【文献】
Aravind Asokan 外1名,Bioconjugate Chemistry,2004年,Vol.15,No.6,1166−1173
【文献】
L.Conte 外6名,Journal of Fluorine Chemistry,2005年,Vol.126,1276−1280
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【図面の簡単な説明】
【0061】
【
図1】
図1は、アミンとエポキシドを混合すること、およびこれらを約90℃で反応させることによりアミノアルコールリピドイドを調製するための、一般的な合成スキームを示す図である。
【0062】
【
図2】
図2は、アミノアルコールリピドイドの調製に用いることのできる、例示の2〜5のアミン官能基を含むアミン、および種々の尾部、ユニークな官能基および種々の度合いの飽和を有するラセミエポキシドを示す。
【0063】
【
図3】
図3は、アミン114から得られるアミノアルコールリピドイドの特性データを示す。
【0064】
【
図4】
図4は、アミノアルコールリピドイドライブラリからの選択された化合物の、薄層クロマトグラフィー(TLC)プレートを示す。プレート「A」は完全置換アミンを示し、一方プレート「B」は、n−1置換アミンを示す。
【0065】
【
図5】
図5は、RNA(50ng)を種々のアミノアルコールリピドイド(種々のwt/wt比率にて)と複合体化しHeLa細胞でインキュベートしたものによる、非処置細胞に相対的に示した蛍ルシフェラーゼノックダウン結果である。
【0066】
【
図6】
図6は、HepG2細胞におけるルシフェラーゼ遺伝子送達結果(ルシフェラーゼ発現、「RLU」)を、ウェル当たり10%血清中の種々のエポキシドリピドイド化合物および0.3μgのDNAについて示したものである。
【0067】
【
図7】
図7は、(a)リン酸緩衝生理食塩水;(b)リピドイド製剤中の1.75mg/kgの取込みsiRNA;および(c)リピドイド製剤中の4mg/kgの取込みsiRNA、の投与(0.01ml/g容積での尾静脈注射を介して)の48時間後における、C57BL/6マウスの第VII因子のin vivoノックダウン結果および特性を示す図である。
【0068】
【
図8】
図8は、アミノアルコールリピドイド化合物のsiRNAに対する比率が2.5:1(w/w)である、アミノアルコールリピドイド化合物のライブラリについての、ルシフェラーゼノックダウン結果(相対的ルシフェラーゼ発現により測定、%対照)を示す図である。
【0069】
【
図9】
図9は、アミノアルコールリピドイド化合物のsiRNAに対する比率が2.5:1(w/w)である、>90%ノックダウンを有する15種のアミノアルコールリピドイド化合物についての、ルシフェラーゼノックダウン結果(相対的ルシフェラーゼ発現により測定、%対照)を示す図である。
【0070】
【
図10】
図10は、(a)用量(mg/kg)応答結果(アミノアルコールリピドイドCl4−110注射の36時間後の、マウスにおける第VII因子ノックダウンにより測定)であり、ここでアミノアルコールリピドイド化合物のsiRNAに対する比率は10:1(w/w)であり、アミノアルコールリピドイド化合物:コレステロール:PEGの比率は42:48:10であり、91nm粒子の取込みが44%である;および(b)平均のBW変化%を示す図である。
【0071】
【
図11】
図11は、25種のエポキシドベースリピドイド(w/w比率5:1)の、HeLa細胞におけるルシフェラーゼノックダウンとしてのin vitroスクリーニングの結果を示す図である。
【0072】
【
図12】
図12は、製剤化エポキシドリピドイドのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのin vitroスクリーニングの結果を示す図である。
【0073】
【
図13】
図13aは、製剤C16−96−Bのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC16−96Bの用量反応結果を示す図である。
【0074】
図13bは、
図13の結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0075】
【
図14】
図14aは、製剤C14−110−Bのマウスへの注射72時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC14−110Bの用量反応結果を示す図である。
【0076】
図14bは、
図14aの結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0077】
【
図15】
図15は、製剤C16−96−Bの1mg/kg用量でのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC16−96−B製剤最適化を示す図である。
【0078】
【
図16】
図16は、製剤C16−96−Bのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしてのC16−96−B用量反応を示す図である。
【0079】
【
図17】
図17aは、製剤化リピドイドの0.25mg/kg用量でのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしての、C12−200および/またはC12−205の追加のin vivoスクリーニングと発見を示す図である。
【0080】
図17bは、C12−200および/またはC12−205の追加のin vivoスクリーニングと発見および、
図17aの結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0081】
【
図18】
図18aは、製剤化C12−200および/またはC12−205のマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしての、C12−200および/またはC12−205とND98比較の用量反応結果を示す図である。
【0082】
図18bは、
図18aの結果を得た実験中の、対応するマウスの体重減少および/または増加を示す図である。
【0083】
【
図19】
図19は、製剤化C12−200および/またはC12−205の0.01mg/kg用量でのマウスへの注射48時間後における、第VII因子ノックダウンとしての、C12−200および/またはC12−205の製剤最適化を示す図である。
【0084】
【
図20】
図20aは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0085】
図20bは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物(
図20aより)からの「精製」産物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0086】
【
図21】
図21aは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0087】
図21bは、技術グレード111アミンおよびC12エポキシドの粗反応混合物(
図21aより)からの「精製」産物の、MALDI−TOF質量スペクトル(強度 vs m/z比)を示す図である。
【0088】
【
図22】
図22は、C12−200および/またはC12−205の
1H NMR(400MHz)スペクトルを示す図である(クロロホルム、室温)。[発明の詳細な説明]
【0089】
発明のある態様の詳細な説明
本発明は、新規なアミノアルコールリピドイド化合物および、かかるアミノアルコールリピドイド化合物の使用に基づく薬物送達システムを提供する。システムは、医薬/薬物送達分野において、ポリヌクレオチド、タンパク質、小分子、ペプチド、抗原、薬物等を、患者、組織、器官、細胞等に送達するのに用いることができる。これらの新規な化合物はまた、被覆剤、添加剤、賦形剤、物質、バイオエンジニアリングなどの材料として用いることもできる。
【0090】
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、薬物送達分野においていくつかの異なる使用を提供する。アミノアルコールリピドイド化合物のアミン含有部分は、ポリヌクレオチドを複合体化するために用いることができ、これによりポリヌクレオチドの送達を増強し、その分解を防ぐ。アミノアルコールリピドイド化合物はまた、送達される剤を含有するピコ粒子、ナノ粒子、微小粒子、リポソーム、およびミセルの形成においても用いることができる。好ましくは、アミノアルコールリピドイド化合物は生体適合性および生分解性であり、形成された粒子も生分解性および生体適合性であり、送達される剤の制御された持続放出を提供するために用いることができる。これらのリピドイドおよびその対応する粒子はまた、これらのリピドイドがより低いpHにおいてプロトン化されているとの条件下において、pH変化に応答することができる。リピドイドはまた、細胞への剤の送達においてプロトンスポンジとして作用して、エンドソームのリーシスを引き起こす。
【0091】
1.アミノアルコールリピドイド化合物
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、1級、2級、3級、および/または4級アミンおよびその塩を含むアミノアルコールリピドイド化合物である。アミンは、環式または非環式アミンであってよい。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、比較的非細胞毒性である。他の態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、生体適合性かつ生分解性である。ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、約5.5〜約7.5の範囲のpK
aを、より好ましくは約6.0〜約7.0の範囲のpK
aを有する。他の態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、約3.0〜約9.0の範囲、または約5.0〜約8.0の範囲の所望のpK
aを有するように設計することができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、いくつかの理由により薬物送達に特に有用である:1)これらはアミノ基を含んでおり、DNA、RNA、他のポリヌクレオチド、およびその他の負に荷電された剤と相互反応し、pHを緩衝し、エンドソーム破壊(endosomolysis)を引き起こし、送達される剤を保護する;2)これらは、市販の出発物質から合成可能である;および/または3)これらはpH応答性であり、所望のpK
aで設計することができる。
【0092】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物または1もしくは2以上のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、14個以上の炭素の末端エポキシドが、3または4個以上のアミン官能基のモノマーと結合して得られるものである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約40〜60%のリピドイド、約40〜60%のコレステロール、および約5〜20%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約50〜60%のリピドイド、約40〜50%のコレステロール、および約5〜10%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約42%のリピドイド、約48%のコレステロール、および約10%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイドを含む組成物は、約50〜75%のリピドイド、約20〜40%のコレステロール、および約1〜10%のPEGである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、約60〜70%のリピドイド、約25〜35%のコレステロール、および約5〜10%のPEGである。
【0093】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、アミンを末端エポキシドまたはアルデヒドと次のスキームに従って反応させることにより、調製することができる。
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、エポキシドは立体化学的に純粋(例えば鏡像異性的に純粋)である。ある態様において、アミンは立体化学的に純粋(例えば鏡像異性的に純粋)である。ある態様において、リピドイドは、アミンとアルデヒドの縮合から得られるイミンの還元アミノ化により調製される。ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
式中、A、R
1、R
2、R
3、R
4、R
B、R
C、R
D、R
A、R
F、m、p、xおよびyの各出現は、本明細書に定義の通りである、
の1つで表されるものである。当業者に理解されるように、アミンは過剰なエポキシドと反応させることができ、完全官能化アミノアルコールリピドイド化合物を形成する。または、リピドイドは、完全官能化の場合より少ないエポキシド由来の尾部を有してもよい。ある態様において、
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0094】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
R
1は、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでR
1の出現の少なくとも1つは水素であり;
R
B、R
C、およびR
Dは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族、または−CH
2CH(OH)R
Eであり;
R
BおよびR
Dは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;
R
CおよびR
Dは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;および
R
Eは、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0095】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に、1つの酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に、1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に、2つの酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に、1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に、2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化26】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0096】
ある態様において、Aは、次の式:
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0097】
ある態様において、R
1は水素である。ある態様において、R
1は、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族またはC
1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R
1は、非置換および非分枝のC
10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1は、
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1は、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1は、
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1は、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1は、
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
1は、次の式:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0098】
ある態様において、R
1は、C
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
1は、次の式:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0099】
ある態様において、
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0100】
ある態様において、R
1は、
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0101】
ある態様において、R
1は、次の式:
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0102】
ある態様において、R
1は、次の式:
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0103】
ある態様において、R
1はフッ素化されている。ある態様において、R
1はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
1はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
1はペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
1はペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
1は、次の式:
【0104】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0105】
ある態様において、R
1は、次の式:
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0106】
ある態様において、R
Bは水素である。ある態様において、R
Bは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
BはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Bはメチルである。ある態様において、R
Bはエチルである。ある態様において、R
Bはプロピルである。ある態様において、R
Bはブチルである。ある態様において、R
Bは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
BはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Bは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0107】
ある態様において、R
Cは水素である。ある態様において、R
Cは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
CはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Cはメチルである。ある態様において、R
Cはエチルである。ある態様において、R
Cはプロピルである。ある態様において、R
Cはブチルである。ある態様において、R
Cは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
CはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Cは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0108】
ある態様において、R
Dは水素である。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Dはメチルである。ある態様において、R
Dはエチルである。ある態様において、R
Dはプロピルである。ある態様において、R
Dはブチルである。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Dは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0109】
ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全て同一である。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全て水素またはC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全て水素である。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全てC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全てヒドロキシアルキルである。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全てアミノアルキルである。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、水素またはメチルである。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dの少なくとも2つは同一である。ある態様において、R
B、R
C、およびR
Dは、全て異なっている。
【0110】
ある態様において、R
Eは水素である。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Eはメチルである。ある態様において、R
Eはエチルである。ある態様において、R
Eはプロピルである。ある態様において、R
Eはブチルである。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6ヘテロアルキルである。
【0111】
特定の例示の化合物は、以下を含む:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0112】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化40】
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Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
R
1およびR
2は、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでR
1の出現の少なくとも1つは水素であり、およびR
2の出現の少なくとも1つは水素であり;
R
CおよびR
Dは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族、または−CH
2CH(OH)R
Eであり;
R
CおよびR
Dは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;および
R
Eは、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0113】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0114】
ある態様において、Aは、次の式:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0115】
ある態様において、R
1およびR
2は水素である。ある態様において、R
1およびR
2は、独立して、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族またはC
1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R
1およびR
2は、独立して、非置換および非分枝のC
10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1およびR
2は、
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1およびR
2は、独立して、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1およびR
2は、
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1およびR
2は、独立して、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1およびR
2は、
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
1およびR
2は、独立して、次の式:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0116】
ある態様において、R
1およびR
2はC
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
1およびR
2は、独立して、次の式:
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0117】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0118】
ある態様において、R
1およびR
2は、
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0119】
ある態様において、R
1およびR
2は、独立して、次の式:
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0120】
ある態様において、R
1およびR
2はフッ素化されている。ある態様において、R
1およびR
2はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
1およびR
2はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
1およびR
2はペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
1およびR
2はペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
1およびR
2は、次の式:
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0121】
ある態様において、R
1およびR
2は独立して、次の式:
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0122】
ある態様において、R
1およびR
2は両方同一である。ある態様において、R
1およびR
2の各々は、独立して水素またはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
1およびR
2は、両方とも水素である。ある態様において、R
1およびR
2は、両方ともC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
1およびR
2は、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、R
1およびR
2は、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、R
1とR
2は異なっている。
【0123】
ある態様において、R
Cは水素である。ある態様において、R
Cは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
CはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Cはメチルである。ある態様において、R
Cはエチルである。ある態様において、R
Cはプロピルである。ある態様において、R
Cはブチルである。ある態様において、R
Cは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
CはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Cは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0124】
ある態様において、R
Dは水素である。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Dはメチルである。ある態様において、R
Dはエチルである。ある態様において、R
Dはプロピルである。ある態様において、R
Dはブチルである。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Dは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0125】
ある態様において、R
CおよびR
Dは、両方同一である。ある態様において、R
CおよびR
Dの各々は、独立して水素またはC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
CおよびR
Dは、両方とも水素である。ある態様において、R
CおよびR
Dは、両方ともC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
CおよびR
Dは、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、R
CおよびR
Dは、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、R
CとR
Dは異なっている。
【0126】
ある態様において、R
Eは水素である。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Eはメチルである。ある態様において、R
Eはエチルである。ある態様において、R
Eはプロピルである。ある態様において、R
Eはブチルである。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6ヘテロアルキルである。
【0127】
特定の例示の化合物としては、
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
が含まれる。
【0128】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
R
1およびR
3は、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでR
1の出現の少なくとも1つは水素であり、およびR
3の出現の少なくとも1つは水素であり;
R
BおよびR
Dは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族、または−CH
2CH(OH)R
Eであり;
R
BおよびR
Dは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;および
R
Eは、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0129】
ある態様において、
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0131】
ある態様において、Aは、次の式:
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0132】
ある態様において、R
1およびR
3は水素である。ある態様において、R
1およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族またはC
1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R
1およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1およびR
3は、
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1およびR
3は、
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1およびR
3は、
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
1およびR
3は、独立して、次の式:
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0133】
ある態様において、R
1およびR
3は、C
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
1およびR
3は、独立して、次の式:
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0134】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0135】
ある態様において、R
1およびR
3は、
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0136】
ある態様において、R
1およびR
3は、独立して、次の式:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0137】
ある態様において、R
1およびR
3はフッ素化されている。ある態様において、R
1およびR
3はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
1およびR
3はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
1およびR
3は、ペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
1およびR
3は、ペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
1およびR
3は、次の式:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0138】
ある態様において、R
1およびR
3は独立して、次の式:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0139】
ある態様において、R
1およびR
3は両方同一である。ある態様において、R
1およびR
3の各々は、独立して水素またはC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
1およびR
3は、両方とも水素である。ある態様において、R
1およびR
3は、両方ともC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
1およびR
3は、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、R
1およびR
3は、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、R
1とR
3は異なっている。
【0140】
ある態様において、R
Bは水素である。ある態様において、R
Bは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
BはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Bはメチルである。ある態様において、R
Bはエチルである。ある態様において、R
Bはプロピルである。ある態様において、R
Bはブチルである。ある態様において、R
Bは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
BはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Bは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0141】
ある態様において、R
Dは水素である。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Dはメチルである。ある態様において、R
Dはエチルである。ある態様において、R
Dはプロピルである。ある態様において、R
Dはブチルである。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Dは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0142】
ある態様において、R
BおよびR
Dは、両方同一である。ある態様において、R
BおよびR
Dの各々は、独立して水素またはC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
BおよびR
Dは、両方とも水素である。ある態様において、R
BおよびR
Dは、両方ともC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
BおよびR
Dは、両方ともヒドロキシアルキルである。ある態様において、R
BおよびR
Dは、両方ともアミノアルキルである。ある態様において、R
BとR
Dは異なっている。
【0143】
ある態様において、R
Eは水素である。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Eはメチルである。ある態様において、R
Eはエチルである。ある態様において、R
Eはプロピルである。ある態様において、R
Eはブチルである。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6ヘテロアルキルである。
【0144】
特定の例示の化合物は、
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0145】
ある態様において、
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;
R
1、R
2およびR
3は、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでR
1の出現の少なくとも1つは水素であり、R
2の出現の少なくとも1つは水素であり、およびR
3の出現の少なくとも1つは水素であり;
R
Dは、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族、または−CH
2CH(OH)R
Eであり;および
R
Eは、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0147】
ある態様において、
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0149】
ある態様において、Aは、次の式:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0150】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、水素である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族またはC
1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1、R
2およびR
3は、
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1、R
2およびR
3は、
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1、R
2およびR
3は、
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、次の式:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0151】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、C
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、次の式:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0152】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0153】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0154】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、独立して、次の式:
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0155】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3はフッ素化されている。ある態様において、R
1、R
2およびR
3はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
1、R
2およびR
3はペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3はペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3は、次の式:
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0156】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3は独立して、次の式:
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0157】
ある態様において、R
1、R
2およびR
3は全て同一である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3の少なくとも2つは同一である。ある態様において、R
1、R
2およびR
3は全て異なっている。
【0158】
ある態様において、R
Dは水素である。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Dはメチルである。ある態様において、R
Dはエチルである。ある態様において、R
Dはプロピルである。ある態様において、R
Dはブチルである。ある態様において、R
Dは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
DはC
1〜6ヘテロアルキルである。ある態様において、R
Dは−CH
2CH(OH)R
Eである。
【0159】
ある態様において、R
Eは水素である。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6アルキルである。ある態様において、R
Eはメチルである。ある態様において、R
Eはエチルである。ある態様において、R
Eはプロピルである。ある態様において、R
Eはブチルである。ある態様において、R
Eは、非置換および非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
EはC
1〜6ヘテロアルキルである。
【0160】
特定の例示の化合物は、
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0161】
ある態様において、
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0162】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
Aは、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝、環式もしくは非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に、O、S、およびNから独立して選択される1もしくは2以上のヘテロ原子による割込みがあり、またはAは、置換もしくは非置換、飽和もしくは不飽和の4〜6員環であり;および
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでR
1の出現の少なくとも1つは水素であり、R
2の出現の少なくとも1つは水素であり、R
3の出現の少なくとも1つは水素であり、およびR
4の出現の少なくとも1つは水素である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0163】
ある態様において、
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜20アルキレンである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の酸素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。ある態様において、Aは、置換または非置換、分枝または非分枝、環式または非環式のC
2〜20アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に1または2以上の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、非置換、非分枝、および非環式のC
2〜10アルキレンであり、任意に2個の窒素原子による割込みがある。ある態様において、Aは、式:
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、Aは、式:
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
式中、nは1〜10の整数(両端を含む)である、で表されるものである。
【0165】
ある態様において、Aは、次の式:
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0166】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は水素である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、非置換および非分枝のC
1〜20脂肪族またはC
1〜20ヘテロ脂肪族部分である。いくつかの態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、非置換および非分枝のC
12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、次の式:
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0167】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、C
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、次の式:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0168】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0169】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0170】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、独立して、次の式:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0171】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4はフッ素化されている。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4はペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4はペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は、次の式:
【化110】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0172】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は独立して、次の式:
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0173】
ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は全て同一である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4の少なくとも2つは同一である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4の少なくとも3つは同一である。ある態様において、R
1、R
2、R
3およびR
4は全て異なっている。
【0174】
特定の例示の化合物は、
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0175】
ある態様において、
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0176】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン120をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−120は、次の式:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表される。
ある態様において、
【化115】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0177】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン120をエポキシド末端化合物C16と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C16−120は、次の式:
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化117】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0178】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン98をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−98は、次の式:
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0179】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン113をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−113は、次の式:
【化120】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化121】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0180】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン96をエポキシド末端化合物C18と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、次の式:
【化122】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化123】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0181】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン96をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−96は、次の式:
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化125】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0182】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン110をエポキシド末端化合物C14と反応させることにより調製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物C14−110は、次の式:
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
の1つで表されるものである。
ある態様において、
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0183】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化128】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
pは、1〜3の間の整数(両端を含む)であり;
mは、1〜3の間の整数(両端を含む)であり;
R
Aは、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
R
Fは、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
R
5の各出現は、独立して、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、
ここで、R
A、R
F、R
Y、およびR
Zの少なくとも1つは、
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
xの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)であり;
yの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)であり;
R
Yの各出現は、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
R
Zの各出現は、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
である;で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0184】
ある態様において、R
Aは水素である。ある態様において、R
Aは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
Aは、C
1〜C
6脂肪族である。ある態様において、R
Aは、C
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
Aは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
Aは、置換または非置換のアリールである。ある態様において、R
Aは、置換または非置換のヘテロアリールである。ある態様において、R
Aは、
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
Aは、
【化135】
[この文献は図面を表示できません]
ある態様において、R
Aは、
【化136】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Aは、
【化137】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Aは、
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0185】
ある態様において、R
Fは水素である。ある態様において、R
Fは水素ではない。ある態様において、R
Fは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
Fは、C
1〜C
6脂肪族である。ある態様において、R
Fは、C
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
Fは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
Fは、置換または非置換アリールである。ある態様において、R
Fは、置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
Fは、
【化139】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化140】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化141】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化143】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化144】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Fは、
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0186】
ある態様において、R
Aは水素ではなく、R
Fは水素ではない。ある態様において、
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Aは、
【化150】
[この文献は図面を表示できません]
であり;およびR
Fは、
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化152】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化154】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化156】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0187】
ある態様において、
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、mは1である。ある態様において、mは2である。ある態様において、mは3である。
【0188】
ある態様において、pは1である。ある態様において、pは2である。ある態様において、pは3である。
【0189】
ある態様において、R
5は水素である。ある態様において、R
5は、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
5は、C
8〜C
16脂肪族である。ある態様において、R
5は、C
8〜C
16アルキルである。いくつかの態様において、R
5は、非置換および非分枝のC
10〜C
12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
5は、
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
5は、
【化162】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
5は、
【化163】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
5は、次の式:
【化164】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0190】
ある態様において、R
5は、C
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
5は、次の式:
【化165】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
ある態様において、R
5は、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
5は、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
5は、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。ある態様において、R
5は、
【化166】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0191】
ある態様において、R
5は、独立して、次の式:
【化167】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0192】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0193】
ある態様において、R
5は置換または非置換アリールである。ある態様において、R
5は置換または非置換ヘテロアリールである。
【0194】
ある態様において、R
5はフッ素化されている。ある態様において、R
5はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
5はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
5はペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
5はペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
5は、次の式:
【化168】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0195】
ある態様において、R
5は、次の式:
【化169】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0196】
ある態様において、各R
5は独立して水素、またはC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、各R
5は水素である。ある態様において、各R
5はC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、各R
5はヒドロキシアルキルである。ある態様において、各R
5はアミノアルキルである。ある態様において、2つのR
5変数は同一である。ある態様において、3つのR
5変数は同一である。ある態様において、各R
5変数は互いに異なっている。
【0197】
ある態様において、xは1である。ある態様において、xは2である。ある態様において、xは3である。ある態様において、xは4である。ある態様において、xは5である。ある態様において、xは6である。ある態様において、xは7である。ある態様において、xは8である。ある態様において、xは9である。ある態様において、xは10である。
【0198】
ある態様において、yは1である。ある態様において、yは2である。ある態様において、yは3である。ある態様において、yは4である。ある態様において、yは5である。ある態様において、yは6である。ある態様において、yは7である。ある態様において、yは8である。ある態様において、yは9である。ある態様において、yは10である。
【0199】
ある態様において、xは1でありyは2である。ある態様において、xは1でありyは3である。ある態様において、xは1でありyは4である。ある態様において、xは1でありyは5である。ある態様において、xは2でありyは2である。ある態様において、xは2でありyは3である。
【0200】
ある態様において、R
Yは水素である。ある態様において、R
Yは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
Yは、C
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
Yは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
Yは置換または非置換アリールである。ある態様において、R
Yは置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
Yは、
【化170】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化171】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Yは、
【化172】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0201】
ある態様において、R
zは水素である。ある態様において、R
zは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
zは、C
1〜C
6アルキルである。ある態様において、R
zは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
zは置換または非置換アリールである。ある態様において、R
zは置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
zは、
【化173】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、
【化174】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
zは、
【化175】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0202】
特定の例示の化合物は、
【化176】
[この文献は図面を表示できません]
を含む。
【0203】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化177】
[この文献は図面を表示できません]
の混合物を含む。
【0204】
ある態様において、
【化178】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0205】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化179】
[この文献は図面を表示できません]
式中、
R
Aの各出現は独立して、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;置換もしくは非置換ヘテロアリール;
【化180】
[この文献は図面を表示できません]
であり;ここで少なくとも1つのR
Aは、
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
であり;
R
5の各出現は独立して、水素;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族;置換もしくは非置換、環式もしくは非環式、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族;置換もしくは非置換アリール;または置換もしくは非置換ヘテロアリールであり;
xの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)であり;
yの各出現は、1〜10の間の整数(両端を含む)である;
で表される化合物、またはその薬学的に許容し得る塩である。
【0206】
ある態様において、R
Aは水素である。ある態様において、R
Aは水素ではない。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは水素である。ある態様において、R
Aは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
Aは、置換または非置換アリールである。ある態様において、R
Aは、置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、2つのR
Aは一緒になって環式構造を形成することができる。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは
【化182】
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である。ある態様において、
【化183】
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である。ある態様において、
【化184】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化185】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
Aは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aはアルケニル基である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化186】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化187】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化188】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化189】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化190】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化191】
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である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aはアルキニル基である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化192】
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である。ある態様において、少なくとも1つR
Aは、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族基である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aはヘテロ脂肪族基である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化193】
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である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化194】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化195】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、少なくとも1つのR
Aは、
【化196】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、2つのR
A変数は同一である。ある態様において、3つのR
A変数は同一である。ある態様において、各R
A変数は互いに異なっている。
【0207】
ある態様において、R
5は水素である。ある態様において、R
5は、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20脂肪族である。ある態様において、R
5は、C
8〜C
16脂肪族である。ある態様において、R
5は、C
8〜C
16アルキルである。いくつかの態様において、R
5は、非置換および非分枝のC
10〜12脂肪族基である。いくつかの態様において、R
5は、
【化197】
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である。いくつかの態様において、R
5は、
【化198】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
5は、
【化199】
[この文献は図面を表示できません]
である。いくつかの態様において、R
5は、次の式:
【化200】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0208】
ある態様において、R
5は、C
1〜20アルケニル部分であり、任意に置換されている。ある態様において、R
5は、次の式:
【化201】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0209】
ある態様において、R
5は、置換または非置換、環式または非環式、分枝または非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族である。ある態様において、R
5は、非置換および非分枝のC
13ヘテロ脂肪族基である。いくつかの態様において、R
5は、非置換および非分枝のC
14ヘテロ脂肪族基である。ある態様において、R
5は、
【化202】
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である。
【0210】
ある態様において、R
5は、独立して、次の式:
【化203】
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から選択される。
【0211】
当業者に理解されるように、上記の置換基は複数部位の不飽和を有することができ、これを置換基内の任意の位置において有し得る。
【0212】
ある態様において、R
5は置換または非置換アリールである。ある態様において、R
5は置換または非置換ヘテロアリールである。ある態様において、R
5は、
【化204】
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である。ある態様において、
【化205】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、R
5は、
【化206】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0213】
ある態様において、R
5はフッ素化されている。ある態様において、R
5はフッ素化脂肪族部分である。ある態様において、R
5はペルフルオロ化されている。ある態様において、R
5はペルフルオロ化脂肪族部分である。ある態様において、R
5はペルフルオロ化C
1〜20アルキル基である。ある態様において、R
5は、次の式:
【化207】
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から選択される。
【0214】
ある態様において、R
5は、次の式:
【化208】
[この文献は図面を表示できません]
から選択される。
【0215】
ある態様において、各R
5は独立して水素、またはC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、各R
5は水素である。ある態様において、各R
5はC
1〜C
6アルキルである。ある態様において、各R
5はヒドロキシアルキルである。ある態様において、各R
5はアミノアルキルである。ある態様において、2つのR
5変数は同一である。ある態様において、3つのR
5変数は同一である。ある態様において、各R
5変数は互いに異なっている。
【0216】
ある態様において、xは1である。ある態様において、xは2である。ある態様において、xは3である。ある態様において、xは4である。ある態様において、xは5である。ある態様において、xは6である。ある態様において、xは7である。ある態様において、xは8である。ある態様において、xは9である。ある態様において、xは10である。
【0217】
ある態様において、yは1である。ある態様において、yは2である。ある態様において、yは3である。ある態様において、yは4である。ある態様において、yは5である。ある態様において、yは6である。ある態様において、yは7である。ある態様において、yは8である。ある態様において、yは9である。ある態様において、yは10である。
【0218】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物または1または2以上のアミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物は、式:
【化209】
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【化210】
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の1つで表されるアミンを、式:
【化211】
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の1つで表されるエポキシド含有化合物と反応させることにより調製される。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化212】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化213】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0219】
ある態様において、エポキシドは1または2以上のキラル中心を含み、これは例えばアミンC8bについて以下に示すもの:
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
などである。
【0220】
ある態様において、1当量のアミンを、1当量のエポキシド末端化合物と反応させる。ある態様において、1当量のアミンを、1、2、3、4、5、6または7当量以上のエポキシド末端化合物と反応させる。ある態様において、エポキシド末端化合物の量は、全アミノ基の官能化を防ぐために制限される。これらの例で得られたアミノアルコールリピドイドまたはアミノアルコールリピドイド組成物は、2級アミノ基および/または1級アミノ基を含む。2級アミンを有するアミノアルコールリピドイド化合物は、一定の例において特に有用である。ある態様において、完全に官能化されてはいない、アミン含有アミノアルコールリピドイド化合物は、他の求電子体(例えば末端エポキシド、ハロゲン化アルキル等)とさらに反応される。アミノアルコールリピドイド化合物のアミンのかかるさらなる官能化は、異なるエポキシド化合物由来の尾部を有するアミノアルコールリピドイド化合物を生じる。1、2、3、4、5、または6以上の尾部は、アミノアルコールリピドイド化合物の他の尾部と異なっていてもよい。
【0221】
ある態様において、当業者に理解されるように、アミンとエポキシドはエポキシドの非置換炭素において反応し、次のスキームに示されるようなアミノアルコールリピドイド化合物を生じる:
【化215】
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【0222】
ある態様において、エポキシドは立体化学的に純粋である(例えば鏡像異性的に純粋)。ある態様において、アミンは立体化学的に純粋である(例えば鏡像異性的に純粋)。ある態様において、リピドイドは、アミンとアルデヒドの縮合に由来するイミンの還元アミノ化から調製される。本発明の化合物は、鏡像異性体過剰率またはジアステレオマー過剰率の値として、2%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、90.5%、91%、91.5%、92%、92.5%、93%、93.5%、94%、94.5%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%、または100%まで(端部の数値を含む)を有することができる。
【0223】
他の態様において、当業者に理解されるように、アミンとエポキシドはエポキシドの置換炭素において反応し、次のスキームに示すようなアミノアルコールリピドイド化合物を生じる:
【化216】
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上記の反応はやや好ましくないかも知れないが、これは少なくとも一定の度合いで起こる可能性があり、一定の反応条件下ではより有利である可能性がある。アミノアルコールリピドイド化合物は、1つまたは両方の様式で反応するアミンを有することができる。
【0224】
ある態様において、アミンとエポキシド末端化合物は、共にニート(neat)で反応させる。他の態様において、反応は溶媒中(例えば、THF、CH
2Cl
2、MeOH、EtOH、CHCl
3、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、CCl
4、グライム、ジエチルエーテル等)で実施する。ある態様において、反応混合物を加熱する。ある態様において、反応混合物を30℃〜100℃の範囲の温度に加熱する。ある態様において、反応混合物を約90℃に加熱する。反応は触媒することもできる。例えば、反応は、酸、塩基、または金属(例えばルイス酸)の添加により触媒することができる。反応は、数時間、数日、または数週間進行させてもよい。ある態様において、反応は、1〜7日間進行させることができる。ある態様において、反応は、約1〜約3日間進行した。得られた組成物は、精製ありまたはなしで用いることができる。ある態様において、リピドイドは続いてアルキル化ステップ(例えば、ヨウ化メチルとの反応)を通して、4級アミン塩を形成する。任意に、リピドイドの種々の塩形態を調製することができる。ある態様において、塩は、薬学的に許容し得る塩である。
【0225】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン200:
【化217】
[この文献は図面を表示できません]
を、エポキシド末端化合物と反応させることにより、調製される。ある態様において、アミン200由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−200)およびその種々の可能な異性体は、次の式:
【化218】
[この文献は図面を表示できません]
【化219】
[この文献は図面を表示できません]
【化220】
[この文献は図面を表示できません]
【化221】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0226】
ある態様において、
【化222】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0227】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0228】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン205:
【化223】
[この文献は図面を表示できません]
を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。ある態様において、アミン205由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−205)およびその種々の可能な異性体は、次の式:
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
【化225】
[この文献は図面を表示できません]
【化226】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0229】
ある態様において、
【化227】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0230】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0231】
ある態様において、アミノアルコールリピドイドは、式:
【化228】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、式:
【化229】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、
【化230】
[この文献は図面を表示できません]
の混合物である。ある態様において、
【化231】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0232】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0233】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン96:
【化232】
[この文献は図面を表示できません]
を、エポキシド末端化合物C16と反応させることにより、調製される。ある態様において、アミン96由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC16−96)およびその種々の可能な異性体は、次の式:
【化233】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0234】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン210:
【化234】
[この文献は図面を表示できません]
を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。上記と同様の様式で、当業者は、この反応から可能である種々の可能性のある210由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−210)異性体構造を、容易に決定できる。
【0235】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0236】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン220:
【化235】
[この文献は図面を表示できません]
を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。上記と同様の様式で、当業者は、この反応から可能である種々の可能性のある220由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−220)異性体構造を、容易に決定できる。
【0237】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0238】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物を含む組成物は、アミン111:
【化236】
[この文献は図面を表示できません]
を、エポキシド末端化合物C12と反応させることにより、調製される。上記と同様の様式で、当業者は、この反応から可能である種々の可能性のある111由来のアミノアルコールリピドイド化合物(すなわちC12−111)異性体構造を、容易に決定できる。
【0239】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド組成物は、1または2以上の上記アミノアルコールリピドイド化合物を含む組成物である。
【0240】
2.アミノアルコールリピドイド化合物の合成
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、当分野に知られた任意の方法により調製することができる。好ましくは、アミノアルコールリピドイド化合物は、市販の出発物質、例えば末端エポキシド化合物、内部エポキシド化合物、およびアミンなどから調製される。他の態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、容易におよび/または安価に調製された出発物質から調製される。当業者に理解されるように、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、市販の出発物質から出発する全合成により調製可能である。特定のアミノアルコールリピドイド化合物が、合成の所望の最終産物であってよく、またはアミノアルコールリピドイド化合物の混合物が所望の最終産物であってよい。
【0241】
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、アミンをエポキシド末端化合物と反応させることにより、調製される。例示の反応スキームを
図1に示す。
【0242】
1、2、および5個のアミン官能基を含む任意のアミンが、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物の調製に有用である。本発明に有用な1級アミンとしては、限定することなく、メチルアミン、エチルアミン、イソプロピルアミン、アニリン、置換アニリン、エタノールアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、およびオクタデシルアミンが挙げられる。アミンは、bis(1級アミン)であってよく、これには、限定することなく、エチレンジアミン、1,3ジアミノプロパン、1,4ジアミノブタン、1,5ジアミノペンタン、1,6ジアミノヘキサン、2,2’(エチレンジオキシ)bis(エチルアミン)を含む。アミンは、bis(2級アミン)であってよい。本発明に有用な2級アミンとしては、限定することなく、ジプロピルアミンおよびメチルペンチルアミンを含む。アミンは、1級および2級アミンの両方を含むことができ、これには、限定することなく、(2−アミノエチル)エタノールアミン、ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラアミンを含む。市販のアミンが好ましい。ある態様において、アミンは、立体化学的に純粋である(例えば、鏡像異性体的に純粋)。
【0243】
ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物の合成に用いるアミンは、式:
【化237】
[この文献は図面を表示できません]
【化238】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0244】
本発明において有用なエポキシド末端化合物は、任意のエポキシド末端化合物およびそのラセミ体および立体異性体であって、種々の鎖長さと、種々の程度の飽和を有するユニークな官能基を特徴とするものを含む。ある態様において、エポキシドは、立体化学的に純粋(例えば、鏡像異性体的に純粋)である。ある態様において、エポキシドは、1または2以上のキラル中心を含む。ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化239】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化240】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
ある態様において、エポキシド末端化合物は、式:
【化241】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるものである。
【0245】
ある態様において、エポキシドは、1または2以上のキラル中心を含み、例えば以下に示すものである:
【化242】
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
ある態様において、鏡像異性体エポキシド:
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
は、エポキシドのラセミ混合物から、次の式の(R,R)−HKR触媒:
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
で触媒される加水分解速度論的分割(HKR)を用いて、分割される。
さらなる態様において、鏡像異性体エポキシド:
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
は、エポキシドのラセミ混合物から、次の式の(S,S)−HKR触媒:
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
で触媒される加水分解速度論的分割(HKR)を用いて、分割される。
ある態様において、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、次のステップ:
(a)式:
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるエポキシド1級アルコールを、式:
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
で表される対応する保護1級アルコール誘導体に変換すること;
(b)式:
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
で表される保護1級アルコール誘導体を、炭素ベースの求核試薬と反応させて、式:
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
で表される2級アルコールを産生すること;
(c)式:
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
で表される2級アルコールを、式:
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
で表される対応する保護2級アルコール誘導体に変換すること;
(d)式:
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
で表される保護2級アルコール誘導体を、式:
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
で表される対応する1級アルコールに脱保護すること;
(e)式:
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
で表される1級アルコールを、式:
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
で表される対応するアルデヒドに酸化すること;
(f)式:
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるアルデヒドを、式:
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるアミンと縮合させて、式:
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるイミンを産生すること;および
(g)式:
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
で表されるイミンを還元して、式:
【化261】
[この文献は図面を表示できません]
で表される対応するアミンを産生すること;式中、R
1は、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり、ここでR
1の出現の少なくとも1つは水素であり;R
B、R
CおよびR
Dは、独立して、水素か、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族、または−CH
2CH(OH)R
Eであり;R
BおよびR
Dは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;R
CおよびR
Dは、一緒に任意に環式構造を形成してもよく;R
Eは、置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20脂肪族、または置換、非置換、分枝もしくは非分枝のC
1〜20ヘテロ脂肪族であり;ならびにPG
1およびPG
2は、本明細書に記載のようにO−保護基である、
を含むプロセスにより調製される。
ある態様において、ステップ(a)のエポキシド1級アルコールは、
【化262】
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であり、ステップ(f)のアミンは、
【化263】
[この文献は図面を表示できません]
である。ある態様において、ステップ(a)のエポキシド1級アルコールは、
【化264】
[この文献は図面を表示できません]
であり、ステップ(f)のアミンは、
【化265】
[この文献は図面を表示できません]
である。
【0247】
本発明に有用なキラルエポキシドは、有機合成分野の当業者に知られている種々の源から得ることができる。いくつかの態様において、本発明において有用なキラルエポキシドは、商業的に得ることができる。いくつかの態様において、本発明において有用なキラルエポキシドは、当業者に知られている方法により合成することができ、例えば、限定はしないが、1級および2級アリルアルコールの、2,3−エポキシアルコールへのSharplessエポキシド化である(Katsuki, et al., J. Am. Chem. Soc. 1980, 102, 5974;Hill, et al., Org. Syn., Coll. Vol. 7, p.461 (1990); Vol. 63, p.66 (1985)およびKatsuki, et al., Org. React. 1996, 48, 1-300;本明細書に参照により組み込まれる)。いくつかの態様において、本発明に有用なキラルエポキシドは、ラセミエポキシドの分割から得る。いくつかの態様において、本発明に有用なキラルエポキシドは、鏡像異性体またはジアステレオ異性体のキラルカラム上での分離により得る。
【0248】
ある態様において、反応は溶媒を用いずニートで行われる。他の態様において、溶媒を反応に用いる。出発アミンまたはエポキシド末端化合物の一方または両方を、有機溶媒(例えば、THF、CH
2Cl
2、MeOH、EtOH、CHCl
3、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、CCl
4、グライム、ジエチルエーテル等))に溶解する。得られた溶液を混合し、反応混合物を熱して、所望のアミノアルコールリピドイド化合物を産生する。ある態様において、反応混合物を25℃〜100℃の範囲の温度に、好ましくは約90℃に加熱する。反応は触媒することもできる。例えば、反応は、酸、塩基、または金属の添加により触媒することができる。試薬は、数時間、数日、または数週間反応させてもよい。好ましくは、反応は一晩(例えば8〜12時間)から7日間、進行させる。
【0249】
合成されたアミノアルコールリピドイド化合物は、当分野に知られた任意の技法により精製することができ、これには限定することなく、沈殿、結晶化、クロマトグラフィ、蒸留などを含む。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、有機溶媒中(例えばジエチルエーテル、ヘキサン等)の繰り返しの沈殿を介して精製される。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、塩として単離される。アミノアルコールリピドイド化合物は、酸(有機酸または無機酸)と反応して、対応する塩を形成する。ある態様において、3級アミンはアルキル化されて、アミノアルコールリピドイド化合物の4級アンモニウム塩を形成する。3級アミンは、任意のアルキル化剤でアルキル化することができ、例えば、ヨウ化メチルなどのハロゲン化アルキルを用いて4級アミノ基を形成する。4級アミンと関連するアニオンは、任意の有機または無機アニオンであってよい。好ましくは、アニオンは、薬学的に許容し得るアニオンである。
【0250】
ある態様において、反応混合物は、種々の数と位置のエポキシド由来化合物尾部を有する異性体の混合物を生じる。かかる産物または化合物の混合物は、そのままで用いることができ、または単一の異性体もしくは化合物を、反応混合物から精製することができる。アミンが完全にアルキル化されていない場合、得られた1級、2級または3級アミンは、他のアミノアルコールリピドイド化合物、エポキシド末端化合物、または他の求電子体とさらに反応させることができる。得られたアミノアルコールリピドイド化合物は次に、任意に精製することができる。
【0251】
ある態様において、所望のアミノアルコールリピドイド化合物は、伝統的な全合成により調製される。ある態様において、市販のアミンが出発物質である。アミンの1または2以上のアミノ基を、任意に保護する。非保護のアミノ基は、エポキシド末端化合物と反応する。産物を任意に精製する。保護基を取り除き、遊離のアミノ基を任意に他のアミノアルコールリピドイド化合物、エポキシド末端化合物、または他の求電子体と反応させる。かかる順序を、調製される本発明の産物の所望の複合性に依存して、繰り返すことができる。最終産物を次に、任意に精製することができる。
【0252】
1つの態様において、異なるアミノアルコールリピドイド化合物のライブラリを平行して調製する。異なるアミンおよび/またはエポキシド末端化合物を、ライブラリの調製に用いるバイアルセットの各バイアルに、またはマルチウェルプレートの各ウェルに加える。反応混合物のアレイを、アミノアルコールリピドイド化合物の形成が生じるのに十分な温度と時間の間、インキュベートする。1つの態様において、バイアルは約90℃で一晩インキュベートする。ある態様において、バイアルは約90℃で1〜7日間インキュベートする。ある態様において、バイアルは約90℃で3〜4日間インキュベートする。ある態様において、バイアルは約90℃で1〜2日間インキュベートする。アミノアルコールリピドイド化合物は次に、当分野に知られた技法を用いて、単離および精製することができる。アミノアルコールリピドイド化合物は次に、ハイスループット技法を用いてスクリーニングし、所望の特性(例えば、水への溶解性、異なるpHでの溶解性、ポリヌクレオチドに結合する能力、ヘパリンに結合する能力、小分子に結合する能力、タンパク質に結合する能力、微小粒子を形成する能力、トランスフェクション効率を高める能力など)のアミノアルコールリピドイド化合物を同定する。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、遺伝子療法に有用な特性または性質について、スクリーニングすることができる(例えば、ポリヌクレオチドに結合する能力、トランスフェクション効率を高める能力など)。
【0253】
3.ポリヌクレオチド複合体
カチオン性化合物の、負に荷電したポリヌクレオチドと静電相互作用を介して相互作用する能力はよく知られている。リポフェクタミンなどのカチオン性脂質が調製され、ポリヌクレオチドと複合体化してトランスフェクトするその能力について研究されている。脂質のポリヌクレオチドとの相互反応は、少なくとも部分的に、ポリヌクレオチドの分解を防ぐと考えられている。ポリヌクレオチドの主鎖上の電荷を中和することにより、中性またはやや正に荷電された複合体も、細胞の疎水性膜(例えば、細胞質、リソソーム、エンドソーム、核)をより容易に通過することができる。ある態様において、複合体はわずかに正に荷電されている。ある態様において、複合体は正のζ電位を有し、より好ましくはζ電位は0〜+30の間である。
【0254】
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、3級アミンを有する。これらのアミンはヒンダーされているにも関わらず、ポリヌクレオチド(例えばDNA、RNA、DNAおよび/またはRNAの合成類似体、DNA/RNAハイブリッド等)との相互作用に利用可能である。ポリヌクレオチドまたはその誘導体を、本発明のアミノアルコールリピドイド化合物と、ポリヌクレオチド/リピドイド複合体を形成するのに適した条件下で接触させる。リピドイドは好ましくは、少なくとも部分的にプロトン化されており、こうして負に荷電されたポリヌクレオチドと複合体を形成する。ある態様において、ポリヌクレオチド/リピドイド複合体は、ポリヌクレオチドの細胞への送達に有用な粒子を形成する。ある態様において、複数のアミノアルコールリピドイド分子が、1つのポリヌクレオチド分子と関連することができる。複合体は、1〜100のアミノアルコールリピドイド分子を、1〜1000のアミノアルコールリピドイド分子を、10〜1000のアミノアルコールリピドイド分子を、または100〜10,000のアミノアルコールリピドイド分子を、含むことができる。
【0255】
ある態様において、複合体は粒子を形成することができる。ある態様において、粒子の直径は10〜500μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は10〜1200μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は50〜150μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は10〜500nmの範囲、より好ましくは、粒子の直径は10〜1200nmの範囲、最も好ましくは、粒子の直径は50〜150nmの範囲である。粒子は、以下に記載のように標的化剤と関連することができる。ある態様において、粒子の直径は10〜500pmの範囲、より好ましくは、粒子の直径は10〜1200pmの範囲、最も好ましくは、粒子の直径は50〜150pmの範囲である。粒子は、以下に記載のように標的化剤と関連することができる。
【0256】
4.ポリヌクレオチド
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物により複合体化され封入される、または本発明のアミノアルコールリピドイド化合物を有する組成物中に含まれるポリヌクレオチドは、任意の核酸であってよく、これには限定することなく、RNAおよびDNAを含む。ある態様において、ポリヌクレオチドはDNAである。ある態様において、ポリヌクレオチドはRNAである。
【0257】
ある態様において、ポリヌクレオチドは、RNA干渉(RNAi)を行うRNAである。RNAiの現象は、例えば次の文献にさらに詳細に記載され、これらの各々は本明細書に参照により組み込まれる:Elbashir et al., 2001, Genes Dev., 15:188;Fir; e et al., 1998, Nature, 391:806;Tabara et al., 1999, Cell, 99:123;Hammond et al., Nature, 2000, 404:293;Zamore et al., 2000, Cell, 101:25;Chakraborty, 2007, Curr. Drug Targets, 8:469;およびMorris and Rossi, 2006, Gene Ther., 13:553。
【0258】
ある態様において、ポリヌクレオチドはdsRNA(二本鎖RNA)である。
【0259】
ある態様において、ポリヌクレオチドはsiRNA(低分子干渉RNA)である。
【0260】
ある態様において、ポリヌクレオチドはshRNA(短鎖ヘアピンRNA)である。
【0261】
ある態様において、ポリヌクレオチドはmiRNA(マイクロRNA)である。マイクロRNA(miRNA)は、特に発生の間に遺伝子発現の調節を支援する、ゲノム的にコードされた21〜23ヌクレオチド長の非コードRNAである(例えば、Bartel, 2004, Cell, 116:281;Novina and Sharp, 2004, Nature, 430:161;および米国特許公開2005/0059005を参照;また、Wang and Li, 2007, Front. Biosci., 12:3975;およびZhao, 2007, Trends Biochem. Sci., 32:189にも概説されている;これらの各々は本明細書に参照により組み込まれる)。
【0262】
ある態様において、ポリヌクレオチドはアンチセンスRNAである。
【0263】
いくつかの態様において、dsRAN、siRNA、shRNA、miRNAおよび/またはアンチセンスRNAは、多くの利用可能なアルゴリズムの1または2を用いて、設計および/または予測することができる。いくつかの例としては、以下の資源を用いて、dsRAN、siRNA、shRNA、および/またはmiRNAを設計および/または予測することができる:Alnylum Online、Dharmacon Online、OligoEngine Online、Molecula Online、Ambion Online、BioPredsi Online、RNAi Web Online、Chang Bioscience Online、Invitrogen Online、LentiWeb Online GenScript Online、Protocol Onlineに見出されるアルゴリズム;Reynolds et al., 2004, Nat. Biotechnol., 22:326;Naito et al., 2006, Nucleic Acids Res., 34:W448;Li et al., 2007, RNA, 13:1765;Yiu et al., 2005, Bioinformatics, 21:144およびJia et al., 2006, BMC Bioinformatics, 7: 271;これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0264】
ポリヌクレオチドは、任意のサイズまたは配列であってよく、これらは1本鎖または2本鎖であってよい。ある態様において、ポリヌクレオチドは、100塩基対長より長い。ある態様において、ポリヌクレオチドは、1000塩基対長より長く、10,000塩基対長より長い可能性もある。ポリヌクレオチドは任意に精製され、実質的に純粋である。好ましくは、ポリヌクレオチドは、50%より高い純度であり、より好ましくは75%より高い純度、および最も好ましくは95%より高い純度である。ポリヌクレオチドは、当分野に知られた任意の手段により提供することができる。ある態様において、ポリヌクレオチドは組み替え技術を用いて修飾された(これらの技法のより詳細な説明については、Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology (John Wiley & Sons, Inc., New York, 1999);Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., ed. by Sambrook, Fritsch, and Maniatis (Cold Spring Harbor Laboratory Press: 1989)を参照、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる)。ポリヌクレオチドはまた、天然源から得ることができ、通常天然に見出される汚染成分から精製される。ポリヌクレオチドはまた、実験室内で化学的に合成することもできる。ある態様において、ポリヌクレオチドは、標準の固相化学を用いて合成される。
【0265】
ポリヌクレオチドは、化学的または生物学的手段により修飾することができる。ある態様において、これらの修飾は、ポリヌクレオチドの安定性の増加をもたらす。修飾には、メチル化、リン酸化、エンドキャッピングなどを含む。
【0266】
ポリヌクレオチドの誘導体もまた、本発明に用いることができる。これらの誘導体には、ポリヌクレオチドの塩基、糖、および/またはホスフェート結合における修飾を含む。修飾塩基としては、限定することなく、次のヌクレオシド類似体に見出されるものが挙げられる:2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、5−メチルシチジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−プロピニルウリジン、C5−プロピニルシチジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、および2−チオシチジン。修飾糖としては、限定することなく、2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、3’−アジド−2’,3’−ジデオキシリボース、2’,3’−ジデオキシリボース、アラビノース(リボースの2’−エピマー)、非環式糖、およびヘキソースが挙げられる。ヌクレオシドは、天然のDNAおよびRNAに見出されるホスホジエステル結合以外の結合により、つながれることができる。修飾結合としては、限定することなく、ホスホロチオアートおよび5’−N−ホスホロアミダイト結合を含む。種々の修飾の組み合わせを、1つのポリヌクレオチドに用いることができる。これらの修飾ポリヌクレオチドは、当分野に知られた任意の方法により提供することができる;しかし、当業者に理解されるように、修飾ポリヌクレオチドは、in vitroの合成化学を用いて調製されるのが好ましい。
【0267】
送達されるポリヌクレオチドは、任意の形態であってよい。例えばポリヌクレオチドは、環状プラスミド、直鎖状プラスミド、コスミド、ウイルスゲノム、修飾ウイルスゲノム、合成クロモゾーム等であってよい。
【0268】
ポリヌクレオチドは、任意の配列のものであってよい。ある態様において、ポリヌクレオチドは、タンパク質またはペプチドをコードする。コードされたタンパク質は、酵素、構造タンパク質、受容体、溶解性受容体、イオンチャネル、薬学的活性タンパク質、サイトカイン、インターロイキン、抗体、抗体断片、抗原、凝固因子、アルブミン、増殖因子、ホルモン、インスリン等であってよい。ポリヌクレオチドはまた、遺伝子発現を制御する調節領域を含むことができる。これらの調節領域としては、限定することなく、プロモーター、エンハンサー要素、レプレッサー要素、TATAボックス、リボソーム結合部位、転写終止部位などが上げられる。ある態様において、ポリヌクレオチドはタンパク質をコードすることを意図していない。例えば、ポリヌクレオチドは、トランスフェクトされる細胞のゲノムのエラーを修繕するために用いることができる。
【0269】
ポリヌクレオチドはまた、アンチセンス剤またはRNA干渉(RNAi)として提供されてもよい(Fire et al. Nature 391:806-811, 1998;本明細書に参照により組み込まれる)。アンチセンス療法は、例えば、1本鎖または2本鎖オリゴヌクレオチドまたはその誘導体であって、細胞条件下で、細胞mRNAおよび/またはゲノムDNAまたはその変異体に特異的にハイブリダイズして、例えば結合して、コードされたタンパク質の発現を、転写および/または翻訳を阻害することにより阻害する、前記オリゴヌクレオチドの、投与またはin situでの提供を含むことを意味する(Crooke “Molecular mechanisms of action of antisense drugs” Biochim. Biophys. Acta 1489(1):31-44, 1999;Crooke “Evaluating the mechanism of action of antiproliferative antisense drugs” Antisense Nucleic Acid Drug Dev. 10(2):123-126, discussion 127, 2000;Methods in Enzymology volumes 313-314, 1999;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる)。結合は、従来の塩基対相補性により、または、例えばDNA二重鎖への結合の場合には、二重らせんの主溝における特異的相互作用を介して行うことができる(Chan et al. J. Mol. Med. 75(4):267-282, 1997;本明細書に参照により組み込まれる)。
【0270】
ある態様において、送達されるポリヌクレオチドは、抗原ペプチドまたはタンパク質をコードする配列を含む。これらのポリヌクレオチドを含むナノ粒子を個体に送達して、その後の感染のチャンスを低減し、および/またはかかる感染に関連する症状を軽減するのに十分な、免疫反応を誘発することができる。これらのワクチンのポリヌクレオチドは、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、およびアジュバント例えばコレラ毒素、ミョウバン、フロイントのアジュバントなどと、組み合わせることができる。多数のアジュバント化合物が知られている;多くのかかる化合物の有用な概説が、米国国立衛生研究所により準備されており、インターネット上で閲覧可能である(www.niaid.nih.gov/daids/vaccine/pdf/compendium.pdf、本明細書に参照により組み込まれる;また、次も参照のこと:Allison Dev. Biol. Stand. 92:3-11, 1998;Unkeless et al. Annu. Rev. Immunol. 6:251-281, 1998およびPhillips et al. Vaccine 10:151-158, 1992;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる)。
【0271】
ポリヌクレオチドによりコードされる抗原タンパク質またはペプチドは、以下のような細菌性生物:Streptococccus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Staphylococcus aureus、Streptococcus pyrogenes、Corynebacterium diphtheriae、Listeria monocytogenes、Bacillus anthracis、Clostridium tetani、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae、Streptococcus mutans、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella typhi、Haemophilus parainfluenzae、Bordetella pertussis、Francisella tularensis、Yersinia pestis、Vibrio cholerae、Legionella pneumophila、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium leprae、Treponema pallidum、Leptospirosis interrogans、Borrelia burgdorferi、Camphylobacter jejuni等;天然痘、AおよびB型インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザ、はしか、HIV、水痘−帯状疱疹、単純ヘルペス1および2型、サイトメガロウイルス、エプスタインバールウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ポリオウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、A、B、C、D、およびE型肝炎ウイルス等のウイルス;および、真菌、原虫、および寄生生物、例えば、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Candida albicans、Candida tropicalis、Nocardia asteroides、Rickettsia ricketsii、Rickettsia typhi、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydial psittaci、Chlamydial trachomatis、Plasmodium falciparum、Trypanosoma brucei、Entamoeba histolytica、Toxoplasma gondii、Trichomonas vaginalis、Schistosoma mansoni等、などに由来するものであってよい。
【0272】
5.粒子
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物はまた、薬物送達デバイスの形成にも用いることができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、ポリヌクレオチド、小分子、タンパク質、ペプチド、金属、有機金属化合物等などの剤を封入するのに用いることができる。本発明のアミノアルコールリピドイド化合物は、これを薬物送達デバイスの調製において特に好適なものにする、いくつかの特性を有する。これには、以下を含む:1)脂質を複合体化し、不安定な剤を「保護する」能力;2)エンドソームでのpHを緩衝する能力;3)「プロトンスポンジ」として作用して、エンドソーム破壊を引き起こす能力;および4)負に荷電された剤の電荷を中和する能力。ある態様において、アミノアルコールリピドイド化合物は、送達される剤を含む粒子を形成するのに用いられる。これらの粒子は、例えばタンパク質、炭水化物、合成ポリマー(例えばPEG、PLGA等)、および天然のポリマーなどのその他の物質を含むことができる。
【0273】
ある態様において、粒子の直径は、1μm〜1,000μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1μm〜100μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1μm〜10μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、10μm〜100μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、100μm〜1,000μmの範囲である。ある態様において、粒子は、1〜5μmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1nm〜1,000nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1nm〜100nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1nm〜10nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、10nm〜100nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、100nm〜1,000nmの範囲である。ある態様において、粒子は、1〜5nmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1pm〜1,000pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1pm〜100pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、1pm〜10pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、10pm〜100pmの範囲である。ある態様において、粒子の直径は、100pm〜1,000pmの範囲である。ある態様において、粒子は、1〜5pmの範囲である。
【0274】
6.粒子の製造方法
本発明の粒子は、当分野に知られている任意の方法を用いて調製することができる。これには、限定することなく、噴霧乾燥、1または2重乳剤溶媒蒸発法、溶媒抽出、相分離、単純および複合コアセルベーション、および当業者によく知られて他の方法が含まれる。ある態様において、粒子の製造方法は、2重乳剤法および噴霧乾燥である。粒子の調製に用いられる条件は、所望のサイズまたは特性の粒子(例えば、疎水性、親水性、外部形態、「粘着性」、形状など)を産生するために変化させることができる。粒子の製造方法および用いる条件(例えば溶媒、温度、濃度、気流量など)もまた、封入される剤および/またはマトリックスの組成に依存し得る。
【0275】
封入された剤を送達する粒子を作るために開発された方法は、文献に記載されている(例えば、以下を参照:Doubrow, M., Ed., “Microcapsules and Nanoparticles in Medicine and Pharmacy,” CRC Press, Boca Raton, 1992;Mathiowitz and Langer, J. Controlled Release 5:13-22, 1987;Mathiowitz et al. Reactive Polymers 6:275-283, 1987;Mathiowitz et al. J. Appl. Polymer Sci. 35:755-774, 1988;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる)。
【0276】
任意の上記の方法により調製された粒子が、所望の範囲内ではないサイズを有する場合、粒子は、例えばふるいを用いてサイズを変えることができる。粒子は被覆してもよい。ある態様において、粒子は標的化剤で被覆される。他の態様において、粒子は、所望の表面特性(例えば特定の電荷)を実現するために被覆される。
【0277】
7.ミセルおよびリポソーム
本発明のアミノアルコールリピドイド化合物を用いて、ミセルまたはリポソームを調製することができる。ミセルまたはリポソームを調製するための多くの技法が当分野に知られており、任意の方法を本発明のアミノアルコールリピドイド化合物と共に用いて、ミセルおよびリポソームを作製することができる。さらに、ポリヌクレオチド、小分子、タンパク質、ペプチド、金属、有機金属化合物等などの任意の剤を、ミセルまたはリポソームに含むことができる。ミセルおよびリポソームは、疎水性小分子などの疎水性の剤を送達するのに、特に有用である。
【0278】
ある態様において、リポソーム(脂質またはアミノアルコールリピドイド化合物小胞)は、自発的集合を通して形成される。他の態様において、リポソームの形成は、薄い脂質膜または脂質ケーキが水和され、脂質結晶二重層のスタックが流体になり膨張した場合になされる。水和脂質シートは攪拌の間に離されて自己封鎖し、大きな多重膜小胞(LMV)を形成する。これにより、水と二重層の端部における炭化水素コアの相互作用を防ぐ。これらの粒子が一旦形成されると、粒子のサイズは、超音波エネルギーの入力(音波処理)または機械的エネルギー(押出し)を介して、減少させることができる。Walde, P. “Preparation of Vesicles (Liposomes)” In Encylopedia of Nanoscience and Nanotechnology;Nalwa, H. S. Ed. American Scientific Publishers: Los Angeles, 2004; Vol. 9, pp. 43-79;Szoka et al. “Comparative Properties and Methods of Preparation of Lipid Vesicles (Liposomes)” Ann. Rev. Biophys. Bioeng. 9:467-508, 1980を参照のこと;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる。リポソームの調製には、水和用のアミノアルコールリピドイド化合物を調製すること、アミノアルコールリピドイド化合物を攪拌により水和すること、および小胞のサイズを変化させて、リポソームの一様な分散を実現すること、が関与する。アミノアルコールリピドイド化合物をまず有機溶媒に溶解して、アミノアルコールリピドイド化合物の一様な混合物を確実にする。次に溶媒を除去して、リピドイドフィルムを形成する。このフィルムを完全に乾燥させ、残りの有機溶媒を、バイアルまたはフラスコを真空ポンプに一晩置くことにより取り除く。リピドイドフィルム/ケーキの水和は、水媒体を乾燥リピドイドの容器に加え、混合物を攪拌することにより行う。LMV懸濁物の超音波エネルギーによる破壊により、一般に、15〜50nmの範囲の直径の小さな単層小胞(SUV)が産生される。脂質の押出しは、脂質懸濁物を、所定のポアサイズのポリカーボネートフィルターを強制的に通過させることにより、用いたフィルターのポアサイズに近い直径の粒子を産生する技法である。100nmのポアのフィルターを通しての押出しにより、一般には、120〜140nmの平均直径の大きな単層小胞(LUV)が産生される。
【0279】
ある態様において、ポリヌクレオチドはRNA分子(例えば、RNAi分子)である。他の態様において、ポリヌクレオチドはDNA分子である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−120である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC16−120である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−98である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−113である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC18−96である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−96である。ある態様において、アミノアルコールリピドイドはC14−110である。ある態様において、リポソーム中のアミノアルコールリピドイド化合物の量は、30〜80mol%の、好ましくは40〜70mol%の、さらに好ましくは60〜70mol%の範囲である。これらのリポソームは、当分野に知られている任意の方法を用いて調製することができる。ある態様において(例えばRNAi分子を含むリポソーム)、リポソームは脂質押出しにより調製される。
【0280】
あるアミノアルコールリピドイド化合物は、例えばDNAおよびRNAなどの一定の分子の周りに自発的に自己集合して、リポソームを形成することができる。いくつかの態様において、用途はポリヌクレオチドの送達である。これらのアミノアルコールリピドイド化合物を使用すると、追加のステップまたは押出機などの装置の必要なく、リポソームの簡単な集合が可能となる。
【0281】
次の学術論文には、リポソームおよびミセルを調製する別の方法が記載されている:Narang et al. “Cationic Lipids with Increased DNA Binding Affinity for Nonviral Gene Transfer in Dividing and Nondividing Cells” Bioconjugate Chem. 16:156-68, 2005;Hofland et al. “Formation of stable cationic lipid/DNA complexes for gene transfer” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:7305-7309, July 1996;Byk et al. “Synthesis, Activity, and Structure-Activity Relationship Studies of Novel Cationic Lipids for DNA Transfer” J. Med. Chem. 41(2):224-235, 1998;Wu et al. “Cationic Lipid Polymerization as a Novel Approach for Constructing New DNA Delivery Agents” Bioconjugate Chem. 12:251-57, 2001;Lukyanov et al. “Micelles from lipid derivatives of water-soluble polymers as delivery systems for poorly soluble drugs” Advanced Drug Delivery Reviews 56:1273-1289, 2004;Tranchant et al. “Physicochemical optimisation of plasmid delivery by cationic lipids” J. Gene Med. 6:S24-S35, 2004;van Balen et al. “Liposome/Water Lipophilicity: Methods, Information Content, and Pharmaceutical Applications” Medicinal Research Rev. 24(3):299-324, 2004;これらの各々は、本明細書に参照により組み込まれる。
【0282】
8.剤
本発明のシステムにより送達される剤は、治療剤、診断剤、または予防剤であることができる。個体に投与される任意の化合物は、本発明の複合体、ピコ粒子、ナノ粒子、微小粒子、ミセル、またはリポソームを用いて送達することができる。剤は、小分子、有機金属化合物、核酸、タンパク質、ペプチド、ポリヌクレオチド、金属、同位体標識化合物、薬物、ワクチン、免疫学的剤などであってよい。
【0283】
ある態様において、剤は、薬剤活性を有する有機化合物である。本発明の他の態様において、剤は、臨床的に使用される薬物である。ある態様において、薬物は、抗生物質、抗ウイルス剤、麻酔剤、ステロイド剤、抗炎症剤、抗腫瘍剤、抗原、ワクチン、抗体、うっ血除去薬、抗高血圧薬、鎮静剤、受胎調節剤、プロゲステロン剤、抗コリン剤、鎮痛剤、抗欝剤、抗精神病薬、βアドレナリン遮断薬、利尿薬、心血管活性剤、血管作用薬、非ステロイド抗炎症剤、栄養剤などである。
【0284】
本発明のある態様において、送達される剤は、剤の混合物であってよい。
【0285】
診断剤は、以下を含む:気体;金属;ポジトロン放出断層撮影法(PET)、コンピュータ支援断層撮影法(CAT)、単光子放出コンピュータ断層撮影法、X線、蛍光透視法、および磁気共鳴映像法(MRI)で用いる市販のイメージング剤;および造影剤。MRIでの造影剤として用いるのに適した物質の例は、ガドリニウムキレート、および鉄、マグネシウム、マンガン、銅、およびクロムを含む。CATおよびX線イメージングに有用な物質の例は、ヨードベースの物質を含む。
【0286】
予防剤は、限定することなく、抗生物質、栄養補助食品、およびワクチンを含む。ワクチンには、単離タンパク質またはペプチド、不活性化生物およびウイルス、死亡生物およびウイルス、遺伝的改変生物およびウイルス、および細胞抽出物を含むことができる。予防剤は、インターロイキン、インターフェロン、サイトカイン、およびアジュバント、例えばコレラ毒素、ミョウバン、フロイントのアジュバントなどと混合することができる。予防剤は、以下のような細菌性生物、例えばStreptococccus pneumoniae、Haemophilus influenzae、Staphylococcus aureus、Streptococcus pyrogenes、Corynebacterium diphtheriae、Listeria monocytogenes、Bacillus anthracis、Clostridium tetani、Clostridium botulinum、Clostridium perfringens、Neisseria meningitidis、Neisseria gonorrhoeae、Streptococcus mutans、Pseudomonas aeruginosa、Salmonella typhi、Haemophilus parainfluenzae、Bordetella pertussis、Francisella tularensis、Yersinia pestis、Vibrio cholerae、Legionella pneumophila、Mycobacterium tuberculosis、Mycobacterium leprae、Treponema pallidum、Leptospirosis interrogans、Borrelia burgdorferi、Camphylobacter jejuni等の抗原;天然痘、AおよびB型インフルエンザ、呼吸器合胞体ウイルス、パラインフルエンザ、はしか、HIV、水痘−帯状疱疹、単純ヘルペス1および2型、サイトメガロウイルス、エプスタインバールウイルス、ロタウイルス、ライノウイルス、アデノウイルス、パピローマウイルス、ポリオウイルス、流行性耳下腺炎ウイルス、狂犬病、風疹、コクサッキーウイルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、A、B、C、D、およびE型肝炎ウイルス等のウイルスの抗原;および、真菌、原虫、および寄生生物、例えば、Cryptococcus neoformans、Histoplasma capsulatum、Candida albicans、Candida tropicalis、Nocardia asteroides、Rickettsia ricketsii、Rickettsia typhi、Mycoplasma pneumoniae、Chlamydial psittaci、Chlamydial trachomatis、Plasmodium falciparum、Trypanosoma brucei、Entamoeba histolytica、Toxoplasma gondii、Trichomonas vaginalis、Schistosoma mansoni等の抗原を含む。
【0287】
9.標的化剤
本発明の複合体、リポソーム、ミセル、微小粒子、ピコ粒子およびナノ粒子は、標的化剤を含むよう修飾することができるが、これは、特定の細胞、細胞の集合、または組織を標的とすることが多くの場合望ましいためである。医薬組成物を特定の細胞に指向させる種々の標的化剤が、当分野に知られている(例えば、Cotten et al. Methods Enzym. 217:618, 1993を参照;本明細書に参照により組み込まれる)。標的化剤は、粒子全体にわたり、または表面上にのみ、含まれることができる。標的化剤は、タンパク質、ペプチド、炭水化物、糖タンパク質、脂質、小分子、核酸などであってよい。標的化剤は、特定の細胞または組織を標的とするために用いることができ、または、粒子のエンドサイトーシスまたは食細胞活動(ファゴサイトーシス)を促進するために用いることができる。標的化剤の例としては、限定することなく、抗体、抗体断片、低密度リポタンパク質(LDL)、トランスフェリン、アシアリコタンパク質(asialycoprotein)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のgp120エンベロープタンパク質、炭水化物、受容体リガンド、シアル酸、アプタマーなどを含む。標的化剤が粒子全体に含まれている場合、標的化剤は、粒子を形成するために用いる混合物中に含まれていてよい。標的化剤が表面のみにある場合、標的化剤は、標準の化学的技法を用いて、形成された粒子と関連させることができる(すなわち、共有結合、疎水性、水素結合、ファンデルワールス、またはその他の相互作用により)。
【0288】
10.医薬組成物
複合体、ミセル、リポソーム、または粒子が一旦調製されると、これらを1または2以上の医薬賦形剤と組み合わせて、ヒトを含む動物への投与に好適な医薬組成物を形成することができる。当業者に理解されるように、賦形剤は、以下に記載のような投与経路、送達される剤、剤の送達の経時変化などに基づき選択することができる。
【0289】
本発明の医薬組成物および、本発明に従った使用は、薬学的に許容し得る賦形剤または担体を含むことができる。本明細書において、「薬学的に許容し得る担体」とは、非毒性の不活性な固体、半固体、または液体の増量剤、希釈剤、封入物質または任意の種類の製剤補助剤を意味する。薬学的に許容し得る担体として機能する物質のいくつかの例は、糖類、例えばラクトース、グルコース、およびスクロース;デンプン、例えばコーンスターチおよびジャガイモデンプン;セルロースおよびその誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および酢酸セルロース;トラガカント末;モルト;ゼラチン;タルク;賦形剤、例えばココアバターおよび座剤ワックス;油、例えばピーナッツ油、綿実油;ベニバナ油;ゴマ油;オリーブ油;コーン油および大豆油;グリコール、例えばプロピレングリコール;エステル、例えばオレイン酸エチルおよびラウリン酸エチル;寒天;Tween 80などの洗浄剤;緩衝剤、例えば水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウム;アルギン酸;パイロジェン非含有水;等張食塩水;リンガー溶液;エチルアルコール;およびリン酸緩衝液であり、ならびにその他の非毒性適合可能潤滑剤、例えばラウリルリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、および着色剤、放出剤、被覆剤、甘味料、風味および香料剤、保存剤および抗酸化剤もまた、製剤者の判断によって組成物中に存在することができる。本発明の医薬組成物は、ヒトおよび/または動物に対して、経口、直腸、非経口、嚢内、膣内、鼻腔内、腹腔内、局所的(散剤、クリーム剤、軟膏剤、または滴剤により)、口腔内に、または経口もしくは鼻腔スプレーとして、投与することができる。
【0290】
経口投与のための液体剤形は、薬学的に許容し得る乳剤、マイクロ乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性成分(すなわち微小粒子、ナノ粒子、リポソーム、ミセル、ポリヌクレオチド/脂質複合体)に加えて、液体剤形は、当分野で一般的に用いられる不活性希釈剤、例えば水または他の溶媒、溶解剤および乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、およびこれらの混合物を含むことができる。不活性希釈剤に加えて、経口組成物はまた、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、風味剤および芳香剤などのアジュバントも含むことができる。
【0291】
注射用製剤、例えば、無菌の注射用の水性または油性懸濁剤を、当分野に知られた方法により、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて製剤化することができる。無菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口的に許容し得る希釈剤または溶媒中の、無菌注射用溶液剤、懸濁剤または乳剤、例えば1,3−ブタンジオール中の液剤などであってよい。用いることのできる許容し得るビヒクルおよび溶媒としては、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張塩化ナトリウム溶液などがある。さらに、無菌の固定油は、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられている。この目的に対して、任意の無刺激性固定油を用いることができ、これには合成モノ−およびジグリセリドを含む。さらに、オレイン酸などの脂肪酸を、注射用製剤に用いる。ある態様において、粒子は、1%(w/v)カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび0.1%(v/v)Tween 80を含む担体液体中に懸濁される。
【0292】
注射用製剤は滅菌することができ、例えば、使用前に、細菌固定フィルター(retaining filter)を通したろ過によるか、または、無菌水またはその他の無菌注射用媒体中に溶解または分散させることができる、無菌の固体組成物の形態における滅菌剤を混合することによる。
【0293】
直腸または膣投与用の組成物は、好ましくは座剤であり、これは粒子を、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、または座剤ワックスなどの好適な非刺激性の賦形剤または担体であって、周囲温度では固体であるが身体の温度では液体であり、したがって直腸または膣腔において溶けて粒子を放出する、前記賦形剤または担体と混合することにより、調製可能である。
【0294】
経口投与用の固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒剤を含む。かかる固体剤形において、粒子は少なくとも1つの不活性な薬学的に許容し得る賦形剤または担体と、例えばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと、および/またはa)増量剤もしくは増量材、例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸など、b)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロール、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよびアカシア、c)湿潤剤、例えばグリセロール、d)崩壊剤、例えば寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモまたはタピオカデンプン、アルギン酸、一定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウム、e)溶液遅延剤(solution retarding agent)、例えばパラフィン、f)吸収促進剤、例えば4級アンモニウム化合物、g)湿潤剤、例えばセチルアルコールおよびグリセロールモノステアレート、h)吸収剤、例えばカオリンおよびベントナイト粘土、およびi)潤滑剤、例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物と、混合される。カプセル剤、錠剤、および丸剤の場合、剤形は緩衝剤も含むことができる。
【0295】
類似の種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いる軟および硬ゼラチンカプセル中で、増量剤として用いることができる。
【0296】
錠剤、糖剤、カプセル剤、丸剤および顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティングおよび医薬製剤分野でよく知られている他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製することができる。これらは任意に不透明化剤を含むことができ、これらはまた、活性成分(単数または複数)を腸管の一定部分においてのみ、またはそこで優先的に、任意に遅延様式において、放出する組成物であることができる。用いることができる包埋組成物の例は、高分子物質およびワックスを含む。
【0297】
類似の種類の固体組成物もまた、ラクトースまたは乳糖および高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いる軟および硬ゼラチンカプセル中で、増量剤として用いることができる。
【0298】
本発明の医薬組成物の局所または経皮投与用の剤形は、軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、ローション剤、ゲル、散剤、液剤、スプレー剤、吸入剤、またはパッチを含む。粒子は、無菌条件下で、薬学的に許容し得る担体および、必要に応じて任意の必要な保存剤または緩衝剤と混合される。眼科用製剤、点耳剤、および点眼剤も、本発明の範囲内であることが意図される。
【0299】
軟膏剤、ペースト剤、クリーム剤、およびゲルは、本発明の粒子に加えて、動物および植物油脂、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルク、および酸化亜鉛などの賦形剤またはこれらの混合物を含むことができる。
【0300】
散剤およびスプレー剤は、本発明の粒子に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末などの賦形剤またはこれらの混合物を含むことができる。スプレー剤は、クロロフルオロヒドロカーボンなどの通例の噴霧剤をさらに含むことができる。
【0301】
経皮パッチは、化合物の身体への制御された送達を提供するという、追加の利点を有する。かかる剤形は、微小粒子またはナノ粒子を適切な媒体中に溶解または分散することにより、作製することができる。吸収推進剤も、化合物の皮膚を渡る流れを増加させるために用いることができる。速度は、速度制御膜を提供するか、または粒子をポリマーマトリクスもしくはゲル内に分散させることにより、制御可能である。
【0302】
本発明のこれらおよびその他の側面は、以下の例を考慮してさらに理解される;これらの例は、本発明のある特定態様を説明することを意図しているが、クレームに規定された発明の範囲を限定することは意図しない。
【0303】
例
例1
1, 2−アミノアルコールの合成およびキャラクタリゼーション
これらのリピドイドを、
図1に示すようにして、アミンとエポキシドを攪拌子を備えたガラス製バイアル中で混合し、90℃に加熱して合成した。選んだアミンは2〜5個のアミン官能基を含み、一方エポキシドは種々の鎖長さを有し、ユニークな官能基および種々の度合いの飽和を有するラセミ体である(
図2)。反応時間は、この温度において24〜72時間の間で変化させた。混合物は一般に反応の間透明を保ち、反応が進行するにつれて顕著に粘性となった。冷却により、多くはワックス状の固体となった。反応の程度は、反応混合物に加えたエポキシドの当量数により制御することができた。例えば、示した例において、アミン114は最大5つの置換用の位置を有する。5当量のエポキシドを加えると、1,2−アミノアルコールにより結合された5つのアルカン鎖を有するアミンコアを産生する。4当量のエポキシドを加えると、同じ構造により結合された4つのみの鎖が産生される。これは薄層クロマトグラフィ(TLC)により確認され、それによれば、記載のようにセットされた粗反応混合物中に、主として1つの産物が存在することが示された。
【0304】
分子の識別を確認するために、いくつかの試験反応物をセットし、シリカゲルクロマトグラフィにより精製した。粗反応混合物の成分を分離し、NMRおよび質量分析法により試験した。再度、アミン114の場合には3つの産物が同定された:3、4、および5尾部の産物である。分子量を質量分析により確認し、構造はNMRにより確認した(
図3、これは、アミン114から得られたエポキシドリピドイドの特性データを示す)。これらのリピドイド化合物を次に、TLC分析用ライブラリの選択されたメンバーに対する標準として用いた。アミンを完全に置換するようセットした反応物は、完全置換の標準に類似したR
fおよび染色プロファイルを有した。アミンのn−1位置を置換するようセットした反応物は、n−1標準に類似したR
fおよび染色プロファイルを有した(
図4)。
【0305】
例2
RNA送達のためのin vitroスクリーニング
エポキシドリピドイドを、蛍ルシフェラーゼおよびRenillaルシフェラーゼの両方を安定に発現するHeLa細胞系にsiRNAを送達する、その能力について試験した。有効性の決定は、リピドイドを蛍ルシフェラーゼに特異的なsiRNAと混合し、この混合物を細胞に加えて、Renillaに対する蛍の発現の比率を測定することにより行った。この手順は96ウェルのマイクロタイタープレート内で行って、材料のハイスループット試験を可能にした。このアッセイにおいて、蛍およびRenillaルシフェラーゼ両方の発現の低下は毒性を示し、一方蛍の発現のみの低下は、siRNAによる特異的ノックダウンを示す。ライブラリの選択されたメンバーの初めのスクリーニング結果を
図5に示す。このサンプリングの多くのメンバーは、細胞をトランスフェクトし、蛍ルシフェラーゼのいくらかのノックダウンを生じさせる、一定の能力を示した。これらのうち最高の性能を示したのは、一般に、3または4以上のアミン官能基のモノマーと結合した14炭素以上のエポキシド由来のリピドイドであった。少数は、試験したリピドイドの最低用量においてさえも、蛍発現のほぼ完全な消失を示した。
【0306】
例3
RNA封入効率
in vitro実験用の製剤は、細胞への添加の前に、緩衝液中に設定の比率で、RNAとリピドイドを単純に混合することである。in vivo製剤には、追加の成分を添加して、身体での循環を促進することが求められる。これらのリピドイドの、in vivo作用に適した粒子を形成する能力を試験するために、実験室で用いられる標準の製剤手順にしたがった。これらの粒子は、42%のリピドイド、48%のコレステロールおよび10%のPEGから構成された。粒子の形成後、RNAを加え、複合体に組み込まれるようにした。封入効率は、標準のRibogreenアッセイを用いて決定した。次の表に示すように、これらの粒子は押出し後に100nmのオーダーであり、いくつかは90%を超える封入効率を実現した。
選択されたエポキシドリピドイドの粒子サイズおよび取込み効率
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
例4
HepG2細胞を、15,000細胞/ウェルの密度で、不透明白色96ウェルプレート(Corning-Costar, Kennebunk, ME)内にトランスフェクションの24時間前に播種して、増殖および集密させた。リピドイドの作業希釈物を、25mMの酢酸ナトリウム中(pH5)に、0.5mg/ml濃度で作製した。遺伝子送達実験には、pCMV−Luc蛍ルシフェラーゼDNA(ElimBiopharmaceuticals, South San Francisco, CA)を用いた。リピドイド:DNA複合体は、正に荷電したリピドイド分子と負に荷電した核酸の間の静電相互作用により形成させた。定量のDNAに加えるリピドイド溶液の容積を変化させて、リピドイドのDNAに対する種々の重量:重量比率を試験した。リピドイド溶液(75μl)をDNA溶液(75μl)に加え、よく攪拌した。混合物を次に室温で20分間インキュベートし、複合体化させた。これらの複合体(30μl)を次に、培地を含有する血清(200μl)に加え、よく攪拌した。増殖培地を次に細胞から取り除き、培地を含有するリピドイド:DNA複合体を直ちに加えた。全DNA負荷は、ウェル当たり300ugDNAであった。リポフェクタミン2000トランスフェクションを、製造業者の記載に従って実施した。複合体を細胞により48時間インキュベートさせた。ルシフェラーゼ発現を次に、Bright-Gloアッセイ(Promega, Madison, WI)により定量化した。簡単に述べると、トランスフェクションの48時間後、増殖培地含有リピドイド:DNA複合体を、12チャネルの吸引棒(aspirating wand)を用いて細胞から除去した。Bright-Glo試薬とDMEM含有非フェノールレッドの1:1混合物200ulを、細胞の入った96ウェルプレートの各ウェルに加えた。室温で10分間のインキュベーション後、発光を照度計で測定した。(n=3)。結果の例を
図6に示す。
【0308】
例5
リピドイドベースのsiRNA製剤は、リピドイド、コレステロール、ポリエチレングリコール脂質(PEG脂質)およびsiRNAを含む。リピドイド、mPEG2000−DMG MW2660(Alnylamにより合成)、およびコレステロールMW387(Sigma-Aldrich)の原液をエタノール中に調製し、モル比42:10:48となるよう混合した。混合脂質を200mMの酢酸ナトリウム緩衝液、pH5.2に加え、35%エタノールを含む溶液を作り、空のリピドイドナノ粒子を自発的に形成させた。得られたナノ粒子を80nm膜を通して押出した(3回通過)。35%エタノールおよび50mMの酢酸ナトリウム、pH5.2中のsiRNAを、10:1(wt/wt)の全脂質:siRNAでナノ粒子に加え、37℃で30分間インキュベートした。エタノールの除去と、siRNA含有リピドイドナノ粒子の緩衝液交換を、3,500MのWCO膜を用いたPBSに対する透析により実施した。粒子サイズは、Malvern Zetasizer NanoZS’(Malvern)を用いて決定し、siRNA含量および取込み効率は、Ribogreenアッセイにより決定した。
【0309】
C57BL/6マウス(Charles River Labs)に、生理食塩水またはリピドイド製剤中のsiRNAのどちらかを、0.01ml/gの容積の尾静脈注射により与えた。マウスに、1.75または4mg/kgの取込みsiRNAの用量を与えた。投与の48時間後、動物をイソフラン吸入により麻酔して、血液を眼窩後出血により血清分離管に採取した。試料中の第VII因子タンパク質の血清レベルを、色素産生アッセイを用い、製造業者(Biophen FVII, Aniara Corporation)のプロトコルに従って決定した。標準曲線は、生理食塩水処置動物から採取した血清を用いて作成した。結果の例を
図7に示す。
【0310】
例6
エポキシドライブラリのin vitroスクリーニング
エポキシドベースリピドイドのライブラリの化合物を、本明細書に記載の手順に従って合成した。化合物を次に、癌細胞株へのsiRNA送達効率について、ルシフェラーゼ受容体タンパク質を発現するよう遺伝子操作したHela由来細胞株を用いてスクリーニングした。これらの実験において、各物質の、配列特異的遺伝子サイレンシングを促進する能力を、処置群と未処置の対照におけるタンパク質レベルの比較により評価した。各化合物について、送達実験を、リピドイド:siRNAの重量比を変化させて実施した。元の開示では、全ライブラリのノックダウン結果を示した。
図11に概略のデータセットを示すが、in vitroスクリーンにおける上位25の性能の化合物についての結果を示し、これには、C16−96−B、C14−200および/またはC14−205、およびC12−200および/またはC12−205を含む。
【0311】
例7
性能上位のエポキシドリピドイドのin vivoスクリーニング
in vivoでのsiRNA送達の有効性を試験するために、肝臓送達のマウスモデルを用いた。第VII因子、肝細胞特異的血液凝固因子を、ノックダウン研究のモデルタンパク質として機能させた。肝細胞により産生されると、第VII因子は血流に放出され、発現のベースラインレベルは、単純な血液採取およびタンパク質レベルの比色分析による定量化により、決定することができる。抗第VII因子siRNAを肝細胞に送達することにより、このモデルタンパク質のノックダウンを実現し、サイレンシングのパーセンテージを、未処置対照との比較により決定することができる。
【0312】
in vitroスクリーンに続いて、化合物をパート1(例14参照)に詳述するようにして精製した。in vivo試験については、血清での安定性およびsiRNAパッケージングのために、化合物をコレステロールおよびPEG脂質と共に製剤化した。これらの実験において、リピドイドは、リピドイド:コレステロール:PEGを42:48:10のモル比で製剤化した。全脂質(リピドイド+コレステロール+PEG)のsiRNAに対する重量比は、10:1であった。それぞれの製剤化の後、粒子をそのサイズおよびsiRNAの取込み効率について、それぞれ動的光散乱およびRibogreenアッセイを用いてキャラクタリゼーションを行った。最初のスクリーンにおいて投与されるsiRNAの全用量は、リピドイド粒子の取込み効率における差のために、群間で異なる。全実験において、各マウスに投与されるsiRNAの用量は、体重にしたがって一定である。in vivoスクリーンからのノックダウン結果を
図12に示す。B1およびB2の用語は、TLCにより視覚化され、精製の間に単離された異なる化合物を表す。示されるように、C14−11−BおよびC16−96−Bは、初めのスクリーンからの先頭の化合物であった。いくつかの化合物はこのスクリーンにおいて有効性を示さなかったが、しかし製剤組成物の単純な調節が結果を大きく改善し得ることは、注目すべきである。
例8
最初のin vivoスクリーン実験に続いて、2つの化合物を用いて用量反応を実施した。これらの実験および全てのその後の実験において、siRNAの用量は、製剤中の全siRNA含量に基づき、取り込まれたsiRNAには基づかない。用量反応結果を
図13aおよび14aに示す。第VII因子の測定に加えてマウス体重における変化を記録し、体重減少を一般に、製剤誘発性の毒性と考える(
図13bおよび
図14bを参照)。表1および2は、これらの実験の製剤パラメータおよび特性データを示す。
表1 C16−96−B用量反応製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表2】
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表2 C14−110−B用量反応製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0313】
例9
用量反応の完了後、C16−96−Bをさらなる検討および最適化に選択した。次の実験において、製剤中の組成物のパーセントを変化させて、組成物の粒子サイズ、取込み、および有効性に対する効果を観察した。検査した組成物を表3に示す。
図15は、試験した製剤からのノックダウン結果を示す。赤字の製剤は前回の最善のものであるが、異なる組成で粒子を製剤化することにより、有効性を改善できることが示される。
表3 C16−96−B製剤最適化実験についての製剤パラメータおよび特性データ
【表4】
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【0314】
例10
第2の用量反応を、新しい組成パーセントパラメータを用いて行った。ノックダウン結果と粒子製剤/特性を
図16および表4にそれぞれ示す。この組成で製剤化することにより、0.25mg/kgの用量で約40%のノックダウンを実現した。この結果を新しい基準としてライブラリを修正し、前に試験しなかった物質を0.25mg/kgにてスクリーニングして、同様のまたはよりよい結果を与えることのできるその他の化合物の探索を試みた。
表4
【表5】
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【0315】
例11
再度のin vivoスクリーンにおいて、化合物C12−200および/またはC12−205を、0.25mg/kgの用量でほぼ完全に近いサイレンシングを与えると同定した。
図12に示すように、この化合物のやや長い尾部のもの、C12−200および/またはC12−205を、高度に効率的な送達剤として前に同定し、はるかに高い0.75mg/kg全siRNAの用量で完全なサイレンシングを与えることを示した。この化合物が、はるかに低い容量で完全なサイレンシングを促進できるという可能性があるが、C12−200および/またはC12−205が焦点であったために、完全には調査されていなかった。この化合物の有効性の発見に続いて、パート1(例14参照)に詳述されているキャラクタリゼーションの実験を開始した。
【0316】
このスクリーンのノックダウンおよび体重変化の結果を
図17bに示し、表5には製剤パラメータおよび特性を示す。
図17aは、C16−96−Bの第2バッチについてのノックダウン結果を示す。前の実験において、この化合物は、0.25mg/kgの用量で約40%のノックダウンをもたらした。質量分析から、このバッチが、前の研究で用いられたさらに効果的な3尾部バージョンではなく、2尾部であることが示された。
表5 再度のin vivoスクリーニングについての製剤パラメータおよび特性データ
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0317】
例12
低用量反応をC12−200および/またはC12−205について実施した。ノックダウンおよび体重減少結果を、
図18aおよび
図18bに示す。結果は、効果的なノックダウンが非常に低いsiRNAの用量で実現されることを示す。オリジナルのリピドイドライブラリからの前回の最適化合物であるND98と比較して、同等のノックダウンが100倍低い用量のsiRNAで実現可能である。製剤パラメータおよび特性データを表6に示す。
表6 C12−200および/またはC12−205およびND98製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表7】
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【0318】
例13
送達有効性をさらに改善するために、C12−200および/またはC12−205製剤の組成パーセントを増分的に変更した。これらの製剤を、0.01mg/kgの用量でスクリーニングして、前の組成物より性能の良い可能性のある製剤を同定した。これらの実験結果を
図19に、また製剤パラメータおよび特性を表7に示す。予想されるように、より有効な送達が、製剤の組成を調整することにより実現できる。この最適化作業は、C12−200および/またはC12−205構造のより長いまたはより短い尾部のバージョンを用いて、現在実施中である。
表7 C12−200および/またはC12−205製剤についての製剤パラメータおよび特性データ
【表8】
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【0319】
例14
パート1:アミン111に基づくリピドイド
アミン111(テトラエチレンペンタミンまたはTEPA)を、次の構造の直鎖状ポリアミンとして表す:
【化266】
[この文献は図面を表示できません]
【0320】
アミン111と12炭素末端エポキシドC12との反応の予想される産物は以下である。
【化267】
[この文献は図面を表示できません]
【0321】
この反応を実行し、粗反応混合物を、極性シリカゲルからの産物溶出の順序は以下であるとの仮定に基づいて分離した:a)7尾部(111アミン上での最大置換);b)6尾部異性体(111アミンと反応した6つのエポキシドに対応する異性体);c)5尾部異性体、等々。粗反応混合物のMALDI−MSスペクトルは、これらの化合物のm/z比率に対応するピークを示すであろうと予想された(推定の7尾部、6尾部および5尾部産物の[M+H]
+計算値:それぞれ1481、1295、および1111)。物質が粗反応混合物から単離され、TLC分析に基づき6尾部異性体の混合物であると推定された。この「精製」物質は、in vivo抗第VII因子トランスフェクションアッセイにおいて非常に良好に機能した。
【0322】
粗反応混合物および精製「6尾部」物質のMALDI−MSスペクトル(
図20a参照)は、化合物を示唆した(
図20b参照)。技術グレードテトラエチレンペンタミン(TEPA)は、類似の沸点を有する化合物の混合物である;これらの化合物のいくつかは、次の式で表される:
【化268】
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【0323】
C12エポキシドとこれらの化合物の反応は、粗反応混合物のMALDI質量スペクトルにおける強いピークの多くを説明する(
図20a)。「精製」物質で観察されたm/z比(
図20b)は、アミン200または205の、5当量のエポキシドとの反応に整合し([M+H]
+のm/z計算値1137、観察された値1137)、またアミン210または220の、4当量のエポキシドとの反応に整合する([M+H]
+のm/z計算値910、観察された値910)。これらの化合物の構造は、以下である:
【化269】
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【0324】
この結果が再現可能であるかどうかを決定するために、エポキシド開環反応を、C12エポキシドと2つの異なるバッチのアミン111を用いて行った。MALDI−MSを、それぞれの粗反応混合物について行った。C12エポキシドと古いバッチの111アミンの間の反応において、化合物のアレイが観察され、これはまた、元の粗反応混合物においても観察された(
図20aを参照)。C12エポキシドと新しいバッチの111アミンの間の粗反応混合物のMALDIスペクトル(
図21a参照)は、m/zピーク比1481(直鎖アミン111と7つのエポキシド尾部)および1137(アミン200または205と5つのエポキシド尾部に整合)の優勢なピークを含んでいる。このスペクトルのm/z910におけるピークは小さかった。これはおそらく、111アミンの異なるバッチ間の差によるようである。第2の反応物の精製により、m/z1137の物質の高度に純粋な試料を単離することができた;我々は、この物質を「C12−200および/またはC12−205」と指定した。C12−200および/またはC12−205の
1H NMRスペクトルは、提案の構造と整合する(
図22参照)。
【0325】
我々は、アミン200、205、210、および220および関連するアミン構造と、下記の種々の長さのエポキシドとの反応に基づき、物質のライブラリを開発している:
【化270】
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【0326】
これらのアミンは、当業者によく知られている技法を用いて純粋形態で調製される。我々はまた、遊離ベースの市販の111アミンペンタヒドロクロライドから、次のスキームに従って得られる物質のライブラリも提案する:
【化271】
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実際の直鎖状ペンタアミンは、次の構造を有する:
【化272】
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【0327】
例15
パート2:アミン96に基づくリピドイド
この例は、次に示すような、アミン96とC16エポキシドの反応から得られるアミノアルコールリピドイドの変形である構造のライブラリの、コアの96アミンに基づく合成について記載する:
【化273】
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初めに、メチル基の位置での変形を、次のスキーム:
【化274】
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に従って、末端エポキシドを次に示すような市販のアミンの組み合わせと反応させることにより実施する:
【化275】
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この戦略に基づき、得られたライブラリは、約800の可能性のある種々の構造のアミノアルコールを含む。
【0328】
類似のアミン出発物質が利用可能であり、ここで2つのアミンの間の炭素鎖の長さは、次に記載のように、アミン96よりも長いかまたは短い。
【化276】
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これらのアミンと種々の末端エポキシドの反応から得られる化合物のライブラリは、追加の〜700のアミノアルコールリピドイドを提供する。
【0329】
保護/脱保護合成戦略は、複数の変形を提供することができ、ここで2つのコアアミンは異なるアルキルエポキシドにより、次のスキームに従って官能化される:
【化277】
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この戦略は、1つのアミン位置において、1つのエポキシド以外の官能基(例えばハロゲン化アルキル、イソチオシアネート、クロロホルマート、酸ハロゲン化物)による置換を可能とし、2つの異なる官能基を同じアミンコア上に、次のように生成する:
【化278】
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以下は、同一のアミンコア上に2つの異なる官能基を有する種々の化合物を生成するための、一般合成手順を説明する例示のスキームである:
【化279】
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式中、Yはアリール、ヘテロアリール、アルキル基(エポキシド、イソシアネート、イソチオシアネート、および/またはハロゲン化アルキルとは非反応性);およびZは、イソシアネート、イソチオシアネート、ハロゲン化アルキルからの断片であって、次の例示の構造を有する:
【化280】
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【0330】
種々のマルチステップ配列を用いて、追加のヒドロキシル基を、アミンコアの近くに、エポキシド開環を通して生成されたものとは異なる位置において、次のようにして導入することができる:
【化281】
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類似の経路により、ヒドロキシル基および追加の不飽和の両方を生成する手段を、次のように提供可能である:
【化282】
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アミンコアの差別的保護の後の第1ステップとしての還元アミノ化は、複数の市販のアルデヒドへのアクセスを、そしておそらく、単純な炭水化物を用いる還元アミノ化(既知の手順)を通して、複数のヒドロキシル基を次のようにして導入するための方法を、提供する:
【化283】
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例16
1,1’−(2−(4−(2−((2−(bis(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)(2−ヒドロキシドデシル)アミノ)エチル)ピペラジン−1−イル)エチルアザンジイル)ジドデカン−2−オール(C12−200および/またはC12−205)
【化284】
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【0331】
250mLのガラス製圧力容器に、2−デシルオキシラン(20.0g、109mmol)、テトラエチレンペンタアミン(Sigma-Aldrich技術グレード、2.93g、15.5mmol)および磁気攪拌子を入れた。容器を密封し、シリコーンオイルバスに90℃で浸漬した。反応混合物を90℃で〜72時間激しく攪拌した。圧力容器を次にオイルバスから取り出し、室温に冷却させ、次にゆっくり開けた。得られた〜9gの粘性の黄色がかった油を、シリカゲル上のクロマトグラフィで精製した(ジクロロメタンから、83.5:16.3:1.5のジクロロメタン/メタノール/水性水酸化アンモニウムへの勾配溶離)。所望の化合物を含む画分をプールし、回転蒸発により濃縮した。得られた黄色の油を〜15mLの酢酸エチルに溶解した;脱色チャコールをこの混合物に加えた。溶液を68℃に温め、次にCeliteを通してろ過した;ろ液を回転蒸発により濃縮した;残留した溶媒を減圧下で一晩除去し、〜1.3gの淡い黄色の粘性の油を得た。出発物質は、分離不可能な異性体N1−(2−アミノエチル)−N2−(2−(ピペラジン−1−イル)エチル)エタン−1,2−ジアミンを含み得る;また、産物は、分離不可能な異性体1,1’−(2−((2−ヒドロキシドデシル)(2−(2−ヒドロキシドデシル)(2−(4−(2−ヒドロキシドデシル)ピペラジン−1−イル)エチル)アミノ)エチル)−アミノ)−エチルアザンジイル)−ジドデカン−2−オールを含み得る。
例17
キラルエポキシドから調製されるアミノアルコールリピドイド
抗菌リピドイド(例えばC12−200、C16−96)は、親油性ラセミ末端エポキシドを低分子量ポリアミンと反応させることにより調製可能である。このアプローチは、アミン200と一般の末端エポキシドを用いて以下に説明されている。このアプローチには、純粋産物の単離を複雑にする2つの問題がある:ラセミエポキシドの使用、およびエポキシド鎖の第2炭素原子(C2)へのアミンの付加である。次の例において、我々は以下を報告する:a)ラセミエポキシドの使用から生じ得る問題は、立体化学的に純粋な末端エポキシドの使用により回避可能である;およびb)エポキシドのC2における付加から生じる副産物は、還元アミノ化が関与する代替的合成経路により回避可能である。
【化285】
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ラセミエポキシドの反応
初めのライブラリ合成で用いたエポキシドは、商業的源からラセミ混合物として購入した:各エポキシドは、RおよびS鏡像異性体を同じ比率で含有していた。アキラルなアミンも、どちらかの立体異性体と同様に反応するであろう。ラセミエポキシドを用いる効果は、1つの反応部位を有するアミン(例えばピペリジン)と、ラセミエポキシド(以下に示す)の間の反応の単純なケースを考えることにより、説明される。この場合、2つのアミノアルコールリピドイド産物が生成される:RおよびS鏡像異性体である。理論的には、これらの産物はキラル定常相でのクロマトグラフィを介して分離可能である;実際には、方法を開発しスケールアップしてこの分離を実施することは困難であり、費用もかかる。
【化286】
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この状況は、出発アミンが複数の反応部位を有する場合にさらに複雑となる。アミン出発物質のN個の反応部位に対して、2
Nの立体異性体が生成される。例えば、アミン200(5つの反応部位)は、ラセミエポキシドと反応して、32の立体異性体を生成する。我々の実験において、これらの産物は分離不可能である。この問題は、立体化学的に純粋なエポキシド(例えば、エポキシドの1つのエナンチオマー)との反応を実施することにより、解決できる。これを以下に説明する。
【化287】
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いくつかの末端エポキシドが、単一の鏡像異性体として利用可能であるが、これらの化合物のコストはひどく高い。ラセミエポキシドはいくつかの手段により分割でき(構成成分の鏡像異性体に分離)、これにはキラル定常相上でのクロマトグラフィを含む。我々は、加水分解速度論的分割(HKR)として知られている化学的方法を用いて、エポキシドを分割した。ラセミエポキシドの効率的なHKRは、Jacobsen(Schaus, et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1307-1315;これは本明細書に参照により組み込まれる)に記載の手順を用いて実現できる。この手順は、以下に説明されている。キラル触媒および水を、ラセミエポキシドを含有する溶液に加える。キラル触媒の存在下で、1つのエポキシド鏡像異性体の加水分解速度は、他の鏡像異性体の加水分解速度よりはるかに高い。これにより、所望されないエポキシド鏡像異性体の(1,2−ジオールへの)選択的加水分解が可能となる。1,2−ジオールは、エポキシドから、減圧下での蒸留を通してエポキシドを除去することにより、分離することができる。
【化288】
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ステップ1.エポキシドデカンのHKRによる分割
【化289】
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【0332】
(R)−(+)−1,2−エポキシドデカン
磁気攪拌子を含むオーブン乾燥した丸底フラスコに、(R,R)−HKR触媒(Schaus, et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 1307-1315);CAS番号176763−62−5、1.31g、2.17mmolを入れた;ジクロロメタン(34mL)および次に氷酢酸(1.30mL)をフラスコに加えた。得られた溶液を1.5時間激しく攪拌した;この間、混合物の色は暗赤色から茶色に変化した。溶媒を回転蒸発により、物質が乾燥してみえるまで除去した。1,2−エポキシドデカン(40.0g、217mmol)と、次にイソプロピルアルコール(試薬グレード、47mL)を、酸化された触媒および磁気攪拌子を含有するフラスコに加えた。フラスコをアイスバスに浸漬した。H
2O(2.15mL,119mmol、エポキシドに対して0.55当量)を攪拌された混合物に滴加した。フラスコをゴム製隔壁で密封し、溶液を室温まで温めた。2日間攪拌した後、反応混合物を〜200mLのヘキサンで希釈した。得られた溶液を紙でろ過して、白色の析出物(1,2−ジオール)を除去した。ろ液を回転蒸発により濃縮した。得られた暗赤色油性液体を〜150mLのヘキサンに溶解し、相当な量の白色結晶析出物(ジオール)を除去するためにろ過した。ろ液を250mLの丸底フラスコに移し、回転蒸発により濃縮した。所望の産物を真空下での蒸留により単離した(文献:124℃/15mmHg)。所望の産物(14.3g、71.5%の理論的収率)を、透明な油として収集した。産物は、2−ナフチレンチオール誘導体のキラルクロマトグラフィにより、100%eeと決定された。
ステップ2.(R)−C12−200の合成
【化290】
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【0333】
(R)−C12−200.アミン200(640mg、2.97mmol)および(R)−1,2−エポキシドデカン(2.27g、12.1mmol)を、磁気攪拌子を含むバイアルに加えた。バイアルを密封し、80℃の反応ブロック上で5日間暖めた。反応混合物を室温に冷却させて、所望の産物をシリカゲル上のクロマトグラフィにより単離した(CH
2Cl
2から175:2:3のCH
2Cl
2/MeOH/NH
4OH(水性)への勾配溶離)。画分をプールし、濃縮して、(R)−C12−200(665mg)を淡い黄色油として得た。
1H NMR (600 MHz, CDCl
3):δ 4.37 (br s, -OH, 4H), 3.63 (app. br s, 3H), 3.56 (app. br s, 2H), 2.84-2.21 (m, 30H), 1.43-1.26 (m, 90H), 0.88 (t, J = 7.0 Hz, 15 H); MALDI-TOF-MS m/z: calcd for C
70H
146N
5O
5 [M + H
+] 1137.1, found 1137.6.
【0334】
例18
キラルアミノアルコールリピドイドのin vivoトランスフェクション
抗第VII因子siRNAを用いた予備のin vivoトランスフェクションを、マウスにて(R)−C12−200および(S)−C12−200を用いて実施した。0.01mg/kgのsiRNA用量において、C12−200のRまたはS形態を用いて、全身の第VII因子の約50%の減少が実現された;これらの結果と、C12−200(アミン200とラセミC12エポキシドを用いて調製されたリピドイド)を用いて得られたものとの間の差は有意ではなかった。
例19
還元アミノ化アプローチによるアミノアルコールリピドイドの合成
末端エポキシドの第1炭素原子は、求核付加の間の好ましい襲撃部位である。アミノアルコールリピドイドの2D−NMR分析は、付加の多くは、次に示すようにエポキシドのC1において起こることを示す。しかし、少量の付加がC2でも起こる。化合物(S)−C12−205および(R)−C12−200の2D−NMR分析により、およそ10%の脂質「尾部」は、エポキシドのC2におけるアミンの襲撃の結果であることが示唆される。これらの位置異性体尾部は、物質中の脂質尾部の全体集団にわたってランダムに分配されているようである。エポキシドのこの副作用を制限する努力は成功していない。この副作用を避けるために、我々は代替的合成戦略を提案し実行した。
【化291】
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この戦略の逆合成解析を次に示す。所望の産物はC(下に示すように)であり、アミンAの、エポキシドBのC1への付加から得られる。Dは、アミンAがエポキシドBのC2を襲撃した場合に形成される、不所望の構造異性体である。アルデヒド断片EのアミンAおよび還元試薬による還元アミノ化(Fを与える)、次に保護基の第2アルコール上での除去は、産物Cを生成する。この経路は不所望の構造Dを生成しない。このアプローチは、2つの利点を有する:エポキシドのC2における反応からの副産物を生成しない(例えばD、下図)、および立体異性体の混合物の生成を回避する。この戦略が実施可能であることを実証するために、我々はEに類似する基質を調製し、この成分をアミンと反応させて、最終的に所望の産物を生成した(Cに類似)。
【化292】
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(S)−C12−205の還元アミノ化アプローチによる合成
【化293】
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ステップ1.還元アミノ化アプローチのための断片404の合成
【化294】
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【0335】
(S)−2−((トリチロキシ)メチル)オキシラン(401).トリチル保護グリシドール誘導体401を、前に記載のように調製した(Schweizer, et al., Synthesis 2007, 3807-3814;これは本明細書に参照により組み込まれる)。CH
2Cl
2(30mL)中の(R)−グリシドール(5.0g、61mmol)の溶液を、シリンジにより、アルゴン下のアイスバスに入れた、CH
2Cl
2(67mL)中の塩化トリチル(18.6g、66.8mmol)およびトリエチルアミン(16.9mL,122mmol)の攪拌溶液に加えた。グリシドールの添加に続いて、DMAP(742mg、6.08mmol)を反応混合物に加えた。反応物を室温まで温めた。14時間後、反応混合物を300mLの飽和水性NH
4Clで希釈した。混合物をさらに水で〜1Lに希釈して、沈殿した塩を溶解した。産物を急冷溶液からEt
2O(3×)で抽出した;合わせたエーテル性層をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、紙を通してろ過し、回転蒸発により濃縮して、白色固体を得た。粗産物を沸騰MeOH(200mL)からの再結晶化により精製して、所望の産物401(14.1g、73%)を白色結晶として得た。この物質のNMR分析は、文献に報告されたものと整合していた(Schweizer, et al., Synthesis 2007, 3807-3814)。
【化295】
[この文献は図面を表示できません]
【0336】
(S)−2−(ベンジルオキシ)ドデカン−1−オール(403).鉱油(2.01g、50.3mmol)中のNaHの60wt%懸濁物を、磁気攪拌子を含むオーブン乾燥した丸底フラスコに加えた。THF(120mL)を、Ar下でシリンジによりフラスコに加え、フラスコをアイスバスに浸した。粗402(14.9g、33.5mmol)を無水THF(50mL)に溶解し、NaHの攪拌懸濁物にゆっくりと加えた。反応混合物を室温に温めた。塩化ベンジル(5.8mL、50mmol)を反応混合物に加えた。フラスコを環流コンデンサーに入れて、混合物をAr下で一晩、環流まで温めた。反応混合物が冷えた後に、NH
4Cl(飽和、水性、〜300mL)をゆっくり加えて、残留NaHをクエンチした。懸濁物を分離ファンネルにH
2O(300mL)およびEt
2O(200mL)を用いて移した。有機層を追加のEt
2Oで抽出した。エーテル性層をMgSO
4上で乾燥し、紙を通してろ過し、濃縮して黄色の油を得た。この物質をシリカ上のクロマトグラフィにより精製した(ヘキサンからEtOAcへの勾配溶離);所望の画分をプールし、濃縮して、15gのやや黄色の油を得た。この油を、1:1のMeOH/THF(100mL)に溶解した。p−TsOH・H
2O(572mg)を混合物に加えた;溶液を6時間攪拌した。反応混合物をCelite上で回転蒸発により濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィにより精製した(ヘキサンから酢酸エチルへの勾配溶離)。所望の産物を含む画分をプールし、濃縮して、403(5.44g、66%)を透明油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 7.39-7.29 (m, 5H), 4.64 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 11.6 Hz, 1H), 3.74-3.67 (m, 1H), 3.60-3.49 (m, 2H), 1.93-1.90 (m, 1H), 1.68-1.60 (m, 1H), 1.53-1.45 (m, 1H), 1.40-1.40 (m, 16H), 0.89 (t, J = 6.9 Hz, 3H)。
【化296】
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【0337】
(S)−2−(ベンジルオキシ)ドデカナール(404).CH
2Cl
2(10mL)および塩化オキサリル(1.72mL,20.3mmol)を、Ar下でオーブン乾燥した磁気攪拌子を含む2口丸底フラスコに加えた。フラスコをドライアイス/アセトンバスに浸した。CH
2Cl
2(10mL)中のDMSO(2.88mL、40.6mmol)の溶液を、塩化オキサリルの攪拌溶液にゆっくり加えた。403(5.4g、18.5mmol)をCH
2Cl
2(10mL)に溶解し、冷却攪拌反応混合物に15分かけて滴加した。2時間の攪拌後、Et
3N(12.9mL、18.46mmol)を反応混合物に加え、これを次に室温に温めた。混合物をEt
2O(〜300mL)および水で希釈した。エーテル層を飽和水性NaHCO
3、1M水性HCl、およびブラインで洗浄した。Et
2O層を次にMgSO
4上で乾燥し、紙を通してろ過し、回転蒸発により濃縮した。粗産物をシリカ上のクロマトグラフィにより精製した(ヘキサンから1:1EtOAc/ヘキサンへの勾配溶離);所望の産物を含む画分をプールし、濃縮して、404(3.58g、67%)を透明なやや粘性の油として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl
3): δ 9.66 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 7.37-7.31 (m, 5H), 4.69 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 4.55 (d, J = 11.7 Hz, 1H), 3.78-3.75 (m, 1 H), 1.68 (dd, J = 14.3, 7.2 Hz, 2H), 1.49-1.35 (m, 2H), 1.25 (br s, 14H), 0.89 (t, J = 6.7, 3H)。
ステップ2.(S)−C12−205の還元アミノ化純粋形態
【化297】
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【0338】
1−(2−アミノエチル)ピペラジン(205、39μL、0.3mmol)を、磁気攪拌子を含むバイアルに加えた。MeOH(10mL)およびアルデヒド404(971mg、3.34mmol)をバイアルに加えた。NaCNBH
3(188mg、3mmol)を次に混合物に加えた。氷AcOHを攪拌溶液に、pHが約5.5になるまで(指示ストリップにより測定)滴加した。混合物を、AcOHの添加の間気泡させた。混合物を4日間攪拌し、その後1MのNaOH(水性)およびCH
2Cl
2で希釈した。水層を追加の時間でCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4上で乾燥し、紙を通してろ過し、濃縮した。所望の中間体をシリカ上のクロマトグラフィにより精製して(CH
2Cl
2から10%MeOH/CH
2Cl
2)、黄色の油を得た(83mg)。この油を、25mLの7:2:1のMeOH/H
2O/AcOHに希釈した。10wt%のPd/Cの一部を溶液に加えた。反応混合物をH
2下で8時間攪拌した(大気圧よりやや高い)。反応混合物をCeliteでろ過して、Pd/Cを除去し、膜に濃縮した。この物質の質量分析により、これは純粋な所望の産物(S)−C12−205であることが示された。MALDI−TOF−MS m/z:C
42H
88N
3O
3の[M+H
+]について、計算値、682.7;観測値、682.9。
【0339】
本発明のいくつかの例示の態様を記載したので、当業者には、前述は説明目的であり、限定するものではなく、例としてのみ示されていることが明らかである。多くの改変および他の例示の態様が当業者の範囲内であり、本発明の範囲内であることが意図される。特に、本明細書に提示された多くの例には、方法行為(method act)またはシステム要素の特定の組み合わせが関与するが、これらの行為およびこれらの要素は、別の方法で組み合わせて同じ目的を実現できることが理解されるべきである。1つの態様との関連でのみ記載された行為、要素、および特徴は、別の態様における同様の役割から除外されることを意図しない。さらに、以下のクレームに挙げた1または2以上の手段と機能限定(means plus function limitation)について、手段は、本明細書に挙げられた機能を実施するために開示された手段に限定することを意図せず、挙げられた機能を実施するために、現在知られているかまたは将来開発される任意の手段を、その範囲に包含することを意図する。順序を表す用語、例えばクレームにおける「第1の」、「第2の」、「第3の」などのクレームの要素を修飾する用語は、それ自体、1つのクレーム要素の他の要素に対するいかなる優先順位、優位、もしく順序、または方法の行為が実施される時間的順序を意味するものではなく、一定の名称を有する1つのクレーム要素を、同じ名称の別の要素(順序用語の使用を除いて)から区別し、クレーム要素を識別するためのラベルとして用いられるのみである。同様に、a)、b)等、またはi)、ii)等の使用は、それ自体、クレームにおけるステップのいかなる優先順位、優位、または順序を意味しない。同様に、明細書におけるこれらの用語の使用は、それ自体、任意の必要な優先順位、優位、または順序を意味しない。
【0340】
先に書かれた明細書は、当業者が本発明を実施するのに十分であると考えられる。本発明は、提供された例によってその範囲を限定されることはなく、その理由は、例は本発明の1側面の1つの説明を意図しており、その他の機能的に等価な態様も本発明の範囲内だからである。本明細書に示され、記載されているものに加えて、本発明の種々の改変も、前述の記載から当業者には明らかとなり、付属のクレームの範囲に包含される。本発明の利点および目的は、必ずしも本発明の各態様により包含される必要はない。