特許第6087978号(P6087978)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087978貢献する再注入回路を使用した液化天然ガスの生成における統合された窒素除去
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087978
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】貢献する再注入回路を使用した液化天然ガスの生成における統合された窒素除去
(51)【国際特許分類】
   F25J 3/02 20060101AFI20170220BHJP
   F25J 3/08 20060101ALI20170220BHJP
   F25J 3/06 20060101ALI20170220BHJP
   F25J 5/00 20060101ALI20170220BHJP
   C10L 3/10 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   F25J3/02 B
   F25J3/08
   F25J3/06
   F25J5/00
   C10L3/10
【請求項の数】14
【外国語出願】
【全頁数】36
(21)【出願番号】特願2015-89133(P2015-89133)
(22)【出願日】2015年4月24日
(65)【公開番号】特開2015-210078(P2015-210078A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2015年6月11日
(31)【優先権主張番号】14/260,643
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591035368
【氏名又は名称】エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100147212
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チェン フェイ
(72)【発明者】
【氏名】リュー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ゴウリ クリシュナムルティ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー マイケル オット
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジュリアン ロバーツ
【審査官】 神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−202875(JP,A)
【文献】 特開2013−036676(JP,A)
【文献】 特表2002−528693(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/087569(WO,A1)
【文献】 米国特許第05036671(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J 1/00−5/00
C10L 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒素を枯渇させたLNG生成物を生成する方法であって、
(a)主熱交換器を通して天然ガス供給流を通過させて、該天然ガス供給流を冷却しかつ該流れのすべてまたは一部を液化し、それによって第1のLNG流を生成することと、
(b)該主熱交換器から該第1のLNG流を回収することと、
(c)該第1のLNG流または該第1のLNG流の一部から生成したLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させることと、
(d)該リサイクル流を圧縮して、圧縮されたリサイクル流を生成させることと、
(e)該天然ガス供給流と別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させて、該圧縮されたリサイクル流を冷却しかつその流れのすべてまたは一部を少なくとも部分的に液化させ、それによって第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることと、
(f)該主熱交換器から該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を回収することと、
(g)該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、
を含む、方法であって、
ステップ(c)が、(i)該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG流と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるストリッピングガス流とを生成させることと、(ii)該窒素を枯渇させたLNG流をさらに膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることをさらに含み、
ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させることと、蒸留塔の中に該流れを導入して該流れを蒸気相と液相とに分離することと、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成することと、該蒸留塔の下部の中へ該ストリッピングガス流を導入することをさらに含む、方法
【請求項2】
ステップ(c)が、該第1のLNG流または該第1のLNG流から生成されたLNG流を膨張させることと、該LNGの一部が蒸発するLNG貯蔵タンク中に該膨張させられた流れを移送し、それによって窒素を富化した天然ガス蒸気と該窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成させることと、該タンクから窒素を富化した天然ガス蒸気を回収して、該リサイクル流を生成させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、そして相分離器中で該流れを蒸気相と液相とに分離して、該窒素を富化した蒸気生成物と第2のLNG流とを生成させることと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(c)が、該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることを含み、そして該方法が、
(h)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該リサイクル流のための追加の窒素を富化した天然ガス蒸気と追加の窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
該方法が、該窒素を富化した蒸気生成物の一部をリサイクルすることをさらに含み、このリサイクルがステップ(d)中の該リサイクル流の該圧縮の前にステップ(c)中で得られた該リサイクル流に該一部を加えることによる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
該主熱交換器が、該天然ガス供給流と圧縮されたリサイクル流とが並行して導入される暖かい終端と、該第1のLNG流と第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とが並行して回収される冷たい終端とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
該主熱交換器が、該天然ガス供給流が導入される暖かい終端と、該第1のLNG流と第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とが並行して回収される冷たい終端を含み、該圧縮されたリサイクル流が、該主熱交換器の該暖かい終端と該冷たい終端との間の中間の場所にある該主熱交換器中に導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
該リサイクル流が、ステップ(d)中で圧縮される前に、エコノマイザー熱交換器中で加熱され、そして該圧縮されたリサイクル流が後部冷却器中で冷却され、そしてステップ(e)中で該主熱交換器中に導入される前に、該エコノマイザー熱交換器中でさらに冷却される、請求項に記載の方法。
【請求項9】
該主熱交換器が、該天然ガス供給流が導入される暖かい終端と、該第1のLNG流が回収される冷たい終端とを含み、
ステップ(a)が、(i)該主熱交換器の該暖かい終端の中へ該天然ガス供給流を導入し、該天然ガス供給流を冷却しかつ少なくとも部分的に液化し、そして該主熱交換器の中間の場所から該冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを回収することと、(ii)該冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した天然ガス蒸気流と窒素を枯渇させた天然ガス液体流とを生成させることと、(iii)該主熱交換器の中間の場所の中へ該蒸気流と液体流とを別個に再導入し、そして該蒸気流と液体流とを並行してさらに冷却し、該液体流がさらに冷却されて該第1のLNG流を生成し、そして該蒸気流がさらに冷却されかつ少なくとも部分的に液化されて、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成することとを含み、そして、
ステップ(b)が、該主熱交換器の該冷たい終端から該第1のLNG流と該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを回収することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流と該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを膨張させかつ部分的に蒸発させることと、該流れを蒸留塔の中に導入して蒸気相と液相とに該流れを分離することと、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が該蒸留塔の中に導入される場所より上の場所において、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の中に導入される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
該主熱交換器のための冷却が閉回路冷却システムによって提供され、該閉回路冷却システムによって循環される冷媒が、該主熱交換器を通過しかつ該主熱交換器中で暖められる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
窒素を枯渇させたLNG生成物を生成させるための装置であって、該装置が、
天然ガス供給流を受け、そして主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして該流れのすべてまたは一部を液化して第1のLNG流を生成するための、および窒素を富化した天然ガス蒸気からなる圧縮されたリサイクル流を受け、そして該主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして少なくとも部分的に液化して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成するための、冷却通路を有する主熱交換器と、
該冷却通路を冷却するための主熱交換器に冷媒を供給するための冷却システムと、
該第1のLNG流、または該第1のLNG流の一部から生成されたLNG流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させるため、および該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG流と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるストリッピングガス流とを生成させるための、該主熱交換器と流体流連通した第1の分離システムと、
該リサイクル流を受け、該リサイクル流を圧縮して該圧縮されたリサイクル流を生成し、そして該主熱交換器に該圧縮されたリサイクル流を戻すための、該第1の分離システムおよび主熱交換器と流体流連通した、圧縮機と、
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して窒素を富化した蒸気生成物を生成させるための、主熱交換器と流体流連通した、第2の分離システムと、
を含み、該天然ガス供給流から別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させるように、該冷却通路が並べられており
該第1の分離システムが膨張機器および該窒素を枯渇させたLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させるための相分離器、分離機器またはLNGタンクをさらに含み、そして、
該第2の分離システムが膨張機器および該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、蒸留塔の中に該流れを導入して該流れを蒸気相と液相とに分離し、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成し、該蒸留塔の下部の中へ該ストリッピングガス流を導入するための蒸留塔をさらに含む、装置。
【請求項14】
該冷却システムが閉回路冷却システムであり、該第1の分離システムが膨張機器およびLNGタンクを含む、請求項13に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ガス供給流を液化し、そしてそこから窒素を除去して、窒素を枯渇させた液化天然ガス(LNG)生成物を生成するための方法に関する。本発明はまた、天然ガス供給流を液化し、そしてそこから窒素を除去して窒素を枯渇させたLNG生成物を生成するための(例えば、天然ガス液化プラントまたは他の形態の処理設備等の)装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天然ガスを液化するための方法において、例えば、純度および/または回収への要求により、生成物(メタン)の損失を最小化しながら、供給流から窒素を除去することが、多くの場合望ましいかまたは必要である。除去された窒素生成物は、燃料ガスに使用されるか、または大気中に放出されることができる。燃料ガスとして使用される場合、窒素生成物は、その熱量を維持するためにかなりの量のメタン(典型的には>30モル%)を含まなければならない。この場合、窒素の分離は、窒素生成物の純度への仕様を失うことにより困難ではなく、そしてその目的は、最小限の追加の装置および出力消費を有するもっとも効率的な方法を選択することである。しかし、電気モーターにより駆動される多くの小規模および中規模LNG設備において、燃料ガスへの要求はほとんどなく、そして窒素生成物は大気中に放出されなければならない。大気中に放出される場合、窒素生成物は環境への関心および/またはメタン回収への要求により、厳しい純度仕様(例えば、>95モル%、または>99モル%)を満たさなければならない。この純度要求は分離への挑戦を生じる。天然ガス供給における非常に高い窒素濃度(典型的には10モル%超、ある場合には20モル%までまたは20モル%超)の場合、貢献する窒素排除ユニット(Nitrogen Rejection Unit:NRU)は、窒素を効率的に除去し、そして純粋な(>99モル%)窒素生成物を生成する堅牢な方法であることが証明された。しかし、大部分の場合、天然ガスは約1〜10モル%の窒素を含む。供給中の窒素濃度がこの範囲内である場合、NRUの適用性は追加の装置に関連した複雑さによる高い資本コストにより阻まれる。多くの従来技術文献は、窒素リサイクル流をNRUに加えることかまたは貢献する精留塔を使用することを含む、天然ガスから窒素を除去する代替溶液を提案した。しかし、これらの方法は、多くの場合非常に複雑であり、(資本コストと関連した)大量の装置を必要とし、特により低い窒素濃度(<5%)の供給流では、運転が難しくかつ/または非効率である。さらに、天然ガス供給中の窒素濃度は随時変化することが多く、これは現在のところ窒素含有量の高い供給を取り扱う場合ですら、この場合に留まるであろうことを保証できないことを意味する。したがって、単純で効率的でかつ低い窒素濃度を有する天然ガス供給から効果的に窒素を除去できる方法を開発することが望ましい。
【0003】
米国特許第3、721、099号明細書は、天然ガスを液化し、そして精留によって液化天然ガスから窒素を分離するための方法を開示する。この方法において、天然ガス供給は、一連の熱交換器ユニット中で、予め冷却されかつ部分的に液化され、そして相分離器中で液相と蒸気相とに分離される。次に天然ガス蒸気流は、液化されかつ二重精留塔の下部の中のパイプコイル中で過冷却され、高圧塔に沸騰の義務を提供する。パイプコイルからの液体天然ガス流は、次に熱交換器ユニット中でさらに過冷却され、膨張弁中で膨張させられ、そして高圧塔の中に導入され、そして分離される。高圧精留塔の下部から引き出されたメタンを富化した液体流および相分離器から得られたメタンを富化した液体流は、さらに熱交換器ユニット中で過冷却され、膨張バルブを通して膨張させられ、そして低圧塔の中に導入されかつ分離される。低圧塔への還流は、高圧塔の上部から得られた窒素流を熱交換器ユニット中で液化することで得られた液体窒素流によって提供される。約0.5%の窒素を含む窒素を枯渇させたLNG(主に液体メタン)生成物は、低圧塔の下部から得られ、そしてLNG貯蔵タンクに送られる。窒素を富化した流れは、(約95モル%の窒素を含む)低圧塔の上部および高圧塔の上部から得られる。LNGタンクからの窒素を富化した流れおよびボイルオフ(boil off)ガスは、種々の熱交換器ユニット中で暖められて、そこからの冷却を提供する。
【0004】
米国特許第7、520、143号明細書は、98モル%の窒素を含む窒素放出流が窒素排除塔によって分離される方法を開示する。天然ガス供給流は、主熱交換器の第1の(暖かい)部分中で液化され、熱交換器の中間の場所から回収されるLNG流を生成し、膨張弁中で膨張させられ、そして窒素排除塔の下部に送られる。窒素排除塔からの下部の液体は、主熱交換器の第2の(冷たい)部分中で過冷却され、そしてフラッシュドラム中へと弁を通って膨張させられて、窒素を枯渇させたLNG生成物(1.5モル%未満の窒素)、および窒素放出流より純度が低く(30モル%の窒素)かつ燃料ガスに使用される窒素を富化した流れを提供する。窒素排除塔からのオーバーヘッド蒸気は分割されるとともに、蒸気の一部は窒素放出流として回収され、そして残りはフラッシュドラム中の熱交換器中で凝結されて、窒素排除塔に還流を提供する。主熱交換器のための冷却は、混合冷媒を用いた閉回路冷却システムによって提供される。
【0005】
米国特許出願公開第2011/0041389号明細書は、米国特許第7、520、143号明細書中に記載されたものと類似する、高純度の窒素放出流(典型的には90〜100体積%の窒素)を精留塔中で天然ガス供給流から分離する方法を開示する。天然ガス供給流は、主熱交換器の暖かい部分中で冷却されて、冷却された天然ガス流を生成する。この流れの一部は、主熱交換器の第1の中間の場所から回収され、膨張させられかつストリッピングガスとして精留塔の下部に送られる。流れの残りは、主熱交換器の中間部分中でさらに冷却されかつ液化されて、熱交換器の第2の(より冷たい)中間の場所から回収されるLNG流を生成し、膨張させられかつ精留塔の中間の場所に送られる。精留塔からの下部の液体は、窒素を枯渇させたLNG流として回収され、主熱交換器の冷たい部分中で過冷却され、そして相分離器中に膨張させられて、窒素を枯渇させたLNG生成物、および圧縮されかつ天然ガス供給流にリサイクルされる窒素を富化した流れを提供する。精留塔からオーバーヘッド蒸気は、分割されるとともに、蒸気の一部が高純度の窒素放出流として回収され、そして残りは相分離器中の熱交換器中で凝結されて精留塔への還流を提供する。
【0006】
ip.comデータベース上の文献IPCOM000222164Dは、スタンドアローンの窒素排除ユニット(NRU)が窒素を枯渇させた天然ガス流および純粋な窒素放出流を生成するために使用される方法を開示する。天然ガス供給流は、暖かい熱交換器ユニット中で、冷却されかつ部分的に液化され、そして相分離器中で天然ガス蒸気流と液体流とに分離される。蒸気流は、冷たい熱交換器ユニット中で液化され、そして蒸留塔の上部または中間の場所に送られる。液体流はさらに、蒸気流と別個にかつ並行して、冷たい熱交換器ユニット中でさらに冷却され、そして次に蒸留塔の(蒸気流が導入される場所より下の)中間の場所に送られる。蒸留塔ための沸騰は、冷たい熱交換器ユニット中の蒸留塔からの窒素を枯渇させた下部の液体の一部を暖めかつ蒸発させることによって提供され、それによってまたユニットのための冷却を提供する。窒素を枯渇させた下部の液体の残りはポンプで送られ、そして暖かい熱交換器ユニット中で暖められ、そして蒸発させられ、それによってそのユニットのための冷却を提供し、そして充分に蒸発させられた蒸気流として暖かい交換器を離れる。蒸留塔から回収された窒素を富化したオーバーヘッド蒸気は、冷たいおよび暖かい熱交換器ユニット中で暖められて、このユニットにさらなる冷却を提供する。蒸気流が蒸留塔の中間の場所に導入される場所では、オーバーヘッド蒸気の一部を凝結させ、そしてこれを塔に戻すことによって、塔のための追加の還流を提供することができる。これは、エコノマイザー熱交換器中でオーバーヘッド蒸気を暖めて、暖められたオーバーヘッド蒸気を分割し、そしてエコノマイザー熱交換器中で暖められたオーバーヘッド蒸気の一部を凝結させ、そして凝結した部分を蒸留塔の上部に戻すことによって行われる。外部冷却はこの方法において使用されない。
【0007】
米国特許出願公開第2011/0289963号明細書は、窒素ストリッピング塔が天然ガス流から窒素を分離するのに使用される方法を開示する。この方法において、天然ガス供給流は、単一混合冷媒を用いて、熱交換を介して主熱交換器の暖かい部分中で、冷却されかつ部分的に液化される。部分的に凝結した天然ガスは、主熱交換器から回収され、そして相分離器または蒸留容器中で天然ガス蒸気流と液体流とに分離される。液体流は、膨張させられ、そして窒素ストリッピング塔の中に導入される前に、主熱交換器の冷たい部分中でさらに冷却される。(1〜3体積%の窒素を含む)窒素を枯渇させたLNG生成物は、ストリッピング塔の下部から回収され、そして(10体積%未満のメタンを含む)窒素を富化した蒸気流は、ストリッピング塔の上部から回収される。相分離器または蒸留容器から天然ガス蒸気流は、膨張させられ、そして別個の熱交換器中で冷却され、そしてストリッピング塔の上部の中に導入されて還流を提供する。ストリッピング塔からの下部の液体の一部を蒸発させること(それによって塔からの沸騰をまた提供する)によっておよびストリッピング塔の上部から回収された窒素を富化した蒸気流を暖めることによって、追加の熱交換器への冷却が提供される。
【0008】
米国特許第8、522、574号明細書は、窒素が液化天然ガスから除去される、別の方法を開示する。この方法において、天然ガス供給流は、主熱交換器中で、最初に冷却されかつ液化される。次に液体流は第2熱交換器中で冷却され、そして窒素を富化した蒸気がメタンを富化した液体から分離されるフラッシュ容器中に膨張させられる。蒸気流は、さらに膨張させられ、そして分別塔(fractionation column)の上部に送られる。フラッシュ容器からの液体流は分割されるとともに、一部が分別塔の中間の場所中に導入され、そして別の部分が第2熱交換器中で暖められ、そして分別塔の下部の中に導入される。分別塔から得られた窒素を富化したオーバーヘッド蒸気は、第2の熱交換器中に通されかつその中で暖められて、追加の冷却をその熱交換器に提供する。生成物である液化天然ガスは、分別塔の下部から回収される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
米国特許出願公開第2012/019883号明細書は、天然ガス流を液化し、そしてそれから窒素を除去する方法を開示する。天然ガス供給流は、主熱交換器中で液化され、膨張させられ、そして分離塔の下部の中に導入される。主熱交換器のための冷却は、混合冷媒を循環する閉回路冷却システムによって提供される。分離塔の下部から回収された窒素を枯渇させたLNGは、膨張させられ、そして相分離器中でさらに分離される。相分離器からの窒素を枯渇させたLNGは、LNG貯蔵タンクに送られる。相分離器からの蒸気流は、LNG貯蔵タンクからのボイルオフガスと組み合わされ、主熱交換器中で暖められて主熱交換器に追加の冷却を提供し、圧縮され、そして天然ガス供給流中にリサイクルされる。分離塔の上部から回収された窒素を富化した蒸気(90〜100体積%の窒素)はまた、主熱交換器中で暖められて、主熱交換器への追加の冷却を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の形態によれば、窒素を枯渇させたLNG生成物を生成する方法が提供され、この方法は、
(a)主熱交換器を通して天然ガス供給流を通過させて、該天然ガス供給流を冷却しかつ該流れのすべてまたは一部を液化し、それによって第1のLNG流を生成することと、
(b)該主熱交換器から該第1のLNG流を回収することと、
(c)該第1のLNG流または該第1のLNG流の一部から生成したLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させることと、
(d)該リサイクル流を圧縮して、圧縮されたリサイクル流を生成させることと、
(e)該天然ガス供給流と別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させて、該圧縮されたリサイクル流を冷却しかつその流れのすべてまたは一部を少なくとも部分的に液化させ、それによって第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることと、
(f)該主熱交換器から該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を回収することと、
(g)該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、
を含む。
【0011】
本発明の第2の形態によれば、窒素を枯渇させたLNG生成物を生成させるための装置が提供され、該装置が、
天然ガス供給流を受け、そして主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして該流れのすべてまたは一部を液化して第1のLNG流を生成するための、および窒素を富化した天然ガス蒸気からなる圧縮されたリサイクル流を受け、そして該主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして少なくとも部分的に液化して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成するための、冷却通路を有する主熱交換器と、
該冷却通路を冷却するための主熱交換器に冷媒を供給するための冷却システムと、
該第1のLNG流、または該第1のLNG流の一部から生成されたLNG流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させるための、該主熱交換器と流体流連通した第1の分離システムと、
該リサイクル流を受け、該リサイクル流を圧縮して該圧縮されたリサイクル流を生成し、そして該主熱交換器に該圧縮されたリサイクル流を戻すための、該第1の分離システムおよび主熱交換器と流体流連通した、圧縮機と、
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して窒素を富化した蒸気生成物を生成させるための、主熱交換器と流体流連通した、第2の分離システムと、
を含み、該天然ガス供給流から別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させるように、該冷却通路が並べられている。
【0012】
本発明の好ましい形態は、以下の形態、番号#1〜#28を含む:
#1 窒素を枯渇させたLNG生成物を生成する方法であって、
(a)主熱交換器を通して天然ガス供給流を通過させて、該天然ガス供給流を冷却しかつ該流れのすべてまたは一部を液化し、それによって第1のLNG流を生成することと、
(b)該主熱交換器から該第1のLNG流を回収することと、
(c)該第1のLNG流または該第1のLNG流の一部から生成したLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させることと、
(d)該リサイクル流を圧縮して、圧縮されたリサイクル流を生成させることと、
(e)該天然ガス供給流と別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させて、該圧縮されたリサイクル流を冷却しかつその流れのすべてまたは一部を少なくとも部分的に液化させ、それによって第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることと、
(f)該主熱交換器から該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を回収することと、
(g)該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、
を含む、方法。
#2 ステップ(c)が、該第1のLNG流または該第1のLNG流から生成されたLNG流を膨張させることと、該LNGの一部が蒸発するLNG貯蔵タンク中に該膨張させられた流れを移送し、それによって窒素を富化した天然ガス蒸気と該窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成させることと、該タンクから窒素を富化した天然ガス蒸気を回収して、該リサイクル流を生成させることと、を含む、形態#1に記載の方法。
#3 ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、そして相分離器中で該流れを蒸気相と液相とに分離して、該窒素を富化した蒸気生成物と第2のLNG流とを生成させることと、を含む、形態#1または#2に記載の方法。
#4 ステップ(c)が、該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることを含み、そして該方法が、
(h)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該リサイクル流のための追加の窒素を富化した天然ガス蒸気と追加の窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成することを含む、形態#3に記載の方法。
#5 ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させることと、蒸留塔の中に該流れを導入して該流れを蒸気相と液相とに分離することと、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成することと、を含む、#1または#2に記載の方法。
#6 ステップ(c)が、該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることと、を含む、形態#5に記載の方法。
#7 ステップ(c)が、(i)該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG流と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるストリッピングガス流とを生成させることと、(ii)該窒素を枯渇させたLNG流をさらに膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることを含み、
ステップ(g)が、該蒸留塔の下部の中へ該ストリッピングガス流を導入することをさらに含む、形態#5に記載の方法。
#8 ステップ(g)が、該蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることをさらに含み、そして該方法がさらに、
(h)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該リサイクル流のための追加の窒素を富化した天然ガス蒸気と追加の窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成させることを含む、形態#6または#7に記載の方法。
#9 ステップ(c)が、(i)該第1のLNG流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、そして該蒸留塔の中へ該流れを導入して蒸気相と液相とに該流れを分離して、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が該蒸留塔の中に導入される場所より下の場所において該蒸留塔の中に該第1のLNG流を導入することと、(ii)該蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることと、(iii)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成することと、を含む、形態#5に記載の方法。
#10 該第1のLNG流が該蒸留塔の中間の場所において該蒸留塔の中に導入され、そして該蒸留塔のための沸騰(boil−up:ボイルアップ)が、該蒸留塔の中への該第1のLNG流の導入前に、該第1のLNG流との間接的な熱交換を介して再沸騰(reboiler)熱交換器中で該下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって提供される、#9に記載の方法。
#11 該第1のLNG流が、該蒸留塔の該下部の中に導入される、#9に記載の方法。
#12 該蒸留塔のための沸騰が、該蒸留塔の中への該流れの該導入前に、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流のすべてまたは一部との間接的な熱交換を介して再沸騰熱交換器中で該下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって提供される、形態#5〜#10のいずれか1つに記載の方法。
#13 ステップ(e)が、該主熱交換器の中へ該圧縮されたリサイクル流を導入することと、該圧縮されたリサイクル流を冷却することと、該主熱交換器の中間の場所から該冷却され圧縮されたリサイクル流の一部を回収して、ストリッピングガス流を生成させることと、該冷却され圧縮されたリサイクル流の別の部分をさらに冷却しかつ少なくとも部分的に液化して、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることとを含み、そしてステップ(g)が、該蒸留塔の該下部の中へ該ストリッピングガス流を導入することをさらに含む、形態#5〜#12のいずれか1つに記載の方法。
#14 該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の該上部の中に導入される、形態#5〜#13のいずれか1つに記載の方法。
#15 該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の中に導入される前に、膨張させられ部分的に蒸発されかつ別個の蒸気流と液体流との中へ分離され、該液体流が中間の場所において該蒸留塔の中に導入され、そして該蒸気流が該蒸留塔から回収された該オーバーヘッド蒸気との間接的な熱交換を介してコンデンサー熱交換器中で冷却さかつ少なくとも部分的に凝結し、そして次に該蒸留塔の該上部の中に導入される、形態#5〜#13のいずれか1つに記載の方法。
#16 該蒸留塔のための還流が、コンデンサー熱交換器中で該蒸留塔からの該オーバーヘッド蒸気の一部を凝結させることによって提供される、形態#5〜#13のいずれか1つに記載の方法。
#17 該コンデンサー熱交換器のための冷却が、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気を暖めることによって提供される、形態#16に記載の方法。
#18 該コンデンサー熱交換器のための冷却が、該主熱交換器のために冷却を同様に提供する閉回路冷却システムによって提供され、該閉回路冷却システムによって循環する冷媒が、該コンデンサー熱交換器を通過しかつ該コンデンサー熱交換器中で暖められる、形態#16または#17に記載の方法。
#19 該方法が、該窒素を富化した蒸気生成物の一部をリサイクルすることをさらに含み、このリサイクルがステップ(d)中の該リサイクル流の該圧縮の前にステップ(c)中で得られた該リサイクル流に該一部を加えることによる、形態#1〜#18のいずれか1つに記載の方法。
#20 該主熱交換器が、該天然ガス供給流と圧縮されたリサイクル流とが並行して導入される暖かい終端と、該第1のLNG流と第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とが並行して回収される冷たい終端とを含む、形態#1〜#19に記載の方法。
#21 該主熱交換器が、該天然ガス供給流が導入される暖かい終端と、該第1のLNG流と第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とが並行して回収される冷たい終端を含み、該圧縮されたリサイクル流が、該主熱交換器の該暖かい終端と該冷たい終端との間の中間の場所にある該主熱交換器中に導入される、形態#1〜#19のいずれか1つに記載の方法。
#22 該リサイクル流が、ステップ(d)中で圧縮される前に、エコノマイザー熱交換器中で加熱され、そして該圧縮されたリサイクル流が後部冷却器中で冷却され、そしてステップ(e)中で該主熱交換器中に導入される前に、該エコノマイザー熱交換器中でさらに冷却される、#21に記載の方法。
#23 該主熱交換器が、該天然ガス供給流が導入される暖かい終端と、該第1のLNG流が回収される冷たい終端とを含み、
ステップ(a)が、(i)該主熱交換器の該暖かい終端の中へ該天然ガス供給流を導入し、該天然ガス供給流を冷却しかつ少なくとも部分的に液化し、そして該主熱交換器の中間の場所から該冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流を回収することと、(ii)該冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した天然ガス蒸気流と窒素を枯渇させた天然ガス液体流とを生成させることと、(iii)該主熱交換器の中間の場所の中へ該蒸気流と液体流とを別個に再導入し、そして該蒸気流と液体流とを並行してさらに冷却し、該液体流がさらに冷却されて該第1のLNG流を生成し、そして該蒸気流がさらに冷却されかつ少なくとも部分的に液化されて、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成することとを含み、そして、
ステップ(b)が、該主熱交換器の該冷たい終端から該第1のLNG流と該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを回収することを含む、形態#1〜#22に記載の方法。
#24 ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流と該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを膨張させかつ部分的に蒸発させることと、該流れを蒸留塔の中に導入して蒸気相と液相とに該流れを分離することと、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、を含む、形態#1、#2および#5〜#21のいずれか1つに従属する場合、#23に記載の方法。
#25 該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が該蒸留塔の中に導入される場所より上の場所において、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の中に導入される、形態#24に記載の方法。
#26 該主熱交換器のための冷却が閉回路冷却システムによって提供され、該閉回路冷却システムによって循環される冷媒が、該主熱交換器を通過しかつ該主熱交換器中で暖められる、形態#1〜#25のいずれか1つに記載の方法。
#27 窒素を枯渇させたLNG生成物を生成させるための装置であって、該装置が、
天然ガス供給流を受け、そして主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして該流れのすべてまたは一部を液化して第1のLNG流を生成するための、および窒素を富化した天然ガス蒸気からなる圧縮されたリサイクル流を受け、そして該主熱交換器を通して該流を通過させて該流れを冷却し、そして少なくとも部分的に液化して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成するための、冷却通路を有する主熱交換器と、
該冷却通路を冷却するための主熱交換器に冷媒を供給するための冷却システムと、
該第1のLNG流、または該第1のLNG流の一部から生成されたLNG流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させるための、該主熱交換器と流体流連通した第1の分離システムと、
該リサイクル流を受け、該リサイクル流を圧縮して該圧縮されたリサイクル流を生成し、そして該主熱交換器に該圧縮されたリサイクル流を戻すための、該第1の分離システムおよび主熱交換器と流体流連通した、圧縮機と、
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して窒素を富化した蒸気生成物を生成させるための、主熱交換器と流体流連通した、第2の分離システムと、
を含み、該天然ガス供給流から別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させるように、該冷却通路が並べられている、装置。
#28 該冷却システムが閉回路冷却システムであり、該第1の分離システムが膨張機器およびLNGタンクを含み、そして該第2の分離システムが膨張機器および相分離器または蒸留塔を含む、形態#27に記載の装置。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、液化しかつ天然ガス流から窒素を除去して窒素を枯渇させたLNG生成物を生成するための本発明の1つの態様による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0014】
図2図2は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0015】
図3図3は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0016】
図4図4は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0017】
図5図5は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0018】
図6図6は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0019】
図7図7は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0020】
図8図8は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0021】
図9図9は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0022】
図10図10は、本発明の別の形態による方法および装置を記載する図式のフロー図である。
【0023】
図11図11は、図10中に記載された方法および装置において使用されるコンデンサー熱交換器での冷却曲線を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
特に断らなければ、本明細書中で使用される冠詞「a」および「an」は、明細書および請求項中に記載された本発明の態様のなんらかの特徴に適用される場合、1つまたは2つ以上を意味する。「a」および「an」の使用は具体的にそのように記載しない限り、単一の特徴を意味するように制限しない。単数のまたは複数の名詞または名詞句に先行する冠詞「the」は、特別な特定の特徴または特別な特定の(複数の)特徴を意味し、そしてそれが使用される内容によって単数または複数の意味を有することができる。
【0025】
上記に記載したように、本発明の第1の形態により、
窒素を枯渇させたLNG生成物を生成する方法であって、
(a)主熱交換器を通して天然ガス供給流を通過させて、該天然ガス供給流を冷却しかつ該流れのすべてまたは一部を液化し、それによって第1のLNG流を生成することと、
(b)該主熱交換器から該第1のLNG流を回収することと、
(c)該第1のLNG流または該第1のLNG流の一部から生成したLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させることと、
(d)該リサイクル流を圧縮して、圧縮されたリサイクル流を生成させることと、
(e)該天然ガス供給流と別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させて、該圧縮されたリサイクル流を冷却しかつその流れのすべてまたは一部を少なくとも部分的に液化させ、それによって第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることと、
(f)該主熱交換器から該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を回収することと、
(g)該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、
を含む、方法が提供される。
【0026】
本明細書中で使用される場合、用語「天然ガス」は、合成および代用天然ガスをまた含む。天然ガス供給流は、メタンおよび(典型的には主な成分であるメタンを有する)窒素を含む。典型的には、天然ガス供給流は、1〜10モル%の窒素濃度を有し、そして本明細書中に記載された方法および装置は、たとえ天然ガス供給流中の窒素濃度が5モル%以下など比較的低くても、天然ガス供給流から窒素を効果的に除去できる。天然ガス流は、通常また、他の成分、例えば、1種または2種以上の他の炭化水素および/またはヘリウム、二酸化炭素、水素等の他の成分等を含むであろう。しかし、天然ガス流は、流れの冷却および液化の間に主熱交換器中で冷凍するであろう濃度でのなんらかの追加の成分を含まないことが好ましい。したがって、主熱交換器中に導入される前に、天然ガス供給流から水、酸ガス、水銀および重質炭化水素を除去することが必要な場合およびその必要に従って、天然ガス供給流は前処理されることができ、なんらかの凍結の問題とならないであろうそうしたレベルまで天然ガス供給流中のなんらかのそうした成分の濃度を低下させる。
【0027】
本明細書中で使用される場合、および特に断らなければ、流れ中の窒素の濃度が天然ガス供給流中の窒素の濃度より高い場合、流れは「窒素を富化した」ものである。流れ中の窒素の濃度が天然ガス供給流中の窒素の濃度より低い場合、流れは「窒素を枯渇させた」ものである。上記の様な本発明の第1の形態による方法において、窒素を富化した蒸気生成物は、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流(したがって天然ガス供給流に比較して窒素をさらに富化していると記載できる)より高い窒素濃度を有する。天然ガス供給流が、メタンおよび窒素に加えて他の成分を含む場合、「窒素を富化した」流れはまた、他の軽質成分(例えば、窒素の沸点と類似またはそれより低い沸点を有する例えば、ヘリウム等の他の成分)を富化していることができ、そして「窒素を枯渇させた」流れはまた、他の重質成分(例えば、メタンの沸点と類似またはより高い沸点を有する、例えば、より重い炭化水素等の他の成分)を枯渇させていることができる。
【0028】
本明細書中で使用される場合、用語「主熱交換器」は、天然ガス流のすべてまたは一部を冷却しかつ液化して、第1のLNG流を生成することに責任を有する熱交換器をいう。下記で詳細を記載するように、熱交換器は、連続しておよび/または並行して並べられた1つまたは2つ以上の冷却部分からなることができる。それぞれのそうした部分は、それ自身のハウジングを有する別個の熱交換器ユニットを構成できるが、同様にそうした部分は共通のハウジングを共有する単一の熱交換器ユニット中に組み込まれることができる。熱交換器ユニットは、シェルおよび管、巻きコイル、またはプレートおよびフィンタイプの熱交換器ユニット等であるがこれらに限られない任意の好適なタイプであることができる。そうしたユニットにおいて、それぞれの冷却部分は、典型的にはそれ自身、管束(ユニットがシェルおよび管または巻きコイルタイプでできている)またはプレートおよびフィン束(ユニットがプレートおよびフィンタイプである)を含むことができるであろう。本明細書中で使用される場合、主熱交換器の「暖かい終端」および「冷たい終端」は、最も高い温度および最も低い温度(それぞれ)である主熱交換器の終端いう相対的な用語であり、そして特に断らなければ、任意の特別な温度範囲を意味することを意図していない。主熱交換器の語句「中間の場所」は、暖かい終端と冷たい終端との間の場所、典型的には連続している2つの冷却部分の間の場所をいう。
【0029】
典型的には、主熱交換器のためのいくつかまたはすべての冷却は、閉回路冷却システムによって提供され、閉回路冷却システムによって循環する冷媒は、主熱交換器を通過させられその中で暖められる。閉回路冷却システム(または1超が主熱交換器へ冷却を提供するために使用される閉回路冷却システム)は、任意の好適なタイプであることができる。1つまたは2つ以上の閉回路システムを含み、本発明により使用できる例示的な冷却システムは、単一混合冷媒(SMR)システム、デュアル混合冷媒(DMR)システム、ハイブリッドプロパン混合冷媒(C3MR)システム、窒素膨張サイクル(または他のガス状の膨張サイクル)システム、およびカスケード冷却システムを含む。
【0030】
本明細書中に記載された方法および装置において、および特に断らなければ、流れは、膨張させられることができ、そして/または、液体または2相の流れの場合、任意の好適な膨張機器に流れを通すことによって膨張させられかつ部分的に蒸発させられることができる。流れは、例えば、膨張弁またはJ−T弁、または流れの(本質的に)等エンタルピー膨張(そしてそれ故にフラッシュ蒸発)を行うための任意の他の機器を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられることができる。さらにまたは代わりに、流れは、例えば、水力タービンまたはターボ膨張器等のワークイクストラクティング(work−extracting)機器を通過させられかつワークエクストラクトされることによって、例えば、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、それによって流れの等エントロピー膨張(本質的に)を行うことができる。
【0031】
好ましい態様では、この方法のステップ(c)は、LNG貯蔵タンクを使用して、第1のLNG流、または第1のLNG流の一部から生成されたLNG流を分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物とリサイクル流とを生成する。したがって、ステップ(c)は好ましくは、第1のLNG流または第1のLNG流から生成されたLNG流を膨張させ、LNG貯蔵タンク中に膨張させられた流れを移送し、そこでLNGの一部が蒸発させられ、それによって窒素を富化した天然ガス蒸気および窒素を枯渇させたLNG生成物を生成し、そしてタンクから窒素を富化した天然ガス蒸気を回収して、リサイクル流を生成することを含む。
【0032】
一態様では、方法のステップ(g)は相分離器を使用して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を分離し、窒素を富化した蒸気生成物を生成させる。したがって、ステップ(g)は、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させること、そして相分離器中において該流れを蒸気相と液相とに分離して、窒素を富化した蒸気生成物と第2のLNG流とを生成させることを含むことができる。
【0033】
本明細書中で使用される場合、用語「相分離器」は、流れをその構成部分の蒸気相と液相とに分離するために二相流れを導入することができるドラムまたは他の形態の容器等の機器をいう。(下記に記載する)蒸留塔と対照的に、容器は、容器の内側で対向流の液体と蒸気流との間に質量移送を行うように設計された任意の分離部分を含まない。流れが、分離される前に、膨張させられるか(または膨張させられかつ部分的に蒸発させられる)場合、流れを膨張させるための膨張機器および流れを分離するための相分離器は、例えば(ドラムへの入口が膨張弁を取り込んでいる)フラッシュドラム等の単一の機器に組み合わされることができる。
【0034】
ステップ(g)が上記の様な相分離器を使用する場合、この方法のステップ(c)は、好ましくは第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して(第1のLNG流の一部から生成されたLNG流とは対照的に)窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成することを含む。この方法は、第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、リサイクル流のための追加の窒素を富化した天然ガス蒸気および追加の窒素を枯渇させたLNG生成物を生成するステップ(h)をさらに含むことができる。第2のLNG流がまた、膨張させられ部分的に蒸発させられかつ分離されて、追加の窒素を富化した天然ガス蒸気と追加の窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成するこのおよび他の態様において、このステップは、第1のLNG流および第2のLNG流を混合し、そして次にこの混合された流れを膨張させ部分的に蒸発させかつ分離することによって;流れを別個に膨張させかつ部分的に蒸発させて、膨張させられた流れを混合し、そして次にこの混合された流れを分離することにより;またはそれぞれの流れを個々に膨張させ部分的に蒸発させかつ分離することによって行うことができる。
【0035】
他の態様では、この方法のステップ(g)は、蒸留塔を使用して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を分離して、窒素を富化した蒸気生成物を生成させる。したがって、ステップ(g)は、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させること、蒸留塔の中に該流れを導入して流れを蒸気相と液相とに分離し、そして蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から窒素を富化した蒸気生成物を生成させることを含むことができる。
【0036】
本明細書中で使用される場合、用語「蒸留塔」は、それぞれの分離部分が、接触を増加させ、したがって塔の内側の部分を通って上向きに上昇する蒸気と下向きに流れる液体流との間の質量移送を高めるパッキンおよび/または1つまたは2つ以上のトレイ等の挿入物からなる、1つまたは2つ以上の分離部分を含む塔(または一式の塔)をいう。このように、オーバーヘッド蒸気、すなわち、塔の上部に集まる蒸気中で(窒素等の)より軽い成分の濃度が増加し、そして下部の液体、すなわち、塔の下部に集まる液体中で(メタン等の)より重い成分の濃度が増加する。塔の「上部」は、分離部分より上の塔の部分をいう。塔の「下部」は、分離部分より下の塔の部分をいう。塔の「中間の場所」は塔の上部と下部との間の、典型的には連続した2つの分離部分の間の場所をいう。
【0037】
ステップ(g)が上記の様に蒸留塔を使用するこれらの態様において、この方法のステップ(c)は、第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物とリサイクル窒素を富化した天然ガス蒸気からなる流れとを生成することを含むことができる。ステップ(g)は、蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることをさらに含むことができる。この方法は、上記のステップ(h)をさらに含むことができる。
【0038】
代わりに、この方法のステップ(c)は、(i)第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して窒素を枯渇させたLNG流と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるストリッピングガス流とを生成させることと、(ii)窒素を枯渇させたLNG流をさらに膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成することと、を含むことができる。この方法のステップ(g)は、蒸留塔の下部の中にストリッピングガス流を導入することをさらに含むことができ。ステップ(g)は、蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることをさらに含むことができる。この方法は、上記ステップ(h)をさらに含むことができる。
【0039】
代わりに、この方法のステップ(c)は、(i)第1のLNG流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、そして蒸留塔の中に該流れを導入して、蒸気相と液相とに該流れを分離すること(第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が塔の中に導入される場所より下の場所において、該第1のLNG流が蒸留塔の中に導入される)と、(ii)蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることと、(iii)第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成することと、を含むことができる。第1のLNG流は、塔の中間の場所において蒸留塔の中に導入されることができる。第1のLNG流は、蒸留塔の下部の中に導入されることができる。
【0040】
蒸留塔のための沸騰(Boil−up)は、蒸留塔の中への第1のLNG流の導入前に、第1のLNG流との間接的な熱交換を介して、再沸騰熱交換器中の下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって、提供されることができる。
【0041】
蒸留塔のための沸騰は、蒸留塔の中への該流れの導入前に、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流のすべてまたは一部との間接的な熱交換を介して、再沸騰熱交換器中の下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって、提供されることができる。
【0042】
蒸留塔のための沸騰は、(例えば、電気ヒーター等であるがこれに限られない)外部熱源に対して、再沸騰熱交換器中の下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって、提供されることができる。
【0043】
この方法のステップ(e)は、主熱交換器中に圧縮されたリサイクル流を導入すること、圧縮されたリサイクル流を冷却すること、主熱交換器の中間の場所から冷却され圧縮されたリサイクル流の一部を回収して、ストリッピングガス流を生成させること、そして冷却され圧縮されたリサイクル流の別の部分をさらに冷却しかつ少なくとも部分的に液化して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることと、を含むことができる。次にステップ(g)は、蒸留塔の下部の中へストリッピングガス流を導入することをさらに含むことができる。
【0044】
この方法のステップ(g)は、蒸留塔の下部の中への任意の好適な供給源から生成されたストリッピングガス流の導入をさらに含むことできる。上記の供給源から生成されたストリッピングガス流に加えて、追加のまたは代替供給源は、残りの圧縮されたリサイクルガスが主熱交換器中へ圧縮されたリサイクルガスの流れとして導入される前に、圧縮されたリサイクルガスの一部からストリッピングガス流を生成させることと、主熱交換器の中間の場所から回収された冷たい天然ガス供給流の一部からストリッピングガス流を生成させることと、天然ガス供給の一部からストリッピングガス流を生成させることと、を含むことができる。
【0045】
好ましくは、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流は、蒸留塔の上部の中に、または塔の中間の場所において蒸留塔の中に、導入される。
【0046】
第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流は、蒸留塔の中に導入される前に、膨張させられ部分的に蒸発させられかつ別個の蒸気流と液体流とに分離されることができ、液体流は、中間の場所において蒸留塔の中に導入され、そして蒸気流は、冷却され、そして塔から回収されたオーバーヘッド蒸気との間接的な熱交換を介して、コンデンサー熱交換器中で少なくとも部分的に凝結し、そして次に塔の上部の中に導入される。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流は、相分離器中で別個の蒸気流と液体流とに好ましくは分離される。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が既に2相の流れである場合、流れの最小限の追加の膨張および蒸発が必要であることができ、この場合、相分離器(必要な任意の膨張および蒸発が、ドラムまたは他のそうした容器中への2相流れの導入において必然的に起こるであろう膨張および蒸発によって行われる)中へ流れを導入する前に、膨張機器を通して流れを通過させることが必要でないことができる。
【0047】
蒸留塔のための還流は、コンデンサー熱交換器中の蒸留塔からのオーバーヘッド蒸気の一部を凝結させることによって、提供されることができる。コンデンサー熱交換器のための冷却は、蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気を暖めることによって、提供されることができる。コンデンサー熱交換器のための冷却は、主熱交換器のために冷却を同様に提供する閉回路冷却システム、閉回路冷却システムによって循環しコンデンサー熱交換器中を通過しかつコンデンサー熱交換器中で暖められた冷媒によって、提供されることができる。
【0048】
(上記のそれらの態様を含む)本発明の第1の形態による方法は、窒素を富化した蒸気生成物の一部をリサイクルすることをさらに含むことができ、このリサイクルはステップ(d)中のリサイクル流の圧縮前に、ステップ(c)中で得られたリサイクル流に該一部を加えることによる。
【0049】
いくつかの態様において、天然ガス供給流および圧縮されたリサイクル流は、主熱交換器の暖かい終端に並行して導入されることができ、そして第1のLNG流および第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流は、主熱交換器の冷たい終端から並行して回収されることができる。
【0050】
他の態様において、天然ガス供給流は主熱交換器の暖かい終端中に導入されることができ、圧縮されたリサイクル流は主熱交換器の中間の場所の中に導入されることができ、そして第1のLNG流および第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流は、主熱交換器の冷たい終端から並行して回収されることができる。これらの態様では、リサイクル流は、この方法のステップ(d)において圧縮される前に、エコノマイザー熱交換器中で加熱されることができ、そして圧縮されたリサイクル流は、後部冷却器中で冷却され、そしてこの方法のステップ(e)中で主熱交換器の中に導入される前に、エコノマイザー熱交換器中でさらに冷却されることができる。
【0051】
いくつかの態様において、この方法のステップ(a)および(b)は、(i)熱交換器の暖かい終端中に天然ガス供給流を導入し、天然ガス供給流を冷却しかつ少なくも部分的に液化し、そして主熱交換器の中間の場所から冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを回収することと、(ii)冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した天然ガス蒸気流と窒素を枯渇させた天然ガス液体流とを生成させることと、(iii)主熱交換器の中間の場所中に蒸気流と液体流とを別個に再導入し、そして蒸気流と液体流とを並行してさらに冷却し、液体流がさらに冷却されて第1のLNG流を生成し、そして蒸気流がさらに冷却されかつ少なくとも部分的に液化されて、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成することと、主熱交換器の冷たい終端から第1のLNG流と第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを回収することと、を含むことができる。
【0052】
上記の段落中に記載された態様において、この方法のステップ(g)は、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流および第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させることと、蒸留塔の中に該流れを導入して流れを蒸気相と液相とに分離することと、蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、を含むことができる。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流は、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が蒸留塔の中に導入される場所より上の場所において蒸留塔の中に導入されることができる。
【0053】
また上記で述べたように、本発明の第2の形態により、窒素を枯渇させたLNG生成物を生成させるための装置であって、該装置が、
天然ガス供給流を受け、そして主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして該流れのすべてまたは一部を液化して第1のLNG流を生成するための、および窒素を富化した天然ガス蒸気からなる圧縮されたリサイクル流を受け、そして該主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして少なくとも部分的に液化して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成するための、冷却通路を有する主熱交換器と、
該冷却通路を冷却するための主熱交換器に冷媒を供給するための冷却システムと、
該第1のLNG流、または該第1のLNG流の一部から生成されたLNG流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させるための、該主熱交換器と流体流連通した第1の分離システムと、
該リサイクル流を受け、該リサイクル流を圧縮して該圧縮されたリサイクル流を生成し、そして該主熱交換器に該圧縮されたリサイクル流を戻すための、該第1の分離システムおよび主熱交換器と流体流連通した、圧縮機と、
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して窒素を富化した蒸気生成物を生成させるための、主熱交換器と流体流連通した、第2の分離システムと、
を含み、該天然ガス供給流から別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させるように、該冷却通路が並べられている、装置が提供される。
【0054】
本明細書中で使用される場合、用語「流体流連通」は、問題になっている機器またはシステムが、参照されている流れが問題になっている機器またはシステムによって送られかつ受けられることができる様式で相互に接続されていることを示す。機器またはシステムは、例えば、問題になっている流れを移送するための好適な管、通路または他の形態の導管によって、例えば、接続されていることができる。
【0055】
本発明の第2の形態による装置は、本発明の第1の形態による方法を行うのに好適である。したがって、第2の形態による装置の種々の好ましいまたは任意選択的特徴および態様は、第1の形態によるこの方法の種々の好ましいまたは任意選択的態様および特徴の上記の記載から明らかとなるであろう。例えば、第2の形態による装置において、冷却システムは、好ましくは閉回路冷却システムを含む。第1の分離システムは、好ましくは膨張機器およびLNGタンクを含む。第2の分離システムは、膨張機器および相分離器、膨張機器および蒸留塔、またはそれらいくつかの組み合わせを含むことができる。
【0056】
単に例として、本発明の種々の好ましい態様は、下記で記載された図1〜11を参照して記載されるであろう。これらの図において、特徴は、明確化および簡潔さのために、それぞれの図において、特徴に同じ参照番号が割り当てられた1超の図で共通である。
【0057】
図1を参照すると、液化しかつ天然ガス流から窒素を除去して窒素を枯渇させたLNG生成物を生成するための本発明の1つの態様による方法および装置が示される。
【0058】
天然ガス供給流100は、最初に主熱交換器中で冷却通路または一式の冷却通路を通過させられて、天然ガス供給流を、冷却し液化しかつ(典型的には)過冷却(subcool)させ、それによって第1のLNG流112を生成する。天然ガス供給流はメタンおよび窒素を含む。典型的には天然ガス供給流は1〜10モル%の窒素濃度を有し、そして本明細書中に記載された方法および装置は、たとえ天然ガス供給流中の窒素濃度が5モル%以下等と比較的低くとも、天然ガスから窒素を効果的に除去できる。周知技術であるように、天然ガス供給流は、流れの冷却および液化の間に主熱交換器中で冷凍するであろう濃度で追加の成分を含まないことが好ましい。したがって、主熱交換器中に導入される前に、天然ガス供給流は、必要であればおよび必要に応じて処理されることができ、天然ガス供給流から水、酸ガス、水銀および重質炭化水素を除去し、天然ガス供給流中の任意のそうした成分の濃度を、なんら冷凍問題とならないであろう等のレベルまで低下させる。脱水、酸ガス除去、水銀除去および重質炭化水素除去を行うための適当な装置および技術は周知である。天然ガス流はまた、周囲圧力より上でなければならず、したがって必要であればおよび必要に応じて、主熱交換器中に導入される前に1つまたは2つ以上の圧縮機および後部冷却器(図に示されていない)中で、圧縮されかつ冷却されることができる。
【0059】
図1中に記載された態様において、主熱交換器は、連続した3つの冷却部分、すなわち、天然ガス供給流100が予冷却される暖かい部分102と、冷却された天然ガス供給流104が液化される中央部分または中間部分106と、液化される天然ガス供給流108が過冷却される冷たい部分110と、その中へ天然ガス供給流100が導入されそれ故に主熱交換器の暖かい終端を構成する暖かい部分102の終端と、そこから第1のLNG流112が回収されそれ故に主熱交換器の冷たい終端を構成する冷たい部分110の終端と、からなる。認識されるであろうように、用語「暖かい」および「冷たい」は、これに関連して、冷却部分内部の相対的な温度のみをいいかつなんらかの特定の温度範囲を意味しない。図1に記載された配置において、それぞれのこれらの部分は、それ自身のシェル、ケースまたは他の形態のハウジングを有する別個の熱交換器ユニットを構成するが、同様に2つまたはすべての3つの部分を、共通のハウジングを共有する単一の熱交換器ユニットに組み合わせることができるであろう。熱交換器ユニットは、シェルおよび管、巻きコイル、またはプレートおよびフィンタイプの熱交換器ユニット等であるがこれらに限られない、任意の好適なタイプであることができる。そうしたユニットにおいて、それぞれの冷却部分は、典型的にはそれ自身(ユニットがシェルおよび管または巻きコイルタイプである)管束または(ユニットがプレートおよびフィンタイプである)プレートおよびフィン束を含むことができるであろう。
【0060】
主熱交換器のためのいくつかまたはすべての冷却は、任意の好適な閉回路冷却システム(図に示されていない)によって提供されることができる。使用できる例示的な冷却システムは、単一混合冷媒(SMR)システム、デュアル混合冷媒(DMR)システム、ハイブリッドプロパン混合冷媒(C3MR)システム、窒素膨張サイクル(または他のガス状の膨張サイクル)システム、およびカスケード冷却システムを含む。SMRおよび窒素膨張サイクルシステムにおいて、冷却は、閉回路冷却システムによって循環する単一混合冷媒(SMRシステムの場合)によってまたは窒素(窒素膨張サイクルシステムの場合)によって、主熱交換器のすべての3つの部分102、106、110に供給される。DMRおよびC3MRシステムにおいて、2種の別個の冷媒(DMRシステムの場合は2つの異なる混合冷媒、およびC3MRシステムの場合はプロパン冷媒および混合冷媒)を循環させる2種の別個の閉回路冷却システムは、主熱交換器に冷媒を供給するのに使用され、主熱交換器の異なる部分は、異なる閉回路システムによって冷却されることができる。SMR、DMR、C3MR、窒素膨張サイクルおよび他のそうした閉回路冷却システムの運転は周知である。
【0061】
主熱交換器の冷たい終端から回収された第1の(過冷却された)LNG流112は、次に膨張させられ部分的に蒸発させられかつ分離されて、窒素を枯渇させた(そしてそれ故にメタンを富化した)LNG流122と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるストリッピングガス流120とを生成する。流れ120は、下記でさらに詳細を記載するであろうように、この流れは蒸留塔にストリッピングガスを提供するために使用されるので、本明細書中において、ストリッピングガス流と呼ばれる。図1に記載された配置において、第1のLNG流112は、流れをJ−T(Joule−Thomson)弁114を通って相分離器118中に通過させることによって、膨張させられ部分的に蒸発させられかつ分離される。しかし、ワークイクストラクティング機器(例えば、水力タービンまたはターボ膨張器)等の任意の代替のタイプの膨張機器、および他の形態の分離機器を同様に使用できるであろう。
【0062】
窒素を枯渇させたLNG流122は、次に、例えば、J−T弁124またはターボ膨張器(図に示されていない)を通して流れを通過させることによって、さらに膨張させられてLNG貯蔵タンク128中に導入される膨張させられた窒素を枯渇させたLNG流126を生成する。初期の膨張およびLNGのタンク中への導入の結果としておよび/または長い間の周囲加熱(貯蔵タンクは完全に断熱できないので)の結果として、LNG貯蔵タンク128中でLNGの一部は蒸発させられ、リサイクル流192、130としてタンクの上部にできた空間中に集まり、そしてそこから回収される窒素を富化した天然ガス蒸気を生成し、そしてタンク中に貯蔵される窒素を枯渇させたLNG生成物を残し、そして生成物流196として回収されることができる。他の態様では(記載されていない)、LNG貯蔵タンク128は、膨張させられた窒素を枯渇させたLNG流122が、液相、蒸気相中に、それぞれ分離され、窒素を枯渇させたLNG生成物196および窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流192、130を生成する(フラッシュドラム等の)相分離器または他の形態の分離機器と置き換えることができるであろう。LNG貯蔵タンクが使用される場合、その中に集まりかつそこから回収される窒素を富化した天然ガス蒸気はまた、タンクフラッシュガス(TFG)またはボイルオフガス(BOG)と呼ばれることができる。相分離器が使用される場合、相分離器中で生成されかつそこから回収される窒素を富化した天然ガス蒸気はまた、エンドフラッシュガス(EFG)と呼ばれることができる。
【0063】
窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流192、130は、次に1つまたは2つ以上の圧縮機132中で再圧縮され、そして1つまたは2つ以上の後部冷却器136中で冷却されて、主熱交換器(故にこの流れがリサイクル流と呼ばれる理由である)にリサイクルされる圧縮されたリサイクル流138を生成する。後部冷却器は、例えば、周囲温度における水または空気等の任意の好適な形態の冷却剤を使用できる。圧縮されたリサイクル流138は、後部冷却器136中において冷却される結果として、天然ガス供給流100とほぼ同じ温度(例えば、周囲)であるが、天然ガス供給流に加えられずかつ天然ガス供給流と混合されない。むしろ、圧縮されたリサイクル流は、主熱交換器の暖かい終端中に別個に導入され、そして天然ガス供給流が冷却される冷却通路に並行に走る別個の冷却通路または一式の冷却通路を通過させられて、主熱交換器の暖かい部分、中央部分および冷たい部分102、106および110中の圧縮されたリサイクル流を別個に冷却し、圧縮されたリサイクル流は冷却されかつ少なくとも部分的に液化されて、第1の少なくとも部分的に液化された(すなわち、部分的にまたは完全に液化された)窒素を富化した天然ガス流144を生成する。
【0064】
第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、主熱交換器の冷たい終端から回収され、そして次に膨張させられ部分的に蒸発させられ、そしてそれが蒸気相と液相とに分離される蒸留塔162中に導入される。さらに具体的に言うと、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、例えば、J−T弁146またはターボ膨張器(図に示されていない)を通って膨張させられ部分的に蒸発させられ、そして相分離器150中で別個の蒸気流152と液体流172とに分離される。蒸気流152は、熱交換器154中で冷却されかつ少なくとも部分的に凝結し、(J−T弁等の)膨張機器158中でさらに膨張させられ、そして液相と蒸気相とへの分離のために蒸留塔162中に流れ160として導入される。液体流172は、再沸騰熱交換器174中で冷却され、(J−T弁等の)膨張機器178中でさらに膨張させられ、そして液相と蒸気相とへの分離のために蒸留塔162の中へ流れ180として導入される。
【0065】
図1に記載された態様において、蒸留塔162は、それぞれがパッキンおよび/または1つまたは2つ以上のトレイ等の挿入物からなる2つの分離部分を含み、接触を増加させ、したがって塔の内側の上向きに上昇する蒸気と下向きに流れる液体との間の質量移送を高める。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144の液体部分から生成された冷却され、そしてさらに膨張させられた流れ180は、2つの分離部分の間の塔の中間の場所において蒸留塔162中に導入される。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144の蒸気部分から生成され冷却された、少なくとも部分的に凝結しかつさらに膨張させられた蒸気流160は、両方の分離部分より上にある蒸留塔162の上部の中に導入され、塔のために還流を提供する。上記の様に相分離器118中で第1のLNG流112から分離されたストリッピングガス流120はまた、塔の下部で蒸留塔162の中に導入され、このように塔のためのストリッピングガスを提供する。塔のための沸騰、したがって追加のストリッピングガスはまた、再沸騰熱交換器174中で(第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144の液体部分172との間接的な熱交換を介して)塔からの下部の液体の一部182を暖めかつ蒸発させ、そして蒸留塔の下部に、蒸発した下部の液体184を戻すことによってまた提供される。
【0066】
蒸留塔162からのオーバーヘッド蒸気は、窒素をさらに富化しており(すなわち、これは第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144に対して窒素を富化しており、したがって天然ガス供給流100に対してさらに窒素を富化している)、そして窒素を富化した蒸気生成物流164として蒸留塔162の上部から回収される。この流れは、(第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144の蒸気部分152との間接的な熱交換を介して)熱交換器154中で暖められて、(蒸留塔の運転圧力を制御する)制御弁169を通過する暖められた窒素を富化した蒸気生成物流166を提供し、最終の窒素を富化した蒸気生成物流170を生成する。供給流100中の窒素濃度および窒素を富化した生成物からの仕様により、暖められた窒素を富化した生成物流166の一部165、168は、リサイクル流192と混合されてリサイクルされて、リサイクル流130中で着実な窒素濃度レベルを調整しかつ維持して、天然ガス供給組成物の変動を弱めて、リサイクルされる暖められた窒素を富化した生成物流166の量を弁167によって制御することができる。流れ165および弁167を有する利益は、供給ガス組成物または流れが変動する場合に、液化システムおよび蒸留塔の安定な運転が維持されることを可能にすることである。冷却を回復することために、最終の窒素を富化した蒸気生成物流170は、他の冷媒流との熱の一体化によりさらに暖められることができる(図に示されていない)。
【0067】
再沸騰熱交換器174中で暖められかつ蒸発する蒸留塔からの下部の液体の残りは、蒸留塔の下部から回収されて、第2のLNG流186を生成する。第2のLNG流186は、例えば、J−T弁188またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過することによって、次に膨張させられて、第1のLNG流112から生成された膨張させられた窒素を枯渇させたLNG流126とほぼ同じ圧力の膨張させられた流れ190を生成する。膨張させられた第2のLNG流は、上記の様に、LNGの一部が蒸発するLNG貯蔵タンク128中に同様に導入されて、リサイクル流192、130としてタンクの上部にできた空間から回収される窒素を富化した天然ガス蒸気を提供し、タンク中に貯蔵されかつ生成物流196として回収されることができる窒素を枯渇させたLNG生成物を残す。このように、第2のLNG流186および第1のLNG流112から生成された窒素を枯渇させたLNG流122は、膨張させられ混合されかつ共にリサイクル流192、130およびLNG生成物196の中へ分離される。しかし、他の態様では(記載されていない)、第1のLNG流112から生成された第2のLNG流186および窒素を枯渇させたLNG流122は、膨張させられ、そして異なるLNG貯蔵タンク(または他の形態の分離システム)中に導入されて、混合されるであろう別個のリサイクル流および別個のLNG生成物流を生成できるであろう。同様に、また別の態様では(記載されていない)、第2のLNG流186および窒素を枯渇させたLNG流122は、(類似の圧力であるか類似の圧力に調整された場合)J−T弁、ターボ膨張器または他の形態の膨張機器を通して膨張させられる前に、混合され、そして次に混合され膨張させられた流れがLNG貯蔵タンク(または他の形態の分離システム)中に導入されることができるであろう。
【0068】
図1中に記載された態様において、最終の窒素生成物170中のメタン含有量は、1モル%未満に達することができ、そしてLNGタンク中に貯蔵されかつLNG貯蔵タンクから回収されたLNG生成物は、1モル%未満の窒素を含む。したがって、この態様は、天然ガスを液化し、そして窒素を除去して、環境の純度要求を満たしながら放出されることができ、そして生じるメタンの大幅な損失のない、高純度のLNG生成物および高純度の窒素流の両方を生成する単純かつ効率的な手段を提供する。特に、天然ガス供給と並行であるが別個に、リサイクル流を冷却および少なくとも部分的に冷却する主熱交換器の使用は、はっきりとした利点を提供する。最終の、窒素を枯渇させたLNG生成物の生成において分離され、そして本発明中でリサイクル流を生成するBOG/TFG/EFGまたはその同類のもの等の蒸気は、望ましくは回収される大幅な量の窒素およびメタンの両方を依然含む。これは、天然ガス供給それ自身にBOG/TFG/EFGを戻してリサイクルすることによって、なんらかの従来技術の方法において達成できるであろう。しかし、リサイクル流は、天然ガス供給流と比較して、窒素を富化しており、したがって天然ガス供給から別個にこの流れを液化または部分的に液化し、そして次に生じる少なくとも部分的に凝結した窒素を富化した流れを分離することは、リサイクル流が天然ガス供給流と共にリサイクルして戻され、そして分離される場合より、リサイクル流の窒素およびメタン成分を分離するより効率的な方法を提供する。天然ガス供給流からリサイクル流を分離したままにすることのさらなる利益は、リサイクル流は、供給と同じ圧力まで圧縮される必要がなく、そしてなんらかの天然ガス供給前処理システムを通る必要がない(したがってなんらかのそうしたシステムへの負荷を低下させる)ことを含む。同様に、これを行うために貢献する熱交換器および冷却システムを加えることによって、リサイクル流が冷却されかつ少なくとも部分的に液化されることができるであろう一方、主熱交換器およびその関連した既存の冷却システムを使用して、リサイクル流を冷却しかつ少なくとも部分的に液化し、これが次窒素を富化した生成物と追加のLNG生成物とに分離されることができることは、さらにコンパクトかつコスト効率的な方法および装置を提供する。
【0069】
図2〜10を参照すると、これらは、本発明のほかの態様によって天然ガス流を液化しかつ天然ガス流から窒素を除去して窒素を枯渇させたLNG生成物を生成するための種々のさらなる方法および装置を記載する。
【0070】
図2中に記載された方法および装置は、図1中に記載された方法および装置と、主熱交換器の冷たい終端から回収される第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144が、蒸留塔中でというよりむしろ、相分離器中で蒸気相と液相とに分離されて、窒素を富化した蒸気生成物と第2のLNG流とを生成する点で異なる。さらに具体的に言うと、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、例えば、J−T弁146またはターボ膨張器(図に示されていない)を通して膨張させられ、部分的に蒸発させられ、そして相分離器262中で分離されて窒素を富化した蒸気生成物170と第2のLNG流186とを生成する。さらに、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、蒸留塔よりむしろ相分離器中で分離されるので、主熱交換器の冷たい終端から回収される第1のLNG流112からストリッピングガス流を生成する利益はなく、したがって第1のLNG流112は、例えば、J−T弁114またはターボ膨張器(図に示されていない)を通って流れを通過させることによって膨張させられ、そして膨張させられた窒素を枯渇させたLNG流116は、膨張させられた第2のLNG流190がまた導入され、かつ窒素を枯渇させたLNG生成物196およびリサイクル流130が回収されるLNG貯蔵タンク128中に直接導入される。
【0071】
図3中に記載された方法および装置は、図1中に記載された方法および装置と、主熱交換器の冷たい終端から回収された第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144が、蒸留塔の中に導入され、そして蒸気相と液相とに分離されて、窒素を富化した蒸気生成物および第2のLNG流を生成する前に、別個の蒸気流と液体流とに分離されていない点、およびストリッピングガスが主熱交換器の冷たい終端から回収された第1のLNG流112から得られない点で異なる。したがって、この方法および装置において、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、再沸騰熱交換器374中で、例えば、J−T弁358またはターボ膨張器(図に示されていない)を通して、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして液相と蒸気相とへの分離のために冷却され膨張させられかつ部分的に蒸発させられた流れ360として蒸留塔362中に導入される。この場合、蒸留塔362は、単一の分離部分を含む。冷却され膨張させられかつ部分的に蒸発させられた流れ360は、分離部分より上の、塔に還流を提供する蒸留塔162の上部の中に導入される。塔のための沸騰は、再沸騰熱交換器374中で塔からの下部の液体の一部382を暖めかつ蒸発させることによって提供される。下部の液体の残りは、蒸留塔の下部から回収されて、第2のLNG流186を生成する。第1のLNG流112および第2のLNG流186は、例えば、J−Tバルブ114、188またはターボ膨張器(図に示されていない)を通して流れを通過させることにより膨張させられ、そして窒素を枯渇させたLNG生成物196およびリサイクル流130が回収されるLNG貯蔵タンク128中に導入される。他の態様では(図に示されていない)、追加のまたは代替熱源を再沸騰熱交換器374に熱を供給するために使用することができるであろう。例えば、(電気ヒーター等の)外部熱源を、再沸騰熱交換器中で第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144を冷却する代わりにまたはこの冷却に加えて使用できるであろう。
【0072】
図4中に記載した方法および装置は、図3に記載した方法および装置と、蒸留塔362に沸騰を提供する再沸騰熱交換器374が使用されない点で異なる。代わりに、蒸留塔362のためのストリッピングガスが主熱交換器の中間の場所から回収される冷却され圧縮されたリサイクル流142の一部から生成されたストリッピングガス331の流れによって提供される。さらに具体的に言うと、図4中に記載された態様において、圧縮されたリサイクル流138は、以前のように、主熱交換器の暖かい終端中に導入され、そして主熱交換器の暖かい102および中央部分106において冷却されて、冷却され圧縮されたリサイクル流142(これは好ましくはこのステージにおいてまだ少なくとも主にすべて蒸気である)を生成する。次にこの流れ142を、主熱交換器から回収されて、ストリッピングガス流331を生成する部分とともに分割し、そして流れの残り321はさらに冷却され、そして主熱交換器の冷たい部分110中で少なくとも部分的に液化されて、主熱交換器の冷たい終端から回収される、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144を生成する。次にストリッピングガス流331は、例えば、J−T弁332またはターボ膨張器(図に示されていない)を通して膨張させられ、そして蒸留塔362の下部の中へ流れ333として導入され、それによって塔にストリッピングガスを提供する。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、例えば、J−T弁146またはターボ膨張器(図に示されていない)を通して膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして液相と蒸気相とへの分離のために、蒸留塔362の上部の中へ膨張させられかつ部分的に蒸発させられた流れ148として導入され、そしてそれによって塔のために還流をまた提供する。
【0073】
蒸留塔のためのストリッピングガスが他の場所および/またはプロセスの流れからさらにまたは代わりに生成されることができるであろうほかの態様(図に示されていない)に留意する。例えば、プロセスの条件によって、ストリッピングガス流は、さらにまたは代わりに:主熱交換器の暖かい部分102と中央部分106との間の冷却され圧縮されたリサイクル流140から;後部冷却器136からでる圧縮されたリサイクルガス(次に該ガスの残りは主熱交換器の暖かい終端中に導入される圧縮されたリサイクル流138を生成する)から;主熱交換器の中央部分106と冷たい110部分との間の冷たい天然ガス供給流108(もしまだ蒸気の場合)から;または天然ガス供給(次に供給の残りは、主熱交換器の暖かい終端の中に導入される天然ガス供給流100を生成する)から、取ることができるであろう。
【0074】
図5中に記載した方法および装置は、図3に記載した方法および装置と、蒸留塔462が2つの分離部分を有し、そして冷却され膨張させられかつ部分的に蒸発させられた流360が、2つの分離部分の間の塔の中間の場所において蒸留塔462の中に導入される点で異なる。蒸留塔のための還流は、コンデンサー熱交換器中で蒸留塔からのオーバーヘッド蒸気の一部を凝縮することによって提供される。さらに具体的に言うと、蒸留塔462の上部から回収されたオーバーヘッド蒸気164は、コンデンサー熱交換器454中で最初に暖められる。暖められたオーバーヘッド蒸気の一部は、次に圧縮機466中で圧縮され、後部冷却器468中で(例えば、周囲温度での空気または水等の冷却剤を使用して)冷却され、コンデンサー熱交換器454中でさらに冷却され、そして少なくとも部分的に液化され、例えば、J−T弁476を通して膨張させられ、そして蒸留塔462の上部に戻されて還流を提供する。暖められたオーバーヘッドの残りは、窒素を富化した蒸気生成物170を生成する。(コンデンサー熱交換器454、圧縮機466、および後部冷却器468を含む)この窒素ヒートポンプサイクルの使用を通して蒸留塔462の上部をまたより冷たくし、(例えば、約99.9モル%の窒素濃度を有する)またより高い純度の窒素を富化した生成物170を得ることができる。
【0075】
図6中に記載した方法および装置は、図1に記載した方法および装置と、蒸留塔562が1つの分離部分を有し、主熱交換器の冷たい終端から回収された第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流れ144が、蒸留塔の中に導入されかつ分離される前に、別個の蒸気流と液体流とに分離されておらず、そして主熱交換器の冷たい終端から回収された第1のLNG流112がまた蒸留塔の中に導入されかつ分離される点で異なる。さらに具体的に言うと、この方法および装置において、第1のLNG流112は、例えば、J−T弁114またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして蒸気相と液相とに分離するために蒸留塔562の下部の中に、部分的に蒸発させられた流れ116として導入され、それによって塔のためにストリッピングガスをまた提供する。第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、例えば、J−T弁146またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして蒸気相と液相とに分離するために、蒸留塔562の上部の中に部分的に蒸発させられた流れ148として導入され、それによって塔に還流をまた提供する。窒素を枯渇させた下部の液体は、蒸留塔562の下部から回収されて第2のLNG流186を生成し、これは、上記のように、膨張させられかつLNG貯蔵タンク128中に導入され、次にそこから窒素を枯渇させたLNG生成物196およびリサイクル流130が回収される(この場合、膨張させられた第2のLNG流190は、LNG貯蔵タンク128または他の分離システム中に導入される唯一のLNG流である)。蒸留塔の上部から回収されたオーバーヘッド蒸気は、再び窒素を富化した蒸気生成物170を生成する。
【0076】
図7中に記載した方法および装置は、図6に記載した方法および装置と、蒸留塔662が2つの分離部分を有し、第1のLNG流112が、2つの分離部分の間の蒸留塔662の中間の場所の中に導入されることによって、蒸留塔中で蒸気相と液相とに分離される点で異なる。さらに具体的に言うと、第1のLNG流112は、再沸騰熱交換器654中で冷却され、例えば、J−T弁616またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして蒸留塔662の中間の場所の中に部分的に蒸発させられた流れ618として導入される。この態様において、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144はまた、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして蒸留塔662の上部の中へ部分的に蒸発させられた流れ660として導入される前に、例えば、J−T弁658またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって、再沸騰熱交換器654中で冷却される。塔のための沸騰は、再沸騰熱交換器654中で塔からの下部の液体の一部682を暖めかつ蒸発させることによって提供され、下部の液体の残りは、蒸留塔の下部から回収されて第2のLNG流186を生成する。
【0077】
図8中に記載した方法および装置は、図1に記載した方法および装置と、圧縮されたリサイクル流が、主熱交換器の暖かい終端の中に導入されないが、代わりに主熱交換器の冷却部分の間の中間の場所に導入される点で異なる。具体的な説明により、この場合、主熱交換器はまた2つの冷却部分のみを含む。したがってこの方法および装置において、天然ガス供給流100は、暖かい部分706中に導入されかつその中で冷却され、そして次に生じた冷却された天然ガス供給流708は、冷たい部分710の中で液化されかつ過冷却されて、第1のLNG流112を生成する。LNGタンク128から回収されたリサイクル流192は、最初にエコノマイザー熱交換器794中で暖められ、そして次に暖められたリサイクル流は圧縮機732中で圧縮され、(例えば、周囲温度の水または空気等の好適な冷却媒体に対して)後部冷却器736中で冷却され、そして次に(最初に回収されたリサイクル流192との熱交換を介して)エコノマイザー熱交換器中でさらに冷却されて、冷却されたおよび圧縮されたリサイクル流740を提供する。エコノマイザー熱交換器中における冷却が、冷却された天然ガス供給流708と類似の温度にある結果であるこの冷却されかつ圧縮されたリサイクル流は、2つの冷却部分の間の中間の場所において主熱交換器中に導入され、主熱交換器の暖かい部分706をバイパスし、そして冷たい部分710中を通過し、そして冷却されかつ少なくとも部分的に液化されて、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144を提供する。
【0078】
図9中に記載した方法および装置は、図6に記載した方法および装置(および他の上記の態様)と、天然ガス供給流の一部のみが液化されかつ第1のLNG流として主熱交換器から回収され、天然ガス供給流の別の部分が、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流として回収される点で異なる。さらに具体的に言うと、図9に記載した態様では、主熱交換器の中央部分または中間部分106から回収された液化される天然ガス供給流108は、主熱交換器の冷たい部分110に送られ向かわせられない。代わりに、この流れは、例えば、J−T弁850(または例えば、ターボ膨張器等の任意の他の好適な膨張機器)を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そしてそれが窒素を富化した天然ガス蒸気流856および窒素を枯渇させた天然ガス液体流858に分離される相分離器854中に導入される。次に、2つの流れは、主熱交換器の冷たい部分110中で別個の冷却通路を通過させられ、この2つの流れは、別個であるが並行にさらに冷却されて、窒素を枯渇させた天然ガス液体流858からの第1のLNG流112および窒素を富化した天然ガス蒸気流856からの第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流812を生成する。
【0079】
主熱交換器の冷たい終端から回収された後の、第1のLNG流112、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流812、および第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、次にすべて蒸気相と液相とに分離される蒸留塔862に送られる。この例における蒸留塔862は、2つの分離部分を含む。(この例において、流れ112、812および144のうち最も低い窒素濃度を有する)第1のLNG流112は、例えば、J−T弁114またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして蒸留塔862の下部の中へ部分的に蒸発させられた流れ116として導入され、それによって塔のためのストリッピングガスをまた提供する。第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流812は、例えば、J−T弁814またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして2つの分離部分の間の蒸留塔862の中間の場所の中へ部分的に蒸発させられた流れ816として導入される。(この例において流れ112、812および144のうち最も高い窒素濃度を有する)第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144は、熱交換器846中で冷却され、例えば、J−T弁848またはターボ膨張器(図に示されていない)を通過させられることによって、膨張させられかつ部分的に蒸発させられ、そして蒸留塔862の上部の中へ部分的に蒸発させられた流れ860として導入され、それによって塔のための還流をまた提供する。窒素を枯渇させた下部の液体は、蒸留塔862の下部から回収されて、第2のLNG流186を生成し、これは、上記のように、膨張させられ、そして窒素を枯渇させたLNG生成物196およびリサイクル流130が回収される(この場合、膨張させられた第2のLNG流190は、LNG貯蔵タンク128または他の分離システム中に導入される唯一のLNG流である)LNG貯蔵タンク128の中に導入される。蒸留塔の上部から回収されたオーバーヘッド蒸気は、窒素を富化した蒸気生成物流164を再度生成し、この場合、これは熱交換器846中で(第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流144との間接的な熱交換を介して)暖められて、暖められた窒素を富化した蒸気生成物流170を提供する。この態様において、蒸留塔の上部から得られた窒素を富化した蒸気生成物流164、170はまた、ほとんど純粋な窒素蒸気流であることができる。
【0080】
図10中に記載した方法および装置は、図5に記載した方法および装置と、この方法および装置において、コンデンサー熱交換器454のための追加の冷却が、主熱交換器のために冷却を提供する閉回路冷却システムによって提供される点で異なる。図10は、より一般的に、本発明の先の態様のいずれかにおいて、主熱交換器に冷却を提供するために使用できる1つの可能な閉回路冷却システムを具体的に示すのにまた役立つ。
【0081】
さらに具体的に言うと、そして図10に具体的に説明されているように、主熱交換器のための冷却は、例えば、単一混合冷媒(SMR)システムによって提供されることができる。このタイプの閉回路システムにおいて、循環する混合冷媒は、窒素、メタン、エタン、プロパン、ブタンおよびイソペンタンの混合物等の成分の混合物からなる。また具体的な説明により、主熱交換器の冷却部分102、106および110のそれぞれは、この例において、巻きコイルタイプの熱交換器ユニットである。主熱交換器の暖かい終端からでる暖められた混合冷媒950は、圧縮機952中で圧縮されて、圧縮された流れ956を生成する。次に圧縮された流れは、後部冷却器を通過して冷却されかつ流れを部分的に凝結し、そして次に相分離器中で蒸気流958および液体流906に分離される。蒸気流958は、圧縮機960中でさらに圧縮されかつ冷却され、そして部分的に凝結して周囲温度で高圧混合冷媒流900を生成する。後部冷却器は、蒸発冷却塔からの空気、新たな水、海水または水等の任意の好適な周囲ヒートシンクを使用できる。
【0082】
高圧混合冷媒流900は、相分離器中で蒸気流904および液体流902に分離される。液体流902および906は、次に圧力を低下されかつ混合されて冷たい冷媒流928を生成する前に、主熱交換器の暖かい部分102中で過冷却され、この冷たい冷媒流は、それが蒸発させられかつ暖められて冷却をこの部分に提供する主熱交換器の暖かい部分102のシェル側を通過させられる。蒸気流904は、主熱交換器の暖かい部分102中で冷却されかつ部分的に液化されて流れ908としてでる。次に流れ908は、相分離器中で蒸気流912および液体流910に分離される。液体流910は、主熱交換器の中央部分106中で過冷却され、そして次に圧力を低下させられて冷たい冷媒流930を生成し、この冷たい冷媒流は、それが蒸発させられかつ暖められて該部分に冷却を提供する主熱交換器の中央部分106のシェル側を通過させられる。蒸気流912は主熱交換器の中央部分106および冷たい110部分中で凝結されかつ過冷却されて流れ914としてでる。流れ914は膨張させられて少なくとも冷たい冷媒流932を提供し、この冷たい冷媒流は、それが蒸発させられかつ暖められて該部分に冷却を提供する主熱交換器の冷たい部分110のシェル側を通過させられる。冷たい部分110のシェル側からでた暖められた冷媒(流れ932から得られた)は、中央部分106のシェル側中で冷媒流930と混合され、そこでさらに暖められかつ蒸発させられて、その部分に追加の冷媒を提供する。中央部分106のシェル側からでた混合され暖められた冷媒は、暖かい部分102のシェル側中で冷媒流928と混合されて、そこでさらに暖められかつ蒸発させられてその部分に追加の冷媒を提供する。暖かい部分102のシェル側からでた混合され暖められた冷媒は、充分に蒸発させられ、そして約5℃まで過加熱され、そして暖められ混合された冷媒流950としてでて、このように冷却回路を完了する。
【0083】
上記で述べたように、図10中に記載された態様において、閉回路冷却システムは、蒸留塔462からのオーバーヘッド蒸気164の一部472を凝結させるコンデンサー熱交換器454のための冷却をまた提供して、塔への還流を提供する。これは、主熱交換器からでる冷却された混合冷媒を分割し、そしてコンデンサー熱交換器454中で暖められる該冷媒の一部を、主熱交換器中に戻されそしてその中でさらに暖められる前に、送ることによって達成される。さらに具体的に言うと、主熱交換器の冷たい終端からでる混合冷媒蒸気914は、2つの部分、より小さい部分918(典型的には10%未満)および主な部分916に分割される。主な部分は膨張させられて、上記の様に、主熱交換器の冷たい部分110に冷媒を提供するのに使用される冷たい冷媒流932を提供する。より小さい部分918は、例えば、J−T弁920(例えば、ターボ膨張器等の)別の好適な形態の膨張機器を通して流れを通過させることによって、膨張させられて、冷たい冷媒流922を生成する。次に流れ922は、コンデンサー熱交換器454中で暖められかつ少なくとも部分的に蒸発させられて、流れ924を生成し、これは、次に冷たい部分110のシェル側からでた(流れ932から得られた)暖められた冷媒と混合され、そして中央部分106のシェル側に冷媒流930とともに入ることによって主熱交換器に戻される。代わりに、流れ924は、流れ930(図に示されていない)と直接混合されることもできるであろう。
【0084】
コンデンサー熱交換器454のための冷却をまた提供するための閉回路冷却システムの使用は、窒素の凝結がおこる適当な温度において冷却を提供する混合冷媒とともに、コンデンサー交換器454中での内部温度の違いを最小化することによって、プロセスの全体的な効率を改善する。これは、図10および上記に記載された態様により運転される場合、コンデンサー熱交換器454で得られる図11中に記載された冷却曲線により、具体的に説明される。好ましくは、コンデンサー熱交換器454中で冷却されるオーバーヘッド蒸気472の圧縮されかつ暖められた部分が、混合冷媒が蒸発する温度よりちょうど上の温度において凝結するように、圧縮機466の放出圧力は選択される。蒸留塔462から回収されたオーバーヘッド蒸気164は、その露点(約−159℃)においてコンデンサー熱交換器454中に入ることができ、そして周囲条件の付近で暖められることができる。窒素を富化した蒸気生成物170の回収後に、次に残りのオーバーヘッド蒸気は、圧縮機466中で圧縮され、周囲温度付近において後部冷却器468中で冷却され、そして冷却されかつ凝結されるコンデンサー熱交換器454に戻されて、上記のように蒸留塔462のための還流を提供する。
【実施例】
【0085】
本発明の操作を具体的に示すために、記載されかつ図1中に具体的に記載された方法を、1モル%のみのメタンを有する窒素放出流および1モル%のみの窒素を有する液化された天然ガス生成物を得るために行った。供給ガスの組成を表1に示した。第1の流れの組成を表2中に示す。ASPEN Plusソフトウェアを使用して、データを生成した。表2中のデータからわかるように、この方法は、液化された天然ガス流から効果的に窒素を除去し、そして販売可能なLNG生成物、および放出できる窒素流を提供する。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】
当然のことながら、本発明は、好ましい態様を参照して上記の詳細に限定されないが、多数の改質および変形を、以下の請求項に規定された本発明の精神および範囲を離れることなく行うことができる。
(態様)
(態様1)
窒素を枯渇させたLNG生成物を生成する方法であって、
(a)主熱交換器を通して天然ガス供給流を通過させて、該天然ガス供給流を冷却しかつ該流れのすべてまたは一部を液化し、それによって第1のLNG流を生成することと、
(b)該主熱交換器から該第1のLNG流を回収することと、
(c)該第1のLNG流または該第1のLNG流の一部から生成したLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させることと、
(d)該リサイクル流を圧縮して、圧縮されたリサイクル流を生成させることと、
(e)該天然ガス供給流と別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させて、該圧縮されたリサイクル流を冷却しかつその流れのすべてまたは一部を少なくとも部分的に液化させ、それによって第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることと、
(f)該主熱交換器から該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を回収することと、
(g)該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、
を含む、方法。
(態様2)
ステップ(c)が、該第1のLNG流または該第1のLNG流から生成されたLNG流を膨張させることと、該LNGの一部が蒸発するLNG貯蔵タンク中に該膨張させられた流れを移送し、それによって窒素を富化した天然ガス蒸気と該窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成させることと、該タンクから窒素を富化した天然ガス蒸気を回収して、該リサイクル流を生成させることと、を含む、態様1に記載の方法。
(態様3)
ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、そして相分離器中で該流れを蒸気相と液相とに分離して、該窒素を富化した蒸気生成物と第2のLNG流とを生成させることと、を含む、態様1に記載の方法。
(態様4)
ステップ(c)が、該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることを含み、そして該方法が、
(h)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該リサイクル流のための追加の窒素を富化した天然ガス蒸気と追加の窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成することを含む、態様3に記載の方法。
(態様5)
ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を膨張させかつ部分的に蒸発させることと、蒸留塔の中に該流れを導入して該流れを蒸気相と液相とに分離することと、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成することと、を含む、態様1に記載の方法。
(態様6)
ステップ(c)が、該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることと、を含む、態様5に記載の方法。
(態様7)
ステップ(c)が、(i)該第1のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG流と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるストリッピングガス流とを生成させることと、(ii)該窒素を枯渇させたLNG流をさらに膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成させることを含み、
ステップ(g)が、該蒸留塔の下部の中へ該ストリッピングガス流を導入することをさらに含む、態様5に記載の方法。
(態様8)
ステップ(g)が、該蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることをさらに含み、そして該方法がさらに、
(h)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該リサイクル流のための追加の窒素を富化した天然ガス蒸気と追加の窒素を枯渇させたLNG生成物とを生成させることを含む、態様6に記載の方法。
(態様9)
ステップ(c)が、(i)該第1のLNG流を膨張させかつ部分的に蒸発させ、そして該蒸留塔の中へ該流れを導入して蒸気相と液相とに該流れを分離して、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が該蒸留塔の中に導入される場所より下の場所において該蒸留塔の中に該第1のLNG流を導入することと、(ii)該蒸留塔から回収された下部の液体から第2のLNG流を生成させることと、(iii)該第2のLNG流を膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、該窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなる該リサイクル流とを生成することと、を含む、態様5に記載の方法。
(態様10)
該第1のLNG流が該蒸留塔の中間の場所において該蒸留塔の中に導入され、そして該蒸留塔のための沸騰が、該蒸留塔の中への該第1のLNG流の導入前に、該第1のLNG流との間接的な熱交換を介して再沸騰熱交換器中で該下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって提供される、態様9に記載の方法。
(態様11)
該第1のLNG流が、該蒸留塔の下部の中に導入される、態様9に記載の方法。
(態様12)
該蒸留塔のための沸騰が、該蒸留塔の中への該流れの該導入前に、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流のすべてまたは一部との間接的な熱交換を介して再沸騰熱交換器中で下部の液体の一部を加熱しかつ蒸発させることによって提供される、態様5に記載の方法。
(態様13)
ステップ(e)が、該主熱交換器の中へ該圧縮されたリサイクル流を導入することと、該圧縮されたリサイクル流を冷却することと、該主熱交換器の中間の場所から冷却され圧縮されたリサイクル流の一部を回収して、ストリッピングガス流を生成させることと、該冷却され圧縮されたリサイクル流の別の部分をさらに冷却しかつ少なくとも部分的に液化して、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成させることとを含み、そしてステップ(g)が、該蒸留塔の該下部の中へ該ストリッピングガス流を導入することをさらに含む、態様5に記載の方法。
(態様14)
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の該上部の中に導入される、態様5に記載の方法。
(態様15)
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の中に導入される前に、膨張させられ部分的に蒸発されかつ別個の蒸気流と液体流との中へ分離され、該液体流が中間の場所において該蒸留塔の中に導入され、そして該蒸気流が該蒸留塔から回収された該オーバーヘッド蒸気との間接的な熱交換を介してコンデンサー熱交換器中で冷却さかつ少なくとも部分的に凝結し、そして次に該蒸留塔の該上部の中に導入される、態様5に記載の方法。
(態様16)
該蒸留塔のための還流が、コンデンサー熱交換器中で該蒸留塔からの該オーバーヘッド蒸気の一部を凝結させることによって提供される、態様5に記載の方法。
(態様17)
該コンデンサー熱交換器のための冷却が、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気を暖めることによって提供される、態様16に記載の方法。
(態様18)
該コンデンサー熱交換器のための冷却が、該主熱交換器のために冷却を同様に提供する閉回路冷却システムによって提供され、該閉回路冷却システムによって循環する冷媒が、該コンデンサー熱交換器を通過しかつ該コンデンサー熱交換器中で暖められる、態様16に記載の方法。
(態様19)
該方法が、該窒素を富化した蒸気生成物の一部をリサイクルすることをさらに含み、このリサイクルがステップ(d)中の該リサイクル流の該圧縮の前にステップ(c)中で得られた該リサイクル流に該一部を加えることによる、態様1に記載の方法。
(態様20)
該主熱交換器が、該天然ガス供給流と圧縮されたリサイクル流とが並行して導入される暖かい終端と、該第1のLNG流と第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とが並行して回収される冷たい終端とを含む、態様1に記載の方法。
(態様21)
該主熱交換器が、該天然ガス供給流が導入される暖かい終端と、該第1のLNG流と第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とが並行して回収される冷たい終端を含み、該圧縮されたリサイクル流が、該主熱交換器の該暖かい終端と該冷たい終端との間の中間の場所にある該主熱交換器中に導入される、態様1に記載の方法。
(態様22)
該リサイクル流が、ステップ(d)中で圧縮される前に、エコノマイザー熱交換器中で加熱され、そして該圧縮されたリサイクル流が後部冷却器中で冷却され、そしてステップ(e)中で該主熱交換器中に導入される前に、該エコノマイザー熱交換器中でさらに冷却される、態様21に記載の方法。
(態様23)
該主熱交換器が、該天然ガス供給流が導入される暖かい終端と、該第1のLNG流が回収される冷たい終端とを含み、
ステップ(a)が、(i)該主熱交換器の該暖かい終端の中へ該天然ガス供給流を導入し、該天然ガス供給流を冷却しかつ少なくとも部分的に液化し、そして該主熱交換器の中間の場所から該冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを回収することと、(ii)該冷却されかつ少なくとも部分的に液化された流れを膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を富化した天然ガス蒸気流と窒素を枯渇させた天然ガス液体流とを生成させることと、(iii)該主熱交換器の中間の場所の中へ該蒸気流と液体流とを別個に再導入し、そして該蒸気流と液体流とを並行してさらに冷却し、該液体流がさらに冷却されて該第1のLNG流を生成し、そして該蒸気流がさらに冷却されかつ少なくとも部分的に液化されて、第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成することとを含み、そして、
ステップ(b)が、該主熱交換器の該冷たい終端から該第1のLNG流と該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを回収することを含む、態様1に記載の方法。
(態様24)
ステップ(g)が、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流と該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流とを膨張させかつ部分的に蒸発させることと、該流れを蒸留塔の中に導入して蒸気相と液相とに該流れを分離することと、該蒸留塔から回収されたオーバーヘッド蒸気から該窒素を富化した蒸気生成物を生成させることと、を含む、態様23に記載の方法。
(態様25)
該第2の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が該蒸留塔の中に導入される場所より上の場所において、該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流が、該蒸留塔の中に導入される、態様24に記載の方法。
(態様26)
該主熱交換器のための冷却が閉回路冷却システムによって提供され、該閉回路冷却システムによって循環される冷媒が、該主熱交換器を通過しかつ該主熱交換器中で暖められる、態様1に記載の方法。
(態様27)
窒素を枯渇させたLNG生成物を生成させるための装置であって、該装置が、
天然ガス供給流を受け、そして主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして該流れのすべてまたは一部を液化して第1のLNG流を生成するための、および窒素を富化した天然ガス蒸気からなる圧縮されたリサイクル流を受け、そして該主熱交換器を通して該流れを通過させて該流れを冷却し、そして少なくとも部分的に液化して、第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を生成するための、冷却通路を有する主熱交換器と、
該冷却通路を冷却するための該主熱交換器に冷媒を供給するための冷却システムと、
該第1のLNG流、または該第1のLNG流の一部から生成されたLNG流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して、窒素を枯渇させたLNG生成物と窒素を富化した天然ガス蒸気からなるリサイクル流とを生成させるための、該主熱交換器と流体流連通した第1の分離システムと、
該リサイクル流を受け、該リサイクル流を圧縮して該圧縮されたリサイクル流を生成し、そして該主熱交換器に該圧縮されたリサイクル流を戻すための、該第1の分離システムおよび主熱交換器と流体流連通した、圧縮機と、
該第1の少なくとも部分的に液化された窒素を富化した天然ガス流を受け、膨張させ部分的に蒸発させかつ分離して窒素を富化した蒸気生成物を生成させるための、該主熱交換器と流体流連通した、第2の分離システムと、
を含み、該天然ガス供給流から別個にかつ並行して、該主熱交換器を通して該圧縮されたリサイクル流を通過させるように、該冷却通路が並べられている、装置。
(態様28)
該冷却システムが閉回路冷却システムであり、該第1の分離システムが膨張機器およびLNGタンクを含み、そして該第2の分離システムが膨張機器および相分離器または蒸留塔を含む、態様27に記載の装置。
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