(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087995
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】建築用ブロックおよびそれを用いた壁面構造物
(51)【国際特許分類】
E04B 2/02 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
E04C1/10 D
E04C1/10 B
E04C1/10 G
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-132794(P2015-132794)
(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公開番号】特開2016-27240(P2016-27240A)
(43)【公開日】2016年2月18日
【審査請求日】2015年7月2日
【審判番号】不服2016-1684(P2016-1684/J1)
【審判請求日】2016年2月4日
(31)【優先権主張番号】特願2014-138646(P2014-138646)
(32)【優先日】2014年7月4日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】314001531
【氏名又は名称】飯田グループホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100096677
【弁理士】
【氏名又は名称】伊賀 誠司
(72)【発明者】
【氏名】森 和彦
(72)【発明者】
【氏名】西河 洋一
(72)【発明者】
【氏名】渡部 歩
(72)【発明者】
【氏名】菊地 雅博
(72)【発明者】
【氏名】皆川 雄介
(72)【発明者】
【氏名】廣川 敦士
【合議体】
【審判長】
前川 慎喜
【審判官】
中田 誠
【審判官】
住田 秀弘
(56)【参考文献】
【文献】
実開平3−11713(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3056674(JP,U)
【文献】
特開昭64−21146(JP,A)
【文献】
特開平8−177059(JP,A)
【文献】
米国特許第8074419(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 2/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形立方体を基本形体として、外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより壁面構造物を構築可能な建築用ブロックであって、
互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、
横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、
縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、
両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた複数の縦孔と、
下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、
上記前面壁部及び背面壁部の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部と
を備え、
上記複数の凸部は、それぞれ、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有することを特徴とする建築用ブロック。
【請求項2】
矩形立方体を基本形体として、外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより壁面構造物を構築可能な建築用ブロックであって、
互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、
横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、
縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、
両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた複数の縦孔と、
下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、
上記前面壁部及び背面壁部の一端面に、それぞれ、一方の側面壁部から水平方向に突出し縦方向に連続し、他方の側面壁部と嵌合する形状に形成された一対の凸条部を備え、
上記複数の凸部は、それぞれ、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有することを特徴とする建築用ブロック。
【請求項3】
上記縦筋挿通用の縦溝は、上記両側面壁部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建築用ブロック。
【請求項4】
上記縦筋挿通用の縦溝は、一方の側面壁部に形成されており、他方の側面壁部には、上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の建築用ブロック。
【請求項5】
矩形立方体を基本形体とし、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部とを備え、上記複数の凸部は、それぞれ、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有する建築用ブロックからなり、
上記縦筋挿通用の縦溝が両側面壁部に形成されている建築用ブロックを水平方向に配列し、水平方向の端部には、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、上記端部側の他方の側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されている建築用ブロックを配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部を下側に位置する建築用ブロックの横溝に嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより構築したことを特徴とする壁面構造物。
【請求項6】
矩形立方体を基本形体とし、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の一端面に、それぞれ、一方の側面壁部から水平方向に突出し縦方向に連続し、他方の側面壁部と嵌合する形状に形成された一対の凸条部を備え、上記複数の凸部は、それぞれ、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有する建築用ブロックからなり、
上記縦筋挿通用の縦溝が両側面壁部に形成されている建築用ブロックを水平方向に配列し、水平方向の端部には、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、上記端部側の他方の側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されている建築用ブロックを配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部を下側に位置する建築用ブロックの横溝に嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより構築したことを特徴とする壁面構造物。
【請求項7】
水平方向に隣接し、側面壁部が対向して配置される2個の建築用ブロックの各前面壁部又は各背面壁部の当接部分を削除することにより形成された上下方向に連続する開口部を有し、他の建築用ブロックの縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部により上記開口部を閉塞するように、他の建築用ブロックの前面壁部又は背面壁部の各側面を上記2個の建築用ブロックに当接させることにより構築される3個の建築用ブロックをT字状に当接させた壁面構造を含むことを特徴とする請求項5又は請求項6記載の壁面構造物。
【請求項8】
水平方向の端部に位置する建築用ブロックの各前面壁部又は各背面壁部の当接部分を削除することにより形成される上下方向に連続する開口部を有し、他の建築用ブロックの縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部により上記開口部を閉塞するように、他の建築用ブロックの前面壁部又は背面壁部の各側面を当接させることにより構築される2個の建築用ブロックをL字状に当接させた壁面構造を含むことを特徴とする請求項5乃至請求項7の何れか1項記載の壁面構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物の壁等を構成する建築用ブロックおよびそれを用いた壁面構造物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築用ブロックとして、ブロック状に成型した粘土を焼成して成るレンガほか、硬練りのコンクリートをブロック状に成型して硬化させたコンクリートブロックが知られる。
【0003】
例えば、住宅の敷地と道路とを隔てる壁は、通常コンクリートブロックを積み重ね、場合によってはコンクリートブロックの内部に鉄筋を通すことにより構築されている。コンクリートブロックは寸法が規格化されており、多様な品質のものを市場から入手でき、安価で大量に調達することも容易である。
【0004】
コンクリートブロックには、中空構造のもの(空洞コンクリートブロック)と中実構造のもの(ソリッドコンクリートブロック)があり、用途と用法によって補強コンクリートブロック、型枠コンクリートブロック、帳壁コンクリートブロックなどに分けられる。
【0005】
補強コンクリートブロックは、空洞コンクリートブロックの中空部に鉄筋を配すると共に、その中空部にコンクリート若しくはモルタルを充填して耐力壁を築造するのに用いられる。又、型枠コンクリートブロックは、L・T・H 形などの形態をしたもので、これらを組み合せて型枠とし、その内側にコンクリートを充填して耐力壁を築造するのに用いられる。さらに、帳壁コンクリートブロックは鉄骨又は鉄筋コンクリート構造体のラーメンの間にブロックを組積して壁体を築造するのに用いられる。
【0006】
なお、空洞コンクリートにはBI型、BS型、BM型の3種があり、その大きさがJISによって規定されている。
【0007】
ここで、空洞コンクリートブロックを平面方向に複数個連接したサイズに相当する長方形の中実構造にして、その短辺側と長辺側の少なくとも一方の端面に長溝を形成した平板状軽量コンクリートブロックと、同ブロックの複数個を平面的に積み重ね、上記長溝に鉄筋を配すると共に、その長溝にモルタルを充填して境界壁を構築する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
また、嵌合構造により上下左右にブロックの組合せを容易に行うことができ、外面に目地モルタルを構成せず、ブロックの空隙及び上部から植物が生育し緑化を図ることができるようにした緑化ブロックが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−339480号公報
【特許文献2】特開2004−147553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、壁等の構築に用いられるブロックは、一般的に、単に矩形の立方体の場合もあるが、矩形立法体を基本形体として凹凸形状を付加して結合を強化するものが多用される。例えば、塀の構築に多用されるコンクリートブロックは、3個の縦空洞を有する他、両側面に凹溝を設けたもので、左右に付き合う両ブロックの結合においては、口合わせとなる両凹溝の間にモルタルが詰め込まれる。しかし、これでは、相互に直接の結合がなく、モルタルだけでは強度的安定性に信頼がおけない。
【0011】
また、隣接するブロックと上下及び左右に互いに嵌合可能な凸部と凹部と備える嵌合構造を採用することにより、上下左右にブロックの組合せを容易に行うことができるのであるが、特許文献2に開示技術のように、外面に目地モルタルを構成せず、ブロックの空隙及び上部から植物が生育し緑化を図ることができるようにした緑化ブロックでは、上下に組み合わされるブロック間で十分な結合強度を確保することができない。すなわち、特許文献2の
図2における前後方向にそれぞれ延びる2つの突起11と2つの突起16aとによる結合構造では、上記前後方向に直交するブロックの厚み方向に力が加わった場合に、結合強度を確保することができない。
【0012】
また、2011年の東日本大震災で揺れが強かった地域や液状化現象が発生した地域では、コンクリートブロックの内部に鉄筋を通していても、鉄筋がブロックの重さを支えきれず、壁が傾いたり、根元から倒れたりするなどの被害が発生した。
【0013】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の状況に鑑み、耐久性が高く、しかも、汎用性のある建築用ブロックおよび壁面構造物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、矩形立方体を基本形体として、外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより壁面構造物を構築可能な建築用ブロックであって、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた
複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部とを備え、上記複数の凸部は、それぞれ
、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、
上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、
上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、矩形立方体を基本形体として、外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより壁面構造物を構築可能な建築用ブロックであって、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた
複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の一端面に、それぞれ、一方の側面壁部から水平方向に突出し縦方向に連続し、他方の側面壁部と嵌合する形状に形成された一対の凸条部を備え、上記複数の凸部は、それぞれ
、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、
上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、
上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有することを特徴とする。
【0017】
本発明に係る建築用ブロックは、上記縦筋挿通用の縦溝が上記両側面壁部に形成されているものとすることができる。
【0018】
また、本発明に係る建築用ブロックは、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、他方の側面壁部には、上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されているものとすることができる。
【0019】
本発明は、壁面構造物であって、矩形立方体を基本形体とし、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた
複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部とを備え、上記複数の凸部は、それぞれ
、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、
上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、
上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有する建築用ブロックからなり、上記縦筋挿通用の縦溝が両側面壁部に形成されている建築用ブロックを水平方向に配列し、水平方向の端部には、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、上記端部側の他方の側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されている建築用ブロックを配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部を下側に位置する建築用ブロックの横溝に嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより構築したことを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、矩形立方体を基本形体とし、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた
複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の一端面に、それぞれ、一方の側面壁部から水平方向に突出し縦方向に連続し、他方の側面壁部と嵌合する形状に形成された一対の凸条部を備え、上記複数の凸部は、それぞれ
、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、
上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、
上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有する建築用ブロックからなり、上記縦筋挿通用の縦溝が両側面壁部に形成されている建築用ブロックを水平方向に配列し、水平方向の端部には、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、上記端部側の他方の側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されている建築用ブロックを配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部を下側に位置する建築用ブロックの横溝に嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより構築したことを特徴とする。
【0021】
本発明に係る壁面構造物は、水平方向に隣接し、側面壁部が対向して配置される2個の建築用ブロックの各前面壁部又は各背面壁部の当接部分を削除することにより形成された上下方向に連続する開口部を有し、他の建築用ブロックの縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部により上記開口部を閉塞するように、他の建築用ブロックの前面壁部又は背面壁部の各側面を上記2個の建築用ブロックに当接させることにより構築される3個の建築用ブロックをT字状に当接させた壁面構造を含むことを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る壁面構造物は、水平方向の端部に位置する建築用ブロックの各前面壁部又は各背面壁部の当接部分を削除することにより形成される上下方向に連続する開口部を有し、他の建築用ブロックの縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部により上記開口部を閉塞するように、他の建築用ブロックの前面壁部又は背面壁部の各側面を当接させることにより構築される2個の建築用ブロックをL字状に当接させた壁面構造を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る建築用ブロックは、矩形立方体を基本形体として、外周面を互いに当接させて平面状に複数配列することにより壁面構造物を構築可能な建築用ブロックであって、互いに平行な前面壁部及び背面壁部と、横筋挿通用の横溝が形成された上面壁部と、縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部と、両側面壁部の間に形成され、上記上面壁部により閉じられ下面側を開口とされた
複数の縦孔と、下面に形成された上記横溝と嵌合する形状の複数の凸部と、上記前面壁部及び背面壁部の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部とを備え、上記複数の凸部は、それぞれ
、上記複数の縦孔の側壁を上記下面よりも突出させることにより、上記横溝の幅方向には該横溝の全幅に亘って連続し、
上記横溝の横方向に分散して上記下面に形成され、
上記横溝の幅方向の両側に向かって拡開した2つの扇状部を有するので、縦筋挿通用の縦溝が両側面壁部に形成されている建築用ブロックを水平方向に配列し、水平方向の端部には、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、上記端部側の他方の側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されている建築用ブロックを配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部を下側に位置する建築用ブロックの横溝に嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定した壁面構造物を構築することができる。
【0024】
したがって、本発明によれば、耐久性が高く、しかも、汎用性のある建築用ブロックおよび壁面構造物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明を適用した建築用ブロックの一例を示す斜視図である。
【
図2】上記建築用ブロックの斜め下方向から見た斜視図である。
【
図3】上記建築用ブロックを積み重ねた壁面の耐久性試験に用いる試験体を模式的に示す図である。
【
図4】上記建築用ブロックを積み重ねた壁面の耐久性試験方法を説明するための模式図である。
【
図5】上記建築用ブロックを積み重ねた壁面の耐久性試験の結果を従来構造の建築用ブロックを積み重ねた壁面の耐久性試験の結果とともに示す図である。
【
図6】本発明を適用した建築用ブロックを積み重ねた壁面構造の一例を示す側面図である。
【
図7】本発明を適用した建築用ブロックの他の一例を示す斜視図である。
【
図8】上記建築用ブロックの斜め下方向から見た斜視図である。
【
図9】本発明を適用した上記二種類の建築用ブロックを積み重ねた壁面構造の一例を示す側面図である。
【
図10】本発明を適用した建築用ブロックをT字状に組み合わせて使用する状態を示す図であり、(A)は3個の建築用ブロックを分離した状態を示す斜視図であり、(B)は3個の建築用ブロックを付き合わせて結合した状態を示す平面図である。
【
図11】本発明を適用した建築用ブロックをL字状に組み合わせて使用する状態を示す図であり、(A)は2個の建築用ブロックを分離した状態を示す斜視図であり、(B)は2個の建築用ブロックを付き合わせて結合した状態を示す平面図である。
【
図12】本発明を適用した建築用ブロックを積み重ねた壁面の構造の一例を示す斜視図である。
【
図13】本発明を適用した建築用ブロックの他の一例を示す斜視図である。
【
図14】上記建築用ブロックの上下を反転して斜め上方向から見た斜視図である。
【
図15】上記建築用ブロックを横方向に並べた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0027】
図1、
図2は本発明に係る建築用ブロックの一実施形態を示す図であり、
図1は本発明を適用した建築用ブロック10を斜め上方から見た斜視図、
図2は上記建築用ブロック10を斜め下方側から見た斜視図である。
【0028】
本実施形態の建築用ブロック10は、例えば、壁や塀の建設に用いる建築用コンクリートブロックであって、互いに平行な前面壁部11及び背面壁部12と、横筋挿通用の横溝13Aが形成された上面壁部13と、縦筋挿通用の縦溝14が形成された側面壁部15と、両側面壁部15(R),15(L)の間に形成され、上記上面壁部13により閉じられ下面側を開口とされた縦孔16と、下面に形成された上記横溝13Aと嵌合する形状の複数の凸部17と、上記前面壁部11及び背面壁部12の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部18を備える。
【0029】
この建築用ブロック10では、
図1に示すように、互いに平行な前面壁部11及び背面壁部12と、縦筋挿通用の縦溝14(R)が形成された右側面壁部15(R)と、縦筋挿通用の縦溝14(L)が形成された左側面壁部15(L)を備える。
【0030】
また、この建築用ブロック10は、
図2に示すように、両側面壁部15(R),15(L)の間に形成された3つの縦孔16を備えている。上記3つの縦孔16は、上記上面壁部13により閉じられ下面側を開口とされている。
【0031】
また、この建築用ブロック10は、
図2に示すように、上記縦溝14(R),14(L)と縦孔16の間の側壁の下面から突出した4つの凸部17が設けられている。上記4つの凸部17は、それぞれ上記横溝13Aの幅方向には該横溝13Aの全幅に亘って連続し、該横溝13Aの横方向に分散して上記下面に形成され、上面壁部13に形成されている上記横溝13Aと縦筋挿通用の空間を確保した状態で嵌合する形状を有している。
【0032】
さらに、この建築用ブロック10は、
図1、
図2に示すように、上記前面壁部11及び背面壁部12の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部18を備える。
【0033】
ここで、上記建築用ブロック10の凸部17の効果を確認するために、上記凸部17を設けない比較例の建築用ブロックの積層構造体について、剪断加圧試験を行い、剪断耐力を比較したところ、次のような結果が得られた。
【0034】
試験体は、
図3に示す2種類各3体とした。試験体Aは、凸部を設けない建築用ブロックとしてコンクリートブロックC種を用い、横筋挿通用の横溝にモルタルを充填したのち、リブにモルタルを塗布して3段積層した。試験体Bは、凸部を設けた建築用ブロックとして下部を10mm欠き込んだコンクリートブロックC種を用い、横筋挿通用の横溝にモルタルを充填したのち、リブにモルタルを塗布して3段積層した。養生期間は中2日とした。
【0035】
試験方法は、
図4に示すように、鉛直アクチュエータ試験機100を用い、試験体両側のブロックを架台110に載せ、中央のブロックに加力治具(幅150mm)120を介して、単調加力により破壊に至るまで加力した。変位計(株式会社東京測器研究所製CDP100)130は治具の4点に固定し、両側のブロックとの相対変位を記録し、4点の変位を平均して求めた。
【0036】
上記剪断加圧試験の結果、
図5に示すような荷重変形曲線が得られた。また、各試験体の最大荷重を表1に示す。
【0038】
試験体Bでは、目地モルタルが破断していったん耐力が低下するが、嵌合部の接触により耐力は増加し、最大荷重はいずれも20kNを超え、平均で約30kNと試験体Aに比べて大きく向上している。
【0039】
上述の如き構造の建築用ブロック10では、平面状に複数配列して壁面構造を構築する際に、
図6に示すように、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部17を下側に位置する建築用ブロックの横溝13Aに嵌合させることにより、壁面構造50の耐久性を高めることができる。
【0040】
また、上記前面壁部11及び背面壁部12の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部18を備えるので、建築用ブロック10の当接面間に介在させる目地モルタルの耐久性を高めることができる。すなわち、建築用ブロック10の当接面間に介在させる目地モルタルは、上記前面壁部11及び背面壁部12の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部18に入り込んだ状態で固まるので、各建築用ブロック10を強固に連結固定することができる。しかも、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロック10の当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより、耐久性の高い壁面構造50を構築することができる。
【0041】
すなわち、この建築用ブロック10は、矩形立方体を基本形体とし、互いに平行な前面壁部11及び背面壁部12と、横筋挿通用の横溝13Aが形成された上面壁部13と、縦筋挿通用の縦溝14が形成された側面壁部15と、両側面壁部15(R),15(L)の間に形成され、上記上面壁部13により閉じられ下面側を開口とされた少なくとも1つの縦孔16と、下面に形成された上記横溝13Aと横筋挿通用の空間を確保した状態で嵌合する形状の複数の凸部17と、上記前面壁部11及び背面壁部12の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部18とを有することにより、耐久性の高い壁面構造を構築することができる。
【0042】
また、この建築用ブロック10は、両側面壁部15(R),15(L)の間に形成され、上記上面壁部13により閉じられ下面側を開口とされた少なくとも1つの縦孔16を備えることにより、軽量化されている。
【0043】
ここで、上記建築用ブロック10は、縦筋挿通用の縦溝14(R)が形成された右側面壁部15(R)と、縦筋挿通用の縦溝14(L)が形成された左側面壁部15(L)を備えるものとしたが、本発明に係る建築用ブロックは、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、他方の側面壁部には、上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔が形成されているものとすることができる。
【0044】
図7、
図8は本発明に係る建築用ブロックの一実施形態を示す図であり、
図7は本発明を適用した建築用ブロック20を斜め上方から見た斜視図、
図8は上記建築用ブロック20を斜め下方側から見た斜視図である。
【0045】
本実施形態の建築用ブロック20は、上記建築用ブロック20と同様に壁や塀の建設に用いる建築用コンクリートブロックであって、互いに平行な前面壁部21及び背面壁部22と、横筋挿通用の横溝23Aが形成された上面壁部23と、縦筋挿通用の縦溝24が形成された側面壁部25と、両側面壁部25(R),25(L)の間に形成され、上記上面壁部23により閉じられ下面側を開口とされた縦孔26と、下面に形成された上記横溝23Aと嵌合する形状の複数の凸部27と、上記前面壁部21及び背面壁部22の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部28を備える。
【0046】
この建築用ブロック20では、
図7に示すように、互いに平行な前面壁部21及び背面壁部22と、縦筋挿通用の縦溝24(R)が形成された右側面壁部25(R)と、左側面壁部25(L)と、上記左側面壁部25(L)に形成された上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔29を備える。
【0047】
また、この建築用ブロック20は、
図8に示すように、両側面壁部25(R),25(L)の間には、さらに2つの縦孔26が形成されており、これら2つの縦孔26は、上記上面壁部23により閉じられ下面側を開口とされている。
【0048】
そして、この建築用ブロック20は、
図8に示すように、上記縦溝24(R)と上記縦孔29、縦孔26の間の側壁の下面から突出した3つの凸部27が設けられている。上記3つの凸部27は、それぞれ上記横溝23Aの幅方向には該横溝23Aの全幅に亘って連続し、該横溝23Aの横方向に分散して上記下面に形成され、上面壁部23に形成されている上記横溝23Aと縦筋挿通用の空間を確保した状態で嵌合する形状を有している。
【0049】
さらに、この建築用ブロック20は、
図7、
図8に示すように、上記前面壁部21及び背面壁部22の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凹条部28を備える。
【0050】
このような構造の建築用ブロック20は、本発明に係る上記建築用ブロック10により構築される壁面構造の水平方向の端部に配置する建築用ブロックとして用いられる
【0051】
すなわち、上述の如き構造の建築用ブロック10,20は、
図9に示すように、上記縦筋挿通用の縦溝14(R),14(L)が両側面壁部15(R),15(L)に形成されている建築用ブロック10を水平方向に配列し、水平方向の端部には、上記縦筋挿通用の縦溝が一方の側面壁部に形成されており、上記端部側の他方の側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔29が形成されている建築用ブロック20を配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロック10,20の複数の凸部17,27を下側に位置する建築用ブロック10,20の横溝13A,23Aに嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋30を挿通した縦溝14(R)及び縦孔29にモルタルを充填するとともに、横筋40を挿通した横溝13A,23Aにモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより、耐久性の高い壁面構造60を構築することができる。
【0052】
ここで、上記建築用ブロック10は、
図10の(A)、(B)に示すように、水平方向に隣接して側面壁部が当接される2個の建築用ブロック10A,10Bの各前面壁部又は各背面壁部の当接部分を削除することにより形成される上下方向に連続する開口部19設け、この開口部19を閉塞するように、他の建築用ブロック10Cの縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部を当接させることにより、上記3個の建築用ブロック10A,10B,10CをT字状に当接させた壁面構造70Aを構築することができる。
【0053】
また、
図10の(A)、(B)に示すように、上記建築用ブロック10,20は、水平方向の端部に位置する建築用ブロック20の前面壁部21又は背面壁部22の当接部分を削除することにより形成される上下方向に連続する開口部29を設け、この開口部29を閉塞するように、建築用ブロック10の縦筋挿通用の縦溝が形成された側面壁部を当接させることにより、上記2個の建築用ブロック10,20をL字状に当接させた壁面構造70Bを構築することができる。
【0054】
したがって、上述の如き構造の建築用ブロック10,20を用いることにより、縦筋挿通用の縦溝14(R),14(L)が両側面壁部15(R),15(L)に形成されている建築用ブロック10を水平方向に配列し、水平方向の端部には、側面壁部に上下方向に貫通する縦筋挿通用の縦孔29が形成されている建築用ブロック20を配置し、各建築用ブロックの外周面を互いに当接させて、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部を下側に位置する建築用ブロックの横溝に嵌合させて平面状に複数配列し、縦筋を挿通した縦溝及び縦孔にモルタルを充填するとともに、横筋を挿通した横溝にモルタルを充填し、上記建築用ブロックの当接面間に目地モルタルを介在させ、各建築用ブロックを互いに連結固定することにより構築される壁面構造70は、
図12に示すように、上記3個の建築用ブロック10A,10B,10CをT字状に当接させた壁面構造70Aを含むものとすることができ、さらに、上記2個の建築用ブロック10,20をL字状に当接させた壁面構造70Bを含むものとすることができる。
【0055】
図13、
図14は本発明に係る建築用ブロックの他の実施形態を示す図であり、
図13は本発明を適用した建築用ブロック80を斜め上方から見た斜視図、
図14は上記建築用ブロック80を上下を反転させた状態で斜め上方側から見た斜視図である。
【0056】
本実施形態の建築用ブロック80は、例えば、壁や塀の建設に用いる建築用コンクリートブロックであって、互いに平行な前面壁部81及び背面壁部82と、横筋挿通用の横溝83Aが形成された上面壁部83と、縦筋挿通用の縦溝84が形成された側面壁部85と、両側面壁部85(R),85(L)の間に形成され、上記上面壁部83により閉じられ下面側を開口とされた縦孔86と、下面に形成された上記横溝83Aと嵌合する形状の複数の凸部87と、上記前面壁部81及び背面壁部82の各側面にそれぞれ縦方向に形成された凸条部88を備える。
【0057】
この建築用ブロック80では、
図13に示すように、互いに平行な前面壁部81及び背面壁部82と、縦筋挿通用の縦溝84(R)が形成された右側面壁部85(R)と、縦筋挿通用の縦溝84(L)が形成された左側面壁部85(L)を備える。
【0058】
また、この建築用ブロック80は、
図14に示すように、両側面壁部85(R),85(L)の間に形成された3つの縦孔86を備えている。上記3つの縦孔86は、上記上面壁部83により閉じられ下面側を開口とされている。
【0059】
また、この建築用ブロック80は、
図14に示すように、上記縦溝84(R),84(L)と縦孔86の間の側壁の下面から突出した4つの凸部87が設けられている。上記4つの凸部87は、それぞれ上記横溝83Aの幅方向には該横溝83Aの全幅に亘って連続し、該横溝83Aの横方向に分散して上記下面に形成され、上面壁部83に形成されている上記横溝83Aと縦筋挿通用の空間を確保した状態で嵌合する形状を有している。
【0060】
さらに、この建築用ブロック80は、
図13、
図14に示すように、上記前面壁部81及び背面壁部82の一端面に、上記側面壁部85(L)から水平方向に突出し縦方向に連続して形成された一対の凸条部88を備える。上記一対の凸条部88は、上記前面壁部81と背面壁部82の各内壁面と略面一に形成された外壁面を有している。
【0061】
このような構造の建築用ブロック80では、例えば
図15に示すように、水平方向に並べた場合に、一つの建築用ブロック80Aの側面壁部85(R)に、隣に配置される建築用ブロック80Bの一対の凸条部88が嵌り、上記建築用ブロック80Bの側面壁部85(R)に、隣に配置される建築用ブロック80Cの一対の凸条部88が嵌ることにより、壁面構造の耐久性を高めることができる。
【0062】
すなわち、この建築用ブロック80では、上記建築用ブロック10と同様に平面状に複数配列して壁面構造を構築する際に、上側に位置する建築用ブロックの複数の凸部87を下側に位置する建築用ブロックの横溝83Aに嵌合させるとともに、横方向に位置する建築用ブロックの一対の凸条部88を隣に位置する建築用ブロックの側面壁部85(R)に嵌合させることにより、壁面構造の耐久性を確実に高めることができる。
【0063】
なお、上記建築用ブロック80では、上記前面壁部81及び背面壁部82の一端面に、上記側面壁部85(L)から水平方向に突出し縦方向に連続して形成された一対の凸条部88を備えるものとしたが、上記一対の凸条部88に代えて、隣に位置する建築用ブロックの側面壁部85(R)に嵌合可能な形状であれば、全幅に亘って連続する一つの凸条部を備えるものとしてもよく、さらに、縦方向に分散させた複数の凸部とすることもできる。
【符号の説明】
【0064】
10,10A,10B,10C,20,80,80A,80B,80C 建築用ブロック、11,21,81 前面壁部、12,22,82 背面壁部、13A,23A,83A 横溝、13,23,83 上面壁部、14(R),14(L),24,84(L),84(R) 縦溝、15(R),15(L),25(R),25(L),85(L),85(R) 側面壁部、16,26,86 縦孔、17,27,87 凸部、18,28 凹条部、29 縦孔、50,60,70,70A,70B 壁面構造、88 凸条部