(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、例えばドアヒンジ40とドアロック装置60との間や、ドアハンドル50とドアロック装置60との間、ドアヒンジ40とドアチェック70との間には、それぞれ予め定められた互いの位置関係などの設計上の相互依存関係がある。そのため、自動設計された一方の結果が設計目標条件を満足しているか否かを判断する際に、自動設計された他方の結果が影響を及ぼす。すなわち、自動設計されたドアハンドル50がその設計目標条件を満たしていても、ドアハンドル50の後に自動設計されたドアロック装置60がその設計目標条件を満たさない場合がある。この場合、ドアロック装置60の設計目標条件が満たされるようにするためにドアハンドル50の設計を見直す必要があり、
図15に示すように、再度、ドアハンドル50の設計パラメータを変更して同ドアハンドル50の設計を行なった後に、ドアロック装置60の設計パラメータを変更して同ドアロック装置60の設計を行なわなければならない。従って、このように複数の設計対象要素を含む設計対象部位の設計が完了するまでに多くの時間を要する。
【0006】
本発明の目的は、複数の設計対象要素を含む設計対象部位の設計の支援を効率的に行なうことができる設計支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための設計支援システムは、複数の設計対象要素が含まれる設計対象部位の設計を支援するシステムにおいて、当該設計対象要素にそれぞれ対応する
複数の設計パラメータを用いて当該設計対象要素を含む部位について
複数の自動設計を行なうものであって、設計上の相互依存関係を有する
設計パラメータの全ての組み合わせについて演算が行なわれ、前記設計対象要素が含まれる部位について一度に自動設計を行なう自動設計部と、前記自動設計部により自動設計された結果が当該設計対象要素にそれぞれ対応する設計目標条件を満足しているか否かを一度に判断する判断部と、
複数の判断結果の一覧を一度に出力して表示する表示装置と、を備える。
【0008】
同構成によれば、自動設計部を通じて、設計対象要素にそれぞれ対応する
複数の設計パラメータを用いて、設計上の相互依存関係を有する
設計パラメータの全ての組み合わせについて演算が行なわれ、設計対象要素が含まれる部位について一度に自動設計が行なわれる。また、判断部を通じて、自動設計部により自動設計された結果が設計対象要素に対応する設計目標条件を満足しているか否かが一度に判断される。このため、設計上の相互依存関係を有する
全ての設計対象要素について、自動設計された結果がそれらに対応する設計目標条件を満足しているか否かの判断が一度に行なわれることで、それらの判断結果を
表示装置に一度に出力することが可能となる。従って、各設計目標条件を高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせを把握することが可能となる。
【0009】
また上記目的を達成するための設計支援方法は、
自動設計部と判断部とを備える端末装置を用いて行なわれ、複数の設計対象要素が含まれる設計対象部位の設計を支援する方法において、
前記自動設計部が当該設計対象要素にそれぞれ対応する
複数の設計パラメータを用いて当該設計対象要素を含む部位について
複数の自動設計を行なうステップであって、設計上の相互依存関係を有する
設計パラメータの全ての組み合わせについて演算が行なわれ、前記設計対象要素が含まれる部位について一度に自動設計を行なう自動設計ステップと、
前記判断部が前記自動設計ステップにより自動設計された結果が当該設計対象要素にそれぞれ対応する設計目標条件を満足しているか否かを一度に判断する判断ステップと、
複数の判断結果の一覧を表示装置に一度に出力して表示する出力ステップと、を備える。
【0010】
同方法によれば、上記設計支援システムによる作用効果に準じた作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、複数の設計対象要素を含む設計対象部位の設計の支援を効率的に行なうことができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、
図1〜
図13を参照して、設計支援システム及び設計支援方法を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、設計支援システムは、車両20の設計、より詳しくはドア22の設計を支援するものであり、端末装置10と表示装置12とを備えている。なお、設計対象部位であるドア22の基本的な構成は先の
図14に示したものと同一であり、周知の構成である。
【0014】
端末装置10は、制御プログラムを記憶する記憶部10a、及びドアヒンジ40やドアハンドル50などの設計対象要素の配置の自動設計を各種データに基づいて行なうべく同制御プログラムに従って各種の演算を行なう自動設計部10bを備えている。各種データとしては、車両20のフレームなどの構造に関するデータである車両20の仕様データ、ドアヒンジ40、ドアハンドル50、ドアロック装置60、及びドアチェック70といったドア構成部品(設計対象要素)の型式などの基本仕様データ、及び車両20の意匠データがある。
【0015】
自動設計部10bは、ドア構成部品にそれぞれ対応する取付位置や取付角度などの設計パラメータを用いてドア22の自動設計を行なう。より詳しくは、自動設計部10bは、全てのドア構成部品について配置の自動設計を一度に連続して行なう。
【0016】
また、端末装置10は、自動設計された結果が当該ドア構成部品にそれぞれ対応する設計目標条件を満足しているか否かを一度に連続して判断する判断部10cを備えている。
表示装置12は、ディスプレイを備えており、端末装置10からの表示駆動信号に基づいて、自動設計部10bを通じて自動設計された結果を画像データとして同ディスプレイに表示する。また、表示装置12は、判断部10cによる判断結果(後述する)を同ディスプレイに表示する。
【0017】
次に、ドア22の設計の手順について説明する。
図2及び
図3(a)に示すように、ドア22の設計に際しては、まず、ドア構成部品の配置の自動設計が行なわれる(ステップS1)。次に、
図2及び
図3(b)に示すように、ドア構成部品の配置の設計結果に基づいて車両20のドア開口部21の作図が行なわれる(ステップS2)。次に、
図2及び
図3(c)に示すように、ドア構成部品の配置の設計結果及びドア開口部21の作図結果に基づいてドアパネル31を構成するアウタパネル31a及びインナパネル31bの作図が行なわれる(ステップS3)。最後に、
図2に示すように、ドア22全体の作図が行なわれる(ステップS4)。
【0018】
次に、ドア構成部品の配置の自動設計方法、及び自動設計された結果が対応する設計目標条件を満足しているか否かを判断する判断方法について、ドアヒンジ40、ドアハンドル50、及びドアロック装置60を例に説明する。
【0019】
<ドアヒンジ40>
図4(a)、(b)に示すように、上下一対のドアヒンジ40の配置に際しては、最初に、設計に用いられるドアヒンジ40の型式や、ドアヒンジ40に関する設計基本データが端末装置10に入力される。設計基本データとしては、上側のドアヒンジ40の上端と下側のドアヒンジ40の下端との間の距離であるヒンジピッチΔXや、上下方向に沿って延びる仮想軸線に対するドアヒンジ40の回動中心軸Aの正面視傾き角度や側面視傾き角度がある。なお、こうした設計基本データはキーボードなどの入力手段を通じて端末装置10に入力される。そして、設計パラメータであるドアヒンジ40の取付位置を複数用いることにより、ドアヒンジ40の複数の配置の自動設計が行なわれる。
【0020】
このようにして複数のドアヒンジ40の配置の自動設計が行なわれると、自動設計された結果として、
図4(a)に示すように、ドア22の外板の見切線22aと、ドアヒンジ40の回動中心軸Aとの交点X1,X2がそれぞれ導出される。また、
図4(b)に示すように、ドア22の前端の見切線22bと、ドアヒンジ40の回動中心軸Aとの交点X3,X4がそれぞれ導出される。
【0021】
そして、各導出結果に対して、交点X1と交点X3との距離M1が所定値Mth1以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。また、交点X2と交点X4との距離M2が所定値Mth2以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。
【0022】
また、
図5に示すように、自動設計された結果として、ドアヒンジ40の回動中心軸Aを中心としてドア22が回動される際のドア22の前端の見切線22bの軌跡とフェンダ24との間の距離(最短距離)M3がそれぞれ導出される。また、
図5に二点鎖線にて示すように、ドア22が全開にされたときのドア22の前端の見切線22bとドアヒンジ40におけるボディ28に取り付けられた部位との間の距離M4がそれぞれ導出される。
【0023】
そして、各導出結果に対して、上記距離M3が所定値Mth3以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。また、上記距離M4が所定値Mth4以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。
【0024】
<ドアハンドル50>
図6(a)、(b)に示すように、ドアハンドル50の配置に際しては、最初に、設計に用いられるドアハンドル50の型式などの設計基本データが端末装置10に入力される。そして、設計パラメータであるドアハンドル50の取付位置を複数用いることや、ドア22におけるドアハンドル50が取り付けられる部位の凹部56の深さを複数用いることにより、ドアハンドル50の複数の配置の自動設計が行なわれる。
【0025】
このようにしてドアハンドル50の複数の配置の自動設計が行なわれると、自動設計された結果として、
図6(b)に示すように、水平方向に対するドアハンドル50の傾斜角度αがそれぞれ導出される。
【0026】
そして、各導出結果に対して、上記傾斜角度αが第1の所定角度αth1以上であり、第2の所定角度αth2以下である(αth1≦α≦αth2)という設計目標条件を満足しているか否かが判断される。
【0027】
また、
図7に示すように、自動設計された結果として、ドアハンドル50の支持部52とドア22内部のフレーム54との間の距離M5が導出される。また、フレーム54とキーシリンダシャフト58との間の距離M6が導出される。
【0028】
そして、各導出結果に対して、上記距離M5が所定値M5th以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。また、上記距離M6が所定値M6th以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。
【0029】
<ドアロック装置60>
図8に示すように、ドアロック装置60の配置に際しては、最初に、設計に用いられるドアロック装置60の型式や、ドアロック装置60と設計上の相互依存関係を有するドアヒンジ40及びドアハンドル50の型式などの設計基本データが端末装置10に入力される。また、設計基本データとしては、ドアヒンジ40の回動中心軸Aと後述するドアロック装置60がストライカ68に係合する係合位置との距離であるドア長さΔLがある。そして、設計パラメータであるドアロック装置60の取付位置を複数用いることにより、ドアロック装置60の複数の配置の自動設計が行なわれる。具体的には、
図8に示すように、ドアハンドル50のキーシリンダシャフト58の長さM7が所定値M7thとなるようなドアロック装置60の位置が用いられる。
【0030】
このようにして複数のドアロック装置60の配置の自動設計が行なわれると、自動設計された結果として、
図9に示すように、フレーム54の後端とドアロック装置60との前後方向における距離M8がそれぞれ導出される。また、フレーム54の後端とドアロック装置60との車幅方向における距離M9がそれぞれ導出される。
【0031】
そして、各導出結果に対して、上記距離M8が所定値M8th以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。また、上記距離M9が所定値M9th以上であるという設計目標条件を満足しているか否かが判断される。
【0032】
次に、端末装置10を通じて行なわれるドア構成部品の配置の手順について説明する。
図10に示すように、この一連の処理では、まず、図示しないデータサーバに記憶されている車両の仕様データ、及び車両20の意匠データが読み込まれるとともに、キーボードなどの入力手段を通じてドア構成部品(ドアヒンジ40、ドアハンドル50、・・・)の基本仕様データが端末装置10に入力される(ステップS11)。そして、次に、ドア構成部品にそれぞれ対応する複数の設計パラメータを用いて、全てのドア構成部品が含まれるドア22全体についてドア構成部品の配置の自動設計が行なわれる(ステップS12)。そして、次に、自動設計された結果が当該ドア構成部品にそれぞれ対応する設計目標条件を満足しているか否かが一度に判断される(ステップS13)。そして、判断結果が出力され(ステップS14)、この一連の処理が終了される。
【0033】
このように、ドア22全体について、自動設計された結果がそれらに対応する設計目標条件を満足しているか否かの判断が一度に行なわれることで、それらの判断結果を表示装置12に一度に出力することができる。従って、設計者は、上記判断結果の一覧表などに基づいて、各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせを短時間で把握することができる。
【0034】
なお、各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせを把握する方法としては、全ての設計目標条件のうち満足されている条件の率が最も大きくなる設計パラメータの組み合わせを選択するようにすることができる。またこの場合、設計目標条件に対して重要度に応じて重み付けをするようにしてもよい。
【0035】
こうしてドア構成部品の配置の自動設計及び各設計目標条件の成立率に関する評価が完了すると、各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせに基づいて、ドア開口部21の作図、ドアパネル31の作図、及びドア22全体の作図が順に行なわれる(
図2のステップS2〜S4参照)。なお、これらの作図作業は設計者によって端末装置10などを用いて手動にて行なわれるが、当該作図作業を端末装置10により制御プログラムに従って自動的に行なわせるようにすることもできる。
【0036】
さて、ドア22全体の作図が完了すると、本実施形態においては、ドア22の画像が例えば以下のように表示装置12のディスプレイに表示される。
すなわち、ディスプレイには、
図11に示すように、ドア22の側面図と、ドア22の正面図の一部とが実線にて表示される。また、一対のドアヒンジ40及びドアロック装置60などのドア構成部品の一部が破線にて表示される。
【0037】
ここで、ヒンジピッチΔXに対応する位置には、前記各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせにおけるヒンジピッチΔXの数値(例えば、a:410mm)が、上側のドアヒンジ40の上端と下側のドアヒンジ40の下端との間に延びる矢印と共に表示される。この数値の下側には、前記各設計目標条件の成立性が2番目、3番目に高い設計パラメータの組み合わせにおけるヒンジピッチΔXの数値(例えば、b:430mm、c:420mm)が参考値としてそれぞれ表示される。また、ヒンジピッチΔXの推奨範囲の下限値(この場合、≧400mm:OK)が表示される。
【0038】
ドア長さΔLに対応する位置には、前記各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせにおけるドア長さΔLの数値(例えば、a:1000mm)が矢印と共に表示される。この数値の下側には、前記各設計目標条件の成立性が2番目、3番目に高い設計パラメータの組み合わせにおけるドア長さΔLの数値(例えば、b:990mm,c:980mm)が参考値としてそれぞれ表示される。また、ドア長さΔLの推奨範囲の下限値(この場合、≧900mm:OK)が表示される。
【0039】
地上面とドアハンドル50との間の距離であるハンドル高さΔHに対応する位置には、前記各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせにおけるハンドル高さΔHの数値や前記各設計目標条件の成立性が2番目、3番目に高い設計パラメータの組み合わせにおけるハンドル高さΔHの数値などが矢印と共に表示される(図示略)。
【0040】
この他にも、ドア構成部品の配置に関する設計パラメータが必要に応じて表示される。
また、ディスプレイには、
図12に示すように、当該設計対象車両(車種X)において、前記各設計目標条件の成立率が高い上位3つの設計パラメータの組み合わせにおける各設計パラメータの数値(成立率が高い順に、a:・・・,b:・・・,c:・・・)と、それらの推奨範囲の上限値又は下限値とをまとめた表が表示される。この表には、既存車両(車種A,B,C)における各設計パラメータの数値が車種と共に参考値として表示される。
【0041】
また、ディスプレイには、
図13に示すように、
図12に示される表のデータに基づいてドア長さΔLとヒンジピッチΔXとの関係を示すグラフが表示される。このグラフには、当該設計対象車両における上記関係に加えて、既存車両における上記関係が車種と共に参考値として表示される。なお、同図において、網掛けされた領域はヒンジピッチΔXの推奨範囲外を示している。
【0042】
以上説明した本実施形態に係る設計支援システムによれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)端末装置10は、ドア構成部品(設計対象要素)にそれぞれ対応する設計パラメータを用いてドア22全体について自動設計を行なうものであって、設計上の相互依存関係を有する全てのドア構成部品が含まれるドア22全体について一度に自動設計を行なう自動設計部10bを備える。また、端末装置10は、自動設計された結果が当該ドア構成部品にそれぞれ対応する設計目標条件を満足しているか否かを一度に判断する判断部10cを備える。
【0043】
こうした構成によれば、ドア22全体について、自動設計された結果がそれらに対応する設計目標条件を満足しているか否かの判断が一度に行なわれることで、それらの判断結果を表示装置12に一度に出力することが可能となる。従って、例えば各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせを短時間で把握することができる。よって、ドア22(設計対象部位)の設計の支援を効率的に行なうことができる。
【0044】
(2)設計支援方法は、当該ドア構成部品にそれぞれ対応する設計パラメータを用いてドア22全体について自動設計を行なうものであって、設計上の相互依存関係を有する全てのドア構成部品が含まれるドア22全体について一度に自動設計を行なう自動設計ステップを備える。また、設計支援方法は、自動設計ステップによる自動設計された結果がドア構成部品に対応する設計目標条件を満足しているか否かを一度に判断する判断ステップを備える。また、設計支援方法は、判断ステップによる判断結果を出力する出力ステップを備える。
【0045】
こうしたプログラムによれば、上記効果(1)と同一の効果を奏することができる。
(3)作成されたドア22の画像が表示装置12のディスプレイに表示されるとともに、その表示された画像におけるドア構成部品の設計パラメータに対応する位置に各設計目標条件の成立率が高い上位3つの設計パラメータの組み合わせにおける各設計パラメータ(例えばヒンジピッチΔXなど)の数値が表示される。このため、設計者は設計パラメータの数値とドア22の画像における対象箇所とを同時に把握することができ、当該設計パラメータの数値の妥当性を適切且つ容易に把握することができる。
【0046】
(4)ディスプレイに表示される表には、各設計目標条件の成立率が高い上位3つの設計パラメータの組み合わせにおける各設計パラメータ(例えばヒンジピッチΔXなど)の数値が表示される。また、この表には、既存車両における設計パラメータの数値が表示される。このため、設計者は、当該設計パラメータの数値と既存車両における設計パラメータの数値とを比較することができ、当該設計パラメータの数値の妥当性を適切且つ容易に把握することができる。
【0047】
なお、本発明に係る設計支援システムは、上記実施形態にて例示した構成に限定されるものではなく、これを適宜変更した例えば次のような形態として実施することもできる。
・上記実施形態では、各設計目標条件を最も高いレベルで満たす設計パラメータの組み合わせに基づいて、ドア開口部21の作図、ドアパネル31の作図、及びドア22の作図を行なった。これに加えて、各設計目標条件の成立性が2番目、3番目に高い設計パラメータの組み合わせに基づいて、ドア開口部21の作図、ドアパネル31の作図、及びドア22の作図を行うようにすることもできる。
【0048】
・上記実施形態では、端末装置10を通じて、全ての設計対象要素について一度に自動設計を行なうものについて例示したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、互いに設計上の依存関係を有する2つ以上の設計対象要素について一度に自動設計を行なうものであればよい。
【0049】
・本発明に係る設計対象部位は車両のドア22に限られるものではなく、車両の他の部位に対しても適用することができる。また、本発明は、車両の設計に適用されるものに限られるものではなく、家電製品など車両以外の製品の設計において本発明を適用することもできる。
【0050】
(課題を解決するための手段に関する付記)
上記課題を解決するための手段は、上記実施形態及びその変形例から把握できる技術的思想である以下の(付記項1)〜(付記項3)を含む。
【0051】
(付記項1)
前記判断部は、前記自動設計部により自動設計された結果として当該設計対象要素に関
する設計値を導出し、同設計値と所定値との比較に基づいて前記設計目標条件を満足しているか否かを判断するものである、請求項1
又は請求項2に記載の設計支援システム。
【0052】
(付記項2)
前記自動設計部は、前記設計パラメータとして当該設計対象要素の配置態様に関するパラメータを用いて、当該設計対象要素が含まれる部位の自動設計を行うものであり、前記判断部は、前記設計値として当該設計対象要素と他の要素との間の距離を導出し、同距離と所定値との比較に基づいて前記設計目標条件を満足しているか否かを判断するものである、付記項1に記載の設計支援システム。
【0053】
(付記項3)
前記自動設計部は、前記設計パラメータとして当該設計対象要素の配置態様に関するパラメータを用いて、当該設計対象要素が含まれる部位の自動設計を行うものであり、前記判断部は、前記設計値として当該設計対象要素と他の要素との相対角度を導出し、同相対角度と所定値との比較に基づいて前記設計目標条件を満足しているか否かを判断するものである、付記項1に記載の設計支援システム。