(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087804
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】ディーゼルエンジン
(51)【国際特許分類】
F01N 3/28 20060101AFI20170220BHJP
F01N 3/08 20060101ALI20170220BHJP
F01N 3/24 20060101ALI20170220BHJP
F01N 13/08 20100101ALI20170220BHJP
F01N 3/021 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
F01N3/28 301V
F01N3/08 B
F01N3/24 E
F01N3/24 F
F01N13/08 E
F01N3/021
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-268348(P2013-268348)
(22)【出願日】2013年12月26日
(65)【公開番号】特開2015-124642(P2015-124642A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2015年12月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(72)【発明者】
【氏名】田中 多聞
(72)【発明者】
【氏名】舩木 耕一
(72)【発明者】
【氏名】桑原 弘純
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】平良 吉高
(72)【発明者】
【氏名】小坂 哲也
(72)【発明者】
【氏名】稲山 哲史
【審査官】
小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2009/041104(WO,A1)
【文献】
特開2013−024107(JP,A)
【文献】
特開平05−001529(JP,A)
【文献】
特開2007−046599(JP,A)
【文献】
特開2013−104394(JP,A)
【文献】
特開2012−215022(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0079003(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/28
F01N 3/021
F01N 3/08
F01N 3/24
F01N 13/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とを備え、
DPFケース(2)にはDPF(4)が収容され、SCR触媒ケース(3)にはSCR触媒(5)が収容された、ディーゼルエンジンにおいて、
エンジン本体(1)にDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とが搭載され、
DPFケース(2)が排気導入管(2a)を介してエンジン本体(1)に支持され、SCR触媒ケース(3)が排気中継管(8)を介してDPFケース(2)に支持され、
DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、クランク軸中心軸線(19)に沿う向きに方向付けられ、
排気中継管(8)は、DPFケース(2)の排気導出管(2b)と、SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)との間に配置され、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)とを備え、
DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)とは、いずれも直管部(12a)(13a)を備え、DPF側排気中継管(12)の直管部(12a)は、DPFケース(2)の長手方向に沿う向きで、DPFケース(2)の周壁に沿って配置され、SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)は、SCR触媒ケース(3)の長手方向に沿う向きで、SCR触媒ケース(3)の周壁に沿って配置され、
SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)で、DPFケース(2)から導出された排気(15)と、尿素水インジェクタ(16)から噴射された尿素水(18)とが混合されるように構成され、
エンジン本体(1)の幅方向を左右横方向として、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)は、DPFケース(2)及びSCR触媒ケース(3)を間に挟んで、左右両側に配置されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項2】
請求項1に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、シリンダヘッドカバー(7)の上方で、左右に並設されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
クランク軸中心軸線(19)の向きを前後方向、フランホイールハウジング(6)のある側を後側、エンジン本体(1)の幅方向を横方向として、
DPFケース(2)の排気導出管(2b)は、SCR触媒ケース(3)側とは反対の横側で、DPFケース(2)の前端寄りの周壁から後側に湾曲しながら導出され、
SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)は、DPFケース(2)側とは反対の横側で、SCR触媒ケース(3)の前端寄りの周壁から後側に湾曲しながら導出され、
DPF側排気中継管(12)は、直管部(12a)と湾曲管部(12b)とを備え、直管部(12a)は、DPFケース(2)の排気導出管(2b)の導出端部(2c)から後側に直線状に導出され、湾曲管部(12b)は、直管部(12a)の導出端部(12c)からSCR触媒ケース(3)側に向けて横向きに湾曲しながら導出され、
SCR側排気中継管(13)は、直管部(13a)と湾曲管部(13b)とを備え、湾曲管部(13b)は、DPF側排気中継管(12)の湾曲管部(12b)の導出端部(12d)からSCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)に向けて前向きに湾曲しながら導出され、直管部(13a)は、湾曲管部(13b)の導出端部(13c)からSCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)の導出端部(3b)に向けて前向きに直線状に導出されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載されたディーゼルエンジンにおいて、
SCR側排気中継管(13)の両端部にスリップジョイント部(17)を備え、スリップジョイント部(17)は、管部(17a)(17b)が軸長方向に伸縮摺動可能に嵌合され、締結部(17c)により所定の伸縮摺動位置で管部(17a)(17b)が固定されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディーゼルエンジンに関し、詳しくは、エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができるディーゼルエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ディーゼルエンジンとして、エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースとを備え、DPFケースにはDPFが収容され、SCR触媒ケースにはSCR触媒が収容されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のエンジンによれば、DPFで排気中のPMの捕捉を行うとともに、SCR触媒で排気中のNO
Xの還元を行うことができる利点がある。
【0004】
しかし、特許文献1のものでは、エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースとが分離して配置されているため、問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−32946号公報(
図1参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
《問題点》 エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができない。
特許文献1のものでは、エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースとが分離して配置されているため、エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができない。
【0007】
本発明の課題は、エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができるディーゼルエンジンを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明の発明特定事項は、次の通りである。
図1〜
図5に例示するように、エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とを備え、
DPFケース(2)にはDPF(4)が収容され、SCR触媒ケース(3)にはSCR触媒(5)が収容された、ディーゼルエンジンにおいて、
エンジン本体(1)にDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とが搭載され、
DPFケース(2)が排気導入管(2a)を介してエンジン本体(1)に支持され、SCR触媒ケース(3)が排気中継管(8)を介してDPFケース(2)に
支持され、
DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、クランク軸中心軸線(19)に沿う向きに
方向付けられ、
排気中継管(8)は、DPFケース(2)の排気導出管(2b)と、SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)との間に配置され、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)とを備え、
DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)とは、いずれも直管部(12a)(13a)を備え、DPF側排気中継管(12)の直管部(12a)は、DPFケース(2)の長手方向に沿う向きで、DPFケース(2)の周壁に沿って配置され、SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)は、SCR触媒ケース(3)の長手方向に沿う向きで、SCR触媒ケース(3)の周壁に沿って配置され、
SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)で、DPFケース(2)から導出された排気(15)と、尿素水インジェクタ(16)から噴射された尿素水(18)とが混合されるように構成され、
エンジン本体(1)の幅方向を左右横方向として、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)は、DPFケース(2)及びSCR触媒ケース(3)を間に挟んで、左右両側に配置されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
【発明の効果】
【0009】
(請求項1に係る発明)
請求項1に係る発明は、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができる。
図1〜
図5に例示するように、エンジン本体(1)にDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とが搭載されているため、エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)をコンパクトに配置することができる。
【0010】
《効果》 エンジン搭載機械への搭載が容易になる。
図1〜
図5に例示するように、エンジン本体(1)にDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とが搭載されているため、エンジン本体(1)をエンジン搭載機械に搭載すれば、DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)も一括してエンジン搭載機械に搭載され、エンジン搭載機械への搭載が容易になる。
【0011】
《効果》 DPFケースとSCR触媒ケースとをエンジン本体に簡易に支持させることができる。
図1〜
図5に例示するように、DPFケース(2)が排気導入管(2a)を介してエンジン本体(1)に支持され、SCR触媒ケース(3)が排気中継管(8)を介してDPFケース(2)に支持されているため、排気導入管(2a)と排気中継管(8)がDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)の支持部材として有効利用され、DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とをエンジン本体(1)に簡易に支持させることができる。
【0012】
《効果》 エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができる。
図1に例示するように、DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、クランク軸中心軸線(19)に沿う向きに方向付けられているため、エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とが相互に交差せず、エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)をコンパクトに配置することができる。
【0013】
【0014】
《効果》 DPF側排気中継管とSCR排気中継管の各直管部とDPFケースとSCR触媒ケースとをコンパクトに配置することができる。
図1、
図3に例示するように、DPF側排気中継管(12)の直管部(12a)は、DPFケース(2)の長手方向に沿う向きで、DPFケース(2)の周壁に沿って配置され、
図1、
図2に例示するように、SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)は、SCR触媒ケース(3)の長手方向に沿う向きで、SCR触媒ケース(3)の周壁に沿って配置されているので、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)が相互に交差せず、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とをコンパクトに配置することができる。
【0015】
《効果》 尿素水の結晶が直管部内で膠着する不具合を抑制することができる。
図1〜
図5に例示するように、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)は、DPFケース(2)及びSCR触媒ケース(3)を間に挟んで、左右両側に配置されているので、DPFケース(2)からの放熱によるSCR側排気中継管(13)の直管部(13a)の過熱が防止され、尿素水(18)の結晶が直管部(13a)内で膠着する不具合を抑制することができる。
【0016】
《効果》エンジンの高さを低く維持することができる。
図1〜
図5に例示するように、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)は、DPFケース(2)及びSCR触媒ケース(3)を間に挟んで、左右両側に配置されているので、各直管部(12a)(13a)がDPFケース(2)及びSCR触媒ケース(3)の上方に大きく突出することがなく、エンジンの高さを低く維持することができる。
(請求項2に係る発明)
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 エンジン本体とDPFケースとSCR触媒ケースをコンパクトに配置することができる。
図1、図4(A)、図5に例示するように、DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、シリンダヘッドカバー(7)の上方で、左右に並設されているため、エンジン本体(1)上方の空きスペースを有効利用して、エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)をコンパクトに配置することができる。
【0017】
(
請求項3に係る発明)
請求項3に係る発明は、
請求項1または請求項2に係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 排圧の上昇を抑制することができる。
図1に例示するDPFケース(2)の排気導出管(2a)と、SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)と、排気中継管(8)の構造により、DPFケース(2)からSCR触媒ケース(3)に送る排気(15)の抵抗を小さくすることができ、排圧の上昇を抑制することができる。
【0018】
(
請求項4に係る発明)
請求項4に係る発明は、
請求項1から請求項3のいずれかに係る発明の効果に加え、次の効果を奏する。
《効果》 配管等各部の歪を防止することができる。
図1に例示するように、SCR側排気中継管(13)の両端部にスリップジョイント部(17)を備え、
図6に例示するように、スリップジョイント部(17)は、管部(17a)(17b)が軸長方向に伸縮摺動可能に嵌合され、締結部(17c)により所定の伸縮摺動位置で管部(17a)(17b)が固定されるように構成されているので、エンジン本体(1)にDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とを搭載した後、一旦、スリップジョイント部(17)の締結を緩めることにより、捩れや位置ずれによって配管等各部に生じている応力を逃がし、配管等各部の歪を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの平面図である。
【
図6】
図1のエンジンで用いるスリップジョイント部の原理説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜
図6は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンを説明する図であり、この実施形態では、立形の直列多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
【0021】
エンジンの概要は、次の通りである。
図2に示すように、シリンダブロック(12)の上部にシリンダヘッド(20)が組み付けられ、シリンダヘッド(20)の上部にシリンダヘッドカバー(7)が組み付けられ、シリンダブロック(12)の前部にギヤケース(21)が組み付けられ、シリンダブロック(12)の後端部にフライホイールハウジング(6)が組み付けされ、シリンダブロック(12)の下部にオイルパン(23)が組み付けられている。
図2に示すように、シリンダヘッド(20)の横一側には吸気マニホールド(24)が組付けられ、
図3に示すように、横他側には排気マニホールド(25)が組み付けられている。
【0022】
図1〜
図5に示すように、このエンジンは、エンジン本体(1)とDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とを備えている。
DPFケース(2)にはDPF(4)が収容され、SCR触媒ケース(3)にはSCR触媒(5)が収容されている。
エンジン本体(1)にDPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)とが搭載されている。
【0023】
図1に示すように、DPFケース(2)内には、上流側にDOC(26)が収容され、下流側にDPF(4)が収容されている。DPFはディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称、DOCはディーゼル酸化触媒の略称である。SCRケース(2)内には、上流側にSCR触媒(5)が収容され、下流側に酸化触媒(27)が収容され、アンモニアのスリップを防止している。SCRは選択的触媒還元の略称である。
【0024】
図1〜
図5に示すように、DPFケース(2)が排気導入管(2a)を介してエンジン本体(1)に支持され、SCR触媒ケース(3)が排気中継管(8)を介してDPFケース(2)に支持されている。
図1に示すように、DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、クランク軸中心軸線(19)に沿う向きに方向付けられている。
図1、
図4(A)、
図5に示すように、エンジン本体(1)の幅方向を
左右横方向として、DPFケース(2)とSCR触媒ケース(3)は、シリンダヘッドカバー(7)の上方で、左右に並設されている。
【0025】
図3に示すように、DPFケース(2)の排気導入管(2a)は、DPFケース(2)の後寄り周壁の下面から後向きに湾曲しながら導出されている。排気マニホールド(25)の上部に過給機(22)が取り付けられ、過給機(22)の後部に排気導出管(22a)が設けられ、この過給機(22)の排気導出管(22a)にDPFケース(2)の排気導入管(2a)が取り付けられている。すなわち、DPFケース(2)は、DPFケース(2)の排気導入管(2a)と過給機(22)の後部に排気導出管(22a)と過給機(22)とを介してエンジン本体(1)に支持されている。
これにより、排気導出管(22a)と過給機(22)とがDPFケース(2)やSCR触媒ケース(3)の支持部材として有効利用されている。
【0026】
図1に示すように、排気中継管(8)は、DPFケース(2)の排気導出管(2b)と、SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)との間に配置され、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)とを備えている。
図1に示すように、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)とは、いずれも直管部(12a)(13a)を備え、
図1、
図3に示すように、DPF側排気中継管(12)の直管部(12a)は、DPFケース(2)の長手方向に沿う向きで、DPFケース(2)の周壁に沿って配置され、
図1、
図2に示すように、SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)は、SCR触媒ケース(3)の長手方向に沿う向きで、SCR触媒ケース(3)の周壁に沿って配置されている
【0027】
図4(B)に示すように、SCR側排気中継管(13)の直管部(13a)で、DPFケース(2)から導出された排気(15)と、尿素水インジェクタ(16)から噴射された尿素水(18)とが混合されるように構成されている。
図1〜
図5に示すように、DPF側排気中継管(12)とSCR側排気中継管(13)の各直管部(12a)(13a)は、DPFケース(2)及びSCR触媒ケース(3)を間に挟んで、左右両側に配置されている。
【0028】
図1に示すように、クランク軸中心軸線(19)の向きを前後方向、フライホイールハウジング(6)のある側を後側
として、DPFケース(2)の排気導出管(2b)は、SCR触媒ケース(3)側とは反対の横側で、DPFケース(2)の前端寄りの周壁から後側に湾曲しながら導出され、
SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)は、DPFケース(2)側とは反対の横側で、SCR触媒ケース(3)の前端寄りの周壁から後側に湾曲しながら導出されている。
【0029】
DPF側排気中継管(12)は、直管部(12a)と湾曲管部(12b)とを備え、直管部(12a)は、DPFケース(2)の排気導出管(2b)の導出端部(2c)から後側に直線状に導出され、湾曲管部(12b)は、直管部(12a)の導出端部(12c)からSCR触媒ケース(3)側に向けて横向きに湾曲しながら導出されている。
【0030】
SCR側排気中継管(13)は、直管部(13a)と湾曲管部(13b)とを備え、湾曲管部(13b)は、DPF側排気中継管(12)の湾曲管部(12b)の導出端部(12d)からSCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)に向けて前側に湾曲しながら導出され、直管部(13a)は、湾曲管部(13b)の導出端部(13c)からSCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)
の導出端部(3b)に向けて前向きに直線状に導出されている。
【0031】
図1に示すように、DPF側排気中継管(12)の湾曲管部(12b)は直管状の延長部(12e)を備え、この延長部(12e)に入口側NO
xセンサ(33)が取り付けられている。
図2に示すように、SCR側排気中継管(13)の湾曲管部(13b)には尿素水インジェクタ(16)が取り付けられている。
図1に示すように、SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)は直管状の延長部(3c)を備えている。SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3a)には排気温度センサ(35)が取り付けられている。SCR触媒ケース(3)の排気導入管(3d)には出口側NO
xセンサ(34)が取り付けられている。
【0032】
図1に示すように、SCR側排気中継管(13)の両端部にスリップジョイント部(17)を備え、
図6に示すように、スリップジョイント部(17)は、管部(17a)(17b)が軸長方向に伸縮摺動可能に嵌合され、締結部(17c)により所定の伸縮摺動位置で管部(17a)(17b)が固定されるように構成されている。また、スリップジョイント部(17)は、管部(17a)(17b)が周方向に回転摺動可能に嵌合され、締結部(17c)により所定の回転摺動位置で管部(17a)(17b)が固定されるように構成されている。
締結部(17c)は締結バンドで、管部(17a)(17b)を締め付けて固定する。管部(17a)(17b)間は、ガスケット(17d)で封止される。
【符号の説明】
【0033】
(1) エンジン本体
(2) DPFケース
(2a) 排気導入管
(2b) 排気導出管
(2c) 導出端部
(3) SCR触媒ケース
(3a) 排気導入管
(3b) 導出端部
(4) DPF
(5) SCR触媒
(6) フライホイールハウジング
(7) シリンダヘッドカバー
(8) 排気中継管
(12) DPF側排気中継管
(12a) 直管部
(12b) 湾曲管部
(12c) 導出端部
(13) SCR側排気中継管
(13a) 直管部
(13b) 湾曲管部
(13c) 導出端部
(14) シリンダブロック
(15) 排気
(16) 尿素水インジェクタ
(17) スリップジョイント部
(17a) 管部
(17b) 管部
(17c) 締結部
(18) 尿素水
(19) クランク軸中心軸線