特許第6087993号(P6087993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087993
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】イメージ走査のための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20170220BHJP
   G02B 7/28 20060101ALI20170220BHJP
   G03B 13/36 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   G02B21/00
   G02B7/28 J
   G03B13/36
【請求項の数】31
【外国語出願】
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-128442(P2015-128442)
(22)【出願日】2015年6月26日
(62)【分割の表示】特願2014-522162(P2014-522162)の分割
【原出願日】2012年7月27日
(65)【公開番号】特開2015-187748(P2015-187748A)
(43)【公開日】2015年10月29日
【審査請求日】2015年7月10日
(31)【優先権主張番号】1113071.3
(32)【優先日】2011年7月29日
(33)【優先権主張国】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】509139232
【氏名又は名称】エフエフイーアイ リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100190632
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 誠也
(72)【発明者】
【氏名】マーティン フィリップ ゴウチ
【審査官】 堀井 康司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0185167(US,A1)
【文献】 特開平08−334668(JP,A)
【文献】 特開2005−202092(JP,A)
【文献】 特開2004−151263(JP,A)
【文献】 特開2001−165625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00−21/00
G02B 21/06−21/36
G02B 7/28− 7/40
G03B 3/00− 3/12
G03B 13/30−13/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージ走査装置のターゲットの焦点の合ったフォーカスレベルを推定する方法であって、
前記イメージ走査装置は、前記ターゲットの一つ以上のイメージ走査ラインを取得するように構成された第一のライン走査検出器と、前記ターゲットの一つ以上のフォーカス走査ラインを取得するように構成された第二のライン走査検出器とを含み、
前記方法は、
前記第一のライン走査検出器を使用して、前記ターゲットの少なくとも一つのイメージ走査ラインを取得するステップであって、少なくとも一つのイメージ走査ラインのそれぞれは、それぞれのフォーカスレベルで取得されるステップと、
前記第二のライン走査検出器を使用して、前記ターゲットの少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得するステップであって、少なくとも一つのフォーカス走査ラインのそれぞれは、それぞれのフォーカスレベルで取得され、前記少なくとも一つのイメージ走査ラインの前記フォーカスレベルは、前記少なくとも一つのフォーカス走査ラインの前記フォーカスレベルと異なるステップと、
前記少なくとも一つのフォーカス走査ラインを少なくとも使用して、少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算するステップと、
前記の計算したフォーカスパラメータを使用して、前記ターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定するステップと、
を含み、
前記イメージ走査ライン及び前記フォーカス走査ラインは、前記ターゲットの異なる位置から取得され、イメージ情報は、前記イメージ走査ライン及び前記フォーカス走査ラインのそれぞれを生成するように、前記ターゲットから異なる光学軸に沿った前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器によって取得され、
イメージ情報は、ミラーを使用して、前記第二のライン走査検出器に反射され、
前記ミラーは、異なるフォーカスレベルで前記ターゲットのフォーカス走査ラインを提供するために回転する、方法。
【請求項2】
前記少なくとも一つのイメージ走査ライン又は更なる前記フォーカス走査ラインのいずれかを使用して、少なくとも一つの更なるフォーカスパラメータを計算するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記計算するステップは、少なくとも一つのイメージ走査ライン及び少なくとも一つのフォーカス走査ラインのそれぞれを使用して、前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器のそれぞれに対して少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算するステップを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得する前記ステップは、複数のフォーカス走査ラインが異なるフォーカスレベルで取得されるように、前記第二のライン走査検出器のフォーカスレベルを調節するステップを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記イメージ走査ライン及び前記フォーカス走査ラインは、前記イメージ走査ライン及びフォーカス走査ラインのそれぞれを生成するように、前記ターゲットを通過し、前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器のそれぞれがイメージ情報を受け取る光学軸を定義する標準平面を有する平面の範囲内の共通の位置から取得される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記ミラーは、前記第二のライン走査検出器の前記光学軸を中心とした点の回りを回転する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ミラーは、前記第二のライン走査検出器の前記光学軸から離れている点の回りを回転する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記フォーカス走査ラインが前記ターゲットの共通位置から取得されるように、前記ミラーの回転に基づいて前記ターゲットを動かすステップをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
異なるフォーカスレベルで複数のフォーカス走査ラインを取得するように、前記ターゲットに対して前記第二のライン走査検出器を動かすステップをさらに含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第二のライン走査検出器の前記走査ラインにわたって、位置の関数として前記フォーカスレベルを調節するように、前記第二のライン走査検出器を回転させるステップをさらに含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
詳細なパラメータを生成するために、少なくとも一つのフォーカス走査ライン又は少なくとも一つのイメージ走査ラインのうちの一つ又はそれぞれからイメージデータを使用するステップと、
前記フォーカスパラメータを計算する際に前記詳細なパラメータを使用するステップと、
をさらに含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ライン走査検出器は、マルチチャンネルの検出器である場合、前記方法は、前記検出器の異なるチャンネルに対して焦点の合ったフォーカスレベルを計算するステップと、それぞれのチャンネルに対するフォーカスパラメータを評価するステップと、前記評価するステップにおいて、前記チャンネルに対する前記フォーカスパラメータのうちの一つ以上を使用するステップと、を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第一のライン走査検出器の前記フォーカスレベルに対して前記第二のライン走査検出器の前記フォーカスレベルを調節するステップ、を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記少なくとも一つのフォーカスパラメータは、焦点が合ったフォーカスレベルを表す最大値を有するフォーカスの性能指数値である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記フォーカスの性能指数値は、正規化された値である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項3〜13のいずれか一項に従属する場合、前記第一のライン走査検出器の前記フォーカスレベルは、前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器のフォーカスの性能指数値間の差の大きさ及び符号に基づいた量及び方向によって修正される、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
前記方法は、前記第一のライン走査検出器を前記名目上の焦点の合ったフォーカスレベルに向かって動かすことによって、前記第一のライン走査検出器の前記フォーカスレベルを調節するステップ、をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
時間的なシフトは、前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器の前記走査ラインからのデータ間に適用され、前記時間的なシフトは前記ターゲット及び前記イメージ走査装置の間の相対運動の関数である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
イメージ走査ラインは、帯状の領域を形成するように、前記ターゲット上の多数の位置から取得される、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記第一のライン走査検出器の前記フォーカスレベルは、前記帯状の領域の範囲内の前記イメージ走査ラインが異なるフォーカスレベルで取得されるように、帯状の領域の形成中に、リアルタイムで前記名目上の焦点の合ったフォーカスレベルに調節される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
イメージ走査装置であって、
ターゲットの一つ以上のイメージ走査ラインを取得するように構成された第一のライン走査検出器と、
前記ターゲットの一つ以上のフォーカス走査ラインを取得するように構成された第二のライン走査検出器と、
前記ターゲットのイメージを前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器に提供する結像光学系であって、前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器は、前記結像光学系の異なるそれぞれの光学軸上に位置し、前記結像光学系は、前記イメージ情報の一部分を、前記ターゲットから前記第二のライン走査検出器に向かわせるように配置したミラーを含む、結像光学系と、
異なるイメージ情報を、前記第二のライン走査検出器に向かわせるように、前記ミラーを回転させるように適合されたミラー駆動部と、
前記第一のライン走査検出器に前記ターゲットの異なる位置からのイメージ情報を取得させる駆動システムであって、前記ミラー駆動部は、前記フォーカス走査ラインが前記ターゲットの共通の位置から取得されるように前記駆動システムにしたがって作動する、駆動システムと、
前記第一のライン走査検出器を使用して、それぞれのフォーカスレベルで前記ターゲットの少なくとも一つのイメージ走査ラインを取得し、
前記第二のライン走査検出器を使用して、それぞれのフォーカスレベルで前記ターゲットの少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得し、前記少なくとも一つのイメージ走査ラインの前記フォーカスレベルが前記少なくとも一つのフォーカス走査ラインの前記フォーカスレベルと異なり、
前記少なくとも一つのフォーカス走査ラインを少なくとも使用して、少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算し、
前記の計算したフォーカスパラメータを使用して、前記ターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定するように構成されたプロセッサと、
を含むイメージ走査装置。
【請求項22】
前記ターゲット及び前記第一のライン走査検出器の間の前記フォーカスレベルを修正するように構成された第一のフォーカス装置をさらに含み、
前記プロセッサは、前記第一のライン走査検出器の前記フォーカスレベルを推定した名目上の焦点の合ったフォーカスレベルに動かすために、前記第一のフォーカス装置を操作するようにさらに構成される、請求項21に記載のイメージ走査装置。
【請求項23】
前記イメージ走査装置は、前記ターゲットを保持するターゲット試料台、をさらに含み、前記駆動システムは、前記フォーカス走査ラインが前記ターゲットの共通位置から取得されるように、前記ミラーの回転に基づいて前記ターゲット試料台を動かすように構成されている、請求項21又は22に記載のイメージ走査装置。
【請求項24】
前記第二のライン走査検出器をそのそれぞれの光学軸に沿って動かすように適合された検出器駆動部をさらに含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項25】
前記第二のライン走査検出器の前記走査ラインにわたる位置の関数として前記フォーカスレベルを調節するように、前記第二のライン走査検出器を回転させるように適合された検出器駆動部をさらに含む、請求項21〜23のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項26】
前記ミラー駆動部は、前記ミラーが前記第二のライン走査検出器の前記光学軸から離れた点の回りを回転するように適合されている、請求項21〜25のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項27】
前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器のうちの一つ又はそれぞれは、マルチチャンネル検出器である、請求項21〜26のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項28】
前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器は、実質的に同一である、請求項21〜27のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項29】
前記第一のライン走査検出器及び前記第二のライン走査検出器の前記フォーカスレベルは、相互に対して独立に制御できる、請求項21〜28のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項30】
前記装置は、バーチャル顕微鏡である、請求項21〜28のいずれか一項に記載のイメージ走査装置。
【請求項31】
請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法を実行するために、使用されるプログラムコードを含む、コンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージ走査のための方法及び装置、特に、限定されないけれども、バーチャル顕微鏡(virtual microscope)の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、当技術分野において知られるイメージ走査のために使用されるバーチャル顕微鏡の一般的な配置を図示する。配置は、スライド6から生じて、ライン走査検出器(line scan detector)2への光に焦点を合わせる(focus)結像レンズ(imaging lens)1を含む。結像レンズ及びライン検出器は、ともに結像システム(imaging system)を作り上げる。検出器2がライン走査検出器2であるとき、イメージ領域(image area)7は、ライン(line)である。スライド6の大きい領域に拡張イメージを生成するために、スライドは、結像レンズ及びライン走査検出器に対して、矢印8によって示されるように動かされる。このセンス(sense)では、スライドは、ライン走査検出器によって「走査される」。
【0003】
ライン走査検出器は、一般的にスライド上に準備された試料の像を取得する。試料は、例えば、生物試料(biological specimen)であってもよい。一般的に、像を取得される試料は、結像システムの被写界深度(depth of field)よりも大きい焦点バリエーション(focus variation)がある不均一表面のトポグラフィー(inhomogeneous surface topography)を有する。一般的に、スライドの一つの走査は、約1mmの幅で2mm〜60mmの間の長さである。1mmの目盛りを超えると、試料の焦点は、あまり結像システムの焦点深度(depth of focus)(一般的に、約1μm)を超えない。しかしながら、20mmのような大きい距離を超えると、試料の焦点の変化(change of focus)は、結像システムの被写界深度を超えることができる。したがって、試料の表面トポロジー(surface topology)の変化に起因して、試料を走査している間、ライン走査検出器によって生成された出力イメージは、焦点の合う(in focus)領域及び焦点の合っていない(out of focus)領域を有する可能性があるという問題がある。これは、特に、試料の正確な分析を必要とするときに、許されない。
【0004】
この問題を解決するために様々な試みが行われている。例えば、米国特許7518652号明細書は、走査が予定されている間、結像システムの焦点を調節するフォーカスマップ(focus map)の使用を開示する。しかしながら、これは、非常に時間を費やす走査を開始する前に分析される試料の全てを必要とする。又は、試料の特定の複数の点のみが選ばれると、複数の点間の領域は、よい焦点を有する見込みがない。
【0005】
米国特許7485834号明細書は、よりよい焦点位置があるか否か調べるために、試料を走査する間に、結像レンズの焦点を一時的に変更することを開示する。しかしながら、試料の走査速度が早くなるにつれて、これは、よりよい焦点位置の調査において結像レンズを動かすためにあまり時間がかからないことを意味する。これは、走査速度が一定速度以下を保つこと、又は、結像レンズの位置変更がよりよいイメージライン(image line)を生じさせることを意味することにより、イメージを挿入することがより難しい。これらのシナリオの両方は、好ましくない。
【0006】
米国特許7330574号明細書は、結像システムの最適な焦点面(best-focus plane)が走査中に試料の表面をインターセプト(intercept)するように、走査方向に傾斜する2Dイメージ検出器を開示する。試料は、それぞれのフレーム(frame)のために、一つ又は少数のフレームを動かすことによって、焦点計算のために使用できる試料の3D走査をする。プロセスが走査中に実行されたように、これは、走査前に行われ、2Dスキャナーによって必要とされるデータレート(data rate)は、非常に大きい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、試料が焦点の合った状態で、迅速に走査できるように、イメージ走査中に試料の焦点合わせを向上する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様にしたがって、イメージ走査装置のターゲットの焦点の合ったフォーカスレベルを推定する方法を実現し、イメージ走査装置は、ターゲットの一つ以上のイメージ走査ラインを取得するように構成された第一のライン走査検出器と、ターゲットの一つ以上のフォーカス走査ラインを取得するように構成された第二の走査検出器とを含み、方法は、第一のライン走査検出器を使用して、ターゲットの少なくとも一つのイメージ走査ラインを取得するステップであって、少なくとも一つイメージ走査ラインのそれぞれは、それぞれのフォーカスレベルで取得されるステップと、第二のライン走査検出器を使用して、ターゲットの少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得するステップであって、少なくとも一つのフォーカス走査ラインのそれぞれは、それぞれのフォーカスレベルで取得されるステップと、少なくとも一つのフォーカス走査ラインを少なくとも使用して、少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算するステップと、計算したフォーカスパラメータを使用して、ターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定するステップとを含む。
【0009】
ここで、用語「レベル」は、名目上の焦点の合ったフォーカスレベルがターゲットの像を取得するときに、イメージ走査装置の焦点面の位置であるというような「位置」と等価(analogous)であることが理解できる。好ましくは、第一のライン走査検出器は、所望の焦点の合ったターゲットの出力イメージを取得するように、動作可能である。したがって、方法は、第一のライン走査検出器のフォーカスレベルをターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルに調節するステップをさらに含むことが好ましい。すなわち、第一のライン走査検出器の位置は、第一のライン走査検出器がイメージ走査装置の焦点面にあることにより、ターゲットに焦点が合う。
【0010】
本発明は、ターゲットの焦点の合ったフォーカスイメージを迅速及び簡単に取得することによって、ターゲットの焦点の合ったイメージの取得を可能にするという利点がある。これは、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器がラインのターゲットを同時に「走査」するように、ターゲットがイメージ走査装置に対して動かされるときに、特に有利である。ターゲット(例えば、スライドガラス上の生物試料であってもよい)は、イメージ走査装置によって走査されるときに、その焦点の合ったフォーカスレベルを変更するトポグラフィー(topography)を多様にする凹凸構造を有してもよい。したがって、焦点の合ったフォーカスレベルを迅速及び簡単に推定できることに、利点がある。
【0011】
少なくとも一つのフォーカスパラメータは、ライン走査検出器のフォーカスレベルと、イメージ走査ラインが特定のフォーカスレベルでいかに「焦点が合っている」かという目安とを関連付ける手段である。フォーカスパラメータは、フォーカスパラメータが焦点の合ったフォーカスレベルを表す最大値を有する「フォーカス性能指数」値であることが好ましいものの、多数の形をとってもよい。フォーカス性能指数値は、イメージ走査ラインが数字目盛り上でいかに「焦点が合っている」かを表現する。例えば、完全に焦点が外れているイメージ走査ラインが「0」のフォーカス性能指数値を有するのに対して、完全に焦点の合ったイメージ走査ラインは、「1」のフォーカス性能指数値を有する。
【0012】
少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得するために第二のライン走査検出器を使用することは、焦点の合ったフォーカスレベルが取得されるまで第一のライン走査検出器を動かすことによって、焦点の合ったフォーカスレベルを見つけなければならないわけではないことを意味する。これは、非常に時間を消費する操作であって、好ましくない。例えば、一つのライン走査検出器の使用だけで、好ましいフォーカスレベルが取得されるまで、検出器が動かされるように、ラインイメージが「犠牲になる」(sacrificed)。別々のフォーカスライン走査の使用は、ラインイメージの「犠牲」の必要性無しの焦点の合ったフォーカスレベルの迅速な推定を可能にする。
【0013】
本発明の方法は、少なくとも一つのフォーカス走査ラインを少なくとも使用して、少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算するステップを含む。少なくとも一つのフォーカスパラメータが、焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために、少なくとも一つのフォーカス走査ラインから取得されることは、重要である。いくつかの実施形態において、焦点の合ったフォーカスレベルは、イメージ走査ラインを使用せずに、フォーカス走査ラインから取得されたフォーカスパラメータだけを使用して推定されてもよい。これは、ターゲットがライン走査検出器によって像が取得されたその領域にわたって実質的に同一であるときに、最適に機能する。しかしながら、焦点の合ったフォーカスレベルは、少なくとも一つのフォーカス走査ラインから計算されたフォーカスパラメータと、少なくとも一つのイメージ走査ラインから計算されたフォーカスパラメータを比較することによっても、推定されてよい。いくつかの実施形態では、一つのフォーカスパラメータのみが単一のイメージ走査ラインを使用して計算されてもいいのに対して、二以上のフォーカスパラメータは、複数のフォーカス走査ラインを使用して取得されてもよい。反対のシナリオに当てはめてもよい。他の実施形態において、複数のフォーカスパラメータは、複数のフォーカス走査ラインを使用して計算されてもよく、複数のフォーカスパラメータは、複数のイメージ走査ラインを使用して計算されてもよい。方法は、上記の可能性の任意の組み合わせを利用してもよい。
【0014】
方法は、少なくとも一つのイメージ走査ライン又は更なるフォーカス走査ラインのうちのいずれかを使用して、少なくとも一つの更なるフォーカスパラメータを計算するステップをさらに含む。例えば、更なるフォーカスパラメータは、イメージ走査ラインから取得されてもよい。少なくとも一つのフォーカス走査ラインのフォーカスレベルが、少なくとも一つのイメージ走査ラインのフォーカスレベルと異なることを確実にすることによって、この更なるフォーカスパラメータは、焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために、フォーカス走査ラインを使用して計算されるフォーカスパラメータと比較できる。好ましくは、フォーカスパラメータは、(イメージ走査ラインから計算されたフォーカスパラメータに、一般的に)正規化(normalized)される。異なるフォーカスレベルの二つのフォーカスパラメータのこの同時計算は、特に、フォーカスレベルの迅速及び簡単な推定を可能にする。代わりに、更なるフォーカスパラメータは、第一のフォーカス走査ラインのフォーカスレベルとは異なるフォーカスレベルで更なるフォーカス走査ラインから取得されてもよい。フォーカス走査ラインからの二つのフォーカスパラメータは、焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために使用できる。
【0015】
計算するステップは、少なくとも一つのイメージ走査ライン及び少なくとも一つのフォーカス走査ラインのそれぞれを使用して、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のそれぞれに対して少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算するステップをさらに含んでもよい。例えば、フォーカスパラメータは、イメージ走査ラインを使用する第一のライン走査検出器のために取得されてもよく、フォーカスパラメータは、フォーカス走査ラインを使用する第二のライン走査検出器のために取得されてもよい。これらのフォーカスパラメータは、焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために比較されてもよい。代わりに、例えば、複数のフォーカスパラメータが第二のライン走査検出器のために取得されてもよく、複数のフォーカスパラメータが第一のライン走査検出器のために取得されてもよい。更なる例として、複数のフォーカスパラメータは、第二の走査ライン検出器のために計算されてもよく、一つのフォーカスパラメータが第一のライン走査検出器のために計算されてもよい。
【0016】
第一のライン走査検出器のフォーカスレベルと第二のライン走査検出器のフォーカスレベルは異なること(例えば、第二のライン走査検出器は、ターゲットからの光路が第一のライン走査検出器よりも短い距離に置かれてもよいこと)を確実にすることによって、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のために計算されるフォーカスパラメータは、名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために使用できる。例えば、フォーカス走査ラインのフォーカスの性能指数値がイメージ走査ラインのフォーカスの性能指数値よりも少ない場合、焦点の合ったフォーカスレベルは、第一のライン走査検出器より上(すなわち、第一のライン走査検出器は、ターゲットと焦点の合ったフォーカスレベルとの間に位置する)、又は既に焦点の合ったフォーカスレベルである。したがって、第一のライン走査検出器と異なるフォーカスレベルで第二のライン走査検出器を使用することによって、二つの比較可能なフォーカスパラメータは同時に取得され、ターゲットの焦点の合ったフォーカスレベルは、迅速に推定できる。
【0017】
少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得するステップは、複数のフォーカス走査ラインが異なるフォーカスレベルで取得されるように、第二のライン走査検出器のフォーカスレベルを調節するステップを一般的に含む。このような場合に、複数のフォーカスパラメータを、第二のライン走査検出器の複数のフォーカスレベルのそれぞれのために一つ、一般的に計算する。これらの複数のフォーカスパラメータは、イメージ走査ラインから取得されたフォーカスパラメータに正規化され、フォーカスレベルに反してそれぞれのフォーカスレベルで取得されるフォーカスの性能指数をプロット(plot)する「フォーカスの性能指数曲線」を生成するために使用されることが好ましい。この曲線の最大値は、ターゲットの焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために使用でき、第一のライン走査検出器は、この最大値に向かって動かされる。第二のライン走査検出器のフォーカスレベルを調節することは、異なるフォーカスレベルでのいくつかのライン走査検出器に対する必要性を取り除くという利点がある。それは、第一のライン走査検出器にぶつかる光の量を低減させることによって、イメージの質を低減させる。
【0018】
第二のライン走査検出器のフォーカスレベルを調節する多数の方法があり、以下により詳細に説明される。
【0019】
イメージ走査ライン及びフォーカス走査ラインは、イメージ走査ライン及びフォーカス走査ラインのそれぞれを生成するように、ターゲットを通過し、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のそれぞれがイメージ情報を受け取る光学軸を定義する標準平面を有する平面の範囲内の共通の位置から取得されてもよい。イメージ情報は、ビームスプリッタを使用して、ライン走査検出器のうちの一つに反射されてもよい。これは、ビームスプリッタがターゲットの同一の空間的位置の二つのイメージを生成するように、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のそれぞれがターゲットの同一の空間的位置の像を同時に取得することを確実にする。ビームスプリッタは、更なるフォーカスパラメータが計算できるように、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のフォーカスレベルとは異なる更なるフォーカスレベルで、イメージ情報を第三のライン走査検出器に向かわせるためにも使用される。ビームスプリッタとして使用することは、計算したフォーカスパラメータがターゲットの空間的変動によって影響されないという利点がある。これにより、焦点の合ったフォーカスレベルの推定を簡素化し、その正確性を向上させる。しかしながら、イメージ情報を反射する他の手段は想定(envisage)される。
【0020】
代わりに、イメージ走査ライン及びフォーカス走査ラインは、ターゲットの異なる位置から取得されてもよく、イメージ情報は、ターゲットから異なる光学軸に沿って第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器によって、取得される。しかしながら、これは、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器がターゲットの異なる空間領域の像を同時に取得し、これは、それぞれの検出器に完全に光が当たる(ビームスプリッタの使用とは異なる)ことを確実にすることにより、イメージ品質を向上させる。これは、第一のライン走査検出器からの出力イメージにとって特に重要である。
【0021】
第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器は、相互に隣接して位置しても、イメージ情報が反射ミラー等のミラーを使用して、ライン走査検出器のうちの一つに反射されてもよい。第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器がターゲットからの異なる光学軸に沿ってイメージ情報を受け取るとき、ライン走査検出器の一つに光を反射するためのミラーの使用は、他のライン走査検出器の照度(illumination)を低減させないという利点がある。
【0022】
方法は、異なるフォーカスレベルでターゲットのフォーカス走査ラインを提供するように、イメージ情報を反射させている(好ましくは、第二のライン走査検出器)ライン走査検出器の光学軸上を中心とした点の周りにミラーを回転させるステップをさらに含んでもよい。上述したような同様な方法で、フォーカスパラメータは、それぞれのフォーカスレベルでフォーカス走査ラインのフォーカスの性能指数値をプロットするフォーカスの性能指数曲線を生成するために、ここで使用されてもよい。フォーカスの性能指数曲線のピーク(peak)は、名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを提供し、第一のライン走査検出器は、最大値へと向かわせられる。
【0023】
代わりに、ミラーは、イメージ情報を反射させているライン走査検出器の光学軸から離れた点の周りを回転してもよい。好ましくは、これは、ミラーの同一の回転角で焦点の合ったフォーカスレベルの非常に大きな変化をもたらす。
【0024】
ターゲットがイメージ走査装置に対して動かされた場合(すなわち、走査中)、ターゲットは、フォーカスライン走査がターゲットの共通の位置から取得されるように、ミラーの回転に基づいて動かされることが好ましい。これは、フォーカスの性能指数値のようなフォーカスパラメータがターゲットの空間的変動によって影響されないことを確実にする。これは、焦点の合ったフォーカスレベルの推定をより正確にすることを可能にする。
【0025】
ミラーを回転させることに代えて、方法は、異なるフォーカスレベルで複数のフォーカスライン走査を取得するように、ターゲットに対して第二のライン走査検出器を動かすステップを含んでもよい。第二のライン走査検出器の移動は、その光学軸に沿った往復(to and fro)であることが好ましい。上述のような同様の方法において、フォーカスパラメータは、それぞれのフォーカスレベルでフォーカス走査ラインのフォーカスの性能指数値をプロットすることによって、フォーカスの性能指数曲線を生成するために使用されてもよい。フォーカスの性能指数曲線のピークは、ターゲットの名目上の推定された焦点の合ったフォーカスレベルを提供する。
【0026】
さらに別の方法として、方法は、第二のライン走査検出器の走査ラインにわたる位置の関数としてフォーカスレベルを調節するステップを含んでもよい。例えば、第二のライン走査検出器は、その光学軸に垂直な軸の周りを回転されてもよい。これは、検出器の走査ラインに沿った異なる焦点を提供する。それは、第二のライン走査検出器に対してフォーカスパラメータを計算するために使用できる。別の方法として、第二のライン走査検出器は、第二ライン走査検出器のそれぞれの位置が異なるフォーカスレベルであるように、光学軸に対する角度で位置してもよい。フォーカスパラメータは、それぞれのフォーカスレベルで計算されてもよい。
【0027】
ターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために、第二のライン走査検出器の走査ラインにわたる位置の関数としてフォーカスレベルを調節することは、ターゲットがライン検出器によって像が所得された領域(ライン(line))にわたる空間において実質的に同質であるとき、よく機能する(すなわち、ターゲットの残りと比較すると、特に情報が与えられたターゲット上には、領域がない。また、トポグラフィーは、実質的に一定である)。しかしながら、試料が第一の検出器及び第二の検出器の一方の端でしか像を取得されない詳細な領域を有する場合、これは、名目上の推定された焦点の合ったフォーカスレベルが正確なレベルから離れることが好ましくない。これを無効にするために、方法は、詳細なパラメータを生成するための、一つのフォーカス走査ライン又はイメージ走査ライン若しくは少なくとも一つのフォーカス走査ライン又はイメージ走査ラインのそれぞれからイメージデータを使用するステップをさらに含んでもよい。したがって、フォーカスパラメータは、ターゲットの詳細な「名目上の」レベルである。詳細なパラメータは、一般的に、ライン走査検出器の位置の関数としてターゲットの範囲内で異質の名目上のレベルである。例えば、試料の左側に多量の細部がある場合、詳細なパラメータは、検出器の左側でピークになる。好ましくは、第一のライン走査検出器は、詳細なパラメータを生成する。一般的に詳細なパラメータ及びフォーカスパラメータは同一のパラメータである。フォーカスパラメータがフォーカス走査ラインから計算され、詳細なパラメータがイメージ走査ラインから計算される。
【0028】
ライン走査検出器は、検出器の異なるチャンネルに対して焦点の合ったフォーカスレベルを計算するステップをさらに含む方法を有するマルチチャンネル検出器であってもよい。マルチチャンネル検出器は、一般的にRGB検出器であってもよい。着色光の異なる周波数が原因で、RGBチャンネルのそれぞれが異なるフォーカスレベルを有する。この特徴は、チャンネルに対するフォーカスパラメータのそれぞれを評価するために使用でき、ターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定することにおけるチャンネルに対する一つ以上のフォーカスパラメータを使用していることである。チャンネルに対するフォーカスパラメータのそれぞれを評価することは、データポイントの数の増加をもたらすことにより、推定された焦点の合ったフォーカスレベルの正確性を向上させる。
【0029】
ターゲットがイメージ走査装置に対して動かされる場合、一時的なシフトが第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器からのデータ間に適用されてもよい。一時的なシフトは、ターゲット及びイメージ走査装置の間の相対運動の関数である。これは、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器の走査ラインからのデータがターゲットの同一の空間的位置からであることを確実にする利点がある。これは、フォーカスパラメータ(例えば、フォーカスの性能指数値)として焦点の合ったフォーカスレベルの推定の正確性がターゲットの空間的位置に影響されないことを向上させる。
【0030】
イメージ走査ラインは、帯状の領域(swathe)を形成するように、ターゲットの多数の位置から取得されてもよい。これは、検出器が一度に一つのラインのターゲットの像を取得するように、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器に対してターゲットを移動させることによって実行されることが好ましい。それぞれのライン走査検出器は、一度にターゲットの一つのラインを走査するために、センサーの直線配列を構成することが好ましい。ターゲットは、少なくとも一つのライン走査検出器の光学軸に垂直な平面に一般的に動かされる。好ましくは、第一のライン走査検出器のフォーカスレベルは、帯状の領域の範囲内でイメージ走査ラインが異なるフォーカスレベルで取得されるように、帯状の領域の形成中にリアルタイムで名目上の焦点の合ったフォーカスレベルに調節される。これは、迅速なターゲットの焦点の合ったフォーカス走査を可能にするという利点がある。走査速度は、第一のライン走査検出器が焦点の合った焦点位置を調節するために時間を割り当てることが必要である場合、一時的に遅くしてもよい。しかしながら、焦点の合ったフォーカスレベルは、少数のイメージラインを実質的に変更しないことが概して想定されるため、これは、いつも必要ではない。
【0031】
本発明の第二の態様によれば、ターゲットの一つ以上のイメージ走査ラインを取得するように構成された第一のライン走査検出器と、ターゲットの一つ以上のフォーカス走査ラインを取得するように構成された第二のライン走査検出器と、第一のライン走査検出器を使用して、それぞれのフォーカスレベルでターゲットの少なくとも一つのイメージ走査ラインを取得し、第二のライン走査検出器を使用して、それぞれのフォーカスレベルでターゲットの少なくとも一つのフォーカス走査ラインを取得し、少なくとも一つのフォーカス走査ラインを少なくとも使用して、少なくとも一つのフォーカスパラメータを計算し、さらに、計算したフォーカスパラメータを使用して、ターゲットの名目上の焦点の合ったフォーカスレベルを推定するように構成されたプロセッサと、を含むイメージ走査装置が実現される。
【0032】
好ましくは、イメージ走査装置は、ターゲット及び第一のライン走査検出器の間のフォーカスレベルを修正するように構成された第一のフォーカス装置と、第一のライン走査検出器のフォーカスレベルを推定された名目上の焦点の合ったフォーカスレベルに変更させるための第一のフォーカス装置を操作するように、さらに構成されたプロセッサとをさらに含む。これは、ターゲットのイメージに焦点が合うように、焦点の合ったフォーカスレベルが推定されると、第一のライン走査検出器が当該レベルに移動できる。
【0033】
好ましくは、イメージ走査装置は、試料を保持する試料台と、ターゲットのイメージが第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器に提供される原因となる結像光学系と、第一のライン走査検出器がターゲットの異なる位置からイメージ情報を取得する原因となる駆動システムとをさらに含む。結像光学系は、例えば、ターゲットから生じて、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器への光線を集中させるためのレンズを含んでもよい。第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器がターゲットの共通の位置の像を取得するように配置される場合、結像光学系は、イメージ情報をターゲットから第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器の一部分に向かわせるビームスプリッタを含んでもよい。第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器が結像光学系の異なるそれぞれの光学軸上に位置する場合、結像光学系は、ターゲットからのイメージ情報の一部分を第一のライン走査検出器又は第二のライン走査検出器のうちの一つに向かわせるために配置されるミラーを含むことが好ましい。
【0034】
駆動システムは、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器がターゲットの全体からイメージ情報を受け取るように、ターゲットを第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器に対して動かすように操作されることが好ましい。例えば、駆動システムは、第一のライン走査検出器、第二のライン走査検出器、及び結像光学系を固定しつつ、ターゲット試料台を動かすように操作されてもよく、ターゲットを固定しつつ、第一のライン走査検出器、第二のライン走査検出器、及び結像光学系を動かすように操作されてもよい。
【0035】
結像光学系がミラーを含む場合には、イメージ走査装置は、異なるイメージ情報をライン走査検出器に向かわせるように、ミラーを回転させるように適合されたミラー駆動部をさらに含んでもよい。ミラーの回転は、異なるフォーカスレベルでのフォーカス走査ラインが取得されることを意味し、これらは、それぞれのライン走査検出器のフォーカスパラメータの生成に使用される。好ましくは、ミラー駆動部は、フォーカスライン走査がターゲットの共通の位置から取得されるように、駆動システムにしたがって操作される。
【0036】
イメージ走査装置は、第二のライン走査検出器をそのそれぞれの光学軸に沿って往復して動かすように適合された検出器駆動部をさらに含んでもよい。ミラー駆動部と同様な方法により、これは、異なるフォーカスレベルでのフォーカス走査ラインが生成されることを意味し、それは、フォーカスパラメータの生成において使用される。
【0037】
代わりに、イメージ走査装置は、第二のライン走査検出器の走査ラインにわたる位置の関数としてフォーカスレベルを調節するように、第二のライン走査検出器を回転させるように適合された検出器駆動部をさらに含んでもよい。再び、これは、異なるフォーカスレベルでの複数のフォーカス走査ラインを生成する。
【0038】
装置は、更なるフォーカス走査ラインを提供するための第三のライン走査検出器をさらに含んでもよい。好ましくは、第三のライン走査検出器は、それぞれの検出器が異なるフォーカスレベルを有する第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器に対して異なるフォーカスレベルで位置する。一般的に、少なくとも一つのフォーカスパラメータは、更なるフォーカス走査ラインを使用して、第三のライン走査検出器のために計算される。これは、焦点の合ったフォーカスレベルを正確に推定するためのより多くのデータポイントを提供する。
【0039】
一つの第一のライン走査検出器又は第二のライン走査検出器若しくは第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のそれぞれは、マルチチャンネル検出器であってもよい。好ましくは、マルチチャンネル検出器は、赤、緑、及び青の光を検出するために操作されるRGB検出器である。
【0040】
一般的に、第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器のフォーカスレベルは、独立に制御できる。第一のライン走査検出器及び第二のライン走査検出器もフォーカスパラメータが検出器の相違によって影響されないように、同一であることが好ましい。装置は、バーチャル顕微鏡であることが好ましい。
【0041】
当業者であれば、第一の態様及び第二の態様に記載されたライン走査検出器は、任意の適切なイメージ検出器に置き換えてもよいことを理解するだろう。
【0042】
本発明の第三の態様によれば、第一の態様による方法を実行するために適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラム製品が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、以下の図面を参照して説明される。
図1】当技術分野で知られたイメージ走査装置を示す。
図2】発明の第一の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図3A】発明の第一の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図3B】発明の第一の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図3C】発明の第一の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図3D】発明の第一の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図4A】発明の第二の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図4B】発明の第二の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図4C】発明の第二の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図4D】発明の第二の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図5】発明の第三の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図6A】発明の第三の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図6B】発明の第三の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図6C】発明の第三の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図7A】発明の第五の実施形態による検出器レイアウトを示す。
図7B】発明の第五の実施形態による検出器レイアウトを示す。
図8】発明の第六の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図9】発明の第七の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図10】発明の第八の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図11】発明の第八の実施形態によるフォーカスの性能指数曲線を示す。
図12】発明の第九の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図13】発明の第十の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図14】発明の第十一の実施形態によるイメージ走査装置を示す。
図15】発明の第十一の実施形態による走査ラインを示す。
図16A】発明の第十一の実施形態によるフォーカスの性能指数及び焦点位置曲線を示す。
図16B】発明の第十一の実施形態によるフォーカスの性能指数及び焦点位置曲線を示す。
図16C】発明の第十一の実施形態によるフォーカスの性能指数及び焦点位置曲線を示す。
図17A】発明の第十二の実施形態によるフォーカスの性能指数及び詳細な性能指数曲線を示す。
図17B】発明の第十二の実施形態によるフォーカスの性能指数及び詳細な性能指数曲線を示す。
図17C】発明の第十二の実施形態によるフォーカスの性能指数及び詳細な性能指数曲線を示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の発明の詳細な説明を通して、同様の参照番号は、同様の要素を示す。実施形態の特徴は、他の実施形態の任意の特徴と結合してもよい。
【0045】
図2は、本発明によるバーチャル顕微鏡の第一の実施形態の概略図を示す。第一の実施形態のイメージ走査装置(image scanning apparatus)100は、イメージライン走査検出器(imaging line scan detector)2及びフォーカスライン走査検出器(focusing line scan detector)3を含む。試料(不図示)のイメージは、レンズ1を通過して、イメージライン走査検出器2で像を取得される。一般的に試料は、一連のライン走査として像を取得されるように、イメージライン走査検出器2の光学軸に垂直な平面の装置100に対して移動する。イメージが走査中に焦点が合っているように、結像レンズ1の焦点面(focal plane)に位置することは、イメージライン走査検出器2にとって好ましい。ビームスプリッタ(beam splitter)6を結像レンズ1とイメージライン走査検出器2の間に設け、ビームスプリッタ6は、結像ビームを二つに分け、共役面(co-conjugate plane)7の試料の同一の空間的位置の第二のイメージを生成する。フォーカスライン走査検出器3は、イメージライン走査検出器2及びフォーカスライン走査検出器3が異なるフォーカスレベルでイメージ走査ラインを生成するように、イメージライン走査検出器2のフォーカスレベルとは異なるフォーカスレベル8に位置する。図2において、当業者はフォーカスライン走査検出器8が共役面7の上に位置できることも十分理解するものの、フォーカスレベル8は、光がフォーカスライン走査検出器3よりもイメージライン走査検出器2にさらに進む(フォーカスレベル8は、共役面7よりも下である)。
【0046】
「フォーカスの性能指数(focus merit)」値(value)は、イメージライン走査検出器2及びフォーカスライン走査検出器3の両方に対して計算される。例えば、高域周波数フィルタ又は帯域通過周波数フィルタを通過した出力等に基づくような、代わりの計算手順が使用されてもよいものの、その計算は、一般的に隣接画素間の差異の二乗の和に基づく。フォーカスの性能指数値(focus merit value)は、ライン走査検出器から取得されたイメージ走査ラインの焦点がいかに合っているか(in focus)を測る尺度であり、焦点が合ったフォーカスレベルの最大値を有する。そのような値は、イメージ情報内のより細部を示す大きいフォーカスの性能指数値を有するイメージ情報内の細部の量に依存する数値を提供する。フォーカス走査ライン検出器のフォーカスの性能指数値は、イメージ走査ライン検出器のフォーカスの性能指数値に正規化される。例えば、検出器2,3で取得されたフォーカスの性能指数値をイメージライン走査検出器2で取得されたフォーカスの性能指数値で割ることによって、イメージ走査ライン検出器のフォーカスの性能指数値に正規化される。二つの値を比較することによって、行き着くためのイメージ検出器の最適なフォーカスレベルの方向性を推定し、装置の焦点は、フォーカスライン走査検出器よりもイメージライン走査検出器により大きいフォーカスの性能指数を与えるように調整される。
【0047】
フォーカスライン走査検出器が共役面7よりも下のフォーカスレベル8に位置する場合、フォーカス走査ライン検出器3がイメージライン走査検出器2より少ない性能指数値を与えるときに、最適な焦点はイメージライン走査検出器より上の位置、又は、既にイメージライン走査検出器の位置のうちのいずれか一つである(図3A,3B)。二つのフォーカスの性能指数値が同様であるとき(一般的に5パーセント(%)差以内)、最適な焦点は、イメージライン走査検出器の真下である(図3C)。フォーカスライン走査検出器の性能指数値がイメージライン走査検出器の性能指数値より大きいとき、最適な焦点は、イメージ検出器の下である(図3D)。この情報を使用することにより、イメージライン走査検出器をちょうど、又は、最適な焦点の真上に保つことができる。二つの検出器間の焦点距離(focus distance)が十分小さい場合、この方法によって生成される焦点位置(focus position)の任意のエラーは、焦点の質の評判を落とさない(not be compromised)程度に十分小さくなる。
【0048】
上記に説明した発明の第一の実施形態において、イメージライン走査検出器及びフォーカスライン走査検出器間のフォーカスの性能指数値は、焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために簡単に比較される。フォーカスの性能指数曲線は、図3A〜3Dに図示される。比較プロトコル(comparison protocol)を以下に説明する。
【0049】
一般に、イメージライン走査検出器のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器のフォーカスの性能指数よりも所定量(例えば、5パーセント(%))より大きい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスレベルをフォーカスライン走査検出器のフォーカスレベルから遠ざかる(すなわち、焦点が合うフォーカスレベルは、フォーカスライン走査検出器よりもイメージライン走査検出器のフォーカスレベルにより近い)。イメージライン走査検出器のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器のフォーカスの性能指数よりも所定量(例えば、5パーセント(%))小さい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスレベルをフォーカスライン走査検出器のフォーカスレベルに近づける。イメージライン走査検出器のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器のフォーカスの性能指数よりも所定量未満(例えば、5パーセント(%)未満)大きい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスレベルをフォーカスライン走査検出器のフォーカスレベルに近づける。
【0050】
当然のことながら、「所定量」は、出願に依存して異なる。結果的にイメージライン走査検出器を動かすために必要とされるフォーカスレベルの差異の大きさは、名目上、0であることが好ましい。
【0051】
本発明の第二の実施形態において、イメージライン走査検出器2及びフォーカスライン走査検出器3は、両方とも色に敏感なRGB検出器である。この実施形態は、結像レンズ1の残存色収差(residual chromatic aberration)を使用する。それぞれの検出器は、試料の同一の空間領域であるものの、異なるフォーカスレベルで像を取得する。そして、検出器の範囲内のそれぞれの赤チャンネル、緑チャンネル、又は青チャンネルは、異なるフォーカスレベルを有する。各検出器のそれぞれのチャンネルは、フォーカスの性能指数値を計算し、それから、フォーカスの性能指数は、最大のフォーカスの性能指数を有するイメージライン走査検出器2のチャンネルに正規化される。これは、図4A〜4Dに示すように、正規化されたフォーカスの性能指数曲線に沿ってプロットされる多数の点(multiple points)を可能にする。
【0052】
異なるチャンネルから取得されたフォーカスの性能指数値は、焦点が合ったフォーカスレベル(in-focus level)を推定するために簡単に比較される(フォーカスの性能指数曲線をプロットせずに)。例えば、図4Bは、緑チャンネルに対する焦点が合ったフォーカスレベルでイメージライン走査検出器を示す。図4Aにおいては、これはあてはまらないものの、図4Bにおいて、両方の検出器の青チャンネルに対する性能指数値が同様であるため、これは、焦点が合ったフォーカスレベル未満のイメージライン走査検出器を区別できる(図4A参照)。RGBチャンネルに対する性能指数を比較するためのプロトコルは、以下に説明される。
【0053】
(i)両方の検出器のそれぞれのチャンネルのフォーカスの性能指数値を測定する。
【0054】
(ii)イメージライン走査検出器のフォーカスの二大性能指数のチャンネルを選択する。
【0055】
(iii)一次チャンネル(primary channel)として最大のフォーカスの性能指数を有するイメージライン走査検出器、及び、二次チャンネル(secondary channel)として他のチャンネルを選択する。
【0056】
(iv)イメージライン走査検出器の一次チャンネルのフォーカスの性能指数値(primary imaging line scan detector channel focus merit value)に対するそれぞれのチャンネルのフォーカスの性能指数を正規化する。
【0057】
(v)イメージライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数よりも第一の所定量分(例えば、5パーセント(%))より大きい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスレベルをフォーカスライン走査検出器のフォーカルレベルから遠ざける。
【0058】
(vi)イメージライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数よりも第一の所定量分より小さい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスの性能指数をフォーカスライン走査検出器のフォーカスの性能指数に近づける。
【0059】
(v)イメージライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数よりも大きいものの、その差が第一の所定量未満であり、かつ、フォーカスライン走査検出器の第二のフォーカスの性能指数が二つの検出器のフォーカスレベルの間で、イメージライン走査検出器の第二のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器の第二のフォーカスの性能指数よりも小さい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスレベルをフォーカスライン走査検出器のフォーカスレベルに近づける。
【0060】
(vi)イメージライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器の第一のフォーカスの性能指数よりも大きいものの、その差は、第一の所定量よりも小さく、かつ、イメージライン走査検出器の第二のフォーカスレベルが二つの検出器のフォーカスレベルの間で、イメージライン走査検出器の第二のフォーカスの性能指数がフォーカスライン走査検出器の第二のフォーカスの性能指数よりも大きい場合、イメージライン走査検出器のフォーカスレベルをフォーカスライン走査検出器のフォーカスレベルに近づける。
【0061】
図5は、本発明の第三の実施形態による装置200の概略図を示す。第一の実施形態と同様に、イメージライン走査検出器2は、レンズ1を通過して、試料(不図示)から生じる光の像を取得するために使用される。一般的に、試料は、試料が一連のライン走査として像を取得されるために、イメージライン走査検出器2の光学軸に対して垂直な平面のシステム200に移動される。最初のビームスプリッタ6は、第一の実施形態のようにフォーカスライン走査検出器3に光を導くために使用される。しかしながら、現在説明している第三の実施形態は、第二のビームスプリッタ11から光を受け取る第二のフォーカスライン走査検出器9をさらに含む。
【0062】
ビームスプリッタ6は、共役面7aを生成し、ビームスプリッタ11は、共役面7bを生成する。第一の実施形態のように、最初のフォーカスライン走査検出器は、共役面7aの下に位置する。第二のフォーカスライン走査検出器9は、図5に示されるように共役面7bの上に位置する(すなわち、共役面7bは、第二のフォーカスライン走査検出器と試料との間に位置する)。
【0063】
ビームスプリッタに起因して、それぞれのイメージ検出器2,3,9は試料の同一の空間的位置の像を同時に取得する。第二のフォーカスライン走査検出器9の存在に起因して、三つのフォーカスの性能指数値は、三つの異なるフォーカスレベルで同時に計算できる(それぞれの検出器に対して一つ)。フォーカスの性能指数値は、イメージ走査ライン検出器2のフォーカスの性能指数値に正規化される(例えば、それぞれのフォーカスの性能指数値をイメージライン走査検出器2から取得されたフォーカスの性能指数値で割る)。そして、三つの測定値は、フォーカスレベルに対する正規化されたフォーカスの性能指数値の形で(横座標(ordinate))、フォーカスパラメータのグラフ(縦座標(abscissa))をプロットするために使用される。このような「フォーカスの性能指数曲線」は、図6A〜6Cに図示される。フォーカスの性能指数曲線の最大値は、横座標で最大値と曲線の交点(intersection)によって、試料の焦点が合ったフォーカスレベルを提供する。イメージライン走査検出器を、その最大値に近づける。
【0064】
第四の実施形態において、第一及び第二のフォーカスライン走査検出器に代えて、図2に概略的に示される装置100は、フォーカス検出器3を光学軸3aに沿って往復して動かす。これは、共役面7の上及び下の異なるフォーカスレベルで取得されたフォーカスの性能指数値の範囲を可能にする。フォーカスの性能指数値は、イメージライン走査検出器のフォーカスの性能指数及びフォーカス検出器3からのデータを使用して生成されたフォーカスの性能指数曲線で正規化できる。フォーカスの性能指数の最大値は、試料の焦点の合ったフォーカスレベルを示し、イメージライン走査検出器2は、上記と同様に、焦点の合ったフォーカスレベルに近づく。
【0065】
本発明の第五の実施形態において、第一のフォーカスライン走査検出器3及び第二のフォーカスライン走査検出器9は、図7A,7Bに示すように、イメージライン走査検出器2に隣接して位置する。フォーカスライン走査検出器は、必須ではないものの、イメージライン走査検出器の両側に一般的に位置する。現在説明している第五の実施形態において、ライン走査検出器のそれぞれは、図7Aに図示するように、円環像面(circular image plane)15の範囲内に位置する。結像レンズ1は、一般的に回転対称である。それは、円環像面15を生成する。二つのフォーカスライン走査検出器は、イメージライン走査検出器と異なるフォーカスレベルであって、お互いに異なるフォーカスレベルに位置する(図7Bに明確に示されるように)。
【0066】
フォーカスライン走査検出器3,9は、イメージライン走査検出器2とは異なる光軸に沿ってイメージ情報を受け取る。これは、それぞれの検出器が完全に光に当たるという利点がある。しかしながら、それはまた、検出器2,3,9によって像を取得された試料の空間領域は異なることを意味する。これは、時間的に同時に取得されたフォーカスの性能指数値は、焦点及びフォーカスレベルだけでなく、像を取得した領域のそれぞれに対する空間的内容(spatial content)によっても影響されない。これは、試料の同一の空間領域からのイメージデータが検出器2,3,9間で比較できるように、検出器2,3,9のそれぞれから収集されたイメージデータを時間的にシフトすることによって克服できる。図7Aに図示できるように、ターゲット(target)がライン走査検出器に対して動くとき(矢印8によって示される)、光が最初に検出器3にぶつかり、次に検出器2にぶつかり、最後に検出器9にぶつかる。走査速度に基づいた時間遅延プロセス(time delaying process)を使用し、ターゲットからの同一の空間領域は、検出器2,3,9によって提供された異なるフォーカスレベルで比較できる。
【0067】
図7A,7Bは、二つのフォーカスライン走査検出器を示すものの、当業者は、一つ、三つ、又はより多いフォーカスライン走査検出器が使用されてもよいことを理解するだろう。
【0068】
たびたび、ライン走査検出器及び円環像面15に対するそれぞれのパッケージ(packaging)の物理的大きさに起因して、図7Aに示されるように、フォーカスライン走査検出器がイメージライン走査検出器に隣接して位置することは不可能である。高倍率の結像システムとともにフィールド数値開口部(field numerical aperture)が高いものの、イメージ数値開口部(image numerical aperture)は低く、供役長(conjugate length)は長い。これは、図8の発明の第六の実施形態による概略的に図示される装置300に示されるように、ミラー5,14がフォーカスライン走査検出器3,9にイメージ情報を反射するために軸外(off-axis)に位置することを可能にする。ここで、「軸外」は、イメージライン走査検出器2の光学軸2aから軸外であることを意味する。
【0069】
ミラー5,14は、ビーム経路(beam path)に位置する、反射ミラーであって、ビームを軸外のフォーカスライン走査検出器3,9に導くものの、全ての光をイメージライン走査検出器2にぶつけることを可能にするという利点がある。この配置は、参照番号4,13によって図8に図示されるように、イメージライン走査検出器に隣接するフォーカス走査ライン検出器を置くことに相当する。それは、ミラーがない場合に検出器3,9の実質的な位置(virtual position)をそれぞれ示す。
【0070】
発明の第三の実施形態と同様な方法で、フォーカスライン走査検出器3,9は、イメージライン走査検出器2のフォーカスレベルと異なるフォーカスレベルである。イメージライン走査検出器2のフォーカスの性能指数値に正規化されたフォーカスの性能指数値は、上述されたように、焦点の合ったフォーカスレベルを推定するために、フォーカス性能指数曲線を生成することに使用できる。
【0071】
図9は、たった一つのフォーカスライン走査検出器3が使用される発明の第七の実施形態による装置400を図示する。ここで、フォーカスライン走査検出器3は、イメージライン走査検出器2のフォーカスレベルと異なるフォーカスレベルである。ここで、試料の焦点の合ったフォーカスレベルは、発明の第一の実施形態と同様の方法でイメージライン走査検出器及びフォーカスライン走査検出器の正規化されたフォーカスの性能指数を比較することにより推定できる。
【0072】
図10は、本発明の第八の実施形態による装置500を概略的に図示する。上記に説明したことと同様な方法で、反射ミラー(turning mirror)5は、イメージライン走査検出器2の光学軸2aから軸外に位置し、試料(不図示)からのイメージ情報をフォーカスライン走査検出器3に反射する。装置は、フォーカスライン走査検出器3をその光学軸3aに沿って往復して動かすように操作可能な検出器駆動部(不図示)をさらに含む。この動きは、両矢印16によって示される。この方法で、その光学軸3aに沿ってフォーカスライン走査検出器3を動かすことにより、複数のフォーカスの性能指数値が異なるフォーカスレベルで取得できる。上記に説明したように、これらのフォーカスの性能指数値は、フォーカスライン走査検出器3からのフォーカスの性能指数値が試料の同一の空間領域についてイメージライン走査検出器2からのフォーカスの性能指数値と比較できるように、時間的にシフトされる。フォーカスライン走査検出器3からのフォーカスの性能指数値は、イメージライン走査検出器2からのフォーカスの性能指数値に正規化され、フォーカスの性能指数曲線は、図11に示されるように、これらのデータを使用して生成される。試料の名目上の焦点が合ったフォーカスレベルは、横座標の曲線の最大値の交点によってフォーカスの性能指数曲線及びそのフォーカスレベルに近づいたイメージライン走査検出器から推定できる。一般的に、少なくとも三つのデータ点(data points)が、好ましい正確なフォーカスの性能指数曲線を生成するために必要である。フォーカスライン走査検出器3のフォーカスの性能指数値からイメージライン走査検出器2のフォーカスの性能指数値への正規化は、任意であり、試料が実質的に同質である場合は不要である。
【0073】
本発明の第八の実施形態の装置500の一つの問題は、フォーカスライン走査検出器3が焦点を変更するために動く必要がある距離は、光学倍率の二乗による被写界深度と見積もられることである。例えば、光学倍率40倍のシステムにおいて、焦点(field focus)の1マイクロメートル(μm)の変更は、フォーカスライン走査検出器3の焦点位置の1.6ミリメートル(mm)の変更を生じさせる。本発明の第九の実施形態600において、反射ミラーは、フォーカスライン走査検出器3の主光線(principle ray)が反射ミラー5と交差する反射点(turning point)20の周りを回転する回転反射ミラー(rotating turning mirror)17に置換される。この装置600は、図12に概略的に示される。
【0074】
反射ミラー17の回転は、イメージが点20を中心として円弧18上になる原因となる。フォーカス検出器3は、依然として固定のままである。これは、フォーカスライン走査検出器が反射ミラー17のこの回転の結果として像を取得した試料の異なる部位(空間的位置)を有することを意味する。なぜならイメージ平面(image plane)19は、円弧18上の接線にとどまり、フォーカスライン走査検出器3によって像を取得された試料のフォーカスレベルは、変更されるからである。反射ミラー17の回転が試料8の動きに同期する場合、試料の空間的位置は、反射プロセス中に焦点が変更される間、フォーカス検出器に維持できる。これは、フォーカスの性能指数曲線が同一の空間的位置から生成されることを可能にする。それは、フォーカスの性能指数値からの試料の影響を取り除くという利点がある。一度、曲線が生成されると、反射ミラー17は、元の角度及び新しい測定のための反復プロセスに戻ることができる。上記に説明したように、フォーカスの性能指数曲線は、試料の焦点の合ったフォーカスレベルを判定するために使用できる。
【0075】
本発明(図13に概略的に示される)の第十の実施形態700において、反射ミラー17は、反射ミラー20の主光線の交差(intersection of the principle ray)から離れた点23の周りを回転する。これは、フォーカスライン走査検出器3でのイメージのフォーカスレベルに、より大きな変化が図13に示すように、ミラーの同一の反射角のために生じる。なぜなら、回転は、回転点23を中心とした内接円弧18上の正接(tangent)19だけでなく、円弧18に沿った変位(displacement)にも焦点の変化を引き起こすからである。
【0076】
図14は、本発明の第十一の実施形態による装置800を示す。配置は、図10に示したものと同様である。しかしながら、フォーカスライン走査検出器は、フォーカスライン走査検出器3のライン(line)(光学軸)に垂直な軸21の周りを回転する。したがって、フォーカスライン走査検出器3は、図15に概略的に示すように、検出器7のラインに沿った異なる焦点22を生成する。他の実施形態として、フォーカスライン走査検出器は、検出器のラインに沿って異なる焦点をもたらすその光学軸に対して傾いている。試料がフォーカスライン走査検出器3のラインに沿って空間周波数(詳細)に同質である場合、フォーカスライン走査検出器3のフォーカスの性能指数関数は、フォーカスライン走査検出器3と交差する焦点の合った焦点面のフォーカスライン走査検出器の長さに沿って最大になる。
【0077】
この例は、図16A〜16Cにある。図16Aにおいて、フォーカスライン走査検出器は、フォーカスライン走査検出器3に沿った目盛りの約マイナス5の試料の焦点の合った平面と交差する。これは、フォーカスの性能指数曲線がピークのところであり、イメージライン走査検出器2が焦点の合った平面(すなわち、試料と焦点の合った焦点面との間)より下であることを示す。図16Cは、イメージライン走査検出器2が焦点の合った焦点面(すなわち、焦点の合った焦点面は、試料と検出器2との間)より上である場合を図示し、フォーカス性能指数曲線は、検出器3に沿った目盛りの約プラス5でピークになる。図16Bは、イメージライン走査検出器が焦点の合った焦点面に位置する場合を図示する。
【0078】
試料が空間的に一様である場合、このプロセス(フォーカスライン走査検出器3のラインに沿って異なる焦点を生成する)は、誤った結果になる可能性がある。例えば、検出器2及び3の片側の詳細だけがある場合、イメージ検出器2は、正確なフォーカスレベルになるかもしれないものの、フォーカスライン走査検出器の性能指数曲線のピークはフォーカスライン走査検出器3の中心から離れ、詳細の位置に偏る。しかしながら、この状況は、イメージライン走査検出器2で収集されたイメージデータを使用することにより修正できる。第十二の実施形態において、このイメージデータは、フォーカスライン走査検出器から取得されたフォーカスの性能指数値と同様の方法で「詳細な性能指数(detail merit)」値を計算するために使用できる。「詳細な性能指数」は、フォーカスライン走査検出器から取得されたフォーカスの性能指数と同一のフォーカスパラメータ(focus parameter)である。したがって、詳細な性能指数は、フォーカスの性能指数値と同一の方法でイメージ情報の詳細部分(fine detail)の量に依存した数値として理解できる。他の実施形態では、詳細な性能指数は、フォーカスの性能指数と異なるフォーカスパラメータであり、フォーカスライン走査検出器によって取得されたフォーカスの性能指数値に正規化される。
【0079】
これらの詳細な性能指数は、不正確な焦点測定を見抜き(reading)、防止し(preventing)、さらに、正確な焦点を与える修正された性能指数関数を提供するフォーカスの性能指数値で重みをかけることができる。
【0080】
図17A〜17Cは、詳細な性能指数値の使用の例を示す。ここで、イメージの左手側により詳細があるため、詳細な性能指数曲線が検出器の左手側でピークになる。フォーカスの性能指数曲線は、図16A〜16Cに示されたフォーカスの性能指数曲線に対応し、イメージライン走査検出器が焦点の合った焦点面の上又は下にあるか否かに関連する。しかしながら、イメージの左側の詳細に起因して、測定されたフォーカスの性能指数のピーク(フォーカスライン走査検出器3からのフォーカスの性能指数値を使用して生成される)は、実際のフォーカスピーク(focus peak)がフォーカスライン走査検出器の右側(図17Cに示す)であるときさえも、フォーカスライン走査検出器3の左側でピークになる。これは、測定されたフォーカスの性能指数値が直接的に使用された場合、システムは、イメージライン走査検出器2の最適な焦点に対する間違った方向を測定することさえあることを意味する。
【0081】
例えば、詳細な性能指数による測定された性能指数の分割(division of the measured merit by the detail merit)のように、詳細な性能指数値が使用される場合、正確な焦点位置を与えるフォーカスの性能指数に戻る可能性がある。例えば、図17Bに示すように、測定された性能指数及び詳細な性能指数曲線は、横座標のゼロで一致する。それは、焦点の合ったイメージライン走査検出器に対して正確な焦点位置を与える。
【0082】
上述した実施形態の任意の一つに示された特徴は、その一つの実施形態に限定されず、任意の他の実施形態で使用されてもよい。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C