特許第6087807号(P6087807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087807
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】鉛筆削り付き筆記具用保管具
(51)【国際特許分類】
   B43K 23/00 20060101AFI20170220BHJP
   B43L 23/08 20060101ALI20170220BHJP
   B43L 19/00 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   B43K23/00 100J
   B43L23/08
   B43L19/00 C
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-270929(P2013-270929)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2015-123708(P2015-123708A)
(43)【公開日】2015年7月6日
【審査請求日】2015年10月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】313015395
【氏名又は名称】岩崎 修二
(74)【代理人】
【識別番号】100083633
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 修二
【審査官】 櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3188756(JP,U)
【文献】 特開平08−052995(JP,A)
【文献】 実開昭58−137324(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 23/00
B43K 31/00
B43L 23/08
A45C 11/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の保管パイプ(1)と、該保管パイプ(1)の略全長に渡って切欠いた案内用スリット(2)と、前記保管パイプ(1)の内部に設けたスライド自在な鉛筆削り(3)と、前記案内用スリット(2)を介して前記鉛筆削り(3)と連結させた操作摘み(4)と、前記保管パイプ(1)の一端側外周に設けた取付具(5)と、から少なくとも構成したことを特徴とする鉛筆削り付き筆記具用保管具。
【請求項2】
前記操作摘み(4)が頭付きネジであり、そのネジの基部に円盤状のクッション材(7)が取付けられた請求項1記載の鉛筆削り付き筆記具用保管具
【請求項3】
前記操作摘み(4)が、前記保管パイプ(1)の外周に設けた円形状又は半円形状の操作パイプ(41)と、前記案内用スリット(2)を介して前記鉛筆削り(3)と前記操作パイプ(41)を連結させた皿ネジ(42)とから成された請求項1記載の鉛筆削り付き筆記具用保管具
【請求項4】
前記保管パイプ(1)の他端部にキャップ(6)が取付けられた請求項1、2又は3記載の鉛筆削り付き筆記具用保管具。
【請求項5】
前記キャップ(6)が消しゴムである請求項4記載の鉛筆削り付き筆記具用保管具。
【請求項6】
前記案内用スリット(2)に、前記操作摘み(4)を係止させる係止溝穴(21)が設けられた請求項1、2、3、4又は5記載の鉛筆削り付き筆記具用保管具。
【請求項7】
前記保管パイプ(1)の一端に落下防止用キャップ(9)が取付けられた請求項1、2、3、4、5又は6記載の鉛筆削り付き筆記具用保管具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉛筆削りを内蔵すると共に該鉛筆削りに筆記具の先端を差し込んだ状態で保管し、且つ、衣服やズボンのポケットなど任意の所に取付け、その装着状態で持ち運びすると共に装着状態で筆記具の取出しや収納がスムーズで容易に行える鉛筆削り付き筆記具用保管具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築や建設の現場に於いて、鉛筆等で柱,板材,床,壁材等に線やマークなどを付けるケガキ作業などが多く行われている。この時の鉛筆の収納や保管方法の現状としては、ヘルメットに取付けた専用器具に入れる場合、耳の上に挟んで使用する場合、衣服やズボンのポケットに入れる場合、腰に付けた道具袋に入れる場合などがある。
【0003】
しかしながら、ヘルメットに取付けた専用器具に鉛筆を入れて作業をすると、鉛筆が長い時には足場の登り降りや狭い場所を通過する際に、鉛筆を落し易いと共に鉛筆を落して芯が折れ易かった。また耳の上に鉛筆を挟んで作業をすると、散髪直後や、メガネを掛けた時或いはヘルメットを被った時には、鉛筆が落ち易いものとなっていた。
又、衣服やズボンのポケットに鉛筆を入れて作業をすると、特に胸ポケットに鉛筆を入れると、使い始めの長い時には鉛筆が邪魔になり、一方、短くなると、鉛筆が取出しにくくなると共に芯折れが生じ易いものとなっていた。またズボンのポケットに鉛筆を入れて作業をすると、鉛筆が長いと作業中に邪魔になると共に鉛筆自体を折る恐れがあった。
更に、腰に付けた道具袋に鉛筆を入れる場合は、釘やビスなどと一緒に入れられる場合が多いため、芯が極めて折れ易く、使用時には鉛筆を削らなければならず面倒であった。しかも道具袋に刃物や鉛筆削りを収納し、道具袋から取出して削り、それを道具袋に収納する一連の動作は手間を要するものであった。
【0004】
このため、鉛筆を使用する際、芯が短くなった時や、芯が折れた時には、刃物などで削ることが必要であった。従って、直ぐに鉛筆を削ることができるように、鉛筆削りを工具などに装着したもの等が提案されている。例えば、実用新案登録第3144260号は、ハンマー本体のグリップ部に、鉛筆削りを内蔵する構造であり、グリップ部に開口した挿入孔が、鉛筆削りの差込み口に連通すると共に、このグリップ部の表面より下がった位置に、鉛筆削りの刃が設けられたものであった。
【0005】
しかしながら、実用新案登録第3144260号は、鉛筆削りがハンマーのグリップ部に内蔵されているため、単に鉛筆削りをハンマーのグリップ部の外周に取付けるのと異なり、ハンマーのグリップ部の構造が複雑になると共にコストアップになっていた。また鉛筆削りの刃が露出して見えるので、ハンマーのグリップを強く握る際、前記刃が気に掛かると共に強く握りにくいものとなっていた。
尚、本発明のように鉛筆などの筆記具自体やその芯の折れを防止する構造や発想が、実用新案登録第3144260号にはないものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3144260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は鉛筆などの筆記具自体やその芯の折れを防止すると共に、衣服やズボンのポケットなど任意の所に装着して持ち運びができ、且つ、その装着状態で鉛筆などの筆記具の取出しや収納がスムーズで容易であると共に即座に鉛筆などの芯削り作業が行える鉛筆削り付き筆記具用保管具を提供することを目的とする。
【0008】
本発明の他の目的は、長い鉛筆から短い鉛筆まで、どの長さに対しても取出しや収納がスムーズで、且つ、容易である鉛筆削り付き筆記具用保管具を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は上記現状に鑑み成されたものであり、つまり、筒状の保管パイプと、該保管パイプの略全長に渡って切欠いた案内用スリットと、保管パイプの内部に設けたスライド自在な鉛筆削りと、案内用スリットを介して鉛筆削りと連結させた操作摘みと、保管パイプの一端側外周に設けた取付具と、から少なくとも構成する。また操作摘みとして頭付きネジを用いると共にそのネジの基部に円盤状のクッション材を取付けたものとしても良いが、操作摘みを、保管パイプの外周に設けた円形状又は半円形状の操作パイプと、案内用スリットを介して鉛筆削りと操作パイプを連結させた皿ネジとから成したものとしても良い。又、保管パイプの他端部にキャップを取付け、そのキャップが消しゴムと成しても良い。更に案内用スリットに、操作摘みを係止させる係止溝穴を設け、保管パイプの一端に落下防止用キャップを取付けたものとしても良い。
【発明の効果】
【0010】
請求項1のように筒状の保管パイプ(1)と、該保管パイプ(1)の略全長に渡って切欠いた案内用スリット(2)と、保管パイプ(1)の内部に設けたスライド自在な鉛筆削り(3)と、案内用スリット(2)を介して鉛筆削り(3)と連結させた操作摘み(4)と、保管パイプ(1)の一端側外周に設けた取付具(5)と、から少なくとも構成することにより、鉛筆などを鉛筆削り(3)で確実に且つ安定して保管出来るものとなるため、鉛筆などの筆記具自体やその芯の折れを防止出来るものとなると共に、取付具(5)によって衣服やズボンのポケットなど任意の所に保管パイプ(1)を装着して持ち運びすることができ、且つ、本発明品は、装着状態のままで、鉛筆などの筆記具の取出しや収納が、片手だけでスムーズに行えるものとなる。更に、鉛筆などの筆記具が保管パイプ(1)から落ちにくく、邪魔にもならないものとなる。その上、保管パイプ(1)に鉛筆削り(3)を内蔵していることにより、鉛筆を使用する際に、芯が殆どなくなったり、或いは芯が折れたりしても、即座に削って鉛筆によるケガキ作業などが直ぐに行えるものとなる。
【0011】
請求項2のように操作摘み(4)に頭付きネジを用い、そのネジの基部に円盤状のクッション材(7)を取付けることにより、操作摘み(4)の締付け具合によって案内用スリット(2)の任意位置へ鉛筆削り(3)を固定することが可能となるため、保管パイプ(1)の端部から鉛筆の端を少し出して収納させ保管しておくと、鉛筆の取出しが極めて容易なものとなる。
【0012】
請求項3に示すように操作摘み(4)を、保管パイプ(1)の外周に設けた円形状又は半円形状の操作パイプ(41)と、案内用スリット(2)を介して鉛筆削り(3)と操作パイプ(41)を連結させた皿ネジ(42)と、から成すものとすることにより、保管パイプ(1)の外周から突起部分がなくなるので、作業中や移動中にシート或いは網状のものなどに引掛かる恐れなどがなくなると共に、ドア枠や化粧部材に当ってそれらを傷付ける心配も殆どないものとなる。
【0013】
請求項4に示すように保管パイプ(1)の他端部にキャップ(6)を取付けることにより、本発明品が落下し或いは硬いものに接触した場合であっても、衝撃力がキャップ(6)によって緩和されて、鉛筆などの芯は保護され、芯の折れにくいものとなる。更に、本発明品を装着した際、キャップ(6)が軟質なものを用いることで衣服などを傷めにくいものとなる。
【0014】
請求項5のようにキャップ(6)を消しゴムと成すことにより、書き損じた際に即座に消して新たに書き直すことができ、ケガキ作業が効率良く行えるものとなる。更に、キャップ(6)がクッション性を有するものとなるため、請求項4と同様な効果が得られると共に、特に鉛筆の芯がより一層折れにくいものとなる。
【0015】
請求項6のように案内用スリット(2)に、操作摘み(4)が係止される複数の係止溝穴(21)を設けることにより、鉛筆の長さに対応して鉛筆の取出しが容易な位置に、鉛筆を保管パイプ(1)に収納し保管出来るものとなる。
【0016】
請求項7に示すように保管パイプ(1)の一端に落下防止用キャップ(9)を取付けることにより、前屈みになった際に保管パイプ(1)が逆さまになっても、筆記具が保管パイプ(1)の内部から飛び出る恐れがないものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
図2】本実施形態の分解部品を示す斜視図である。
図3】本実施形態の鉛筆削り部分と操作摘み部分を示す説明図である。
図4】本実施形態の保管パイプを示す斜視図である。
図5】本発明の別実施形態の作用を示す説明図である。
図6】本発明の他の実施形態を示す斜視図である。
図7】本発明の他の実施形態の鉛筆削り部分と操作摘み部分を示す説明図である。
図8】本発明の他の実施形態の落下防止用キャップに筆記具を挿通させた状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施形態を図1図2に基づいて説明する。(1)は金属製或いは合成樹脂製の筒体で断面形状を四角形と成す保管パイプであり、該保管パイプ(1)としては、使用前の鉛筆が1本入る長さを有したものを用いる。又、前記保管パイプ(1)の断面形状としては四角形に限定されるものではなく、例えば、図4(b)に示すように六角形やそれ以上の八角形などの多角形なものを用いても良い。また前記保管パイプ(1)を図4(c)のような円筒状としても良い。この時、後述する鉛筆削り(3)の断面形状は、保管パイプ(1)の断面形状に合せたものを用いる。尚、前記保管パイプ(1)の太さや長さを変えて、例えば、クレヨンや白墨等の専用保管具と成しても良い。
又、前記保管パイプ(1)の一端部には後述する取付具(5)を固定させるための穴(1a)と、図1図6に示す削りカス排出口(1b)とが穿設されており、該穴(1a)は丸穴或いは図4(c)に示すようなスリット状の長穴としても良い。この長穴にすると、後述する取付具(5)の向きの調整が出来るものとなる。
【0019】
(2)は保管パイプ(1)の略全長に渡って切欠いた案内用スリットであり、該案内用スリット(2)は図2図4に示すように他端側で止めておくと良いが、全長に渡って切欠いても良い。この時には後述する鉛筆削り(3)の落下の防止用として、後述するキャップ(6)を必ず取付けておく。
(3)は保管パイプ(1)の内部に設けたスライド自在で小型な鉛筆削りであり、該鉛筆削り(3)には、鉛筆を挿入するための貫通したテーパー状の挿入穴(31)と、傾斜して設けた切刃(32)と、が少なくとも具備したものを用いる(図2参照)。又、前記鉛筆削り(3)の形状は四角錐台で、且つ、後述する操作摘み(4)を螺合させるためのネジ穴が穿設されているが、後述する操作摘み(4)が図3(a)のように一体成形された場合にはネジ穴は不要である。
尚、前記鉛筆削り(3)の形状は、四角錐台に限定されるものではなく、例えば図7に示すように円柱状のものとしても良い。又、その他の形状としては、保管パイプ(1)の断面形状に合せた形状であれば良い。
【0020】
(4)は案内用スリット(2)を介して鉛筆削り(3)と連結させた操作摘みであり、該操作摘み(4)としては、図3(a)に示すように操作摘み(4)が鉛筆削り(3)と一体に成形して突起物と成すものとしても良い。また操作摘み(4)として、図4(b)に示すような座付きで、且つ、頭付きネジを用いると良く、更に図3(c)のような頭付きネジを用いても良い。
【0021】
(5)は保管パイプ(1)の一端側外周に設けた取付具であり、該取付具(5)としては、図中に示すようなクリップや図示しないフック或いはカラビナなどを用い、衣服等に取付けて挟持又は掛止出来るものであれば、上記以外の他のものでも良い。又、図中に示すようなクリップ(5)を保管パイプ(1)の外周に固着させる際は、図2に示す後述する小ネジ(81)を保管パイプ(1)の中に入れて、クリップ(5)の当接部分(底面)の上部に後述するネジ受板(82)を配置させ、小ネジ(81)をネジ受板(82)のネジ穴に螺合させてクリップ(5)を挟持し固定させる。
尚、前記取付具(5)を保管パイプ(1)に取付ける固定方法は、小ネジ(81)とネジ受板(82)を用いるものに限定されるものではない。
【0022】
(6)は保管パイプ(1)の他端側外周に具備されたキャップであり、該キャップ(6)としては軟質合成樹脂を用いるのが好ましいが、これに限定されるものではない。このキャップ(6)は鉛筆削り(3)の抜け防止の役目と共に本発明品が落下した時の傷防止の役目も果たす。尚、前記キャップ(6)を消しゴムの材料で形成させ、消しゴムの役目を兼ねるものとしても良い(図5参照)。
(7)は操作摘み(4)のネジの基部に取付けられた円盤状のクッション材である。このクッション材(7)としては例えば、柔軟な合成樹脂やゴム等を用いるのが良く、この役目は、操作摘み(4)を締め込むとクッション材(7)が押圧されて潰れることにより、鉛筆削り(3)が保管パイプ(1)の内部で固定され、操作摘み(4)を弛めると、鉛筆削り(3)が保管パイプ(1)の内部でスライド可能となる機能を付与出来るものとするためのものである。
【0023】
(8)は取付具(5)を保管パイプ(1)に取付けるための固定部材であり、該固定部材(8)には、ビスなどの頭付きの小ネジ(81)と、該小ネジ(81)と螺合するネジ受板(82)とがあり、該ネジ受板(82)は、クリップ(5)の当接部分の上部に配置させ、ドライバーなどを用い、それを案内用スリット(2)に挿入し、小ネジ(81)をネジ受板(82)に螺合させることにより、保管パイプ(1)の外周にクリップ(5)が固定されるものとなる。又、小ネジ(81)は保管パイプ(1)の内周に頭部が突出するが、この頭部は鉛筆削り(3)の抜け防止の役目、つまり、ストッパーの役目を果たすものとなる。
【0024】
図6図7図8は本発明の他の実施形態を示す図であり、これは前記実施形態と比べ、保管パイプ(1),案内用スリット(2),鉛筆削り(3),操作摘み(4)が異なり、且つ、落下防止用キャップ(9)が取付けられており、他は同じである。前記保管パイプ(1)は金属製或いは合成樹脂製の円筒体であり、前記案内用スリット(2)には、係止溝穴(21)が適宜間隔で且つ案内用スリット(2)の両側に穿設されており、この係止溝穴(21)としては、図6に示すようなL形溝穴と半円形溝穴とがあり、穿設する時には、一方の形状のみを穿設させる。
【0025】
前記鉛筆削り(3)は、図7に示すように略円柱状であり、その側面にはV字状の溝が設けられており、中心にはテーパー状の挿入穴が貫通して穿設されている。また前記操作摘み(4)は、保管パイプ(1)の外周から突起部分をなくしたものであり、この操作摘み(4)には、保管パイプ(1)の外周に設けた操作パイプ(41)と、案内用スリット(2)を介して鉛筆削り(3)と操作パイプ(41)を連結させた皿ネジ(42)とがある。前記操作パイプ(41)は、図7(b)のような円形状のものが好ましいが、図7(c)のような半円形状のものを用いても良い。
又、落下防止用キャップ(9)は保管パイプ(1)の一端部に取付けられており、その落下防止用キャップ(9)は図8に示すように、パイプ状で合成樹脂製のキャップ本体(91)と、該キャップ本体(91)の一端の縁から内側に向って可動突片(92)が多数設けられており、この可動突片(92)には弾力を有すると共にキャップ本体(91)と一体成形されている。又、前記落下防止用キャップ(9)は鉛筆などを挿通可能とし、挿通後、各可動突片(92)によって鉛筆などが抜け出ない径になるような大きさが確保されている。このため、保管パイプ(1)を逆さにしても、鉛筆などは外に飛び出ないものとなる。
【0026】
次に本発明品の使用方法について説明する。予め操作摘み(4)を案内用スリット(2)の先端(基部)側に寄せておく。先ず鉛筆をその先端から保管パイプ(1)の内部に挿入し、その保管パイプ(1)を立てると、鉛筆の先端部分が図3に示すように鉛筆削り(3)の挿入穴(31)に入り、芯が保護される。この時、予め鉛筆を削っておくと、鉛筆の先端部は鉛筆削り(3)の挿入穴(31)と密接状態で保管されるものとなる。
次にクリップやフック等の取付具(5)を胸ポケットやズボンのポケットなどの適宜位置に取付け、保管パイプ(1)をポケットの外側に出して装着させておけば、作業者が足場の登り降りや狭い場所を通過する際に、従来の如き鉛筆を落す心配や、鉛筆を落して芯が折れたりすることが防止出来るものとなる。
【0027】
装着時にはキャップ(6)は下側に来る。また本発明品に長い鉛筆などを保管して胸ポケットやズボンのポケットなどに装着させて持ち運んでも、従来の如き長い鉛筆が邪魔になる恐れがなくなる。
一方、短い鉛筆を本発明品に収納させて保管しておけば、それを取出す際は、取付具(5)をポケット等から外さずにそのままの状態で、操作摘み(4)を案内用スリット(2)に沿って移動すれば、鉛筆などを簡単に取出し出来る。この時には、片手で操作摘み(4)を簡単にスライド出来る。
ケガキ作業後は、鉛筆などをその先端から保管パイプ(1)の内部に挿入すれば、鉛筆などが落下してその先端は鉛筆削り(3)の挿入穴(31)に自然に入り、芯が保護され、簡単に鉛筆などが収納されて保管出来るものとなる。尚、前記取付具(5)の取付け場所は、本発明品を装着しても邪魔にならない所であれば、ポケットに限定されるものではない。又、前記鉛筆削り(3)を案内用スリット(2)の後端側に寄せ、鉛筆削り(3)の挿入穴(31)に鉛筆の先端を挿入し、その状態で鉛筆を案内用スリット(2)の先端側に押し入れるようにしてから収納させるものとしても良い。
【0028】
次に鉛筆の芯が短くなった時や芯が折れた時には、本発明品をポケット等から取外す。そして、片手で保管パイプ(1)を持ち、他方の手で操作摘み(4)を案内用スリット(2)に沿ってスライドさせ、鉛筆削り(3)を削りカス排出口(1b)の位置に配置する。そして鉛筆を所定方向に回転することにより、鉛筆の先端が削られ、芯も適宜に細く削られるのである。尚、この時、削りカス排出口(1b)が設けられていない保管パイプ(1)を用いる場合には、鉛筆削り(3)を保管パイプ(1)から出して、鉛筆を削り、その後、鉛筆削り(3)を保管パイプ(1)に入れて置くようにしても良い。
その後、ケガキ等の作業を行い、そのケガキ等の作業が終了後は、鉛筆の先端から保管パイプ(1)の内部に挿入し、その保管パイプ(1)を立てると、鉛筆の先端部分が自然に鉛筆削り(3)の挿入穴(31)に入れられる。それをポケット等に装着して持ち運べば良い。
【0029】
図5は鉛筆が取出し易くするための使用方法であり、これについて説明する。先ず始めに本実施形態の操作摘み(4)として図3(c)のような頭付きネジを用い、そのネジの基部にクッション材(7)を取付けたものを使用する場合について説明する。これは鉛筆の長さに自在に対応可能なものである。つまり、図5(a)のように長い鉛筆を収納する際は、鉛筆の先端から保管パイプ(1)の内部に挿入して、鉛筆の後端が保管パイプ(1)から指で摘める程度の長さが出るように鉛筆削り(3)の位置を調整し、操作摘み(4)を回して締め込む。すると、クッション材(7)が押圧されて潰れ、鉛筆削り(3)が保管パイプ(1)の内部で固定される。この状態で本発明品をポケットなどに装着させると、鉛筆の先端は鉛筆削り(3)の挿入穴(31)に密接して保護された状態で保管されるものとなる。このため、鉛筆だけを従来の如く落す心配がなくなると共に鉛筆の芯の折れ防止が可能なものとなる。又、腰に付けた道具袋に本発明品を入れると、釘やビスなどが入れられていても、本発明品は鉛筆が保管パイプ(1)によって保護されているため、芯が極めて折れにくくなり、使用時には鉛筆を削る必要が殆どなく、しかも道具袋に刃物や鉛筆削り(3)を収納する必要もなく、便利なものとなるのである。
【0030】
鉛筆を使用して長さが短くなると、上記同様に鉛筆の後端が保管パイプ(1)から指で摘める程度の長さが出るように、操作摘み(4)が介在されて鉛筆削り(3)の位置を調整しておくのが好ましい。この時は、操作摘み(4)を弛めてから、その操作摘み(4)を移動させると、鉛筆削り(3)も保管パイプ(1)の中でスライドする。そして、鉛筆削り(3)の位置を調整した後、操作摘み(4)を締め込み固定すれば良い。この時、図5(b)に示すようになる。これを持ち運びして使用すれば良い。更に鉛筆の長さが短くなった時には、上記同様に操作摘み(4)を弛め、操作摘み(4)をスライドさせて、鉛筆削り(3)の位置を調整し、保管パイプ(1)から鉛筆の後端を適宜長さ突出させた後、操作摘み(4)を締め込み固定させれば、図5(c)のように短くなった鉛筆でも簡単に取出し出来るものとなるのである。
【0031】
図6に示す本発明品を使用する場合は、上記同様に鉛筆の先端から保管パイプ(1)の内部に挿入し、その保管パイプ(1)を立て、取付具(5)を衣服等の適宜場所に取付ける。前記鉛筆を図8に示すように保管パイプ(1)の内部に挿入する際、鉛筆は落下防止用キャップ(9)の可動突片(92)を押し曲げながら入れられ、完全に入ると、可動突片(92)が元に戻されるので、保管パイプ(1)を逆さにしても、鉛筆は外に飛び出ないものとなる。この時、鉛筆の後端が保管パイプ(1)から指で摘める程度の長さが出るように鉛筆削り(3)の位置を調整し、操作摘み(4)を回し、L形或いは半円形の係止溝穴(21)に皿ネジ(42)を係止させて、係止状態として置いても良い。鉛筆は可動突片(92)の弾性力が作用した状態で固定されているため、保管パイプ(1)が逆さになっても、鉛筆は外に落下しにくいものとなる。
【0032】
次に鉛筆を取出す際には、操作パイプ(41)を回し、L形或いは半円形の係止溝穴(21)から皿ネジ(42)の係止状態を解除し、案内用スリット(2)に沿って操作パイプ(41)をスライドさせて、鉛筆を取出せば良い。尚、鉛筆の後端が保管パイプ(1)から突出された状態になっている場合は、操作パイプ(41)を操作せずに鉛筆の取出し及び収納を行えば良い。
又、前記操作パイプ(41)を回し且つスライドさせる際は、指で摘むか、或いは指で上方へ押し上げても良い。ケガキ作業終了後は、鉛筆の先端から保管パイプ(1)の内部に上記の如く挿入すると共に少し押せば、鉛筆の先端は鉛筆削り(3)の挿入穴(31)に入り、芯が保護され、簡単に鉛筆が収納されて保管出来るものとなる。この時、鉛筆の後端が適宜に突出するように、係止溝穴(21)に皿ネジ(42)が係止するように案内用スリット(2)に沿って操作パイプ(41)をスライドさせ且つ回して、係止位置を決定すれば良い。
【符号の説明】
【0033】
1 保管パイプ
2 案内用スリット
21 係止溝穴
3 鉛筆削り
4 操作摘み
41 操作パイプ
42 皿ネジ
5 取付具
6 キャップ
7 クッション材
9 落下防止用キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8