(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
圧縮機、室外熱交換器を有する室外ユニット、及び、室内熱交換器を有する室内ユニットを有し、前記室外ユニットが、前記圧縮機を駆動するガスエンジン、前記ガスエンジンで駆動される発電機、及び、前記発電機の発電電力を商用系統に出力する系統連系インバータを備え、前記発電機の発電電力を商用系統に系統連系させて前記室内ユニットを含む負荷に電力を供給する通常運転と、停電時に前記商用系統から切り離された状態で前記発電機の発電電力を前記室内ユニットを含む負荷に供給する自立運転とが可能な空気調和システムにおいて、
前記室外ユニットは、前記自立運転を開始する際に前記ガスエンジンの始動に用いられるバッテリーと、前記バッテリーの周囲の温度を計測するセンサとを有し、
前記室外ユニットの筺体は、前記圧縮機、前記ガスエンジン及び前記発電機が配置される機械室を下段に有するとともに、前記室外熱交換器が配置されて外気との熱交換が行われる熱交換室を上段に有し、前記バッテリー及び前記センサは、前記熱交換室に配置され、
前記センサで検出された温度に基づく温度−時間積算値が所定の値に達すると、前記バッテリーが寿命に達したことを報知することを特徴とする空気調和システム。
前記センサによる温度の検出は所定時間毎に行われ、前記温度の検出の度に、当該温度は、前記バッテリーに対する温度の影響を示す劣化度に換算され、当該劣化度が積算された値に基づいて前記バッテリーの寿命が判別されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の空気調和システム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和システムを示す回路図である。
空気調和システム1は、ビルや学校等の施設に設置されるシステムであり、室外ユニット2と室内ユニット3とを有している。室外ユニット2と室内ユニット3とは、液管4aおよびガス管4bからなるユニット間配管4で接続され、これによって空調運転を行うための冷凍サイクル回路が構成される。室外ユニット2には、ガスエンジン10(エンジン)と、このガスエンジン10の駆動力により発電を行う発電機11と、ガスエンジン10の駆動力により冷媒を圧縮する圧縮機12とが収容されている。このガスエンジン10は、燃料調整弁7を経て供給されるガスなどの燃料と、スロットル弁8を経て供給される空気との混合気を燃焼させて駆動力を発生する。
【0010】
室内ユニット3は、複数の室内ユニット3a,3b,3c(室内機)を備えて構成される。本実施の形態では、室内ユニット3a,3b(他の室内機)は、室内ユニット3c(一の室内機)よりも優先度が高い空調設備であり、停電時には優先して運転される。室内ユニット3a,3b,3cには、室内ユニット3a,3b,3cを操作するためのリモコン5がそれぞれ設けられている。なお、
図1では、電力が供給される線を太線で示している。
【0011】
圧縮機12は、容量が異なる大及び小の圧縮機12a,12bで構成され、2台が並列に、ガスエンジン10に対し、それぞれ電磁クラッチ14a,14bを介して接続されている。電磁クラッチ14a,14bによって圧縮機12a,12bとガスエンジン10との接続が切り替えられることで、空調の負荷に応じて圧縮機12a,12bの駆動が制御される。これら圧縮機12a,12bの吐出管12cは、プレート式熱交換器31、四方弁15、室外熱交換器17の順に接続され、この室外熱交換器17には、液管4aを介して、各室内ユニット3の膨張弁19a,19b,19c、及び、室内熱交換器21a,21b,21cが接続され、室内熱交換器21a,21b,21cには、ガス管4bを介して、四方弁15が接続され、この四方弁15には、圧縮機12a,12bが接続されている。室内熱交換器21a,21b,21cには、直流モーターによって駆動される送風機6a,6b,6c(室内送風機)がそれぞれ設けられている。
また、圧縮機12a,12bの吐出管12cおよび吸込管12dが、バイパス管18で接続され、このバイパス管18に、アンロード用のバイパス弁20が接続されている。本構成では、上記した各機器を備えて冷媒回路が形成されている。
【0012】
圧縮機12a,12bが駆動されると、四方弁15の切り替え状態が暖房切り替えであれば、
図1に実線の矢印で示すように、圧縮機12a,12b(いずれか一方の圧縮機12a,12bの場合も含む)、四方弁15、室内熱交換器21a,21b,21c、膨張弁19a,19b,19c、室外熱交換器17の順に冷媒が循環し、室内熱交換器21a,21b,21cでの冷媒凝縮熱により室内が暖房される。これとは反対に、四方弁15が冷房切り替えであれば、
図1に破線の矢印で示すように、圧縮機12a,12b、四方弁15、室外熱交換器17、膨張弁19a,19b,19c、室内熱交換器21a,21b,21cの順に冷媒が循環し、この室内熱交換器21a,21b,21cでの冷媒蒸発熱により室内が冷房される。
なお、室内ユニット3a〜3cは並列接続されるため、各室内ユニット3a〜3cへ個別に冷媒を供給することができ、各室内ユニット3a〜3cを各々独立して運転することが可能である。
【0013】
次に、ガスエンジン10の冷却装置について説明する。
このガスエンジン10は水冷式であり、このガスエンジン10のウォータージャケットを循環した冷却水は、第1の三方弁22、逆潮流ヒータ23および第2の三方弁24を経て、ラジエータ25に供給される。このラジエータ25は、室外熱交換器17と併設されており、これらは同一の送風機26により送られる空気によって空冷され、このラジエータ25を経た冷却水は、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れて、ガスエンジン10のウォータージャケットに戻される。
排ガス熱交換器29には、ガスエンジン10の排気ガスが通され、この排気ガスは、排気トップ30を経て、室外ユニット2の外に排出される。
【0014】
上述した第1の三方弁22は冷却水温度で自動的に切り替えられる。すなわち、冷却水温度が所定温度よりも低い場合、ガスエンジン10のウォータージャケットからの冷却水を、ラジエータ25をバイパスさせ、直接、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29に導いて、上記ウォータージャケットに戻す。
第2の三方弁24は、例えば暖房運転時に切り替えられ、冷却水を、ラジエータ25をバイパスし、プレート式熱交換器31を経て、冷却水ポンプ27、排ガス熱交換器29の順に流れ、ウォータージャケットに戻される。
【0015】
次に、電力系統について説明する。ここで、
図2は、空気調和システム1の電力系統を模式的に示している。なお、
図2は、電力が流れる線を実線で示し、電力が流れない線を破線で示している。
図1及び
図2に示すように、本実施の形態の空気調和システム1では、発電機11を、電力会社の電力系統である商用系統36(商用電源とも称する)に系統連系することにより、発電機11の発電電力を、商用系統36の電力とともに、室外ユニット2、室内ユニット3および他の電力負荷38に供給することができる。
この場合、室外ユニット2および室内ユニット3は、空気調和システム1の自己消費(自己電力消費)の電力負荷に相当しており、他の電力負荷38は、空気調和に関係しない電力負荷(非空調装置)に相当しており、これらの電力負荷が需要家負荷を構成している。他の電力負荷38は、設置場所やユーザーの希望に応じて適宜に接続される需要家負荷であり、以下、「他の需要家負荷」38と表記する。本実施形態の他の需要家負荷38は、室内を照らす照明装置となっている。
なお、需要家負荷は上記のものに限定されるものではなく、例えば、更に別の電力負荷を接続するように構成しても良い。
【0016】
商用系統36は、商用電源線(いわゆる電灯線)である上流側給電ライン51aを介して室外ユニット2内の電源切替盤52に接続されており、この商用系統36と電源切替盤52との間には、商用系統36側から順に電力検出器43とブレーカ37が設けられている。室内ユニット3cは、上流側給電ライン51aから分岐した電源線53に接続されている。
電源切替盤52は、上流側給電ライン51aが接続される第1端子52a(通常運転用端子)と、発電機11の発電電力が供給される後述する電源線34bが接続される第2端子52b(自立運転用端子)と、室内ユニット3a,3bおよび他の需要家負荷38などが接続される下流側給電ライン51bが接続される第3端子52c(給電用端子)とを備え、第3端子52cの接続先を、第1端子52aと第2端子52bとのいずれか一方に切り替えるスイッチ回路として機能する。
このため、第3端子52cと第1端子52aとを接続することにより、商用系統36から商用電力(本実施形態では200Vの交流電力)を下流側給電ライン51bに供給することができ、第3端子52cと第2端子52bとを接続することにより、発電機11の発電電力を下流側給電ライン51bに供給することができる。
【0017】
つまり、電源切替盤52は、下流側給電ライン51bへの電力源を、商用系統36と発電電力の系統との間で切り替える切替手段として機能する。この下流側給電ライン51bに供給された電力は、電源線41を介して室外側コントローラ39にも供給され、この電力により圧縮機12や送風機26等を駆動可能に構成されている。
商用系統36及び系統連系インバータ33は、電源切替盤52の一次側に接続され、室内ユニット3a,3b及び他の電力負荷38は電源切替盤52の二次側に接続されている。
【0018】
このように、この空気調和システム1では、商用系統36と発電電力の系統とを切り替える電源切替盤52を備え、この電源切替盤52に、室外ユニット2、室内ユニット3a,3b及び他の需要家負荷38を接続することによって、商用系統36及び室外ユニット2の発電機11から供給される電力を利用して、室外ユニット2、室内ユニット3及び他の需要家負荷38を駆動する通常運転と、商用系統36から切り離して発電機11の発電電力によって室外ユニット2、室内ユニット3a,3b及び他の需要家負荷38を駆動する自立運転と、を選択的に行うことが可能に構成されている。
【0019】
次いで、発電電力の系統について説明する。
発電機11の発電電力は、電力線32を介して系統連系インバータ33に出力される。系統連系インバータ33は、発電機11の発電電力である三相交流電力を、AC/DCコンバータを介して、直流電力に変換した後、200Vの交流の電力に再度変換して電源線34(発電電力出力線)に出力する。
この電源線34は、系統連系用の電源線34aと、自立運転用の電源線34bとに分岐し、系統連系用の電源線34aは、室外側コントローラ39を含む室外ユニット2に電力を供給する電源線41を介して下流側給電ライン51bに接続される。また、
図1に示すように、系統連系用の電源線34aと下流側給電ライン51bとの間には、漏電時に遮断される漏電ブレーカ34Xが配設されている。
なお、発電電力の一部は、
図2に示す電源線47bを介してバッテリー49に供給され、バッテリー49に発電電力が蓄電されるように構成されている。
【0020】
自立運転用の電源線34bは、上述した電源切替盤52の第2端子52bに接続されている。このため、上述したように、電源切替盤52の第2端子52bと第3端子52cとが接続されることによって、電源切替盤52を介して発電電力を下流側給電ライン51bに直接供給させることができる。
ここで、自立運転用の電源線34bには、当該電源線34bに発電電力を流す際にオンにされる自立用リレー34cが設けられており、系統連系用の電源線34aにも、当該電源線34aに発電電力を流す際にオンにされる連系用リレー34dが設けられている。
【0021】
系統連系インバータ33は、室外ユニット2の室外側コントローラ39(制御部)に、通信線40を介して通信可能に接続されるとともに、電力が逆潮流しないように、上述した逆潮流ヒータ23に適宜に電力を供給する。室外側コントローラ39は、系統連系用の電源線34aを介して発電電力を受け取ることが可能な構成に加え、商用系統36から電源線41を介して動作電源を得ることができ、通信線42を介して各室内ユニット3の室内側コントローラに通信可能に接続されている。
この室外側コントローラ39は、電源線54を介してバッテリー49の電力が直接供給される自立制御部39aを備えている。
【0022】
また、室外側コントローラ39は、商用系統36及び室外ユニット2の発電機11から供給される電力で室外ユニット2、室内ユニット3及び他の需要家負荷38を駆動する通常運転を行う通常運転モードと、停電時等に商用系統36から切り離されて発電機11の発電電力によって室外ユニット2、室内ユニット3a,3b及び他の需要家負荷38を駆動する自立運転を行う自立運転モードとのいずれかに動作モードを切り替える制御を行う。
自立制御部39aには、ユーザー等が手動で操作する手動スイッチである自立運転切り替えスイッチ56(自立運転スイッチ)が接続され、自立運転切り替えスイッチ56が操作されることで、自立制御部39aが自立運転モードへの切り替え動作を開始する。
【0023】
バッテリー49の電力が供給される電源線54には、電源線48(
図1)を介してガスエンジン10のセルモーター(不図示)がつながっており、室外側コントローラ39の制御の下、バッテリー49の電力でセルモーターを駆動し、ガスエンジン10を始動させることができる。
室外側コントローラ39は、上述したように、室外ユニット2の各機器(例えば、ガスエンジン10、電磁クラッチ14a,14b、送風機26、バッテリー49、及び、電源切替盤52等)の動作を中枢的に制御する制御部として機能する。
【0024】
系統連系インバータ33には、通信線44を介して系統連系盤45が接続され、この系統連系盤45には、通信線46を介して、商用系統36とブレーカ37との間に設置された電力検出器43(以下、第1電力検出器43と言う)が接続されている。第1電力検出器43は、商用系統36に供給される電力値をリアルタイムに取得し、この取得した電力値データは、系統連系盤45を介して、系統連系インバータ33に入力され、通信線40を通じて室外側コントローラ39に送られる。系統連系盤45は、図示は省略するが、OVGR/RPR(地絡過電圧継電器/逆電力継電器)、UPR(不足電力継電器)、W/TD(ワット・トランスデューサ)等を備え、受信した第1電力検出器43からの信号とともに、OVGR/RPR、UPR、W/TDからの信号を系統連系インバータ33に送信するようになっている。このため、系統連系インバータ33は、商用系統36の情報を得ることができる。
【0025】
系統連系インバータ33は、発電機11の発電量を制御する機能を有し、必要に応じ、発電量を減少または増大させる。例えば、室内ユニット3の空調要求に応じた圧縮機12a,12bの負荷の増大、及び、他の需要家負荷38の増大に応じて発電要求が増大した場合に、発電機11の発電量を増大させる。この場合、需要家負荷は、第1電力検出器43、系統連系盤45、系統連系インバータ33および室外側コントローラ39により常時監視されている。
また、系統連系インバータ33は、自身の出力電力、つまり、電源線54に供給される電力を検出する電力検出器33a(以下、第2電力検出器33aと言う)を有している。
【0026】
続いて、この空気調和システム1の基本動作を説明する。
図2は通常運転時(通常運転モード)の空気調和システム1を示している。
通常運転モードは、商用系統36から電力が供給されている場合の動作モードであり、このモードでは、
図2に示すように、電源切替盤52は第1端子52a側に切り替えられる。このため、商用系統36から供給される電力は、上流側給電ライン51a、下流側給電ライン51b及び電源線41(
図1参照)などを介して、室外ユニット2の各部、室内ユニット3a〜3c及び他の需要家負荷38に供給される。また、発電機11が発電した電力は、系統連系インバータ33の出力線である電源線34、系統連系用の電源線34a及び電源線41からなる電源線61(
図2参照)を介して下流側給電ライン51bに流れ、室内ユニット3a,3b及び他の需要家負荷38に供給される。
ここで、室内ユニット3a,3bに供給される電力の大部分は、送風機6a,6b(
図1参照)で消費される。送風機6a,6bの手前には、系統連系インバータ33からの交流電力を直流に変換するコンバータが設けられている。
また、この通常運転時には、発電機11は、室外ユニット2を駆動するための駆動電力を全てまかなう発電電力を出力し、発電した余剰の電力を室内ユニット3及び他の需要家負荷38に供給する。
【0027】
図3は、商用系統36の電力供給が停止した直後を示す模式図であり、
図4は、自立運転時(自立運転モード)の電力供給を示す模式図である。この
図3及び
図4においても、電力が流れる線を実線で示し、電力が流れない線を破線で示している。
図3に示すように、停電等によって商用系統36からの電力供給が断たれると、室外ユニット2、室内ユニット3a〜3c、及び、他の需要家負荷38は電力が供給されなくなって停止する。停電後にユーザーの手動操作によって自立運転切り替えスイッチ56が「オン」に操作されると、このスイッチ56をオンしたタイミングでバッテリー49からの電力が自立制御部39a(
図1参照)に供給され、自立制御部39aの制御の下、バッテリー49の電力が不図示のDC/DCコンバータを通してDC200Vとされ、室外側コントローラ39の電源として供給される。
【0028】
続いて、室外側コントローラ39は、通常運転モードから自立運転モードに切り替える動作を開始する。この場合、まず、室外側コントローラ39は、バッテリー49の電力によってセルモーターを駆動し、ガスエンジン10を始動させる。ガスエンジン10が始動すると、発電機11により発電が開始され、系統連系インバータ33を通して自立電源として出力される。自立電源が出力されると、
図4に示すように、電源切替盤52は、自立運転用端子である第2端子52b側に自動的に切り替わる。これにより、商用系統36から系統連系インバータ33を含む室外ユニット2が切り離され、室外ユニット2と室内ユニット3a,3b及び他の需要家負荷38とが接続されて閉じた自立運転回路57が形成され、自立運転が開始される。
この自立運転時には、少なくともガスエンジン10を駆動して発電機11で発電する運転(発電運転)を継続し、室内ユニット3a,3bのいずれかを運転する場合には、室外ユニット2内の電磁クラッチ14a,14bのいずれかをつないだ状態にして圧縮機12a,12bのいずれかを駆動して空調運転を行う。また、この自立運転時には、発電しているため、発電電力によって他の需要家負荷38を運転すること、つまり、照明装置を作動させることもできる。
【0029】
また、この自立運転時には、上流側給電ライン51aは電源切替盤52によって室外ユニット2から切り離されているため、電源切替盤52よりも上流側の商用系統36には発電機11の電力は供給されない。このため、自立運転の際に商用系統36側へ逆潮流が生じることを簡単な構成で防止できるとともに、所望の室内ユニット3a,3b及び他の需要家負荷38を運転することができる。
したがって、発電能力が限られている発電機11で電力を供給する場合であっても、停電時に運転したい設備を稼働させることができる。
また、停電時の混乱状態にあっても、運転したい設備をその場で選定することなく、予め選定されて自立運転回路57に配置されている設備を速やかに稼働させることができる。
【0030】
停電時に室内ユニット3a,3bを稼働させる必要が無い場合には、電磁クラッチ14a,14bの接続が解除され、圧縮機12a,12bの運転が停止される。このため、需要家負荷38だけに電力を供給したい場合に圧縮機12a,12bを運転する必要がなく、効率良く電力を供給できる。
また、自立運転時には、電源線61は、発電機11で発電されて電源切替盤52の二次側に供給された電力を室外ユニット2側に戻す電力戻し回路として機能する。すなわち、発電機11から下流側給電ライン51bに流れた電力の一部は、電源線61の一部を構成する電源線41(
図1参照)を通って室外ユニット2に戻り、電源線47a(
図1)などを介して送風機26などの室外ユニット2の各部に供給される。この場合、バッテリー49にも電力が供給され、自立運転中もバッテリー49は充電される。
【0031】
また、
図4の状態から商用系統36が復電すると、系統側の電力を検出する第1電力検出器43(
図1)によって復電が検出され、この検出結果が系統連系盤45及び系統連系インバータ33を介して室外側コントローラ39に送られ、室外側コントローラ39は自立運転を自動停止させる。自立運転が停止されると、室外ユニット2、室内ユニット3a,3b、及び、他の需要家負荷38は電力の供給が一度断たれて稼働が停止される。
商用系統36が復電すると、電源切替盤52は、通常運転用端子である第1端子52a側に自動的に切り替わり、これにより、商用系統36の電力が室内ユニット3a〜3c及び他の需要家負荷38に供給されるようになる。
その後、自立運転切り替えスイッチ56がユーザーなどの意思によって手動で「オフ」に切り替えられると、室外側コントローラ39は室外ユニット2の稼働を許可し、次いで室外ユニット2の主電源スイッチ等によってユーザーによる室外ユニット2の再稼働の意思が入力されると、ガスエンジン10及び発電機11を含む室外ユニット2が再稼働され、通常運転が開始される。これにより、通常運転時には、自立運転切り替えスイッチ56は必ず「オフ」に切り替えられていることになるため、停電時にユーザーの意思による自立運転切り替えスイッチ56の手動操作なしに自立運転に切り替えられてしまうことがない。
【0032】
ところで、空気調和システム1は、バッテリー49の周囲の温度に基づいてバッテリー49の寿命を推定し、寿命に達したことを報知することが可能な構成を備えている。以下、この構成について説明する。
【0033】
図5は、室外ユニット2の斜視図である。
図5に示すように、室外ユニット2は、上下に長い略箱型の筺体60を備えている。筺体60は、上下2段の室に区画されており、下段の室は、圧縮機12、ガスエンジン10、発電機11及び冷媒配管等がまとめて配置される機械室62aであり、上段の室は、室外熱交換器17(
図1)が配置され、吸い込んだ外気との間で熱交換を行う熱交換室62bである。
筺体60は、機械室62aの底部を構成する略矩形の底板63と、底板63の4箇所の角部にそれぞれ立設される支柱64と、支柱64の上端に設けられる天板65と、天板65と底板63との間の中間部に設けられ、熱交換室62bの底部を構成する熱交換室底板66とを有している。筺体60は、機械室62aの前後左右の側壁を構成する4枚の機械室側板(不図示)を有している。
【0034】
熱交換室62bの前面及び後面には、室外熱交換器17(
図1)がそれぞれ配置されており、室外熱交換器17は、熱交換室62bの前面及び後面を塞ぐ側壁を構成している。また、熱交換室62bの左右の側面は、支柱64,64間を塞ぐ熱交換室側板(不図示)によって塞がれる。ここで、熱交換室62bの前面及び後面は、左右の上記側面よりも面積が大きい側の面である。
天板65には、送風機26が設けられており、送風機26が駆動されると、外気は前面及び後面の室外熱交換器17を通って側方から熱交換室62b内に吸い込まれ、室外熱交換器17を通る際に熱交換され、送風機26を通って上方へ吹き出される。
【0035】
機械室62aの前面側において左右の中央部には、種々の電装品(不図示)が収納される一対の電装ボックス67が配置されている。ガスエンジン10は、電装ボックス67の後側で機械室62aの後面側に配置されている。また、ガスエンジン10のオイルを貯留するオイルタンク68は、機械室62aの右側(一側)の上記機械室側板側に配置されている。ガスエンジン10の排気が通る排気マフラ69aは、オイルタンク68の後側の機械室62aの角部に配置され、上下に延びる排気パイプ69bによって排気トップ30に接続される。
【0036】
図6は、室外ユニット2を右側から見た側面図である。
図6では、
図5と同様に、機械室側板側及び熱交換室側板の図示が省略されている。
図5及び
図6に示すように、熱交換室62b内の右側部には、箱型のバッテリー49が収納される電装箱70が、熱交換室62bの右側の上記熱交換室側板に沿うように配置されている。電装箱70は、上下に長い箱型に形成されており、一面が全体的に開口70aとなっている。電装箱70は、開口70aが外側を向く向きで熱交換室底板66に載置され、開口70aは右側の上記熱交換室側板(一側面)によって塞がれる。電装箱70の上面70bは、熱交換室62b内の上部に位置し、支柱64,64間に掛け渡された支持部材71に固定されている。
【0037】
バッテリー49は、電装箱70の下部に収納されている。電装箱70の上部には、自立制御部39aの基板が収納されている。室外側コントローラ39は、マイコンにより構成されており、図示は省略したが制御手段としてのCPU、記憶手段としてのROMやRAM39b(
図1)、及び、タイマカウンタ等を備えている。ROMには、CPUに実行される基本制御プログラムがコンピューターに読み取り可能な形態で不揮発的に記憶されている。RAM39bには、CPUに実行されるプログラムやこのプログラムに係るデータ等が一時的に記憶される。また、室外側コントローラ39は、バッテリー49の劣化度に関する情報を記憶する劣化度記憶部39c(
図1)を備えている。この劣化度記憶部39cは、EEPROMであり、不揮発性の半導体メモリーである。
また、電装箱70内には、バッテリー49の周囲の温度を測定する温度センサ72が配置されている。温度センサ72の検出結果は、室外側コントローラ39に出力される。温度センサ72は、検出した温度がバッテリー49の温度と見なせる程度に近い、バッテリー49の近傍に配置されている。
【0038】
図7は、バッテリー49の温度とバッテリー49の寿命との関係を示す図である。
バッテリーの寿命は、化学反応における温度と反応速度との関係を表すアレニウス則に適合し、バッテリーが曝されてきた温度の平均値(以下、平均環境温度と呼ぶ)が10℃上がると、寿命が半分になるという関係が知られている。ここで、寿命とは、経年していない新品のバッテリー49の定格の放電容量に対し、所定の放電容量(一例として、70%)まで放電容量が低下した状態を指す。
図7に示すように、平均環境温度が25℃である場合、バッテリー49の仕様によると、バッテリー49の寿命は6年である。アレニウス則によれば、平均環境温度が35℃である場合、バッテリー49の寿命は3年であることが推定され、平均環境温度が45℃である場合、バッテリー49の寿命は1.5年であることが推定される。
【0039】
図7を見ると、バッテリー49は、各時点での温度と、その温度が持続した時間との積によって求められる積分値、すなわち、温度−時間積算値が、所定の値に達した際に寿命に達することが分かる。温度−時間積算値は、「バッテリー49が何度の温度でどれくらいの期間設置されていたか」ということを示す尺度である。このため、温度−時間積算値を算出し、寿命の基準となる温度−時間積算値と比較することで、バッテリー49が寿命に達したか否かを判定することができる。
バッテリー49は、停電時のガスエンジン10の始動に用いられる非常用の蓄電手段であり、通常運転時は使用されないため、寿命の推定には経年による劣化のみを考慮すればよく、アレニウス則によって高い精度で寿命を推定できる。ここで、バッテリー49は、季節や昼夜による温度変化、及び、室外ユニット2の運転の熱による影響を受けるため、温度−時間積算値によってバッテリー49の寿命を正確に推定するためには、バッテリー49の温度履歴を正確に知る必要がある。
【0040】
本実施の形態では、室外側コントローラ39は、バッテリー49の近傍に配置した温度センサ72によって、バッテリー49の周囲の温度の時間に対する変化を所定の時間間隔で常時計測し、温度−時間積算値を求めている。具体的には、一例として、室外側コントローラ39は、1分毎に温度センサ72でバッテリー49の周囲温度を検出する。
ここで、アレニウス則によれば、温度が高くなるほど、温度のバッテリー49の寿命に対する影響度が高くなるため、温度センサ72で検出された温度は、アレニウス則に基づいて算出される上記影響度を反映させた劣化度に換算される。すなわち、本実施の形態の温度−時間積算値は、温度センサ72の検出温度に基づいて算出された劣化度を時間単位で積算して求められる値である。
【0041】
図8は、温度と劣化度とを対応づけるテーブルの構成例を示す図である。
室外側コントローラ39は、温度センサ72で検出した温度とバッテリー49の劣化度とを対応づけるテーブルを有しており、このテーブルに基づいて得られた劣化度を時間単位で積算していく。なお、
図8では、9℃以下及び40℃以上の劣化度の図示を省略している。
このテーブルは、25℃の劣化度を基準値である「100」として、アレニウス則に基づき、他の温度の劣化度を上記基準値に対して相対的に表したものである。例えば、35℃の劣化度は「200」であり、25℃から10℃上昇した条件では、劣化が2倍の速さで進むことが分かる。また、25℃未満では劣化度は小さくなっていくが、15℃よりも低温になると寿命に対する温度の影響は変化しないため、15℃以下では、劣化度は「90」に設定されている。
【0042】
そして、室外側コントローラ39は、温度−時間積算値が、基準となる所定の値であるバッテリー寿命値L(
図9)に達すると、バッテリー49が寿命に達したと判断し、警告を発する。温度−時間積算値は、劣化度の積算値として劣化度記憶部39cに記憶される。
本実施の形態では、バッテリー寿命値Lは、25℃で一定に保たれた温度を6年間継続した場合の温度−時間積算値であり、具体的には、100(25℃の劣化度)×60(分)×24(時間)×6(年)であり、その値は、「315360000」である。すなわち、室外側コントローラ39は、1分毎に温度を検出し、この検出値に基づいて劣化度を求めて劣化度を1分毎に積算し、劣化度の積算値が「315360000」以上になると、警告を発する。
【0043】
図9は、バッテリー49の寿命を推定して警告する処理のフローチャートである。
ユーザー等により空気調和システム1の電源がオンにされると(ステップS1)、室外側コントローラ39は、室外側コントローラ39のRAM39bの劣化度積算メモリに、劣化度記憶部39cに記憶されている劣化度の積算値を読み込む処理を行う(ステップS2)。ここで、上記電源は、空気調和システム1の主電源であり、空気調和システム1を運転していない待機状態においてもオンの状態にされている。
次いで、室外側コントローラ39は、1分をカウントする第1タイマー及び1時間をカウントする第2タイマーのカウントを開始させる(ステップS3)。
【0044】
室外側コントローラ39は、上記第1タイマーのカウントに基づき、1分が経過したか否かを判別し(ステップS4)、1分が経過していない場合(ステップS4:No)、1分が経過するまで待機する。1分が経過した場合(ステップS4:Yes)、室外側コントローラ39は、温度センサ72から温度データを取得し(ステップS5)、上記テーブルに基づいて劣化度を判定し、この劣化度を、RAM39bの劣化度積算メモリに記憶されている劣化度に足し合わせる(ステップS6)。例えば、検出した温度が26℃であった場合、「108」を劣化度積算メモリの劣化度に足し合わせる。
【0045】
続いて、室外側コントローラ39は、ステップS6の劣化度積算メモリの値が、上記バッテリー寿命値L(本実施の形態では、315360000)以上に達したか否かを判別する(ステップS7)。劣化度積算メモリの値がバッテリー寿命値Lに達していない場合(ステップS7:No)、上記第2タイマーのカウントに基づき、1時間が経過したか否かを判別し(ステップS8)、1時間が経過していない場合(ステップS8:No)、ステップS4に戻る。すなわち、室外側コントローラ39は、ステップS4〜S8において、1分毎に温度センサ72の検出値から劣化度を求めてこの劣化度を積算していく処理を60回繰り返す。
1時間が経過していた場合(ステップS8:Yes)、室外側コントローラ39は、1時間分の劣化度積算メモリの劣化度の値を劣化度記憶部39cに記憶させる(ステップS9)。続いて、室外側コントローラ39は、空気調和システム1の電源がオフにされたか否か判別し(ステップS10)、空気調和システム1の電源がオンの状態であれば(ステップS10:No)、ステップS4の処理に戻る。ステップS4〜S10の処理が繰り返されることで、1時間分の劣化度が1時間毎に劣化度記憶部39cに積算されていく。
【0046】
劣化度積算メモリの値が、バッテリー寿命値L以上に達した場合(ステップS7:Yes)、室外側コントローラ39は、バッテリー49が寿命に達したと判断し、リモコン5の表示部、及び、室外側コントローラ39の表示部に、バッテリー49の交換が必要である旨を表示する(ステップS11)。これにより、ユーザーは、バッテリー49が寿命に達したことを認識してバッテリー49を交換することができるため、非常時にバッテリー49が使用できずに発電機11による発電が不能になってしまうことを未然に防止できる。
次に、室外側コントローラ39は、バッテリー49から出力される電圧等に基づいてバッテリー49の交換が行われたか否かを判別し(ステップS12)、バッテリー49の交換が行われていない場合(ステップS12:No)、ステップS8に移行する。室外側コントローラ39は、バッテリー49の交換が必要である旨の表示を、バッテリー49の交換が検出されるまで表示し続ける。
【0047】
バッテリー49の交換が行われた場合(ステップS12:Yes)、室外側コントローラ39は、RAM39bの劣化度積算メモリ及び劣化度記憶部39cの値をクリアして0とし(ステップS13)、ステップS8に移行する。これにより、交換された新しいバッテリー49についての劣化度の積算が開始される。
空気調和システム1の電源がオフにされた場合(ステップS10:Yes)、室外側コントローラ39の処理は終了される。本実施の形態では、不揮発性メモリである劣化度記憶部39cに劣化度が記憶されるため、空気調和システム1の電源がオフにされたとしても、次回にオンにされた際にステップS2で劣化度記憶部39cから劣化度を読み込んで、寿命を推定する処理を継続することができる。
【0048】
また、バッテリー49は、ガスエンジン10等の発熱により熱くなる機械室62aよりも温度が低い熱交換室62bに配置されるため、バッテリー49に対する熱影響を低減でき、バッテリー49の寿命を長くすることができる。さらに、バッテリー49は、電装箱70に収納されるため、熱交換室62b内を流れる気流の熱がバッテリー49に影響することを抑制でき、バッテリー49の寿命を長くできる。また、温度センサ72を、バッテリー49と共に電装箱70内に配置したため、電装箱70の外側の空気の熱が温度センサ72に及ぼす影響を抑制でき、バッテリー49の周囲の温度を正確に測定して、バッテリー49の寿命を正確に推定できる。また、熱交換室62bの上記右側の側壁を外すことで、電装箱70の開口70aからバッテリー49にアクセスでき、メンテナンス性が良い。
【0049】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、室外ユニット2は、自立運転を開始する際にガスエンジン10の始動に用いられるバッテリー49と、バッテリー49の周囲の温度を計測する温度センサ72とを有し、室外ユニット2の筺体60は、圧縮機12a,12b、ガスエンジン10及び発電機11が配置される機械室62aを下段に有するとともに、室外熱交換器17が配置されて外気との熱交換が行われる熱交換室62bを上段に有し、バッテリー49及び温度センサ72は、熱交換室62bに配置され、温度センサ72で検出された温度に基づく温度−時間積算値がバッテリー寿命値Lに達すると、室外側コントローラ39はバッテリー49が寿命に達したことを報知するため、機械室62aよりも温度が上昇し難い熱交換室62bにバッテリー49を設けてバッテリー49の寿命を長くできるとともに、温度センサ72の検出値から求めた温度−時間積算値によってバッテリー49が寿命に達したことを推定してユーザーに報知することができる。
【0050】
また、バッテリー49及び温度センサ72は、熱交換室62bに配置される電装箱70の内部に設けられるため、電装箱70の外側の空気がバッテリー49及び温度センサ72に及ぼす影響を抑制でき、バッテリー49の周囲の温度を正確に測定して、バッテリー49の寿命を正確に推定できる。
また、電装箱70は、熱交換室62bの右側の熱交換室側板の近傍に配置されるため、熱交換室板側を外して簡単にバッテリー49にアクセスでき、メンテナンス性が良い。さらに、電装箱70を熱交換室側板の近傍に寄せて設けることで、熱交換室62b内の気流の流れにほとんど影響を与えることなく、電装箱70を配置できる。
さらに、温度センサ72による温度の検出は所定時間毎(1分毎)に行われ、温度の検出の度に、温度は、バッテリー49に対する温度の影響を示す劣化度に換算され、この劣化度が積算された値に基づいてバッテリー49の寿命が判別されるため、例えば、所定時間毎の温度を平均した平均温度について劣化度を換算する場合に比して、より正確な劣化度を得ることができる。
【0051】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されない。
上記実施の形態では、温度センサ72は電装箱70内に設けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、温度センサ72をバッテリー49に直接取り付けても良い。