特許第6087504号(P6087504)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087504アミノアルコールリピドイドおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087504
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】アミノアルコールリピドイドおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07C 215/14 20060101AFI20170220BHJP
   A61K 9/127 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 31/7088 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 38/00 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 47/28 20060101ALI20170220BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20170220BHJP
   C07B 57/00 20060101ALI20170220BHJP
   C07B 61/00 20060101ALI20170220BHJP
   C07C 213/04 20060101ALI20170220BHJP
   C07C 217/08 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 203/12 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 209/14 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 211/58 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 213/36 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 213/74 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 231/12 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 241/20 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 295/12 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 307/14 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 307/20 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 307/52 20060101ALI20170220BHJP
   C07D 317/72 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   C07C215/14CSP
   A61K9/127
   A61K9/14
   A61K31/7088
   A61K37/02
   A61K45/00
   A61K47/18
   A61K47/22
   A61K47/28
   A61K47/34
   C07B57/00 340
   C07B61/00 300
   C07C213/04
   C07C217/08
   C07D203/12
   C07D209/14
   C07D211/58
   C07D213/36
   C07D213/74
   C07D231/12 C
   C07D241/20
   C07D295/12
   C07D307/14
   C07D307/20
   C07D307/52
   C07D317/72
【請求項の数】19
【全頁数】168
(21)【出願番号】特願2011-535564(P2011-535564)
(86)(22)【出願日】2009年11月6日
(65)【公表番号】特表2012-508235(P2012-508235A)
(43)【公表日】2012年4月5日
(86)【国際出願番号】US2009006018
(87)【国際公開番号】WO2010053572
(87)【国際公開日】20100514
【審査請求日】2012年11月6日
【審判番号】不服2015-12649(P2015-12649/J1)
【審判請求日】2015年7月3日
(31)【優先権主張番号】61/166,518
(32)【優先日】2009年4月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/112,414
(32)【優先日】2008年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060697
【氏名又は名称】マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】マーン,ケリー,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ラブ,ケビン,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レビンス,クリストファー,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ホワイトヘッド,キャスリン,アン
(72)【発明者】
【氏名】ランガー,ロバート,エス.
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン,ダニエル,グリフィス
【合議体】
【審判長】 井上 雅博
【審判官】 瀬良 聡機
【審判官】 冨永 保
(56)【参考文献】
【文献】 特表2003−519199(JP,A)
【文献】 特公昭52−10847(JP,B1)
【文献】 特開昭49−127908(JP,A)
【文献】 特開昭51−23537(JP,A)
【文献】 特開平06−211978(JP,A)
【文献】 米国特許3956502第(US,A)
【文献】 特開平06−200073(JP,A)
【文献】 Aravind Asokan 外1名,Bioconjugate Chemistry,2004年,Vol.15,No.6,1166−1173
【文献】 L.Conte 外6名,Journal of Fluorine Chemistry,2005年,Vol.126,1276−1280
【文献】 Naoya Ichimaru 外8名,Biochemistry,2008,47,10816−10826
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
CA PLUS/REGISTRY STN
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項2】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]

からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項3】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項4】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項5】
化合物:
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
、またはその薬学的に許容し得る塩
および化合物:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
、またはその薬学的に許容し得る塩
を含む、混合物。
【請求項6】
式:
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項7】
式:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、化合物、またはその薬学的に許容し得る塩であり、ここで、Rは、次からなる群:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【請求項8】
式:
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項9】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項に記載の化合物。
【請求項10】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である、請求項に記載の化合物。
【請求項11】
式:
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、化合物、またはその薬学的に許容し得る塩であり、ここで、Rは、次からなる群:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【請求項12】
式:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、化合物、またはその薬学的に許容し得る塩。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容し得る塩;および薬剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
薬剤が、ポリヌクレオチド、タンパク質、ペプチド、および小分子薬物からなる群から選択される、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項15】
薬剤がポリヌクレオチドである、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項16】
ポリヌクレオチドがDNAである、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
ポリヌクレオチドがRNAである、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項18】
ポリヌクレオチドがdsRNA、siRNA、shRNA、miRNA、またはアンチセンスRNAである、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項19】
ポリヌクレオチドがタンパク質またはペプチドをコードする、請求項15に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35 U.S.C.§119(e)のもとで、米国仮出願である2008年11月7日出願USSN 61/112,414および2009年4月3日出願USSN 61/166,518の優先権を主張し、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
政府の支援
本発明は、米国国立衛生研究所による助成金番号2-R37-EB000244-29、5-U54-CA119349-03、および5-R01-EB000244-27のもとでの米国政府の支援によりなされた。米国政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
実験室での有望性にも関わらず、疾患の処置のための遺伝子療法の可能性はまだ実現されていない。遺伝物質を治療剤に転換する初期の試みは、臨床試験に関与した患者に、癌や、いくつかのケースにおいては死をもたらした。このような有害な結果は、遺伝物質にではなく、これらの試みにおいて用いられたウイルス送達システムに原因があるとされた。そのため、ウイルスベクターの送達効率を有するが、観察された副作用(例えば癌)を引き起こす突然変異誘発は回避する合成物質の開発への、強い関心が存在している。
【0004】
合成物質または非ウイルス性送達ベクターは、ユニークな方法で機能する種々の形態において存在する。ポリエチレンイミンまたはポリ(ベータ−アミノエステル)などのポリマー材料は、細胞内への送達のために、DNAを効率的に複合体化することが示されている。これらのクラスの送達剤におけるポリマーは、典型的にはアミン官能基を含み、これはDNAに静電気的に結合してナノ粒子を形成し、次にエンドサイトーシスを介して細胞に取り込まれるように働く。一旦細胞内に入ると、これらのアミン基はエンドソームを緩衝し、プロトン−スポンジ機構によるイオンの流入を引き起こすよう、作用する。その結果の細胞内小胞の突発は、粒子のペイロードの放出をもたらし、粒子は次に、DNAが発現される核へと自由に移動する。
【0005】
RNAベースの療法のメカニズムは異なるが、送達システムの目的は同じである。RNAは、活性を示すためには、細胞に複合体化され内部化されなければならない。多くの場合、ポリマー材料は、RNA送達については効率的に機能しない。その理由は、送達される治療用RNAの化学構造における差によるようであり、該RNAは一般に、各リボース環に追加のヒドロキシル部分を含む、短く直線状の断片である。これらの差のために、短鎖RNAとの複合体化に適した代替的非ウイルス性アプローチが必要とされる。RNAを取り込むリポソームまたはリポプレックスを形成し、またはナノ粒子を形成し、細胞によって効率的に内部化される物質により、期待できる結果が実現されている。
【0006】
脂質ベースの送達システムの形成に用いられる物質は、一般に正に荷電された頭部基と疎水性尾部とからなる。荷電部分は負に荷電されたRNAに静電的に結合するように機能し、一方疎水性尾部は、親油性粒子中への自己集合を引き起こす。かかるカチオン性脂質は期待を持たせるが、しかしウイルスベクターにより達成されるトランスフェクション効率に比べると、まだ劣っている。
【0007】
この分野ではほとんど前進がみられないが、その一部はこれらの脂質様分子の構造的多様性が限られているためであり、これらの構造にアクセスするために必要な合成手順の困難さの結果である。したがって、非ウイルス性脂質粒子送達システムの領域を前進させるためには、RNAを複合体化させ細胞膜にわたり物質を折り返し輸送することのできる、多様な分子をもたらし得る化学的形質転換について、検討することが必要である。これまで最も成功しているアプローチは、Andersonと同僚らによる貢献であり、彼らは直接的で単純な化学的形質転換を用いて脂質様物質のライブラリを作製した。この物質のセットは、マイケル付加として知られている効率的かつ周知の反応に基づいており、これは、アミンのアクリルアミドまたはアクリレートへのマイケル付加で、それぞれベータ−アミノアミドまたはベータ−アミノエステルを産生するものである。これらの構造は、長い疎水性アルキル鎖に結合したアミンコアからなる。アミンおよびマイケル受容体のセットから出発し、このチームは1000を超える化合物を生成し、RNAを複合体化し送達するそれらの能力について、ハイスループットアッセイにおいて試験した。このスクリーンにより、in vitroで現在の産業の標準であるリポフェクタミン2000より効率的な多数の化合物が同定され、これらは治療的用途での潜在的な使用について、現在in vivoで試験中である(Akinc et al., Nat. Biotech. 2008, (26) 561)。
【0008】
現存のアミン含有リピドイド物質と類似の特性を特徴とするが、全く異なる化学反応を通してアクセスされ、RNAならびに他の核酸および他の診断剤、治療剤、および予防剤を細胞に送達する能力を有する、脂質様分子の新しいセットに対する継続した要求が存在する。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、薬物送達のためのアミノアルコールリピドイド化合物が、アミンを末端エポキシドまたはアルデヒドと反応させることにより調製可能であるとの発見からもたらされる。
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
本発明のリピドイド化合物は、ポリヌクレオチドの投与に特に有用である。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、コンビナトリアル合成およびスクリーニングに適用されて、非ウイルス性薬物送達剤として用いるための化合物のライブラリを作製する。本発明の化合物は、その他の目的にも、例えば被覆剤、添加剤、賦形剤などにも用いることができる。
【0010】
1つの側面において、本発明は、式:
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、新規なアミノアルコールリピドイド化合物を提供する。
【0011】
これらのアミノアルコールリピドイド化合物は、アミンをエポキシド末端化合物と反応させることにより調製することができる。ある態様において、エポキシドは立体化学的に純粋である(例えば鏡像異性的に純粋)。ある態様において、アミンは立体化学的に純粋である(例えば鏡像異性的に純粋)。ある態様において、リピドイドは、アミンとアルデヒドの縮合に由来するイミンの還元アミノ化から調製される。ある態様において、
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミンおよびエポキシド末端化合物は、溶媒の不在のもとで高温度で反応させて、図1に示す本発明のアミノアルコールリピドイドを調製する。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、エポキシドのアミンによる開環で得られる親水性部分と、疎水性脂肪性尾部を含む。
【0012】
典型的には、選択されたアミンは2〜5個のアミン部分を含み、エポキシド末端化合物は可変鎖長の尾部を含み、任意に種々の官能基および異なる飽和度を特徴とする。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、治療剤(例えばポリヌクレオチド、小分子、タンパク質、ペプチド)の、対象への送達に用いることができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、3級アミンがプロトン化に利用可能であり、カチオン性部分を形成するため、負に荷電された剤の送達に特に有用である。例えば、アミノアルコールリピドイド化合物は、DNA、RNA、または他のポリヌクレオチドを対象または細胞に送達するために用いることができる。当業者に理解されるように、上記反応は、1つの尾部を有する、いくつかは2つの尾部を有する、いくつかは3つの尾部を有する、さらに別の場合は4または5以上の尾部を有するリピドイド化合物の、混合物をもたらす。また、2つの異なるエポキシド化合物を反応混合物において用いて、2つの異なる尾部のアミノアルコールリピドイド化合物を調製することができる。
【0013】
他の側面において、薬物送達用の新規なアミノアルコールリピドイド化合物を、ポリアミンを末端エポキシドと反応させることにより、調製することができる。
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Rは可変長のアルキル鎖を示し、一方R〜Rは一般に、アルキル鎖、ポリアミン、および水素原子の種々の組み合わせを示す。反応は、[N−1]当量のエポキシドをポリアミンに加えることにより(ここでNは、ポリアミン出発物質における2°アミンの数+2×1°アミンの数である)開始される。これにより、[N−1]の尾部を有する化合物が豊富な混合物が生成される。典型的には、これらの化合物は、種々の構造異性体の混合物であり、通常はシリカゲル上のクロマトグラフィにより単離可能である;産物の識別および純度は、H/13C NMR分光分析法および/またはMALDI−MS(2,5−ジヒドロキシ安息香酸マトリクスを用いる)により確認することができる。本明細書に記載のように、エポキシド、アミン、またはエポキシドとアミンの両方は、立体化学的に純粋であることができる。
【0014】
本発明のリピドイド化合物はまた、ポリヌクレオチドの投与に特に有用である。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、非ウイルス性薬物送達剤として用いるための化合物のライブラリを作製するための、コンビナトリアル合成およびスクリーニングに適している。本発明の化合物は、被覆剤、添加剤、材料、および賦形剤などの他の目的にも用いることができる。
【0015】
1つの側面において、本発明は、本明細書に記載のように、式:
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、新規なアミノアルコールリピドイド化合物を提供する。他の側面において、本発明は、本明細書に記載のように、式:
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
で表される、新規なアミノアルコールリピドイド化合物を提供する。
【0016】
1つの側面において、本発明は、本明細書に記載のように、ポリアミンを好適な末端エポキシドと反応させることに基づく、新規なアミノアルコールリピドイド化合物を提供する。ある態様において、ポリアミンは、式:
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
で表される「アミン111」である。ある態様において、ポリアミンは、式:
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
で表される「アミン200」である。ある態様において、ポリアミンは、式:
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
で表される「アミン205」である。ある態様において、ポリアミンは、式:
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
で表される「アミン96」である。アミン96に基づく物質は、アミン96コア構造の周りの系統的な変化を通して生成される(例15、パート2参照)。アミン111に基づくアミノアルコールリピドイド化合物は、アミン111とエポキシドの反応の産物にMALDI−MS分析を実施して得られた(例14、パート1参照)。
【0017】
発明の1つの側面において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、細胞または対象に送達される剤と組み合わされて、微小粒子、ナノ粒子、リポソーム、またはミセルを形成する。粒子、リポソーム、またはミセルにより送達される剤は、気体、液体、または固体の形態であってよく、および剤はポリヌクレオチド、タンパク質、ペプチドまたは小分子であってよい。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、その他のアミノアルコールリピドイド化合物、ポリマー(合成または天然)、界面活性剤、コレステロール、炭水化物、タンパク質、脂質等と組み合わされて、粒子を形成することができる。これらの粒子は次に、任意に医薬賦形剤と組み合わされて、医薬組成物を形成することができる。
【0018】
本発明はまた、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物を調製する方法も提供する。1当量以上のアミンを、1当量以上のエポキシド末端化合物と好適な条件下で反応させて、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物を形成することができる。ある態様において、アミンの全てのアミノ基はエポキシド末端化合物と完全に反応して、3級アミンを形成する。他の態様において、アミンの全てのアミノ基はエポキシド末端化合物と完全には反応せずに3級アミンを形成し、これにより、アミノアルコールリピドイド化合物中に1級または2級アミンが存在する。これらの1級または2級アミンは、そのまま存在するか、または異なるエポキシド末端化合物などの他の求電子体と反応することもできる。当業者に理解されるように、アミンを過剰量より少ないエポキシド末端化合物と反応させると、種々の数の尾部を有する多数の異なるアミノアルコールリピドイド化合物が生じる。あるアミンは2つのエポキシド由来化合物尾部により完全に官能化され、一方他の分子は、エポキシド由来化合物の尾部によって完全には官能化されない。例えばジアミンまたはポリアミンは、1、2、3または4つのエポキシド由来化合物の尾部を、分子の種々のアミノ部分から離れて含むために、1級、2級または3級アミンが生じる。ある態様において、全てのアミノ基は完全には官能化されない。ある態様において、2つの同種のエポキシド末端化合物を用いる。他の態様において、2または3以上の異なるエポキシド末端化合物を用いる。アミノアルコールリピドイド化合物の合成は、溶媒の存在または不在のもとで行われ、合成は、30℃〜100℃の範囲、好ましくは約50℃〜90℃の、高い温度で行うことができる。調製されたアミノアルコールリピドイド化合物は、任意に精製することができる。例えば、アミノアルコールリピドイド化合物の混合物を精製して、特定数のエポキシド由来化合物尾部を有するアミノアルコールリピドイド化合物を産生することができる。または、混合物を精製して、特定の立体異性体または位置異性体を産生することもできる。アミノアルコールリピドイド化合物はまた、ハロゲン化アルキル(例えばヨウ化メチル)または他のアルキル化剤を用いてアルキル化してもよく、および/またはこれらはアシル化してもよい。
【0019】
本発明はまた、本発明の方法により調製されたアミノアルコールリピドイド化合物のライブラリも提供する。これらのアミノアルコールリピドイド化合物は、液体ハンドラー、ロボット、マイクロタイタープレート、コンピュータ等が関与するハイスループット技法を用いて、調製し、および/またはスクリーニングすることができる。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を、ポリヌクレオチドまたは他の剤(例えばタンパク質、ペプチド、小分子)を細胞内にトランスフェクトするその能力について、スクリーニングする。
【0020】
定義
具体的な官能基および化学用語の定義を、以下にさらに詳細に記述する。この発明の目的のために、化学元素は、元素周期表、CAS version、Handbook of Chemistry and Physics, 75th Ed.の内表紙に従って同定され、具体的な官能基は、これに記載のように一般的に定義される。さらに、有機化学の一般原則、ならびに具体的な官能部位およびその反応性は、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999に記載されており、この全内容は本明細書に参照により組み込まれる。
【0021】
本発明の一定の化合物は、特定の幾何学的または立体異性的形態で存在することができる。本発明は、全てのかかる化合物が本発明の範囲内であることを意図し、これにはcis−およびtrans異性体、R−およびS鏡像異性体、ジアステレオマー、(D)異性体、(L)異性体、これらのラセミ混合物、およびこれらの他の混合物を含む。追加の不斉炭素原子も、例えばアルキル基などの置換基に存在することができる。すべてのかかる異性体、およびこれらの混合物は、本発明に含むことが意図される。
【0022】
任意の種々の異性体比を含む異性体混合物を、本発明にしたがって用いることができる。例えば、2つのみの異性体を組み合わせる場合、混合物であって、異性体比50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、99:1、または100:0を含むものは全て、本発明により意図される。当業者は容易に、より複雑な異性体混合物に対して、同様の比率が意図されることを理解する。
【0023】
もし、本発明の化合物の、例えば特定の鏡像異性体を所望する場合、これは、不斉合成により、またはキラル補助剤の誘導により調製することができ、ここで得られたジアステレオマー混合物を分離して、補助基を開裂して純粋な所望の鏡像異性体を提供する。代替的に、分子、アミノなどの塩基性官能基、またはカルボキシルなどの酸性官能基を含む場合、ジアステレオマー塩が適切な光学的活性な酸または塩基を用いて形成され、続いて、こうして形成されたジアステレオマーが、当分野によく知られた分別晶出またはクロマトグラフィー法によって分割され、続いて純粋鏡像異性体が回収される。
【0024】
物質の「鏡像体過剰率」とは、所望の鏡像異性体の、不所望の鏡像異性体に対する純度の測度である。鏡像体過剰率は、各鏡像異性体のモル分率の間の絶対値の差として定義され、これは多くの場合、鏡像体過剰率パーセントとして表される。ジアステレオマーの混合物の場合にも、「ジアステレオマー過剰率」についての類似の定義および使用があり、ジアステレオマー過剰率パーセントとして表される。
【0025】
例えば、70%がR異性体で30%がSである試料は、40%の鏡像体過剰率である。これはまた、40%純粋なRで、60%がラセミ混合物(これは組成物全体に対して30%のRと30%のSの寄与である)の混合物と考えることもできる。
【0026】
当業者は、本明細書に記載の合成方法は、種々の保護基を用いることを理解する。本明細書において用語「保護基」とは、特定の官能部分例えばO、S、またはNが一時的にブロックされて、多官能化合物において反応が他の反応部位で選択的に行われ得ることを意味する。ある態様において、保護基は、良好な収率で選択的に反応して、行われる反応について安定な保護基質を与える;保護基は、容易に利用可能で好ましくは他の官能基を攻撃しない非毒性の試薬によって、良好な収率で選択的に除去することができる;保護基は、容易に分離可能な誘導体を(より好ましくは、新しい立体中心の生成なしで)形成する;および、保護基は最小の追加の官能性を有して、さらなる反応部位を回避する。本明細書に詳細に記載されているように、酸素、硫黄、窒素、および炭素保護基を用いることができる。ヒドロキシル保護基としては、以下を含む:メチル、メトキシルメチル(MOM)、メチルチオメチル(MTM)、t−ブチルチオメチル、(フェニルジメチルシリル)メトキシメチル(SMOM)、ベンジルオキシメチル(BOM)、p−メトキシベンジルオキシメチル(PMBM)、(4−メトキシフェノキシ)メチル(p−AOM)、グアイアコールメチル(GUM)、t−ブトキシメチル、4−ペンテニルオキシメチル(POM)、シロキシメチル、2−メトキシエトキシメチル(MEM)、2,2,2−トリクロロエトキシメチル、bis(2−クロロエトキシ)メチル、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEMOR)、テトラヒドロピラニル(THP)、3−ブロモテトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、1−メトキシシクロヘキシル、4−メトキシテトラヒドロピラニル(MTHP)、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニルS,S−ジオキシド、1−[(2−クロロ−4−メチル)フェニル]−4−メトキシピペリジン−4−イル(CTMP)、1,4−ジオキサン−2−イル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、2,3,3a,4,5,6,7,7a−オクタヒドロ−7,8,8−トリメチル−4,7−メタノベンゾフラン−2−イル、1−エトキシエチル、1−(2−クロロエトキシ)エチル、1−メチル−1−メトキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシエチル、1−メチル−1−ベンジルオキシ−2−フルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、2−トリメチルシリルエチル、2−(フェニルセレニル)エチル、t−ブチル、アリル、p−クロロフェニル、p−メトキシフェニル、2,4−ジニトロフェニル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル、p−フェニルベンジル、2−ピコリル、4−ピコリル、3−メチル−2−ピコリルN−オキシド(oxido)、ジフェニルメチル、p,p’−ジニトロベンズヒドリル、5−ジベンゾスベリル、トリフェニルメチル、α−ナフチルジフェニルメチル、p−メトキシフェニルジフェニルメチル、ジ(p−メトキシフェニル)フェニルメチル、トリ(p−メトキシフェニル)メチル、4−(4’−ブロモフェナシルオキシフェニル)ジフェニルメチル、4,4’,4”−tris(4,5−ジクロロフタルイミドフェニル)メチル、4,4’,4”−tris(レブリノイルオキシフェニル)メチル、4,4’,4”−tris(ベンゾイルオキシフェニル)メチル、3−(イミダゾール−1−イル)bis(4’,4”−ジメトキシフェニル)メチル、1,1−bis(4−メトキシフェニル)−1’−ピレニルメチル、9−アントリル、9−(9−フェニル)キサンテニル、9−(9−フェニル−10−オキソ)アントリル、1,3−ベンゾジチオラン−2−イル、ベンズイソチアゾリルS,S−ジオキシド、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、ジメチルイソプロピルシリル(IPDMS)、ジエチルイソプロピルシリル(DEIPS)、ジメチルテキシルシリル、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、t−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)、トリベンジルシリル、トリ−p−キシリルシリル、トリフェニルシリル、ジフェニルメチルシリル(DPMS)、t−ブチルメトキシフェニルシリル(TBMPS)、ホルマート、ベンゾイルホルマート、アセテート、クロロアセテート、ジクロロアセテート、トリクロロアセテート、トリフルオロアセテート、メトキシアセテート、トリフェニルメトキシアセテート、フェノキシアセテート、p−クロロフェノキシアセテート、3−フェニルプロピオナート、4−オキソペンタノアート(レブリネート)、4,4−(エチレンジチオ)ペンタノアート(レブリノイルジチオアセタール)、ピバロアート(pivaloate)、アダマントアート(adamantoate)、クロトナート(crotonate)、4−メトキシクロトナート、ベンゾアート、p−フェニルベンゾアート、2,4,6−トリメチルベンゾアート(メシトアート(mesitoate))、アルキルメチルカーボネート、9−フルオレニルメチルカーボネート(Fmoc)、アルキルエチルカーボネート、アルキル2,2,2−トリクロロエチルカーボネート(Troc)、2−(トリメチルシリル)エチルカーボネート(TMSEC)、2−(フェニルスルホニル)エチルカーボネート(Psec)、2−(トリフェニルホスホニオ)エチルカーボネート(Peoc)、アルキルイソブチルカーボネート、アルキルビニルカーボネート、アルキルアリルカーボネート、アルキルp−ニトロフェニルカーボネート、アルキルベンジルカーボネート、アルキルp−メトキシベンジルカーボネート、アルキル3,4−ジメトキシベンジルカーボネート、アルキルo−ニトロベンジルカーボネート、アルキルp−ニトロベンジルカーボネート、アルキルS−ベンジルチオカーボネート、4−エトキシ−1−ナフチルカーボネート、メチルジチオカーボネート、2−ヨードベンゾアート、4−アジドブチラート、4−ニトロ−4−メチルペンタノアート、o−(ジブロモメチル)ベンゾアート、2−ホルミルベンゼンスルホナート、2−(メチルチオメトキシ)エチル、4−(メチルチオメトキシ)ブチラート、2−(メチルチオメトキシメチル)ベンゾアート、2,6−ジクロロ−4−メチルフェノキシアセテート、2,6−ジクロロ−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノキシアセテート、2,4−bis(1,1−ジメチルプロピル)フェノキシアセテート、クロロジフェニルアセテート、イソブチラート、モノスクシノアート(monosuccinoate)、(E)−2−メチル−2−ブテノアート(butenoate)、o−(メトキシカルボニル)ベンゾアート、α−ナフトアート(naphthoate)、ニトラート、アルキルN,N,N’,N’−テトラメチルホスホロジアミダート、アルキルN−フェニルカルバメート、ボラート、ジメチルホスフィノチオイル、アルキル2,4−ジニトロフェニルスルフェナート(sulfenate)、スルフェート、メタンスルホナート(メシラート)、ベンジルスルホナート、およびトシラート(Ts)。1,2−または1,3−ジオールを保護するためには、保護基としては以下を含む:メチレンアセタール、エチリデンアセタール、1−t−ブチルエチリデンケタール、1−フェニルエチリデンケタール、(4−メトキシフェニル)エチリデンアセタール、2,2,2−トリクロロエチリデンアセタール、アセトニド、シクロペンチリデンケタール、シクロヘキシリデンケタール、シクロヘプチリデンケタール、ベンジリデンアセタール、p−メトキシベンジリデンアセタール、2,4−ジメトキシベンジリデンケタール、3,4−ジメトキシベンジリデンアセタール、2−ニトロベンジリデンアセタール、メトキシメチレンアセタール、エトキシメチレンアセタール、ジメトキシメチレンオルトエステル、1−メトキシエチリデンオルトエステル、1−エトキシエチリデンオルトエステル、1,2−ジメトキシエチリデンオルトエステル、α−メトキシベンジリデンオルトエステル、1−(N,N−ジメチルアミノ)エチリデン誘導体、α−(N,N’−ジメチルアミノ)ベンジリデン誘導体、2−オキサシクロペンチリデンオルトエステル、ジ−t−ブチルシリレン基(DTBS)、1,3−(1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサニリデン)誘導体(TIPDS)、テトラ−t−ブトキシジシロキサン−1,3−ジイリデン誘導体(TBDS)、環式カーボネート、環式ボロナート、エチルボロナート、およびフェニルボロナート。アミノ保護基は以下を含む:メチルカルバメート、エチルカルバメート、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオレニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェナシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオ カルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトロベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンズイソキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、S−ベンジルチオカルバメート、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカ
ルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニルカルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン−3−イル)アミン、4級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノ N’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリシリデンアミン、N−5−クロロサリシリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホロアミダート、ジベンジルホスホロアミダート、ジフェニルホスホロアミダート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Nps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Npys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’,8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DNMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、およびフェナシルスルホンアミド。例示の保護基を本明細書に詳述するが、しかし本発明はこれらの保護基に限定されることを意図せず、むしろ、種々の追加の等価な保護基を上記基準を用いて容易に同定でき、本発明の方法に用いられることが理解される。さらに、種々の保護基がProtective Groups in Organic Synthesis, Third Ed. Greene, T.W. and Wuts, P.G., Eds., John Wiley & Sons, New York: 1999に記載されており、この全内容は本明細書に参照により組み込まれる。
【0027】
本明細書に記載の化合物は、任意の数の置換基または官能部分により置換されていてもよいことが理解される。一般に、「任意に」の用語がその前にあるかないかに関わらず用語「置換された」は、および本発明の式中に含まれる置換基は、与えられた構造中の水素ラジカルが、特定の置換基のラジカルによって置き換えられることを意味する。任意の与えられた構造における1つより多くの位置が、特定の群から選択された1つより多くの置換基により置換される場合、置換基は、各位置において同一であっても異なっていてもよい。本明細書において、用語「置換された」とは、有機化合物の全ての許容し得る置換基を含むことを意図する。広い側面において、許容し得る置換基は、有機化合物の非環式および環式、分枝および非分枝、炭素環式およびヘテロ環式、芳香族または非芳香族の置換基を含む。本発明の目的のために、窒素などのヘテロ原子は、水素置換基、および/またはヘテロ原子の原子価を満たす本明細書に記載の有機化合物の任意の許容し得る置換基を、有することができる。さらに、本発明は、有機化合物の許容し得る置換基によって、いかなる様式においても限定されることを意図しない。本明細書により考慮される置換基と変数の組み合わせは、好ましくは疾患または障害の処置に有用な安定な化合物の形成をもたらすものである。本明細書において用語「安定な」とは、好ましくは製造可能とするのに十分な安定性を持ち、かつ、検出されるのに十分な時間、および好ましくは本明細書に詳述された目的のために用いるのに十分な時間、化合物の統合性を維持する化合物を指す。
【0028】
本明細書において用語「脂肪族」とは、飽和および不飽和両方の、直鎖(すなわち、非分枝)、分枝、非環式、環式、または多環式の脂肪族炭化水素であって、任意に1または2以上の官能基により置換されているものを含む。当業者が理解するように、「脂肪族」とは本明細書において、限定することなく、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル部分を含むことを意図する。したがって、本明細書において、用語「アルキル」とは、直鎖、分枝および環式アルキル基を含む。同様の規則を、他の一般用語、例えば「アルケニル」、「アルキニル」等に適用する。さらに、本明細書において、用語「アルキル」、「アルケニル」、「アルキニル」等は、置換基および非置換基両方を包含する。ある態様において、本明細書において、「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基(環式、非環式、置換、非置換、分枝、または非分枝)を指すのに用いる。
【0029】
ある態様において、本発明で用いるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。一定の他の態様において、本発明で用いるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で用いるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で用いるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で用いるアルキル、アルケニルおよびアルキニル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。したがって例示の脂肪族基としては、限定することなく、以下を含む:例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−CH−シクロプロピル、ビニル、アリル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロブチル、−CH−シクロブチル、n−ペンチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、−CH−シクロペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、シクロヘキシル、−CH−シクロヘキシル部分などであって、これらは再度、1または2以上の置換基を有してもよい。アルケニル基は、限定することなく、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどを含む。代表的なアルキニル基は、限定することなく、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどを含む。
【0030】
本明細書において用語「アルキル」とは、1〜20個の炭素原子を含有する炭化水素部分から1つの水素原子を除去することにより得られる、飽和、直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。アルキルラジカルの例としては、限定することなく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、およびドデシルを含む。
【0031】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する炭化水素部分から1つの水素原子を除去することにより得られる、一価の基を意味する。アルケニル基は、例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどを含む。
【0032】
本明細書において用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する炭化水素から1つの水素原子を除去することにより得られる、一価の基を指す。代表的なアルキニル基は、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどを含む。
【0033】
本明細書において用語「アルコキシ」または「チオアルキル」とは、前記定義のアルキル基が、酸素原子を介して、または硫黄原子を介して親分子に付着しているものを指す。ある態様において、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。一定の他の態様において、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で用いるアルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルコキシの例としては、限定することなく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、ネオペントキシ、およびn−ヘキシオキシを含む。チオアルキルの例としては、限定することなく、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、n−ブチルチオなどを含む。
【0034】
用語「アルキルアミノ」は、構造−NHR’を有する基を指し、式中、R’は、本明細書に定義のように脂肪族である。ある態様において、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。一定の他の態様において、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で用いる脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。アルキルアミノ基の例は、限定することなく、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソ−プロピルアミノ、シクロプロピルアミノ、n−ブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ネオペンチルアミノ、n−ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、シクロヘキシルアミノなどを含む。
【0035】
本明細書において用語「カルボン酸」は、式−COHで表される基を指す。
【0036】
用語「ジアルキルアミノ」は、構造−NRR’を有する基を指し、式中、RおよびR’は、本明細書に定義のようにそれぞれ脂肪族基である。RおよびR’は、ジアルキルアミノ部分において同一または異なっていてよい。ある態様において、脂肪族基は、1〜20個の脂肪族炭素原子を含む。一定の他の態様において、脂肪族基は、1〜10個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、本発明で用いる脂肪族基は、1〜8個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、脂肪族基は、1〜6個の脂肪族炭素原子を含む。さらに他の態様において、脂肪族基は、1〜4個の脂肪族炭素原子を含む。ジアルキルアミノ基の例は、限定することなく、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、ジ(n−プロピル)アミノ、ジ(イソ−プロピル)アミノ、ジ(シクロプロピル)アミノ、ジ(n−ブチル)アミノ、ジ(tert−ブチル)アミノ、ジ(ネオペンチル)アミノ、ジ(n−ペンチル)アミノ、ジ(ヘキシル)アミノ、ジ(シクロヘキシル)アミノなどを含む。ある態様において、RおよびR’は結合して環式構造を形成する。得られた環式構造は、芳香族または非芳香族であってよい。環式ジアミノアルキル基の例は、限定することなく、アジリジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、ピロリル、イミダゾリル、1,3,4−トリアノリル、およびテトラゾリルを含む。
【0037】
本発明の化合物の上記の脂肪族(および他の)部分の置換基のいくつかの例は、限定することなく、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl;−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCH;−C(O)R;−CO(R);−CON(R;−OC(O)R;−OCO;−OCON(R;−N(R;−S(O);−NR(CO)Rを含み、式中、Rの各出現は独立して、限定することなく、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含み、ここで上記および本明細書に記載の任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、およびここで上記および本明細書に記載の任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載の実施例に示した具体的態様により説明されている。
【0038】
一般に、本明細書において用語「アリール」および「ヘテロアリール」は、好ましくは3〜14個の炭素原子を有する、安定な一環式または多環式、ヘテロ環式、多環式、およびヘテロ多環式の不飽和部分であって、各々が置換または非置換であってよいものを指す。置換基としては、限定することなく、任意の前述の置換基、すなわち、脂肪族部分に対して挙げられた置換基、または本明細書に記載の他の部分であって、安定な化合物の形成をもたらすものを含む。本発明のある態様において、「アリール」は、1または2個の芳香環を有する一環式または二環式炭素環系を指し、これには、限定することなく、フェニル、ナフチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニルなどを含む。本発明のある態様において、本明細書における用語「ヘテロアリール」は、5〜10個の環原子を有する環式芳香族ラジカルを指し、ここで1つの環原子はS、O、およびNから選択され;0、1、または2個の環原子は、独立してS、O、およびNから選択される追加のヘテロ原子であり;および残りの環原子は炭素であり、ラジカルは残りの分子に任意の環原子を介して結合されており、例としては、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどである。
【0039】
アリールおよびヘテロアリール基は、非置換または置換されていてよく、ここで置換は、そこにある1、2、3、または4個以上の水素原子が独立して、任意の1または2以上の次の部分により置き換えられることを含むことが理解される:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl;−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCH;−C(O)R;−CO(R);−CON(R;−OC(O)R;−OCO;−OCON(R;−N(R;−S(O);−NR(CO)Rであって、式中、Rの各出現は独立して、限定することなく、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含み、ここで上記および本明細書に記載の任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、およびここで上記および本明細書に記載の任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載の実施例に示した具体的態様により説明されている。
【0040】
本明細書において用語「シクロアルキル」とは、特に、3〜7個の、好ましくは3〜10個の炭素原子を有する基を指す。好適なシクロアルキルとしては、限定することなく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどを含み、これらは、他の脂肪族、ヘテロ脂肪族、またはヘテロ環式部分と同様に、任意に置換基により置換されていてよく、該置換基としては、限定することなく、脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl;−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCH;−C(O)R;−CO(R);−CON(R;−OC(O)R;−OCO;−OCON(R;−N(R;−S(O);−NR(CO)Rを含み、式中、Rの各出現は独立して、限定することなく、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含み、ここで上記および本明細書に記載の任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、およびここで上記および本明細書に記載の任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載の実施例に示した具体的態様により説明されている。
【0041】
本明細書において用語「ヘテロ脂肪族」とは、例えば炭素原子の代わりに、1または2以上の酸素、硫黄、窒素、リン、またはケイ素原子を含む脂肪族部分を指す。ヘテロ脂肪族部分は分枝、非分枝、環式または非環式であってよく、モルホリノ、ピロリジニルなどの飽和および不飽和ヘテロ環を含む。ある態様において、ヘテロ脂肪族部分は、その上の1または2以上の水素原子の、限定することなく以下を含む1または2以上の部分による独立した置き換えにより、置換されている:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl;−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCH;−C(O)R;−CO(R);−CON(R;−OC(O)R;−OCO;−OCON(R;−N(R;−S(O);−NR(CO)Rであって、式中、Rの各出現は独立して、限定することなく、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含み、ここで上記および本明細書に記載の任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、およびここで上記および本明細書に記載の任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載の実施例に示した具体的態様により説明されている。
【0042】
用語「ハロアルキル」は、上記定義のようなアルキル基であって、1、2、または3つのハロゲン原子が付着しているものを意味し、例としてはクロロメチル、ブロモメチル、トリフルオロメチルなどの基である。
【0043】
本明細書において用語「ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロ環」とは、非芳香族5−、6−、7−員環または多環基を指し、これには限定することなく、酸素、硫黄、および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する縮合六員環を含む、二もしくは三環式基を含み、ここで、(i)各五員環は、0〜1個の二重結合を有し、各六員環は0〜2個の二重結合を有する、(ii)窒素および硫黄へテロ原子は、任意に酸化されていてもよい、(iii)窒素へテロ原子は、任意に4級化されてもよい、および(iv)任意の上記のヘテロ環は、ベンゼン環に縮合していてもよい。代表的なヘテロ環としては、限定することなく、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、およびテトラヒドロフリルを含む。ある態様において、「置換ヘテロシクロアルキルまたはヘテロ環」基が用いられ、本明細書においてこれは、上記の定義のように、その上の1、2または3個の水素原子の、限定することなく以下による独立した置き換えにより置換されているヘテロシクロアルキルまたはヘテロ環基を指す:脂肪族;ヘテロ脂肪族;アリール;ヘテロアリール;アリールアルキル;ヘテロアリールアルキル;アルコキシ;アリールオキシ;ヘテロアルコキシ;ヘテロアリールオキシ;アルキルチオ;アリールチオ;ヘテロアルキルチオ;ヘテロアリールチオ;F;Cl;Br;I;−OH;−NO;−CN;−CF;−CHCF;−CHCl;−CHOH;−CHCHOH;−CHNH;−CHSOCH;−C(O)R;−CO(R);−CON(R;−OC(O)R;−OCO;−OCON(R;−N(R;−S(O);−NR(CO)Rであって、式中、Rの各出現は独立して、限定することなく、脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキルを含み、ここで上記および本明細書に記載の任意の脂肪族、ヘテロ脂肪族、アリールアルキル、またはヘテロアリールアルキル置換基は、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式であってよく、およびここで上記および本明細書に記載の任意のアリールまたはヘテロアリール置換基は、置換または非置換であってよい。一般に適用可能な置換基の追加の例は、本明細書に記載の実施例に示した具体的態様により説明されている。
【0044】
「炭素環」:本明細書において用語「炭素環」は、環の各原子が炭素原子である芳香族または非芳香族環を指す。
【0045】
「独立して選択された」:本明細書において用語「独立して選択された」は、R基が同一または異なっていることを示すために用いる。
【0046】
「標識された」:本明細書において用語「標識された」は、化合物に、該化合物の同定を可能とするために、少なくとも1つの元素、同位体、または化合物が付着していることを意味する。一般に標識は、典型的には3つのクラスに分類される:a)同位体標識、これは放射性または重同位体であってよく、限定することなくH、H、32P、35S、67Ga、99mTc(Tc−99m)、111In、123I、125I、169Yおよび186Reを含む;b)免疫標識、これは抗体または抗原であってよく、検出可能な剤を産生する酵素(例えばホースラディッシュペルオキシダーゼ)に結合していてもよい;およびc)着色、発光、燐光、または蛍光染料。標識は、検出される化合物の生物学的活性または特性を妨害しない任意の位置において、化合物内に組み込まれていてもよいことが理解される。本発明のある態様においては、光親和性標識を用いて、生物系における分子内相互作用を直接明らかにする。種々の既知のフォトフォアを用いることができ、多くはジアゾ化合物、アジド、またはジアジリンのニトレンまたはカルベンへの光変換に依存し(Bayley, H., Photogenerated Reagents in Biochemistry and Molecular Biology (1983), Elsevier, Amsterdam参照)、この内容の全体は、本明細書に参照により組み込まれる。本発明のある態様において、用いる光親和性標識は、o−、m−およびp−アジドベンゾイルであって、1または2以上のハロゲン部分で置換されており、これには、限定することなく4−アジド−2,3,5,6−テトラフルオロ安息香酸を含む。
【0047】
本明細書において、用語「ハロ」および「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素から選択される原子を指す。
【0048】
本明細書において、用語「ヘテロ環式」は、非芳香族の部分的不飽和または完全飽和の3〜10員環系を指し、これは、大きさが3〜8個の原子の二環および三環系の1つの環を含み、芳香族六員アリールまたは非芳香環に縮合した芳香族ヘテロ環基を含むことができる。これらのヘテロ環は、酸素、硫黄、および窒素から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するものを含み、ここで、窒素および硫黄へテロ原子は任意に酸化されることができ、窒素へテロ原子は任意に4級化されることができる。
【0049】
明細書において、用語「ヘテロアリール」は、5〜10個の環原子を有する環式芳香族ラジカルを指し、ここで1つの環原子は、硫黄、酸素、および窒素から選択され;0、1、または2個の環原子は硫黄、酸素、および窒素から独立して選択される追加のヘテロ原子であり;および残りの環原子は炭素であり、ラジカルは任意の環原子を介して残りの分子に結合されており、例えば、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、チオフェニル、フラニル、キノリニル、イソキノリニルなどである。
【0050】
本発明の化合物に含めることができる、具体的なヘテロ環式基および芳香族へテロ環式基としては、以下を含む:3−メチル−4−(3−メチルフェニル)ピペラジン、3メチルピペリジン、4−(bis−(4−フルオロフェニル)メチル)ピペラジン、4−(ジフェニルメチル)ピペラジン、4−(エトキシカルボニル)ピペラジン、4−(エトキシカルボニルメチル)ピペラジン、4−(フェニルメチル)ピペラジン、4−(1−フェニルエチル)ピペラジン、4−(1,1−ジメチルエトキシカルボニル)ピペラジン、4−(2−(bis−(2−プロペニル)アミノ)エチル)ピペラジン、4−(2−(ジエチルアミノ)エチル)ピペラジン、4−(2−クロロフェニル)ピペラジン、4−(2−シアノフェニル)ピペラジン、4−(2−エトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−エチルフェニル)ピペラジン、4−(2−フルオロフェニル)ピペラジン、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、4−(2−メトキシエチル)ピペラジン、4−(2−メトキシフェニル)ピペラジン、4−(2−メチルフェニル)ピペラジン、4−(2−メチルチオフェニル) ピペラジン、4−(2−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(2−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(2−フェニルエチル)ピペラジン、4−(2−ピリジル)ピペラジン、4−(2−ピリミジニル)ピペラジン、4−(2,3−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジフルオロフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(2,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,5−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(2,6−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(3−クロロフェニル)ピペラジン、4−(3−メチルフェニル)ピペラジン、4−(3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジクロロフェニル)ピペラジン、4−3,4−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(3,4−ジメチルフェニル)ピペラジン、4−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピペラジン、4−(3,4,5−トリメトキシフェニル)ピペラジン、4−(3,5−ジクロロフェニル)ピペラジン、4−(3,5−ジメトキシフェニル)ピペラジン、4−(4−(フェニルメトキシ)フェニル)ピペラジン、4−(4−(3,1−ジメチルエチル)フェニルメチル)ピペラジン、4−(4−クロロ−3−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニル)−3−メチルピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニル)ピペラジン、4−(4−クロロフェニルメチル)ピペラジン、4−(4−フルオロフェニル)ピペラジン、4−(4−メトキシフェニル)ピペラジン、4−(4−メチルフェニル)ピペラジン、4−(4−ニトロフェニル)ピペラジン、4−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピペラジン、4−シクロヘキシルピペラジン、4−エチルピペラジン、4−ヒドロキシ−4−(4−クロロフェニル)メチルピペリジン、4−ヒドロキシ−4−フェニルピペリジン、4−ヒドロキシピロリジン、4−メチルピペラジン、4−フェニルピペラジン、4−ピペリジニルピペラジン、4−(2−フラニル)カルボニル)ピペラジン、4−((1,3−ジオキソラン−5−イル)メチル)ピペラジン、6−フルオロ−1,2,3,4−テトラヒドロ−2−メチルキノリン、1,4−ジアザシクロヘプタン(diazacylcloheptane)、2,3−ジヒドロインドリル、3,3−ジメチルピペリジン、4,4−エチレンジオキシピペリジン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、アザシクロオクタン、デカヒドロキノリン、ピペラジン、ピペリジン、ピロリジン、チオモルホリン、およびトリアゾール。
【0051】
用語「任意に」が先行しているかどうかに関わらず用語「置換された」は、および本明細書における「置換基」は、当業者に理解されるように、全ての原子の原子価が維持されているとの条件のもとで、1つの官能基を他の官能基に変える能力を指す。与えられた任意の構造における1つより多くの位置が、特定の群から選択された1つより多くの置換基で置換されることができる場合、置換基は、全ての位置において同一であるか、または異なっていることができる。置換基はまた、さらに置換されてもよい(例えば、アリール基置換基は、これと離れて他のアリール基などの別の置換基を有することができ、これはさらに、1または2以上の位置においてフッ素で置換される)。
【0052】
以下は、本出願を通して用いられるより一般的な用語である。
【0053】
「動物」:本明細書における用語、動物は、ヒトおよび非ヒト動物を指し、例えば、哺乳動物、鳥類、爬虫類、両生類、および魚類を含む。好ましくは、非ヒト動物は哺乳動物(例えば、げっ歯類動物、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、霊長類、またはブタ)である。動物は形質転換動物であってよい。
【0054】
「関連する」:2つの実体が本明細書に記載のように互いに「関連する」場合、これらは直接または間接の共有または非共有結合相互作用により結合されている。好ましくは、関連は共有結合性である。望ましい非共有結合相互作用には、水素結合、ファンデルワールス相互作用、疎水性相互作用、磁性相互作用、静電気相互作用などを含む。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、静電気相互作用を介してポリヌクレオチドと関連している。
【0055】
「生体適合性」:本明細書において用語「生体適合性」は、細胞に毒性ではない化合物を記載することを意図する。化合物は、そのin vitroでの細胞への添加が20%以下の細胞死をもたらし、in vivoでのその投与が、炎症またはその他のかかる副作用を引き起こさない場合に、「生体適合性」である。
【0056】
「生分解性」:本明細書において、「生分解性」化合物は、細胞内に導入された場合に、細胞マシナリーにより、または加水分解により、細胞への重大な毒性効果なしに(すなわち、該成分をin vitroで細胞に加えた場合に、細胞の約20%未満が死滅される)、細胞が再利用できるかまたは廃棄できる成分に分解される化合物である。成分は好ましくは、in vivoで、炎症または他の副作用を引き起こさない。ある態様において、生分解性化合物の分解が頼りとする化学反応は、触媒されないものである。
【0057】
「有効量」:一般に、活性剤または組成物の「有効量」は、所望の生物学的応答を引き起こすのに必要な量を指す。当業者に理解されるように、剤またはデバイスの有効量は、所望の生物学的エンドポイント、送達される剤、封入マトリクスの組成、標的組織などの要因に依存して変化する。例えば、個体の免疫化のために送達される抗原を含む微小粒子の有効量は、投与された抗原を有する生物の感染を予防するのに十分な免疫反応をもたらす量である。
【0058】
「ペプチド」または「タンパク質」:本発明によれば、「ペプチド」または「タンパク質」は、ペプチド結合により共に結合された少なくとも3つのアミノ酸のストリングを含む。用語「ペプチド」および「タンパク質」は、交換可能に用いてよい。ペプチドは、個々のペプチドまたはペプチドの集合を指してもよい。本発明のペプチドは、天然のアミノ酸のみを含むのが好ましいが、非天然のアミノ酸(すなわち、天然には存在しないが、ポリペプチド鎖に組み込むことができる化合物)および/または当分野に知られたアミノ酸類似体も、代替的に用いることができる。また、本発明のペプチド中の1または2以上のアミノ酸は、例えば、炭化水素基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、抱合用のリンカーなどの化学的実体の付加により、機能化により、または他の修飾などにより、修飾することができる。ある態様において、ペプチドの修飾は、より安定なペプチド(例えばin vivoでのより長い半減期)をもたらす。これらの修飾には、ペプチドの環化、Dアミノ酸の組み込みなどを含んでよい。どの修飾も、ペプチドの所望の生物学的活性を実質的に妨害してはならない。
【0059】
「ポリヌクレオチド」または「オリゴヌクレオチド」:ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドは、ヌクレオチドのポリマーを指す。典型的には、ポリヌクレオチドは少なくとも3つのヌクレオチドを含む。ポリマーは、天然のヌクレオシド(すなわち、アデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシンおよびデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(例えば、2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、C5−プロピニルシチジン、C5−プロピニルウリジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン)、化学修飾塩基、生物学的修飾塩基(例えばメチル化塩基)、挿入塩基(intercalated base)、修飾糖(例えば2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、アラビノース、およびヘキソース);または修飾リン酸基(例えばホスホロチオアートおよび5’−N−ホスホロアミダイト結合)を含むことができる。
【0060】
「小分子」:本明細書において用語「小分子」は、比較的低い分子量を有し、タンパク質、ポリペプチドまたは核酸ではない、天然のまたは人工的に(例えば、化学的合成により)作製された有機化合物を指す。典型的には、小分子は約1500g/mol未満の分子量を有する。ある態様において、小分子は荷電されていない。ある態様において、小分子は負に荷電されている。また、小分子は、典型的には複数の炭素−炭素結合を有する。既知の天然の小分子は、限定することなく、ペニシリン、エリスロマイシン、タキソール、シクロスポリン、およびラパマイシンを含む。既知の合成の小分子は、限定することなく、アンピシリン、メチシリン、スルファメトキサゾール、およびスルホンアミドを含む。
【図面の簡単な説明】
【0061】
図1図1は、アミンとエポキシドを混合すること、およびこれらを約90℃で反応させることによりアミノアルコールリピドイドを調製するための、一般的な合成スキームを示す図である。
【0062】
図2図2は、アミノアルコールリピドイドの調製に用いることのできる、例示の2〜5のアミン官能基を含むアミン、および種々の尾部、ユニークな官能基および種々の度合いの飽和を有するラセミエポキシドを示す。
【0063】
図3図3は、アミン114から得られるアミノアルコールリピドイドの特性データを示す。
【0064】
図4図4は、アミノアルコールリピドイドライブラリからの選択された化合物の、薄層クロマトグラフィー(TLC)プレートを示す。プレート「A」は完全置換アミンを示し、一方プレート「B」は、n−1置換アミンを示す。
【0065】
図5図5は、RNA(50ng)を種々のアミノアルコールリピドイド(種々のwt/wt比率にて)と複合体化しHeLa細胞でインキュベートしたものによる、非処置細胞に相対的に示した蛍ルシフェラーゼノックダウン結果である。
【0066】
図6図6は、HepG2細胞におけるルシフェラーゼ遺伝子送達結果(ルシフェラーゼ発現、「RLU」)を、ウェル当たり10%血清中の種々のエポキシドリピドイド化合物および0.3μgのDNAについて示したものである。
【0067】
図7図7は、(a)リン酸緩衝生理食塩水;(b)リピドイド製剤中の1.75mg/kgの取込みsiRNA;および(c)リピドイド製剤中の4mg/kgの取込みsiRNA、の投与(0.01ml/g容積での尾静脈注射を介して)の48時間後における、C57BL/6マウスの第VII因子のin vivoノックダウン結果および特性を示す図である。
【0068】
図8図8は、アミノアルコールリピドイド化合物のsiRNAに対する比率が2.5:1(w/w)である、アミノアルコールリピドイド化合物のライブラリについての、ルシフェラーゼノックダウン結果(相対的ルシフェラーゼ発現により測定、%対照)を示す図である。
【0069】
図9図9は、アミノアルコールリピドイド化合物のsiRNAに対する比率が2.5:1(w/w)である、>90%ノックダウンを有する15種のアミノアルコールリピドイド化合物についての、ルシフェラーゼノックダウン結果(相対的ルシフェラーゼ発現により測定、%対照)を示す図である。
【0070】
図10図10は、(a)用量(mg/kg)応答結果(アミノアルコールリピドイドCl4−110注射の36時間後の、マウスにおける第VII因子ノックダウンにより測定)であり、ここでアミノアルコールリピドイド化合物のsiRNAに対する比率は10:1(w/w)であり、アミノアルコールリピドイド化合物:コレステロール:PEGの比率は42:48:10であり、91nm粒子の取込みが44%である;および(b)平均のBW変化%を示す図である。
【0071】
図11図11は、25種のエポキシドベースリピドイド(w/w比率5:1)の、HeLa細胞におけるルシフェラーゼノックダウンとしてのin vitroスクリーニングの結果を示す図である。
【0072】
図12図12は、製剤化エポキシドリピドイドのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのin vitroスクリーニングの結果を示す図である。
【0073】
図13図13aは、製剤C16−96−Bのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC16−96Bの用量反応結果を示す図である。
【0074】
図13bは、図13の結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0075】
図14図14aは、製剤C14−110−Bのマウスへの注射72時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC14−110Bの用量反応結果を示す図である。
【0076】
図14bは、図14aの結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0077】
図15図15は、製剤C16−96−Bの1mg/kg用量でのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC16−96−B製剤最適化を示す図である。
【0078】
図16図16は、製剤C16−96−Bのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC16−96−B用量反応を示す図である。
【0079】
図17図17aは、製剤化リピドイドの0.25mg/kg用量でのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしての、C12−200および/またはC12−205の追加のin vivoスクリーニングと発見を示す図である。
【0080】
図17bは、C12−200および/またはC12−205の追加のin vivoスクリーニングと発見および、図17aの結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0081】
図18図18aは、製剤化C12−200および/またはC12−205のマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしての、C12−200および/またはC12−205とND98比較の用量反応結果を示す図である。
【0082】
図18bは、図18aの結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0083】
図19図19は、製剤化C12−200および/またはC12−205の0.01mg/kg用量でのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしての、C12−200および/またはC12−205の製剤最適化を示す図である。
【0084】
図20図20aは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0085】
図20bは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物(図20aより)からの「精製」産物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0086】
図21図21aは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0087】
図21bは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物(図21aより)からの「精製」産物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0088】
図22図22は、C12−200および/またはC12−205のH NMR(400MHz)スペクトルを示す図である(クロロホルム、室温)。[発明の詳細な説明]
【0089】
発明のある態様の詳細な説明
本発明は、新規なアミノアルコールリピドイド化合物および、かかるアミノアルコールリピドイド化合物の使用に基づく薬物送達システムを提供する。システムは、医薬/薬物送達分野において、ポリヌクレオチド、タンパク質、小分子、ペプチド、抗原、薬物等を、患者、組織、器官、細胞等に送達するのに用いることができる。これらの新規な化合物はまた、被覆剤、添加剤、賦形剤、物質、バイオエンジニアリングなどの材料として用いることもできる。
【0090】
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、薬物送達分野においていくつかの異なる使用を提供する。アミノアルコールリピドイド化合物のアミン含有部分は、ポリヌクレオチドを複合体化するために用いることができ、これによりポリヌクレオチドの送達を増強し、その分解を防ぐ。アミノアルコールリピドイド化合物はまた、送達される剤を含有するピコ粒子、ナノ粒子、微小粒子、リポソーム、およびミセルの形成においても用いることができる。好ましくは、アミノアルコールリピドイド化合物は生体適合性および生分解性であり、形成された粒子も生分解性および生体適合性であり、送達される剤の制御された持続放出を提供するために用いることができる。これらのリピドイドおよびその対応する粒子はまた、これらのリピドイドがより低いpHにおいてプロトン化されているとの条件下において、pH変化に応答することができる。リピドイドはまた、細胞への剤の送達においてプロトンスポンジとして作用して、エンドソームのリーシスを引き起こす。
【0091】
1.アミノアルコールリピドイド化合物
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、1級、2級、3級、および/または4級アミンおよびその塩を含むアミノアルコールリピドイド化合物である。アミンは、環式または非環式アミンであってよい。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、比較的非細胞毒性である。他の態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、生体適合性かつ生分解性である。ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、約5.5〜約7.5の範囲のpKを、より好ましくは約6.0〜約7.0の範囲のpKを有する。他の態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、約3.0〜約9.0の範囲、または約5.0〜約8.0の範囲の所望のpKを有するように設計することができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、いくつかの理由により薬物送達に特に有用である:1)これらはアミノ基を含んでおり、DNA、RNA、他のポリヌクレオチド、およびその他の負に荷電された剤と相互反応し、pHを緩衝し、エンドソーム破壊(endosomolysis)を引き起こし、送達される剤を保護する;2)これらは、市販の出発物質から合成可能である;および/または3)これらはpH応答性であり、所望のpKで設計することができる。
【0092】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物または1もしくは2以上のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、14個以上の炭素の末端エポキシドが、3または4個以上のアミン官能基のモノマーと結合して得られるものである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約40〜60%のリピドイド、約40〜60%のコレステロール、および約5〜20%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約50〜60%のリピドイド、約40〜50%のコレステロール、および約5〜10%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約42%のリピドイド、約48%のコレステロール、および約10%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイドを含む組成物は、約50〜75%のリピドイド、約20〜40%のコレステロール、および約1〜10%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約60〜70%のリピドイド、約25〜35%のコレステロール、および約5〜10%のPEGである。
【0093】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、アミンを末端エポキシドまたはアルデヒドと次のスキームに従って反応させることにより、調製することができる。
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、エポキシドは立体化学的に純粋(例えば鏡像異性的に純粋)である。ある態様において、アミンは立体化学的に純粋(例えば鏡像異性的に純粋)である。ある態様において、リピドイドは、アミンとアルデヒドの縮合から得られるイミンの還元アミノ化により調製される。ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
式中、A、R、R、R、R、R、R、R、R、R、m、p、xおよびyの各出現は、本明細書に定義の通りである、
の1つで表されるものである。当業者に理解されるように、アミンは過剰なエポキシドと反応させることができ、完全官能化アミノアルコールリピドイド化合物を形成する。または、リピドイドは、完全官能化の場合より少ないエポキシド由来の尾部を有してもよい。ある態様において、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0094】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
は、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでRの出現の少なくとも1つは水素であり;
、R、およびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族、または−CHCH(OH)Rであり;
およびRは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;
およびRは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;および
は、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0095】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に、1つの酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に、1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に、2つの酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に、1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に、2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0096】
ある態様において、Aは、次の式:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0097】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族またはC1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、次の式:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0098】
ある態様において、Rは、C1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、Rは、次の式:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0099】
ある態様において、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0100】
ある態様において、Rは、
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0101】
ある態様において、Rは、次の式:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0102】
ある態様において、Rは、次の式:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0103】
ある態様において、Rはフッ素化されている。ある態様において、Rはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、Rはペルフルオロ化されている。ある態様において、Rはペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、Rはペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、Rは、次の式:
【0104】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0105】
ある態様において、Rは、次の式:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0106】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0107】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0108】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0109】
ある態様において、R、R、およびRは、全て同一である。ある態様において、R、R、およびRは、全て水素またはC〜Cアルキルである。ある態様において、R、R、およびRは、全て水素である。ある態様において、R、R、およびRは、全てC〜Cアルキルである。ある態様において、R、R、およびRは、全てヒドロキシアルキルである。ある態様において、R、R、およびRは、全てアミノアルキルである。ある態様において、R、R、およびRは、水素またはメチルである。ある態様において、R、R、およびRの少なくとも2つは同一である。ある態様において、R、R、およびRは、全て異なっている。
【0110】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。
【0111】
特定の例示の化合物は、以下を含む:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化40】
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Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
およびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでRの出現の少なくとも1つは水素であり、およびRの出現の少なくとも1つは水素であり;
およびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族、または−CHCH(OH)Rであり;
およびRは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;および
は、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0113】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化41】
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で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化42】
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で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0114】
ある態様において、Aは、次の式:
【化46】
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から選択される。
【0115】
ある態様において、RおよびRは水素である。ある態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族またはC1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、RおよびRは、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、RおよびRは、
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、RおよびRは、
【化49】
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である。ある態様において、RおよびRは、独立して、次の式:
【化50】
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から選択される。
【0116】
ある態様において、RおよびRはC1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、RおよびRは、独立して、次の式:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0117】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0118】
ある態様において、RおよびRは、
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0119】
ある態様において、RおよびRは、独立して、次の式:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0120】
ある態様において、RおよびRはフッ素化されている。ある態様において、RおよびRはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、RおよびRはペルフルオロ化されている。ある態様において、RおよびRはペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、RおよびRはペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、RおよびRは、次の式:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0121】
ある態様において、RおよびRは独立して、次の式:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0122】
ある態様において、RおよびRは両方同一である。ある態様において、RおよびRの各々は、独立して水素またはC1〜6アルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方とも水素である。ある態様において、RおよびRは、両方ともC1〜6アルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、RとRは異なっている。
【0123】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0124】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0125】
ある態様において、RおよびRは、両方同一である。ある態様において、RおよびRの各々は、独立して水素またはC〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方とも水素である。ある態様において、RおよびRは、両方ともC〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、RとRは異なっている。
【0126】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。
【0127】
特定の例示の化合物としては、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
が含まれる。
【0128】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
およびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでRの出現の少なくとも1つは水素であり、およびRの出現の少なくとも1つは水素であり;
およびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族、または−CHCH(OH)Rであり;
およびRは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;および
は、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0129】
ある態様において、
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0131】
ある態様において、Aは、次の式:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0132】
ある態様において、RおよびRは水素である。ある態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族またはC1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、RおよびRは、
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、RおよびRは、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、RおよびRは、
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、RおよびRは、独立して、次の式:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0133】
ある態様において、RおよびRは、C1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、RおよびRは、独立して、次の式:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0134】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0135】
ある態様において、RおよびRは、
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0136】
ある態様において、RおよびRは、独立して、次の式:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0137】
ある態様において、RおよびRはフッ素化されている。ある態様において、RおよびRはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、RおよびRはペルフルオロ化されている。ある態様において、RおよびRは、ペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、RおよびRは、ペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、RおよびRは、次の式:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0138】
ある態様において、RおよびRは独立して、次の式:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0139】
ある態様において、RおよびRは両方同一である。ある態様において、RおよびRの各々は、独立して水素またはC〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方とも水素である。ある態様において、RおよびRは、両方ともC〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、RとRは異なっている。
【0140】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0141】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0142】
ある態様において、RおよびRは、両方同一である。ある態様において、RおよびRの各々は、独立して水素またはC〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方とも水素である。ある態様において、RおよびRは、両方ともC〜Cアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、RおよびRは、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、RとRは異なっている。
【0143】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。
【0144】
特定の例示の化合物は、
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0145】
ある態様において、
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
、RおよびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでRの出現の少なくとも1つは水素であり、Rの出現の少なくとも1つは水素であり、およびRの出現の少なくとも1つは水素であり;
は、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族、または−CHCH(OH)Rであり;および
は、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0147】
ある態様において、
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0149】
ある態様において、Aは、次の式:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0150】
ある態様において、R、RおよびRは、水素である。ある態様において、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族またはC1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC12脂肪族基である。いくつかの態様において、R、RおよびRは、
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R、RおよびRは、
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R、RおよびRは、
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R、RおよびRは、独立して、次の式:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0151】
ある態様において、R、RおよびRは、C1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R、RおよびRは、独立して、次の式:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0152】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0153】
ある態様において、R、RおよびRは、
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0154】
ある態様において、R、RおよびRは、独立して、次の式:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0155】
ある態様において、R、RおよびRはフッ素化されている。ある態様において、R、RおよびRはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R、RおよびRはペルフルオロ化されている。ある態様において、R、RおよびRはペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R、RおよびRはペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、R、RおよびRは、次の式:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0156】
ある態様において、R、RおよびRは独立して、次の式:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0157】
ある態様において、R、RおよびRは全て同一である。ある態様において、R、RおよびRの少なくとも2つは同一である。ある態様において、R、RおよびRは全て異なっている。
【0158】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、Rは−CHCH(OH)Rである。
【0159】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6アルキルである。ある態様において、Rはメチルである。ある態様において、Rはエチルである。ある態様において、Rはプロピルである。ある態様において、Rはブチルである。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、RはC1〜6ヘテロアルキルである。
【0160】
特定の例示の化合物は、
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0161】
ある態様において、
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;および
、R、R、およびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでRの出現の少なくとも1つは水素であり、Rの出現の少なくとも1つは水素であり、Rの出現の少なくとも1つは水素であり、およびRの出現の少なくとも1つは水素である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0163】
ある態様において、
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0165】
ある態様において、Aは、次の式:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0166】
ある態様において、R、R、RおよびRは水素である。ある態様において、R、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC1〜20脂肪族またはC1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC12脂肪族基である。いくつかの態様において、R、R、RおよびRは、
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R、R、RおよびRは、
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R、R、RおよびRは、独立して、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R、R、RおよびRは、
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R、R、RおよびRは、独立して、次の式:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0167】
ある態様において、R、R、RおよびRは、C1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R、R、RおよびRは、独立して、次の式:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0168】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0169】
ある態様において、R、R、RおよびRは、
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0170】
ある態様において、R、R、RおよびRは、独立して、次の式:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0171】
ある態様において、R、R、RおよびRはフッ素化されている。ある態様において、R、R、RおよびRはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R、R、RおよびRはペルフルオロ化されている。ある態様において、R、R、RおよびRはペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R、R、RおよびRはペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、R、R、RおよびRは、次の式:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0172】
ある態様において、R、R、RおよびRは独立して、次の式:
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0173】
ある態様において、R、R、RおよびRは全て同一である。ある態様において、R、R、RおよびRの少なくとも2つは同一である。ある態様において、R、R、RおよびRの少なくとも3つは同一である。ある態様において、R、R、RおよびRは全て異なっている。
【0174】
特定の例示の化合物は、
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0175】
ある態様において、
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン120をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−120は、次の式:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表される。
ある態様において、
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0177】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン120をエポキシド末端化合物C16と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C16−120は、次の式:
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0178】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン98をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−98は、次の式:
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0179】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン113をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−113は、次の式:
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0180】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン96をエポキシド末端化合物C18と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、次の式:
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0181】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン96をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−96は、次の式:
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0182】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン110をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−110は、次の式:
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0183】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
pは、1〜3の間の整数(両端を含む)であり;
mは、1〜3の間の整数(両端を含む)であり;
は、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
は、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
の各出現は、独立して、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、
ここで、R、R、R、およびRの少なくとも1つは、
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
xの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)であり;
yの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)であり;
の各出現は、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
の各出現は、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化133】
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である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0184】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜C脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは、置換または非置換のアリールである。ある態様において、Rは、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、Rは、
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、Rは、
【化135】
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ある態様において、Rは、
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0185】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは水素ではない。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜C脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは、置換または非置換アリールである。ある態様において、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、Rは、
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0186】
ある態様において、Rは水素ではなく、Rは水素ではない。ある態様において、
【化149】
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である。ある態様において、Rは、
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
であり;およびRは、
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0187】
ある態様において、
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、mは1である。ある態様において、mは2である。ある態様において、mは3である。
【0188】
ある態様において、pは1である。ある態様において、pは2である。ある態様において、pは3である。
【0189】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜C16脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜C16アルキルである。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、
【化161】
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である。いくつかの態様において、Rは、
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、次の式:
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0190】
ある態様において、Rは、C1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、Rは、次の式:
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。ある態様において、Rは、
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0191】
ある態様において、Rは、独立して、次の式:
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0192】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0193】
ある態様において、Rは置換または非置換アリールである。ある態様において、Rは置換または非置換ヘテロアリールである。
【0194】
ある態様において、Rはフッ素化されている。ある態様において、Rはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、Rはペルフルオロ化されている。ある態様において、Rはペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、Rはペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、Rは、次の式:
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0195】
ある態様において、Rは、次の式:
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0196】
ある態様において、各Rは独立して水素、またはC〜Cアルキルである。ある態様において、各Rは水素である。ある態様において、各RはC〜Cアルキルである。ある態様において、各Rはヒドロキシアルキルである。ある態様において、各Rはアミノアルキルである。ある態様において、2つのR変数は同一である。ある態様において、3つのR変数は同一である。ある態様において、各R変数は互いに異なっている。
【0197】
ある態様において、xは1である。ある態様において、xは2である。ある態様において、xは3である。ある態様において、xは4である。ある態様において、xは5である。ある態様において、xは6である。ある態様において、xは7である。ある態様において、xは8である。ある態様において、xは9である。ある態様において、xは10である。
【0198】
ある態様において、yは1である。ある態様において、yは2である。ある態様において、yは3である。ある態様において、yは4である。ある態様において、yは5である。ある態様において、yは6である。ある態様において、yは7である。ある態様において、yは8である。ある態様において、yは9である。ある態様において、yは10である。
【0199】
ある態様において、xは1でありyは2である。ある態様において、xは1でありyは3である。ある態様において、xは1でありyは4である。ある態様において、xは1でありyは5である。ある態様において、xは2でありyは2である。ある態様において、xは2でありyは3である。
【0200】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは置換または非置換アリールである。ある態様において、Rは置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、Rは、
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0201】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜Cアルキルである。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは置換または非置換アリールである。ある態様において、Rは置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、Rは、
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0202】
特定の例示の化合物は、
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0203】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
の混合物を含む。
【0204】
ある態様において、
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0205】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
の各出現は独立して、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
であり;ここで少なくとも1つのRは、
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
の各出現は独立して、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
xの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)であり;
yの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)である;
で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0206】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは水素ではない。ある態様において、少なくとも1つのRは水素である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは、置換または非置換アリールである。ある態様において、Rは、置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、2つのRは一緒になって環式構造を形成することができる。ある態様において、少なくとも1つのR
【化182】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化183】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、少なくとも1つのRはアルケニル基である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化191】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRはアルキニル基である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化192】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つRは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族基である。ある態様において、少なくとも1つのRはヘテロ脂肪族基である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化193】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのRは、
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、2つのR変数は同一である。ある態様において、3つのR変数は同一である。ある態様において、各R変数は互いに異なっている。
【0207】
ある態様において、Rは水素である。ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜C16脂肪族である。ある態様において、Rは、C〜C16アルキルである。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、
【化197】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、Rは、次の式:
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0208】
ある態様において、Rは、C1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、Rは、次の式:
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0209】
ある態様において、Rは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、Rは、非置換および非分枝のC13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、Rは、非置換および非分枝のC14ヘテロ脂肪族基である。ある態様において、Rは、
【化202】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0210】
ある態様において、Rは、独立して、次の式:
【化203】
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から選択される。
【0211】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0212】
ある態様において、Rは置換または非置換アリールである。ある態様において、Rは置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、Rは、
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、Rは、
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0213】
ある態様において、Rはフッ素化されている。ある態様において、Rはフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、Rはペルフルオロ化されている。ある態様において、Rはペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、Rはペルフルオロ化C1〜20アルキル基である。ある態様において、Rは、次の式:
【化207】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0214】
ある態様において、Rは、次の式:
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0215】
ある態様において、各Rは独立して水素、またはC〜Cアルキルである。ある態様において、各Rは水素である。ある態様において、各RはC〜Cアルキルである。ある態様において、各Rはヒドロキシアルキルである。ある態様において、各Rはアミノアルキルである。ある態様において、2つのR変数は同一である。ある態様において、3つのR変数は同一である。ある態様において、各R変数は互いに異なっている。
【0216】
ある態様において、xは1である。ある態様において、xは2である。ある態様において、xは3である。ある態様において、xは4である。ある態様において、xは5である。ある態様において、xは6である。ある態様において、xは7である。ある態様において、xは8である。ある態様において、xは9である。ある態様において、xは10である。
【0217】
ある態様において、yは1である。ある態様において、yは2である。ある態様において、yは3である。ある態様において、yは4である。ある態様において、yは5である。ある態様において、yは6である。ある態様において、yは7である。ある態様において、yは8である。ある態様において、yは9である。ある態様において、yは10である。
【0218】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物または1または2以上のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、式:
【化209】
[この文献は図面を表示できません]
【化210】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるアミンを、式:
【化211】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるエポキシド含有化合物と反応させることにより調製される。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0219】
ある態様において、エポキシドは1または2以上のキラル中心を含み、これは例えばアミンC8bについて以下に示すもの:
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
などである。
【0220】
ある態様において、1当量のアミンを、1当量のエポキシド末端化合物と反応させる。ある態様において、1当量のアミンを、1、2、3、4、5、6または7当量以上のエポキシド末端化合物と反応させる。ある態様において、エポキシド末端化合物の量は、全アミノ基の官能化を防ぐために制限される。これらの例で得られたアミノアルコールリピドイドまたはアミノアルコールリピドイド組成物は、2級アミノ基および/または1級アミノ基を含む。2級アミンを有するアミノアルコールリピドイド化合物は、一定の例において特に有用である。ある態様において、完全に官能化されてはいない、アミン含有アミノアルコールリピドイド化合物は、他の求電子体(例えば末端エポキシド、ハロゲン化アルキル等)とさらに反応される。アミノアルコールリピドイド化合物のアミンのかかるさらなる官能化は、異なるエポキシド化合物由来の尾部を有するアミノアルコールリピドイド化合物を生じる。1、2、3、4、5、または6以上の尾部は、アミノアルコールリピドイド化合物の他の尾部と異なっていてもよい。
【0221】
ある態様において、当業者に理解されるように、アミンとエポキシドはエポキシドの非置換炭素において反応し、次のスキームに示されるようなアミノアルコールリピドイド化合物を生じる:
【化215】
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【0222】
ある態様において、エポキシドは立体化学的に純粋である(例えば鏡像異性的に純粋)。ある態様において、アミンは立体化学的に純粋である(例えば鏡像異性的に純粋)。ある態様において、リピドイドは、アミンとアルデヒドの縮合に由来するイミンの還元アミノ化から調製される。本発明の化合物は、鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率の値として、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、90.5%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%、または100%まで(端部の数値を含む)を有することができる。
【0223】
他の態様において、当業者に理解されるように、アミンとエポキシドはエポキシドの置換炭素において反応し、次のスキームに示すようなアミノアルコールリピドイド化合物を生じる:
【化216】
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上記の反応はやや好ましくないかも知れないが、これは少なくとも一定の度合いで起こる可能性があり、一定の反応条件下ではより有利である可能性がある。アミノアルコールリピドイド化合物は、1つまたは両方の様式で反応するアミンを有することができる。
【0224】
ある態様において、アミンとエポキシド末端化合物は、共にニート(neat)で反応させる。他の態様において、反応は溶媒中(例えば、THF、CHCl、MeOH、EtOH、CHCl、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、CCl、グライム、ジエチルエーテル等)で実施する。ある態様において、反応混合物を加熱する。ある態様において、反応混合物を30℃〜100℃の範囲の温度に加熱する。ある態様において、反応混合物を約90℃に加熱する。反応は触媒することもできる。例えば、反応は、酸、塩基、または金属(例えばルイス酸)の添加により触媒することができる。反応は、数時間、数日、または数週間進行させてもよい。ある態様において、反応は、1〜7日間進行させることができる。ある態様において、反応は、約1〜約3日間進行した。得られた組成物は、精製ありまたはなしで用いることができる。ある態様において、リピドイドは続いてアルキル化ステップ(例えば、ヨウ化メチルとの反応)を通して、4級アミン塩を形成する。任意に、リピドイドの種々の塩形態を調製することができる。ある態様において、塩は、薬学的に許容し得る塩である。
【0225】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン200:
【化217】
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を、エポキシド末端化合物と反応させることにより、調製される。ある態様において、アミン200由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−200)およびその種々の可能な異性体は、次の式:
【化218】
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【化219】
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【化220】
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【化221】
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で表されるものである。
【0226】
ある態様において、
【化222】
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である。
【0227】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0228】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン205:
【化223】
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を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。ある態様において、アミン205由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−205)およびその種々の可能な異性体は、次の式:
【化224】
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【化225】
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【化226】
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で表されるものである。
【0229】
ある態様において、
【化227】
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である。
【0230】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0231】
ある態様において、アミノアルコールリピドイドは、式:
【化228】
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で表されるものである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化229】
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で表されるものである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、
【化230】
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の混合物である。ある態様において、
【化231】
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である。
【0232】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0233】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン96:
【化232】
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を、エポキシド末端化合物C16と反応させることにより、調製される。ある態様において、アミン96由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC16−96)およびその種々の可能な異性体は、次の式:
【化233】
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で表されるものである。
【0234】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン210:
【化234】
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を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。上記と同様の様式で、当業者は、この反応から可能である種々の可能性のある210由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−210)異性体構造を、容易に決定できる。
【0235】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0236】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン220:
【化235】
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を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。上記と同様の様式で、当業者は、この反応から可能である種々の可能性のある220由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−220)異性体構造を、容易に決定できる。
【0237】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0238】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン111:
【化236】
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を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。上記と同様の様式で、当業者は、この反応から可能である種々の可能性のある111由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−111)異性体構造を、容易に決定できる。
【0239】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0240】
2.アミノアルコールリピドイド化合物の合成
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、当分野に知られた任意の方法により調製することができる。好ましくは、アミノアルコールリピドイド化合物は、市販の出発物質、例えば末端エポキシド化合物、内部エポキシド化合物、およびアミンなどから調製される。他の態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、容易におよび/または安価に調製された出発物質から調製される。当業者に理解されるように、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、市販の出発物質から出発する全合成により調製可能である。特定のアミノアルコールリピドイド化合物が、合成の所望の最終産物であってよく、またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物が所望の最終産物であってよい。
【0241】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、アミンをエポキシド末端化合物と反応させることにより、調製される。例示の反応スキームを図1に示す。
【0242】
1、2、および5個のアミン官能基を含む任意のアミンが、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物の調製に有用である。本発明に有用な1級アミンとしては、限定することなく、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、置換アニリン、エタノールアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、およびオクタデシルアミンが挙げられる。アミンは、bis(1級アミン)であってよく、これには、限定することなく、エチレンジアミン、1,3ジアミノプロパン、1,4ジアミノブタン、1,5ジアミノペンタン、1,6ジアミノヘキサン、2,2’(エチレンジオキシ)bis(エチルアミン)を含む。アミンは、bis(2級アミン)であってよい。本発明に有用な2級アミンとしては、限定することなく、ジプロピルアミンおよびメチルペンチルアミンを含む。アミンは、1級および2級アミンの両方を含むことができ、これには、限定することなく、(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミンを含む。市販のアミンが好ましい。ある態様において、アミンは、立体化学的に純粋である(例えば、鏡像異性体的に純粋)。
【0243】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物の合成に用いるアミンは、式:
【化237】
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【化238】
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で表されるものである。
【0244】
本発明において有用なエポキシド末端化合物は、任意のエポキシド末端化合物およびそのラセミ体および立体異性体であって、種々の鎖長さと、種々の程度の飽和を有するユニークな官能基を特徴とするものを含む。ある態様において、エポキシドは、立体化学的に純粋(例えば、鏡像異性体的に純粋)である。ある態様において、エポキシドは、1または2以上のキラル中心を含む。ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化239】
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で表されるものである。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化240】
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で表されるものである。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化241】
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で表されるものである。
【0245】
ある態様において、エポキシドは、1または2以上のキラル中心を含み、例えば以下に示すものである:
【化242】
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【0246】
ある態様において、鏡像異性体エポキシド:
【化243】
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は、エポキシドのラセミ混合物から、次の式の(R,R)−HKR触媒:
【化244】
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で触媒される加水分解速度論的分割(HKR)を用いて、分割される。
さらなる態様において、鏡像異性体エポキシド:
【化245】
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は、エポキシドのラセミ混合物から、次の式の(S,S)−HKR触媒:
【化246】
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で触媒される加水分解速度論的分割(HKR)を用いて、分割される。
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、次のステップ:
(a)式:
【化247】
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で表されるエポキシド1級アルコールを、式:
【化248】
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で表される対応する保護1級アルコール誘導体に変換すること;
(b)式:
【化249】
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で表される保護1級アルコール誘導体を、炭素ベースの求核試薬と反応させて、式:
【化250】
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で表される2級アルコールを産生すること;
(c)式:
【化251】
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で表される2級アルコールを、式:
【化252】
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で表される対応する保護2級アルコール誘導体に変換すること;
(d)式:
【化253】
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で表される保護2級アルコール誘導体を、式:
【化254】
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で表される対応する1級アルコールに脱保護すること;
(e)式:
【化255】
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で表される1級アルコールを、式:
【化256】
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で表される対応するアルデヒドに酸化すること;
(f)式:
【化257】
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で表されるアルデヒドを、式:
【化258】
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で表されるアミンと縮合させて、式:
【化259】
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で表されるイミンを産生すること;および
(g)式:
【化260】
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で表されるイミンを還元して、式:
【化261】
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で表される対応するアミンを産生すること;式中、Rは、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでRの出現の少なくとも1つは水素であり;R、RおよびRは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族、または−CHCH(OH)Rであり;RおよびRは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;RおよびRは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;Rは、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC1〜20ヘテロ脂肪族であり;ならびにPGおよびPGは、本明細書に記載のようにO−保護基である、
を含むプロセスにより調製される。
ある態様において、ステップ(a)のエポキシド1級アルコールは、
【化262】
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であり、ステップ(f)のアミンは、
【化263】
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である。ある態様において、ステップ(a)のエポキシド1級アルコールは、
【化264】
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であり、ステップ(f)のアミンは、
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0247】
本発明に有用なキラルエポキシドは、有機合成分野の当業者に知られている種々の源から得ることができる。いくつかの態様において、本発明において有用なキラルエポキシドは、商業的に得ることができる。いくつかの態様において、本発明において有用なキラルエポキシドは、当業者に知られている方法により合成することができ、例えば、限定はしないが、1級および2級アリルアルコールの、2,3−エポキシアルコールへのSharplessエポキシド化である(Katsuki, et al., J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 5974;Hill, et al., Org. Syn., Coll. Vol. 7, p.461 (1990); Vol. 63, p.66 (1985)およびKatsuki, et al., Org. React. 1996, 48, 1-300;本明細書に参照により組み込まれる)。いくつかの態様において、本発明に有用なキラルエポキシドは、ラセミエポキシドの分割から得る。いくつかの態様において、本発明に有用なキラルエポキシドは、鏡像異性体またはジアステレオ異性体のキラルカラム上での分離により得る。
【0248】
ある態様において、反応は溶媒を用いずニートで行われる。他の態様において、溶媒を反応に用いる。出発アミンまたはエポキシド末端化合物の一方または両方を、有機溶媒(例えば、THF、CHCl、MeOH、EtOH、CHCl、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、CCl、グライム、ジエチルエーテル等))に溶解する。得られた溶液を混合し、反応混合物を熱して、所望のアミノアルコールリピドイド化合物を産生する。ある態様において、反応混合物を25℃〜100℃の範囲の温度に、好ましくは約90℃に加熱する。反応は触媒することもできる。例えば、反応は、酸、塩基、または金属の添加により触媒することができる。試薬は、数時間、数日、または数週間反応させてもよい。好ましくは、反応は一晩(例えば8〜12時間)から7日間、進行させる。
【0249】
合成されたアミノアルコールリピドイド化合物は、当分野に知られた任意の技法により精製することができ、これには限定することなく、沈殿、結晶化、クロマトグラフィ、蒸留などを含む。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、有機溶媒中(例えばジエチルエーテル、ヘキサン等)の繰り返しの沈殿を介して精製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、塩として単離される。アミノアルコールリピドイド化合物は、酸(有機酸または無機酸)と反応して、対応する塩を形成する。ある態様において、3級アミンはアルキル化されて、アミノアルコールリピドイド化合物の4級アンモニウム塩を形成する。3級アミンは、任意のアルキル化剤でアルキル化することができ、例えば、ヨウ化メチルなどのハロゲン化アルキルを用いて4級アミノ基を形成する。4級アミンと関連するアニオンは、任意の有機または無機アニオンであってよい。好ましくは、アニオンは、薬学的に許容し得るアニオンである。
【0250】
ある態様において、反応混合物は、種々の数と位置のエポキシド由来化合物尾部を有する異性体の混合物を生じる。かかる産物または化合物の混合物は、そのままで用いることができ、または単一の異性体もしくは化合物を、反応混合物から精製することができる。アミンが完全にアルキル化されていない場合、得られた1級、2級または3級アミンは、他のアミノアルコールリピドイド化合物、エポキシド末端化合物、または他の求電子体とさらに反応させることができる。得られたアミノアルコールリピドイド化合物は次に、任意に精製することができる。
【0251】
ある態様において、所望のアミノアルコールリピドイド化合物は、伝統的な全合成により調製される。ある態様において、市販のアミンが出発物質である。アミンの1または2以上のアミノ基を、任意に保護する。非保護のアミノ基は、エポキシド末端化合物と反応する。産物を任意に精製する。保護基を取り除き、遊離のアミノ基を任意に他のアミノアルコールリピドイド化合物、エポキシド末端化合物、または他の求電子体と反応させる。かかる順序を、調製される本発明の産物の所望の複合性に依存して、繰り返すことができる。最終産物を次に、任意に精製することができる。
【0252】
1つの態様において、異なるアミノアルコールリピドイド化合物のライブラリを平行して調製する。異なるアミンおよび/またはエポキシド末端化合物を、ライブラリの調製に用いるバイアルセットの各バイアルに、またはマルチウェルプレートの各ウェルに加える。反応混合物のアレイを、アミノアルコールリピドイド化合物の形成が生じるのに十分な温度と時間の間、インキュベートする。1つの態様において、バイアルは約90℃で一晩インキュベートする。ある態様において、バイアルは約90℃で1〜7日間インキュベートする。ある態様において、バイアルは約90℃で3〜4日間インキュベートする。ある態様において、バイアルは約90℃で1〜2日間インキュベートする。アミノアルコールリピドイド化合物は次に、当分野に知られた技法を用いて、単離および精製することができる。アミノアルコールリピドイド化合物は次に、ハイスループット技法を用いてスクリーニングし、所望の特性(例えば、水への溶解性、異なるpHでの溶解性、ポリヌクレオチドに結合する能力、ヘパリンに結合する能力、小分子に結合する能力、タンパク質に結合する能力、微小粒子を形成する能力、トランスフェクション効率を高める能力など)のアミノアルコールリピドイド化合物を同定する。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、遺伝子療法に有用な特性または性質について、スクリーニングすることができる(例えば、ポリヌクレオチドに結合する能力、トランスフェクション効率を高める能力など)。
【0253】
3.ポリヌクレオチド複合体
カチオン性化合物の、負に荷電したポリヌクレオチドと静電相互作用を介して相互作用する能力はよく知られている。リポフェクタミンなどのカチオン性脂質が調製され、ポリヌクレオチドと複合体化してトランスフェクトするその能力について研究されている。脂質のポリヌクレオチドとの相互反応は、少なくとも部分的に、ポリヌクレオチドの分解を防ぐと考えられている。ポリヌクレオチドの主鎖上の電荷を中和することにより、中性またはやや正に荷電された複合体も、細胞の疎水性膜(例えば、細胞質、リソソーム、エンドソーム、核)をより容易に通過することができる。ある態様において、複合体はわずかに正に荷電されている。ある態様において、複合体は正のζ電位を有し、より好ましくはζ電位は0〜+30の間である。
【0254】
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、3級アミンを有する。これらのアミンはヒンダーされているにも関わらず、ポリヌクレオチド(例えばDNA、RNA、DNAおよび/またはRNAの合成類似体、DNA/RNAハイブリッド等)との相互作用に利用可能である。ポリヌクレオチドまたはその誘導体を、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物と、ポリヌクレオチド/リピドイド複合体を形成するのに適した条件下で接触させる。リピドイドは好ましくは、少なくとも部分的にプロトン化されており、こうして負に荷電されたポリヌクレオチドと複合体を形成する。ある態様において、ポリヌクレオチド/リピドイド複合体は、ポリヌクレオチドの細胞への送達に有用な粒子を形成する。ある態様において、複数のアミノアルコールリピドイド分子が、1つのポリヌクレオチド分子と関連することができる。複合体は、1〜100のアミノアルコールリピドイド分子を、1〜1000のアミノアルコールリピドイド分子を、10〜1000のアミノアルコールリピドイド分子を、または100〜10,000のアミノアルコールリピドイド分子を、含むことができる。
【0255】
ある態様において、複合体は粒子を形成することができる。ある態様において、粒子の直径は10〜500μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は10〜1200μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は50〜150μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は10〜500nmの範囲、より好ましくは、粒子の直径は10〜1200nmの範囲、最も好ましくは、粒子の直径は50〜150nmの範囲である。粒子は、以下に記載のように標的化剤と関連することができる。ある態様において、粒子の直径は10〜500pmの範囲、より好ましくは、粒子の直径は10〜1200pmの範囲、最も好ましくは、粒子の直径は50〜150pmの範囲である。粒子は、以下に記載のように標的化剤と関連することができる。
【0256】
4.ポリヌクレオチド
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物により複合体化され封入される、または本発明のアミノアルコールリピドイド化合物を有する組成物中に含まれるポリヌクレオチドは、任意の核酸であってよく、これには限定することなく、RNAおよびDNAを含む。ある態様において、ポリヌクレオチドはDNAである。ある態様において、ポリヌクレオチドはRNAである。
【0257】
ある態様において、ポリヌクレオチドは、RNA干渉(RNAi)を行うRNAである。RNAiの現象は、例えば次の文献にさらに詳細に記載され、これらの各々は本明細書に参照により組み込まれる:Elbashir et al., 2001, Genes Dev., 15:188;Fir; e et al., 1998, Nature, 391:806;Tabara et al., 1999, Cell, 99:123;Hammond et al., Nature, 2000, 404:293;Zamore et al., 2000, Cell, 101:25;Chakraborty, 2007, Curr. Drug Targets, 8:469;およびMorris and Rossi, 2006, Gene Ther., 13:553。
【0258】
ある態様において、ポリヌクレオチドはdsRNA(二本鎖RNA)である。
【0259】
ある態様において、ポリヌクレオチドはsiRNA(低分子干渉RNA)である。
【0260】
ある態様において、ポリヌクレオチドはshRNA(短鎖ヘアピンRNA)である。
【0261】
ある態様において、ポリヌクレオチドはmiRNA(マイクロRNA)である。マイクロRNA(miRNA)は、特に発生の間に遺伝子発現の調節を支援する、ゲノム的にコードされた21〜23ヌクレオチド長の非コードRNAである(例えば、Bartel, 2004, Cell, 116:281;Novina and Sharp, 2004, Nature, 430:161;および米国特許公開2005/0059005を参照;また、Wang and Li, 2007, Front. Biosci., 12:3975;およびZhao, 2007, Trends Biochem. Sci., 32:189にも概説されている;これらの各々は本明細書に参照により組み込まれる)。
【0262】
ある態様において、ポリヌクレオチドはアンチセンスRNAである。
【0263】
いくつかの態様において、dsRAN、siRNA、shRNA、miRNAおよび/またはアンチセンスRNAは、多くの利用可能なアルゴリズムの1または2を用いて、設計および/または予測することができる。いくつかの例としては、以下の資源を用いて、dsRAN、siRNA、shRNA、および/またはmiRNAを設計および/または予測することができる:Alnylum Online、Dharmacon Online、OligoEngine Online、Molecula Online、Ambion Online、BioPredsi Online、RNAi Web Online、Chang Bioscience Online、Invitrogen Online、LentiWeb Online GenScript Online、Protocol Onlineに見出されるアルゴリズム;Reynolds et al., 2004, Nat. Biotechnol., 22:326;Naito et al., 2006, Nucleic Acids Res., 34:W448;Li et al., 2007, RNA, 13:1765;Yiu et al., 2005, Bioinformatics, 21:144およびJia et al., 2006, BMC Bioinformatics, 7: 271;これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0264】
ポリヌクレオチドは、任意のサイズまたは配列であってよく、これらは1本鎖または2本鎖であってよい。ある態様において、ポリヌクレオチドは、100塩基対長より長い。ある態様において、ポリヌクレオチドは、1000塩基対長より長く、10,000塩基対長より長い可能性もある。ポリヌクレオチドは任意に精製され、実質的に純粋である。好ましくは、ポリヌクレオチドは、50%より高い純度であり、より好ましくは75%より高い純度、および最も好ましくは95%より高い純度である。ポリヌクレオチドは、当分野に知られた任意の手段により提供することができる。ある態様において、ポリヌクレオチドは組み替え技術を用いて修飾された(これらの技法のより詳細な説明については、Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., New York, 1999);Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed. by Sambrook, Fritsch, and Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989)を参照、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる)。ポリヌクレオチドはまた、天然源から得ることができ、通常天然に見出される汚染成分から精製される。ポリヌクレオチドはまた、実験室内で化学的に合成することもできる。ある態様において、ポリヌクレオチドは、標準の固相化学を用いて合成される。
【0265】
ポリヌクレオチドは、化学的または生物学的手段により修飾することができる。ある態様において、これらの修飾は、ポリヌクレオチドの安定性の増加をもたらす。修飾には、メチル化、リン酸化、エンドキャッピングなどを含む。
【0266】
ポリヌクレオチドの誘導体もまた、本発明に用いることができる。これらの誘導体には、ポリヌクレオチドの塩基、糖、および/またはホスフェート結合における修飾を含む。修飾塩基としては、限定することなく、次のヌクレオシド類似体に見出されるものが挙げられる:2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、5−メチルシチジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−プロピニルウリジン、C5−プロピニルシチジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン。修飾糖としては、限定することなく、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、アラビノース(リボースの2’−エピマー)、非環式糖、およびヘキソースが挙げられる。ヌクレオシドは、天然のDNAおよびRNAに見出されるホスホジエステル結合以外の結合により、つながれることができる。修飾結合としては、限定することなく、ホスホロチオアートおよび5’−N−ホスホロアミダイト結合を含む。種々の修飾の組み合わせを、1つのポリヌクレオチドに用いることができる。これらの修飾ポリヌクレオチドは、当分野に知られた任意の方法により提供することができる;しかし、当業者に理解されるように、修飾ポリヌクレオチドは、in vitroの合成化学を用いて調製されるのが好ましい。
【0267】
送達されるポリヌクレオチドは、任意の形態であってよい。例えばポリヌクレオチドは、環状プラスミド、直鎖状プラスミド、コスミド、ウイルスゲノム、修飾ウイルスゲノム、合成クロモゾーム等であってよい。
【0268】
ポリヌクレオチドは、任意の配列のものであってよい。ある態様において、ポリヌクレオチドは、タンパク質またはペプチドをコードする。コードされたタンパク質は、酵素、構造タンパク質、受容体、溶解性受容体、イオンチャネル、薬学的活性タンパク質、サイトカイン、インターロイキン、抗体、抗体断片、抗原、凝固因子、アルブミン、増殖因子、ホルモン、インスリン等であってよい。ポリヌクレオチドはまた、遺伝子発現を制御する調節領域を含むことができる。これらの調節領域としては、限定することなく、プロモーター、エンハンサー要素、レプレッサー要素、TATAボックス、リボソーム結合部位、転写終止部位などが上げられる。ある態様において、ポリヌクレオチドはタンパク質をコードすることを意図していない。例えば、ポリヌクレオチドは、トランスフェクトされる細胞のゲノムのエラーを修繕するために用いることができる。
【0269】
ポリヌクレオチドはまた、アンチセンス剤またはRNA干渉(RNAi)として提供されてもよい(Fire et al. Nature 391:806-811, 1998;本明細書に参照により組み込まれる)。アンチセンス療法は、例えば、1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドまたはその誘導体であって、細胞条件下で、細胞mRNAおよび/またはゲノムDNAまたはその変異体に特異的にハイブリダイズして、例えば結合して、コードされたタンパク質の発現を、転写および/または翻訳を阻害することにより阻害する、前記オリゴヌクレオチドの、投与またはin situでの提供を含むことを意味する(Crooke “Molecular mechanisms of action of antisense drugs” Biochim. Biophys. Acta 1489(1):31-44, 1999;Crooke “Evaluating the mechanism of action of antiproliferative antisense drugs” Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 10(2):123-126, discussion 127, 2000;Methods in Enzymology volumes 313-314, 1999;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる)。結合は、従来の塩基対相補性により、または、例えばDNA二重鎖への結合の場合には、二重らせんの主溝における特異的相互作用を介して行うことができる(Chan et al. J. Mol. Med. 75(4):267-282, 1997;本明細書に参照により組み込まれる)。
【0270】
ある態様において、送達されるポリヌクレオチドは、抗原ペプチドまたはタンパク質をコードする配列を含む。これらのポリヌクレオチドを含むナノ粒子を個体に送達して、その後の感染のチャンスを低減し、および/またはかかる感染に関連する症状を軽減するのに十分な、免疫反応を誘発することができる。これらのワクチンのポリヌクレオチドは、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、およびアジュバント例えばコレラ毒素、ミョウバン、フロイントのアジュバントなどと、組み合わせることができる。多数のアジュバント化合物が知られている;多くのかかる化合物の有用な概説が、米国国立衛生研究所により準備されており、インターネット上で閲覧可能である(www.niaid.nih.gov/daids/vaccine/pdf/compendium.pdf、本明細書に参照により組み込まれる;また、次も参照のこと:Allison Dev. Biol. Stand. 92:3-11, 1998;Unkeless et al. Annu. Rev. Immunol. 6:251-281, 1998およびPhillips et al. Vaccine 10:151-158, 1992;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる)。
【0271】
ポリヌクレオチドによりコードされる抗原タンパク質またはペプチドは、以下のような細菌性生物:Streptococccus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Staphylococcus aureus、Streptococcus pyrogenes、Corynebacterium diphtheriae、Listeria monocytogenes、Bacillus anthracis、Clostridium tetani、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae、Streptococcus mutans、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella typhi、Haemophilus parainfluenzae、Bordetella pertussis、Francisella tularensis、Yersinia pestis、Vibrio cholerae、Legionella pneumophila、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium leprae、Treponema pallidum、Leptospirosis interrogans、Borrelia burgdorferi、Camphylobacter jejuni等;天然痘、AおよびB型インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザ、はしか、HIV、水痘−帯状疱疹、単純ヘルペス1および2型、サイトメガロウイルス、エプスタインバールウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ポリオウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、A、B、C、D、およびE型肝炎ウイルス等のウイルス;および、真菌、原虫、および寄生生物、例えば、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Candida albicans、Candida tropicalis、Nocardia asteroides、Rickettsia ricketsii、Rickettsia typhi、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydial psittaci、Chlamydial trachomatis、Plasmodium falciparum、Trypanosoma brucei、Entamoeba histolytica、Toxoplasma gondii、Trichomonas vaginalis、Schistosoma mansoni等、などに由来するものであってよい。
【0272】
5.粒子
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物はまた、薬物送達デバイスの形成にも用いることができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、ポリヌクレオチド、小分子、タンパク質、ペプチド、金属、有機金属化合物等などの剤を封入するのに用いることができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、これを薬物送達デバイスの調製において特に好適なものにする、いくつかの特性を有する。これには、以下を含む:1)脂質を複合体化し、不安定な剤を「保護する」能力;2)エンドソームでのpHを緩衝する能力;3)「プロトンスポンジ」として作用して、エンドソーム破壊を引き起こす能力;および4)負に荷電された剤の電荷を中和する能力。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、送達される剤を含む粒子を形成するのに用いられる。これらの粒子は、例えばタンパク質、炭水化物、合成ポリマー(例えばPEG、PLGA等)、および天然のポリマーなどのその他の物質を含むことができる。
【0273】
ある態様において、粒子の直径は、1μm〜1,000μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1μm〜100μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1μm〜10μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、10μm〜100μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、100μm〜1,000μmの範囲である。ある態様において、粒子は、1〜5μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1nm〜1,000nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1nm〜100nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1nm〜10nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、10nm〜100nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、100nm〜1,000nmの範囲である。ある態様において、粒子は、1〜5nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1pm〜1,000pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1pm〜100pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1pm〜10pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、10pm〜100pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、100pm〜1,000pmの範囲である。ある態様において、粒子は、1〜5pmの範囲である。
【0274】
6.粒子の製造方法
本発明の粒子は、当分野に知られている任意の方法を用いて調製することができる。これには、限定することなく、噴霧乾燥、1または2重乳剤溶媒蒸発法、溶媒抽出、相分離、単純および複合コアセルベーション、および当業者によく知られて他の方法が含まれる。ある態様において、粒子の製造方法は、2重乳剤法および噴霧乾燥である。粒子の調製に用いられる条件は、所望のサイズまたは特性の粒子(例えば、疎水性、親水性、外部形態、「粘着性」、形状など)を産生するために変化させることができる。粒子の製造方法および用いる条件(例えば溶媒、温度、濃度、気流量など)もまた、封入される剤および/またはマトリックスの組成に依存し得る。
【0275】
封入された剤を送達する粒子を作るために開発された方法は、文献に記載されている(例えば、以下を参照:Doubrow, M., Ed., “Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy,” CRC Press, Boca Raton, 1992;Mathiowitz and Langer, J. Controlled Release 5:13-22, 1987;Mathiowitz et al. Reactive Polymers 6:275-283, 1987;Mathiowitz et al. J. Appl. Polymer Sci. 35:755-774, 1988;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる)。
【0276】
任意の上記の方法により調製された粒子が、所望の範囲内ではないサイズを有する場合、粒子は、例えばふるいを用いてサイズを変えることができる。粒子は被覆してもよい。ある態様において、粒子は標的化剤で被覆される。他の態様において、粒子は、所望の表面特性(例えば特定の電荷)を実現するために被覆される。
【0277】
7.ミセルおよびリポソーム
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物を用いて、ミセルまたはリポソームを調製することができる。ミセルまたはリポソームを調製するための多くの技法が当分野に知られており、任意の方法を本発明のアミノアルコールリピドイド化合物と共に用いて、ミセルおよびリポソームを作製することができる。さらに、ポリヌクレオチド、小分子、タンパク質、ペプチド、金属、有機金属化合物等などの任意の剤を、ミセルまたはリポソームに含むことができる。ミセルおよびリポソームは、疎水性小分子などの疎水性の剤を送達するのに、特に有用である。
【0278】
ある態様において、リポソーム(脂質またはアミノアルコールリピドイド化合物小胞)は、自発的集合を通して形成される。他の態様において、リポソームの形成は、薄い脂質膜または脂質ケーキが水和され、脂質結晶二重層のスタックが流体になり膨張した場合になされる。水和脂質シートは攪拌の間に離されて自己封鎖し、大きな多重膜小胞(LMV)を形成する。これにより、水と二重層の端部における炭化水素コアの相互作用を防ぐ。これらの粒子が一旦形成されると、粒子のサイズは、超音波エネルギーの入力(音波処理)または機械的エネルギー(押出し)を介して、減少させることができる。Walde, P. “Preparation of Vesicles (Liposomes)” In Encylopedia of Nanoscience and Nanotechnology;Nalwa, H. S. Ed. American Scientific Publishers: Los Angeles, 2004; Vol. 9, pp. 43-79;Szoka et al. “Comparative Properties and Methods of Preparation of Lipid Vesicles (Liposomes)” Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467-508, 1980を参照のこと;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる。リポソームの調製には、水和用のアミノアルコールリピドイド化合物を調製すること、アミノアルコールリピドイド化合物を攪拌により水和すること、および小胞のサイズを変化させて、リポソームの一様な分散を実現すること、が関与する。アミノアルコールリピドイド化合物をまず有機溶媒に溶解して、アミノアルコールリピドイド化合物の一様な混合物を確実にする。次に溶媒を除去して、リピドイドフィルムを形成する。このフィルムを完全に乾燥させ、残りの有機溶媒を、バイアルまたはフラスコを真空ポンプに一晩置くことにより取り除く。リピドイドフィルム/ケーキの水和は、水媒体を乾燥リピドイドの容器に加え、混合物を攪拌することにより行う。LMV懸濁物の超音波エネルギーによる破壊により、一般に、15〜50nmの範囲の直径の小さな単層小胞(SUV)が産生される。脂質の押出しは、脂質懸濁物を、所定のポアサイズのポリカーボネートフィルターを強制的に通過させることにより、用いたフィルターのポアサイズに近い直径の粒子を産生する技法である。100nmのポアのフィルターを通しての押出しにより、一般には、120〜140nmの平均直径の大きな単層小胞(LUV)が産生される。
【0279】
ある態様において、ポリヌクレオチドはRNA分子(例えば、RNAi分子)である。他の態様において、ポリヌクレオチドはDNA分子である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−120である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC16−120である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−98である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−113である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC18−96である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−96である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−110である。ある態様において、リポソーム中のアミノアルコールリピドイド化合物の量は、30〜80mol%の、好ましくは40〜70mol%の、さらに好ましくは60〜70mol%の範囲である。これらのリポソームは、当分野に知られている任意の方法を用いて調製することができる。ある態様において(例えばRNAi分子を含むリポソーム)、リポソームは脂質押出しにより調製される。
【0280】
あるアミノアルコールリピドイド化合物は、例えばDNAおよびRNAなどの一定の分子の周りに自発的に自己集合して、リポソームを形成することができる。いくつかの態様において、用途はポリヌクレオチドの送達である。これらのアミノアルコールリピドイド化合物を使用すると、追加のステップまたは押出機などの装置の必要なく、リポソームの簡単な集合が可能となる。
【0281】
次の学術論文には、リポソームおよびミセルを調製する別の方法が記載されている:Narang et al. “Cationic Lipids with Increased DNA Binding Affinity for Nonviral Gene Transfer in Dividing and Nondividing Cells” Bioconjugate Chem. 16:156-68, 2005;Hofland et al. “Formation of stable cationic lipid/DNA complexes for gene transfer” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7305-7309, July 1996;Byk et al. “Synthesis, Activity, and Structure-Activity Relationship Studies of Novel Cationic Lipids for DNA Transfer” J. Med. Chem. 41(2):224-235, 1998;Wu et al. “Cationic Lipid Polymerization as a Novel Approach for Constructing New DNA Delivery Agents” Bioconjugate Chem. 12:251-57, 2001;Lukyanov et al. “Micelles from lipid derivatives of water-soluble polymers as delivery systems for poorly soluble drugs” Advanced Drug Delivery Reviews 56:1273-1289, 2004;Tranchant et al. “Physicochemical optimisation of plasmid delivery by cationic lipids” J. Gene Med. 6:S24-S35, 2004;van Balen et al. “Liposome/Water Lipophilicity: Methods, Information Content, and Pharmaceutical Applications” Medicinal Research Rev. 24(3):299-324, 2004;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0282】
8.剤
本発明のシステムにより送達される剤は、治療剤、診断剤、または予防剤であることができる。個体に投与される任意の化合物は、本発明の複合体、ピコ粒子、ナノ粒子、微小粒子、ミセル、またはリポソームを用いて送達することができる。剤は、小分子、有機金属化合物、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、金属、同位体標識化合物、薬物、ワクチン、免疫学的剤などであってよい。
【0283】
ある態様において、剤は、薬剤活性を有する有機化合物である。本発明の他の態様において、剤は、臨床的に使用される薬物である。ある態様において、薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔剤、ステロイド剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、抗原、ワクチン、抗体、うっ血除去薬、抗高血圧薬、鎮静剤、受胎調節剤、プロゲステロン剤、抗コリン剤、鎮痛剤、抗欝剤、抗精神病薬、βアドレナリン遮断薬、利尿薬、心血管活性剤、血管作用薬、非ステロイド抗炎症剤、栄養剤などである。
【0284】
本発明のある態様において、送達される剤は、剤の混合物であってよい。
【0285】
診断剤は、以下を含む:気体;金属;ポジトロン放出断層撮影法(PET)、コンピュータ支援断層撮影法(CAT)、単光子放出コンピュータ断層撮影法、X線、蛍光透視法、および磁気共鳴映像法(MRI)で用いる市販のイメージング剤;および造影剤。MRIでの造影剤として用いるのに適した物質の例は、ガドリニウムキレート、および鉄、マグネシウム、マンガン、銅、およびクロムを含む。CATおよびX線イメージングに有用な物質の例は、ヨードベースの物質を含む。
【0286】
予防剤は、限定することなく、抗生物質、栄養補助食品、およびワクチンを含む。ワクチンには、単離タンパク質またはペプチド、不活性化生物およびウイルス、死亡生物およびウイルス、遺伝的改変生物およびウイルス、および細胞抽出物を含むことができる。予防剤は、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、およびアジュバント、例えばコレラ毒素、ミョウバン、フロイントのアジュバントなどと混合することができる。予防剤は、以下のような細菌性生物、例えばStreptococccus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Staphylococcus aureus、Streptococcus pyrogenes、Corynebacterium diphtheriae、Listeria monocytogenes、Bacillus anthracis、Clostridium tetani、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae、Streptococcus mutans、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella typhi、Haemophilus parainfluenzae、Bordetella pertussis、Francisella tularensis、Yersinia pestis、Vibrio cholerae、Legionella pneumophila、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium leprae、Treponema pallidum、Leptospirosis interrogans、Borrelia burgdorferi、Camphylobacter jejuni等の抗原;天然痘、AおよびB型インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザ、はしか、HIV、水痘−帯状疱疹、単純ヘルペス1および2型、サイトメガロウイルス、エプスタインバールウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ポリオウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、A、B、C、D、およびE型肝炎ウイルス等のウイルスの抗原;および、真菌、原虫、および寄生生物、例えば、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Candida albicans、Candida tropicalis、Nocardia asteroides、Rickettsia ricketsii、Rickettsia typhi、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydial psittaci、Chlamydial trachomatis、Plasmodium falciparum、Trypanosoma brucei、Entamoeba histolytica、Toxoplasma gondii、Trichomonas vaginalis、Schistosoma mansoni等の抗原を含む。
【0287】
9.標的化剤
本発明の複合体、リポソーム、ミセル、微小粒子、ピコ粒子およびナノ粒子は、標的化剤を含むよう修飾することができるが、これは、特定の細胞、細胞の集合、または組織を標的とすることが多くの場合望ましいためである。医薬組成物を特定の細胞に指向させる種々の標的化剤が、当分野に知られている(例えば、Cotten et al. Methods Enzym. 217:618, 1993を参照;本明細書に参照により組み込まれる)。標的化剤は、粒子全体にわたり、または表面上にのみ、含まれることができる。標的化剤は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、糖タンパク質、脂質、小分子、核酸などであってよい。標的化剤は、特定の細胞または組織を標的とするために用いることができ、または、粒子のエンドサイトーシスまたは食細胞活動(ファゴサイトーシス)を促進するために用いることができる。標的化剤の例としては、限定することなく、抗体、抗体断片、低密度リポタンパク質(LDL)、トランスフェリン、アシアリコタンパク質(asialycoprotein)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のgp120エンベロープタンパク質、炭水化物、受容体リガンド、シアル酸、アプタマーなどを含む。標的化剤が粒子全体に含まれている場合、標的化剤は、粒子を形成するために用いる混合物中に含まれていてよい。標的化剤が表面のみにある場合、標的化剤は、標準の化学的技法を用いて、形成された粒子と関連させることができる(すなわち、共有結合、疎水性、水素結合、ファンデルワールス、またはその他の相互作用により)。
【0288】
10.医薬組成物
複合体、ミセル、リポソーム、または粒子が一旦調製されると、これらを1または2以上の医薬賦形剤と組み合わせて、ヒトを含む動物への投与に好適な医薬組成物を形成することができる。当業者に理解されるように、賦形剤は、以下に記載のような投与経路、送達される剤、剤の送達の経時変化などに基づき選択することができる。
【0289】
本発明の医薬組成物および、本発明に従った使用は、薬学的に許容し得る賦形剤または担体を含むことができる。本明細書において、「薬学的に許容し得る担体」とは、非毒性の不活性な固体、半固体、または液体の増量剤、希釈剤、封入物質または任意の種類の製剤補助剤を意味する。薬学的に許容し得る担体として機能する物質のいくつかの例は、糖類、例えばラクトース、グルコース、およびスクロース;デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース;トラガカント末;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび座剤ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;Tween 80などの洗浄剤;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェン非含有水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;およびリン酸緩衝液であり、ならびにその他の非毒性適合可能潤滑剤、例えばラウリルリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、および着色剤、放出剤、被覆剤、甘味料、風味および香料剤、保存剤および抗酸化剤もまた、製剤者の判断によって組成物中に存在することができる。本発明の医薬組成物は、ヒトおよび/または動物に対して、経口、直腸、非経口、嚢内、膣内、鼻腔内、腹腔内、局所的(散剤、クリーム剤、軟膏剤、または滴剤により)、口腔内に、または経口もしくは鼻腔スプレーとして、投与することができる。
【0290】
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容し得る乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性成分(すなわち微小粒子、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、ポリヌクレオチド/脂質複合体)に加えて、液体剤形は、当分野で一般的に用いられる不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、溶解剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物を含むことができる。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、風味剤および芳香剤などのアジュバントも含むことができる。
【0291】
注射用製剤、例えば、無菌の注射用の水性または油性懸濁剤を、当分野に知られた方法により、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて製剤化することができる。無菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の、無菌注射用溶液剤、懸濁剤または乳剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤などであってよい。用いることのできる許容し得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液などがある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられている。この目的に対して、任意の無刺激性固定油を用いることができ、これには合成モノ−およびジグリセリドを含む。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を、注射用製剤に用いる。ある態様において、粒子は、1%(w/v)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)Tween 80を含む担体液体中に懸濁される。
【0292】
注射用製剤は滅菌することができ、例えば、使用前に、細菌固定フィルター(retaining filter)を通したろ過によるか、または、無菌水またはその他の無菌注射用媒体中に溶解または分散させることができる、無菌の固体組成物の形態における滅菌剤を混合することによる。
【0293】
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは座剤であり、これは粒子を、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または座剤ワックスなどの好適な非刺激性の賦形剤または担体であって、周囲温度では固体であるが身体の温度では液体であり、したがって直腸または膣腔において溶けて粒子を放出する、前記賦形剤または担体と混合することにより、調製可能である。
【0294】
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、粒子は少なくとも1つの不活性な薬学的に許容し得る賦形剤または担体と、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと、および/またはa)増量剤もしくは増量材、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸など、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロール、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア、c)湿潤剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶液遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、およびi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と、混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含むことができる。
【0295】
類似の種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いる軟および硬ゼラチンカプセル中で、増量剤として用いることができる。
【0296】
錠剤、糖剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬製剤分野でよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは任意に不透明化剤を含むことができ、これらはまた、活性成分(単数または複数)を腸管の一定部分においてのみ、またはそこで優先的に、任意に遅延様式において、放出する組成物であることができる。用いることができる包埋組成物の例は、高分子物質およびワックスを含む。
【0297】
類似の種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いる軟および硬ゼラチンカプセル中で、増量剤として用いることができる。
【0298】
本発明の医薬組成物の局所または経皮投与用の剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、またはパッチを含む。粒子は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体および、必要に応じて任意の必要な保存剤または緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤も、本発明の範囲内であることが意図される。
【0299】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、およびゲルは、本発明の粒子に加えて、動物および植物油脂、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛などの賦形剤またはこれらの混合物を含むことができる。
【0300】
散剤およびスプレー剤は、本発明の粒子に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末などの賦形剤またはこれらの混合物を含むことができる。スプレー剤は、クロロフルオロヒドロカーボンなどの通例の噴霧剤をさらに含むことができる。
【0301】
経皮パッチは、化合物の身体への制御された送達を提供するという、追加の利点を有する。かかる剤形は、微小粒子またはナノ粒子を適切な媒体中に溶解または分散することにより、作製することができる。吸収推進剤も、化合物の皮膚を渡る流れを増加させるために用いることができる。速度は、速度制御膜を提供するか、または粒子をポリマーマトリクスもしくはゲル内に分散させることにより、制御可能である。
【0302】
本発明のこれらおよびその他の側面は、以下の例を考慮してさらに理解される;これらの例は、本発明のある特定態様を説明することを意図しているが、クレームに規定された発明の範囲を限定することは意図しない。
【0303】

例1
1, 2−アミノアルコールの合成およびキャラクタリゼーション
これらのリピドイドを、図1に示すようにして、アミンとエポキシドを攪拌子を備えたガラス製バイアル中で混合し、90℃に加熱して合成した。選んだアミンは2〜5個のアミン官能基を含み、一方エポキシドは種々の鎖長さを有し、ユニークな官能基および種々の度合いの飽和を有するラセミ体である(図2)。反応時間は、この温度において24〜72時間の間で変化させた。混合物は一般に反応の間透明を保ち、反応が進行するにつれて顕著に粘性となった。冷却により、多くはワックス状の固体となった。反応の程度は、反応混合物に加えたエポキシドの当量数により制御することができた。例えば、示した例において、アミン114は最大5つの置換用の位置を有する。5当量のエポキシドを加えると、1,2−アミノアルコールにより結合された5つのアルカン鎖を有するアミンコアを産生する。4当量のエポキシドを加えると、同じ構造により結合された4つのみの鎖が産生される。これは薄層クロマトグラフィ(TLC)により確認され、それによれば、記載のようにセットされた粗反応混合物中に、主として1つの産物が存在することが示された。
【0304】
分子の識別を確認するために、いくつかの試験反応物をセットし、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。粗反応混合物の成分を分離し、NMRおよび質量分析法により試験した。再度、アミン114の場合には3つの産物が同定された:3、4、および5尾部の産物である。分子量を質量分析により確認し、構造はNMRにより確認した(図3、これは、アミン114から得られたエポキシドリピドイドの特性データを示す)。これらのリピドイド化合物を次に、TLC分析用ライブラリの選択されたメンバーに対する標準として用いた。アミンを完全に置換するようセットした反応物は、完全置換の標準に類似したRおよび染色プロファイルを有した。アミンのn−1位置を置換するようセットした反応物は、n−1標準に類似したRおよび染色プロファイルを有した(図4)。
【0305】
例2
RNA送達のためのin vitroスクリーニング
エポキシドリピドイドを、蛍ルシフェラーゼおよびRenillaルシフェラーゼの両方を安定に発現するHeLa細胞系にsiRNAを送達する、その能力について試験した。有効性の決定は、リピドイドを蛍ルシフェラーゼに特異的なsiRNAと混合し、この混合物を細胞に加えて、Renillaに対する蛍の発現の比率を測定することにより行った。この手順は96ウェルのマイクロタイタープレート内で行って、材料のハイスループット試験を可能にした。このアッセイにおいて、蛍およびRenillaルシフェラーゼ両方の発現の低下は毒性を示し、一方蛍の発現のみの低下は、siRNAによる特異的ノックダウンを示す。ライブラリの選択されたメンバーの初めのスクリーニング結果を図5に示す。このサンプリングの多くのメンバーは、細胞をトランスフェクトし、蛍ルシフェラーゼのいくらかのノックダウンを生じさせる、一定の能力を示した。これらのうち最高の性能を示したのは、一般に、3または4以上のアミン官能基のモノマーと結合した14炭素以上のエポキシド由来のリピドイドであった。少数は、試験したリピドイドの最低用量においてさえも、蛍発現のほぼ完全な消失を示した。
【0306】
例3
RNA封入効率
in vitro実験用の製剤は、細胞への添加の前に、緩衝液中に設定の比率で、RNAとリピドイドを単純に混合することである。in vivo製剤には、追加の成分を添加して、身体での循環を促進することが求められる。これらのリピドイドの、in vivo作用に適した粒子を形成する能力を試験するために、実験室で用いられる標準の製剤手順にしたがった。これらの粒子は、42%のリピドイド、48%のコレステロールおよび10%のPEGから構成された。粒子の形成後、RNAを加え、複合体に組み込まれるようにした。封入効率は、標準のRibogreenアッセイを用いて決定した。次の表に示すように、これらの粒子は押出し後に100nmのオーダーであり、いくつかは90%を超える封入効率を実現した。
選択されたエポキシドリピドイドの粒子サイズおよび取込み効率
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
例4
HepG2細胞を、15,000細胞/ウェルの密度で、不透明白色96ウェルプレート(Corning-Costar, Kennebunk, ME)内にトランスフェクションの24時間前に播種して、増殖および集密させた。リピドイドの作業希釈物を、25mMの酢酸ナトリウム中(pH5)に、0.5mg/ml濃度で作製した。遺伝子送達実験には、pCMV−Luc蛍ルシフェラーゼDNA(ElimBiopharmaceuticals, South San Francisco, CA)を用いた。リピドイド:DNA複合体は、正に荷電したリピドイド分子と負に荷電した核酸の間の静電相互作用により形成させた。定量のDNAに加えるリピドイド溶液の容積を変化させて、リピドイドのDNAに対する種々の重量:重量比率を試験した。リピドイド溶液(75μl)をDNA溶液(75μl)に加え、よく攪拌した。混合物を次に室温で20分間インキュベートし、複合体化させた。これらの複合体(30μl)を次に、培地を含有する血清(200μl)に加え、よく攪拌した。増殖培地を次に細胞から取り除き、培地を含有するリピドイド:DNA複合体を直ちに加えた。全DNA負荷は、ウェル当たり300ugDNAであった。リポフェクタミン2000トランスフェクションを、製造業者の記載に従って実施した。複合体を細胞により48時間インキュベートさせた。ルシフェラーゼ発現を次に、Bright-Gloアッセイ(Promega, Madison, WI)により定量化した。簡単に述べると、トランスフェクションの48時間後、増殖培地含有リピドイド:DNA複合体を、12チャネルの吸引棒(aspirating wand)を用いて細胞から除去した。Bright-Glo試薬とDMEM含有非フェノールレッドの1:1混合物200ulを、細胞の入った96ウェルプレートの各ウェルに加えた。室温で10分間のインキュベーション後、発光を照度計で測定した。(n=3)。結果の例を図6に示す。
【0308】
例5
リピドイドベースのsiRNA製剤は、リピドイド、コレステロール、ポリエチレングリコール脂質(PEG脂質)およびsiRNAを含む。リピドイド、mPEG2000−DMG MW2660(Alnylamにより合成)、およびコレステロールMW387(Sigma-Aldrich)の原液をエタノール中に調製し、モル比42:10:48となるよう混合した。混合脂質を200mMの酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.2に加え、35%エタノールを含む溶液を作り、空のリピドイドナノ粒子を自発的に形成させた。得られたナノ粒子を80nm膜を通して押出した(3回通過)。35%エタノールおよび50mMの酢酸ナトリウム、pH5.2中のsiRNAを、10:1(wt/wt)の全脂質:siRNAでナノ粒子に加え、37℃で30分間インキュベートした。エタノールの除去と、siRNA含有リピドイドナノ粒子の緩衝液交換を、3,500MのWCO膜を用いたPBSに対する透析により実施した。粒子サイズは、Malvern Zetasizer NanoZS’(Malvern)を用いて決定し、siRNA含量および取込み効率は、Ribogreenアッセイにより決定した。
【0309】
C57BL/6マウス(Charles River Labs)に、生理食塩水またはリピドイド製剤中のsiRNAのどちらかを、0.01ml/gの容積の尾静脈注射により与えた。マウスに、1.75または4mg/kgの取込みsiRNAの用量を与えた。投与の48時間後、動物をイソフラン吸入により麻酔して、血液を眼窩後出血により血清分離管に採取した。試料中の第VII因子タンパク質の血清レベルを、色素産生アッセイを用い、製造業者(Biophen FVII, Aniara Corporation)のプロトコルに従って決定した。標準曲線は、生理食塩水処置動物から採取した血清を用いて作成した。結果の例を図7に示す。
【0310】
例6
エポキシドライブラリのin vitroスクリーニング
エポキシドベースリピドイドのライブラリの化合物を、本明細書に記載の手順に従って合成した。化合物を次に、癌細胞株へのsiRNA送達効率について、ルシフェラーゼ受容体タンパク質を発現するよう遺伝子操作したHela由来細胞株を用いてスクリーニングした。これらの実験において、各物質の、配列特異的遺伝子サイレンシングを促進する能力を、処置群と未処置の対照におけるタンパク質レベルの比較により評価した。各化合物について、送達実験を、リピドイド:siRNAの重量比を変化させて実施した。元の開示では、全ライブラリのノックダウン結果を示した。図11に概略のデータセットを示すが、in vitroスクリーンにおける上位25の性能の化合物についての結果を示し、これには、C16−96−B、C14−200および/またはC14−205、およびC12−200および/またはC12−205を含む。
【0311】
例7
性能上位のエポキシドリピドイドのin vivoスクリーニング
in vivoでのsiRNA送達の有効性を試験するために、肝臓送達のマウスモデルを用いた。第VII因子、肝細胞特異的血液凝固因子を、ノックダウン研究のモデルタンパク質として機能させた。肝細胞により産生されると、第VII因子は血流に放出され、発現のベースラインレベルは、単純な血液採取およびタンパク質レベルの比色分析による定量化により、決定することができる。抗第VII因子siRNAを肝細胞に送達することにより、このモデルタンパク質のノックダウンを実現し、サイレンシングのパーセンテージを、未処置対照との比較により決定することができる。
【0312】
in vitroスクリーンに続いて、化合物をパート1(例14参照)に詳述するようにして精製した。in vivo試験については、血清での安定性およびsiRNAパッケージングのために、化合物をコレステロールおよびPEG脂質と共に製剤化した。これらの実験において、リピドイドは、リピドイド:コレステロール:PEGを42:48:10のモル比で製剤化した。全脂質(リピドイド+コレステロール+PEG)のsiRNAに対する重量比は、10:1であった。それぞれの製剤化の後、粒子をそのサイズおよびsiRNAの取込み効率について、それぞれ動的光散乱およびRibogreenアッセイを用いてキャラクタリゼーションを行った。最初のスクリーンにおいて投与されるsiRNAの全用量は、リピドイド粒子の取込み効率における差のために、群間で異なる。全実験において、各マウスに投与されるsiRNAの用量は、体重にしたがって一定である。in vivoスクリーンからのノックダウン結果を図12に示す。B1およびB2の用語は、TLCにより視覚化され、精製の間に単離された異なる化合物を表す。示されるように、C14−11−BおよびC16−96−Bは、初めのスクリーンからの先頭の化合物であった。いくつかの化合物はこのスクリーンにおいて有効性を示さなかったが、しかし製剤組成物の単純な調節が結果を大きく改善し得ることは、注目すべきである。
例8
最初のin vivoスクリーン実験に続いて、2つの化合物を用いて用量反応を実施した。これらの実験および全てのその後の実験において、siRNAの用量は、製剤中の全siRNA含量に基づき、取り込まれたsiRNAには基づかない。用量反応結果を図13aおよび14aに示す。第VII因子の測定に加えてマウス体重における変化を記録し、体重減少を一般に、製剤誘発性の毒性と考える(図13bおよび図14bを参照)。表1および2は、これらの実験の製剤パラメータおよび特性データを示す。
表1 C16−96−B用量反応製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
表2 C14−110−B用量反応製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0313】
例9
用量反応の完了後、C16−96−Bをさらなる検討および最適化に選択した。次の実験において、製剤中の組成物のパーセントを変化させて、組成物の粒子サイズ、取込み、および有効性に対する効果を観察した。検査した組成物を表3に示す。図15は、試験した製剤からのノックダウン結果を示す。赤字の製剤は前回の最善のものであるが、異なる組成で粒子を製剤化することにより、有効性を改善できることが示される。
表3 C16−96−B製剤最適化実験についての製剤パラメータおよび特性データ
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0314】
例10
第2の用量反応を、新しい組成パーセントパラメータを用いて行った。ノックダウン結果と粒子製剤/特性を図16および表4にそれぞれ示す。この組成で製剤化することにより、0.25mg/kgの用量で約40%のノックダウンを実現した。この結果を新しい基準としてライブラリを修正し、前に試験しなかった物質を0.25mg/kgにてスクリーニングして、同様のまたはよりよい結果を与えることのできるその他の化合物の探索を試みた。
表4
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
例11
再度のin vivoスクリーンにおいて、化合物C12−200および/またはC12−205を、0.25mg/kgの用量でほぼ完全に近いサイレンシングを与えると同定した。図12に示すように、この化合物のやや長い尾部のもの、C12−200および/またはC12−205を、高度に効率的な送達剤として前に同定し、はるかに高い0.75mg/kg全siRNAの用量で完全なサイレンシングを与えることを示した。この化合物が、はるかに低い容量で完全なサイレンシングを促進できるという可能性があるが、C12−200および/またはC12−205が焦点であったために、完全には調査されていなかった。この化合物の有効性の発見に続いて、パート1(例14参照)に詳述されているキャラクタリゼーションの実験を開始した。
【0316】
このスクリーンのノックダウンおよび体重変化の結果を図17bに示し、表5には製剤パラメータおよび特性を示す。図17aは、C16−96−Bの第2バッチについてのノックダウン結果を示す。前の実験において、この化合物は、0.25mg/kgの用量で約40%のノックダウンをもたらした。質量分析から、このバッチが、前の研究で用いられたさらに効果的な3尾部バージョンではなく、2尾部であることが示された。
表5 再度のin vivoスクリーニングについての製剤パラメータおよび特性データ
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
例12
低用量反応をC12−200および/またはC12−205について実施した。ノックダウンおよび体重減少結果を、図18aおよび図18bに示す。結果は、効果的なノックダウンが非常に低いsiRNAの用量で実現されることを示す。オリジナルのリピドイドライブラリからの前回の最適化合物であるND98と比較して、同等のノックダウンが100倍低い用量のsiRNAで実現可能である。製剤パラメータおよび特性データを表6に示す。
表6 C12−200および/またはC12−205およびND98製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0318】
例13
送達有効性をさらに改善するために、C12−200および/またはC12−205製剤の組成パーセントを増分的に変更した。これらの製剤を、0.01mg/kgの用量でスクリーニングして、前の組成物より性能の良い可能性のある製剤を同定した。これらの実験結果を図19に、また製剤パラメータおよび特性を表7に示す。予想されるように、より有効な送達が、製剤の組成を調整することにより実現できる。この最適化作業は、C12−200および/またはC12−205構造のより長いまたはより短い尾部のバージョンを用いて、現在実施中である。
表7 C12−200および/またはC12−205製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0319】
例14
パート1:アミン111に基づくリピドイド
アミン111(テトラエチレンペンタミンまたはTEPA)を、次の構造の直鎖状ポリアミンとして表す:
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
【0320】
アミン111と12炭素末端エポキシドC12との反応の予想される産物は以下である。
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
【0321】
この反応を実行し、粗反応混合物を、極性シリカゲルからの産物溶出の順序は以下であるとの仮定に基づいて分離した:a)7尾部(111アミン上での最大置換);b)6尾部異性体(111アミンと反応した6つのエポキシドに対応する異性体);c)5尾部異性体、等々。粗反応混合物のMALDI−MSスペクトルは、これらの化合物のm/z比率に対応するピークを示すであろうと予想された(推定の7尾部、6尾部および5尾部産物の[M+H]計算値:それぞれ1481、1295、および1111)。物質が粗反応混合物から単離され、TLC分析に基づき6尾部異性体の混合物であると推定された。この「精製」物質は、in vivo抗第VII因子トランスフェクションアッセイにおいて非常に良好に機能した。
【0322】
粗反応混合物および精製「6尾部」物質のMALDI−MSスペクトル(図20a参照)は、化合物を示唆した(図20b参照)。技術グレードテトラエチレンペンタミン(TEPA)は、類似の沸点を有する化合物の混合物である;これらの化合物のいくつかは、次の式で表される:
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
【0323】
C12エポキシドとこれらの化合物の反応は、粗反応混合物のMALDI質量スペクトルにおける強いピークの多くを説明する(図20a)。「精製」物質で観察されたm/z比(図20b)は、アミン200または205の、5当量のエポキシドとの反応に整合し([M+H]のm/z計算値1137、観察された値1137)、またアミン210または220の、4当量のエポキシドとの反応に整合する([M+H]のm/z計算値910、観察された値910)。これらの化合物の構造は、以下である:
【化269】
[この文献は図面を表示できません]
【0324】
この結果が再現可能であるかどうかを決定するために、エポキシド開環反応を、C12エポキシドと2つの異なるバッチのアミン111を用いて行った。MALDI−MSを、それぞれの粗反応混合物について行った。C12エポキシドと古いバッチの111アミンの間の反応において、化合物のアレイが観察され、これはまた、元の粗反応混合物においても観察された(図20aを参照)。C12エポキシドと新しいバッチの111アミンの間の粗反応混合物のMALDIスペクトル(図21a参照)は、m/zピーク比1481(直鎖アミン111と7つのエポキシド尾部)および1137(アミン200または205と5つのエポキシド尾部に整合)の優勢なピークを含んでいる。このスペクトルのm/z910におけるピークは小さかった。これはおそらく、111アミンの異なるバッチ間の差によるようである。第2の反応物の精製により、m/z1137の物質の高度に純粋な試料を単離することができた;我々は、この物質を「C12−200および/またはC12−205」と指定した。C12−200および/またはC12−205のH NMRスペクトルは、提案の構造と整合する(図22参照)。
【0325】
我々は、アミン200、205、210、および220および関連するアミン構造と、下記の種々の長さのエポキシドとの反応に基づき、物質のライブラリを開発している:
【化270】
[この文献は図面を表示できません]
【0326】
これらのアミンは、当業者によく知られている技法を用いて純粋形態で調製される。我々はまた、遊離ベースの市販の111アミンペンタヒドロクロライドから、次のスキームに従って得られる物質のライブラリも提案する:
【化271】
[この文献は図面を表示できません]
実際の直鎖状ペンタアミンは、次の構造を有する:
【化272】
[この文献は図面を表示できません]
【0327】
例15
パート2:アミン96に基づくリピドイド
この例は、次に示すような、アミン96とC16エポキシドの反応から得られるアミノアルコールリピドイドの変形である構造のライブラリの、コアの96アミンに基づく合成について記載する:
【化273】
[この文献は図面を表示できません]
初めに、メチル基の位置での変形を、次のスキーム:
【化274】
[この文献は図面を表示できません]
に従って、末端エポキシドを次に示すような市販のアミンの組み合わせと反応させることにより実施する:
【化275】
[この文献は図面を表示できません]
この戦略に基づき、得られたライブラリは、約800の可能性のある種々の構造のアミノアルコールを含む。
【0328】
類似のアミン出発物質が利用可能であり、ここで2つのアミンの間の炭素鎖の長さは、次に記載のように、アミン96よりも長いかまたは短い。
【化276】
[この文献は図面を表示できません]
これらのアミンと種々の末端エポキシドの反応から得られる化合物のライブラリは、追加の〜700のアミノアルコールリピドイドを提供する。
【0329】
保護/脱保護合成戦略は、複数の変形を提供することができ、ここで2つのコアアミンは異なるアルキルエポキシドにより、次のスキームに従って官能化される:
【化277】
[この文献は図面を表示できません]
この戦略は、1つのアミン位置において、1つのエポキシド以外の官能基(例えばハロゲン化アルキル、イソチオシアネート、クロロホルマート、酸ハロゲン化物)による置換を可能とし、2つの異なる官能基を同じアミンコア上に、次のように生成する:
【化278】
[この文献は図面を表示できません]
以下は、同一のアミンコア上に2つの異なる官能基を有する種々の化合物を生成するための、一般合成手順を説明する例示のスキームである:
【化279】
[この文献は図面を表示できません]
式中、Yはアリール、ヘテロアリール、アルキル基(エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、および/またはハロゲン化アルキルとは非反応性);およびZは、イソシアネート、イソチオシアネート、ハロゲン化アルキルからの断片であって、次の例示の構造を有する:
【化280】
[この文献は図面を表示できません]
【0330】
種々のマルチステップ配列を用いて、追加のヒドロキシル基を、アミンコアの近くに、エポキシド開環を通して生成されたものとは異なる位置において、次のようにして導入することができる:
【化281】
[この文献は図面を表示できません]
類似の経路により、ヒドロキシル基および追加の不飽和の両方を生成する手段を、次のように提供可能である:
【化282】
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アミンコアの差別的保護の後の第1ステップとしての還元アミノ化は、複数の市販のアルデヒドへのアクセスを、そしておそらく、単純な炭水化物を用いる還元アミノ化(既知の手順)を通して、複数のヒドロキシル基を次のようにして導入するための方法を、提供する:
【化283】
[この文献は図面を表示できません]
例16
1,1’−(2−(4−(2−((2−(bis(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)エチルアザンジイル)ジドデカン−2−オール(C12−200および/またはC12−205)
【化284】
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【0331】
250mLのガラス製圧力容器に、2−デシルオキシラン(20.0g、109mmol)、テトラエチレンペンタアミン(Sigma-Aldrich技術グレード、2.93g、15.5mmol)および磁気攪拌子を入れた。容器を密封し、シリコーンオイルバスに90℃で浸漬した。反応混合物を90℃で〜72時間激しく攪拌した。圧力容器を次にオイルバスから取り出し、室温に冷却させ、次にゆっくり開けた。得られた〜9gの粘性の黄色がかった油を、シリカゲル上のクロマトグラフィで精製した(ジクロロメタンから、83.5:16.3:1.5のジクロロメタン/メタノール/水性水酸化アンモニウムへの勾配溶離)。所望の化合物を含む画分をプールし、回転蒸発により濃縮した。得られた黄色の油を〜15mLの酢酸エチルに溶解した;脱色チャコールをこの混合物に加えた。溶液を68℃に温め、次にCeliteを通してろ過した;ろ液を回転蒸発により濃縮した;残留した溶媒を減圧下で一晩除去し、〜1.3gの淡い黄色の粘性の油を得た。出発物質は、分離不可能な異性体N1−(2−アミノエチル)−N2−(2−(ピペラジン−1−イル)エチル)エタン−1,2−ジアミンを含み得る;また、産物は、分離不可能な異性体1,1’−(2−((2−ヒドロキシドデシル)(2−(2−ヒドロキシドデシル)(2−(4−(2−ヒドロキシドデシル)ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−アミノ)−エチルアザンジイル)−ジドデカン−2−オールを含み得る。
例17
キラルエポキシドから調製されるアミノアルコールリピドイド
抗菌リピドイド(例えばC12−200、C16−96)は、親油性ラセミ末端エポキシドを低分子量ポリアミンと反応させることにより調製可能である。このアプローチは、アミン200と一般の末端エポキシドを用いて以下に説明されている。このアプローチには、純粋産物の単離を複雑にする2つの問題がある:ラセミエポキシドの使用、およびエポキシド鎖の第2炭素原子(C2)へのアミンの付加である。次の例において、我々は以下を報告する:a)ラセミエポキシドの使用から生じ得る問題は、立体化学的に純粋な末端エポキシドの使用により回避可能である;およびb)エポキシドのC2における付加から生じる副産物は、還元アミノ化が関与する代替的合成経路により回避可能である。
【化285】
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ラセミエポキシドの反応
初めのライブラリ合成で用いたエポキシドは、商業的源からラセミ混合物として購入した:各エポキシドは、RおよびS鏡像異性体を同じ比率で含有していた。アキラルなアミンも、どちらかの立体異性体と同様に反応するであろう。ラセミエポキシドを用いる効果は、1つの反応部位を有するアミン(例えばピペリジン)と、ラセミエポキシド(以下に示す)の間の反応の単純なケースを考えることにより、説明される。この場合、2つのアミノアルコールリピドイド産物が生成される:RおよびS鏡像異性体である。理論的には、これらの産物はキラル定常相でのクロマトグラフィを介して分離可能である;実際には、方法を開発しスケールアップしてこの分離を実施することは困難であり、費用もかかる。
【化286】
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この状況は、出発アミンが複数の反応部位を有する場合にさらに複雑となる。アミン出発物質のN個の反応部位に対して、2の立体異性体が生成される。例えば、アミン200(5つの反応部位)は、ラセミエポキシドと反応して、32の立体異性体を生成する。我々の実験において、これらの産物は分離不可能である。この問題は、立体化学的に純粋なエポキシド(例えば、エポキシドの1つのエナンチオマー)との反応を実施することにより、解決できる。これを以下に説明する。
【化287】
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いくつかの末端エポキシドが、単一の鏡像異性体として利用可能であるが、これらの化合物のコストはひどく高い。ラセミエポキシドはいくつかの手段により分割でき(構成成分の鏡像異性体に分離)、これにはキラル定常相上でのクロマトグラフィを含む。我々は、加水分解速度論的分割(HKR)として知られている化学的方法を用いて、エポキシドを分割した。ラセミエポキシドの効率的なHKRは、Jacobsen(Schaus, et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1307-1315;これは本明細書に参照により組み込まれる)に記載の手順を用いて実現できる。この手順は、以下に説明されている。キラル触媒および水を、ラセミエポキシドを含有する溶液に加える。キラル触媒の存在下で、1つのエポキシド鏡像異性体の加水分解速度は、他の鏡像異性体の加水分解速度よりはるかに高い。これにより、所望されないエポキシド鏡像異性体の(1,2−ジオールへの)選択的加水分解が可能となる。1,2−ジオールは、エポキシドから、減圧下での蒸留を通してエポキシドを除去することにより、分離することができる。
【化288】
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ステップ1.エポキシドデカンのHKRによる分割
【化289】
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【0332】
(R)−(+)−1,2−エポキシドデカン
磁気攪拌子を含むオーブン乾燥した丸底フラスコに、(R,R)−HKR触媒(Schaus, et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1307-1315);CAS番号176763−62−5、1.31g、2.17mmolを入れた;ジクロロメタン(34mL)および次に氷酢酸(1.30mL)をフラスコに加えた。得られた溶液を1.5時間激しく攪拌した;この間、混合物の色は暗赤色から茶色に変化した。溶媒を回転蒸発により、物質が乾燥してみえるまで除去した。1,2−エポキシドデカン(40.0g、217mmol)と、次にイソプロピルアルコール(試薬グレード、47mL)を、酸化された触媒および磁気攪拌子を含有するフラスコに加えた。フラスコをアイスバスに浸漬した。HO(2.15mL,119mmol、エポキシドに対して0.55当量)を攪拌された混合物に滴加した。フラスコをゴム製隔壁で密封し、溶液を室温まで温めた。2日間攪拌した後、反応混合物を〜200mLのヘキサンで希釈した。得られた溶液を紙でろ過して、白色の析出物(1,2−ジオール)を除去した。ろ液を回転蒸発により濃縮した。得られた暗赤色油性液体を〜150mLのヘキサンに溶解し、相当な量の白色結晶析出物(ジオール)を除去するためにろ過した。ろ液を250mLの丸底フラスコに移し、回転蒸発により濃縮した。所望の産物を真空下での蒸留により単離した(文献:124℃/15mmHg)。所望の産物(14.3g、71.5%の理論的収率)を、透明な油として収集した。産物は、2−ナフチレンチオール誘導体のキラルクロマトグラフィにより、100%eeと決定された。
ステップ2.(R)−C12−200の合成
【化290】
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【0333】
(R)−C12−200.アミン200(640mg、2.97mmol)および(R)−1,2−エポキシドデカン(2.27g、12.1mmol)を、磁気攪拌子を含むバイアルに加えた。バイアルを密封し、80℃の反応ブロック上で5日間暖めた。反応混合物を室温に冷却させて、所望の産物をシリカゲル上のクロマトグラフィにより単離した(CHClから175:2:3のCHCl/MeOH/NHOH(水性)への勾配溶離)。画分をプールし、濃縮して、(R)−C12−200(665mg)を淡い黄色油として得た。1H NMR (600 MHz, CDCl3):δ 4.37 (br s, -OH, 4H), 3.63 (app. br s, 3H), 3.56 (app. br s, 2H), 2.84-2.21 (m, 30H), 1.43-1.26 (m, 90H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 15 H); MALDI-TOF-MS m/z: calcd for C70H146N5O5 [M + H+] 1137.1, found 1137.6.
【0334】
例18
キラルアミノアルコールリピドイドのin vivoトランスフェクション
抗第VII因子siRNAを用いた予備のin vivoトランスフェクションを、マウスにて(R)−C12−200および(S)−C12−200を用いて実施した。0.01mg/kgのsiRNA用量において、C12−200のRまたはS形態を用いて、全身の第VII因子の約50%の減少が実現された;これらの結果と、C12−200(アミン200とラセミC12エポキシドを用いて調製されたリピドイド)を用いて得られたものとの間の差は有意ではなかった。
例19
還元アミノ化アプローチによるアミノアルコールリピドイドの合成
末端エポキシドの第1炭素原子は、求核付加の間の好ましい襲撃部位である。アミノアルコールリピドイドの2D−NMR分析は、付加の多くは、次に示すようにエポキシドのC1において起こることを示す。しかし、少量の付加がC2でも起こる。化合物(S)−C12−205および(R)−C12−200の2D−NMR分析により、およそ10%の脂質「尾部」は、エポキシドのC2におけるアミンの襲撃の結果であることが示唆される。これらの位置異性体尾部は、物質中の脂質尾部の全体集団にわたってランダムに分配されているようである。エポキシドのこの副作用を制限する努力は成功していない。この副作用を避けるために、我々は代替的合成戦略を提案し実行した。
【化291】
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この戦略の逆合成解析を次に示す。所望の産物はC(下に示すように)であり、アミンAの、エポキシドBのC1への付加から得られる。Dは、アミンAがエポキシドBのC2を襲撃した場合に形成される、不所望の構造異性体である。アルデヒド断片EのアミンAおよび還元試薬による還元アミノ化(Fを与える)、次に保護基の第2アルコール上での除去は、産物Cを生成する。この経路は不所望の構造Dを生成しない。このアプローチは、2つの利点を有する:エポキシドのC2における反応からの副産物を生成しない(例えばD、下図)、および立体異性体の混合物の生成を回避する。この戦略が実施可能であることを実証するために、我々はEに類似する基質を調製し、この成分をアミンと反応させて、最終的に所望の産物を生成した(Cに類似)。
【化292】
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(S)−C12−205の還元アミノ化アプローチによる合成
【化293】
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ステップ1.還元アミノ化アプローチのための断片404の合成
【化294】
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【0335】
(S)−2−((トリチロキシ)メチル)オキシラン(401).トリチル保護グリシドール誘導体401を、前に記載のように調製した(Schweizer, et al., Synthesis 2007, 3807-3814;これは本明細書に参照により組み込まれる)。CHCl(30mL)中の(R)−グリシドール(5.0g、61mmol)の溶液を、シリンジにより、アルゴン下のアイスバスに入れた、CHCl(67mL)中の塩化トリチル(18.6g、66.8mmol)およびトリエチルアミン(16.9mL,122mmol)の攪拌溶液に加えた。グリシドールの添加に続いて、DMAP(742mg、6.08mmol)を反応混合物に加えた。反応物を室温まで温めた。14時間後、反応混合物を300mLの飽和水性NHClで希釈した。混合物をさらに水で〜1Lに希釈して、沈殿した塩を溶解した。産物を急冷溶液からEtO(3×)で抽出した;合わせたエーテル性層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、紙を通してろ過し、回転蒸発により濃縮して、白色固体を得た。粗産物を沸騰MeOH(200mL)からの再結晶化により精製して、所望の産物401(14.1g、73%)を白色結晶として得た。この物質のNMR分析は、文献に報告されたものと整合していた(Schweizer, et al., Synthesis 2007, 3807-3814)。
【化295】
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【0336】
(S)−2−(ベンジルオキシ)ドデカン−1−オール(403).鉱油(2.01g、50.3mmol)中のNaHの60wt%懸濁物を、磁気攪拌子を含むオーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。THF(120mL)を、Ar下でシリンジによりフラスコに加え、フラスコをアイスバスに浸した。粗402(14.9g、33.5mmol)を無水THF(50mL)に溶解し、NaHの攪拌懸濁物にゆっくりと加えた。反応混合物を室温に温めた。塩化ベンジル(5.8mL、50mmol)を反応混合物に加えた。フラスコを環流コンデンサーに入れて、混合物をAr下で一晩、環流まで温めた。反応混合物が冷えた後に、NHCl(飽和、水性、〜300mL)をゆっくり加えて、残留NaHをクエンチした。懸濁物を分離ファンネルにHO(300mL)およびEtO(200mL)を用いて移した。有機層を追加のEtOで抽出した。エーテル性層をMgSO上で乾燥し、紙を通してろ過し、濃縮して黄色の油を得た。この物質をシリカ上のクロマトグラフィにより精製した(ヘキサンからEtOAcへの勾配溶離);所望の画分をプールし、濃縮して、15gのやや黄色の油を得た。この油を、1:1のMeOH/THF(100mL)に溶解した。p−TsOH・HO(572mg)を混合物に加えた;溶液を6時間攪拌した。反応混合物をCelite上で回転蒸発により濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィにより精製した(ヘキサンから酢酸エチルへの勾配溶離)。所望の産物を含む画分をプールし、濃縮して、403(5.44g、66%)を透明油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 7.39-7.29 (m, 5H), 4.64 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.74-3.67 (m, 1H), 3.60-3.49 (m, 2H), 1.93-1.90 (m, 1H), 1.68-1.60 (m, 1H), 1.53-1.45 (m, 1H), 1.40-1.40 (m, 16H), 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H)。
【化296】
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【0337】
(S)−2−(ベンジルオキシ)ドデカナール(404).CHCl(10mL)および塩化オキサリル(1.72mL,20.3mmol)を、Ar下でオーブン乾燥した磁気攪拌子を含む2口丸底フラスコに加えた。フラスコをドライアイス/アセトンバスに浸した。CHCl(10mL)中のDMSO(2.88mL、40.6mmol)の溶液を、塩化オキサリルの攪拌溶液にゆっくり加えた。403(5.4g、18.5mmol)をCHCl(10mL)に溶解し、冷却攪拌反応混合物に15分かけて滴加した。2時間の攪拌後、EtN(12.9mL、18.46mmol)を反応混合物に加え、これを次に室温に温めた。混合物をEtO(〜300mL)および水で希釈した。エーテル層を飽和水性NaHCO、1M水性HCl、およびブラインで洗浄した。EtO層を次にMgSO上で乾燥し、紙を通してろ過し、回転蒸発により濃縮した。粗産物をシリカ上のクロマトグラフィにより精製した(ヘキサンから1:1EtOAc/ヘキサンへの勾配溶離);所望の産物を含む画分をプールし、濃縮して、404(3.58g、67%)を透明なやや粘性の油として得た。1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 9.66 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 7.37-7.31 (m, 5H), 4.69 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.78-3.75 (m, 1 H), 1.68 (dd, J = 14.3, 7.2 Hz, 2H), 1.49-1.35 (m, 2H), 1.25 (br s, 14H), 0.89 (t, J = 6.7, 3H)。
ステップ2.(S)−C12−205の還元アミノ化純粋形態
【化297】
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【0338】
1−(2−アミノエチル)ピペラジン(205、39μL、0.3mmol)を、磁気攪拌子を含むバイアルに加えた。MeOH(10mL)およびアルデヒド404(971mg、3.34mmol)をバイアルに加えた。NaCNBH(188mg、3mmol)を次に混合物に加えた。氷AcOHを攪拌溶液に、pHが約5.5になるまで(指示ストリップにより測定)滴加した。混合物を、AcOHの添加の間気泡させた。混合物を4日間攪拌し、その後1MのNaOH(水性)およびCHClで希釈した。水層を追加の時間でCHClで抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥し、紙を通してろ過し、濃縮した。所望の中間体をシリカ上のクロマトグラフィにより精製して(CHClから10%MeOH/CHCl)、黄色の油を得た(83mg)。この油を、25mLの7:2:1のMeOH/HO/AcOHに希釈した。10wt%のPd/Cの一部を溶液に加えた。反応混合物をH下で8時間攪拌した(大気圧よりやや高い)。反応混合物をCeliteでろ過して、Pd/Cを除去し、膜に濃縮した。この物質の質量分析により、これは純粋な所望の産物(S)−C12−205であることが示された。MALDI−TOF−MS m/z:C4288の[M+H]について、計算値、682.7;観測値、682.9。
【0339】
本発明のいくつかの例示の態様を記載したので、当業者には、前述は説明目的であり、限定するものではなく、例としてのみ示されていることが明らかである。多くの改変および他の例示の態様が当業者の範囲内であり、本発明の範囲内であることが意図される。特に、本明細書に提示された多くの例には、方法行為(method act)またはシステム要素の特定の組み合わせが関与するが、これらの行為およびこれらの要素は、別の方法で組み合わせて同じ目的を実現できることが理解されるべきである。1つの態様との関連でのみ記載された行為、要素、および特徴は、別の態様における同様の役割から除外されることを意図しない。さらに、以下のクレームに挙げた1または2以上の手段と機能限定(means plus function limitation)について、手段は、本明細書に挙げられた機能を実施するために開示された手段に限定することを意図せず、挙げられた機能を実施するために、現在知られているかまたは将来開発される任意の手段を、その範囲に包含することを意図する。順序を表す用語、例えばクレームにおける「第1の」、「第2の」、「第3の」などのクレームの要素を修飾する用語は、それ自体、1つのクレーム要素の他の要素に対するいかなる優先順位、優位、もしく順序、または方法の行為が実施される時間的順序を意味するものではなく、一定の名称を有する1つのクレーム要素を、同じ名称の別の要素(順序用語の使用を除いて)から区別し、クレーム要素を識別するためのラベルとして用いられるのみである。同様に、a)、b)等、またはi)、ii)等の使用は、それ自体、クレームにおけるステップのいかなる優先順位、優位、または順序を意味しない。同様に、明細書におけるこれらの用語の使用は、それ自体、任意の必要な優先順位、優位、または順序を意味しない。
【0340】
先に書かれた明細書は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。本発明は、提供された例によってその範囲を限定されることはなく、その理由は、例は本発明の1側面の1つの説明を意図しており、その他の機能的に等価な態様も本発明の範囲内だからである。本明細書に示され、記載されているものに加えて、本発明の種々の改変も、前述の記載から当業者には明らかとなり、付属のクレームの範囲に包含される。本発明の利点および目的は、必ずしも本発明の各態様により包含される必要はない。
図1
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図2
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図3
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図4
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図5
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図6
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図7
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図8
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図9
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図10
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図11
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図13
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図22
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