(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供システムの実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報提供装置、情報提供方法、情報提供プログラムおよび情報提供システムが限定されるものではない。
【0010】
[1.情報提供処理]
まず、実施形態に係る情報提供処理について説明する。
図1Aおよび
図1Bは、実施形態に係る情報提供処理の説明図であり、本実施形態においては情報提供システムにより情報提供処理が実行される。
【0011】
図1Aに示すように、情報提供システム1は、情報提供装置2と、情報管理装置4
1、4
2とを備える。情報提供装置2は、例えば、情報提供業者によって管理および運用される。また、情報管理装置4
1、4
2(以下、情報管理装置4と総称する場合がある)はそれぞれ提携企業CA、CB(以下、提携企業Cと総称する場合がある)によって管理および運用される。
【0012】
提携企業Cは、情報提供業者と提携契約を行った事業者であり、例えば、商品やサービスを提供する店舗を有する事業者である。提携企業CAは、店舗A
1、A
2においてそれぞれ商品やサービスを提供する事業者であり、提携企業CBは、店舗B
1、B
2においてそれぞれ商品やサービスを提供する事業者である。なお、提携企業Cは、流通業者に限られず、例えば、コンサートやスポーツなどの興行業者であってもよく、また、ホテル、美容院・理容院、病院、映画館、複合レジャー施設などの商業空間の運営企業などであってもよい。
【0013】
また、
図1Aに示すユーザ端末5
1〜5
6は、提携企業Cの店舗や施設(以下、店舗と総称する)へ来店したり、提携企業Cの店舗で商品やサービスを購入したりするユーザU
1〜U
6が保持するユーザ端末である。以下において、ユーザ端末5
1〜5
6をユーザ端末5と総称する場合があり、ユーザU
1〜U
6をユーザUと総称する場合がある。また、提携企業Cの店舗や施設は、事業所と言い換えることもできる。
【0014】
情報提供装置2は、ユーザ端末5のユーザUに関する情報(以下、ユーザ情報と記載する)を記憶するユーザ情報記憶部を有する。ユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報は、例えば、ユーザUの性別、年齢、住所、ユーザUが利用可能な決済種別を示す情報などを含む。かかるユーザ情報は、ユーザ端末5の識別情報(以下、端末IDと記載する)に関連付けてユーザ情報記憶部に記憶される。
【0015】
また、情報管理装置4
1は、提携企業CAに関する情報である事業者情報を記憶する事業者情報記憶部を有し、情報管理装置4
2は、提携企業CBに関する情報である事業者情報を記憶する事業者情報記憶部を有する。情報提供装置2は、提携企業CA、CBの事業者情報を情報管理装置4
1、4
2から取得し、事業者情報記憶部に記憶する。事業者情報は、例えば、提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別を示す情報などである。
【0016】
提携企業Cに対応する場所には、識別対象が設けられている。例えば、
図1Aに示す店舗A
1には、識別対象6
1が設けられている。また、図示していないが、店舗A
2、B
1、B
2には、識別対象6
2、6
3、6
4が設けられている。以下、識別対象6
1〜6
4を識別対象6と総称する場合がある。
【0017】
識別対象6は、例えば、無線LAN(Local Area Network)、NFC(Near Field Communication)、Bluetooth(登録商標)などの通信を行う無線通信装置の他、一次元バーコードや二次元バーコード(以下、単にバーコードと記載する)などがある。
【0018】
ユーザ端末5は、識別対象6の識別情報(以下、識別対象IDと記載する)を検出し、情報提供装置2へ送信する。ユーザ端末5は、例えば、識別対象6が無線通信装置である場合、無線通信装置から送信される識別対象IDを検出し、情報提供装置2へ送信する。
【0019】
また、ユーザ端末5は、例えば、識別対象6がバーコードである場合、撮像部によって撮像したバーコードをテキスト情報に変換し、かかるテキスト情報の一部または全部を識別対象IDとして検出し、情報提供装置2へ送信する。なお、以下、ユーザUが進入した識別対象IDに対応する場所を、ユーザ進入場所と記載し、識別対象6の識別対象IDを送信したユーザ端末5のユーザUを進入ユーザUと記載する場合がある。
【0020】
情報提供装置2の制御部32は、識別対象6の識別対象IDをユーザ端末5から取得した場合、この識別対象IDに対応する場所に応じた提携企業Cの事業者情報を事業者情報記憶部から取得する。そして、制御部32は、識別対象IDを送信したユーザ端末5に対応するユーザ情報のうち、事業者情報記憶部から取得した事業者情報に応じた情報をユーザ情報記憶部から取得する。
【0021】
例えば、識別対象IDに対応する場所に応じた提携企業Cの事業者情報が提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別を示す情報であるとする。決済種別は、例えば、クレジットカード決済、コンビニ決済、電子マネー決済などの種別を含み、また、決済種別は、クレジットカード決済の種別(例えば、クレジットカードの国際ブランド)を含む。
【0022】
この場合、制御部32は、識別対象IDを送信したユーザ端末5に対応するユーザ情報のうち、提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別に対応する情報として、ユーザUが利用可能な決済種別のうち提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別と一致する情報を取得する。これにより、制御部32は、識別対象IDを送信したユーザ端末5のユーザUが利用可能な決済種別のうち、提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別を示す情報を取得することができる。
【0023】
例えば、識別対象IDに対応する場所に応じた提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別が、クレジットカード決済であり、クレジットカードの国際ブランドがブランドA1、A
3、A4、A5であるとする。また、識別対象IDを送信したユーザ端末5のユーザUが利用可能な決済種別が、クレジットカード決済であり、クレジットカードの国際ブランドがブランドA1、A2、A3であるとする。この場合、制御部32は、国際ブランドA1、A3のクレジットカード決済を示す情報を取得する。
【0024】
制御部32は、このように取得した情報に基づいて、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に情報提供を行う。例えば、制御部32は、取得した情報に基づいてユーザ端末5で表示するための情報を生成し、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に提供する。これにより、ユーザ端末5は、例えば、ユーザUが利用可能な決済種別のうち、ユーザUが進入した提携企業Cの店舗で利用可能な決済種別を示す情報を表示することができる。
【0025】
また、制御部32は、取得された情報に基づいてユーザ端末5が有する決済機能を起動する情報を生成し、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に提供することができる。これにより、ユーザ端末5が決済機能を有する場合に、ユーザ端末5が決済機能をユーザ進入場所において動的に起動することができる。なお、ユーザ端末5の決済機能は、例えば、店舗側の装置との間で、電子マネー決済やクレジットカード決済を行う機能である。
【0026】
ここで、ユーザ端末5
1のユーザU
1が店舗A
1に来店した場合に行われる処理の一例について、
図1Bを参照して説明する。
【0027】
ユーザ端末5
1のユーザU
1が店舗A
1に来店した場合、ユーザ端末5
1は、店舗A
1に設置された識別対象6
1から識別対象6
1の識別対象IDを取得する(ステップS1)。ユーザ端末5
1は、取得した識別対象6
1の識別対象IDとユーザ端末5
1の端末IDとを含む検出情報を通信ネットワークを介して情報提供装置2へ送信する(ステップS2)。
【0028】
情報提供装置2の制御部32は、ユーザ端末5
1から検出情報を取得した場合、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する事業者情報を事業者情報記憶部から取得する(ステップS3)。また、制御部32は、ユーザ情報記憶部に記憶されたユーザ情報であって検出情報に含まれる端末IDに対応するユーザ情報のうち、ステップS3で取得した事業者情報に対応する情報を取得する(ステップS4)。
【0029】
制御部32は、ステップS4において取得された情報に基づいて、識別対象IDを検出したユーザ端末5
1に提供情報を生成し(ステップS5)、かかる提供情報をユーザ端末5
1へ送信する(ステップS6)。ユーザ端末5
1の制御部は、情報提供装置2から送信される提供情報に基づく処理を行う(ステップS7)。
【0030】
これにより、ユーザ端末5
1は、例えば、進入ユーザU
1のユーザ情報のうち店舗A
1の事業者情報に対応する情報を表示することができ、したがって、進入ユーザU
1に対し、店舗A
1に応じたユーザ情報を通知することができる。このように、実施形態に係る情報提供処理は、事業者に対応する場所に応じてユーザUに適した情報を提供することができる。
【0031】
[2.情報提供システム1の構成]
図2を用いて、実施形態に係る情報提供システム1の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報提供システム1の構成例を示す図である。
【0032】
図2に示すように、情報提供システム1は、情報提供装置2と、情報管理装置4
1、4
2と、ユーザ端末5
1〜5
6と、識別対象6
1〜6
4と、サイトサーバ8とを備える。
【0033】
情報提供装置2、情報管理装置4、ユーザ端末5
1〜5
6およびサイトサーバ8は、通信ネットワーク9を介して相互に通信可能に接続される。通信ネットワーク9は、例えば、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0034】
図2に示す例では、2つの提携企業CA、CBを例に挙げているが、提携企業Cの数は、1つでもよく、また、3つ以上であってもよい。また、識別対象6は、提携企業Cの店舗毎に1つ以上設置される。
図2に示す例では、識別対象6
1、6
2は、提携企業CAの店舗A
1、A
2に設置され、識別対象6
3、6
4は、提携企業CBの店舗B
1、B
2に設置される。
【0035】
ユーザ端末5は、スマートフォンやPC(Personal Computer)などのように、例えば、無線WAN通信機能を有する端末装置であり、無線WAN基地局(図示せず)との間で通信が可能である。なお、無線WAN基地局は、通信ネットワーク9に接続される。なお、ユーザ端末5は、無線通信に代えて有線通信により通信ネットワーク9に接続されるものであってもよい。
【0036】
識別対象6は、例えば、無線LAN、NFC、Bluetooth(登録商標)などの通信を行う通信装置の他、バーコードや予め定められた目印などのマーカーであってもよい。なお、NFCの通信エリアは、1メートル〜数センチ程度の通信エリアであり、NFCとしては、例えば、Felica、ISO/IEC14443(MIFARE)などがある。
【0037】
また、識別対象6による通信は、電波に限定されるものではなく、例えば、赤外線通信、可視光通信、音波、人体通信、有線などを用いることもできる。人体通信には、例えば、BAN(Body Area Network)などがある。なお、識別対象6は通信ネットワーク9に接続されていなくてもよく、
図2に示す例に限定されない。
【0038】
サイトサーバ8は、情報提供業者によって管理・運営され、通信ネットワーク9経由でのユーザ端末5からのアクセスに対し、例えば、種々のカテゴリのウェブページを通信ネットワーク9経由でユーザ端末5へ提供する。なお、ユーザUのユーザIDは、例えば、サイトサーバ8へのログインIDである。
【0039】
以下、情報提供装置2およびユーザ端末5の順にそれぞれの構成を説明する。
【0040】
[3.情報提供装置2]
図3は、情報提供装置2の構成の一例を示す図である。
図3に示すように情報提供装置2は、通信部30と、記憶部31と、制御部32とを有する。
【0041】
記憶部31は、事業者情報記憶部41と、ユーザ情報記憶部42とを有する。また、制御部32は、情報取得部51と、検出情報取得部52と、事業者情報取得部53と、ユーザ情報取得部54と、情報提供部55とを有する。
【0042】
通信部30は、例えば、NIC(Network Interface Card)等のインタフェイスである。制御部32は、通信部30および通信ネットワーク9を介して、情報管理装置4やユーザ端末5などとの間で各種の情報を送受信する。事業者情報記憶部41およびユーザ情報記憶部42は、例えば、ハードディスク、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子等の記憶装置である。
【0043】
制御部32は、内部のCPUまたはMPUによって内部の記憶装置に記憶されたプログラムがRAMを作業領域として実行されることで、情報取得部51、検出情報取得部52、事業者情報取得部53、ユーザ情報取得部54および情報提供部55として機能する。制御部32の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0044】
[3.1.情報取得部51]
情報取得部51は、複数の提携企業CA、CBがそれぞれ保有する事業者情報を情報管理装置4
1、4
2から取得して事業者情報記憶部41に記憶する。また、情報取得部51は、複数の提携企業CA、CBがそれぞれ保有するユーザ情報を情報管理装置4
1、4
2から取得してユーザ情報記憶部42に記憶する。提携企業CA、CBがそれぞれ保有するユーザ情報は、例えば、後述する購入履歴などである。
【0045】
図4は、事業者情報記憶部41に記憶された事業者情報テーブルの一例を示す図である。
図4に示すように、事業者情報テーブルは、「識別対象ID」、「企業ID」、「事業者情報」および「提供情報の種別」などの情報が関連付けられた情報である。
【0046】
「識別対象ID」は、識別対象6の識別対象IDであり、
図4に示す例では、識別対象6
1、6
2、6
3、6
4の識別対象IDとして「X1」、「X2」、「X3」、「X4」が設定される。「企業ID」は、提携企業Cの識別情報であり、提携企業CA、CBの識別情報は、例えば、「CA」、「CB」である。
【0047】
「事業者情報」は、事業者に対応する事業者情報であり、かかる事業者情報に基づいてユーザ端末5へ情報提供が行われる。
図4に示す例では、識別対象ID「X1」に対応する「事業者情報」は、識別対象ID「X1」に対応する店舗A
1で利用可能な決済種別A1、B2、B3の情報である。
【0048】
また、識別対象ID「X2」に対応する「事業者情報」は、識別対象ID「X2」に対応する店舗A
2で利用可能な決済種別A2、A3の情報である。なお、決済種別A1、A2、A3は、例えば、クレジット決済の種別(例えば、国際ブランド)を示す。また、決済種別B2、B3は、例えば、電子マネー決済の種別を示す。
【0049】
また、識別対象ID「X3」に対応する「事業者情報」は、識別対象ID「X3」に対応する店舗B
1で販売している商品P1、P2、・・・の情報である。識別対象ID「X4」に対応する「事業者情報」は、識別対象ID「X4」に対応する店舗B
2で販売している商品P11、P12、・・・の情報である。
【0050】
なお、「事業者情報」は、決済種別や販売商品の情報に限定されるものではない。例えば、「事業者情報」は、店舗で提供するサービスの情報、店舗への入店の制限(以下、入店制限と記載する)や店舗での商品サービスの購入の制限(以下、購入制限と記載する)を示す情報(例えば、成人専用、女性専用、市内在住専用など)などであってもよい。
【0051】
「提供情報の種別」は、ユーザ端末5へ提供する情報種別を示す情報である。例えば、識別対象ID「X1」、「X3」、「X4」に対応する「提供情報の種別」は、「表示情報」であり、識別対象ID「X2」に対応する「提供情報の種別」は、「起動情報」である。「表示情報」は、ユーザ端末5の表示部に表示するための情報であり、「起動情報」は、ユーザ端末5が有する特定の機能を起動するための情報である。
【0052】
[3.2.検出情報取得部52]
検出情報取得部52は、ユーザ端末5から送信された検出情報を取得し、事業者情報取得部53およびユーザ情報取得部54に出力する。また、検出情報取得部52は、ユーザ端末5から送信された検出情報に基づき、提携ユーザ情報テーブルの行動履歴(例えば、店舗への来店情報など)を更新する。
【0053】
[3.3.事業者情報取得部53]
事業者情報取得部53は、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する場所の事業者の事業者情報を事業者情報記憶部41に記憶された事業者情報テーブルから取得する。
【0054】
事業者情報取得部53は、例えば、検出情報に識別対象ID「X1」が含まれる場合、ユーザ進入場所に対応する店舗A
1で利用可能な決済種別A1、B2、B3の情報を事業者情報として取得する。また、事業者情報取得部53は、例えば、検出情報に識別対象ID「X2」が含まれる場合、ユーザ進入場所に対応する店舗A
2で利用可能な決済種別A2、A3の情報を事業者情報として取得する。
【0055】
また、事業者情報取得部53は、例えば、検出情報に識別対象ID「X3」が含まれる場合、ユーザ進入場所に対応する店舗B
1で販売している商品P1、P2、・・・の情報を事業者情報として取得する。また、事業者情報取得部53は、例えば、検出情報に識別対象ID「X4」が含まれる場合、ユーザ進入場所に対応する店舗B
2で販売している商品P11、P12、・・・の情報を事業者情報として取得する。
【0056】
[3.4.ユーザ情報取得部54]
ユーザ情報取得部54は、ユーザ情報記憶部42に記憶されたユーザ情報であって検出情報に含まれる端末IDに対応するユーザ情報のうち、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する事業者の事業者情報に対応する情報を取得する。
【0057】
図5は、ユーザ情報記憶部42に記憶されたユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザ情報テーブルは、「端末ID」、「ユーザID」、「ユーザ属性」、「購入履歴」、「行動履歴」および「決済情報」などの情報が関連付けられた情報である。
【0058】
「端末ID」は、検出情報を送信したユーザ端末5の識別情報であり、例えば、ユーザ端末5の通信部のMACアドレス、または、ユーザ端末5のアプリケーションプログラムにより割り当てた固有の識別情報である。なお、以下において、ユーザ端末5
1〜5
6の端末IDは、それぞれ「T1」〜「T6」であるとして説明する。
【0059】
「ユーザID」は、情報提供業者によって設定されるユーザUの識別情報であり、例えば、情報提供業者が運営するサイトサーバ8のログインIDである。ユーザ情報記憶部42は、例えば、検出情報に端末ID「T1」が含まれている場合、ユーザIDが「U1」であると判定する。
【0060】
「購入履歴」は、ユーザUによる商品やサービスの購入履歴である。かかる購入履歴は、例えば、情報管理装置4
1、4
2から取得される情報である。「行動履歴」は、ユーザUによる店舗への来店の履歴である。かかる行動履歴は、例えば、検出情報に基づいてユーザ情報テーブルに設定される。
【0061】
「決済情報」は、ユーザUが利用可能な決済に関する情報である。かかる決済情報には、「決済種別」、「優先度」、「配送先」および「選択条件」などの情報が含まれる。「決済種別」は、ユーザUが利用可能な決済種別の情報である。決済種別には、例えば、クレジット決済、電子マネー決済、コンビニ決済などの種別や、それぞれの決済のブランド種別を含む。
【0062】
「優先度」は、ユーザUが利用可能な決済種別の優先度を示す。例えば、ユーザID「U1」のユーザUは、決済種別A1、B2、A3の順に優先度が低くなるように決済種別A1、B2、A3の優先度を割り当てている。
【0063】
「配送先」は、購入した商品などの配送先の情報であり、例えば、ユーザUの自宅の住所や会社の住所である。かかる「配送先」は、「決済種別」に対応して異なる住所を設定することができる。
【0064】
「選択条件」は、決済種別や配送先を選択するための条件である。例えば、
図5に示す例では、取得対象の事業者情報として、端末ID「T2」に対応する決済種別A2、A3、C3のうち、選択条件が企業CAである場合に、決済種別A2、A3が選択され、選択条件が企業CBである場合に、決済種別C3が選択される。なお、事業者情報テーブルには、
図4に示すように、識別対象IDに対して企業IDが関連付けられており、ユーザ情報取得部54は、事業者情報テーブルに基づいて企業Cを特定することができる。
【0065】
かかる「選択条件」は、ユーザ進入場所の事業者に限定されるものではなく、種々の選択条件を設定することができる。例えば、「選択条件」として、ユーザ進入場所で提供される商品やサービスの種類、時間帯、曜日、ユーザ進入場所の地域などを設定することができる。
【0066】
ここで、事業者情報テーブルが
図4に示す状態であり、ユーザ情報テーブルが
図5に示す状態であるとする。また、端末ID「T1」のユーザ端末5が店舗A
1に設けられた識別対象6の識別対象IDを含む検出情報を情報管理装置4へ送信したとする。
【0067】
この場合、ユーザ情報取得部54は、ユーザ情報テーブルに基づき、例えば、店舗A
1で利用可能な決済種別A1、B2、B3の情報のうち、端末ID「T1」のユーザ端末5を有するユーザUが利用可能な決済種別A1、B2の情報を取得する。また、ユーザ情報取得部54は、決済種別A1、B2の優先度や配送先の情報も取得する。
【0068】
また、端末ID「T2」のユーザ端末5が店舗A
2に設けられた識別対象6の識別対象IDを含む検出情報を情報管理装置4へ送信したとする。この場合、ユーザ情報取得部54は、ユーザ情報テーブルに基づき、例えば、店舗A
2で利用可能な決済種別A1、B2、B3の情報のうち、端末ID「T2」のユーザ端末5を有するユーザUが利用可能な決済種別A2の情報を取得する。
【0069】
また、端末ID「T2」のユーザ端末5が店舗B
2に設けられた識別対象6の識別対象IDを含む検出情報を情報管理装置4へ送信したとする。この場合、ユーザ情報取得部54は、ユーザ情報記憶部42に記憶されたユーザ情報に基づき、例えば、店舗B
2で販売している商品P11、P12、P13、・・・の情報のうち、端末ID「T2」のユーザ端末5を有するユーザUが過去に購入した商品P11、P13等の情報を取得する。
【0070】
なお、「事業者情報」が、例えば、店舗への入店制限や購入制限を示す情報である場合、ユーザ情報取得部54は、ユーザ情報記憶部42に記憶されたユーザ情報に基づき、入店制限や購入制限の対象となるユーザ属性の情報を取得する。ユーザ情報取得部54は、例えば、入店制限や購入制限の対象が年齢である場合、ユーザUの年齢の情報を取得し、入店制限や購入制限の対象が性別である場合、ユーザUの性別の情報を取得する。
【0071】
[3.5.情報提供部55]
情報提供部55は、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいて、識別対象IDを検出したユーザ端末5に情報提供を行う。
【0072】
情報提供部55によって行う情報提供の種別は、例えば、事業者情報テーブルに基づいて行われる。例えば、事業者情報テーブルが
図4に示す状態である場合、情報提供部55は、例えば、識別対象ID「X1」を検出したユーザ端末5に対しては、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいて生成した表示情報を送信する。これにより、ユーザ端末5のユーザUは、例えば、ユーザ情報のうち事業者情報に対応する情報を把握することができる。
【0073】
また、情報提供部55は、例えば、識別対象ID「X2」を検出したユーザ端末5に対しては、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいて生成した起動情報を送信する。これにより、ユーザ端末5において、例えば、ユーザ情報のうち事業者情報に対応する情報に応じた機能が起動されることから、ユーザUが事業者情報に対応する機能を起動する手間を省くことができる。
【0074】
なお、「事業者情報」が、例えば、店舗への入店が成人専用である場合、情報提供部55は、例えば、ユーザUの年齢の情報に基づいて、ユーザUが成人と判定すると、入店や購入が可能である旨を表示する表示情報を生成する。一方、情報提供部55は、ユーザUが成人ではないと判定すると、入店や購入が不可である旨を表示する表示情報を生成する。情報提供部55は、生成した表示情報をユーザ端末5へ送信する。
【0075】
また、「事業者情報」が、例えば、店舗への入店が女性専用である場合、情報提供部55は、例えば、ユーザUの性別の情報に基づいて、ユーザUが女性と判定すると、入店や購入が可能である旨を表示する表示情報を生成する。一方、情報提供部55は、ユーザUが男性ではないと判定すると、入店や購入が不可である旨を表示する表示情報を生成する。情報提供部55は、生成した表示情報をユーザ端末5へ送信する。
【0076】
[4.ユーザ端末5]
次に、ユーザ端末5の構成について説明する。
図6は、ユーザ端末5の構成例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ端末5は、第1無線通信部20と、第2無線通信部21と、撮像部22と、表示部23と、操作部24と、記憶部25と、制御部26とを有する。
【0077】
第1無線通信部20は、識別対象6との間で情報の送受信を行う通信インタフェイスである。第2無線通信部21は、無線WAN基地局(図示せず)との間で情報の送受信を行う通信インタフェイスである。無線WAN基地局は、例えば、公衆電話通信網の無線基地局や公衆データ通信網の無線基地局である。
【0078】
撮像部22は、CCD(Charge Coupled Devices)イメージセンサ、CMOS(Complementary MOS)イメージセンサなどを有する。撮像部22は、ユーザ端末5の周囲を撮像し、撮像画像データを制御部26へ出力する。
【0079】
表示部23は、タッチパネル式のディスプレイである。ユーザ端末5のユーザUは、表示部23の画面上を指などで操作することで、表示部23に表示された操作画面に対する操作が可能である。かかる表示部23は、例えば、小型のLCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイである。
【0080】
操作部24は、文字、数字およびスペースを入力するためのキー、エンターキーおよび矢印キーなどを含むキーボードや、電源ボタンなどを有する。
【0081】
記憶部25は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク等の記憶装置である。かかる記憶部25は各種プログラムが記憶される。記憶部25に記憶されるプログラムは、例えば、OS(Operating System)、情報提供装置2から取得されたアプリケーションプログラムなどである。
【0082】
また、ユーザ端末5は不図示の読取装置を備えており、制御部26は、読取装置を経由して記録媒体に記録されているアプリケーションプログラムを読み込んで記憶部25に記憶することもできる。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0083】
制御部26は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。また、制御部26は、例えば、CPUやMPU等によって、記憶部25に記憶されているプログラムが図示しない内部RAMを作業領域として実行されることにより後述する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0084】
具体的には、制御部26は、記憶部25に記憶されているアプリケーションプログラムを実行することによって、情報取得部61、情報送信部62、表示制御部63および決済処理部64として機能する。なお、制御部26の構成は、かかる構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0085】
情報取得部61は、識別対象6の識別対象IDを取得する。具体的には、情報取得部61は、識別対象6から出力される識別対象6の識別情報を、第1無線通信部20を介して取得する。
【0086】
識別対象6が無線LANアクセスポイントの場合、識別対象6の識別対象IDは、例えば、無線LANアクセスポイントのESS−ID(Extended Service Set Identifier)またはBSS−ID(Basic Service Set Identifier)である。また、識別対象6がBluetooth(登録商標)の通信を行う装置である場合、識別対象6の識別対象IDは、例えば、UUID(Universally Unique Identifier)である。また、識別対象6がNFC装置の場合、識別対象6の識別対象IDは、例えば、NFC装置のIDである。
【0087】
また、識別対象6がバーコードの場合、情報取得部61は、撮像部22から出力されるバーコードの撮像画像データをテキスト情報に変換し、かかるテキスト情報を識別対象6の識別対象IDとして取得する。また、情報取得部61は、識別対象6の撮像画像から識別される所定の画像情報(例えば、識別対象6の撮像画像全体または一部)を識別対象6の識別対象IDとすることもできる。
【0088】
また、情報取得部61は、情報送信部62による検出情報の送信に応じて情報提供装置2から送信される提供情報を取得し、記憶部25に記憶する。
【0089】
情報送信部62は、情報取得部61によって取得された識別対象IDと記憶部25に記憶されている端末IDとを含む検出情報を、第1無線通信部20または第2無線通信部21を介して情報提供装置2へ送信する。なお、識別対象6が無線通信装置である場合、検出情報には、電波強度の情報を含む。かかる電波強度は、第1無線通信部20によって受信される識別対象6からの無線信号の電波強度である。
【0090】
表示制御部63は、記憶部25に記憶された提供情報や起動情報に応じた情報を表示部23に表示する。例えば、事業者情報テーブルが
図4に示す状態であり、ユーザ情報テーブルが
図5に示す状態であるとする。そして、ユーザ端末5
1が店舗A
1に設けられた識別対象6
1の識別対象IDを含む検出情報を送信した場合、
図7に示すような画面70がユーザ端末5
1の表示部23に表示される。
図7は、ユーザ端末5における表示画面の一例を示す図である。
【0091】
図7に示すように、ユーザ端末5
1の表示部23には、店舗A
1において利用可能な決済種別のうち、ユーザ端末5
1のユーザU
1が利用可能な決済種別の情報が表示される。これにより、ユーザU
1は、店舗A
1において、自己が利用できる決済種別を容易に把握することができる。また、画面70には、配送先の情報も含まれており、これにより、店舗A
1の店員に対し配送先を容易に伝えることができる。
【0092】
また、例えば、ユーザ端末5
2が店舗A
2に設けられた識別対象6
2の識別対象IDを含む検出情報を送信した場合、
図8に示すような画面71がユーザ端末5
2の表示部23に表示される。
図8は、ユーザ端末5における表示画面の一例を示す図である。かかる画面71は、起動情報に基づいて表示され、ユーザUの操作に応じて決済処理が行われる。
【0093】
なお、店舗A
2で利用可能であり、かつ、ユーザ端末5
2のユーザU
2が利用可能な決済種別は、決済種別A2、A3であるが、
図5に示すように、ユーザU
2に対応する決済種別A2の優先度は「1」であり、決済種別A3の優先度は「2」である。そのため、
図8に示すように、決済種別A3が決済種別A2よりも先に表示される。
【0094】
図8に示す画面71において、ユーザ端末5
2のユーザUがチェックボックスにチェックを入れてOKボタン80を操作すると、決済処理部64は、チェックボックスにチェックを入れた決済種別の決済処理を実行する。かかる決済処理は、例えば、店舗に設置された決済装置との間で第2無線通信部21を介した無線通信によってデータのやり取りを行うことによって行われる。また、決済処理部64は、決済処理において、情報提供装置2から送信される配送先の情報を、第2無線通信部21を介して店舗に設置された装置へ送信することもできる。
【0095】
また、例えば、ユーザ端末5
2が店舗B
2に設けられた識別対象6
4の識別対象IDを含む検出情報を送信した場合、
図9に示すような画面72がユーザ端末5
2の表示部23に表示される。
図9は、ユーザ端末5における表示画面の一例を示す図である。
【0096】
図9に示すように、ユーザ端末5
2の表示部23には、ユーザ端末5
2のユーザU
2が過去に購入した商品のうち、店舗B
2の販売商品と一致する商品の情報が表示される。これにより、ユーザU
2は、店舗B
2において、例えば、いつも購入している商品が販売されているか否かを容易に確認することができる。
【0097】
上述した情報提供装置2の制御部32の機能の一部または全部は、ユーザ端末2内で機能するようにしてもよい。すなわち、ユーザ端末2の制御部26が、情報取得部51、検出情報取得部52、事業者情報取得部53、ユーザ情報取得部54および情報提供部55のうち1以上の機能を実行することもできる。
【0098】
例えば、情報取得部51は、ユーザ端末2内で動作して、情報提供装置2の事業者情報記憶部41に記憶された事業者情報テーブルまたは事業者情報を情報提供装置2から取得することができる。また、情報取得部51は、取得した事業者情報テーブルまたは事業者情報を記憶部25に記憶することができる。この場合、記憶部25は、例えば、事業者情報記憶部として機能する。
【0099】
また、検出情報取得部52は、ユーザ端末2内で、情報送信部28から検出情報を取得することができる。事業者情報取得部53は、ユーザ端末2内で、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する場所の事業者の事業者情報を記憶部25に記憶された事業者情報テーブルまたは事業者情報から取得することができる。
【0100】
ユーザ情報取得部54は、ユーザ端末2内で動作して、情報提供装置2のユーザ情報記憶部42に記憶されたユーザ情報であって検出情報に含まれる端末IDに対応するユーザ情報のうち、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する事業者の事業者情報に対応する情報を取得することができる。なお、ユーザ情報取得部54は、ユーザ端末2のユーザ情報を情報提供装置2から取得し、記憶部25に記憶しておくことができる。この場合、記憶部25は、例えば、ユーザ情報記憶部として機能する。ユーザ情報取得部54は、検出情報に含まれる端末IDに対応するユーザ情報のうち、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する事業者の事業者情報に対応する情報を記憶部25から取得することができる。
【0101】
情報提供部55は、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいて、ユーザ端末2内で、識別対象IDを検出したユーザ端末5に情報提供を行うことができる。
【0102】
なお、ユーザ情報取得部51、情報取得部51、検出情報取得部52、事業者情報取得部53、ユーザ情報取得部54および情報提供部55の1以上の機能のうち、各機能の一部をユーザ端末2の制御部26が実行することもできる。
【0103】
[5.情報提供システム1の処理]
次に、実施形態に係る情報提供システム1による情報提供処理の手順について説明する。
図10および
図11は、情報提供システム1による情報提供処理フローを説明するための図である。以下においては、
図10を参照して情報提供装置2の情報処理を説明し、
図11を参照してユーザ端末5の情報処理を説明する。
【0104】
[5.1.情報提供装置2の処理]
情報提供装置2の情報処理について説明する。
図10は、実施形態に係る情報提供装置2の情報処理を示すフローチャートである。かかる動作は、情報提供装置2の制御部32によって繰り返し実行される処理である。
【0105】
図10に示すように、制御部32は、通信部30を介して情報管理装置4から提携企業Cの事業者情報を取得したか否かを判定する(ステップS10)。提携企業Cの事業者情報を取得したと判定すると(ステップS10;Yes)、制御部32は、取得した事業者情報を事業者情報記憶部41の事業者情報テーブルに設定し、事業者情報テーブルを更新する(ステップS11)。
【0106】
次に、ステップS10において、提携企業Cの事業者情報を取得していないと判定した場合(ステップS10;No)、または、ステップS11の処理が終了した場合、制御部32は、通信部30を介して情報管理装置4から提携企業CにおけるユーザUの購入履歴の情報を取得したか否かを判定する(ステップS12)。購入履歴の情報を取得したと判定すると(ステップS12;Yes)、制御部32は、取得した購入履歴を事業者情報記憶部41のユーザ情報テーブルに設定し、ユーザ情報テーブルを更新する(ステップS13)。
【0107】
ステップS12において、購入履歴の情報を取得していないと判定した場合(ステップS12;No)、または、ステップS13の処理が終了した場合、制御部32は、通信部30を介してユーザ端末5から送信される検出情報を取得したか否かを判定する(ステップS14)。検出情報を取得したと判定した場合(ステップS14;Yes)、制御部32は、検出情報に含まれる識別対象IDに対応する事業者の事業者情報を取得する(ステップS15)。
【0108】
次に、制御部32は、検出情報に含まれる端末IDに応じたユーザ情報のうち、ステップS15で取得した事業者情報に対応する情報を取得する(ステップS16)。そして、制御部32は、ステップS16で取得した情報に基づき、検出情報を送信したユーザ端末5に情報提供を行う(ステップS17)。
【0109】
検出情報を取得していないと判定した場合(ステップS14;No)、または、ステップS17の処理が終了した場合、制御部32は処理を終了する。
【0110】
[5.2.ユーザ端末5の処理]
次に、実施形態に係るユーザ端末5の情報処理について説明する。
図11は、実施形態に係るユーザ端末5の情報処理の一例を示すフローチャートである。かかる動作は、ユーザ端末5の制御部26によって繰り返し実行される処理である。
【0111】
図11に示すように、ユーザ端末5の制御部26は、ユーザ操作があったか否かを判定する(ステップS20)。かかる処理においてユーザ操作があったと判定すると(ステップS20;Yes)、ユーザ操作に基づいた処理を行う(ステップS21)。
【0112】
ユーザ操作がないと判定すると(ステップS20;No)、制御部26は、識別対象6から識別対象IDを取得したか否かを判定する(ステップS22)。かかる処理において、識別対象IDを取得したと判定すると(ステップS22;Yes)、制御部26は、取得した識別対象IDおよび端末IDを含む検出情報を情報提供装置2へ送信する(ステップS23)。
【0113】
識別対象IDを取得していないと判定すると(ステップS22;No)、制御部26は、情報提供装置2から提供情報を受信したか否かを判定する(ステップS24)。提供情報を受信したと判定した場合(ステップS24;Yes)、制御部26は、受信した情報に応じた処理を行う(ステップS25)。ステップS21、S23、S25の処理が終了した場合、または、ステップS24において、情報を受信していないと判定した場合(ステップS24;No)、制御部26は処理を終了する。
【0114】
[6.変形例]
上述の実施形態では、事業者情報として、店舗や事業者に関する情報を例示して説明したが、事業者情報は、例えば、店舗で提供されるポイントサービスの種別(例えば、ポイントサービスを提供する会社やブランドの種別)であってもよい。この場合、ユーザ情報には、ユーザが利用しているポイントサービスの種別が設定される。これにより、制御部32は、例えば、店舗で利用できるポイントサービスのうち、ユーザが利用しているポイントサービスの種別に応じた表示情報や起動情報をユーザ端末5へ提供することができる。
【0115】
また、制御部32は、ユーザ端末5の行動履歴に基づき、情報提供を行うか否かを判定することもできる。例えば、制御部32は、ユーザUが進入したことがない店舗に設けられた識別対象6の識別対象IDがユーザ端末5から送信された場合にのみ提供情報をユーザ端末5へ送信することができる。また、制御部32は、ユーザUが頻繁に訪れる店舗に設けられた識別対象6の識別対象IDがユーザ端末5から送信された場合にのみ提供情報をユーザ端末5へ送信することができる。
【0116】
[7.ハードウェア構成]
なお、実施形態における、情報提供装置2およびユーザ端末5は、例えば、
図12に示すような構成のコンピュータ100によって実現される。
図12は、情報提供装置2およびユーザ端末5の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【0117】
コンピュータ100は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、HDD(Hard Disk Drive)104、通信インタフェイス(I/F)105、入出力インタフェイス(I/F)106、およびメディアインタフェイス(I/F)107を備える。
【0118】
CPU101は、ROM103またはHDD104に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM103は、コンピュータ100の起動時にCPU101によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ100のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0119】
HDD104は、CPU101によって実行されるプログラムおよび当該プログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インタフェイス105は、通信部30に対応し、通信ネットワーク9を介して他の機器からデータを受信してCPU101へ送り、CPU101が生成したデータを、通信ネットワーク9を介して他の機器へ送信する。
【0120】
CPU101は、入出力インタフェイス106を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU101は、入出力インタフェイス106を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU101は、生成したデータを、入出力インタフェイス106を介して出力装置へ出力する。
【0121】
メディアインタフェイス107は、記録媒体108に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM102を介してCPU101に提供する。CPU101は、当該プログラムを、メディアインタフェイス107を介して記録媒体108からRAM102上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体108は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0122】
コンピュータ100が情報提供装置2として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部32の各機能を実現する。また、HDD104は、記憶部31の機能を実現する。また、コンピュータ100がユーザ端末5として機能する場合、コンピュータ100のCPU101は、RAM102上にロードされたプログラムを実行することにより制御部26の各機能を実現する。また、HDD104は、記憶部25の機能を実現する。
【0123】
コンピュータ100のCPU101は、これらのプログラムを、記録媒体108から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から、通信ネットワーク9を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0124】
[8.効果]
実施形態にかかる情報提供装置2は、事業者情報記憶部41と、ユーザ情報記憶部42と、検出情報取得部52と、事業者情報取得部53と、ユーザ情報取得部54と、情報提供部とを備える。事業者情報記憶部41は、事業者(例えば、提携企業C)に関する情報である事業者情報を記憶する。ユーザ情報記憶部42は、ユーザ端末5のユーザに関する情報であるユーザ情報を記憶する。検出情報取得部52は、事業者に対応する場所に設けられた識別対象の情報を検出したユーザ端末5から、識別対象6の情報を取得する。事業者情報取得部53は、ユーザ端末5によって検出された識別対象6の情報に対応する場所の事業者に対応する事業者情報を事業者情報記憶部41から取得する。ユーザ情報取得部54は、ユーザ情報記憶部42に記憶され、かつ、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に対応するユーザ情報のうち、事業者情報取得部53によって取得された事業者情報に対応する情報を取得する。情報提供部55は、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいて、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に情報提供を行う。
【0125】
これにより、事業者に対応する場所に応じてユーザUに適した情報を提供することができる。
【0126】
また、事業者情報には、識別対象6が設けられた場所で利用可能な決済種別を示す情報を含み、ユーザ情報には、ユーザ端末5のユーザUが利用可能な決済種別を示す情報を含む。ユーザ情報取得部54は、ユーザ端末5のユーザUが利用可能な決済種別のうち、識別対象6が設けられた場所で利用可能な決済種別と一致する決済種別の情報を取得する。
【0127】
これにより、ユーザ端末5は、例えば、ユーザUが利用可能な決済種別のうち、ユーザUが進入した事業者の店舗で利用可能な決済種別を示す情報を表示することができる。
【0128】
また、ユーザ情報には、ユーザ端末5のユーザが利用可能な決済種別の選択条件の情報を含む。ユーザ情報取得部54は、ユーザ端末5のユーザが利用可能な決済種別のうち、識別対象6が設けられた場所で利用可能な決済種別と一致し且つ選択条件を満たす決済種別を取得する。
【0129】
これにより、ユーザ端末5は、例えば、ユーザUが利用可能な決済種別のうち、ユーザUが進入した事業者の店舗で利用可能かつ選択条件を満たす決済種別を示す情報を表示することができる。
【0130】
また、情報提供部55は、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいて決済種別をユーザ端末5で表示するための情報を生成し、ユーザ端末5に提供する情報として、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に提供する。
【0131】
これにより、ユーザ端末5は、例えば、ユーザUが利用可能な決済種別のうち、ユーザUが進入した事業者の店舗で利用可能な決済種別を示す情報を表示することができる。
【0132】
また、情報提供部55は、ユーザ情報取得部54によって取得された情報に基づいてユーザ端末5が有する決済機能を起動する情報を生成し、ユーザ端末5に提供する情報として、識別対象6の情報を検出したユーザ端末5に提供する。
【0133】
これにより、例えば、ユーザ端末5が決済機能を有する場合に、ユーザ端末5が決済機能をユーザ進入場所において動的に起動することができる。
【0134】
また、ユーザ情報には、ユーザ端末5のユーザUが利用可能な決済種別に応じた商品配送先の情報を含む。ユーザ情報取得部54は、ユーザ端末5に提供する情報として、さらに、商品配送先の情報を、ユーザ情報記憶部から取得する。
【0135】
これにより、例えば、ユーザUは、ユーザ進入場所の店舗の店員に対し配送先を容易に伝えることができる。
【0136】
[9.その他]
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0137】
上述した情報提供装置2は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。