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特許6087881トッププレート保護具、及び、それを備えた加熱調理器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087881
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】トッププレート保護具、及び、それを備えた加熱調理器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/10 20060101AFI20170220BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   F24C15/10 B
   H05B6/12 305
【請求項の数】21
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-186922(P2014-186922)
(22)【出願日】2014年9月12日
(65)【公開番号】特開2016-61448(P2016-61448A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176866
【氏名又は名称】三菱電機ホーム機器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】小林 昭彦
【審査官】 土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−071320(JP,A)
【文献】 特開2005−326126(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3191459(JP,U)
【文献】 特開2014−102048(JP,A)
【文献】 特開2005−265209(JP,A)
【文献】 特開2004−207121(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 15/10
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱調理器のトッププレートに取り付けられるトッププレート保護具であって、
前記トッププレートの側面を覆う側壁部と、
前記側壁部の上端から前記トッププレートの縁部の上面の上方まで延びる上壁部と、
前記側壁部の下端から前記トッププレートの縁部の下面の下方まで延びる下壁部と、
を備え、
前記トッププレートから取り外された状態において、前記上壁部の下面と前記下壁部の上面との間隔は、前記トッププレートの縁部の厚さと比較して狭い、
ことを特徴とするトッププレート保護具。
【請求項2】
前記上壁部の下面に、前記トッププレートの縁部の上面に形成された凸部と係合する凹部が形成された、
ことを特徴とする請求項1に記載のトッププレート保護具。
【請求項3】
前記下壁部の上面に、前記トッププレートの縁部の下面に形成された凸部と係合する凹部が形成された、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のトッププレート保護具。
【請求項4】
前記トッププレートの縁部と磁力によって係合する、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項5】
磁石を備えた、
ことを特徴とする請求項に記載のトッププレート保護具。
【請求項6】
少なくとも一部が、ラバー磁石で構成された、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のトッププレート保護具。
【請求項7】
前記側壁部は、環状であり、
前記トッププレートから取り外された状態において、前記側壁部の内周面の周長は、前記トッププレートの外周面の周長と比較して短い、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項8】
前記側壁部は、前記上壁部と比較して厚い、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項9】
前記側壁部に、中空部が形成された、
ことを特徴とする請求項1〜の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項10】
前記中空部の断面形状は、円弧と直線とによって構成される半円状であり、
前記円弧の中間点は、前記直線と比較して、前記トッププレートの側面から遠い側に位置する、
ことを特徴とする請求項に記載のトッププレート保護具。
【請求項11】
前記中空部の断面形状は、円弧と2つの直線とによって構成される扇形状であり、
前記円弧の一方の端部は、前記2つの直線の交点と比較して、前記側壁部の下端から遠い側に位置し、前記円弧の他方の端部は、前記2つの直線の交点と比較して、前記トッププレートの側面から遠い側に位置する、
ことを特徴とする請求項に記載のトッププレート保護具。
【請求項12】
前記上壁部の先端は、前記トッププレートの縁部の上面に当接する、
ことを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項13】
前記側壁部の下端は、前記加熱調理器を保持する部材の上面に当接する、
ことを特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項14】
前記側壁部及び前記上壁部の少なくとも一方のうちの、前記加熱調理器の通気口、表示部、又は、操作部と対向する箇所に、開口部が形成された、
ことを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項15】
前記側壁部は、
前記トッププレートの第1側面を覆う第1側壁部と、
前記トッププレートの前記第1側面と対向又は隣接する第2側面を覆う第2側壁部と、を含み、
前記上壁部は、
前記第1側壁部の上端から前記トッププレートの縁部の上面の上方まで延びる第1上壁部と、
前記第2側壁部の上端から前記トッププレートの縁部の上面の上方まで延びる第2上壁部と、を含み、
前記第1上壁部の先端から前記第2上壁部の先端まで延びる横断壁部を備えた、
ことを特徴とする請求項1〜14の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項16】
前記横断壁部のうちの、前記加熱調理器の加熱口、通気口、表示部、又は、操作部と対向する箇所に、開口部が形成された、
ことを特徴とする請求項15に記載のトッププレート保護具。
【請求項17】
少なくとも一部が、前記トッププレートの色調と等しい色調、半透明、又は、透明である、
ことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項18】
少なくとも一部が、前記トッププレートの色調と補色の関係の色調、蛍光色、又は、ストライプ柄である、
ことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項19】
少なくとも一部に、蓄光材が添加又は塗布された、
ことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項20】
少なくとも一部に、示温材が添加又は塗布された、
ことを特徴とする請求項1〜16の何れか一項に記載のトッププレート保護具。
【請求項21】
請求項1〜20の何れか一項に記載のトッププレート保護具を備えた、
ことを特徴とする加熱調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トッププレート保護具と、それを備えた加熱調理器と、に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱調理器として、例えば、耐熱ガラス、結晶化ガラス、セラミック、ホーロー塗装された金属等を素材とするプレート体を有するトッププレートを備えたものがある。ユーザーの調理作業によってトッププレートの側面に調理器具、食器等が衝突して、トッププレート、調理器具、食器等に損傷が生じること、トッププレートの側面に汚れが付着すること、等を抑制するために、トッププレートには、トッププレート保護具が取り付けられる。トッププレート保護具は、着脱される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−293822号公報(段落[0024]〜段落[0051]、図1図7
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのようなトッププレート保護具は、トッププレートの側面の下部のみを覆うものであるため、特に、トッププレートのキッチン天板からの突出量が大きい場合において、トッププレートの側面の上部、及び、トッププレートの縁部の上面に調理用具、食器等が衝突して、トッププレート、調理器具、食器等に損傷が生じてしまう。つまり、そのようなトッププレート保護具では、トッププレートの保護性能が低いという問題点があった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を背景としてなされたものであり、トッププレートの保護性能が向上されたトッププレート保護具を得ることを目的とする。また、本発明は、そのようなトッププレート保護具を備えた加熱調理器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るトッププレート保護具は、加熱調理器のトッププレートに取り付けられるものであり、前記トッププレートの側面を覆う側壁部と、前記側壁部の上端から前記トッププレートの縁部の上面の上方まで延びる上壁部と、前記側壁部の下端から前記トッププレートの縁部の下面の下方まで延びる下壁部と、を備え、前記トッププレートから取り外された状態において、前記上壁部の下面と前記下壁部の上面との間隔は、前記トッププレートの縁部の厚さと比較して狭いものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るトッププレート保護具は、トッププレートの側面を覆う側壁部と、側壁部の上端からトッププレートの縁部の上面の上方まで延びる上壁部と、を備えたものであるため、トッププレートの側面の上部、及び、トッププレートの縁部の上面に調理用具、食器等が衝突した場合であっても、トッププレート、調理器具、食器等に損傷が生じてしまうことが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、キッチンキャビネットに設置された後の状態での斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、キッチンキャビネットに設置される前の状態での斜視図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。
図6】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
図7】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
図10】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。
図11】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
図12】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、トッププレート保護具の斜視図である。
図13】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。
図14】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
図15】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、キッチンキャビネットに設置された後の状態での斜視図である。
図16】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、トッププレート保護具の斜視図である。
図17】本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る加熱調理器について、図面を用いて説明する。
なお、以下で説明する構成等は、一例であり、本発明に係る加熱調理器は、そのような構成等に限定されない。
また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
また、重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
【0010】
実施の形態1.
実施の形態1に係る加熱調理器について説明する。
<加熱調理器の構成>
実施の形態1に係る加熱調理器の構成について説明する。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、キッチンキャビネットに設置された後の状態での斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、キッチンキャビネットに設置される前の状態での斜視図である。
図1及び図2に示されるように、加熱調理器1は、キッチンキャビネット17に設置される。キッチンキャビネット17の天板18には、キッチンキャビネット17内の収納部に通じる天板開口部19が形成され、天板開口部19に加熱調理器1の筐体2が挿入される。加熱調理器1は、トッププレート3が天板18の天板開口部19の周辺部によって支持されることで、保持される。
【0012】
トッププレート3には加熱口8が設けられる。図1及び図2では、トッププレート3の前部の左右両側と後部との3箇所に加熱口8が設けられる場合を示しているが、加熱口8の数及び配置は、そのような場合に限定されない。
【0013】
加熱口8の下方には加熱手段である誘導加熱コイル(図示せず)が配置され、加熱口8に載置された被加熱物である調理器具(鍋、フライパン等)が加熱される。加熱手段は、ガスバーナー、抵抗発熱体であるラジエントヒーター等であってもよい。それらの場合であっても、同様の作用が得られる。
【0014】
トッププレート3には、操作部5及び表示部6が設けられている。操作部5は、例えば、静電容量式のタッチスイッチであり、ユーザーは、トッププレート3の上面を指で接触することによって、操作部5を操作して、加熱調理器1に対する加熱の指示、火力の調整等を行う。表示部6は、液晶ディスプレイ、LED等の発光手段によって、加熱調理器1の火力、タイマーの時間等の動作状態、ユーザーが操作部5を操作するための選択肢、ユーザーへの警告、注意喚起等を報知する。操作部5が表示部としての機能を有していてもよく、また、表示部6が操作部としての機能を有していてもよい。
【0015】
トッププレート3は、プレート体3aと、主にプレート体3aの外周面及び裏面を保持する枠体3bと、を有する。枠体3bは、トッププレート3の下方に設けられた筐体2に、ネジ等の締結部材(図示せず)によって組み付けられる。枠体3bは、複数の部材によって構成される。プレート体3aは、枠体3bに接着材、締結部品等で接合される。
【0016】
枠体3bのうちの、トッププレート3の後部に位置する領域には、通気口7が設けられる。通気口7は、加熱調理器1の内部に導かれる冷却風、冷却後の排気風、加熱調理器1に内蔵された魚等を加熱調理するためのグリル(図示せず)から排出される排気風等が通過するものである。図1及び図2では、通気口7が、枠体3bの上面に設けられる場合を示しているが、通気口7が、枠体3bの側面に設けられていてもよい。
【0017】
トッププレート3の縁部に、トッププレート保護具9が取り付けられる。トッププレート保護具9は、環状であり、トッププレート3の縁部を全周に亘って覆う。
【0018】
トッププレート保護具9は、弾性体であり、例えば、耐熱性のあるシリコーンゴム、シリコーン発泡体、フッ素ゴム、フッ素ゴム発泡体、ポリメチルペンテン樹脂等である、又は、それらの少なくとも1つを含む素材である。トッププレート保護具9は、例えば、一体成型又は押出成形等によって辺毎に分割して成形されたものを、コーナー部が形成されるように接着することで、形成される。
【0019】
トッププレート保護具9は、トッププレート3(特に、枠体3b)と等しい色調である。このように構成されることで、トッププレート3とトッププレート保護具9とに一体感が生じ、ユーザーにトッププレート保護具9が取り付けられていることを意識させないことが可能となって、意匠性が向上される。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。図4は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図3及び図4では、図1のA−A線に相当する断面線(つまりトッププレート3の右側縁部での断面線)、B−B線に相当する断面線(つまりトッププレート3の前側縁部での断面線)、C―C線に相当する断面線(つまりトッププレート3の左側縁部での断面線)での断面図を示している。
【0021】
図3及び図4に示されるように、トッププレート保護具9は、トッププレート3の右側縁部、前側縁部、及び左側縁部を覆う領域において、トッププレート3の側面の高さ方向の全域を当接しつつ覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面の下方まで延びる下壁部12と、を有する。
【0022】
トッププレート保護具9がトッププレート3から取り外された状態において、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔Lは、トッププレート3の縁部の厚さMと比較して狭い。トッププレート保護具9は、弾性体であり、トッププレート3に取り付けられると、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔Lが、トッププレート3の縁部の厚さMと等しい間隔に弾性変形することとなって、トッププレート保護具9がその反力でトッププレート3の縁部に係止される。このように構成されることで、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ、重力によって生じる落下等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0023】
トッププレート保護具9がトッププレート3から取り外された状態において、側壁部10の内周面の周長は、トッププレート3の外周面、つまり枠体3bの外周面の周長と比較して短い。トッププレート保護具9は、弾性体であり、トッププレート3に取り付けられると、側壁部10の内周面の周長が、トッププレート3の外周面の周長と等しい長さに弾性変形することとなって、トッププレート保護具9がその反力でトッププレート3の縁部に係止される。このように構成されることで、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ、重力によって生じる落下等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0024】
上壁部11の下面には凹部14が形成される。凹部14が、トッププレート3の縁部の上面に形成された凸部13、つまり枠体3bの上部に係合することで、トッププレート保護具9がトッププレート3の縁部に係止される。このように構成されることで、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0025】
上壁部11の先端部15は、トッププレート3の縁部の上面、つまり被加熱物の載置面であるプレート体3aの上面と当接する。加熱手段がガスバーナーである場合には、ガスバーナー、及び、被加熱物が載置される五徳の周囲平面を構成するトッププレート3の縁部の上面と当接する。このように構成されることで、調理容器からの吹きこぼれ等によって、煮汁等の液体が先端部15を越えてトッププレート3の端部に至ることが抑制され、また、液体、埃等が、プレート体3aと枠体3bとの隙間に侵入して汚れが溜まることが抑制される。先端部15とトッププレート3の上面との境界である隅部に汚れが溜まった場合には、ユーザーは、トッププレート保護具9を取り外して、先端部15を容易に清掃することができる。また、トッププレート3の上面を平坦な面として容易に清掃することができる。
【0026】
トッププレート3の上面と上壁部11の上面との間で段差が形成されることによって、調理容器からの吹きこぼれ等によって、煮汁等の液体がトッププレート3から天板18上に流出して、天板18が汚れることが抑制されるとともに、吹きこぼれ時の清掃範囲がトッププレート3の上面に限られることで、ユーザーの作業が軽減される。
【0027】
下壁部12の端部が、トッププレート3の縁部、つまり枠体3bと、天板18と、の隙間に挿入され、側壁部10の下端が、天板18の上面、つまり加熱調理器1を保持する部材の上面に当接する。調理容器からの吹きこぼれ等によって、煮汁等の液体がトッププレート3から天板18上に流出した場合においても、液体が側壁部10の下端を越えてトッププレート3の中心側に浸入することが抑止され、また、液体、埃等が枠体3bと天板18との隙間に侵入して汚れが溜まることが抑制される。また、プレート体3aの裏面側を保持する部材、つまり枠体3bを構成する部材と、天板18と、の間に設けられたパッキン16とで、天板開口部19からキッチンキャビネット17内に液体、埃等が侵入することを、2重に抑止する構造であるため、キッチンキャビネット17内への液体、埃等の侵入の抑制が確実化される。側壁部10の下端と天板18の上面との境界である隅部に汚れが溜まった場合には、ユーザーは、トッププレート保護具9を取り外して、側壁部10の下端を容易に清掃することができる。また、天板18の上面を平坦な面として容易に清掃することができる。
【0028】
側壁部10は、上壁部11と比較して厚い。トッププレート3のプレート体3aは、耐熱ガラス、結晶化ガラス、セラミック、ホーロー塗装された金属等を素材とする。ユーザーの調理作業によってトッププレート3の側面に調理器具、食器等が衝突して、トッププレート3に、ヒビ割れ、欠損等の損傷が生じる場合がある。特に、意匠性を向上すること、天板18の上側に加熱手段を配置させること等を目的として、トッププレート3の天板18からの突出量を大きくした場合には、トッププレート3の側面に調理用具、食器等が衝突しやすくなる。そのため、側壁部10が上壁部11と比較して厚くなるように構成されることで、トッププレート3の保護性能を向上することと、材料の使用量を低減して部品費を削減することと、が両立される。
【0029】
図5は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図5及び図6では、図1におけるD−D線に相当する断面線(つまりトッププレート3の後側縁部の通気口7を通らない断面線)での断面図を示している。
【0030】
図5及び図6に示されるように、トッププレート保護具9は、トッププレート3の後側縁部のうちの通気口7が設けられない領域を覆う領域において、トッププレート3の側面の高さ方向の全域を当接しつつ覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面の下方まで延びる下壁部12と、を有する。
【0031】
トッププレート保護具9がトッププレート3から取り外された状態において、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔Nは、トッププレート3の縁部の厚さOと比較して狭い。トッププレート保護具9は、弾性体であり、トッププレート3に取り付けられると、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔Nが、トッププレート3の縁部の厚さOと等しい間隔に弾性変形することとなって、トッププレート保護具9がその反力でトッププレート3の縁部に係止される。このように構成されることで、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ、重力によって生じる落下等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0032】
下壁部12の上面に凹部14が形成される。凹部14が、トッププレート3の縁部の下面に形成された凸部13に係合することで、トッププレート保護具9がトッププレート3の縁部に係止される。このように構成されることで、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0033】
図7は、本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図7では、図1におけるE−E線に相当する断面線(つまりトッププレート3の後側縁部の通気口7を通る断面線)での断面図を示している。また、図7では、気流を矢印で示している。
【0034】
図7に示されるように、トッププレート保護具9は、トッププレート3の後側縁部のうちの通気口7が設けられた領域を覆う領域において、トッププレート3の側面の高さ方向の全域を当接しつつ覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面の下方まで延びる下壁部12と、を有する。
【0035】
枠体3bの上面及び側面に通気口7が設けられており、側壁部10のうちの通気口7と対向する箇所に、開口部26が形成される。開口部26は、枠体3bの側面の通気口7と略同一の形状であり、通気口7を通過する気流を遮ることなく通過させる。このように構成されることで、冷却性能が低下して誘導加熱コイルの加熱性能が低下することを抑制することと、枠体3bの側面の通気口7の上側及び下側の保護性能を向上することと、が両立される。
【0036】
<加熱調理器の作用>
実施の形態1に係る加熱調理器の作用について説明する。
トッププレート保護具9は、トッププレート3の側面を覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、を備える。そのため、トッププレート3の側面の上部、及び、トッププレート3の縁部の上面に調理用具、食器等が衝突した場合であっても、トッププレート3、調理器具、食器等に損傷が生じてしまうことが抑制される。
【0037】
トッププレート保護具9は、弾性体である。そのため、トッププレート保護具9が汚れた場合に、ユーザーが取り外して容易に洗浄できる。また、トッププレート保護具9が衝突によって損傷した場合に、ユーザーが容易に交換できるため、保護性能を長期間に亘って維持することができる。また、ユーザーが好みのデザイン(色調、柄等)のトッププレート保護具9に容易に交換できるため、意匠性が向上されるとともに、ユーザーの嗜好が満たされて満足度が向上される。
【0038】
トッププレート保護具9は、トッププレート3の側面を覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面の下方まで延びる下壁部12と、を有し、トッププレート保護具9がトッププレート3から取り外された状態において、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔L、Nは、トッププレート3の縁部の厚さM、Oと比較して狭い。そのため、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ、重力によって生じる落下等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0039】
トッププレート保護具9の、トッププレート3の右側縁部、前側縁部、及び左側縁部を覆う領域において、上壁部11の下面に凹部14が形成され、凹部14が、トッププレート3の縁部の上面に形成された凸部13に係合する。また、トッププレート保護具9の、トッププレート3の後側縁部を覆う領域において、下壁部12の上面に凹部14が形成され、凹部14が、トッププレート3の縁部の下面に形成された凸部13に係合する。そのため、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0040】
トッププレート保護具9は、環状であり、トッププレート保護具9がトッププレート3から取り外された状態において、側壁部10の内周面の周長は、トッププレート3の外周面の周長と比較して短い。そのため、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ、重力によって生じる落下等が抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0041】
トッププレート保護具9の側壁部10は、上壁部11と比較して厚い。そのため、トッププレート3の保護性能を向上することと、材料の使用量を低減して部品費を削減することと、が両立される。
【0042】
トッププレート保護具9の上壁部11の先端部15は、トッププレート3の縁部の上面と当接する。そのため、液体、埃等が、プレート体3aと枠体3bとの隙間に侵入して汚れが溜まることが抑制されて、防汚性が向上されるとともに、先端部15とトッププレート3の上面との境界である隅部に汚れが溜められて、清掃性が向上される。また、プレート体3aの上面と上壁部11の上面との段差が、プレート体3aの上面と枠体3bの上面との段差と比較して大きいことに起因して、煮汁等の液体がトッププレート3から天板18上に流出して、天板18が汚れることが抑制されて、防汚性が向上される。
【0043】
トッププレート保護具9の側壁部10の下端が、加熱調理器1を保持する部材の上面に当接する。そのため、液体、埃等が、枠体3bと天板18との隙間に侵入して汚れが溜まることが抑制されて、防汚性が向上されるとともに、側壁部10の下端と天板18の上面との境界である隅部に汚れが溜められて、清掃性が向上される。
【0044】
トッププレート保護具9の側壁部10のうちの通気口7と対向する箇所に、開口部26が形成される。そのため、トッププレート保護具9が取り付けられた状態において、冷却性能が低下して誘導加熱コイルの加熱性能が低下することを抑制することと、枠体3bの側面の通気口7の上側及び下側の保護性能を向上することと、が両立される。
【0045】
トッププレート保護具9は、トッププレート3と等しい色調である。そのため、トッププレート3とトッププレート保護具9とに一体感が生じ、ユーザーにトッププレート保護具9が取り付けられていることを意識させないことが可能となって、意匠性が向上される。なお、トッププレート保護具9が、半透明又は透明であっても、同様の作用が得られる。トッププレート保護具9が、半透明又は透明である場合には、ユーザーに、トッププレート保護具9の厚みを意識させないことが可能となって、意匠性が向上される。また、意匠性を損なわずに、トッププレート保護具9の厚みを厚くすることが可能となって、トッププレート3の保護性能が向上される。
【0046】
実施の形態2.
実施の形態2に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
<加熱調理器の構成>
実施の形態2に係る加熱調理器の構成について説明する。
【0047】
図1及び図2に示されるように、トッププレート3の縁部に、トッププレート保護具9が取り付けられる。トッププレート保護具9は、環状であり、トッププレート3の縁部を全周に亘って覆う。
【0048】
トッププレート保護具9は、トッププレート3(特に、枠体3b)と補色の関係にある色調である。このように構成されることで、ユーザーにトッププレート保護具9が取り付けられていることを認知させて注意喚起を促すことが可能となって、調理器具、食器等の衝突が抑制される。
【0049】
図8は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。図9は、本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図8及び図9では、図1のA−A線に相当する断面線(つまりトッププレート3の右側縁部での断面線)、B−B線に相当する断面線(つまりトッププレート3の前側縁部での断面線)、C―C線に相当する断面線(つまりトッププレート3の左側縁部での断面線)での断面図を示している。
【0050】
図8及び図9に示されるように、トッププレート保護具9は、トッププレート3の右側縁部、前側縁部、及び左側縁部を覆う領域において、トッププレート3の側面の高さ方向の全域を当接しつつ覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面の下方まで延びる下壁部12と、を有する。
【0051】
トッププレート保護具9の側壁部10に、中空部21が形成される。中空部21の断面形状は、円弧と、トッププレート3の側面と平行な直線と、によって構成される半円状である。円弧の中間点は、直線と比較して、トッププレート3の側面から遠い側に位置する。側壁部10の、中空部21を基準とするトッププレート3の側面から遠い側の面は、中空部21の形状を略相似に拡大した形状であり、側壁部10の肉厚は、略均一である。
【0052】
側壁部10によって、トッププレート3の縁部の側面の高さ方向の全域が覆われているため、トッププレート3の外側から内側に向かって移動する調理器具、食器等が、トッププレート3の縁部の側面に直接衝突することはなく、衝突によって生じる衝撃は、側壁部10によって吸収及び緩和される。
【0053】
その際、中空部21は、衝突に伴って生じる荷重を受けて時間をかけながら潰れることとなり、良好な圧縮エネルギーの吸収機能を発揮する。また、断面形状が半円状であることで、直線で構成される角のある形状である場合と比較して、衝突に伴って生じる衝撃的な荷重が分散されることとなるため、圧縮エネルギーの吸収機能が更に向上されて、トッププレート3の縁部の保護性能が更に向上される。また、中空部21が形成されることで、材料の使用量が低減して部品費が削減され、また、重量が低減して輸送費が削減される。
【0054】
また、トッププレート保護具9がトッププレート3に取り付けられると、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔Lが、トッププレート3の縁部の厚さMと等しい間隔に弾性変形する。その際、中空部21が形成されていることで、側壁部10に生じる圧縮応力に対する反力が高まって、上壁部11の下面と下壁部12の上面とに付勢されるトッププレート3の縁部を挟む力が強くなる。そのため、トッププレート保護具9のトッププレート3の縁部への係止が確実化されて、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が更に抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0055】
<加熱調理器の作用>
実施の形態2に係る加熱調理器の作用について説明する。
トッププレート保護具9の側壁部10に、中空部21が形成される。そのため、中空部21が良好な圧縮エネルギーの吸収機能を発揮して、トッププレート3へ伝わる衝撃が緩和されることとなって、トッププレート3の縁部の保護性能が更に向上され、また、部品費、輸送費等が削減される。
【0056】
トッププレート保護具9の側壁部10に、断面形状が半円状の中空部21が形成される。そのため、衝突によって生じる衝撃が分散されて、トッププレート3へ伝わる衝撃が更に緩和される。また、上壁部11の下面と下壁部12の上面とに付勢されるトッププレート3の縁部を挟む力が強くなって、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が更に抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0057】
トッププレート保護具9は、トッププレート3と補色の関係にある色調である。そのため、ユーザーにトッププレート保護具9が取り付けられていることを認知させて注意喚起を促すことが可能となって、調理器具、食器等の衝突が抑制される。なお、トッププレート保護具9が、蛍光色のような目立つ色、ストライプ柄のような目立つ柄等であっても、同様の作用が得られる。
【0058】
実施の形態3.
実施の形態3に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1及び実施の形態2と異なる点を中心に説明し、実施の形態1及び実施の形態2と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
<加熱調理器の構成>
実施の形態3に係る加熱調理器の構成について説明する。
【0059】
図1及び図2に示されるように、トッププレート3の縁部に、トッププレート保護具9が取り付けられる。トッププレート保護具9は、環状であり、トッププレート3の縁部を全周に亘って覆う。
【0060】
トッププレート保護具9には、蓄光材が添加される。このように構成されることで、例えば、加熱調理器1の上方に設置されるキッチン設備(キャビネット、レンジフードファン等)によって、加熱調理器1の周囲の照度が低くなってしまう場合等においても、蓄光材によってトッププレート保護具9が発光するため、ユーザーが目視で認知しやすくなって、調理作業中に調理器具、食器等を誤って衝突させることが抑止される。
【0061】
図10は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。図11は、本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図10及び図11では、図1のA−A線に相当する断面線(つまりトッププレート3の右側縁部での断面線)、B−B線に相当する断面線(つまりトッププレート3の前側縁部での断面線)、C―C線に相当する断面線(つまりトッププレート3の左側縁部での断面線)での断面図を示している。
【0062】
図10及び図11に示されるように、トッププレート保護具9は、トッププレート3の右側縁部、前側縁部、及び左側縁部を覆う領域において、トッププレート3の側面の高さ方向の全域を当接しつつ覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面の下方まで延びる下壁部12と、を有する。
【0063】
トッププレート保護具9の側壁部10に、中空部21が形成される。中空部21の断面形状は、円弧と、トッププレート3の側面と平行な直線と、天板18の上面と平行な直線と、によって構成される扇形状である。円弧の一方の端部は、2つの直線の交点と比較して、側壁部10の下端から遠い側に位置し、円弧の他方の端部は、2つの直線の交点と比較して、トッププレート3の側面から遠い側に位置する。側壁部10の、中空部21を基準とするトッププレート3の側面から遠い側の面は、中空部21の形状を略相似に拡大した形状であり、側壁部10の肉厚は、略均一である。
【0064】
側壁部10によって、トッププレート3の縁部の側面の高さ方向の全域が覆われているため、トッププレート3の外側から内側に向かって移動する調理器具、食器等が、トッププレート3の縁部の側面に直接衝突することはなく、衝突によって生じる衝撃は側壁部10によって吸収及び緩和される。
【0065】
その際、中空部21は、衝突に伴って生じる荷重を受けて時間をかけながら潰れることとなり、良好な圧縮エネルギーの吸収機能を発揮する。また、断面形状が扇形状であることで、断面形状が半円状である場合と比較して、中空部21の周長が長くなって、変形して衝撃を吸収するクラッシャブルゾーンが拡大される。そのため、衝突に伴って生じる衝撃的な荷重が更に分散されることとなって、圧縮エネルギーの吸収機能が更に向上され、トッププレート3の縁部の保護性能が更に向上される。また、中空部21が形成されることで、材料の使用量が低減して部品費が削減され、また、重量が低減して輸送費が削減される。
【0066】
また、トッププレート保護具9がトッププレート3に取り付けられると、上壁部11の下面と下壁部12の上面との間隔Lが、トッププレート3の縁部の厚さMと等しい間隔に弾性変形する。その際、中空部21が形成されていることで、側壁部10に生じる圧縮応力に対する反力が高まって、上壁部11の下面と下壁部12の上面とに付勢されるトッププレート3の縁部を挟む力が強くなる。そのため、トッププレート保護具9のトッププレート3の縁部への係止が確実化されて、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が更に抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0067】
また、断面形状が扇形状であることで、トッププレート保護具9の側壁部10の下端が、天板18の上面、つまり加熱調理器1を保持する部材の上面に当接する面積が拡大される。そのため、シール性が高まって、液体、埃等が、枠体3bと天板18との隙間に侵入することが抑制されて、耐浸水性、防汚性等が向上される。
【0068】
<加熱調理器の作用>
実施の形態3に係る加熱調理器の作用について説明する。
トッププレート保護具9の側壁部10に、断面形状が扇形状の中空部21が形成される。そのため、衝突によって生じる衝撃が分散されて、トッププレート3へ伝わる衝撃が更に緩和される。また、上壁部11の下面と下壁部12の上面とに付勢されるトッププレート3の縁部を挟む力が強くなって、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が更に抑制されつつ、保護性能が向上される。また、トッププレート保護具9の側壁部10の下端が、加熱調理器1を保持する部材の上面に当接する面積が拡大されて、耐浸水性、防汚性等が向上される。
【0069】
トッププレート保護具9には、蓄光材が添加される。そのため、蓄光材によってトッププレート保護具9が発光するため、ユーザーが目視で認知しやすくなって、調理作業中に調理器具、食器等を誤って衝突させることが抑止される。なお、トッププレート保護具9に、蓄光材が塗布されていても、同様の効果が得られる。
【0070】
実施の形態4.
実施の形態4に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1〜実施の形態3と異なる点を中心に説明し、実施の形態1〜実施の形態3と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
<加熱調理器の構成>
実施の形態4に係る加熱調理器の構成について説明する。
【0071】
図12は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、トッププレート保護具の斜視図である。
図12に示されるように、トッププレート保護具9は、略U字状であり、トッププレート3の右側縁部、前側縁部、及び左側縁部を覆う。
【0072】
ユーザーは、調理の際に加熱調理器1の正面に居るため、例えば、調理器具(鍋、フライパン等)を加熱口8に載置する場合、加熱口8に載置されたものを移動する場合等において、トッププレート3の右側縁部、前側縁部、及び後側縁部において、調理器具等が衝突するリスクが高く、トッププレート3の後側縁部において、調理器具等が衝突するリスクが低い。そのため、トッププレート保護具9は、トッププレート3の後側縁部を覆わない。このように構成されることで、材料の使用量が低減して部品費が削減され、また、重量が低減して輸送費が削減される。また、トッププレート保護具9が環状である場合と比較して、ユーザーがトッププレート保護具9を容易に着脱できるため、メンテナンス性が向上される。
【0073】
図13は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、トッププレートから取り外された状態でのトッププレート保護具の断面図である。図14は、本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図13及び図14では、図1のA−A線に相当する断面線(つまりトッププレート3の右側縁部での断面線)、B−B線に相当する断面線(つまりトッププレート3の前側縁部での断面線)、C―C線に相当する断面線(つまりトッププレート3の左側縁部での断面線)での断面図を示している。
【0074】
図13及び図14に示されるように、トッププレート保護具9は、トッププレート3の側面の高さ方向の全域を当接しつつ覆う側壁部10と、側壁部10の上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる上壁部11と、を有する。
【0075】
側壁部10及び上壁部11に、磁石22が配設される。磁石22は、弾性体が外郭を形成する状態、つまり、側壁部10の外周面(トッププレート3の側面から遠い側の面)及び上壁部11の上面に露出しない状態で配設される。側壁部10においては、磁石22が側壁部10の内部に配設される。上壁部11においては、磁石22が上壁部11の下面の一部に形成された凹部に、磁石22の下面が露出する状態で一体成型又は接着によって一体化される。磁石22は、例えば、弾性体であるゴム磁石、飛び石状に配設された複数の小さな磁石22等であるとよい。このように構成されることで、トッププレート保護具9の弾性及び緩衝機能が維持される。
【0076】
トッププレート3の縁部、つまり枠体3bは、鉄・ステンレス等の磁性体である。そのため、トッププレート保護具9は、トッププレート3の縁部と磁力によって係合する。つまり、ユーザーは、弾性変形を生じさせることなくトッププレート保護具9を容易に着脱することができる。そして、側壁部10に配設された磁石22によって、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して擦れることで生じる外れ等が抑制される。また、上壁部11に配設された磁石22によって、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突して捲れることで生じる外れ、上壁部11の上面に調理器具、食器等が接触して捲れることで生じる外れ等が抑制される。
【0077】
また、上壁部11に配設された磁石22によって、トッププレート保護具9が上方から下方に付勢されて、上壁部11の先端部15のトッププレート3の縁部の上面、つまりプレート体3aの上面への密着度が増すため、液体、埃等が、プレート体3aと枠体3bとの隙間に侵入して汚れが溜まることが抑制される。同様に、上壁部11に配設された磁石22によって、トッププレート保護具9が上方から下方に付勢されて、側壁部10の下端の天板18の上面、つまり加熱調理器1を保持する部材の上面への密着度が増すため、液体、埃等が枠体3bと天板18との隙間に侵入して汚れが溜まることが抑制される。
【0078】
上壁部11の下面には、トッププレート3の縁部の上面に形成された凸部13と係合する凹部14が形成される。そして、凹部14に磁石22が配設され、凸部13が磁性体であることで、トッププレート保護具9がトッププレート3の縁部から更に外れにくくなる。つまり、上壁部11に磁石22が配設されるのみである場合には、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる荷重、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の上面に接触することで生じる荷重等によって、上壁部11が滑ってトッププレート保護具9が外れてしまう場合が生じるが、凹部14と凸部13とが係合しているため、そのようなことが抑制される。また、凹部14と凸部13とが係合するのみである場合には、トッププレート3の内側から外側に向かって移動する調理器具、食器等が上壁部11の端部に衝突することで生じる圧縮によって、上壁部11に上方へ膨らむ撓みが生じて凹部14と凸部13との係合が外れる場合が生じるが、上壁部11に磁石22が配設されているため、その磁力によって、そのようなことが抑制される。
【0079】
<加熱調理器の作用>
実施の形態4に係る加熱調理器の作用について説明する。
トッププレート保護具9は、磁石22を備え、磁力によってトッププレート3の縁部に係合する。そのため、ユーザーは、トッププレート保護具9を容易に着脱することができる。また、トッププレート保護具9を環状にする必要がなくなって、部品費、輸送費等が削減される。また、上壁部11の先端部15のトッププレート3の縁部の上面への密着度、及び、側壁部10の下端の加熱調理器1を保持する部材の上面への密着度が増すため、防汚性、耐浸水性等が向上される。
【0080】
なお、トッププレート保護具9が、磁石22を備えず、トッププレート保護具9自体が、ラバー磁石であっても同様の作用が得られる。そのような場合には、磁石22の封止、接合等に伴って生じるコストが低減される。
【0081】
また、トッププレート保護具9が、環状であってもよく、そのような場合であっても、着脱の容易性、防汚性、耐浸水性等の作用が同様に得られる。また、トッププレート3の後側縁部の保護性能が向上される。
【0082】
また、トッププレート保護具9が、トッププレート3の右側縁部を覆うものと、トッププレート3の前側縁部を覆うものと、トッププレート3の左側縁部を覆うものと、トッププレート3の後側縁部を覆うものと、に分かれていてもよい。そのような場合であっても、低コスト化、防汚性、耐浸水性等の作用が同様に得られる。また、ユーザーが、調理作業の傾向等に応じて、トッププレート保護具9によって覆う縁部の組合せを任意に選択することが可能であるため、調理作業性が向上されるとともに、必要な部分のみを交換してメンテナンスコストを削減することが可能であり、また、着脱の容易性が更に向上される。
【0083】
実施の形態5.
実施の形態5に係る加熱調理器について説明する。
なお、以下では、実施の形態1〜実施の形態4と異なる点を中心に説明し、実施の形態1〜実施の形態4と重複又は類似する説明については、適宜簡略化又は省略している。
<加熱調理器の構成>
実施の形態5に係る加熱調理器の構成について説明する。
【0084】
図15は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、キッチンキャビネットに設置された後の状態での斜視図である。図16は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、トッププレート保護具の斜視図である。図17は、本発明の実施の形態5に係る加熱調理器の、トッププレート保護具が取り付けられた状態でのトッププレート保護具周辺の断面図である。なお、図17では、図15のF−F線に相当する断面線(つまりトッププレート3の右側縁部での断面線)、G−G線に相当する断面線(つまりトッププレート3の前側縁部での断面線)、H―H線に相当する断面線(つまりトッププレート3の左側縁部での断面線)での断面図を示している。
【0085】
図15図17に示されるように、トッププレート3に、トッププレート保護具9が取り付けられる。トッププレート保護具9は、トッププレート3の縁部を全周に亘って覆うとともに、トッププレート3の上面、つまりプレート体3a及び枠体3bの上面を横断壁部23によって覆う。つまり、側壁部10は、互いに対向又は隣接する側面を覆う2つの側壁部10を含み、上壁部11は、その2つの側壁部10のそれぞれの上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる2つの上壁部11を含み、横断壁部23は、その一方の上壁部11の先端部15からその他方の上壁部11の先端部15まで延びる。このように構成されることで、トッププレート3の上面に調理器具(鍋、フライパン等)、食器等が衝突した際の衝撃が吸収及び緩和されて、トッププレート3の上面の損傷が抑制される。また、トッププレート3の上面が横断壁部23によって密着して覆われることで、トッププレート3の上面と横断壁部23との間に液体、埃等が侵入することが抑制されて、防汚性が向上される。また、トッププレート保護具9が汚れた場合に、ユーザーが取り外して容易に洗浄又は交換できるため、メンテナンス性が向上される。
【0086】
トッププレート保護具9がトッププレート3から取り外された状態において、互いに対向する側面を覆う2つの側壁部10の間隔は、その互いに対向する側面の間隔と比較して狭い。トッププレート保護具9は、弾性体であり、トッププレート3に取り付けられると、互いに対向する側面を覆う2つの側壁部10の間隔が、その互いに対向する側面の間隔と等しい間隔に弾性変形することとなって、トッププレート保護具9がその反力でトッププレート3に係止される。このように構成されることで、トッププレート保護具9の外れが抑制されつつ、保護性能が向上される。また、横断壁部23が設けられない場合と比較して、断面積が大きくなるため、反力が強まってトッププレート保護具9の外れが更に抑制される。また、横断壁部23の弾性変形の反力によって、横断壁部23の下面をトッププレート3の上面に押し当てる方向のモーメントが生じるため、横断壁部23とトッププレート3の上面との密着性が増して、耐浸水性、防汚性等が更に向上される。
【0087】
なお、図15図17では、横断壁部23が、左右方向の2つの上壁部11の間と上下方向の2つの上壁部11の間との両方を接続する場合を示しているが、左右方向の2つの上壁部11の間と上下方向の2つの上壁部11の間とのうちの一方を接続していてもよく、そのような場合であっても、同様の作用が得られる。また、トッププレート3の一方の縁部に下壁部12を係合した状態で、トッププレート3のその一方の縁部と対向する縁部に下壁部12を係合することによって、トッププレート保護具9を取り付けることができるため、取り付けの容易性が向上される。
【0088】
枠体3bの上面に、通気口7が設けられており、横断壁部23のうちの通気口7と対向する箇所に、開口部26が形成される。開口部26は、枠体3bの上面の通気口7と略同一の形状であり、通気口7を通過する気流を遮ることなく通過させる。このように構成されることで、冷却性能が低下して誘導加熱コイルの加熱性能が低下することを抑制することと、枠体3bの上面の通気口7の周辺の保護性能を向上することと、が両立される。
【0089】
横断壁部23のうちの加熱口8と対向する箇所に、開口部25が形成されて、加熱口8及びその周囲が露出される。このように構成されることで、被加熱物である調理器具をプレート体3aに直接載置することが可能となって、加熱手段である誘導加熱コイルと調理器具との距離が短くなって加熱効率が向上される。また、プレート体3aの下方に配設される、サーミスタ等の温度検知手段(図示せず)への伝熱、赤外線センサ等の温度検知手段(図示せず)への放射等が阻害されなくなって、温度に基づく制御の精度が向上される。
【0090】
トッププレート保護具9には、示温材が添加される。示温材は、例えば、色相を決める染料と、発色をコントロールする物質と、を直径数μmのマイクロカプセルにした顔料である。このように構成されることで、ユーザーが、トッププレート保護具9の高温となっている箇所、例えば、加熱動作中の加熱口8の周辺を目視で認知することができるため、注意喚起を促すことが可能となる。
【0091】
トッププレート3の下面と天板18の上面との間には、皿のような薄手の食器、ターナー、スプーン等のような比較的小さな調理用具等が収納される隙間が形成される。このような構成においては、トッププレート3の外側の下方から内側の上方に向かって移動する調理器具、食器等がトッププレート3の縁部の下面に衝突しやすい。トッププレート保護具9は、側壁部10の下端からトッププレート3の縁部の下面、つまり枠体3bの下面の下方まで延びる下壁部12を有しているため、そのような衝突の衝撃が吸収及び緩和される。
【0092】
<加熱調理器の作用>
実施の形態5に係る加熱調理器の作用について説明する。
トッププレート保護具9は、互いに対向又は隣接する側面を覆う2つの側壁部10を含み、その2つの側壁部10のそれぞれの上端からトッププレート3の縁部の上面の上方まで延びる2つの上壁部11を含み、その一方の上壁部11の先端部15からその他方の上壁部11の先端部15まで延びる横断壁部23を備える。そのため、トッププレート3の上面の損傷が抑制される。また、横断壁部23が弾性体であるため、トッププレート3の上面と横断壁部23との間に液体、埃等が侵入することが抑制されて、防汚性が向上され、また、ユーザーが取り外して容易に洗浄又は交換できることで、メンテナンス性が向上される。
【0093】
トッププレート保護具9では、横断壁部23が、互いに対向する2つの上壁部11の間を接続するとともに、その2つの上壁部11に上端が接続される2つの側壁部10の下端に下壁部12が接続される。そして、その2つの側壁部10の間隔は、その2つの側壁部10によって覆われる2つの側面の間隔と比較して狭い。そのため、トッププレート保護具9の外れが抑制されつつ、保護性能が向上される。
【0094】
トッププレート保護具9では、横断壁部23のうちの通気口7と対向する箇所に、開口部26が形成される。そのため、冷却性能が低下して誘導加熱コイルの加熱性能が低下することを抑制することと、枠体3bの上面の通気口7の周辺の保護性能を向上することと、が両立される。また、通気口7の周辺が横断壁部23によって覆われているため、通過する冷却風及び排気風に含まれる塵埃、油煙等によって、通気口7の周辺が汚れることが抑制され、また、ユーザーが取り外して容易に洗浄又は交換できることで、清掃性及びメンテナンス性が向上される。なお、通気口7がトッププレート3の縁部の上面又は下面に設けられる場合には、開口部26が上壁部11又は下壁部12に形成されてもよく、そのような場合であっても同様の作用が得られる。
【0095】
トッププレート保護具9では、横断壁部23のうちの加熱口8と対向する箇所に、開口部25が形成される。そのため、加熱調理器1の加熱性能、温度制御性能等を向上することと、トッププレート保護具9の保護性能を向上することと、が両立される。なお、側壁部10、上壁部11、下壁部12、又は横断壁部23のうちの表示部6と対向する箇所に、開口部25が形成されて、表示の視認性が向上されてもよい。また、側壁部10、上壁部11、下壁部12、又は横断壁部23のうちの操作部5と対向する箇所に、開口部25が形成されて、操作部5の操作性、反応性等が向上されてもよい。
【0096】
トッププレート保護具9には、示温材が添加される。そのため、ユーザーがトッププレート保護具9の高温となっている箇所を目視で認知することができるため、注意喚起を促すことが可能となる。なお、トッププレート保護具9に、示温材が塗布されていても、同様の効果が得られる。
【0097】
以上、実施の形態1〜実施の形態5について説明したが、本発明は各実施の形態の説明に限定されない。例えば、各実施の形態の一部のみが実施されてもよく、また、各実施の形態の全て又は一部が組み合わされてもよい。
【符号の説明】
【0098】
1 加熱調理器、2 筐体、3 トッププレート、3a プレート体、3b 枠体、5 操作部、6 表示部、7 通気口、8 加熱口、9 トッププレート保護具、10 側壁部、11 上壁部、12 下壁部、13 凸部、14 凹部、15 先端部、16 パッキン、17 キッチンキャビネット、18 天板、19 天板開口部、21 中空部、22 磁石、23 横断壁部、25、26 開口部。
図1
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