(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
物質供給源から分注される投与回数、または物質供給源に残っている投与回数に対応する前記ディスペンサーの作動の回数を示すための投与量カウンターをさらに備える請求項1から11のいずれか一項に記載のディスペンサー。
前記カウンター駆動装置ガイドは、前記本体部から延在する突起部を備え、前記突起部は前記カウンター駆動装置内の対応する形状の刻み目と連動するような構成および形状を有する請求項14に記載のディスペンサー。
前記接合部材は、1つまたは複数のスロットを備え、前記カウンター駆動装置は、前記接合部材と前記カウンター駆動装置とを結合するために前記接合部材と係合するための1つまたは複数の突起部を備える請求項13から15のいずれか一項に記載のディスペンサー。
前記カウンターは、第1の印を有する第1のリング部材と第2の印を有する第2のリング部材とを備え、前記第1および第2のリング部材の各々は前記縦軸の周りに増分単位で回転可能であり、前記第1および第2の印の一方または両方はカウントを示し、
前記投与量カウンターが、
前記第1のリング部材を前記第2のリング部材に解放可能に結合し、結合されているときに前記第1および第2のリング部材を連動して回転させることができ、結合されていないときに前記第1のリング部材の独立した回転を行わせることができる結合機構をさらに備える請求項13から16のいずれか一項に記載のディスペンサー。
前記第2のリング部材は、複数の実質的に等間隔で並ぶ突起部を備え、前記制限機構は、前記第2のリング部材の前記自由回転を制限するため前記突起部と係合する請求項19または請求項20に記載のディスペンサー。
前記第3のリング部材は、前記第3のリング部材の自由回転を防ぐためカウンターハウジング内の対応する形状の突起部と係合するように上側円周表面に配設された1つまたは複数の位置決め陥凹部を備える請求項18から21のいずれか一項に記載のディスペンサー。
前記カウンター駆動装置ガイドは、前記本体部から延在する突起部を備え、前記突起部は前記カウンター駆動装置内の対応する形状の刻み目と連動するような構成および形状を有する請求項38に記載のディスペンサー。
物質供給源から投与1回分の物質を放出するため前記本体部の縦軸内で移動するように前記本体部内に摺動可能に配置構成された接合部材であって、物質供給源の物質の噴出を受けるためのソケットを備える接合部材を具備する請求項38または請求項39に記載のディスペンサー。
前記接合部材は、1つまたは複数のスロットを備え、前記カウンター駆動装置は、前記接合部材と前記カウンター駆動装置とを結合するために前記接合部材と係合するための1つまたは複数の突起部を備える請求項40に記載のディスペンサー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ディスペンサーおよびカウンターを使用する際に、場合によっては製造公差が性能に影響を及ぼすことが判明している。そのようなものとして、改善されたディスペンサーおよび改善されたカウンターが必要であることが認識されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本方法によれば、物質供給源から投与1回分のガス状、ガス中、または液滴物質を分注するためのディスペンサーが実現され、このディスペンサーは物質供給源を受けるための、マウスピースを有する本体部と、物質供給源から投与1回分の物質を放出するため本体部の縦軸内で移動するように本体部内に摺動可能に配置構成された接合部材であって、物質供給源の物質の噴出を受けるためのソケットを備える接合部材と、物質供給源から投与1回分の物質を放出するため本体部の縦軸内で接合部材を移動するためのディスペンサー駆動装置であって、枢軸と枢軸上に配置構成されたカムとを備え、枢軸の回転がカムの回転を引き起こし、接合部材に力を加えて接合部材を縦軸内で移動するように本体部内に配置構成されているディスペンサー駆動装置と、本体部内に摺動可能に配置構成されたカム従動子であって、カム従動子は基部と基部から延在する実質的に硬質の突起部とを備え、突起部はディスペンサー駆動装置と接合部材との間に、ディスペンサー駆動装置のカムによって突起部に力が加えられたときにカム従動子が本体部の縦軸内で摺動可能に移動し、力を接合部材に加えて物質供給源から投与1回分の物質を放出するように配置構成されているカム従動子とを備える。
【0007】
接合部材とカムとの間にカム従動子を設けることで、薬剤容器からの投与1回分の薬剤の放出を引き起こす本体部内の接合部材の縦方向移動の信頼性を高められる、突起部は、実質的に硬質であるため、カム配置構成が突起部に上方の力を付与するとカム従動子全体が上下縦方向に移動する。以前のバージョン(舌状部が主要本体部分に一端で固定されていた)では、舌状部が固定端で屈曲することになり、舌状部は力が加わると曲がって座屈する傾向を有していた。好ましい実施形態では、突起部は、堅く適所に留まり、その代わりに、カム従動子が主要本体部分のガイド内で摺動可能に移動する。そのようなものとして、これにより、接合部材41の縦方向の動作の信頼性を高めることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、本体部は、縦軸においてカム従動子基部の摺動可能な運動を誘導するためのガイドを備え、ガイドは摺動可能な係合でカム従動子の基部を受ける形状を有する。好ましくは、ガイドは、カム従動子が本体部内で摺動可能であるようにカム従動子基部上の1つまたは複数のガイドレールと連動するように配置構成され適合された1つまたは複数のガイドレールを備える。
【0009】
いくつかの実施形態では、カム従動子は、本体部内の対応する形状を有する突起部と係合するための基部の下側エッジに配設された弾性変形可能クリップをさらに備え、このクリップが突起部と係合すると、カム従動子は、カムによって力がカム従動子に加えられるまで本体部内の縦方向位置に保持される。このようなクリップは、ディスペンサーの製造時に組み立てを補助するが、それは、他のコンポーネントがカム従動子の周りに組み立てられている間にクリップがカム従動子を正しい位置に維持するからである。
【0010】
いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、マウスピース用に枢着された封鎖部をさらに備え、閉鎖部はカバーの枢動がディスペンサー駆動装置の枢軸の回転を引き起こすようにディスペンサー駆動装置に結合される。
【0011】
さらなる実施形態において、ディスペンサーは、物質を含むガスおよび/または液体の放出を制御するため、接合部材とともに組み込まれている呼気作動可能弁であって、この弁は投与1回分の物質を受けるための可撓性チューブを備え、チューブは接合部材ソケットに接続された入口端部から延在し、使用可能状態の位置で弁を閉じるためキンクを形成することができ、弁を開くためにチューブのキンクが戻される解放位置へ移動可能である配置を有し、チューブのキンクを形成し/キンクを戻すため移動可能である出口端部を有する、呼気作動可能弁と、可撓性チューブの出口端部を持ち、可撓性チューブのキンクを形成し/キンクを戻す移動を制御するために接合部材に枢動可能に接続された出口部材であって、チューブは枢動出口部材が使用可能状態の位置にあるときに塞いでしまう程度までキンクを形成され、枢動出口部材が解放位置に移動されたときにキンクを戻される、出口部材とを備える。好ましくは、ディスペンサーは、吸入前に出口部材を使用可能状態の位置に保持するための出口部材上の逆鉤と、接合部材に載せられそこで吸気作用に合わせて配置構成された呼気作動可能フラップであって、フラップは逆鉤と相補的なラッチを有し、フラップはラッチと逆鉤との連携によって可撓性チューブのキンク形成された閉鎖部に対する枢動出口部材を解放可能に受け、ラッチから逆鉤を解放し出口部材の解放位置に移動することによって、チューブのキンクを戻し、吸引後に物質の放出を行うため枢動出口部材を解放するように配置構成されている、呼気作動可能フラップとをさらに備える。
【0012】
これらのさらなる実施形態では、枢動出口部材は、キンクが形成されている場所の圧力から生じる力によって、および/またはキンクが形成されている場所それ自体の弾力の下で移動するように配置構成される。さらに、接合部材、キンクチューブ、および枢動出口部材は、一体型プラスチック材料射出成形のものとすることができ、枢動出口部材は1つまたは複数のリビングヒンジによって接合部材に枢着され、出口部材によって保持される出口ノズルを有する。
【0013】
いくつかの実施形態では、フラップは、接合部材に作用してその部材をフラップが接合部材の上側クラウン部分に載る上方位置に通常は付勢する一体型バネを有する。さらに、フラップは、吸気の作用の下でフラップが移動するときに枢着出口部材に作用してその部材を開位置の方へ付勢するように配置構成された指部を備えることができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、ディスペンサーは、物質供給源から分注される投与回数、または物質供給源に残っている投与回数に対応するディスペンサーの作動の回数を示すための投与量カウンターをさらに備えることができる。
【0015】
好ましくは、投与量カウンターは、印を有するカウンターであって、本体部の縦軸の周りに増分単位で本体内部で回転可能である投与量カウンターと、カウンターを駆動するためのカウンター駆動装置であって、接合部材に結合可能であり、接合部材と縦軸において本体部内で往復運動可能であるように配置構成されるカウンター駆動装置と、カウンターを回転するための駆動機構であって、カウンター駆動装置に結合され、カウンター駆動装置の縦方向移動に応答してカウンターを回転させるように構成された駆動機構とを備える。
【0016】
好ましくは、本体部は、縦軸においてカウンター駆動装置の回転を防ぐために本体部内でカウンター駆動装置を誘導するように構成されたカウンター駆動装置ガイドを備える。好ましくは、カウンター駆動装置ガイドは、本体部から延在する突起部であって、カウンター駆動装置内の対応する形状の刻み目と連動するような構成および形状を有する突起部を備える。
【0017】
カンター駆動装置ガイドは、カウンター駆動装置が縦軸の周りに回転するのを防ぐ。カウンター駆動装置が縦軸の周りに回転するとカンターはカウント間違いをする(すなわち、作動すべきでないときに作動し、作動すべきときに作動しない)ので、カウンター駆動装置ガイドのカウント動作の信頼性を高める。
【0018】
いくつかの実施形態では、接合部材は、1つまたは複数のスロットを備え、カウンター駆動装置は、接合部材とカウンター駆動装置とを結合するために接合部材と係合するための1つまたは複数の突起部を備える。
【0019】
カウンターを備えるディスペンサーの好ましい実施形態では、カウンターは、第1の印を有する第1のリング部材と第2の印を有する第2のリング部材とを備え、前記第1および第2のリング部材の各々は縦軸の周りに増分単位で回転可能であり、前記第1および第2の印の一方または両方はカウントを示し、投与量カウンターは、前記第1のリング部材を前記第2のリング部材に解放可能に結合し、結合されているときに前記第1および第2のリング部材を連動して回転させることができ、結合されていないときに前記第1のリング部材の独立した回転を行わせることができる結合機構をさらに備える。好ましくは、ディスペンサーは、前記縦軸の周りの同軸上に配置構成される第3のリング部材をさらに備える。
【0020】
第3のリング部材を有する実施形態において、第3のリング部材は、前記共通軸の周りの前記第3のリング部材に相対的な前記第2のリング部材の自由回転を制限するための制限機構を備える。好ましくは、制限機構は、前記制限することに関して前記第2のリング部材に圧力を印加するための弾性変形可能部分を備える。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2のリング部材は、複数の実質的に等間隔で並ぶ突起部を備え、前記制限機構は、前記第2のリング部材の前記自由回転を制限するため前記突起部と係合する。
【0022】
第3のリング部材を有する実施形態において、第3のリング部材は、前記第3のリング部材の自由回転を防ぐためカウンターハウジング内の対応する形状の突起部と係合するように上側円周表面に配設された1つまたは複数の位置決め陥凹部を備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1および第2の印は各々、数、色、文字、および記号のうちの1つまたは複数を備える。好ましくは、第1の印は、第1の数列を含み、前記第2の印は、第2および第3の数列を含む。好ましくは、第1の数列は、1の位を表し、前記第2の列は、10の位を表し、前記第3の列は、100の位を表す。いくつかの実施形態では、第1の数列は、整数の繰り返される組を含む。さらに、いくつかの実施形態では、第2の数列は、整数の繰り返される組を含み、前記第3の数列は、整数の組を含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、第2のリング部材は、前記第1の印を見えにくくするための表示カバー要素を備える。
【0025】
さらに、カウンターを備えるディスペンサーのいくつかの実施形態では、前記駆動機構の少なくとも一部は、前記第1のリング部材と一体である。
【0026】
好ましくは、カウンターの駆動機構は、ラチェット機構を備える。また好ましくは、ラチェット機構は、複数の歯と係合可能である第1および第2の爪を備え、前記第1および第2の爪の各々は、前記複数の歯のうちの1つの歯と駆動係合で係合するための駆動係合面と、前記複数の歯のうちの1つの歯の上で摺動するための摺動係合面とを備える。
【0027】
ラチェット機構を有するいくつかの実施形態において、前記第1および第2の爪の各々は、前記第1の爪が前記歯のカウント行程において前記複数の歯のうちの1つの歯と駆動係合で係合し、前記第2の爪が前記歯の戻り行程において前記複数の歯のうちの1つの歯と駆動係合で係合するように配置構成される。
【0028】
さらに、前記第1および第2の爪の各々は、前記第2の爪が前記カウント行程において前記複数の歯のうちの1つの歯の上に乗り、前記第1の爪が前記戻り行程において前記複数の歯のうちの1つの歯の上に乗るように配置構成され得る。
【0029】
さらなる実施形態において、前記第1および第2の爪は、前記第1のリング部材と一体であり、前記複数の歯は、前記第1のリング部材のボア内で往復運動可能となるように配置構成された歯支持部材上に配設され、前記ラチェット機構は、第1のリング部材のボア内の歯支持部材の往復運動が第1のリング部材の回転運動を引き起こすように構成される。
【0030】
いくつかの実施形態では、駆動機構は複数の歯と係合可能である第3および第4の爪を備え、第3および第4の爪は第1および第2の爪と半径方向に対向する表面上の第1のリング部材と一体である。
【0031】
本発明は、さらに物質供給源を備える、様々な実施形態において上で説明されているようなディスペンサーも提供する。好ましくは、物質供給源は、加圧定量式吸入器(pMDI)である。
【0032】
本発明は、物質供給源から投与1回分のガス状、ガス中、または液滴物質を分注するためのディスペンサーも実現し、このディスペンサーは物質供給源を受けるための、マウスピースを有する本体部と、物質供給源から分注される投与回数、または物質供給源に残っている投与回数に対応するディスペンサーの作動の回数を示すための投与量カウンターとを備え、投与量カウンターは印を有するカウンターであって、本体部の縦軸の周りに増分単位で本体内部で回転可能である投与量カウンターと、カウンターを駆動するためのカウンター駆動装置であって、ディスペンサーの作動に応答して縦軸において本体部内で往復運動可能なように配置構成されたカウンター駆動装置と、カウンターを回転するための駆動機構であって、カウンター駆動装置に結合され、カウンター駆動装置の縦方向移動に応答してカウンターを回転させるように構成された駆動機構とを備え、本体部は、縦軸においてカウンター駆動装置の回転を防ぐために本体部内でカウンター駆動装置を誘導するように構成されたカウンター駆動装置ガイドを備える。
【0033】
カンター駆動装置ガイドは、カウンター駆動装置が縦軸の周りに回転するのを防ぐ。カウンター駆動装置が縦軸の周りに回転するとカンターはカウント間違いをする(すなわち、作動すべきでないときに作動し、作動すべきときに作動しない)ので、カウンター駆動装置ガイドのカウント動作の信頼性を高める。
【0034】
ディスペンサーのいくつかの実施形態では、カウンター駆動装置ガイドは、本体部から延在する突起部であって、カウンター駆動装置内の対応する形状の刻み目と連動するような構成および形状を有する突起部を備える。
【0035】
さらに、ディスペンサーは、物質供給源から投与1回分の物質を放出するため本体部の長手方向軸内で移動するように本体部内に摺動可能に配置構成された接合部材であって、物質供給源の物質の噴出を受けるためのソケットを備える接合部材を備えることができる。接合部材を備える一実施形態において、接合部材は、1つまたは複数のスロットを備え、カウンター駆動装置は、接合部材とカウンター駆動装置とを結合するために接合部材と係合するための1つまたは複数の突起部を備える。
【0036】
本発明は、物質供給源から投与1回分のガス状、ガス中、または液滴物質を分注するためのディスペンサーも実現し、このディスペンサーは物質供給源を受けるための、マウスピースを有する本体部と、物質供給源から投与1回分の物質を放出するため本体部の長手方向軸内で移動するように本体部内に摺動可能に配置構成された接合部材であって、物質供給源の物質の噴出を受けるためのソケットを備える接合部材と、物質供給源から投与1回分の物質を放出するため本体部の縦軸内で接合部材を移動するためのディスペンサー駆動装置であって、ディスペンサー駆動装置は枢軸と枢軸上に配置構成されたカムとを備え、枢軸の回転がカムの回転を引き起こし、接合部材に力を加えて接合部材を縦軸内で移動するように本体部内に配置構成されているディスペンサー駆動装置と、本体部内に摺動可能に配置構成されたカム従動子であって、カム従動子は基部と基部から延在する実質的に硬質の突起部とを備え、突起部はディスペンサー駆動装置と接合部材との間に、ディスペンサー駆動装置のカムによって突起部に力が加えられたときにカム従動子が本体部の縦軸内で摺動可能に移動し、力を接合部材に加えて物質供給源から投与1回分の物質を放出するように配置構成されているカム従動子と、物質供給源から分注される投与回数、または物質供給源に残っている投与回数に対応するディスペンサーの作動の回数を示すための投与量カウンターであって、投与量カウンターは印を有するカウンターであって、本体部の縦軸の周りに増分単位で本体内部で回転可能である投与量カウンターと、カウンターを駆動するためのカウンター駆動装置であって、ディスペンサーの作動に応答して縦軸において本体部内で往復運動可能なように配置構成されたカウンター駆動装置と、カウンターを回転するための駆動機構であって、カウンター駆動装置に結合され、カウンター駆動装置の縦方向移動に応答してカウンターを回転させるように構成された駆動機構とを備える投与量カウンターとを備え、本体部は、縦軸においてカウンター駆動装置の回転を防ぐために本体部内でカウンター駆動装置を誘導するように構成されたカウンター駆動装置ガイドを備える。
【0037】
次に本発明の実施形態について、実施例のみを使って添付図面を参照しつつ説明する。
【発明を実施するための形態】
【0039】
ディスペンサー
最初に図面の
図1から
図4を参照すると、ディスペンサーはマウスピース2および枢着されたマウスピースカバー3とともに本体部1を有することがわかる。マウスピースは、主要本体部分6にクリップ留めされた別の本体部分5内に開口4として形成される(ただし当業者であればこの形成は一体成形品を使用して作ることが可能であることを理解するであろう)。主要本体部分6は、上側および下側形成部7,8を有し(
図5aを参照)、マウスピース部分は、マウスピース部分が下から摺動して主要部分と係合するときに係合する上側および下側相補的形成部9、10(
図8参照)を有する。別の本体部分5は、カバーが開かれたときにカバー3によって露出される空気入口12を画成する、主要本体部分6に関する切取部11を有する。薬剤缶Cは、本体部分6にぴったり嵌る。空気入口12のすぐ中には指に対するガード13がある。これは、フランジ14を強化することによって補強され、これは次の段落で説明されるカム機構をさらにガードする。
【0040】
ガード13の上に、一連の4つのリブ151,152(
図7)が延在し、構造に剛性をもたらす。末端のリブ151はより長く、不具合が生じた場合に以下で説明されている作動機構のフラップに対する最終的ストッパーの働きをする。内側のリブ152は、機構が作動されたときに入口12と開口4との間に圧力低下を引き起こす流量制限器として働き、主にデバイスを通る空気流量を制御する。
【0041】
カバー3-
図6、
図12、および
図13を参照-は、2つの本体部分の間のジョイントのところで本体部6内で低い軸Aの周りで枢動する。Cセクションシャフト21はウェブ22を介してカバー3と一体成形されている。シャフトは、2つのカムローブ231および232を備える、カム配置構成23(
図4を参照)を、2つの指部、中央の指部24と外の指部25と一緒に運ぶ。後者は、間にカムローブがある、一対の円板26のうちの1つと一体であり、シャフトは主要本体部分6内に一体成形されたフランジ28内の部分円形ジャーナル27によって軸受け支持される(
図5a参照)。2つの本体部分5と6との間の継ぎ目のところで、シャフト21に対して主要本体部分6内にさらなる同軸スカロップ(coaxial scallops)29が設けられる。
【0042】
説明されている実施形態における本体部分5,6およびカバー3(シャフトおよびカム配置構成を持つ)は、成形されたポリプロピレン材料で作られ、これにより、わずかな屈曲とともに嵌合することができる。
【0043】
缶Cは、主要本体部分6の上端のところで開口部31内に保持され、本体部分は缶Cの弁圧着部分CPの周りに完全に延在する。
【0044】
主要本体部分の内側に成形された、内部溝32は開口部の内側を向いている(
図5a)。接合部材41-
図9、
図10、
図11を参照-は、本体部内に摺動可能に収容され、溝32がその周のところでリブ42と係合している。この実施形態の接合部材も、成形ポリプロピレンである。中央において、接合部材は、噴出を収容するためのソケット43または缶Cの出口ステムSを有する。ソケットは、薄壁、キンク形成可能な場所45、およびノズル端部46を有する、可撓性チューブ44に連続する。これは、接合部材の移動可能な出口部材48内にある。接合部材41の主要部分411および出口部材48は、ラグ561,562とタブ563,564との間の接合部材のそれぞれの側部の2つの膜491,492の形態でリビングヒンジ49によって接続される。タブは、ノズル開口53を有するバー52によって相互接続される。ラグ561,562の間、およびキンク形成可能な場所45のいずれかに側に、2つの従動子541,542が延在し、これらはそれぞれのラグ561,562と一体であり、カムローブ231,232による作用を受け(
図6を参照)、舌状部551,552の介在部が主要本体部分6の内側から延在し、カム配置構成からの接合部材への横方向の作用に反応する。従動子541,542は、上側および下側弁行程ストッパー571、572を備え、ヒンジ軸の中心に配置された半径部分56を有する。
【0045】
ラグ561,562には、半径部分56と同じ方向に面する側で、以下で説明されるフラップを枢動可能に配置するため枢軸クリップ581,582の対が載る。一対の逆鉤591,592を成形する1つの同じ側部が、タブ563,564に設けられる。
【0046】
舌状部はカムによって加えられる力の下で曲がるか、または座屈することが多いので、主要本体部分6の内側から延在する舌状部551,552は、常には、接合部材への信頼性の高い縦方向の作用(つまり、主要本体部分の長い軸に沿っている主要本体部分6の縦軸に沿った運動)をもたらさなかったことがわかった。そのようなものとして、カムから舌状部に作用する力は、常には、薬剤供給源からの薬剤の分注、またはカウンターの動作に影響を及ぼす接合部材の十分な縦方向移動に変換されなかった(以下で説明されている-カウンターは接合部材の運動によって駆動される)。
【0047】
この問題を解消するために、われわれは、主要本体部分の後壁に沿ってガイド15を備える主要本体部分6の好ましい一実施形態を示す
図5bから
図5fに示されている特徴を提案する。2つのガイドレール20が、ガイド内に設けられ、自分の下側部分(主要本体部分の後壁から延在する)に突起部34が設けられる。
【0048】
ガイドの中へ、基部17を有するカム従動子16が収まる。2つの実質的に硬質の突起部18aおよび18bが、基部17から延在する。2つのガイドレール19a,19bが、基部17の後部に配設される。カム従動子16は、主要本体部分6のガイド15内で縦方向に摺動し、ガイドレール20および19a,19bは相互作用してカム従動子16をガイド15内に保持する。カムローブ231,232は、突起部18a,18bの下側表面と接触し、接合部材は、突起部18a,18bの上面の上に収まる。そのようなものとして、カムローブは、カム従動子を介して接合部材に力を間接的に加えることができる。
【0049】
突起部18a,18bは、実質的に硬質であるため、カム配置構成が突起部に上方の力を付与するとカム従動子全体が上下縦方向に移動する。以前のバージョン(舌状部551,552がアンカーポイント553において主要本体部分に一端で固定されていた)では、舌状部が固定端で屈曲することになり、舌状部は力が加わると曲がって座屈する傾向を有していた。好ましい実施形態では、突起部18a,18bは、堅く適所に留まり、その代わりに、カム従動子が主要本体部分のガイド内で摺動可能に移動する。そのようなものとして、これにより、接合部材41の縦方向の動作の信頼性を高めることができる。
【0050】
製造および組み立て工程を補助するため、弾性変形可能クリップ35が、カム従動子の基部の下側エッジに沿って配設される。クリップは、主要本体部分6内の突起部34と連携するように配置構成される。組み立て時に、カム従動子はガイド内に置かれ、弾性変形可能クリップは、突起部34と係合して、カム従動子を適所に保持する(すなわち、主要本体部分の下側エッジに沿って)。クリップおよび突起部は、マウスピースが開かれるときにカムによって生み出される力がクリップによって抵抗され得る力よりかなり大きくなるように構成される。そのようなものとして、クリップは、使用時にカム従動子の動作には影響しない。
【0051】
フラップ61-
図14、
図15、
図16を参照-は枢軸Bを有する。軸の反対側の端部において、フラップは、小さなスラストフランジ62を有し、枢動ピン60がそれらから中に嵌め込まれている。ピンの中に、2つの膨脹部63が形成される。各々は、それから斜め下に延在する指部64,65を有する。膨脹部の1つは、遠位端67が近位端68が取り付けられている膨脹部に隣接した状態で後方に、中に、および前方に延在するバネループ66を有する。ピンから膨脹部63内に、上から形成された開口69および開口の下に延在するラッチ70が入り込んでいる。これらは、開口を通して突出部によって成形時に形成されたラッチ表面71を有する。ラッチは、カム表面72を有する。これらは、デバイスが使用可能状態の位置にあるときに逆鉤591,592に当接するように位置決めされる。次いで、逆鉤は、カム表面の末端を通り過ぎ、ラッチ表面上で係合するようになる。フラップの最終的な特徴は、舌部73であり、これは従動子541,542の間に挟装され、他の方法では生じるおそれのある空気漏れを制御する。
【0052】
次に、デバイスの動作について説明する。
【0053】
最初に、デバイスは閉じられ、可撓性部材が弛緩状態にある。言い換えると、フラップは、
図3、
図9、および
図17(1)に示されているように、上側、上流位置にある、接合部材の出口部材48は、その下側位置にある。フラップは、接合部材のクラウン41a上に置かれているラグ562およびフラップ61から中に組み込まれている当接部81上で遠位端67を支持するバネ66によってこの位置に保持される。接合部材の出口部材48は、キンク形成された場所が成形された状態に対して真っ直ぐになる傾向があるため、下へ枢動される。その位置は、カムローブ231,232と当接するようにバー52から横方向に突出する2つの指部82によって制御される。
【0054】
カバーが開くと、カムローブは、接合部材41の従動子541、542にカム従動子16の実質的に硬質の突起部18a,18bを介して作用する。カム従動子16は、主要本体部分6のガイド15内で摺動し、缶の中へのステムSの変位により、缶内の絞り弁の内部バネ(図示せず)に対して接合部材41を持ち上げる。カバー3が回転すると、カムローブの間の中央の指部24が、接合部材の出口部材上の指部82の間の刻み目付き突出部83と係合する。この動作により、出口部材が持ち上げられ、キンク形成された場所が閉じられる。接合部材をさらに持ち上げると、缶の弁が開き、缶の弁によって定量された投与1回分が可撓性チューブの入口端部内に放出される。これは、閉じられた弁として動作するキンク形成された場所によってそこに保持される。
【0055】
当然のことながら、この投与1回分は、接合部材の出口部材48が移動された先の上側の使用可能状態の位置に保持されている間のみ保持される。これは、カム表面72に沿って走り、ラッチ表面71と係合する逆鉤591,592によって達成される。逆鉤が係合すると、ラッチ70は戻り、バネ66の作用に抗してフラップを下に回転させる。逆鉤がカム表面の端部をクリアした後、バネがラッチを付勢して逆鉤の下に完全に入れる。中央の指部24が突出部83から出るまで出口部材48がさらに枢動し続けるためのクリアランスがある。これで、デバイスにおける、吸引の準備が整ったことになる。
【0056】
マウスピースを通して息を吸うと、空気流が、カバーの開口部上に露出されている空気入口12を通って下に流れ、フラップ61に衝突する。フラップは、バネ66の作用に抗して力で下げられ、逆鉤591,592が解放される。キンクチューブは、その自弾力性および保持されている投与1回分の圧力の作用の下で真っ直ぐになる傾向を有し、したがって、出口部材は、ヒンジ491,492の屈曲を通じて真っ直ぐになり、この投与1回分が、吸引のためノズルを通してマウスピース内に放出され、ノズルはこの投与1回分が放出されるときにマウスピース開口4を横断する。
【0057】
フラップおよび出口部材48の幾何学的配置構成は、
図17に示されているものとしてよい。フラップの枢軸Bは、ヒンジ動作可能部分の枢軸Dから間隔をあけて並び、逆鉤591,592およびラッチの係合点は軸BおよびDを通過する平行な平面B'とD'との間にある。実際の係合点は、軸を通過する共通平面Pのフラップ側にある。
【0058】
使用後、マウスピースカバーは閉じられる。カム配置構成の回転により、接合部材41は下に戻り、指部24は、その裏面上のカム表面の結果として刻み目付き突出部83を通る。
【0059】
キンクチューブが弾力性を失い、開口部内で遅くなる場合、指部64は、フラップ枢軸のバネ側で、出口部材のラグ563と一体成形されているラグに作用し、ヒンジ軸Hを通り過ぎて戻る。そこで、ヒンジ動作可能部分は、開位置に移動される。
【0060】
吸引なしでマウスピースカバーが閉じるという偶然がさらにある。この場合、指部65は指部25と係合して、出口部材が投与1回分を放出する位置にフラップをたわめる。バネ66が、それを移動した後にフラップを戻す(この移動はもちろん吸引によって投与1回分が放出された場合でも閉じると生じる)。そこで、デバイスは初期位置に戻され、プラスチック材料の弾力的特徴が弛緩される。
【0061】
デバイスのすべてのコンポーネント(缶を除外する)は、フラップを除きポリプロピレンから成形されるが、そのバネによりアセタール共重合体の使用が決定される。
【0062】
カウンター
カウンターは、広範な用途に使用され、医療用ディスペンサーの分野において特に重要であり、そこでは、薬剤容器内に残っている薬剤の投与回数を正確に判定することは他の方法では難しい場合がある。そのような医療用ディスペンサーの例は、定量式吸入器である。
【0063】
薬剤容器は、典型的には、アルミニウムなどの不透明材料から作られ、送達デバイス内にすっぽり収納され得るため、一般的に、ユーザが中に残っている薬剤の投与回数を効果的に計量することが可能でない。この結果、ユーザが薬剤の投与回数分がまだ入っているMDIを早期に廃棄してしまったり、さらに悪いことにMDIをその推奨寿命を超えて使用することもあり得る。いずれの状況も望ましくなく、前者は無駄であり、後者は潜在的に危険である。ユーザは時々MDIを振って、中に薬剤が存在しているか計ってみるが、これでは、容器の内容物に対して非常におおざっぱな定量的測定を行っているにすぎない。これでは、たとえば、ユーザが投与1回分を形成するのに十分な薬剤および高圧ガスを収容する容器と絞り弁の条件を満たすのに必要な量より少ない量の薬剤および高圧ガスを収容する容器とを区別することができない。言い換えると、容器内に存在する薬剤の量をユーザが過大評価し、実際にはないのにさらなる投与1回分に対して十分な薬剤が残っていると誤って結論する危険性があるということである。それに加えて、ユーザは、薬剤を使い果たす前に交換用薬剤容器を取得する十分な警告を与えられない場合がある。
【0064】
したがって、ユーザが分注された投与回数、またそれを補う形で、投与できる残っている回数を追跡することを可能にするカウンター機構を備えるディスペンサー、たとえば、吸入器を実現することが望ましい。実際、米国の食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMEA)などの規制機関は、投与量カウンターの実装を奨励するガイドラインを発行している(Food and Drug Administration、「Guidance for industry: integration of dose counting mechanisms into MDI drug products」、2003年、European Agency for Evaluation of Medicinal Products、「Final guideline on the quality of inhalation and nasal products」、2005年)。
【0065】
投与量カウンターは、一般的に、「カウント」を登録する仕方に応じて分類することができ、これらのカウンターを構成する機械式カウンターは結果としてたとえば容器/ハウジングの変位をもたらす移動または機械力に応答する一連の可動部分、音、温度、または圧力の変化などの作動に関連する事象を感知するための電気回路を有する電子カウンター、および電気部品と機械部品とを組み合わせた電気機械カウンターである。
【0066】
投与量カウンターに関係するいくつかの従来の背景技術は、欧州特許第第1169245号、名称「Dispensing Apparatus Comprising a Dosage Counting Device」、国際公開第PCT/GB97/03480号、名称「Inhaler Dose Counter」、国際公開第PCT/US1996/008418号、名称「Indicator Device Responsive to Axial Force」、国際公開第PCT/FR2004/001844号、名称「Improved Dose Indicator for Fluid Product Dispensing Device」、英国特許第2372542号、名称「Dosage Counting Device」、国際公開第PCT/CA04/001884号、名称「Indicating Device with Warning Dosage Indicator」、国際公開第PCT/US04/039926号、名称「Dose Counter for Dispensers」、米国特許第7047964号、名称「Dispenser for Medicament」を含む。
【0067】
投与量カウンターの分野の他の開発として、Bang & Olufsen Medicom's 'Insulair' (商標)デバイス、および開示として、国際公開第98/056444号、名称「Dispenser with Doses Counter」、国際公開第04/001664号、名称「Actuation Indicator for a Dispensing Device」、国際公開第07/012854号、名称「Canister-Supported Rotating Ring Count Readout Assembly for a Metered Dose Inhaler」、およびドイツ特許第10061723号、名称「Zahlwerk zum Zahlen dosierter Abgaben flussiger oder fester Produkte sowie Einrichtung zum dosierten Abgeben solcher Produkte」が挙げられる。
【0068】
そのようなデバイスは、容器から分注される薬剤の投与回数および/または中に残っている薬剤の投与できる回数のある種の尺度を提供することができるという利点を備えているが、改善の余地はある。特に、容器からの投与薬剤の放出を確実に「カウント」する投与量カウンターを備えることは困難であることが実証されている。遭遇する困難は、典型的には絞り弁棒の比較的小さな移動が検出され、カウントに変換される必要があるという点である。この困難は、薬剤容器の長さの製造公差が一貫した長さを有していないことを意味するという事実によって悪化する。それと同時に、移動がカウントされないのは非常に望ましくないが、それは、カウンターが実際以上に多くの投与回数が残っていることを示すことになるからである。さらに、偽カウントの数を最小にする調節圧力もある。
【0069】
それに加えて、カウンター、特に薬剤投与量カウンターは、子供および高齢者さらには大人が使用できるように読み取りやすい形態でカウント情報を表示することが望ましい。当然のことながら、カウンターは安価に製造できる必要もある。
【0070】
駆動機構
「駆動機構」という用語は、薬剤容器から投与1回分を分注するステップをカウンターでカウントを行うステップにリンクさせる手段として広い意味で解釈されるべきである。説明されている実施形態において、投与1回分を分注するステップは、前の方で説明されているように、たとえば接合部材41の垂直移動を伴う。説明されている好ましい実施形態では、この垂直移動は、カウントされる増分単位の回転に変換される。他の実施形態では、カウンターの増分単位の回転に変換される垂直移動は、薬剤容器の移動であってよい。
【0071】
図18aおよび
図18bは、カウンター203および駆動機構205を有するディスペンサー200の概略を示している。カウンターは、第1のリング部材201および第2のリング部材202を備える。駆動機構205は、爪支持部材204(
図18bには示されていない)と歯支持部材206(
図18bの図では一部隠されている)とを有するラチェット機構である。この特定の実施形態では、歯支持部材206は、第1のリング部材201と一体になっている中空シリンダーである。爪支持部材204は、歯支持部材206の周りに完全に延在する。反転構成も使用することができる、すなわち、爪支持部材206は第1のリング部材201と一体であってもよい。この配置構成は、
図22に示されている。
【0072】
2つの爪208は、爪支持部材204の切欠部分によって画成される。爪は、後でさらに詳しく説明されるように、爪の先端部上の内向きに伸びている突起部を使って歯支持部材206の外に面している表面上に成形された歯210のリングと動作可能に係合する。一対のアーム212a、212bは、絞り弁アセンブリのいずれかの側の爪支持部材から下方に延在する。アームは、接合部材(見えないように隠されている)の上側部分に抗してバネ仕掛けで動作するか、または上側部分に貼り付けられ得る。接合部材は、1回分が分注されたときに垂直に移動する。あるいは、アームは、移動する容器、たとえば移動する薬剤容器に抗してバネ仕掛けで動作するか、またはそれに貼り付けられ得る。
【0073】
接合部材を持ち上げる作用(加圧された薬剤容器114から1回分の放出を引き起こす)は、ディスペンサー200の垂直軸214に平行な方向に爪支持部材204に上向きの力を加える。この結果、爪と歯との間に摩擦係合が生じる。次いで、歯支持部材206および第1のリング部材201は、1増分単位だけ垂直軸214の周りに回転する(この特定の場合には時計回りに)。
【0074】
投与量1回分が放出され、マウスピースカバーが閉じられつつあるか、または閉じられると、接合部材および爪支持部材は、たとえば薬剤容器の内部バネ(図示せず)によって下方に移動しその元の位置に戻ることができる。また、この下方の移動の結果、爪支持部材と歯支持部材との間に摩擦係合が生じ、その結果、1増分単位だけ垂直軸214の周りに部材206、201が時計回りにさらに回転する。
【0075】
まとめると、これらの2増分単位の回転は、第1の位置から第2の位置への第1のリング様部材201の「完全な」増分単位の回転を画成する。
【0076】
図19aは、歯210のリングが歯支持部材206の内側に面している表面上に配設され、爪支持部材204がそのボア内に配設されている、例示的な駆動機構205を示している。爪支持部材および歯支持部材は、
図18aおよび
図18bに示されている構成と比較して逆の構成であるが、駆動機構の動作原理は実質的に同じままであることは理解されるであろう。
【0077】
2つの爪402a,402bは、本体部の切欠部分によって爪支持部材204内に一体画成される。この斜視図から見たときに、各々の爪は、ほぼ同じ(ただし反対の)角度α、βで、爪支持部材204の環状平面内で歯210のリングの方へ延在する。第2の(下側の)爪402bは、第1の(上側の)爪402aに関して円周方向にオフセットされる。爪は各々、根端および自由端を有する。リップ部408a,408bは、自由端の各々から外向きに半径方向に突き出て、歯と動作可能に係合する。
【0078】
絞り弁アセンブリの弁棒は、爪支持部材204の基部内のクリアランス穴を通して下へ挿入し、ステムブロック412内の棚410に載る。
【0079】
動作時に、この斜視図から見たときに、爪支持部材204は、歯支持部材206に関して、上下に移動し、回転する。便宜上、爪支持部材204の上方および下方の移動は、それぞれ、「カウント行程」および「戻り行程」と称される。これらの言い回しは、便宜上使用されるだけであって、カウントがカウント行程においてのみ行われることを意味すると解釈すべきでない。当業者には(次の説明から)カウントがカウント行程、戻り行程、または両方の行程の組み合わせで行われ得ることは明らかであろう。
【0080】
図20aから
図20dは、カウント行程における駆動機構の一連の断面図を示している。
図20aでは、爪支持部材は、突出ブロック510を使って歯上に静止している。上方に向かう力が爪支持部材にかかると、最初に、第1の(上側の)爪402aのリップ部408aと歯502の垂直面512との間に摩擦係合を生じる。この動作により、爪支持部材は、第2の(下側の)爪402bのリップ部408bが歯506(
図20b)の下側の傾いている面514と係合するときまで、実質的に垂直上方に誘導される。これにより、対角線上の上方の移動が生じ、この移動はリップ部408bが歯506の頂点516に到達し、次いで超えるまで続く(それぞれ
図20cおよび
図20d)。同時に、第1の(上側の)爪402aがわずかに内向きに屈曲し、これによりリップ部408aが歯502を乗り越えることができる(
図20c)。破線の矢印は、移動の方向を示している。
【0081】
図21aから
図20dは、戻り行程における駆動機構の一連の断面図を示している。
図20のものと似た要素は、類似の参照番号で示されている。
【0082】
図20dに実質的に対応している
図21aにおいて、第1の(上側の)爪402aのリップ部408aは、歯502の上側の傾いている面518と摩擦係合するまで垂直下方に移動し、その結果対角線上で下方に移動する。
図21bにおいて、リップ部408aは面518をさらに下っており、ブロック510は次に歯504の上側の傾いている面520と係合する。このときに、第2の(下側の)爪402bがわずかに内向きに屈曲し、これによりリップ部408bが歯504を乗り越えることができる。これは、爪支持部材が再び歯に載るまで続く(
図21cおよび
図21d)。
図21dは、
図20aに実質的に対応しているが、歯1つ分だけ回転している、すなわち、歯506から歯504まで回転している。
【0083】
図19bを参照すると、これは、爪402aおよび402bならびにリップ部408aおよび408bの側部外形を示している。各々のリップ部は、そのリップ部408の駆動係合時に歯と接触する、駆動係合面440を備える。各々のリップ部は、歯と係合することなくリップ部408が歯と接触し、歯に乗り上げることを可能にする摺動する係合面430も備える。大きな矢印は、行程の1つにおいて歯と接触する爪リップ部の面を示している。対向面(矢印なしで示されている)は、他の行程において歯と接触する。角度γ(図中の垂直軸に関するリップ部の摺動する係合面430の傾きの角度である)は、リップ部408aが歯と係合(すなわち、駆動係合面440aが歯と接触し、歯と駆動係合)したときにリップ部408bが持ち上がって離れ、歯に乗り上げることができるよう十分に大きい角度でなければならない。15°より大きい角度が好ましい。角度が15°より小さい場合、爪は歯より上に上がることができない。
【0084】
図22aは、歯210のリングが、爪支持部材204のボア内に置かれている、歯支持部材206の外に面している表面上に配設されている、駆動機構205の好ましい一実施形態を示している。この実施形態では、歯支持部材はヨーク(カンター駆動装置とも称される)であり、爪支持部材はカウンターの第1のリング(または1の位リング)である。
【0085】
2つの爪402a,402bは、本体部の切欠部分によって爪支持部材204内に一体画成される。この斜視図から見たときに、各々の爪は、爪支持部材204の環状平面内で歯210のリングの方へ延在する2本のアームを備える。第2の爪402bは、第1の爪402aに関して円周方向にオフセットされる。リップ部408a,408bは、2本のアームが交差する点から外向きに半径方向に突き出て、歯と動作可能に係合する。
【0086】
図22bは、爪402a,402bの側部外形を示している。
図19bの番号は、
図22bの類似の特徴を指している。
図19bと同様に、角度γ(図面の垂直方向からの摺動する係合面430の角度)は、摺動する係合面430が持ち上がり、歯(図示せず)を乗り越えることを可能にする十分な大きさの角度でなければならない。たとえば、この角度は、好ましくは15°より大きい。より好ましくは、この角度は約45°である。また、第1の爪402aの向きは、
図19bに示されている向きと逆であることにも留意されたい。係合する爪(すなわち、歯と駆動係合している爪)は係合時に歯付き表面の方へ爪を押しやる圧縮力を受ける。
【0087】
動作時に、この斜視図から見たときに、歯支持部材206は上下に移動し(上で説明されているように接合部材の作動によって駆動される)、歯支持部材206に関して爪支持部材204を回転させる。便宜上、歯支持部材206の上方および下方の移動は、それぞれ、「カウント行程」および「戻り行程」と称される。
【0088】
カウンターの好ましい実施形態では、爪支持部材(すなわち、第1のリング部材、またはカウンターの1の位リング)は、爪支持部材の周りに実質的に180°の間隔をあけて配置されている、2組の爪を備える。第2の組の爪は、
図22aに示されていない。
【0089】
図22cは、カウンターの好ましい実施形態によるヨーク206(または歯支持部材もしくはカウンター駆動装置)を示している。この好ましい実施形態において、ヨークは、主要本体部分6の内側で対応する形状を有する突起部(230)と摺動可能に係合する形状および寸法を有する刻み目付き部分220を備える(
図22e参照)。図には、ただ1つの突起部230が示されている。好ましい実施形態では、第2の突起部は、ヨーク206上の適切に位置決めされた刻み目と対応する、突起部またはレール230の反対側の内側表面上に位置決めされる。これらの刻み目および突起部は、ヨークは主要本体部内で縦方向に移動するのを可能にし、ヨークがカウンターリングの同じ軸で回転するのを防ぐ。そのようなものとして、これにより、ヨークの回転移動(カウンター機構の過剰なカウントまたはカウント不足を引き起こす)がないので、より信頼性の高いカウントが得られる。われわれは特徴230を突起部として説明しているが、特徴は、レールと見なすこともできる。
図22eは、ヨーク206のアームが主要本体部分6の縦軸における移動を可能にするように摺動可能に配置構成される陥凹部240も示している。
【0090】
好ましいヨーク206は、接合部材41内で対応する形状を有する穴450aおよび450bと係合する形状を有する、突起部222aおよび222bも備える。そのような実施形態では、ヨークは、接合部材の縦方向運動がヨークの縦方向運動を生じさせる(次いで、カウンター機構を駆動する)ように突起部および穴を介して接合部材に結合されている。
【0091】
図23aから
図23dは、カウント行程における好ましい駆動機構の一連の断面図を示している。
図23aでは、歯時部材および爪支持部材は静止状態にある。爪支持部材の内面から延在する突起部を備える、滑り止めバー450は、歯と十分に一直線に並ぶ係合位置にあり、爪支持部材の無カウント回転(すなわち、カウント時に爪支持部材の方向と反対の方向への爪支持部材の回転)を防ぐ。滑り止めバー450は、爪支持部材の運動をブロックすることによって無カウント方向の歯支持部材と爪支持部材との間の相対的回転を防ぐように構成される。バーは、歯の1つに当たるように爪支持部材の内面から十分に延びているが、歯支持部材の外面からはそうでない。
【0092】
歯支持部材に上向きの力がかかると、最初に、結果として、リップ部408aのエッジが歯502の傾いている面512と摩擦係合し、滑り止めバー450を歯の経路から外に出して回転を行わせることができる。歯支持部材がさらに上方に移動すると、爪支持部材の回転運動が生じる(図の左の方へ)。それと同時に、リップ部408bの垂直でない内面(
図22bでは矢印付きの表面として示されている)は、歯520の垂直な非前縁エッジ522と接触し、これは爪402bを歯の平面から持ち上げて離し、爪402bを係合なしで歯に乗り上げさせることができる。
【0093】
爪支持部材の回転運動は、リップ部408aおよび表面512がもはや接触しなくなるまで続く。この時点において、リップ部408bは、歯520から離れており、爪のアームが弾性変形可能であることによって歯の平面に後退する。歯支持部材がさらに上方に運動しても、爪支持部材の回転にさらに影響を及ぼすことはない。しかし、第2の滑り止めバー452(滑り止めバー450と似た構成をとる)は、歯の経路に入れられ、爪支持部材の逆方向(すなわち、無カウント)回転を防ぐ。
【0094】
図24aから
図24dは、戻り行程における駆動機構の一連の断面図を示している。
図23のものと似た要素は、類似の参照番号で示されている。
【0095】
図23dに実質的に従う、
図24aでは、歯支持部材は、第1の爪402bのリップ部408bが歯502の下側の傾いている面518と摩擦係合するまで下げられる(同時に、第2の滑り止めバー452が歯の経路から移動される)。歯支持部材がさらに下方に移動すると、面518とリップ部408aが摩擦係合することによって爪支持部材の回転運動が生じる。
【0096】
面518は、リップ部408bのさらに下に進む。それと同時に、リップ部408aの垂直でない内面は、歯の垂直な非前縁エッジと接触し、これは爪402aを歯の平面から持ち上げて離し、爪402aを係合なしで歯に乗り上げさせることができる。
【0097】
爪支持部材の回転運動は、リップ部408bおよび表面518がもはや接触しなくなるまで続く。この時点において、リップ部408aは、これが乗り上げた歯から離れており、爪のアームが弾性変形可能であることによって歯の平面に後退する。歯支持部材がさらに下方に運動しても、爪支持部材の回転にさらに影響を及ぼすことはない。しかし、第1の滑り止めバー450は、歯の経路に戻され、爪支持部材の逆方向回転を防ぐ。
【0098】
前記の説明では、爪支持部材が軸の周りに回転する(すなわち、全体としてディスペンサーに関して回転する)場合について取りあげたが、歯支持部材が回転することも等しく可能である。当然のことながら、歯は歯支持部材の周上のいずれかの方向を指すことも可能である。
【0099】
回転変位は2つの係合を用いて実行される必要はなく(これは有益な場合があるけれども)、また垂直および回転運動を含む必要もないことは理解されるであろう。たとえば、純粋に回転のみの運動を与える、言い換えると、垂直運動のない、駆動機構も使用することが可能である。
【0100】
カウンター
図25から
図34は、カウンターの様々な様子をさらに詳しく示している。
【0101】
最初に
図25を参照すると、カウンター205は、第1のリング部材201および第2のリング部材202からなることがわかる。リング部材は、ディスペンサーの容器を囲む、中心軸214の周りに回転可能に、同軸上に配置構成される。第2のリング部材は、第1のリング部材の上の実質的同一平面上に配置構成され、その外周上表面は2つのリング部材が交わるヘアライン720によってのみ途絶される実質的に連続する表面を形成するように揃えられる。駆動機構の爪支持部材205は、第1のリング部材201と一体である。
【0102】
第1の数列701('8','9','0','1')は、第1のリング部材201上に表示され、第2の数列702('0','1','2','3','4')および第3の数列703('1','1','1')は第2のリング部材202上に表示される。わかりやすくするため、これらの数の一部のみ示してある。アーム704、一連の等しい間隔で並ぶ突起部705、およびデフレクタ1002を備える結合部材700も示されている。結合部材は、第1のリング部材201を第2のリング部材202に結合させることができ、したがって、これらは以下で詳述されているように、結合されたときに駆動機構によって連動して回転することができる。相隔てて並ぶ突起部705は、第2のリング部材202の内面上に形成され、この特定の場合には、軸の周りの中間までしか延在しない。
【0103】
使用されるカウント方式に応じて、複数のアームおよび/またはデフレクタを備えることができることはやがて明らかになるであろう。しかし、わかりやすくすることのみを目的として、アームおよび/またはデフレクタを1つだけこれらの図に示してある。
【0104】
次に
図26を参照すると、アーム704が第1のリング部材の上側半径方向表面804の陥凹部内に収まる環状帯状部802と一体形成されることがわかる。あるいは、アーム704は、上側半径方向表面804上に直接装着されるか、または一体とすることができる。アーム704は、第1のリング部材201とほぼ同じ曲率で弓状に延在する溝付き本体部712、および上方に延在する接触端部710を有する。
【0105】
上から
図25を見た図である、
図27を参照すると、第2のリング部材(陰影付きリングとして図示されている)は、第1のリング部材(ブランクリングとして図示されており、一部は陰影付きリングの下で見えないように隠されている)の上側半径方向表面804の外側部分上に摺動可能に装着される。この斜視図から、「t2」で示されている第2のリング部材202の厚さは、「t1」で示されている第1のリング部材201の厚さの約1/3であることは明白である。第1のリング部材201の厚さは、その高さに沿って一貫しているか、またはテーパー付きであってよく、これは上側半径方向表面804のところで最も厚い。破線は、アーム704と第2のリング部材202の内面902上に形成された相隔てて並ぶ突起部705との間の想像境界線を表す。
【0106】
図28および
図29は、それぞれ一連の対応する斜視図および見下ろした図で、結合機構の動作を示している。
【0107】
図28aおよび
図29aは、デフレクタ1002から一定距離のところにあるアーム704を示している。
図28bおよび
図29bにおいて、第1のリング部材201およびアーム704は、反時計回りの方向に回転し、したがって、アーム704の上方に延在する接触端部710は、デフレクタ1002に接近する。デフレクタ1002は、容器に、あるいはディスペンサーのハウジングの上側部分に、および/または容器を囲むスリーブ固定される。デフレクタはアームの本体部712が妨げられることなく下に通される範囲でのみ下方に延在する。
【0108】
接触端部710がデフレクタ1002の傾斜面1004に到達すると、アーム704は外向きにたわめられる(
図28cおよび
図29c)。この時点で、スロット714の後縁端部718は、歯1102の1つを捉え、これにより、第2のリング部材202は引かれる。接触端部がデフレクタの面1006より下に下がると、歯1102は、スロットの後縁端部によって解放され、アームは非屈曲位置に戻る(
図29dおよび
図29d)。
図29bに示されているように、アーム704の上方に延在する接触端部710は、滑らかなたわみになるようにデフレクタ1002の傾斜面1004を補完する面720を有することができる。好ましくは、接触端部710は、デフレクタ1002の頂点に到達したときに、アームが非屈曲位置に直ちに戻り始めることができるように面取りされる。
【0109】
ここで示されているように、スロット714は、アーム704の係合部分を形成するが、フックなどの好適な係合手段を使用することも可能であることは理解される。したがって、第2のリング内に突起部の代わりに陥凹部を形成することも可能である。
【0110】
アーム704は、そうするように促される場合に半径方向外向のたわみ(つまり、突起部に向かう)を許す十分な可撓性を有するが、元の位置に戻る弾力性をも有する。カウンターは、それに加えて、係合手段(たとえば、アーム704)を非屈曲位置に移動するかまたはたわんで戻す機能を果たす第2のデフレクタを備える。この第2のデフレクタは、たとえば、第2のリング部材202の内面に固定されるか、または一体であるものとしてよい。第2のリング部材は、好ましくは第1のリング部材上に摺動可能に装着されているが、第2のリング部材は、アームと歯との間に係合がないときに回転に抵抗するように構成される。たとえば、第2のリング部材は、ディスペンサーキャップ上の対応する特徴部と係合する係合特徴部を備えるか、または第3のリング部材(後述)が使用される。
【0111】
200回の投与について構成されているカウンターに対する例示的なカウント方式を、3つの異なる表示位置の第1および第2のリング部材を示す
図30aから
図30cを参照しつつ説明する。便宜上、リング部材201,202は、平たいリングとして図示されている。また、突起部705、デフレクタ1002、カウンターを見るために使用され得る窓1202、およびディスプレイカバー要素1204は定型化された形式で示されている。
【0112】
この特定の方式では、第1のリング部材201は、次のような連続する整数「0」から「9」の繰り返される4つの組からなる第1の数列を有する。
0123456789012345678901234567890123456789.
【0113】
整数の各々の組は、第1のリング部材201の1/4回転をカバーしており、ここでは1カウントの「1」の位を表す。
【0114】
第2のリング部材202は、第2および第3の数列を有する。第2の数列は、「0」で区切られた連続する整数「1」から「9」の2つの繰り返される組を含み、第3の数列は、オプションで「2」が後に続く10個の「1」を含む。これはたとえば以下のとおりである。
11111111112
12345678901234567890
【0115】
同様に、第2および第3の数列の整数の各々の組は、第2のリング部材202の1/4回転をカバーする。ここで、第2の列は、10の位を表し、第3の数列は、1カウントの100の位を表す。第2のリング上には、感嘆符「!」の形の警告記号も示される。
【0116】
実際、第2のリング部材202を最初に回転させなければならない事態を回避するために、カウントをたとえば「200」ではなく「199」から始めると都合が良い場合がある。
図30aの窓1202の右に見える数「200」を形成する整数は、したがって、省くことができる。そこで、第1および第2のリング部材がディスペンサーのハウジング内で最初に揃えられるときに、第1、第2、および第3の数列は、以下のように数「199」を連携して表示する(上から下に読んだとき)。
------------------------------1111111111
--------------------01234567890123456789
0123456789012345678901234567890123456789
ただし、「-」は空欄であることを示す。
【0117】
第1の分注される投与9回分の各々について、第1のリング部材は、1増分単位だけ反時計回りに回転される、すなわち、「9」から「0」まで、数「190」が表示されるまでカウントダウンされる。次いで、分注される10回目について、第1および第2のリング部材は、リング部材が1増分単位だけ連動して回転されるように結合機構を使って結合される。この結果、数「189」が窓1202を通して表示される。その後の分注される9回分について、第1のリング部材は、数「180」が表示されるまで数増分単位、反時計回りに再び回転される。分注される12回目について、結合部材が再び係合され、第1および第2のリング部材は1増分単位だけ連動して回転され、数「179」が窓1202を通して表示される。
【0118】
図30bは、数「72」が表示される、中間カウント位置を示している。この位置では、第3の数列が尽きており、空欄が代わりに現れる。あるいは、空欄は、色など、数以外の印で埋められ得る。
【0119】
容器が空になる、たとえば、残りの投与回数が10未満になると、第2の数列は、感嘆符「!」または他の警告インジケータで置き換えられ得る。この目的のための好ましい警告インジケータは色(たとえば、赤色)である。最終回の分が分注された後(
図30c)、好ましくは第2のリング部材に取り付けられ、したがって同じ速度で回転されているカバー要素1204は、窓1202と揃えられる。これは印を見えなくする。カバーは、たとえば、「EMPTY」という単語が書かれているものとしてよい。
【0120】
ディスペンサーがさらに作動するとその結果、そのまま第1のリング部材201が回転する。しかし、歯が第2のリング部材202の周りの中ほどにしか配設されていないので、結合機構は、もはや、係合できない、すなわち、アームのスロットに係合する歯がない。そのため、第2のリング部材202のさらなる回転は行われず、したがって、ディスプレイカバー要素1204は第1のリングがディスペンサーのさらなる作動によってそのまま回転する場合であっても適所に留まる。
【0121】
そこで、さらなる態様から見たときに、本発明は、印を有し、前記リング部材の周りに部分的にしか配設されていない突起部を載せたカウンターで使用するためのリング部材を実現する。好ましくは、突起部は、リング部材の内面上に配設される。
【0122】
好ましい実施形態では、突起部(たとえば、歯)は、等間隔で並ぶ。特に好ましくは、突起部は、リング部材の周りの3/4(たとえば、約270°)にしか延在せず、さらにより好ましくは、突起部はリング部材の周りの1/4から1/2(たとえば、約90°,108°または180°またはこれらの間の任意の角度)にしか延在しない。
【0123】
デフレクタおよび/またはアーム(
図30には示されていない)の数は、実装されるカウント方式に依存することは明らかである。たとえば、
図30において、第1のリング部材が連続する整数「0」から「9」の繰り返される4つの組を含み、それぞれの組が第1のリング部材201の1/4回転をカバーする第1の数列を有する場合、および1つのデフレクタ1002が備えられている場合、カウンターは、90度間隔で並ぶ4つのアームを有することになる。もちろん、他の構成も可能である。たとえば、第1のリング部材が連続する整数「0」から「9」の繰り返される2つの組を含み、それぞれの組が第1のリング部材201の1/2回転をカバーする第1の数列を有する場合、および1つのデフレクタ1002が備えられている場合、カウンターは、180度間隔で並ぶ2つのアームを有することになる。あるいは、いくつかの間隔をあけて並ぶ単一のアームと複数のデフレクタ1002、または複数のアームおよびデフレクタおよび歯の複数の組を有することも可能であるものとしてよい。
【0124】
図31および
図32は、カウンターを含むディスペンサーの斜視図である。
図18aおよび
図18bとは対照的に、歯支持部材ではなく爪支持部材が第1のリング部材201と一体となっている。これは、例示することのみを目的としている。上で説明されているように、駆動機構の好ましい実施形態が、
図22に示されている。また、
図31では、第3の数列703の後にカラーのストリップが見えている。
図32は、ディスペンサーのハウジング1402の窓1202を通してカウント(「119」)がどのように見えるかを示している。
【0125】
図33aから
図33cは、カウンターの好ましい一実施形態の一部を示している。この好ましい実施形態において、第2のリング部材1510は、上で説明されているように(また
図25および
図26に示されているように)中心軸214の周りで第1のリング部材201と回転可能に、同軸上に配置構成される。わかりやすくするため、第1のリング部材201は、これらの図面に示されていない。
【0126】
上で説明されている実施形態と同様に、第2のリング部材は、第1のリング部材の上の実質的同一平面上に配置構成され、その外周上表面は2つのリング部材が交わるヘアラインによってのみ途絶される実質的に連続する表面を形成するように揃えられる。駆動機構の爪支持部材205は、第1のリング部材201と一体である。
【0127】
この好ましい実施形態において、カウンターは、第2のリング部材1510と同軸上に配置構成されている第3のリング部材1502をさらに備える。使用時に、第3のリング部材は回転しない。第3のリング部材は、
図28および
図29を参照しつつ上で説明されているような方法で第1のリング部材上のアーム704をたわませて第2のリング部材1510の内側表面上の突起部1516と係合させるデフレクタ1504を備える。これからわかるように、第3のリング部材は、外壁にギャップ1518を有し、アーム704を外向きにたわませることができる。窓1518の後縁境界上の傾斜したエッジは、アーム704のエッジと係合して、アームが歯1516と係合した後にアーム704を歯1516から押し離す。これにより、10の位の(第2の)リングの望ましくないさらなる係合(これがあると間違った投与量が表示されることになる)は生じないことが確実になる。
【0128】
第3のリング部材1502は、第2のリング部材1510の上側円周表面に圧力を加える可撓性および弾力性を有する変形可能な部分を備える制限機構1506をさらに備える。制限機構は、第3のリング部材に関して第2のリング部材の回転量を制限する。より具体的には、制限機構は、アームが適切に外れない場合に2つの突起部(またはカウント)によって第2のリング部材の不正な回転を防ぐ。この実施形態では、第2のリング部材1510は、第3のリング部材1502の制限機構1506と係合する上側円周表面上の複数の突起部1512も備える。好ましくは、突起部1512は、実質的に等間隔で並ぶ。より好ましくは、突起部1512は、第2のリング部材の内側表面上に突起部1516と実質的に同じ間隔を有する。
【0129】
図28および
図29を参照しつつ上で説明されているように、第1および第2のリング部材が結合されると、第2のリング部材は第1のリング部材と同じ速度で回転する(第1および第2のリング部材の結合が外れるまで)。突起部1512を突起部1516と実質的に同じ距離の間隔で並べることによって(第1のリング部材と第2のリング部材との間の結合機構の一部を形成する)、これは、アームが適切に結合を外さず不正なカウントを示す事態であっても望まれている以上に第2のリング部材が回転することを防ぐ。
【0130】
さらに、第3のリング部材は、上側円周表面に複数の位置決め陥凹部1508a,1508bおよび1508cも備える。好ましい実施形態では、対応する形状の突起部がこれらの陥凹部内に配置され、第3のリング部材を適所に保持し、したがって、第3のリング部材の回転を防ぐ。突起部は、容器またはディスペンサー内に(たとえば、ディスペンサーキャップ内に)配置され得る。第3のリング部材が回転するのを防ぐことによって、これは、デフレクタ1504が第1および第2のリング部材に関して一貫した位置に留まることを確実にする。
【0131】
容器またはディスペンサー内に配置されている複数の対応する形状の突起部は、キーイング機能をもたらすように非対称パターンを用いて設計され得る。つまり、第3のリング部材は、容器およびディスペンサーに関して、したがって第1および第2のリング部材に関しても1つの回転位置を取り得る。これは、第3のリング部材が、カウントを正しく登録できるように第1および第2のリング部材に関して常に正しく配置されることを確実にする。
【0132】
第2のリング部材1510は、ディスペンサーが空であることを示すゼロにカウンターが到達したことを示す第1の印(
図30に関して上で説明されているような)を見えなくするためにディスプレイカバー要素1514をさらに備える。
【0133】
図34aおよび
図34bは、第2のリング部材なしの第3のリング部材を示している。これらの参照番号は
図33における参照番号と対応している。
【0134】
この実施形態では、カウントが残っている投与の正しい回数を示すように第3のリング部材が第1および第2のリング部材に関して固定された回転位置に留まることを必要とするので、第3のリング部材は、印を備えず、印を帯びることを意図されていないことは明らかである。
【0135】
すべての実施形態において、コンポーネントは、好ましくはアセタール共重合体から作られるフラップおよびカム従動子を除き、好ましくはポリプロピレンから作られる。
【0136】
本発明は、特定の実施形態、およびその使用の上記の説明によって例示されているが、前記の説明は、付属の請求項によって定められる、本発明の範囲に対する制限として読者によって見なされるべきでない。
【0137】
カム従動子、カウンター駆動装置ガイド、およびカウンターは、単一のディスペンサー内に組み合わされて開示されているが、当業者であれば、カム従動子、カウンター駆動装置ガイド、およびカウンターの各々は、すべてが同じディスペンサー内に存在している必要はなく、他の特徴が存在していなくてもディスペンサーにおいて使用することが可能であることは理解されるであろう。たとえば、カム従動子は、カウンター駆動装置ガイドおよびカウンターなしで、また同様に、カウンター駆動装置ガイドおよびカウンターとともに、ディスペンサー内で使用することができる。