(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記基材は、石工、セメント、スタッコ、天然石若しくは人工石、セラミック、テラコッタレンガ、石膏ボード、繊維セメント板、若しくは他のセメントを含む生成物、パーティクルボード、木材プラスチック複合材、オリエンテッドストランドボード若しくは木材である、請求項9に記載の使用。
【発明を実施するための形態】
【0008】
用語の定義及び用法
全ての量、比率、及びパーセンテージは、特に記載のない限り、重量である。冠詞「a」、「an」、及び「the」はそれぞれ、明細書の文脈により特に示されない限り、1つ以上を指す。範囲の開示には、範囲それ自体と、その中に包含される任意の数、並びに端点が含まれる。例えば、2.0〜4.0の範囲の開示には、2.0〜4.0の範囲だけでなく、2.1、2.3、3.4、3.5、及び4.0の個々の数、並びにその範囲に包含される任意の他の数も含まれる。更に、例えば2.0〜4.0の範囲の開示には、例えば2.1〜3.5、2.3〜3.4、2.6〜3.7、及び3.8〜4.0の部分集合、並びにその範囲に包含される任意の他の部分集合も含まれる。同様に、マーカッシュ群の開示には、群全体と、その中に包含される任意の個々の要素及び部分集合も含まれる。例えば、マルクーシュグループの水素原子、アルキル基、アリル基、アラルキル基、又はアルカリル基の開示は、個々のアルキルメンバー、アルキル及びアリルのサブグループ、並びにそこに包含される任意の他の個々のメンバー及びサブグループを含む。
【0009】
本発明によるエマルションは、既知のエマルションと比較して低VOCを呈し得ることが判明した。本発明による工程は、次の必要条件を満たす処理を提供することを発見した。
a)風化作用に対して耐久性がある。
b)多孔質基材に著しい浸透を示す。表面の中には交通量により著しい摩耗に露出されるものがある。したがって、表面処理は摩耗によって除去される。したがって、撥水剤のためのいくつかの基準が摩耗試験に含まれる。
c)ASTM D 5095による100g/L未満、好ましくは50g/L未満のVOCレベルを有する
d)高度の水の締め出しを提供し、したがって、鉄鉄筋コンクリートの場合、腐食を引き起こす可能性がある塩化物イオンの進入を効率的に防ぐ。
【0010】
n−オクチルトリエトキシシラン等のアルキルアルコキシシランは、これらの必要条件の大半を満たすが、基材との反応中にアルコールを放出するので、高VOCの生成物である。例えば、n−オクチルトリエトキシシランは、例えば、水性シリコーン撥水剤の活性としてコンクリート保護によく使用され、>300g/Lを超えるVOCを有する。
【0011】
これらの必要条件を満たすために、鉄筋コンクリート用の低VOCの撥水剤エマルションの可能性としての活性は、コンクリート材の細孔に深く浸透できるように小さな分子の大きさであり、耐久性を有するために基材に化学的に反応、又はそれ自体で架橋が可能で、高いpHで分解に強いと同時に不揮発性であるべきである。しかしながら、不揮発性であることは、活性化合物がある分子量を超えなくてはならないことを意味する。必要条件のうちのいくつかは、したがって相矛盾する。
【0012】
構造(I)によるオルガノシロキサンはこれらの必要条件を満たす。
・好ましくは、Rはメチル基である。
・好ましくは、b≧a/2である。
・好ましくは、(a+b)>6である。
・より好ましくは、(a+b)≧8である。
・好ましくは、本発明による組成物はASTM D 5095による100g/L未満の揮発性有機成分を有する。
・より好ましくは、組成物はASTM D 5095による50g/L未満の揮発性有機成分を有する。
・好ましくは、未反応アルケン及びアルケンの異性化生成物は、乳化に先立ってシロキサン共重合体から除去される。これによって、アルケンが実質的に存在しない、例えば、アルケン含有量0.1重量%未満の組成物が得られる。
【0013】
本発明はまた、上述で定義した組成物で基材を処理することによって基材の撥水性を改善する工程も提供する。
【0014】
別の実施形態では、出発物質に又は基材の製造中に組成物を含めることで、基材の撥水性が改善される。
【0015】
好ましくは、基材は、コンクリート、特に鉄筋コンクリート、石工、セメント、スタッコ、天然石若しくは人工石、セラミック、テラコッタレンガ、石膏ボード、繊維セメント板、若しくは他のセメントを含む生成物、パーティクルボード、木材プラスチック複合材、オリエンテッドストランドボード若しくは木材である。
【0016】
他の成分が組成物全体のVOCレベルを著しく悪化させないことを条件に、組成物はシロキサン共重合体以外の成分を含んでもよい。例えば、シラン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)又はシリコーン樹脂を組成物に加えることができる。(I)によるシロキサン共重合体はそれ自体で、又はVOC免除溶剤の中で使用することができるが、使いやすさ及び環境面での優位性のため、水性生成物が好まれる。
【0017】
本発明は、次のようにエマルションを調製する工程を提供する。
1)以下を化合させる、
i)水
ii)下式からなる基から選択した式を有するシロキサン共重合体であって、
【化2】
式中、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、aは1〜12の値を有し、R’は6〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、bは少なくとも2の値を有し、(a+b)は少なくとも5である、シロキサン共重合体、
iii)界面活性剤
2)化合させた構成成分を均質化してエマルションを形成する、
3)任意に追加の水と追加の成分とを混合する。
【0018】
シロキサン共重合体は、アルケンをケイ素水素基含有の直鎖状シロキサンと反応させて得ることができ、有効な低VOCの撥水剤活性化合物が得られる。揮発性である任意の未反応の反応物質を反応生成物から取り除くことが重要であること、更に、アルケンの直鎖状シロキサンに対する最小比が必要であることを発見した。更に、アルケンの鎖長は、低VOCの成分を得るために短すぎるべきでなく、多孔質基材への良好な浸透を可能にするために長すぎるべきでない。
【0019】
好ましくは、アルケンは、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ドデセン、又は1−イソオクテンである。
4)好ましくは、アルケンとSiH基とのモル比は少なくとも0.2:1である。
5)好ましくは、アルケンとSiH基とのモル比は少なくとも0.25:1である。
【0020】
分散油相が式(I)のオルガノシロキサンである水性エマルションは、多くの異なる方法、例えば、オルガノシランを乳化剤とブレンドし、水中にその配合物を分散させることで、調製することができる。式(I)のオルガノシロキサンは、乳化される前又は乳化される間に、部分的に又は完全に水で加水分解され対応するシラノールとなる。これはVOCを増加させない。
【0021】
乳化剤は、水性エマルションを安定化させる能力を有する、界面活性剤、あるいは界面活性剤の混合物である。界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、又は界面活性剤混合物であり得る。非イオン性界面活性剤及びアニオン性界面活性剤は、組み合わせて典型的に使用される。2つ以上の非イオン性界面活性剤を含有する混合物が好ましい。
【0022】
好適な非イオン性界面活性剤の代表的な例としては、エチレンオキシドと長鎖脂肪アルコール又は脂肪酸(例えば、C 12〜16アルコール)との縮合物、エチレンオキシドとアミン又はアミドとの縮合物、エチレン及びプロピレンオキシドの縮合生成物、グリセロール、ショ糖、ソルビトールのエステル、脂肪酸アルキロールアミド、ショ糖エステル、並びに脂肪族アミンオキシドが挙げられる。シリコーン界面活性剤及びフルオロ界面活性剤も使用することができる。市販されている好適な非イオン性界面活性剤の代表的な例としては、Croda(Edison,New Jersey)から商標名BRIJで販売されるポリオキシエチレン脂肪族アルコールが挙げられる。いくつかの例は、ポリオキシエチレン(23)ラウリルエーテルとして知られるエトキシ化アルコール、BRIJ L23、及び別のエトキシ化アルコールポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルとして知られるBRIJ L4である。別の非イオン性界面活性剤としては、The Dow Chemical Company(Midland,Michigan)からTERGITOL(登録商標)15−S−5、TERGITOL(登録商標)15−S−12、TERGITOL(登録商標)15−S−15、及びTERGITOL(登録商標)15−S−40を含む商標名TERGITOL(登録商標)で販売されるエトキシ化アルコールが挙げられる。シリコーン界面活性剤の例としては、Dow Corning(登録商標)Q2−5247 Fluid、及びDow Corning(登録商標)Q2−5211 Superwetting Agent等のDow Corning Corporation(Mildand,Michigan)から商標名Dow Corningで販売されるシリコーンポリエーテルが挙げられる。界面活性剤の混合物が使用される場合、組み合わせた有効親水性親油性バランス(HLB)が9〜20の範囲内、好ましくは10〜18にあるように、混合物の少なくとも1つの界面活性剤が低いHLB、例えば、12未満を有し、残りが12以上の高いHLBを有することは有利である。
【0023】
好適なアニオン性界面活性剤の代表的な例としては、高級脂肪酸のアルカリ金属石鹸、スルホン酸アルキルアリール(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)、硫酸長鎖高級アルコール、硫酸オレフィン及びスルホン酸オレフィン、硫酸化モノグリセリド、硫酸化エステル、スルホン化エトキシ化アルコール、スルホコハク酸、アルカンスルホン酸、リン酸エステル、イセチオン酸アルキル、タウリン酸アルキル、及びサルコシン酸アルキルが挙げられる。
【0024】
好適なカチオン性界面活性剤の代表的な例としては、アルキルアミン塩、四級アンモニウム塩、スルホニウム塩、及びホスホニウム塩が挙げられる。好適な両性界面活性剤の代表的な例としては、イミダゾリン化合物、アルキルアミノ酸塩、及びベタインが挙げられる。
【0025】
乳化剤は、オルガノシロキサンの重量を基として、0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜10重量%で使用することができる。最適な安定性のためには、この水相は弱酸性pH、例えばpH 4〜pH 6.5であるべきである。緩衝液を使用して、望ましいpHを安定化させることができる。そのような水中油型エマルション中の、本発明によるオルガノシロキサンの濃度は、合計組成物の重量に対して、1〜85重量%、あるいは5〜80重量%であるが、より好ましくは10〜80重量%である。ポリジメチルシロキサンなどの二次疎水化剤がエマルション中に存在する場合オルガノシロキサンと二次疎水化剤を合わせた合計濃度は、例えば、合計組成物の重量の約1〜99重量%であり得る。そのような水中油型エマルション中の乳化剤濃度は、例えば、合計組成物の重量の0.1〜20重量%であり得る。水は、例えば、合計組成物の重量に対して、0.5〜89.5重量%で存在し得る。それぞれの例において%値で言及する場合、その合計存在量は100%であり、エマルションの残り部分は他の成分、典型的には水と界面活性剤及び所望による添加剤で、100%の値を成す。
【0026】
本発明によるオルガノシロキサンのエマルションは、シリコーンエマルションにおいて知られているさまざまな添加剤を含んでいてよく、例えば、充填剤、着色剤(例えば染料又は色素)、熱安定剤、難燃剤、紫外線安定剤、抗真菌剤、殺生物剤、濃厚剤、保存料、消泡剤、冷凍解凍安定剤、又はpH緩衝のための無機塩を含み得る。このような材料は、オルガノシロキサンの乳化前又は後に、オルガノシランに添加することができる。
【0027】
エマルションは、ゲル又はクリームの形態で調製することができる。これは、エマルション中に、ベントナイト又はモンモリロナイトなどの濃厚剤を使用することによって、又は、エマルション中に60%〜85%を超えるオルガノシロキサンの活性成分を持たせることによって、達成することができる。高濃度のオルガノシラン成分を含むそのようなクリームは、オルガノシロキサンの一部を乳化剤全部及び水全部と混ぜて移動性の水性エマルションを調製し、次に残るオルガノシロキサンをそのエマルション中に入れ、コロイドミル、高速ステーターとローター攪拌棒、又は加圧乳化装置を用いて、混合することによって形成することができる。
【0028】
好ましい実施形態では、撥水性組成物は、シロキサン共重合体に加えて、VOCレベルが必要の値を超えて上昇しないという推定の下で、有機オイル、ワックス、アルキルシラン等の疎水性を提供することができる他の構成成分を含む。
【0029】
好ましい実施形態では、撥水性組成物はシロキサン共重合体のほかに、VOCレベルを好ましくは著しく影響を及ぼさない、例えば、ポリシロキサン又はシリコーン樹脂等の他の構成成分を含む。
【0030】
本発明は、完成基材に組成物を塗布することによって基材の撥水性を改善する組成物の使用を包含する。変形では、基材の製造中に又は製造前に出発物質に組成物を含めることによって基材の撥水性を改善するために使用される。
【実施例】
【0031】
これらの実施例は、本発明を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。
【0032】
揮発性有機成分VOC
米国及び他の諸国のEnvironmental Protection Agency及び多数の地方当局が規定する質量/容積(すなわち、グラム/リットル)の点からのVOCの表現であるため、規制目的の揮発性有機(化合物)成分(VOC)の測定は幾分複雑である。したがって、VOCの計算は、個々の構成成分の密度の測定、免除構成成分の考慮、水性配合物では水を要因として計算から除くことが含まれ得る。しかしながら、活性成分若しくは混合物のVOC、又はその活性成分若しくは混合物のエマルションのVOCは、有効構成成分の揮発性成分にやはり主として依存する。本発明では、揮発性成分は、反応を補助するために酸触媒(p−トルエンスルホン酸)を組み入れ、試液をオーブンに入れる前に反応を生じさせるために室温誘導時間も加える方法ASTM 5095「Standard Test Method for Determination of the Nonvolatile Content(NVC)in Silanes,Siloxanes and Silane−Siloxane Blends Used in Masonry Water Repellent Treatments」で測定する。次に、VOCがEPA方法24によって、次の式で計算される。
VOC={100−NVC%−水%−免除溶剤%)
*生成物の密度(g/mL}/{1−(コーティングの密度(g/L)
*水%)/(水の密度
*100)−(コーティングの密度(g/mL)
*免除溶剤%)/(免除溶剤の密度
*100)}
【0033】
浸透の深さDOP
処理を標準状態で少なくとも7日間硬化させた後、浸透の深さを調べた。この試験用に、処理した基材をノミで砕き割り、割った表面に水性インク又は水溶性染料溶液を塗布した。処理した部分の基材をインク溶液で濡らすことなく処理していないコアを着色する。処理した表面までそのようにして得た線の距離を定規で測定する。
【0034】
水の締め出し
処理したコンクリート(又はモルタル)のブロックの経時的な吸水率を、定義された期間中、組積材料の表面(露出表面5cm
2)によって吸収された水の量を測定することを目的とする、RILEM(Reunion Internationale des Laboratoires d’Essais et de Recherches sur les Materiaux et les Constructions)試験II.4(水平バージョン)で測定した。様々な経時後の各ブロックの吸水率(ml)を得た。未処理のコンクリートブロックを基準(「ref」)として使用した。
【0035】
水浸漬試験
処理した基材を浸漬状態で吸水に対する抵抗を測定するために、一稜当たりおよそ5cm(一稜当たり2インチ)の好適なコンクリート又はモルタルの立方体に、所望の被覆率、例えば、0.5リットル/平方メートル、又は150平方フィート/ガロン、が得られるように処理した。処理した基材を必要時間硬化させて、乾燥した状態で計量し、次に、基材が完全に覆われるように基材を完全に水中に浸漬した。吸水率は、規定時間に基材を水から取り出して、表面から水を吸取り、ブロックを計量することで測定した。比較を容易にするために、処理していない1組の対照ブロックも含むことができ、その場合吸水率は、処理していない対照(の平均)と比較したパーセント締め出しとして記録される。例えば、未処理の立方体が20重量%の水を吸収し、処理した立方体が2%重量の水を吸収した場合、未処理の対照ブロックと比較して水の締め出しは90%である。
【0036】
(実施例1a及びb)
シロキサン共重合体の合成。
トリメチル末端メチル水素シロキサン(重合度およそ8)を標準白金ヒドロシリル化触媒(塩化白金酸)を使用して100℃で1−オクテンと反応させた。シロキサン68.2%、1−オクテン31.8%の重量比を使用した。未反応1−オクテンを蒸留して除去し、(I)によるシロキサンが、2.26E−5m
2/秒(22.6cst)の粘度(ガラス製細管粘度計によって25℃で得た)で得られた。シロキサンは、ASTMによる測定で10%のVOC成分及び比重0.94を有し、VOC成分が94g/Lであることを意味する。
【0037】
低VOCエマルションの調製、実施例1a
上述のシロキサン240.08gを、以下の手順を用いて、6.00gのBrij LT4、8.42gのBrij LT23、及び脱イオン水345.59gで乳化させた。
1)計量した脱イオン水− 40〜45℃で予め熱し、異なる成分を加える間この温度を保持した。
2)界面活性剤を水に加え、ヘリックスを備えたIKAミキサーでおよそ2分混ぜた。
3)撹拌しながら水/界面活性剤の混合物にシランを加えた。(IKA混合総時間=5分)
4)エマルションをUltra Turaxミキサー(24000rpm)を用いておよそ2分混合した。
5)Rannieホモジナイザーを通してエマルションを通過させ最終粒径を得た(圧力60〜65MPa(600〜650バール))
【0038】
白色エマルションが、Malvern Mastersizer、ボリュームモードで測定し、d(0.1)=0.17μm、d(0.5)=0.29μm、d(0.9)=0.49μmの粒径で得られた。得られたエマルションは<100g/LのVOCを有した。コンクリートブロックを上述のエマルションおよそ200g/m
2活性で処理し、水の締め出しをRilem方法を用いて測定した。
【0039】
【表1】
【0040】
試験は、未処理の基準と比べて処理は吸水率を非常に減少させ、処理は風化作用において安定していたことを示す。
【0041】
モルタル立方体をEN 196−1に準拠して調製し、上述のエマルションに120秒間浸漬させて処理した。立方体を室温で18日間乾燥させ、水に24時間浸漬させて吸水率を測定した。水の取り込みは、未処理の基準7.05%(3つの立方体の平均)と比べて、0.83%(3つの立方体の平均)であった。モルタル立方体のDOPを調べ、3mmであった。
【0042】
低VOCエマルションの調製、実施例1b
上述のシロキサン60.00g、及びヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン15.01g(25℃で粘度70mPa.s)を以下の手順を用いて、1.50gのBrij LT4、2.11gのBrij LT23、及び脱イオン水71.4gで乳化させた。
1)計量した脱イオン水− 40〜45℃で予め熱し、異なる成分を加える間この温度を保持した。
2)界面活性剤を水に加え、ヘリックスを備えたIKAミキサーでおよそ2分(mn)混ぜた。
3)撹拌しながら水/界面活性剤の混合物にシランを加えた。(IKA混合総時間=5分(mn))
4)エマルションをUltra Turaxミキサー(24000rpm)を用いておよそ2分(mn)混合した。
【0043】
白色エマルションが得られた。得られたエマルションは<100g/L未満のVOCを有した。
【0044】
モルタル立方体をEN 196−1に準拠して調製し、上述のエマルションに120秒間浸漬させて処理した。立方体を室温で18日間乾燥させ、水に24時間浸漬させて吸水率を測定した。水の取り込みは、未処理の基準の7.05%(3つの立方体の平均)と比べて、0.84%(3つの立方体の平均)であった。モルタル立方体のDOPを調べ、3mmであった。
【0045】
比較例1:
1−オクテンをアルケンとSiH基とのモル比0.5:1を用いてメチル水素直鎖状シロキサン(実施例1のシロキサン)と反応させた。混合物が
ストリッピングされる前に、生成物は、密度20℃で0.913g/mL、及びASTM D5905による15%の揮発性成分を有した。したがって、液体のVOC成分は137.0g/Lであった。
【0046】
(実施例2):
比較例1で説明するように反応混合物を真空
ストリッピングし、生成物は、粘度20℃で47mPas、密度20℃で0.924g/mL、及びASTM D5905による5%の揮発性成分を有した。したがって、液体のVOC成分は49.6g/Lであった。
【0047】
比較例2
1−ヘキセンをアルケンとSiH基とのモル比0.3:1を用いてメチル水素直鎖状シロキサン(実施例1のシロキサン)と反応させた。混合物が
ストリッピングされる前に、生成物は、密度20℃で0.928g/mL、及びASTM D5905による15%の揮発性成分を有した。したがって、液体のVOC成分は139.2g/Lであった。
【0048】
(実施例3):
比較例2で説明するように反応混合物を真空
ストリッピングし、生成物は、粘度20℃で25mPas、密度20℃で0.937g/mL、及びASTM D5905による10%の揮発性成分を有した。したがって、液体のVOC成分は93.7g/Lであった。
【0049】
比較例3:
1−ヘキセンをアルケンとSiH基とのモル比0.5:1を用いてメチル水素直鎖状シロキサン(実施例1のシロキサン)と反応させた。混合物が
ストリッピングされる前に、生成物は、密度20℃で0.885g/mL、及びASTM D5905による13%の揮発性成分を有した。したがって、液体のVOC成分は115.1g/Lであった。
【0050】
(実施例4):
反応混合物を真空
ストリッピングした後、生成物は、粘度20℃で27mPas、密度20℃で0.893g/mL、及びASTM D5905による9%の揮発性成分を有した。したがって、液体のVOC成分は80.4g/Lであった。
【0051】
実施例2〜4からの液体を、実施例1a及びbに示すように乳化させた。