の挿入構造により挿入されてもよい。プローブ50は、注射針52の先端部のファイバ25が自由運動を可能とするように構成されるとともに、組織10から吸引を行なうことができるように構成されてもよい。
【0046】
図8に示されるように例示的な実施形態において、中間またはホルダを使用する際には注射器と注射針との間で用いてもよい。これにより、標準的な注射針および注射器を用いることが可能となる。
【0047】
例示的な実施形態においては、プローブ100は組織を識別するために上述されるように画像システム5を用いる。プローブ100は、画像システム5の一方の端部に取り付けられた入力部ファイバ102と、他方の端部に取り付けられた光学連結器58とを含む。
【0048】
光学ファイバ102はシングルモード入力部ファイバ104に連結される。光学ファイバ102は、注射器108と注射針留め部110との間に配置される中間アダプタ106を介して挿入される。注射針112は、注射針留め部110に取り付けられる。
【0049】
運動検出変換器114は、ファイバ104の外部面と注射針112の内径面との間の過小な空間として用いられてもよい。運動検出変換器114は一般にファイバ104が再配置されて組織10の吸引を可能とするようになされてもよい。運動検出変換器114は手動の運動検出変換器、自動運動検出変換器、またはこれらに類するものであってもよい。本発明の他の例示的な実施形態においては、注射針留め部110はルアー留め部である。
【0050】
図9は組織識別システム122を示すもので、このシステムは、当該技術ではガン120として既知である機器内部に保持された注射器108を含む。この構成により、組織10は注射針112の内腔部へ容易に吸引されうる。上述された多くの構成部品はまた、アクセスを容易にするとともに利便性を高めるために、組織識別システム122に取り付けられてもよい。
【0051】
図10は本発明のさらなる実施形態にしたがったアクセス、胸膜、腹膜タップおよびこれに類するものにカニューレ200を配置するための例示的な操作を示す。カニューレ200には誘導カテーテル202およびファイバ光学プローブ204が含まれる。ファイバ光学プローブ204は誘導カテーテル202内部に設けられる。またプローブ204は
図11に示されるように、誘導カテーテル202のルーメン206を介して挿入されてもよい。
【0052】
図12は本発明のさらに別の例示的な実施形態300にしたがったプローブ306の内部操作を図示する。プローブ306は電気焼灼器機器301内部に取り付けられる。光学窓302はファイバ最端部304の近傍に配置されて、焼灼器電極308による熱的な損傷からプローブ306を保護してもよい。さらに他の実施形態においては、プローブ306は電気焼灼器機器301内部に取り付けられるのではなく、小刀、独立式携帯型機器およびこれらに類するものに取り付けられてもよい。光学窓302はサファイアで作成されてもよい。
【0053】
ファイバ光学プローブ25の注射針52への挿入を容易にするためには、
図13のセクションAに示されるように、標準的な注射針ハウジング402の内部ルーメン400を改変して、改変された注射針406の内部ルーメン404に勾配がつけられてもよい。
【0054】
図14は干渉計測距装置プローブ光学連結器500を図示するものであり、本発明にしたがって用いられてもよい光学連結器58の1つの側である。光学連結器58は、プローブ50を画像システム5に連結するが、これは頑強であるとともに容易に使用されるものでなければならない。
【0055】
他の実施形態においては、光学連結器58はプローブ50に取り付けられ露出した、比較的安価なファイバ連結器と、画像システム5に取り付けられた比較的高価な干渉計測距装置プローブ光学連結器500とを備える。プローブ50に取り付けられ露出したファイバ連結器を使用することでプローブ50のコストを上げることはない。
【0056】
光学連結器58のより高価な部分は、画像システム5に取り付けられる。干渉計測距装置プローブ光学連結器500は、露出ファイバ連結器に係合されて、連結部が頑強なものとなるように構成される。干渉計測距装置プローブ光学連結器500は(角度劈開された)劈開ファイバ502を含み(この近接端部は画像システム5に連結されるが、図面を明瞭にするために図示されない)、勾配のついたV字型溝部508に連結されたフェルール506を有するハウジング504を介して挿入されてもよい。
【0057】
勾配のついたV字型溝部508はファイバ停止部510により成端される。ハウジング504の端部はテーパ部516を備え、このテーパ部を介してファイバ518が挿入される。ファイバ518はファイバ停止部510に達するまでテーパ部516を介してハウジング504に挿入される。ファイバ518が停止すると、クランプ512はファイバ518を、ファイバとファイバとの接続装置から離間して定位置に支持し、このため、気体または流体間隙514が保持される。ファイバ518はプローブ50に連結される。他の実施形態においては、平坦な劈開部に連結器ゲルを用いて、間隙514からの後方反射を除去してもよい。
【0058】
組織識別システム2による手法を行っている間に発生する組織10に関する特定の情報を利用者に伝達するために、多くの自由選択の機構または装置が用いられて構成されてもよい。
【0059】
図15はシステム600の概略図を示すもので、システムは、光学連結器58を介してファイバ25に連結された画像システム5および光学ファイバ29の構成要素を有する。ファイバ25は、注射器51に動作可能に連係し、かつ注射針52の内腔部を通過する。ホルダ612は注射器注射外筒614により注射器51に連係する。フィードバック装置620は複数の方法のうち任意の方法により連係されてもよい。
【0060】
ホルダ612は注射器51に取り付けられてもよい。例示的な実施形態においては、ホルダ612は注射器51に、スナップ嵌合、着脱可能な接着剤、クランプ法、クリップ法またはこれらに類する方法により、着脱可能に取り付けられてもよいが、これらの方法に限定されるものではない。注射器51に着脱可能に取り付けられるホルダ612を有しているために、ホルダ612および連係されたフィードバック装置620は再使用されてもよく、かつ注射器608は使い捨て可能である。このため、従来の注射器の使用が可能となり、注文製作開発された高価なプローブ類を使用する必要性はなくなる。
【0061】
他の実施形態においては、ホルダ612はガンまたは注射器ホルダを用いた注射器51に着脱可能に取り付けられる。他の特定な実施形態においては、システム600は(
図9に関して上述される)ガンに一体的に関連付けられる。さらに他の実施形態においては、システム600はガン634に内蔵される。かかるシステムは、フィードバック装置620およびファイバ606を含み、かつ注射針610に組織を吸引するための医師の能力を向上させる。
【0062】
フィードバック装置620はシステム600の利用者に情報を提供するが、この情報にはシステム600が検出する特定の型の組織が含まれる。他の実施形態においては、フィードバック装置620はLED、VGA、または他の視覚フィードバックシステムなどの視覚表示である。
【0063】
LED表示部があるために、後述されるソフトウェアアルゴリズムおよび組織識別決定は出力部信号を用いて1または複数のLEDを駆動することができ、プローブ端部が異なる組織接続タイプを通過する際またはこれらの(たとえば脂肪対筋肉)タイプに近接する場合に作動可能である。先端部は、筋肉組織塊などの目的とする組織に接触すると、LED光を変化させたり、あるいは異なる色のLEDを作動させたりして、腫瘍が接触され、かつ生態組織検査吸引または他の標本抽出を開始してもよいというフィードバックを医師に提供してもよい。
【0064】
本発明のさらに他の実施形態においては、フィードバック装置620は可聴のトーン生成器であり、システム600により異なる組織または他の構造体が検出された場合には音によるフィードバックを提供する。
【0065】
さらに他の実施形態においては、フィードバック装置620は振動生成器である。視覚・聴覚・振動のそれぞれによるフィードバック装置は、簡単かつ有効なフィードバックをシステム600利用者に提供し、リアルタイムで信頼性のある生態組織検査プローブにより確実に焦点をあてることができる。
【0066】
さらに他の実施形態においては、フィードバック装置620は視覚表示スクリーンを用いて、一次元または二次元の起伏のある区画の画像の表示を行なうことができる。この画像には、zまたは画像を形成するための時間に対するI
zなどの組織内の深度の関数として、蓄積された後方散乱輝度が含まれる。
【0067】
画像表示装置はより詳細または多様なフィードバックをもたらすために、従来のCRT表示装置またはLCD表示装置であってもよい。画像表示装置は、従来の携帯電話表示部と同程度またはより小さいものでもよく、あるいはシステム600の利用者が組織10の拡大表示を得ることができるように、携帯電話表示部より大きいものであってもよい。
【0068】
フィードバック装置620は、物理的ケーブル接続部622またはワイヤレス接続により画像システム602に通信を可能にするため連結されている。ワイヤレス接続は無線周波数(「RF」)接続、電磁照射信号、またはこれに類するものであってもよい。ワイヤレス信号接続により、手術部位で生態組織検査プローブの重量を軽くしたり、ワイヤの数を少なくしたりすることが可能となる。
【0069】
フィードバックシステムを簡単に用いることができるため、医師は生態組織検査プローブを片手で操作することができ、かつフィードバックをプローブ本体に近接できるので、医師の注意および視覚的な焦点は生態組織検査領域を外れることはない。
【0070】
図16はさらなる実施形態を示し、フィードバック装置620には表示部630、手動の作動ボタンまたはスイッチ632、ガン634が含まれる。スイッチ632は、表示部630に動作可能に連結される。スイッチ632を始動させると、表示部630は、胸部組織、肝臓組織、脾臓組織、筋肉組織、リンパ組織、腎臓組織、前立腺組織およびこれらに類する組織などの生態組織検査の標準的な生態組織検査手法の選択項目を示すが、項目はこれらの組織に限定されるものではない。
【0071】
これらの生態組織検査手法はそれぞれ、皮膚、筋肉、筋膜、およびこれらに類するものを含む比較的安定した各層を介して、所定の手法と同様の順序で通過するプローブ50を含む。たとえば腰椎穿刺でのプローブ50で生じる層は、皮膚筋膜、椎骨、筋肉、筋膜、椎間板、硬膜下空間、硬膜外空間、幹脊髄液領域、の順序である。
【0072】
これらの組織それぞれは比較的安定した、画定できる画像信号ピークを生成することができるが、これを比較画像診断により相当な患者ベースで標準化した場合、実際の患者データに対して標準化されたデータの曲線を差し引くことにより、生態組織検査手法中に発生しうる状況を正確に提供するものである。
【0073】
注射針先端部が各層を通過すると、画像システム600は実際の信号を検出し、前記信号と、データベース内に記憶された参照信号とを、比較する。たとえば、(
図1に示される)zの干渉計測距走査を取ることにより、I(z)を得たり、時間に対するdI/dzの導関数を取ったりすることにより、サンプルのピークに対応する一連の線を得ることもできる。
【0074】
種々の連続ピークはフィードバック装置620で表示されて、利用者にプローブの場所を正確にフィードバックしたり、プローブの対象領域への誘導を支援したりすることができる。フィードバック装置はまた「反アルゴリズム」を取り入れることにより、プローブが逸れたり、標的部位を行き過ぎたり、あるいは腰椎穿刺の例のような特定の手法を行なっている間に検出された予測外の組織タイプを発見した場合、対象領域を通過して神経に触れた場合などには、即座にフィードバックを提供してもよい。
【0075】
このようなフィードバックにより医師は、プローブ先端部を適切な領域に再配置することができる。
【0076】
本発明にしたがったシステムおよびプロセスはまた、標的部位が達せられた場合を算定することができる。標的部位に達する時間を算定するためには、システムは反射光からデータを加工し、所定の手法中の標的部位内の組織タイプを示す後方散乱シグニチャを予測する。
【0077】
かかる加工作業では、特徴抽出がなされ、これらの特徴は組織タイプを予測するモデル内に挿入される。モデルは物理的モデル、計量化学モデル、またはこれら2つのモデルの組み合わせであってもよい。物理的モデルは一般に、光の散乱の物理的な原則に基づいて散乱信号を予測する。計量化学モデルは訓練セットを用いたり、部分的最小二乗法(「PLS」)または主成分分析(「PCA」)などの技術を用いて統計的に特徴を抽出したりする。
【0078】
このようなモデルは既知のサンプルに基づいて開発され、新データはこのモデルを用いて試験されてもよい。また干渉縞を得て加工することにより複屈折、ドップラーフロー、スペクトラル特性を含む他の組織特性を決定してもよいこともまた理解されたい。
【0079】
組織識別は、前記輝度、複屈折、ドップラー、分光軸的反射率プロファイルおよび/またはこれらに類するものを視覚化することにより達成されてもよい。さらに、反射率走査の周波数スペクトラム(輝度データのフーリエ変換)は散乱構造の空間に関する情報を提供することとなる。
【0080】
より洗練された分析は、分散分析、(フラクタル次元、空間階調同時発生マトリックスパラメータ、マルコフ距離、エッジカウントを含む)一次元組織識別、(フーリエドメインおよび時間ドメインを含む)電源スペクトラル分析、n次ヒストグラムモーメント分析、相関技術を用いた(1つの走査と固定時間により分離された他の走査を比較する)反射率情報の時間分析を含むが、これらに限定されるものではなく、これらにより観察された組織のタイプに関連する情報が得られる。
【0081】
組織タイプを特徴づけるために用いられてもよい他の主な定量的な基準には、後方散乱係数、全減衰係数の測定、多重錯乱の開始からの異方性係数(粒径)の推定、コヒーレンスゲート光散乱分光を用いた検出スペクトラムからの粒子形状および寸法またはこれらに類するものがあげられる。
【0082】
以下の組織特性の説明的なリストは、本発明のシステムおよびプロセスを用いて見出されてもよい。リストには脂肪組織、筋肉組織、膠原質、神経組織、リンパ腺組織、壊死組織、血液、腺性組織およびこれらに類するものが含まれる。
【0083】
脂肪組織は、水分ピーク時での低吸収度、LCI輝度画像からの高低空間周波数要素、高異方性係数を示す。筋肉組織は、水分ピーク時での高吸収度、穏やかな複屈折、穏やかな異方性、変動性の低下を示す。膠原質は極めて高い複屈折を示す。神経組織は、穏やかなものから高い複屈折、高い水分吸収度までと、パワースペクトル密度の低下とを示す。リンパ腺組織は低い異方性係数、低い時間変動性を示す。壊死組織は、LCI信号の高い時間変動性、高い減衰、係数、高い水分吸収度、低い複屈折を示す。血液は高いドップラーシフト、高い水分吸収度、高い全減衰、係数、高い時間変動性を示す。腺性組織は穏やかな空間周波数変動性、低い複屈折を示す。本発明は、たとえば多様式システムなどの分析方法の複数の使用を意図していることを理解されたい。
【0084】
これにより組織タイプの高度な検出および分析がもたらされうる。
【0085】
図17は、本発明の例示的な実施形態にしたがった繊維性組織から脂肪組織を識別するためのプロセス700を示す。システム600により測定された信号は、M個の体軸横断走査平均である。システム600は、ブロック702において信号閾値T1を用いて組織サンプル面を検出する。
【0086】
検出された信号はブロック704においてN個の窓に分割される。ブロック706において信号加工がなされて、それぞれの窓における信号の平均偏差(ADEV)および標準偏差(STDEV)など(たとえば、1992年、Press、Wらの著によるNew YorkのCambridge University Press、NY発行の「Numerical Recipes in C」に記載された技術などを含むが、これに限定されない。)が算出されるように、干渉計測距装置信号から導き出されたパラメータが得られる。
【0087】
それぞれの窓は、閾値T2が超過されて、ブロック708において深さzの関数として組織タイプを得る場合に決定を行なうように試験される。ブロック710でシステム600が、ADEV(またはSTDEV)は閾値T2より大きいと判断すると、組織はリピドとみなされ、プロセス700はブロック712に進む。
【0088】
別様に、組織はおそらくリピドではない場合には、プロセス700はブロック714へと進む。
【0089】
本技術の適用分野として、術中誘導、穿刺生検誘導を行なうための組織識別、細密注射針吸引、画像誘導型の生態組織検査、周縁または中央静脈内あるいは動脈内カテーテルの誘導配置およびこれらに類するものを含んでもよい。画像の異なる方法は、異なる適用分野のために用いられてもよい。
【0090】
これらの異なる適用分野に含まれるものとして:誘導型の生態組織検査;セル方法論;静脈−動脈、パターンまたはドップラー認識;腰椎、パターン;療法誘導、パターン、光学方法;およびこれらに類するものが含まれる。
【0091】
プローブ50はまた、治療のためのターゲティングおよび到達機器として用いられてもよい。プローブ50は対象領域を画像にすることができるため、治療用の注射針の注入が確実に達し、ならびに/あるいは組織の屈折率の変化などの組織タイプおよび接続変化を検出することにより、組織または部位に確実に入るようにすることができる。
【0092】
組織が繊維性組織であるか脂肪組織であるかを判断するためには、プロセス700は標準的な画像加工技術を用いて、繊維質(脂肪)および脂肪組織を識別するためにデータを加工する。下の表1はデータの画像加工に続く繊維質および脂肪組織の異なる測定値を示す。
【表1】
【0093】
上の表では、感知性は真の陽性すなわち真の陽性+偽の陰性であり、また特異性は真の陰性、すなわち真の陰性+偽の陽性である。
【0094】
図18は本発明にしたがった組織を識別するための干渉計測距診断システム800を示す。システム800は13ミクロンの光学波長、300マイクロワット電源、48ナノメートルの帯域幅を有する光を放出するように構成された光源を用いる。光源によりシステム800は15ミクロンの解像度で組織を識別する。システム800は参照アームの低い走査周波数を用いるが、これはコヒーレントな画像を構築することがシステム800の目的ではないからである。
【0095】
いくつかのA走査平均を介して組織を識別するために情報が収集されてもよい。A走査は、参照アームの一掃討部により行なわれてもよく、この掃討部は一深さ走査に対応する。システム800はデジタルデータを加工するとともに記憶し、組織タイプ情報はリアルタイムでフィードバック機器上に表示される。
【0096】
システム800のLED光源は300マイクロワットのSUPERLUM社製のLEDであり、温度および電流量が制御される。光は偏波器Pによりビームスプリッタに送られるファイバ光学装置類を用いて直線的に偏光する。サンプルには2つの互いに直交するように偏光した光の状態で、複屈折情報を得るために呼びかけがなされる。
【0097】
2つの互いに直交するように偏光した光の状態は、光を前記ビームスプリッタを介して、2つの偏光制御PCパドルを、ビームスプリッタの各アームが一度に一個ずつ通過することにより生成される。2つの直交する偏光状態は、光をファイバ光学Michelson干渉計IFに誘導する、ファイバ光学サーキュレータCIRに交互に送られる。
【0098】
光学スイッチOSWは光学遅延線ODL検流計に同期され、このために偏光は一走査から他の走査へと交互に変化しうる。検流計駆動のレバーに取り付けられた逆反射鏡で構成された極めて簡単な遅延線を深さ走査のために用いた。
【0099】
干渉計IFの検体アームに取り付けられたプローブは、注射器の注射針に導入される裸のファイバを含む。後方散乱光はODLから入る光にコヒーレントに加えられ、かつ検出器D1、D2に送られる。偏光スプリッタPSは2つの直交する状態を選択するために用いられる。検出器の出力部信号はNIDAQカードを用いて前置増幅されるとともにデジタル化される。
【0100】
システムは、デジタル取得、フィルタリング、干渉縞の平均化を行い、(1)15ミクロンの解像度における深度輝度およびスペクトラル情報、(2)複屈折情報:ストロークパラメータ−IQUVの算出および位相遅延の抽出、(3)ドップラーシフト情報、の情報を提供する。
【0101】
図19は本発明の例示的な実施形態にしたがった信号加工の流れの流れ
図900を示す。組織識別の最も簡単な形態は2つの組織タイプの識別である。
図1から2つの組織タイプの相違が認められ、かつ死体脂肪と繊維質組織との違いを識別するための実効可能性の研究の結果を示す。たとえば、脂肪組織は、低い干渉計測距装置信号区分により分離された多重ピークの外観を有しているが、一方で繊維質組織は変動性の度合いが低く、かつ指数関数的に減衰する。
【0102】
本発明のいくつかの例示的な実施形態のみの詳細が上記に説明されてきたが、これらの例示的な実施形態において、本発明の新規な教示および利点を大幅に逸脱することなく、多くの改良が可能であることは当業者なら容易に理解されるであろう。したがってこのような改良は全て、後述される特許請求の範囲において画定される本発明の範囲内に含まれるように意図されるものである。