特許第6087997号(P6087997)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6087997誘発反応を使用する制御を備えた神経刺激システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6087997
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】誘発反応を使用する制御を備えた神経刺激システム
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/36 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
   A61N1/36
【請求項の数】10
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-136595(P2015-136595)
(22)【出願日】2015年7月8日
(62)【分割の表示】特願2013-515389(P2013-515389)の分割
【原出願日】2011年6月9日
(65)【公開番号】特開2015-171617(P2015-171617A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2015年7月8日
(31)【優先権主張番号】61/356,251
(32)【優先日】2010年6月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ヒンカピー オルドネス フアン ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】ターンズ ディヴィッド ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ハーマン ジェイソン ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ルーブル スティーブン
【審査官】 石川 薫
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2006/0167497(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
主として喉頭筋の活性化役割を担うA繊維及び主として心臓血管機能の調節の役割を担うB繊維を備えた迷走神経、並びに該喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出するためのシステムであって、
神経刺激パルスを前記迷走神経に送出するように構成された刺激出力回路と、
誘発反応であって、その各々が前記神経刺激パルスによって誘発された前記A繊維の活性化を含む誘発反応を示す生理的信号を受け取り、かつ該生理的信号を1つ以上の検出閾値と比較することによって該誘発反応を検出するように構成された誘発反応検出回路と、
刺激強度を使用して該神経刺激パルスの該送出を制御するように構成された制御回路とを備え、同制御回路は、
前記A繊維を活性化するための前記刺激強度の最小レベルである第1の刺激閾値を決定し、前記B繊維を活性化するための前記刺激強度の最小レベルである第2の刺激閾値と前記第1の刺激閾値との間の予め定められた関係と、前記第1の刺激閾値とを使用して、前記神経刺激パルスの前記送出によって前記心臓血管機能を調節するための前記刺激強度のレベルを計算し、前記刺激強度を前記計算されたレベルに調節するように構成された刺激パラメータ調節器と、
指定されたスケジュールに従って又はユーザ指令に応答して、前記検出誘発反応を使用して、前記刺激強度の前記調節を時間設定するように構成された刺激調節タイマとを含むことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を受け取り、かつ該誘発神経反応を検出するように構成された誘発神経反応検出回路を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1の刺激閾値は、閾値振幅に達するための、前記誘発神経反応のうちの一反応の振幅に対する前記刺激強度の最小レベルであることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の刺激閾値は、閾値幅に達するための、前記誘発神経反応のうちの一反応の幅に対する前記刺激強度の最小レベルであることを特徴とする請求項2または3に記載のシステム。
【請求項5】
前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を受け取り、かつ該誘発筋反応を検出するように構成された誘発筋反応検出回路を含むことを特徴とする請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記第1の刺激閾値は、閾値振幅を超えるための、前記検出された喉頭信号に対する前記刺激強度の最小レベルであることを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記第1の刺激閾値は、検出窓中の検出される前記誘発筋反応に対する前記刺激強度の最小レベルであることを特徴とする請求項5または6に記載のシステム。
【請求項8】
前記検出誘発反応を表す誘発反応波形を生成すること、
前記誘発反応波形と格納された基準波形との間の相関を決定すること、及び
前記相関が閾値相関を超える、前記刺激強度の最小レベルである第1の刺激閾値を決定することを含むことを特徴とする請求項1乃至7のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記第1の刺激閾値と前記第2の刺激閾値との間の前記予め定められた関係は、定数によって近似されることを特徴とする請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記刺激調節タイマは、前記指定されたスケジュールに従って、前記検出誘発反応を使用して、前記刺激強度の前記調節を時間設定するように構成されることを特徴とする請求項1乃至9のうちのいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔優先権の請求〕
本出願は、本明細書において引用により組み込まれている2010年6月18日出願の米国特許仮出願番号第61/356,251号の「35 U.S.C.§119(e)」の下での優先権の恩典を請求するものである。
【0002】
本明細書は、一般的に神経刺激に関し、より具体的には、誘発反応を検出して検出誘発反応を補捉検証及びパラメータ調節のために使用する神経刺激システムに関する。
【背景技術】
【0003】
迷走神経刺激は、様々な生理的機能を修正し、様々な疾患を治療するために適用されている。1つの例は、心不全又は心筋梗塞を罹っている患者の心臓機能の調節である。心筋は、迷走神経の心臓枝を含む交感神経及び副交感神経で神経支配される。人工的に印加された電気刺激を含む迷走神経の活動は、心拍数及び収縮力(心筋収縮の強度)を調節する。迷走神経に適用された電気刺激は、心拍数及び収縮力を低下させ、心臓周期の収縮期を延ばし、心臓周期の拡張期を短縮することは公知である。迷走神経刺激のこの機能を利用し、例えば、心筋リモデリングを制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
心筋リモデリングのような心疾患の治療に加えて、迷走神経刺激はまた、以下に限定されるものではないが、抑鬱症、神経性無食欲症/摂食障害、膵臓機能、てんかん、高血圧症、炎症性疾患、及び糖尿病を含む疾患を治療するのに有効であることは公知である。迷走神経刺激治療の有効性を保証するために、刺激が迷走神経のターゲット枝を活性化することを検証し、かつターゲット機能の有効な調節をもたらすように刺激パラメータを制御する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
神経刺激システムは、補捉検証及び刺激強度調節を提供し、患者の1つ又はそれよりも多くのターゲット機能を調節する迷走神経刺激の有効性を保証する。様々な実施形態では、刺激が迷走神経に印加され、誘発反応を検出し、刺激が迷走神経を捕捉することを検証し、刺激強度を制御する1つ又はそれよりも多くの刺激パラメータを調節する。
【0006】
一実施形態では、システムは、刺激出力回路、神経感知回路、及び誘発神経反応検出回路を含む。システムは、1つのタイプの神経繊維に各々が対応するA繊維及びB繊維を含む神経に神経刺激を送出するためのものである。刺激出力回路は、神経刺激パルスを神経に送出する。神経感知回路は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む神経における神経活動を表す神経信号を感知する。誘発神経反応検出回路は、神経信号を使用して誘発神経反応を検出し、かつ検出タイマ及び比較器を含む。検出タイマは、神経刺激パルスのうちの1つの送出に応答して遅延間隔、第1の検出窓、及び第2の検出窓を時間設定する。遅延間隔は、刺激パルスのうちの1つの送出時に始まる。第1の検出窓は、遅延間隔の満了時に始まる。第2の検出窓は、第1の検出間隔の満了時に始まる。比較器は、第1の検出窓中に感知神経信号を第1の検出閾値と比較することによって誘発神経反応の誘発A繊維反応を検出し、第2の検出窓中に感知神経信号を第2の検出閾値と比較することによって誘発神経反応の誘発B繊維反応を検出する。
【0007】
一実施形態では、1つのタイプの神経繊維に各々が対応するA繊維及びB繊維を含む迷走神経に送出された神経刺激に対する誘発反応を検出する方法を提供する。神経刺激パルスは、神経に送出される。神経における神経活動を表す神経信号が、感知される。神経活動は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む。遅延間隔、第1の検出窓、及び第2の検出窓が時間設定される。遅延間隔は、刺激パルスのうちの1つの送出時に始まる。第1の検出窓は、遅延間隔の満了時に始まる。第2の検出窓は、第1の検出間隔の満了時に始まる。誘発A繊維反応及び誘発B繊維反応を含む誘発神経反応が、検出される。誘発A繊維反応は、第1の検出窓中に感知神経信号を第1の検出閾値と比較することによって検出される。誘発B繊維反応は、第2の検出窓中に感知神経信号を第2の検出閾値と比較することによって検出される。
【0008】
一実施形態では、神経刺激を送出するためのシステムは、刺激出力回路、誘発反応検出回路、及び制御回路を含む。刺激出力回路は、神経刺激パルスを迷走神経に送出する。誘発反応検出回路は、神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を受け取り、生理的信号及び1つ又はそれよりも多くの検出閾値を使用して誘発反応を検出する。制御回路は、検出誘発反応及び格納された基準反応を使用して1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する感知パラメータ調節器を含む。
【0009】
一実施形態では、神経刺激を送出する方法を提供する。神経刺激パルスは、迷走神経に送出される。誘発反応を示す生理的信号が、感知される。誘発反応の各々は、神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである。誘発反応は、生理的信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって検出される。1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、検出された誘発神経反応を使用して検出される。
【0010】
一実施形態では、神経刺激を送出するためのシステムは、刺激出力回路、誘発反応検出回路、及び制御回路を含む。刺激出力回路は、神経刺激パルスを迷走神経に送出する。誘発反応検出回路は、神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を受け取り、生理的信号を使用して誘発筋反応を検出する。制御回路は、刺激強度を使用して神経刺激パルスの送出を制御し、かつ刺激パラメータ調節器及び刺激調節タイマを含む。刺激パラメータ調節器は、検出誘発反応を使用して刺激強度を調節する。刺激調節タイマは、指定されたスケジュールに従って検出誘発反応を使用して刺激強度の調節を時間設定する。
【0011】
一実施形態では、神経刺激を送出する方法を提供する。神経刺激パルスは、迷走神経に送出される。神経刺激パルスの送出は、刺激強度を使用して制御される。刺激強度のレベルは、指定された増分で掃引される。誘発反応を示す生理的信号が、感知される。誘発反応の各々は、神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである。誘発反応は、生理的信号を使用して検出される。刺激閾値が判断される。刺激強度は、誘発反応の1つ又はそれよりも多くの指定された特性を提供するための最小レベルの刺激強度である。刺激強度は、刺激閾値を使用して指定された生理的機能を調節するように調節される。
【0012】
一実施形態では、神経刺激を送出するためのシステムは、刺激出力回路、誘発反応検出回路、及び制御回路を含む。刺激出力回路は、神経刺激パルスを迷走神経に送出する。誘発反応検出回路は、神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を受け取り、生理的信号を使用して送出された神経刺激パルスの各パルスに対して誘発筋反応のうちの1つを検出する。制御回路は、刺激強度を使用して神経刺激パルスの送出を制御する。制御回路は、送出された指定された数の神経刺激パルスに対して検出されなかった指定された数の誘発神経反応に応答して刺激強度を調節する刺激パラメータ調節器を含む。
【0013】
一実施形態では、神経刺激を送出する方法を提供する。神経刺激パルスは、迷走神経に送出される。神経刺激の送出は、刺激強度を使用して制御される。補捉検証が実施される。補捉検証は、各々が神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知する段階と、送出された神経刺激パルスの各パルスに対して誘発反応のうちの1つを検出する段階と、送出された指定された数の神経刺激パルスに対して検出されなかった指定された数の誘発反応に応答して刺激強度を調節する段階とを含む。
【0014】
この「発明の概要」は、本出願の教示の一部の概観であり、本主題の排他的又は網羅的治療であるように考えられるものではない。本主題に関する更なる詳細は、詳細説明及び特許請求の範囲に見出される。本発明の他の態様は、以下の詳細説明を読んで理解し、その一部を形成する図面を考察すると当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその法的均等物によって定められる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】迷走神経刺激システム及びシステムを使用する環境の各部分の実施形態の図である。
図2】誘発反応の検出を行う迷走神経刺激システムの実施形態を示すブロック図である。
図3図2の迷走神経刺激システムの別の実施形態を示すブロック図である。
図4】迷走神経刺激システムを含む埋め込み可能システム及び埋め込み可能システムを使用する環境の各部分の実施形態の図である。
図5図4の埋め込み可能システムの実施形態を示すブロック図である。
図6】神経刺激パルスに対する誘発反応の図である。
図7】様々な振幅の神経刺激パルスに対する誘発反応の図である。
図8】様々な刺激閾値を示す図である。
図9】誘発神経反応を検出するための回路の実施形態を示すブロック図である。
図10】誘発神経反応及び検出窓の図である。
図11】誘発神経反応を検出するためのシステムの実施形態を示すブロック図である。
図12】誘発筋反応を検出するための回路の実施形態を示すブロック図である。
図13】誘発筋反応を検出するためのシステムの別の実施形態を示すブロック図である。
図14】様々な喉頭信号を感知するための回路の実施形態を示すブロック図である。
図15】迷走神経刺激中に誘発反応検出に対する自動閾値調節の方法の実施形態を示す流れ図である。
図16】迷走神経刺激に対して刺激強度を調節する方法の実施形態を示す流れ図である。
図17】迷走神経の2つのタイプの繊維に対して刺激閾値間の関係の実施例を示す図である。
図18】埋め込み可能医療デバイスの患者内への埋め込み中に迷走神経刺激に対して刺激強度を調節する方法の実施形態を示す流れ図である。
図19】埋め込み可能医療デバイスを使用する患者による再検査来院中に迷走神経刺激に対して刺激強度を調節する方法の実施形態を示す流れ図である。
図20】迷走神経刺激に対して自動補捉検証の方法の実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面は、一般的に、本文献で説明する様々な実施形態を一例として示している。図面は、単に例示的な目的のためであり、正確な縮尺になっていない場合がある。
【0017】
以下の詳細説明において、その一部を形成し、かつ本発明を実施することができる例示的な特定の実施形態を示す添付図面を参照する。それらの実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするために十分詳細に説明されており、実施形態を組み合わせることができること、又は他の実施形態を利用することができること、及び構造的、論理的、及び電気的変更を本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行うことができることを理解すべきである。以下の詳細説明は、実施例を提供し、本発明の範囲は、特許請求の範囲及びその法的均等物によって定められる。
【0018】
本発明の開示における「実施形態」、「一実施形態」、又は「様々な実施形態」への参照は、必ずしも同じ実施形態に対するものでなく、このような参照は、1つ又はそれよりも多くの実施形態を考えている点に注意すべきである。
【0019】
本文献は、1つ又はそれよりも多くのターゲット機能を調節するために神経刺激を送出し、かつ神経刺激によって誘発される1つ又はそれよりも多くの生理的反応を検出するための方法及びシステムを説明する。誘発された生理的反応の検出は、神経が刺激によって捕捉されたことを示している。様々な実施形態では、各誘発された生理的反応は、神経から及び/又は神経信号の代わりのものとすることができる別の生理的信号から感知された神経信号から検出される。迷走神経刺激は、特に実施例として本文献に説明されるが、本方法及びシステムは、一般的に様々なターゲット神経の刺激に適用される。
【0020】
迷走神経は、髄質から出て、複合機能的神経支配パターンを通じて人体の複数の臓器をターゲットにする。食道、胃腸管、腎臓、及び膵臓(迷走神経の腹部枝)のような内臓器官、心臓及び肺(迷走神経の胸部枝)のような胸部器官、並びに頸の随意筋及び上気道の複数のセグメント(反回神経、RLN)に出入りする神経活動を搬送する迷走神経幹内に遠心性及び求心性神経繊維の両方がある。迷走神経刺激が送出され、1つ又はそれよりも多くの心臓血管機能を調節する一実施形態では、迷走神経が捕捉されることを示す誘発反応の例は、迷走神経から感知された神経信号及び喉頭活動を示す信号を含む。
【0021】
迷走神経の繊維は、表1に要約するように、A繊維(Aタイプの繊維とも呼ばれる有髄繊維)、B繊維(Bタイプの繊維とも呼ばれる有髄副交感神経繊維)、及びC繊維(Cタイプの繊維とも呼ばれる無髄繊維)を含む。内臓及び胸部器官の殆どの機能は、B繊維の活性化による迷走神経刺激によって調節されるが、A繊維の活性化は、誘発喉頭活動をもたらすと考えられる。実験データによって検証されるように、B繊維を活性化するのに必要な刺激強度(B繊維に対する刺激閾値)は、B繊維の直径がA繊維の直径よりも小さいので、A繊維を活性化するのに必要な刺激強度(A繊維に対する刺激閾値)よりも高い。C繊維を活性化するのに必要な刺激強度(C繊維に対する刺激閾値)は、C繊維がそれらの3つのタイプの繊維の中で最も小さい直径を有するので最も高い。
【0022】
【表1】
【0023】
本方法及びシステムは、迷走神経刺激に対する誘発神経及び/又は筋反応を示す様々な信号を感知し、B繊維の活性化を保証する。様々な実施形態では、迷走神経刺激は、1つ又はそれよりも多くの心臓血管機能を調節するように印加され、迷走神経の誘発神経反応及び/又は喉頭筋の誘発筋反応を示す1つ又はそれよりも多くの信号が感知される。迷走神経の捕捉は、誘発神経及び/又は筋反応を含む検出誘発反応によって検証される。刺激パラメータは、B繊維を確実に活性化するのに必要な刺激強度を提供するように設定又は調節される。
【0024】
図1は、迷走神経刺激システム100及びシステム100を使用する環境の各部分の実施形態の図である。システム100は、刺激電極110、刺激出力回路111、制御回路112、神経感知電極114A、喉頭活動センサ114B、及び誘発反応検出回路116を含む。
【0025】
図1は、患者の迷走神経102の一部分を示している。迷走神経102は、RLN106を含む枝を有する。刺激電極110は、刺激出力回路111に電気的に接続され、迷走神経102上に置かれ、刺激出力回路111からの神経刺激パルスの送出が、迷走神経102の様々な枝によって神経支配された患者の心臓105を含む胸部器官及び/又は腹部器官の機能を調節することを可能にする。図示の実施形態では、刺激電極110は、頸迷走神経の上(RLN106が枝を出すところの頭方の迷走神経102の一部分)に置かれる。RLN106は、喉頭筋(喉頭筋107によって表される)を神経支配し、喉頭筋は、神経刺激パルスに反応して収縮することができる。
【0026】
神経刺激パルスによって誘発された反応が検出される。図示の実施形態では、神経感知電極114Aは、迷走神経102の上に置かれ、誘発神経反応を感知し、喉頭活動センサ114Bは、喉頭筋107の中又はその上に置かれ、誘発筋反応を感知する。誘発反応検出回路116は、誘発神経及び/又は筋反応を検出する。他の実施形態では、システム110は、神経感知電極114A及び喉頭活動センサ114Bのいずれか又は両方を含み、誘発神経反応及び誘発筋反応のいずれか又は両方を感知する。
【0027】
制御回路112は、刺激出力回路111からの神経刺激パルスの送出を制御する。一実施形態では、制御回路112は、検出された誘発神経及び/又は筋反応を使用して神経刺激の送出を制御し、迷走神経102又はその枝のうちの1つ又はそれよりも多くが意図するように活性化されることを保証する。
【0028】
様々な実施形態では、本文献で説明するその様々な要素を含むシステム100の回路は、ハードウエア及びソフトウエアの組合せを使用して実施される。様々な実施形態では、本文献で説明するそれらの様々な要素を含む制御回路112及び/又は誘発反応検出回路116は、1つ又はそれよりも多くの特定の機能を実施するように構成された用途特定の回路、又はこのような機能を実施するようにプログラムされた汎用回路を使用して実施することができる。このような汎用回路は、以下に限定されるものではないが、マイクロプロセッサ又はその一部分、マイクロプロコントローラ又はその一部分、及びプログラマブル論理回路又はその一部分を含む。
【0029】
図2は、迷走神経刺激システム200の実施形態を示すブロック図である。システム200は、システム100の実施形態であり、刺激電極210、刺激出力回路111、誘発反応センサ214、センサ処理回路215、誘発反応検出回路216、制御回路212、及びストレージ回路218を含む。
【0030】
刺激電極210は、1つ又はそれよりも多くの刺激電極を含み、迷走神経102を活性化するように神経刺激パルスを送出するのに適する1つ又はそれよりも多くの位置で患者の体に置く。様々な実施形態では、神経刺激パルスによる迷走神経102の活性化は、迷走神経102の1つ又はそれよりも多くの部分又は枝の活性化を含む。一実施形態では、刺激電極210は、刺激電極110を含む。一実施形態では、刺激電極210は、1つ又はそれよりも多くの埋め込み可能刺激電極を含み、埋め込み可能刺激電極は、1つ又はそれよりも多くの刺激電極を刺激出力回路111に電気的に接続するために、各々が1つ又はそれよりも多くの導体を含む1つ又はそれよりも多くの埋め込み可能リードの中に組み込まれる。一実施形態では、刺激電極210は、迷走神経102上に置かれるような1つ又はそれよりも多くのカフ電極を含む。一実施形態では、刺激電極210は、迷走神経102上に置かれるような少なくとも1つの双極カフ電極を含む。一実施形態では、刺激電極210は、迷走神経102上に置かれるような単極カフ電極と、患者の体に又はこの上に置かれた別の刺激電極とを含む。一実施形態では、刺激電極210は、迷走神経102上又はそれに隣接して置かれるような少なくとも1つの多接触電極を含む。
【0031】
誘発反応センサ214は、神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知するのに適する位置で患者の体に又はこの上に置かれるようになっている。一実施形態では、誘発反応センサ214は、神経感知電極114Aを含み、神経刺激パルスによって誘発された迷走神経102の活動電位を含む誘発神経反応を感知する。誘発神経反応は、誘発A繊維反応及び/又は誘発B繊維反応を含む。誘発A繊維反応は、神経刺激パルスによって誘発された迷走神経102のA繊維に活動電位を含む。誘発B繊維反応は、神経刺激パルスによって誘発された迷走神経102のB繊維に活動電位を含む。一実施形態では、誘発反応センサ214は、喉頭活動センサ114Bを含み、神経刺激パルスによって誘発された喉頭筋107の活動を含む誘発筋反応を感知する。様々な実施形態では、誘発反応センサ214は、神経感知電極114A及び喉頭活動センサ114Bのいずれか又は両方を含む。センサ処理回路215は、誘発反応の検出のために生理的信号を処理する。誘発反応検出回路216は、センサ処理回路215から処理された生理的信号を受け取り、処理された生理的信号を使用して誘発反応を検出し、かつ検出誘発反応を表す1つ又はそれよりも多くの反応信号を発生させる。1つ又はそれよりも多くの反応信号は、例えば、迷走神経102が神経刺激パルス及び誘発反応の測定特性によって捕捉されるか否かに関する情報を含む。
【0032】
制御回路212は、パルス振幅及びパルス幅のような1つ又はそれよりも多くの刺激パラメータによって表される刺激強度を使用して神経刺激パルスの送出を制御する。刺激強度は、パルス振幅及びパルス幅によって測定された時の神経刺激パルスの各々におけるエネルギである。制御回路212は、パラメータ調節器220を含み、1つ又はそれよりも多くの刺激パラメータを調節することによって刺激強度を調節する。一実施形態では、パラメータ調節器220は、誘発反応検出回路216によって発生する1つ又はそれよりも多くの信号を使用して1つ又はそれよりも多くの刺激パラメータを調節する。
【0033】
ストレージ回路218は、誘発反応の1つ又はそれよりも多くの波形の形態の誘発反応と、誘発反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータとを格納する。一実施形態では、ストレージ回路218は、検出誘発反応に関連付けられた刺激強度を格納する。
【0034】
様々な実施形態では、図2に示すようにその要素の様々な実施形態を含むシステム200の回路は、本文献で説明する様々な機能を実施するようにプログラムされる。様々な実施形態では、このような機能は、以下に限定されるものではないが、図15図16及び図18図20を参照して説明するものを含む方法の実施を可能にする。
【0035】
図3は、迷走神経刺激システム300の実施形態を示すブロック図である。システム300は、システム100又は200の実施形態であり、刺激電極210、刺激出力回路111、誘発反応センサ214、センサ処理回路215、誘発反応検出回路316、制御回路312、及びストレージ回路218を含む。
【0036】
誘発反応検出回路316は、誘発反応検出回路216の実施形態であり、生理的信号を使用して誘発反応を検出し、検出誘発反応を表す1つ又はそれよりも多くの反応信号を発生させる。誘発反応検出回路316は、検出タイマ326、比較器327、及び測定モジュール328を含む。検出タイマ326は、誘発反応の検出のタイミングを制御する。このようなタイミングの例は、指定されたスケジュールによる検出の開始と、内部に誘発反応が検出されることが予想される1つ又はそれよりも多くの検出窓とを含む。比較器327は、生理的信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって誘発反応を検出する。一実施形態では、比較器327は、1つ又はそれよりも多くの検出窓中に生理的信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって誘発反応を検出する。測定モジュール328は、誘発反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する。1つ又はそれよりも多くの特性パラメータの例は、誘発反応の振幅、誘発反応の幅、及び誘発反応の周波数特性を含む。様々な実施形態では、1つ又はそれよりも多くの特性パラメータは、各々が誘発反応のうちの1つから測定された値であり、又は複数の誘発反応から測定された値の平均値である。様々な実施形態では、1つ又はそれよりも多くの反応信号の例は、神経刺激パルスによる迷走神経の捕捉を示す補捉検証信号と、誘発反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを表す1つ又はそれよりも多くの信号とを含む。
【0037】
制御回路312は、制御回路212の実施形態であり、かつ刺激強度を使用して神経刺激パルスの送出を制御する。制御回路312は、パラメータ調節器320を含み、これは、パラメータ調節器220の実施形態あり、1つ又はそれよりも多くの反応信号を使用して刺激パラメータのうちの1つ又はそれよりも多くのパラメータを調節する。図示の実施形態では、パラメータ調節器320は、感知パラメータ調節器321、感知調節タイマ322、刺激パラメータ調節器323、及び刺激調節タイマ324を含む。感知パラメータ調節器321は、誘発反応を検出するために比較器327を使用する1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する。感知調節タイマ322は、指定されたスケジュールに従って及び/又はユーザ指令に応答して1つ又はそれよりも多くの検出閾値の調節のタイミングを制御する。刺激パラメータ調節器323は、神経刺激パルスのパルス振幅及びパルス幅のいずれか又は両方を含む、刺激パラメータのうちの1つ又はそれよりも多くを調節することによって刺激強度を調節する。様々な実施形態では、刺激パラメータ調節器323はまた、パルス周波数、負荷サイクル、及び刺激持続期間のような他の刺激パラメータを調節する。刺激調節タイマ324は、指定されたスケジュールに従って及び/又はユーザ指令に応答して刺激強度の調節のタイミングを制御する。
【0038】
図4は、埋め込み可能システム430及び埋め込み可能システム430を使用する環境の各部分の実施形態の図である。埋め込み可能システム430は、本文献で説明するようなその様々な実施形態を含むシステム100を含む。
【0039】
システム430は、埋め込み可能システム432及び外部システム436を含む。埋め込み可能システム432は、埋め込み可能医療デバイス(IMD)434を含む。外部システム436及びIMD434は、遠隔測定リンク435を通じて通信する。様々な実施形態では、埋め込み可能システム432は、システム200又はシステム300を含む。様々な実施形態では、IMD434は、心臓律動管理(CRM)デバイスをシステム200の一部分又はシステム300の一部分を含む神経感知及び刺激デバイスと一体化する。CRMデバイスは、心臓電気活動を感知し、心臓刺激を送出する。CRMデバイスの例は、ペースメーカー、心臓除細動器/除細動器、複合型ペースメーカー−心臓除細動器/除細動器、心臓再同期治療(CRT)デバイス、及び心臓リモデリング制御治療(RCT)デバイスを含む。様々な実施形態では、神経活動を感知し、心臓刺激の必要性を示し、及び/又はペーシングパルス送出のタイミングを制御する。様々な実施形態では、心臓活動を感知し、神経刺激を心臓周期に同期させるなどの神経刺激パルス送出のタイミングを制御する。
【0040】
図5は、埋め込み可能システム530の実施形態を示すブロック図である。埋め込み可能システム530は、埋め込み可能回路430の実施形態であり、IMD534及び外部システム536を含む。
【0041】
IMD534は、IMD434の実施形態であり、IMD回路539及びIMD回路539を封入する埋め込み可能ハウジング538を含む。一実施形態では、IMD回路539は、少なくとも刺激出力回路111及び制御回路212又は312を含む。別の実施形態では、IMD回路539は、少なくとも刺激出力回路111、センサ処理回路215、誘発反応検出回路216又は316、制御回路212又は312、及びストレージ回路218を含む。様々な実施形態では、IMD回路539は、システム200又はシステム300の様々な要素を含む。
【0042】
外部システム536は、外部システム436の実施形態であり、遠隔測定リンク435を通じてIMD534に通信可能に結合される。外部システム536は、ユーザインタフェース540を含む。ユーザインタフェース540は、表示デバイス542及びユーザ入力デバイス544を含む。表示デバイス542は、ディスプレイスクリーン543を含み、例えば、検出誘発反応の波形、1つ又はそれよりも多くの反応信号、測定された1つ又はそれよりも多くの特性パラメータ、及び/又は刺激強度を表示する。ユーザ入力デバイス544は、医師又は他の介護者のようなユーザからユーザ指令を受け取る。ユーザ指令の例は、本文献で説明するような神経刺激パルスの送出を始めるためのユーザ指令、1つ又はそれよりも多くの検出閾値の調節を開始するためのユーザ指令、刺激強度の調節を開始するためのユーザ指令、及び自動補捉検証を開始するためのユーザ指令を含む。
【0043】
一実施形態では、外部システム536は、ユーザインタフェース540を含むプログラマーを含む。一実施形態では、外部システム536は、遠隔測定リンク435を通じてIMD534に通信可能に結合された外部デバイスと、遠い位置にあって通信網を通じて外部デバイスに通信可能に結合された遠隔デバイスとを含む患者管理システムを含む。外部デバイス及び/又は遠隔デバイスは、ユーザインタフェース540を含む。
【0044】
図6は、迷走神経から記録された神経信号及び喉頭筋から記録された筋電図(EMG)信号に見られるような頸迷走神経に送出された神経刺激パルスに対する誘発反応の図である。神経信号は、神経刺激パルスの送出に続く誘発神経反応を含む。誘発神経反応と神経刺激パルスの送出の間の時間遅延は、神経信号感知部位と刺激部位の間の距離の関数である。誘発神経反応は、誘発A繊維反応及び誘発B繊維反応を含む。図6に見られるように、誘発A繊維反応は、誘発B繊維反応に先行する。EMG信号は、神経刺激パルスの送出に続く誘発筋反応を含む。誘発筋反応と神経刺激パルスの送出の間の時間遅延は、IMG信号感知部位と刺激部位の間の距離の関数である。様々な実施形態では、時間遅延は、感知部位と刺激部位の間の距離を使用して推定され、誘発反応の検出を容易にする。
【0045】
図7は、様々な強度の神経刺激パルスに対する誘発反応の図である。異なるパルス振幅を有する神経刺激パルスに対する誘発神経及び筋反応を含む神経及びEMG信号が示されている。神経及びEMG信号の形態変化は、より多くの神経繊維が、パルス振幅が増大する時に捕捉されることを示している。A繊維及び筋反応を誘発するのに必要な最小パルス振幅は、B繊維反応を誘発するのに必要な最小パルス振幅よりも低い。
【0046】
図8は、繊維動員のパーセントに対応するパルス振幅である様々な刺激閾値を示す動員曲線を示す図である。刺激閾値曲線は、図7の神経及びEMG信号から観察されるものと一致する傾向を示している。誘発A繊維反応は、刺激(電流)振幅が約0.8mAである時に検出可能になり始める。誘発B繊維反応は、刺激振幅が約1.5mAから2mAである時に検出可能になり始める。A繊維は、主として喉頭筋の活性化の役割を担う迷走神経のモータ繊維に対応し、B繊維は、主として心臓血管機能を含む生理的機能の調節の役割を担う迷走神経の副交感神経繊維の一部に対応すると考えられる。
【0047】
図9は、誘発神経反応を検出するための回路の実施形態を示すブロック図である。一実施形態では、回路は、IMD回路539の一部である。回路は、刺激出力回路111、神経感知回路915、及び誘発神経反応検出回路916を含む。刺激出力回路111は、神経刺激パルスを迷走神経に送出する。神経感知回路915は、センサ処理回路215の実施形態であり、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む迷走神経における神経活動を表す神経信号を感知する。誘発神経反応検出回路916は、誘発反応検出回路216の実施形態であり、神経信号を使用して誘発神経反応を検出する。誘発神経反応検出回路916は、検出タイマ926及び比較器927を含む。検出タイマ926は、神経刺激パルスのうちの1つの送出に応答して遅延間隔、検出窓A、及び検出窓Bを時間設定する。図10に示すように、遅延間隔は、刺激パルスのうちの1つの送出時に始まる。誘発A繊維反応が予想される時間窓である検出窓Aは、遅延間隔の満了時に始まる。誘発B繊維反応が予想される時間窓である検出窓Bは、検出間隔Aの満了時に始まる。比較器927は、検出窓A中に感知神経信号を検出閾値Aと比較することによって誘発A繊維反応を検出し、検出窓B中に感知神経信号を検出閾値Bと比較することによって誘発B繊維反応を検出する。別の実施形態では、誘発神経反応検出回路916は、比較器927を含むが検出タイマ926は含まない。比較器927は、感知神経信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって誘発神経反応を検出する。
【0048】
図11は、誘発神経反応を検出するためのシステムの実施形態を示すブロック図である。システムは、刺激電極210、刺激出力回路111、神経感知電極1114、神経感知回路915、及び誘発神経反応検出回路1116を含む。
【0049】
神経感知電極1114は、誘発反応センサ214の実施形態であり、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む迷走神経における神経活動を表す神経信号を感知するのに適する位置で患者の体に置かれるように構成される。一実施形態では、神経感知電極1114は、埋め込み可能システム432の一部である埋め込み可能神経感知電極を含む。一実施形態では、神経感知電極1114は、迷走神経上に置かれるような1つ又はそれよりも多くのカフ電極を含む。神経感知回路915は、センサ処理回路215の実施形態であり、神経感知電極1114を通して神経信号を感知する。
【0050】
誘発神経反応検出回路1116は、誘発神経反応検出回路916の実施形態及び誘発反応検出回路216又は316の実施形態であり、感知神経信号を使用して誘発神経反応を検出する。誘発神経反応検出回路1116は、少なくとも比較器927及び誘発神経反応測定モジュール1128を含み、少なくとも1つの検出窓を使用する場合検出タイマ926を含む。様々な実施形態では、誘発神経反応検出回路116は、定期的のような指定されたスケジュールに従って、又はユーザ指令に応答して誘発神経反応を検出する。誘発神経反応測定モジュール1128は、測定モジュール328の実施形態であり、誘発神経反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する。一実施形態では、誘発神経反応測定モジュール1128は、1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定して示している。1つ又はそれよりも多くの特性パラメータの例は、検出窓A中に感知神経信号のピーク振幅である誘発A繊維反応の振幅を含み、誘発A繊維反応の幅は、感知神経信号の振幅が検出窓A中に検出閾値Aを超える時間間隔であり、誘発B繊維反応の振幅は、検出窓B中に感知神経信号のピーク振幅であり、かつ誘発B繊維反応の幅は、感知神経信号の振幅が検出窓B中に検出閾値Bを超える時間間隔である。
【0051】
動物研究からの実験データは、検出窓Aの誘発神経反応(すなわち、誘発A繊維反応)の振幅は、約5から20μVの範囲にあり、検出窓Bの誘発神経反応(すなわち、誘発B繊維反応)は、約1から6μVの範囲にあることを示している。実験中に、検出窓Aの持続期間は、5msに設定され、検出窓Bの持続期間は、5msに設定された。遅延間隔又は検出窓A及び検出窓Bの各々を開始するためのタイミングは、シミュレーション部位と感知部位の間の距離に依存する。
【0052】
シミュレーション部位及び感知部位が互いに近い場合、遅延間隔及び検出窓Aを正確に設定することが困難な場合がある。その結果、誘発A繊維反応を検出することが困難な場合がある。しかし、誘発B繊維反応の検出は、B繊維が、心臓血管機能のような迷走神経刺激のターゲット機能を調節する役割を担うと考えられるので、重要な関心事になる。
【0053】
一実施形態では、シミュレーション部位と感知部位の間の距離は、ユーザ入力デバイス544によってユーザから受け入れられる。一実施形態では、刺激部位は、神経刺激電極が迷走神経上に置かれる位置であり、感知部位は、神経感知電極が迷走神経上に置かれる位置である。検出タイマ926は、遅延間隔、検出窓A、及び検出窓Bを各々その距離の関数として判断する。一実施形態では、遅延間隔の長さ、検出窓A、及び検出窓Bは、非捕捉電気神経刺激パルスとそのパルスによって達成される場(非誘発反応)の間の時間を使用して各々較正される。
【0054】
図12は、誘発筋反応を検出するための回路の実施形態を示すブロック図である。一実施形態では、回路は、IMD回路539の一部である。回路は、刺激出力回路111、喉頭活動感知回路1215、及び誘発筋反応検出回路1216を含む。刺激出力回路111は、神経刺激パルスを迷走神経に送出する。喉頭活動感知回路1215は、センサ処理回路215の実施形態であり、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む喉頭筋の活動を表す喉頭信号を感知する。誘発筋反応検出回路1216は、誘発反応検出回路216の実施形態であり、喉頭信号を使用して誘発筋反応を検出する。図示の実施形態では、誘発神経反応検出回路1216は、検出タイマ1226及び比較器1227を含む。検出タイマ1226は、誘発筋反応の検出が予想される検出窓を時間設定する。比較器1227は、検出窓中に感知喉頭信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって誘発筋反応を検出する。別の実施形態では、誘発神経反応検出回路1216は、比較器1227を含むが検出タイマ1226は含まない。比較器1227は、感知喉頭信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって誘発筋反応を検出する。
【0055】
図13は、誘発筋反応を検出するためのシステムの実施形態を示すブロック図である。システムは、刺激電極210、刺激出力回路111、喉頭活動センサ1314、喉頭活動感知回路1215、及び誘発筋反応検出回路1316を含む。
【0056】
喉頭活動センサ1314は、誘発反応センサ214の実施形態であり、喉頭信号を感知するのに適する位置で患者の体に又はこの上に置かれるように構成される。一実施形態では、喉頭活動センサ1314は、患者の体に置かれるような埋め込み可能喉頭活動センサを含む。別の実施形態では、喉頭活動センサ1314は、患者の体の表面上に置かれるような外部喉頭活動センサを含む。喉頭活動感知回路1215は、センサ処理回路215の実施形態であり、喉頭活動センサ1314によって感知された信号を処理する。喉頭信号、喉頭活動センサ1314、及び喉頭活動感知回路1215の例は、図14を参照して以下に説明する。
【0057】
誘発筋反応検出回路1316は、誘発筋反応検出回路1216の実施形態及び誘発反応検出回路216又は316の実施形態であり、感知喉頭信号を使用して誘発筋反応を検出する。誘発筋反応検出回路1316は、少なくとも比較器1227及び誘発筋反応測定モジュール1328を含み、検出窓を使用する場合検出タイマ1226を含む。一実施形態では、誘発筋反応検出回路1316は、定期的のような指定されたスケジュールに従って又はユーザ指令に応答して誘発筋反応を検出する。誘発筋反応測定モジュール1328は、測定モジュール328の実施形態であり、1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する。一実施形態では、誘発筋反応測定モジュール1328は、1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定してその傾向を示す。1つ又はそれよりも多くの特性パラメータの例は、誘発筋反応の振幅と、複数の神経刺激パルスに続く多重誘発筋反応の合計と、神経刺激パルスの送出とその神経刺激パルスの送出から生じる誘発筋反応の検出の間の時間とを含む。
【0058】
誘発筋反応の振幅は、より多くのモータ繊維(A繊維)が神経刺激パルスの送出によって捕捉される時に増大する。より多くのモータ繊維は、刺激強度が増大する時に捕捉される。
【0059】
A繊維を捕捉するための刺激閾値とB繊維の捕捉によりターゲット生理的機能を有効に調節するための刺激閾値との間に略一定の関係を識別することができると考えられる。刺激強度は、1つ又はそれよりも多くの指定された生理的反応を誘発するのに必要な最小刺激強度である。初期誘発筋反応を提供する初期刺激閾値が判断される時に、刺激強度は、初期刺激閾値及び識別された略一定の関係を使用して判断されるレベルに設定される。初期誘発筋反応は、刺激強度が低い初期レベルから増大する時に検出可能になり始める誘発筋反応である。初期刺激閾値は、初期誘発筋反応を生成する刺激強度である。一実施形態では、略一定の関係は、患者集団を使用して定量的に確立される。患者に施行された迷走神経刺激治療の刺激強度は、次に、初期刺激閾値及び確立された略一定の関係を使用して設定される。
【0060】
図14は、様々な喉頭信号を検出するための回路の実施形態を示すブロック図である。回路は、喉頭活動センサ1414及び喉頭活動感知回路1415を含む。喉頭活動センサ1414は、喉頭活動センサ1314の実施形態である。喉頭活動感知回路1415は、喉頭活動感知回路1215の実施形態である。図示の実施形態では、喉頭活動センサ1414は、EMG感知電極1414A、加速度計1414B、及びボイスセンサ1414Cを含み、喉頭活動感知回路1415は、EMG感知回路1415A、活動感知回路1415B、及びボイス感知回路1415Cを含む。これは、ユーザ又は図13のシステムによる喉頭信号の選択を可能にし、また誘発筋反応の検出のために多重喉頭信号の使用を可能にする。様々な実施形態では、喉頭活動センサ1414は、EMG感知電極1414A、加速度計1414B、及びボイスセンサ1414Cのうちのいずれか1つ又はそれよりも多くを含み、喉頭活動感知回路1415は、使用する喉頭信号に応じてEMG感知回路1415A、活動感知回路1415B、及びボイス感知回路1415Cのうちの対応する1つ又はそれよりも多くを含む。
【0061】
EMG感知電極1414Aは、喉頭筋107から喉頭信号としてEMG信号を感知するのに適する位置で患者の体に又はこの上に置かれるように構成される。EMG信号は、誘発筋反応を含む喉頭筋107の活動を示している。一実施形態では、EMG感知電極1414Aは、筋内電極のような埋め込み可能EMG感知電極を含む。EMG感知回路1415Aは、EMG感知電極1414Aを通してEMG信号感知する。誘発筋反応検出回路1216又は1316は、感知されたEMG信号を使用して誘発筋反応を検出する。
【0062】
加速度計1414Bは、喉頭信号として加速度信号を感知するのに適する位置で患者の体に又はこの上に置かれるように構成される。加速度信号は、誘発筋反応を含む喉頭筋107の活動を示している。一実施形態では、加速度計1414Bは、埋め込み可能加速度計を含む。活動感知回路1415Bは、加速度計1414Bによって感知された加速度信号を処理する。誘発筋反応検出回路1216又は1316は、処理された加速度信号を使用して誘発筋反応を検出する。
【0063】
ボイスセンサ1414Cは、喉頭信号としてボイス信号を感知するのに適する位置で患者の体に又はこの上に置かれるように構成される。一実施形態では、ボイスセンサ1414Cは、マイクロホンを含む。一実施形態では、ボイスセンサ1414Cは、埋め込み可能ボイスセンサを含む。迷走神経は、喉頭筋を活性化することによって嗄声のような患者の声の変化を引き起こすことは公知である。従って、ボイス信号の一定の変化は、誘発神経筋反応を含む喉頭筋107の活動を示している。ボイス感知回路1415Cは、ボイスセンサ1414Cによって感知されたボイス信号を処理する。誘発筋反応検出回路1216又は1316は、ボイス信号の周波数特性の変化を検出することなどによって処理されたボイス信号を使用して誘発筋反応を検出する。
【0064】
図15は、迷走神経刺激中に誘発反応検出に対する自動閾値調節(「自動感知」とも呼ばれる)の方法1500の実施形態を示す流れ図である。様々な実施形態では、方法1500は、本文献で説明するその様々な実施形態を含むシステム100を使用して実施される。自動閾値調節は、本文献で説明するその様々な実施形態を含む誘発反応検出回路116によって使用される1つ又はそれよりも多くの検出閾値の自動調節を提供する。様々な実施形態では、誘発反応検出回路116は、指定されたスケジュールに従って方法1500を実施するように構成される。一実施形態では、誘発反応検出回路116は、毎月、毎週、毎日、毎時、神経刺激パルスのバースト毎、又は神経刺激パルスのパルス毎など定期的に方法1500を実施するように構成される。
【0065】
1502において、神経刺激パルスは、迷走神経に送出される。1504において、生理的信号が感知される。生理的信号は、各々が神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示している。1506において、誘発反応は、生理的信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって検出される。1508において、1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、必要に応じて検出された誘発神経反応を使用して調節される。
【0066】
一実施形態では、生理的信号は、1504において誘発反応センサ214及びセンサ処理回路215を使用して感知される。誘発反応は、1506において誘発反応検出回路316によって検出される。1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、感知パラメータ調節器321によって調節される。感知調節タイマ322は、指定されたスケジュールに従って又はユーザ指令に応答して方法1500の実施を時間設定する。
【0067】
一実施形態では、生理的信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む迷走神経における神経活動を表す神経信号を含み、誘発反応は、誘発神経反応を含む。1504において、神経信号が感知される。1506において、誘発神経反応が検出される。一実施形態では、誘発神経反応を表す誘発神経反応波形が検出されて格納される。波形は、1つの検出された誘発神経反応又はいくつかの検出された誘発神経反応の平均のものである。一実施形態では、誘発神経反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータが、測定される。1つ又はそれよりも多くの特性パラメータの例は、上述のように、誘発A繊維反応の振幅、誘発A繊維反応の幅、誘発B繊維反応の振幅、及び誘発B繊維反応の幅を含む。一実施形態では、測定された1つ又はそれよりも多くの特性パラメータは、予定通り又は必要に応じてユーザに表示するために示され及び/又は格納される。1506において、検出閾値A及び検出閾値Bのような1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、検出された誘発神経反応を使用して調節される。一実施形態では、検出された誘発神経反応は、格納された基準反応と比較される。これは、誘発神経反応波形を格納された基準波形と比較する段階及び/又は1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを格納された1つ又はそれよりも多くの基準特性パラメータと比較する段階を含む。基準波形及び/又は1つ又はそれよりも多くの基準特性パラメータは、患者に対する初期システム設定(埋め込み可能システム432の埋め込みのような)中に、再検査来院中に、又は一定の基準が合っている時の誘発神経反応検出回路916によって自動的に患者に対して確立される。1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、格納された基準反応から実質的に外れた検出された誘発神経反応に応答して調節される。一実施形態では、ユーザは、格納された基準反応から実質的に外れた検出された誘発神経反応に応答して注意を喚起される。
【0068】
一実施形態では、生理的信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む喉頭筋の活動を表す喉頭信号を含み、誘発反応は、誘発筋反応を含む。1504において、喉頭信号が感知される。1506において、誘発喉頭筋反応が検出される。一実施形態では、誘発筋反応を表す誘発筋反応波形が検出されて格納される。波形は、1つの検出された誘発筋反応又はいくつかの検出された誘発筋反応の平均のものである。一実施形態では、誘発筋反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータが測定される。1つ又はそれよりも多くの特性パラメータの例は、感知喉頭信号の最大振幅を含む。一実施形態では、測定された1つ又はそれよりも多くの特性パラメータは、予定通り又は必要に応じてユーザに表示するために示され及び/又は格納される。1506において、1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、検出された誘発筋反応を使用して調節される。一実施形態では、検出された誘発筋反応は、格納された基準反応と比較される。これは、誘発反応波形を格納された基準波形と比較する段階及び/又は1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを格納された1つ又はそれよりも多くの基準特性パラメータと比較する段階を含む。基準波形及び/又は1つ又はそれよりも多くの基準特性パラメータは、患者に対する初期システム設定中に(埋め込み可能システム432の埋め込みのような)、再検査来院中に又は一定の基準が合っている時に誘発筋反応検出回路916によって自動的に患者に対して確立される。1つ又はそれよりも多くの検出閾値は、格納された基準反応から実質的に外れた検出された誘発筋反応に応答して調節される。一実施形態では、ユーザは、格納された基準反応から実質的に外れた検出された誘発筋反応に応答して注意を喚起される。
【0069】
図16は、迷走神経刺激に対して刺激強度を調節する方法1600の実施形態を示す流れ図である。様々な実施形態では、方法1600は、本文献で説明するその様々な実施形態を含むシステム100を使用して実施される。
【0070】
1602において、神経刺激パルスは、迷走神経に送出される。1604において、神経刺激パルスの送出は、刺激強度を使用して制御される。刺激強度は、パルス振幅及びパルス幅を含む刺激パラメータを調節することによって調節可能である。1606において、刺激強度は、指定された増分で掃引される。1608において、生理的信号が感知される。生理的信号は、各々が神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示している。1610において、誘発反応が検出される。1612において、刺激閾値が判断される。刺激閾値は、誘発反応の1つ又はそれよりも多くの指定された特性を提供するための最小レベルの刺激強度である。1614において、刺激強度は、刺激閾値を使用して指定された生理的機能を調節するように調節される。一実施形態では、生理的機能は、心臓血管機能を含む。一実施形態では、方法1600の各性能から測定された刺激閾値が示されている。様々な実施形態では、刺激閾値の傾向を使用して、病態及び/又はデバイス問題を示している。例えば、実質的に刺激閾値を増大させることで、電気接続不足又はリード欠陥のようなデバイス問題又は神経損傷のような病態を示すことができる。これが起こると、ユーザは、患者及び神経刺激システムを調べるために注意を喚起される。刺激強度がその最大レベルにより掃引された後に、刺激閾値が判断されない場合、ユーザはまた、異常に高い刺激閾値がデバイス問題又は病態を示すので注意を喚起される。
【0071】
一実施形態では、刺激パラメータ調節器323は、1606において刺激強度の掃引を制御する。生理的信号は、1608において誘発反応センサ214及びセンサ処理回路215を使用して感知される。誘発反応は、1610において誘発反応検出回路316によって検出される。刺激閾値は、1612において刺激パラメータ調節器323によって判断される。刺激強度は、1614において、刺激パラメータ調節器323によって調節される。刺激調節タイマ324は、指定されたスケジュールに従って又はユーザ指令に応答して方法1600の実施を開始し及び/又は時間設定する。
【0072】
一実施形態では、生理的信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む迷走神経における神経活動を表す神経信号を含み、誘発反応は、誘発神経反応を含む。1608において、神経信号が検出される。1610において、誘発神経反応が検出される。一実施形態では、誘発神経反応を表す誘発神経反応波形が検出されて格納される。波形は、1つの検出された誘発神経反応又はいくつかの検出された誘発神経反応の平均のものである。1612において、誘発神経反応の1つ又はそれよりも多くの指定された効果に対する刺激閾値が判断される。1つ又はそれよりも多くの指定された効果の例は、検出窓A中の感知神経信号の振幅が閾値振幅に達すること、検出窓A中に検出誘発反応の幅が閾値幅に達すること、誘発B繊維反応が検出窓B中に検出されること、及び検出された誘発神経反応波形と格納された基準波形の間の相関が閾値相関に達することを含む。1614において、刺激強度は、刺激閾値を使用して心臓血管機能のような指定された生理的機能を調節するように調節される。
【0073】
一実施形態では、生理的信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む喉頭筋の活動を表す喉頭信号を含み、誘発反応は、誘発筋反応を含む。1608において、喉頭信号が検出される。1610において、誘発筋反応が検出される。一実施形態では、誘発筋反応を表す誘発筋反応波形が検出されて格納される。波形は、1つの検出された誘発筋反応又はいくつかの検出された誘発筋反応の平均のものである。1612において、誘発筋反応の1つ又はそれよりも多くの指定された効果に対する刺激閾値が判断される。1つ又はそれよりも多くの指定された効果の例は、検出窓中の感知喉頭信号の振幅が閾値振幅に達すること、誘発筋反応が検出窓中に検出され、検出された誘発筋反応波形と格納された基準波形の間の相関が閾値相関に達することを含む。1614において、刺激強度は、刺激閾値を使用して心臓血管機能のような指定された生理的機能を調節するように調節される。
【0074】
感知された生理的信号が喉頭信号を含む一実施形態では、閾値振幅は、誘発筋反応の検出を可能にする喉頭信号の最小振幅に設定され、対応する刺激閾値は、初期刺激閾値として記録される。刺激強度は、初期刺激閾値と心臓血管機能のような指定された生理的機能に関連付けられた刺激強度の値の間の所定の関係を使用して計算されたレベルに調節される。A繊維は、主として喉頭筋の活性化の役割を担う迷走神経のモータ繊維に対応し、B繊維は、主として心臓血管機能を含む生理的機能の調節の役割を担う迷走神経の副交感神経繊維の一部に対応すると考えられるので、所定の関係は、A繊維を活性化するための刺激閾値(閾値A)とB繊維を活性化するための刺激閾値(閾値B)の間の関係である。実験データは、このような関係が定数によって近似値を判断することができることを示している。図17は、このような関係の例を示す図である。プロットは、様々なパルス幅に対して、閾値Bと閾値Aの間の差対閾値Bと閾値Aの合計の比率、すなわち、(閾値B−閾値A)/(閾値B+閾値A)の正規化ダイナミックレンジを示し、ここで閾値Aは、A繊維の約50%を動員するための刺激閾値であり、閾値Bは、B繊維の約50%を動員するための刺激閾値である。従って、刺激強度は、初期刺激閾値に定数を掛けることによって計算される。
【0075】
一実施形態では、方法1600は、システム100によって自動的に実施される。この自動刺激強度調節(「自動閾値」とも呼ばれる)は、指定された生理的機能を調節するために刺激強度の自動調節を行う。様々な実施形態では、本文献で説明するようなそれらの様々な実施形態を含む制御回路112及び誘発反応検出回路116は、指定されたスケジュールに従って方法1600を実施するように構成される。一実施形態では、制御回路112及び誘発反応検出回路116は、毎月、毎週、毎日、毎時、神経刺激パルスのバースト毎、又は神経刺激パルスのパルス毎など定期的に方法1600を実施するように構成される。他の実施形態では、刺激強度の調節は、図18及び図19を参照して以下で説明するようなシステム100を使用してユーザによって実施される。
【0076】
図18は、埋め込み可能医療デバイスの埋め込み中に迷走神経刺激に対して刺激強度を調節する方法1800の実施形態を示す流れ図である。一実施形態では、方法1800は、本文献で説明するその様々な実施形態を含むシステム100を使用してユーザによって実施される。
【0077】
1802において、刺激電極は、患者の迷走神経上に置かれる。1804において、刺激電極は、迷走神経に神経刺激パルスを送出するために刺激出力回路111と制御回路112とを含む神経刺激器に接続される。神経刺激器は、埋め込み処理中に使用するための外部デバイス又は患者の中に埋め込むように考えられている埋め込み可能医療デバイスとすることができる。
【0078】
1806において、誘発反応センサは、各々が神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知するために患者に置かれる。様々な実施形態では、これは、神経信号を感知するために迷走神経上に神経感知電極を置く段階及び/又は喉頭信号を感知するのに適する位置に喉頭活動センサを置く段階を含む。神経信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む迷走神経における神経活動を表している。喉頭信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む喉頭筋の活動を表している。様々な実施形態では、誘発反応センサは、埋め込み処理中の一時使用のためであり又は患者の中に埋め込み可能医療デバイスを埋め込むように考えられている場合がある。
【0079】
1808において、神経刺激パルスは、刺激電極を通して送出される。神経刺激パルスの送出は、指定された低レベルで始まる刺激強度を使用して制御される。刺激強度は、パルス振幅及び/又はパルス幅を含む1つ又はそれよりも多くの刺激パラメータによって制御される。1810において、生理的信号が感知される。
【0080】
1812において、波形及び測定情報を含む誘発反応は、ユーザに対してディスプレイスクリーン上に示される。生理的信号が神経刺激を含む時に、図示の情報の例は、誘発神経反応の振幅と、複数の誘発神経反応の合計と、神経刺激パルスの送出とその神経刺激パルスの送出から生じる誘発神経反応の検出との間の時間と、反応特性の表記法(例えば、「A繊維」及び「B繊維」ラベル)と、刺激強度を制御するものを含む刺激パラメータとを含む。生理的信号が喉頭信号を含む時に、図示の情報の例は、誘発筋反応の振幅と、複数の誘発筋反応の合計と、神経刺激パルスの送出とその神経刺激パルスの送出から生じる誘発筋反応の検出との間の時間と、刺激強度を制御するものを含む刺激パラメータとを含む。
【0081】
1816において、ユーザが、1814において誘発神経反応に満足していない場合、刺激強度は、パルス振幅及び/又はパルス幅を増大することによって増加される。刺激強度をそれ以上増大することができない場合、ユーザは、神経刺激の有効性を阻止する起こり得る病態に関して患者及び/又は起こり得るデバイス及び/又は接続問題に関してシステムを調べるように注意を喚起される。1818において、ユーザが、1814において刺激強度のレベルに関連付けられた誘発神経反応に満足している場合、刺激強度のそのレベルは(パルス振幅及びパルス幅の観点から)、埋め込み可能医療デバイスから送出されたその後の迷走神経刺激治療のために格納されて使用される。誘発反応センサは、それが埋め込み処理中の一時使用のためである場合には取り外される。
【0082】
図19は、埋め込み可能医療デバイスを使用する患者による再検査来院中に迷走神経刺激に対して刺激強度を調節する方法1900の実施形態を示す流れ図である。方法1900は、方法1800の後に実施される。一実施形態では、方法1900は、本文献で説明するその様々な実施形態を含むシステム100を使用してユーザによって実施される。
【0083】
1902において、埋め込み可能医療デバイスの強度調節機能が、ユーザによって開始される。一実施形態では、刺激調節タイマ423は、埋め込み可能医療デバイスに通信可能に結合された外部システムを使用してユーザによって入力されたユーザ指令に応答して刺激強度の調節を開始する。1904において、刺激強度レベルが掃引される。これは、指定された低値からのパルス振幅及び/又はパルス幅を区分的に増加させる段階を含む。
【0084】
1906において、生理的信号は、埋め込み可能医療デバイスを有する患者に埋め込まれた誘発反応センサを使用して感知される。これは、神経信号及び/又は喉頭信号を感知する段階を含む。1908において、誘発神経反応及び/又は誘発筋反応を含む誘発反応が検出される。1910において、検出誘発反応を表すデータは、外部システムに対して遠隔測定される。
【0085】
1912において、波形及び測定情報を含む誘発反応は、ユーザに対して遠隔測定データを使用して外部システムのディスプレイスクリーン上に示される。生理的信号が神経信号を含む時に、図示の情報の例は、誘発神経反応の振幅と、複数の誘発神経反応の合計と、神経刺激パルスの送出とその神経刺激パルスの送出から生じる誘発神経反応の検出との間の時間と、反応特性の表記法(例えば、「A繊維」及び「B繊維」ラベル)と、刺激強度を制御するものを含む刺激パラメータとを含む。生理的信号が喉頭信号を含む時に、図示の情報の例は、誘発筋反応の振幅と、複数の誘発筋反応の合計と、神経刺激パルスの送出とその神経刺激パルスの送出から生じる誘発筋反応の検出との間の時間と、刺激強度を制御するものを含む刺激パラメータとを含む。
【0086】
1916において、ユーザが、1914において誘発神経反応に満足していない場合、刺激強度は、パルス振幅及び/又はパルス幅を増大することによって増加される。刺激強度をそれ以上増大することができない場合、ユーザは、神経刺激の有効性を阻止する起こり得る病態に関して患者及び/又は起こり得るデバイス及び/又は接続問題に関してシステムを調べるように注意を喚起される。1918において、ユーザが、1914において刺激強度のレベルに関連付けられた誘発神経反応に満足している場合、刺激強度のそのレベルは(パルス振幅及びパルス幅の観点から)、埋め込み可能医療デバイスから送出されたその後の迷走神経刺激治療のために格納されて使用される。
【0087】
図20は、迷走神経刺激に対して自動補捉検証(「自動補捉」とも呼ばれる)の方法2000の実施形態を示す流れ図である。様々な実施形態では、方法2000は、本文献で説明するその様々な実施形態を含むシステム100を使用して実施される。自動補捉検証は、神経刺激パルス及び刺激強度の調節によって迷走神経の補捉の自動検証を行う。様々な実施形態では、本文献で説明するようなそれらの様々な実施形態を含む制御回路112及び誘発反応検出回路116は、指定されたスケジュールに従って方法1600を実施するように構成される。一実施形態では、制御回路112及び誘発反応検出回路116は、毎月、毎週、毎日、毎時、神経刺激パルスのバースト毎、又は神経刺激パルスのパルス毎など定期的に方法1600を実施するように構成される。
【0088】
2002において、神経刺激パルスは、迷走神経に送出される。2004において、神経刺激パルスの送出は、刺激強度を使用して制御される。刺激強度は、パルス振幅及びパルス幅を含む刺激パラメータを調節することによって調節される。2006において、補捉検証が実施される。補捉検証は、2008において各々が神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知する段階と、2010において送出された神経刺激パルスの各パルスに対する誘発反応のうちの1つを検出する段階と、2012において刺激強度を調節する段階とを含む。刺激強度は、指定された数の送出された神経刺激パルスに対して検出されなかった(すなわち、非補捉)誘発反応のうちの指定された1つ又はそれよりも多くに応答して調節される。これは、神経刺激パルスのパルス振幅及び/又はパルス幅の調節を含む。一実施形態では、刺激強度は、送出された神経刺激パルスのうちの1つに対して検出されていない誘発反応に応答して調節される。別の実施形態では、刺激強度は、指定された第2の数の送出された神経刺激パルスからの指定された第1の数の送出された神経刺激パルスに対して検出されていない誘発反応に応答して調節される。別の実施形態では、刺激強度は、送出された神経刺激パルスの移動平均数に対して検出されていない誘発反応に応答して調節される。一実施形態では、方法2000は、神経刺激パルスで送出された不要なエネルギを阻止してデバイス長さを容易にするように低下した刺激強度で実施される。許容できない程度の補捉の損失が、刺激強度が利用可能最大レベルくらいまで設定される時に起こる場合、ユーザは、神経刺激の有効性を阻止する起こり得る病態に関して患者及び/又は起こり得るデバイス及び/又は接続問題に関してシステムを調べるように注意を喚起される。
【0089】
一実施形態では、刺激パラメータ調節器323は、2004において刺激強度を制御する。生理的信号は、2008において誘発反応センサ214及びセンサ処理回路215を使用して感知される。誘発反応は、2010において誘発反応検出回路316によって検出される。刺激強度は、2012において刺激パラメータ調節器323によって調節される。刺激調節タイマ324は、指定されたスケジュールに従って又はユーザ指令に応答して方法2000の実施を開始し及び/又は時間設定する。
【0090】
一実施形態では、生理的信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む迷走神経における神経活動を表す神経信号を含み、誘発反応は、誘発神経反応を含む。2008において、神経信号が感知される。2010において、送出された神経刺激パルスの各パルスに対する誘発神経反応のうちの1つが検出される。2012において、刺激強度は、指定された数の送出された神経刺激パルスに対して指定された1つ又はそれよりも多くの検出されなかった(すなわち、非補捉)誘発神経反応に応答して調節される。一実施形態では、刺激強度は、送出された神経刺激パルスのうちの1つに対して検出されていない誘発神経反応に応答して調節される。別の実施形態では、刺激強度は、指定された第2の数の送出された神経刺激パルスからの指定された第1の数の送出された神経刺激パルスに対して検出されていない誘発神経反応に応答して調節される。別の実施形態では、刺激強度は、送出された神経刺激パルスの移動平均数に対して検出されていない誘発神経反応に応答して調節される。
【0091】
一実施形態では、生理的信号は、神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む喉頭筋の活動を表す喉頭信号を含み、誘発反応は、誘発筋反応を含む。2008において、喉頭信号が感知される。2010において、送出された神経刺激パルスの各パルスに対する誘発筋反応のうちの1つが検出される。2012において、刺激強度は、指定された数の送出された神経刺激パルスに対して指定された1つ又はそれよりも多くの検出されなかった(すなわち、非補捉)誘発筋反応に応答して調節される。一実施形態では、刺激強度は、送出された神経刺激パルスのうちの1つに対して検出されていない誘発筋反応に応答して調節される。別の実施形態では、刺激強度は、指定された第2の数の送出された神経刺激パルスからの指定された第1の数の送出された神経刺激パルスに対して検出されていない誘発筋反応に応答して調節される。別の実施形態では、刺激強度は、送出された神経刺激パルスの移動平均数に対して検出されていない誘発筋反応に応答して調節される。
【0092】
一実施形態では、自動閾値調節(自動感知)、自動刺激強度調節(自動閾値)、及び自動補捉検証(自動補捉)の各々は、感知された生理的信号のノイズが、例えば、患者の活動及び会話により指定された閾値ノイズを超える場合に停止されるか又は遅延される。一実施形態では、自動閾値調節(自動感知)、自動刺激強度調節(自動閾値)、及び自動補捉検証(自動補捉)の各々は、患者の姿勢及び活動レベルに対して調節された検出閾値のような様々なパラメータで実施される。
【0093】
以上の詳細説明は、例示的であるように考えられるものであり、制限するものではないことを理解すべきである。他の実施形態は、以上の説明を読んで理解すると当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、従って、このような特許請求の範囲が権利を与えられる均等物の全範囲と共に特許請求の範囲に関連して判断すべきである。
本発明は、以下のような態様であってもよい。
(1)1つのタイプの神経繊維に各々が対応するA繊維及びB繊維を備えた神経を有する身体に神経刺激を送出する方法であって、神経刺激パルスを神経に送出する段階と、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記神経における神経活動を表す神経信号を感知する段階と、前記刺激パルスのうちの前記1つの前記送出時に始まる遅延間隔を時間設定する段階と、前記遅延間隔の満了時に始まる第1の検出窓を時間設定する段階と、前記第1の検出窓の満了時に始まる第2の検出窓を時間設定する段階と、前記第1の検出窓中に前記感知神経信号を第1の検出閾値と比較することによって前記誘発神経反応の誘発A繊維反応を検出する段階、及び前記第2の検出窓中に前記感知神経信号を第2の検出閾値と比較することによって前記誘発神経反応の誘発B繊維反応を検出する段階、を含む前記誘発神経反応を検出する段階と、を含むことを特徴とする方法。
(2) 前記神経刺激パルスの刺激強度を制御する段階を含み、前記制御する段階は、前記刺激強度の最小値で前記神経刺激パルスの前記送出を始める段階と、前記検出された誘発A繊維反応及び前記検出された誘発B繊維反応が所定の基準を満足するまで該刺激強度の値を区分的に増加させる段階とを含む、ことを特徴とする上記(1)に記載の方法。
(3)前記検出された誘発筋反応の振幅、複数の前記検出された誘発神経反応の合計、及び前記神経刺激パルスのうちの1つの前記送出と該神経刺激パルスのうちの該1つの該送出から生じる前記誘発神経反応のうちの1つの前記検出との間の時間、のうちの1つ又はそれよりも多くを測定して表示する段階を含むことを特徴とする上記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記誘発A繊維反応及び前記誘発B繊維反応を含む反応タイプの表記法を表示する段階を含むことを特徴とする上記(1)から(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)前記第1の検出窓中の前記感知神経信号のピーク振幅を含む前記誘発A繊維反応の振幅、前記感知神経信号の前記振幅が前記第1の検出窓中に前記第1の検出閾値を超える時間間隔を含む前記誘発A繊維反応の幅、前記第2の検出窓中の前記感知神経信号のピーク振幅を含む前記誘発B繊維反応の振幅、及び前記感知神経信号の前記振幅が前記第2の検出窓中に前記第2の検出閾値を超える時間間隔を含む前記誘発B繊維反応の幅、のうちの1つ又はそれよりも多くを含む1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する段階を含むことを特徴とする上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)前記測定された1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを使用して前記第1の検出閾値及び前記第2の検出閾値のうちの1つ又はそれよりも多くを調節する段階を含むことを特徴とする上記(5)に記載の方法。
(7)前記測定された1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを格納された1つ又はそれよりも多くの基準特性パラメータと比較する段階と、前記基準の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータから実質的に外れた前記測定された1つ又はそれよりも多くの特性パラメータに応答して警告信号を生成する段階と、を含むことを特徴とする上記(5)に記載の方法。
(8)前記神経刺激パルスの刺激強度を制御する段階を含み、前記制御する段階は、指定された増分で前記刺激強度のレベルにわたって掃引しながら前記神経刺激パルスを送出する段階と、前記誘発神経反応における1つ又はそれよりも多くの指定された効果に関して刺激閾値を判断する段階とを含む、ことを特徴とする上記(1)から(7)のいずれか1つに記載の方法。
(9)前記刺激閾値を判断する段階は、前記第1の検出窓中に前記感知神経信号の前記振幅が閾値振幅に達すること、前記検出窓B中に検出された前記誘発反応の前記幅が閾値幅に達すること、前記誘発B繊維反応が前記検出窓B中に検出されること、及び前記検出誘発反応の波形と前記基準の波形との間の相関が閾値相関に達すること、のうちの1つ又はそれよりも多くを検出する段階を含む、ことを特徴とする上記(8)に記載の方法。
(10)前記神経刺激パルスの刺激強度を制御する段階と、指定された数の前記送出された神経刺激パルスに対して検出されている前記誘発神経反応のいずれにも応答せずに該刺激強度を調節する段階とを含むことを特徴とする上記(1)から(9)のいずれか1つに記載の方法。
(11)迷走神経及び喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出するためのシステムであって、神経刺激パルスを迷走神経に送出するように構成された刺激出力回路と、前記神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を受け取り、かつ該生理的信号及び1つ又はそれよりも多くの検出閾値を使用して該誘発反応を検出するように構成された誘発反応検出回路と、前記検出誘発反応及び格納された基準反応を使用して前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節するように構成された感知パラメータ調節器を含む制御回路と、を含むことを特徴とするシステム。
(12)前記誘発反応検出回路は、前記検出誘発反応を表す1つ又はそれよりも多くの反応信号を発生させるように構成され、前記制御回路は、該1つ又はそれよりも多くの反応信号を使用して前記神経刺激パルスの前記送出を制御するように構成されることを特徴とする上記(11)に記載のシステム。
(13)前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を受け取り、かつ前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を使用して該誘発神経反応を検出するように構成された誘発神経反応検出回路を含むことを特徴とする上記(11)または(12)に記載のシステム。
(14)前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を受け取り、かつ前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を使用して該誘発筋反応を検出するように構成された誘発筋反応検出回路を含むことを特徴とする上記(11)から(13)のいずれか1つに記載のシステム。
(15)前記喉頭信号は、筋電図(EMG)信号を含み、前記EMG信号を感知するように構成されたEMG感知回路、を含むことを特徴とする上記(14)に記載のシステム。
(16)前記喉頭信号は、加速度信号を含み、前記加速度信号を感知するように構成された加速度計と、前記加速度計に結合されて前記加速度信号を感知するように構成された活動感知回路と、を含むことを特徴とする上記(14)に記載のシステム。
(17)前記喉頭信号は、ボイス信号を含み、前記ボイス信号を感知するように構成されたボイスセンサと、前記ボイスセンサに結合されて前記ボイス信号を感知するように構成されたボイス感知回路と、を含むことを特徴とする上記(14)に記載のシステム。
(18)前記制御回路は、指定されたスケジュールに従って前記検出誘発反応及び前記格納された基準反応を使用して前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節するように構成された感知調節タイマを含むことを特徴とする上記(11)から(17)のいずれか1つに記載のシステム。
(19)前記神経刺激出力回路と、前記誘発神経反応検出回路と、前記制御回路とを含む埋め込み可能医療デバイスを含むことを特徴とする上記(11)から(18)のいずれか1つに記載のシステム。
(20)前記埋め込み可能医療デバイスは、心臓律動管理デバイスを更に含むことを特徴とする上記(19)に記載のシステム。
(21)迷走神経及び喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出する方法であって、神経刺激パルスを迷走神経に送出する段階と、各々が前記神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知する段階と、前記生理的信号を1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって前記誘発反応を検出する段階と、前記検出誘発反応を使用して前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階と、を含むことを特徴とする方法。
(22)前記検出誘発反応を格納された基準反応と比較する段階と、前記格納された基準反応との前記検出誘発反応の前記比較の結果を使用して前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階と、を含むことを特徴とする上記(21)に記載の方法。
(23)前記生理的信号を感知する段階は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を感知する段階を含み、前記誘発反応を検出する段階は、該神経信号を前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって該誘発神経反応を検出する段階を含み、該1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階は、該検出された誘発神経反応を使用して該1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階を含むことを特徴とする上記(21)または(22)に記載の方法。
(24)前記生理的信号を感知する段階は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を感知する段階を含み、前記誘発反応を検出する段階は、該喉頭信号を前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって該誘発筋反応を検出する段階を含み、該1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階は、該検出された誘発筋反応を使用して該1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階を含むことを特徴とする上記(21)から上記(23)のいずれか1つに記載の方法。
(25)前記検出誘発反応を前記格納された基準反応と比較する段階は、前記検出誘発反応を表す誘発反応波形を生成する段階と、前記誘発反応波形を格納された基準波形と比較する段階と、を含む、ことを特徴とする上記(22)から(24)のいずれか1つに記載の方法。
(26)前記検出誘発反応を前記格納された基準反応と比較する段階は、前記検出誘発反応の1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する段階と、前記1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを格納された1つ又はそれよりも多くの基準特性パラメータと比較する段階と、を含む、ことを特徴とする上記(22)から(24)のいずれか1つに記載の方法。
(27)前記検出誘発反応の前記1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する段階は、該検出誘発反応から各々を平均値として該1つ又はそれよりも多くの特性パラメータを測定する段階を含むことを特徴とする上記(26)に記載の方法。
(28)前記格納された基準反応から実質的に外れた前記検出誘発反応に応答して警告信号を生成する段階を含むことを特徴とする上記(22)から(27)のいずれか1つに記載の方法。
(29)指定されたスケジュールに従って前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階を含むことを特徴とする上記(21)から(28)のいずれか1つに記載の方法。
(30)ユーザ指令に応答して前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値を調節する段階を含むことを特徴とする上記(21)から(29)のいずれか1つに記載の方法。
(31)迷走神経及び喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出するためのシステムであって、神経刺激パルスを迷走神経に送出するように構成された刺激出力回路と、前記神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を受け取り、かつ該生理的信号を使用して該誘発反応を検出するように構成された誘発反応検出回路と、前記検出誘発反応を使用して刺激強度を調節するように構成された刺激パラメータ調節器、及び指定されたスケジュールに従って前記検出誘発反応を使用して前記刺激強度の前記調節を時間設定するように構成された刺激調節タイマ、を含み、前記刺激強度を使用して前記神経刺激パルスの前記送出を制御するように構成された制御回路と、を含むことを特徴とするシステム。
(32)前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を受け取り、かつ該誘発神経反応を検出するように構成された誘発神経反応検出回路を含むことを特徴とする上記(31)に記載のシステム。
(33)前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を受け取り、かつ該誘発筋反応を検出するように構成された誘発筋反応検出回路を含むことを特徴とする上記(31)または(32)に記載のシステム。
(34)迷走神経及び喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出する方法であって、神経刺激パルスを迷走神経に送出する段階と、刺激強度を使用して前記神経刺激パルスの前記送出を制御する段階と、指定された増分で前記刺激強度のレベルにわたって掃引する段階と、各々が前記神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知する段階と、前記生理的信号を使用して前記誘発反応を検出する段階と、前記誘発反応の1つ又はそれよりも多くの指定された特性を提供するための前記刺激強度の最小レベルである刺激閾値を判断する段階と、前記刺激閾値を使用して指定された生理的機能を調節するために前記刺激強度を調節する段階と、を含むことを特徴とする方法。
(35)前記生理的信号を感知する段階は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を感知する段階を含み、前記誘発反応を検出する段階は、該神経信号を前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって該誘発神経反応を検出する段階を含み、前記刺激閾値を検出する段階は、該誘発神経反応の1つ又はそれよりも多くの指定された特性を提供するための前記刺激強度の最小レベルである刺激閾値を判断する段階を含むことを特徴とする上記(34)に記載の方法。
(36)前記誘発神経反応を検出する段階は、誘発A繊維反応及び誘発B繊維反応を検出する段階を含み、前記刺激閾値を判断する段階は、前記A繊維反応の振幅が閾値振幅に達すること、前記A繊維反応の幅が閾値幅に達すること、及び前記誘発B繊維反応が検出されること、のうちの1つ又はそれよりも多くに関して前記刺激強度の最小レベルを判断する段階を含む、ことを特徴とする上記(35)に記載の方法。
(37)前記生理的信号を感知する段階は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を感知する段階を含み、前記誘発反応を検出する段階は、該喉頭信号を前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって該誘発筋反応を検出する段階を含み、前記刺激閾値を検出する段階は、該誘発筋反応の1つ又はそれよりも多くの指定された特性を提供するための前記刺激強度の最小レベルである刺激閾値を判断する段階を含むことを特徴とする上記(34)から(36)のいずれか1つに記載の方法。
(38)前記刺激閾値を判断する段階は、前記感知喉頭信号が刺激振幅を超えるように前記刺激強度の最小レベルを判断する段階を含むことを特徴とする上記(37)に記載の方法。
(39)前記刺激閾値を使用して前記刺激強度を調節する段階は、該刺激閾値と指定の生理的機能に関連付けられた該刺激強度の値との間の所定の関係を使用して該刺激強度を計算する段階を含むことを特徴とする上記(38)に記載の方法。
(40)前記検出誘発反応を表す誘発反応波形を生成する段階と、前記誘発反応波形と格納された基準波形の間の相関を判断する段階と、前記相関が閾値相関を超える前記刺激強度の最小レベルとして前記刺激閾値を判断する段階と、を含むことを特徴とする上記(34)から(39)のいずれか1つに記載の方法。
(41)迷走神経及び喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出するためのシステムであって、神経刺激パルスを迷走神経に送出するように構成された刺激出力回路と、前記神経刺激パルスによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を受け取り、かつ該生理的信号を使用して送出された該神経刺激パルスの各パルスに対して該誘発反応のうちの1つを検出するように構成された誘発反応検出回路と、指定された数の前記送出された神経刺激パルスに対して指定された数の検出されなかった前記誘発反応に応答して刺激強度を調節するように構成された刺激パラメータ調節器を含み、該刺激強度を使用して該神経刺激パルスの該送出を制御するように構成された制御回路と、を含むことを特徴とするシステム。
(42)指定されたスケジュールに従って前記刺激強度の前記調節を時間設定するように構成された刺激調節タイマを含むことを特徴とする上記(41)に記載のシステム。
(43)前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を受け取り、かつ該誘発神経反応を検出するように構成された誘発神経反応検出回路を含むことを特徴とする上記(41)または(42)に記載のシステム。
(44)前記誘発反応検出回路は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を受け取り、かつ該誘発筋反応を検出するように構成された誘発筋反応検出回路を含むことを特徴とする上記(41)から(43)のいずれか1つに記載のシステム。
(45)迷走神経及び喉頭筋を有する身体に神経刺激を送出する方法であって、神経刺激パルスを迷走神経に送出する段階と、刺激強度を使用して前記神経刺激の前記送出を制御する段階と、各々が前記神経刺激パルスのうちの1つによって誘発された生理的イベントである誘発反応を示す生理的信号を感知する段階、前記送出された神経刺激パルスの各パルスに対して前記誘発反応のうちの1つを検出する段階、及び指定された第2の数の前記送出された神経刺激パルスに対して指定された第1の数の検出されなかった前記誘発反応に応答して前記刺激強度を調節する段階、を含む補捉検証を実行する段階と、を含むことを特徴とする方法。
(46)前記生理的信号を感知する段階は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発神経反応を含む前記迷走神経における神経活動を表す神経信号を感知する段階を含み、前記誘発反応のうちの前記1つを検出する段階は、前記送出された神経刺激パルスの各パルスに対して該誘発神経反応のうちの該1つを検出する段階を含み、前記刺激強度を調節する段階は、前記指定された第2の数の該送出された神経刺激パルスに対して前記指定された第1の数の検出されなかった該誘発神経反応に応答して該刺激強度を調節する段階を含むことを特徴とする上記(45)に記載の方法。
(47)前記生理的信号を感知する段階は、前記神経刺激パルスのうちの1つによって各々が誘発された誘発筋反応を含む前記喉頭筋の活動を表す喉頭信号を感知する段階を含み、前記誘発反応を検出する段階は、該喉頭信号を前記1つ又はそれよりも多くの検出閾値と比較することによって該誘発筋反応を検出する段階を含み、前記刺激強度を調節する段階は、前記指定された第2の数の前記送出された神経刺激パルスに対して前記指定された第1の数の検出されなかった該誘発筋反応に応答して該刺激強度を調節する段階を含むことを特徴とする上記(45)または(46)に記載の方法。
(48)前記刺激強度を調節する段階は、あらゆる数の前記送出された神経刺激パルスに対して検出されなかった前記誘発反応のうちの1つに応答して該刺激強度を調節する段階を含むことを特徴とする上記(45)から(47)のいずれか1つに記載の方法。
(49)前記刺激強度を調節する段階は、移動平均数の前記送出された神経刺激パルスに対して前記指定された第1の数の検出されなかった前記誘発反応に応答して該刺激強度を調節する段階を含むことを特徴とする上記(45)から(47)のいずれか1つに記載の方法。
(50)指定されたスケジュールに従って前記補捉検証を実行する段階を含むことを特徴とする上記(45)から(49)のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0094】
111…刺激出力回路、210…刺激電極、212…制御回路、214…誘発反応センサ、218…ストレージ回路、220…パラメータ調節器。
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