(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記自走装置は、前記自走装置側扉装置の開放時に前記自走装置の前面から進退自在とされた自走装置側給電ユニットと、前記自走装置が前記給電装置に接触したことを検出する自走装置側接触検出手段と、を備えており、
前記給電装置は、前記給電側扉装置の開放時に前記自走装置側給電ユニットが接続される給電側給電ユニットと、前記自走装置が前記給電装置に接触したことを検出する給電側接触検出手段と、を備えており、
前記自走装置側接触検出手段および前記給電側接触検出手段により、前記自走装置が前記給電装置に接触した状態を検出した場合にのみ、前記自走装置側扉装置および前記給電側扉装置を開放して、前記自走装置側給電ユニットを前記給電側給電ユニットに接続して給電を開始するものであることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の自走装置の充電システム。
前記位置ずれ吸収機構は、前記自走装置側端子部を支持する端子駆動部材または前記給電側端子部を支持する端子支持部材の少なくとも一方を弾性体により形成して構成されていることを特徴とする請求項8に記載の自走装置の充電システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、ロボットの充電を行う場所において、電極部分が外部に露出しているため、近くにいる人物が誤って電極に接触してしまうことがあり、感電などしてしまうおそれがあるという問題を有している。
【0006】
本発明は前記した点に鑑みてなされたものであり、ロボットや給電装置の近くにいる人物が電極部分に誤って接触してしまうことを確実に防止することができ、極めて安全に充電を行うことのできる自走装置の充電システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る自走装置の充電システムは、自走装置と、前記自走装置に給電する給電装置とを備え、
前記自走装置は、前記給電装置による充電のために、自己の位置に関する検出情報に基づいて前記給電装置を認識し、駆動制御により、認識した前記給電装置に接近してい
き、
前記自走装置は、自走装置側障害物検出手段を備え、
前記給電装置は、給電側障害物検出手段を備え、
前記給電側障害物検出手段は、前記自走装置の接近を確認した後、前記自走装置と前記給電装置との間における障害物の有無を検出することを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1において、前記自走装置側障害物検出手段および前記給電側障害物検出手段により、前記自走装置と前記給電装置との間における人物の有無を検出しながら、前記自走装置が前記給電装置に接近することを特徴とする。
請求項
3に係る発明は、請求項1
または請求項2において、前記自走装置は、認識した前記給電装置による充電を予約することを特徴とする。
【0008】
請求項
4に係る発明は、請求項1
から請求項3のいずれか一項において、前記自走装置は自走装置側通信部を備えており、前記給電装置は前記自走装置側通信部と通信可能な給電側通信部を備えており、
前記自走装置が前記給電装置に接近した場合に、前記自走装置側通信部により、前記自走装置が前記給電装置に接近した旨を前記給電側通信部に通信することを特徴とする。
請求項
5に係る発明は、請求項1から請求項
4のいずれか一項において、前記自走装置は、前記給電装置による充電の際に開放される自走装置側扉装置を備え、
前記給電装置は、前記自走装置への給電の際に開放される給電側扉装置を備え
ることを特徴とする。
請求項
6に係る発明は、請求項
5において、前記自走装置側扉装置及び前記給電側扉装置は、前記自走装置が前記給電装置に接触した際にのみ開放されることを特徴とする。
【0009】
請求項7に係る発明は、請求項
5または請求項6において、前記自走装置は、前記自走装置側扉装置の開放時に前記自走装置の前面から進退自在とされた自走装置側給電ユニットと、前記自走装置が前記給電装置に接触したことを検出する自走装置側接触検出手段と、を備えており、
前記給電装置は、前記給電側扉装置の開放時に前記自走装置側給電ユニットが接続される給電側給電ユニットと、前記自走装置が前記給電装置に接触したことを検出する給電側接触検出手段と、を備えており、
前記自走装置側接触検出手段および前記給電側接触検出手段により、前記自走装置が前記給電装置に接触した状態を検出した場合にのみ、前記自走装置側扉装置および前記給電側扉装置を開放して、前記自走装置側給電ユニットを前記給電側給電ユニットに接続して給電を開始するものであることを特徴とする。
【0010】
請求項
8に係る発明は、請求項
7において、前記自走装置側給電ユニットは、自走装置側端子部を備えており、前記給電側給電ユニットは、前記自走装置側端子部が接続される給電側端子部を備えており、
前記自走装置側端子部または前記給電側端子部には、前記自走装置側端子部と前記給電側端子部との接続時における位置ずれを吸収するための位置ずれ吸収機構が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項
9に係る発明は、請求項
8において、前記位置ずれ吸収機構は、前記自走装置側端子部を支持する端子駆動部材または前記給電側端子部を支持する端子支持部材の少なくとも一方を弾性体により形成して構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項
10に係る発明は、請求項
7から請求項
9のいずれか一項において、前記自走装置側接触検出手段は、接触センサであることを特徴とする。
【0013】
請求項
11に係る発明は、請求項
7から請求項
10のいずれか一項において、前記給電側接触検出手段は、接触センサであることを特徴とする。
【0014】
請求項
12に係る発明は、請求項
7から請求項
10のいずれか一項において、前記給電側接触検出手段は、接触検知ボタンであり、
前記自走装置には、前記接触検知ボタンを押動動作させるための押動用棒が前記自走装置の前面から進退自在に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1に係る発明によれば、
自走装置側障害物検出手段を備える自走装置が、まず、給電装置を認識した後、駆動制御により、当該認識した給電装置に接近していくので、例えば自走装置や給電装置の近くに人物がいた場合に、電極部分に誤って接触してしまうことを防止でき、極めて安全な自走装置の充電システムを得ることができる。また、
給電装置が、給電側障害物検出手段を備え、給電側障害物検出手段は、自走装置の接近を確認した後、自走装置と給電装置との間における障害物の有無を検出する。
請求項2に係る発明によれば、自走装置が給電装置に接近する際に、自走装置側障害物検出手段および給電側障害物検出手段により、自走装置と給電装置との間における人物の有無を検出しながら、自走装置が給電装置に接近するようにしているので、自走装置が給電装置に接触するまでの間に、自走装置と給電装置との間に人物が挟まれてしまうことを確実に防止することができ、安全に自走装置を給電装置に接触させることができる。
【0016】
請求項
4に係る発明によれば、自走装置に自走装置側通信部を設けるとともに、給電装置に自走装置側通信部と通信可能な給電側通信部を設け、自走装置が給電装置に接近した場合に、自走装置側通信部により、自走装置が給電装置に接近した旨を給電側通信部に通信するようにしているので、給電装置により自走装置が接近していることを認識することができる。
【0017】
請求項7に係る発明によれば、自走装置側接触検出手段および給電側接触検出手段により、自走装置が給電装置に接触した状態を検出した場合にのみ、自走装置側扉装置および給電側扉装置を開放して、自走装置側給電ユニットを給電側給電ユニットに接続して給電を開始するようにしているので、従来のように、電極部分が外部に露出しておらず、自走装置や給電装置の近くに人物がいた場合に、電極部分に誤って接触してしまうことを確実に防止することができ、極めて安全な自走装置の充電システムを得ることができる。
【0018】
請求項
8に係る発明によれば、自走装置側給電ユニットに自走装置側端子部を設けるとともに、給電側給電ユニットに自走装置側端子部が接続される給電側端子部を設け、自走装置側端子部または給電側端子部に、自走装置側端子部と給電側端子部との接続時における位置ずれを吸収するための位置ずれ吸収機構を設けるようにしているので、自走装置が給電装置に接触する際に、多少の位置ずれが生じた場合でも、位置ずれ吸収機構により、自走装置側端子部と給電側端子部との接続時における位置ずれを吸収することができ、自走装置側端子部と給電側端子部とを確実に接続させることができる。
【0019】
請求項
9に係る発明によれば、位置ずれ吸収機構を、自走装置側端子部を支持する端子駆動部材または給電側端子部を支持する端子支持部材の少なくとも一方を弾性体により形成して構成するようにしているので、簡単な構成で、自走装置側端子部と給電側端子部との接続時における位置ずれを確実に吸収することができる。
【0020】
請求項
10に係る発明によれば、自走装置側接触検出手段を接触センサとしているので、接触センサにより、自走装置が給電装置に接触したことを確実に検出することができる。
【0021】
請求項
11に係る発明によれば、給電側接触検出手段を接触センサとしているので、接触センサにより、自走装置が給電装置に接触したことを確実に検出することができる。
【0022】
請求項
12に係る発明によれば、給電側接触検出手段を接触検知ボタンとし、自走装置に接触検知ボタンを押動動作させるための押動用棒を自走装置の前面から進退自在に設けるようにしているので、自走装置が給電装置に接触した際に、押動用棒を自走装置の前面から突出させて接触検知ボタンを押動させることにより、自走装置が給電装置に接触したことを確実に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における全体構成を示す概略図である。
【
図2】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態を示す
図1の給電ユニット部分における横断面図である。
【
図3】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態におけるロボット側給電ユニット部分を示す概略図である。
【
図4】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における給電側給電ユニット部分を示す概略図である。
【
図5】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態におけるロボット側給電ユニット部分の変形例を示す概略図である。
【
図6】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における給電側給電ユニット部分の変形例を示す概略図である。
【
図7】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における電極端子を示す概略図である。
【
図8】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における電極端子の変形例を示す概略図である。
【
図9】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における電極端子の変形例を示す概略図である。
【
図10】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【
図11】本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態における動作を示すフローチャートである。
【
図12】本発明に係る自走装置の充電システムの第2実施形態における全体構成を示す概略図である。
【
図13】本発明に係る自走装置の充電システムの第2実施形態を示す
図12の押動用棒部分における横断面図である。
【
図14】本発明に係る自走装置の充電システムの第2実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【
図15】本発明に係る自走装置の充電システムの第2実施形態における動作を示すフローチャートである。
【
図16】本発明に係る自走装置の充電システムの第3実施形態における全体構成を示す概略図である。
【
図17】本発明に係る自走装置の充電システムの第3実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【
図18】本発明に係る自走装置の充電システムの第3実施形態における動作を示すフローチャートである。
【
図19】本発明に係る自走装置の充電システムの第4実施形態における全体構成を示す概略図である。
【
図20】本発明に係る自走装置の充電システムの第4実施形態における制御構成を示すブロック図である。
【
図21】本発明に係る自走装置の充電システムの第4実施形態における動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1および
図2は本発明に係る自走装置の充電システムの第1実施形態を示す概略図であり、本実施形態においては、自走装置として、自律走行可能なロボットを用いた場合の例を示している。本実施形態における自走装置の充電システムは、ロボット1と、給電装置2とを備えている。給電装置2は、少なくとも1カ所に設置されるものであり、必要に応じて複数設置するようにしてもよい。
【0026】
ロボット1は、利用目的に応じて任意の外形に形成されるものであり、本実施形態においては、
図2に示すように、ロボット1の前面は、水平面において前側中央が突出するように湾曲した凸面状に形成されている。また、ロボット1の前面には、開口が形成されており、この開口部分には、開口を開閉するためのシャッタ状の自走装置側扉装置としてのロボット側扉装置3が設けられている。ロボット側扉装置3は、本実施形態においては、開口の左右辺に設けられ、ロボット側開閉駆動機構4(
図10参照)により巻き取りまたは送り出し駆動することにより、左右に開閉動作する構造とされている。
【0027】
また、
図2に示すように、給電装置2の前面は、ロボット1の前面が当接した状態で、ロボット1の前面と当接するように前側中央が窪んだ凹面状に形成されている。給電装置2の前面には、ロボット1が当接した状態で、ロボット1の開口と連通する開口が形成されており、この開口部分には、ロボット側扉装置3と同様の構成とされ給電側開閉駆動機構5(
図10参照)により開閉動作される給電側扉装置6が設けられている。
【0028】
また、ロボット1の内部には、自走装置側給電ユニットとしてのロボット側給電ユニット7が設けられており、
図3に示すように、ロボット側給電ユニット7は、棒状の端子駆動部材8を備えている。端子駆動部材8の先端部には、先端部側が小径とされた円錐台形状に形成された自走装置側端子部としてのロボット側端子部9が取付けられており、ロボット側端子部9の先端部には、(+)側電極10および(−)側電極11がそれぞれ形成されている。端子駆動部材8は、端子駆動機構12(
図10参照)により、ロボット1が給電装置2に当接してロボット側扉装置3および給電側扉装置6がそれぞれ開放した状態で、給電装置2の内部側に伸張されるように伸縮動作自在に構成されている。
【0029】
また、給電装置2の内部には、給電側給電ユニット13が設けられており、
図4に示すように、給電側給電ユニット13には、給電側端子部14が設けられている。給電側端子部14は、ロボット側端子部9と接触するため円錐台形状の凹部を有するように形成されており、この凹部には、ロボット側端子部9の先端部に形成された(+)側電極10および(−)側電極11とそれぞれ接触するための(+)側電極15および(−)側電極16がそれぞれ形成されている。
【0030】
なお、
図5および
図6に示すように、2つの端子駆動部材8の先端部に、それぞれロボット側端子部9を取付け、これら各ロボット側端子部9の先端部に、(+)側電極10および(−)側電極11をそれぞれ形成するようにしてもよい。また、
図6に示すように、このロボット側端子部9に合わせて、給電側端子部14に2つの凹部を形成し、これら各凹部に、(+)側電極15および(−)側電極16をそれぞれ形成するようにしてもよい。
【0031】
また、
図7に示すように、本実施形態においては、給電側端子部14は、弾性体からなる端子支持部材17に支持されており、この端子支持部材17により位置ずれ吸収機構が構成されている。ここで、ロボット側端子部9が端子駆動部材8により、給電装置2の内側に伸張されてロボット側端子部9が給電側端子部14に当接される際に、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とが一致していれば、何ら問題はないが、ロボット1の停止位置のわずかな誤差により、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とが一致しない場合がある。本実施形態においては、給電側端子部14を端子支持部材17に支持させることにより、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合でも、ロボット側端子部9の中心軸に併せて給電側端子部14が傾いて、各中心軸のずれを吸収し、その結果、ロボット側端子部9を給電側端子部14に確実に密接させることができるように構成されている。
【0032】
なお、例えば、
図8に示すように、ロボット側端子部9の端子駆動部材8を弾性体により形成し、これにより、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合に、給電側端子部14の中心軸に併せてロボット側端子部9が傾いて、各中心軸のずれを吸収するようにしてもよい。また、
図9に示すように、端子駆動部材8を緩く取付け、端子駆動部材8が揺動できるように形成し、これにより、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合に、給電側端子部14の中心軸に併せてロボット側端子部9が揺動して、各中心軸のずれを吸収するようにしてもよい。
【0033】
また、ロボット1の下部には、走行用の車輪18が取付けられており、ロボット1の内部には、車輪18を駆動するための走行用モータ19(
図10参照)が内蔵されている。ここで、本実施形態においては、ロボット1には、ロボット1の位置情報を取得するGPSなどの位置センサ20(
図10参照)が搭載されており、メモリ21(
図10参照)には、地図情報があらかじめ記録されているとともに、車輪18の回転履歴を記録するように構成されている。そして、位置センサ20によりロボット1の現在位置を取得し、このロボット1の現在位置とメモリ21の地図情報および車輪18の回転履歴情報とを照合しながら、走行用モータ19を駆動制御することにより、ロボット1を目的の位置に自動的に走行させることができるように構成されている。
【0034】
また、ロボット1の上部前面には、カメラ22が搭載されており、カメラ22により撮影された画像に基づいて走行方向前方の障害物を認識するように構成されている。また、ロボット1の前面には、前方における障害物の有無を検出するための自走装置側障害物検出手段としてのロボット側レーザセンサ23が搭載されており、ロボット1の周囲には、周囲における障害物の有無を検出するための超音波センサ24が搭載されている。さらに、ロボット1の前面には、給電装置2との接触状態を検出するためのロボット側接触検出手段としてのロボット側接触センサ25が搭載されている。
【0035】
また、給電装置2の前面には、前方における障害物の有無を検出するための給電側障害物検出手段としての給電側レーザセンサ26が搭載されており、給電装置2の前面には、ロボット1との接触状態を検出するための給電側接触検出手段としての給電側接触センサ27が搭載されている。
【0036】
また、ロボット1には、ロボット側アンテナ28が搭載されており、給電装置2には、給電側アンテナ29が搭載されている。ロボット側アンテナ28と給電側アンテナ29とは、無線LANルータ30(
図10参照)を介して通信可能とされている。
【0037】
図10は、本発明に係る自走装置の充電システムの制御構成を示したものであり、ロボット1は、ロボット側制御部31および各部に電力を供給するためのバッテリ32を備えている。ロボット側制御部31には、メモリ21、走行用モータ19、カメラ22、位置センサ20、ロボット側レーザセンサ23、超音波センサ24、ロボット側接触センサ25、ロボット側開閉駆動機構4、端子駆動機構12およびロボット側アンテナ28を介して通信を行う自走装置側通信部としてのロボット側通信部33がそれぞれ接続されている。そして、カメラ22による画像情報や位置センサ20、ロボット側レーザセンサ23、超音波センサ24、ロボット側接触センサ25による検出情報に基づいて、走行用モータ19、ロボット側開閉駆動機構4および端子駆動機構12をそれぞれ駆動制御するように構成されている。
【0038】
また、給電装置2は、給電側制御部34を備えており、給電側制御部34には、給電側端子部14への給電を行う給電部、給電側レーザセンサ26、給電側接触センサ27、給電側開閉駆動機構5および給電側アンテナ29を介して通信を行う給電側通信部35がそれぞれ接続されている。そして、給電側レーザセンサ26、給電側接触センサ27による検出情報に基づいて、給電側開閉駆動機構5を駆動制御するように構成されている。さらに、ロボット側端子部9が給電側端子部14に接続された際には、給電側給電部40により給電側端子部14への通電制御を開始し、ロボット側給電部41を介してバッテリ32に充電が行われるように構成されている。
【0039】
次に、本実施形態の動作について、
図11に示すフローチャートを参照して説明する。
【0040】
本実施形態においては、ロボット1のバッテリ32の残量が少なくなったら(ST1:YES)、ロボット1は、空いている給電装置2を探すため、各給電装置2とロボット側通信部33および給電側通信部35を介して通信を行う。ロボット1は、空いている給電装置2のうち、現在のロボット1の位置から最も近い場所にある給電装置2の充電を予約し(ST2)、走行用モータ19により車輪18を駆動制御することにより、予約した給電装置2に向かって移動する(ST3)。
【0041】
そして、ロボット1が給電装置2から数m以内に接近したら(ST4)、ロボット側通信部33により、給電装置2にロボット1が接近した旨を送信する(ST5)。給電装置2が、ロボット1が接近した旨を受信したら、給電装置2は、給電装置2とロボット1との間の空間に人物がいるか否かを給電側レーザセンサ26による見張りを開始する(ST6)。
【0042】
一方、ロボット1は、超音波センサ24およびロボット側レーザセンサ23により、障害物が接近していないことを確認しながら、位置センサ20およびレーザセンサによる検出情報、地図情報および車輪18の回転履歴情報に基づいて、給電装置2に近づいていく(ST7)。そして、ロボット側接触センサ25および給電側接触センサ27により、ロボット1の前面が給電装置2の前面に接触したことを検出したら(ST8:YES)、ロボット1の位置センサ20の位置情報および給電側レーザセンサ26の検出情報により、給電装置2に接触したのは、ロボット1であることを確認する(ST9)。
【0043】
そして、給電装置2に接触したのがロボット1である場合には(ST9:YES)、ロボット側開閉駆動機構4および給電側開閉駆動機構5を同時に動作させて、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を同時に開動作させる(ST10)。続いて、端子駆動機構12を動作させて端子駆動部材8を伸張させ、ロボット側端子部9を給電側端子部14に密接させる(ST11)。このとき、給電側端子部14を端子支持部材17により支持するようにしているので、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合でも、ロボット側端子部9の中心軸に併せて給電側端子部14が傾き、ロボット側端子部9を給電側端子部14に確実に密接させることができる。その後、給電部を制御して給電側端子部14に電力を供給して、ロボット1への給電が開始される(ST12)。
【0044】
以上述べたように、本実施形態においては、給電装置2にロボット1が当接した状態を確認した場合にのみ、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を開放して、給電を開始するようにしているので、従来のように、電極部分が外部に露出しておらず、ロボット1や給電装置2の近くに人物がいた場合に、電極部分に誤って接触してしまうことを確実に防止することができ、極めて安全な自走装置の充電システムを得ることができる。
【0045】
次に、本発明の第2実施形態について、
図12から
図14を参照して説明する。
【0046】
本実施形態においては、給電装置2には、給電側接触検出手段としての接触検知ボタン36が設けられており、ロボット1には、接触検知ボタン36を押動動作させるための押動用棒37が押動駆動機構38(
図14参照)によりロボット1の前面から進退自在に設けられている。そして、本実施形態においては、給電装置2の給電側接触センサは、設けられていない。
【0047】
その他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0048】
次に、本第2実施形態の動作について、
図15に示すフローチャートを参照して説明する。
【0049】
本実施形態においては、ロボット1のバッテリ32の残量が少なくなったら(ST20:YES)、ロボット1は、空いている給電装置2を探すため、各給電装置2とロボット側通信部33および給電側通信部35を介して通信を行う。ロボット1は、空いている給電装置2のうち、現在のロボット1の位置から最も近い場所にある給電装置2の充電を予約し(ST21)、走行用モータ19により車輪18を駆動制御することにより、予約した給電装置2に向かって移動する(ST22)。
【0050】
そして、ロボット1が給電装置2から数m以内に接近したら(ST23)、ロボット側通信部33により、給電装置2にロボット1が接近した旨を送信する(ST24)。給電装置2が、ロボット1が接近した旨を受信したら、給電装置2は、給電装置2とロボット1との間の空間に人物がいるか否かを給電側レーザセンサ26による見張りを開始する(ST25)。
【0051】
一方、ロボット1は、超音波センサ24およびロボット側レーザセンサ23により、障害物が接近していないことを確認しながら、位置センサ20およびレーザセンサによる検出情報、地図情報および車輪18の回転履歴情報に基づいて、給電装置2に近づいていく(ST26)。そして、ロボット1の押動駆動機構38を動作させて、押動用棒37をロボット1の前面から突出させ(ST27)、給電装置2の接触検知ボタン36を押動することにより、ロボット1の前面が給電装置2の前面に接触したことを検出する(ST28:YES)。ロボット1の前面が給電装置2の前面に接触したことを検出したら、ロボット1の位置センサ20の位置情報および給電側レーザセンサ26の検出情報により、給電装置2に接触したのは、ロボット1であることを確認する(ST29)。
【0052】
そして、給電装置2に接触したのがロボット1である場合には(ST29:YES)、ロボット側開閉駆動機構4および給電側開閉駆動機構5を同時に動作させて、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を同時に開動作させる(ST30)。続いて、端子駆動機構12を動作させて端子駆動部材8を伸張させ、ロボット側端子部9を給電側端子部14に密接させる(ST31)。このとき、給電側端子部14を端子支持部材17により支持するようにしているので、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合でも、ロボット側端子部9の中心軸に併せて給電側端子部14が傾き、ロボット側端子部9を給電側端子部14に確実に密接させることができる。その後、給電部を制御して給電側端子部14に電力を供給して、ロボット1への給電が開始される(ST32)。
【0053】
以上述べたように、本実施形態においても前記第1実施形態と同様に、給電装置2にロボット1が当接した状態を確認した場合にのみ、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を開放して、給電を開始するようにしているので、従来のように、電極部分が外部に露出しておらず、ロボット1や給電装置2の近くに人物がいた場合に、電極部分に誤って接触してしまうことを確実に防止することができ、極めて安全な自走装置の充電システムを得ることができる。
【0054】
次に、本発明の第3実施形態について、
図16および
図17を参照して説明する。
【0055】
本実施形態においては、第1実施形態における給電側扉装置6に、片開き扉、両開き扉、回転扉、スライド扉、引き込み扉などの給電側扉装置6を設置し、この給電側扉装置6に、給電側扉装置6を閉状態でロックするための扉ロック機構39を設置するようにしたものである。この扉ロック機構39としては、例えば、ソレノイド機構、電気錠、電子ロック機構など公知の機構が考えられる。
【0056】
その他の構成は、前記各実施形態と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0057】
次に、本第3実施形態の動作について、
図18に示すフローチャートを参照して説明する。
【0058】
本実施形態においては、ロボット1のバッテリ32の残量が少なくなったら(ST40:YES)、ロボット1は、空いている給電装置2を探すため、各給電装置2とロボット側通信部33および給電側通信部35を介して通信を行う。ロボット1は、空いている給電装置2のうち、現在のロボット1の位置から最も近い場所にある給電装置2の充電を予約し(ST41)、走行用モータ19により車輪18を駆動制御することにより、予約した給電装置2に向かって移動する(ST42)。
【0059】
そして、ロボット1が給電装置2から数m以内に接近したら(ST43)、ロボット側通信部33により、給電装置2にロボット1が接近した旨を送信する(ST44)。給電装置2が、ロボット1が接近した旨を受信したら、給電装置2は、給電装置2とロボット1との間の空間に人物がいるか否かを給電側レーザセンサ26による見張りを開始する(ST45)。
【0060】
一方、ロボット1は、超音波センサ24およびロボット側レーザセンサ23により、障害物が接近していないことを確認しながら、位置センサ20およびレーザセンサによる検出情報、地図情報および車輪18の回転履歴情報に基づいて、給電装置2に近づいていく(ST46)。そして、ロボット側接触センサ25および給電側接触センサ27により、ロボット1の前面が給電装置2の前面に接触したことを検出したら(ST47:YES)、ロボット1の位置センサ20の位置情報および給電側レーザセンサ26の検出情報により、給電装置2に接触したのは、ロボット1であることを確認する(ST48)。
【0061】
そして、給電装置2に接触したのがロボット1である場合には(ST48:YES)、扉ロック機構39を動作させて給電側扉装置6を解錠し(ST49)、その後、ロボット側開閉駆動機構4および給電側開閉駆動機構5を同時に動作させて、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を同時に開動作させる(ST50)。続いて、端子駆動機構12を動作させて端子駆動部材8を伸張させ、ロボット側端子部9を給電側端子部14に密接させる(ST51)。このとき、給電側端子部14を端子支持部材17により支持するようにしているので、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合でも、ロボット側端子部9の中心軸に併せて給電側端子部14が傾き、ロボット側端子部9を給電側端子部14に確実に密接させることができる。その後、給電部を制御して給電側端子部14に電力を供給して、ロボット1への給電が開始される(ST52)。
【0062】
以上述べたように、本実施形態においても前記第1実施形態および第2実施形態と同様に、給電装置2にロボット1が当接した状態を確認した場合にのみ、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を開放して、給電を開始するようにしているので、従来のように、電極部分が外部に露出しておらず、ロボット1や給電装置2の近くに人物がいた場合に、電極部分に誤って接触してしまうことを確実に防止することができ、極めて安全な自走装置の充電システムを得ることができる。
【0063】
次に、本発明の第4実施形態について、
図19および
図20を参照して説明する。
【0064】
本実施形態は、前記第2実施形態および第3実施形態を組み合わせるようにしたものである。すなわち、給電装置2には、接触検知ボタン36が設けられており、ロボット1には、接触検知ボタン36を押動動作させるための押動用棒37が押動駆動機構38によりロボット1の前面から進退自在に設けられている。また、給電側扉装置6には、扉ロック機構39が設置されている。
【0065】
その他の構成は、前記各実施形態と同様であるため、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0066】
次に、本第4実施形態の動作について、
図21に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
本実施形態においては、ロボット1のバッテリ32の残量が少なくなったら(ST60:YES)、ロボット1は、空いている給電装置2を探すため、各給電装置2とロボット側通信部33および給電側通信部35を介して通信を行う。ロボット1は、空いている給電装置2のうち、現在のロボット1の位置から最も近い場所にある給電装置2の充電を予約し(ST61)、走行用モータ19により車輪18を駆動制御することにより、予約した給電装置2に向かって移動する(ST62)。
【0068】
そして、ロボット1が給電装置2から数m以内に接近したら(ST63)、ロボット側通信部33により、給電装置2にロボット1が接近した旨を送信する(ST64)。給電装置2が、ロボット1が接近した旨を受信したら、給電装置2は、給電装置2とロボット1との間の空間に人物がいるか否かを給電側レーザセンサ26による見張りを開始する(ST65)。
【0069】
一方、ロボット1は、超音波センサ24およびロボット側レーザセンサ23により、障害物が接近していないことを確認しながら、位置センサ20およびレーザセンサによる検出情報、地図情報および車輪18の回転履歴情報に基づいて、給電装置2に近づいていく(ST66)。そして、ロボット1の押動駆動機構38を動作させて、押動用棒37をロボット1の前面から突出させ(ST67)、給電装置2の接触検知ボタン36を押動することにより、ロボット1の前面が給電装置2の前面に接触したことを検出する(ST68:YES)。ロボット1の前面が給電装置2の前面に接触したことを検出したら、ロボット1の位置センサ20の位置情報および給電側レーザセンサ26の検出情報により、給電装置2に接触したのは、ロボット1であることを確認する(ST69)。
【0070】
そして、給電装置2に接触したのがロボット1である場合には(ST69:YES)、扉ロック機構39を動作させて給電側扉装置6を解錠し(ST70)、その後、ロボット側開閉駆動機構4および給電側開閉駆動機構5を同時に動作させて、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を同時に開動作させる(ST71)。続いて、端子駆動機構12を動作させて端子駆動部材8を伸張させ、ロボット側端子部9を給電側端子部14に密接させる(ST72)。このとき、給電側端子部14を端子支持部材17により支持するようにしているので、ロボット側端子部9の中心軸と給電側端子部14の中心軸とがずれた場合でも、ロボット側端子部9の中心軸に併せて給電側端子部14が傾き、ロボット側端子部9を給電側端子部14に確実に密接させることができる。その後、給電部を制御して給電側端子部14に電力を供給して、ロボット1への給電が開始される(ST73)。
【0071】
以上述べたように、本実施形態においても前記各実施形態と同様に、給電装置2にロボット1が当接した状態を確認した場合にのみ、ロボット側扉装置3および給電側扉装置6を開放して、給電を開始するようにしているので、従来のように、電極部分が外部に露出しておらず、ロボット1や給電装置2の近くに人物がいた場合に、電極部分に誤って接触してしまうことを確実に防止することができ、極めて安全な自走装置の充電システムを得ることができる。
【0072】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能である。