【実施例】
【0223】
以下の調製および実施例は、本発明の特定の実施形態を例示するために提供されている。しかしこれらの特定の実施形態は、具体的に指摘されていない限り、本発明の範囲を限定することを決して意図するものではない。
以下の略語は、他に指摘されない限り、以下の意味を有し、本明細書中で使用され、定義されていない任意の他の略語は、これらの標準的で、一般的に受け入れられた意味を有する。
AcOH 酢酸
BF
3・OEt
2 ボロントリフルオリド−エチルエーテルコンプレックス
BOC t−ブトキシカルボニル(−C(O)OC(CH
3)
3)
CDI N,N”−カルボニルジイミダゾール
DCC ジシクロヘキシルカルボジイミド
DCM ジクロロメタンまたは塩化メチレン
DIPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
EDCI N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N”−エチルカルボジイミド
Et
3N トリエチルアミン
Et
2O ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
HATU N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート
HEPES 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LiHMDS リチウムヘキサメチルジシラジド
Mca (7−メトキシクマリン−4−イル)アシル
MeCN アセトニトリル
MeOH メタノール
Pd(dppf)
2Cl
2 1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンパラジウムクロリド
TBDMS t−ブチルジメチルシリル
TBDMS−Cl t−ブチルジメチルシリルクロリド
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
【0224】
特に示されていない限り、すべての材料、例えば試薬、出発物質および溶媒などは、民間の供給者(例えばSigma−Aldrich、およびFluka Riedel−de Haenなど)から購入し、さらなる精製なしで使用した。
【0225】
特に示されていない限り、反応は、窒素雰囲気下で行った。反応の進行は、薄層クロマトグラフィー(TLC)、分析用高速液体クロマトグラフィー(分析HPLC)、および質量分析法でモニターし、これらの詳細は具体例において示されている。分析用HPLCで使用した溶媒は、以下の通りであった。
溶媒Aは、98%H
2O/2%MeCN/1.0mL/LのTFA;溶媒Bは、90%MeCN/10%H
2O/1.0mL/LのTFAであった。
【0226】
各調製において具体的に記載されているように反応の後処理を行った。例えば、一般的には、抽出および他の精製方法、例えば温度依存性、および溶媒依存性の結晶化、および沈殿などによって、反応混合物を精製した。さらに、反応混合物は、通常Microsorb C18およびMicrosorb BDSカラム充填材料ならびに従来の溶離液を使用して、分取HPLCにより規定通りに精製した。反応の進行は、通常液体クロマトグラフィー質量分析法(LCMS)で測定した。異性体の特徴付けは、核オーバーハウザー効果スペクトロスコピー(NOE)で行った。反応生成物の特徴付けを質量分析法および
1H−NMR分光分析で規定通りに行った。NMR測定のため、試料を重水素化溶媒(CD
3OD、CDCl
3、またはDMSO−d
6)に溶解させ、標準的な観察条件下、Varian Gemini2000装置(400MHz)を用いて、
1H−NMRスペクトルを取得した。質量分析による化合物の同定は通常、エレクトロスプレーイオン化方法(ESMS)を使用して、Applied Biosystems(Foster City、CA)モデルAPI150EX装置またはAgilent(Palo Alto、CA)モデル1200LC/MSD装置を用いて行った。
【0227】
調製1
3−ニトロオキシメチルフェノール
【化117】
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【0228】
3−(ヒドロキシメチル)フェノール(2.5g、20.1mmol)の乾燥DCM(50mL)溶液に、PBr
3(6.5g、24.1mmol)を窒素下0℃で加えた。混合物を30分間撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO
3(10mL)で洗浄した。有機層を飽和水性NaCl(2×10mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮し、黄色の固体として化合物1(2.8g)を得た。
1H NMR: (CDCl
3) 4.431 (s, 2H), 6.747-6.786 (m, 1H), 6.869 (t, J = 2.1 Hz, 1H), 6.957 (d, J = 7.8 Hz, 1H) , 7.231 (t, J = 7.8 Hz, 1H).
【0229】
化合物1(2.77g、14.8mol)のCH
3CN(40mL)懸濁液に、AgNO
3(3.6g、21.2mmol)を窒素下0℃で加え、混合物を光から離れた位置に置いた。混合物を3時間撹拌し、次いで濾過した。沈殿した固体を濾別し、Et
2O(3×20mL)で洗浄した。濾液を真空中で濃縮した。残渣をDCM(30mL)に溶解させ、飽和水性NaCl(20mL)で洗浄した。水相をDCM(2×20mL)で抽出した。合わせた有機溶液を無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)で精製し、黄色の油状物として表題化合物(1.7g)を得た。
1H NMR: (CDCl
3) 5.123-5.317 (bs, 1H), 5.376 (s, 2H), 6.856-6.874 (m, 2H), 6.964 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 7.244-7.299 (m, 1H).
調製2
4−(3−ニトロオキシプロピル)フェノール
【化118】
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【0230】
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(20mg、120mmol)のMeOH(300mL)溶液に、SOCl
2(28.6g、240mmol)を窒素下0℃で加えた。生成した混合物を一晩撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)に溶解させ、飽和水性NaHCO
3(2×50mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮し、赤色の油状物(21.2g)として化合物1を得た。化合物1(19g、106mmol)の乾燥THF(200mL)溶液を、LAH(6g、158mmol)の乾燥THF(200mL)懸濁液に窒素下0℃でゆっくり加えた。混合物を室温に到達させ、次いで、2時間撹拌した。次いで、水(6mL)および15%水性NaOH(24mL)を加えた。追加の水(6mL)を加え、反応物をクエンチした。固体を濾過し、濾過ケークをEtOAcで数回洗浄した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc8:1〜5:1〜2:1)によって精製し、黄色の油状物(10g)として化合物2を得た。
【化119】
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【0231】
化合物2(10g、65.7mmol)の乾燥DCM(100mL)溶液に、PBr
3(21.4g、78.8mmol)を窒素下0℃で滴下添加した。生成した混合物を1時間撹拌し、次いで、水(2×100mL)および飽和水性NaHCO
3(100mL)で洗浄した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮し、黄色の油状物(7.8g)として粗製の化合物1を得た。粗製の材料の一部分(6.8g)をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc10:1)によって精製し、無色の油(5g)として化合物3を得た。化合物3(3g、13.9mmol)のMeCN(30mL)溶液に、AgNO
3(2,8g、16.7mmol)を加えた。生成した混合物を窒素下0℃で5時間(暗)撹拌した。冷却した後、混合物を濾過し、EtOAc(30mL)で希釈した。有機層を水および飽和水性NaClで洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。残りの残渣をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc15:1)によって精製し、黄色の油状物(1.7g)として表題化合物を得た。
調製3
4−(2,3−ビス−ニトロオキシプロピル)フェノール
【化120】
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【0232】
DCM(20mL)中の4−ブロモフェノール(2g、11.6mmol)およびEt
3N(2.3g、23.2mmol)の混合物を、0℃に冷却した。次いで、塩化アセチル(1g、12.7mmol)を0℃で滴下添加し、生成した混合物を1時間撹拌した。次いで、混合物をDCMで希釈し、飽和水性NH
4Cl(2×30mL)、水性NaHCO
3(2×30mL)、および飽和水性NaCl(30mL)で洗浄し、次いで乾燥させ、濃縮し、茶色の油状物(2.3g)として粗製の化合物1を得た。粗製の化合物1(1g、4.6mmol)の1,4−ジオキサン(15mL)溶液に、2−アリル−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン(940mg、5.6mmol)およびPd(dppf)
2Cl
2(10mg)を加えた。K
2CO
3(1.3g、9.2mmol)の水(1.5mL)溶液を加え、生成した混合物を窒素下で一晩還流させた。1,4−ジオキサンを真空中で除去した。残渣を水(20mL)に溶解させ、EtOAc(2×20mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc50:1)によって精製し、無色の油状物(550mg)として化合物2を得た。
【化121】
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【0233】
AgNO
3(232mg、1.4mmol)を、化合物2(200mg、1.1mol)のMeCN(20mL)溶液に加えた。次いで、I
2(365mg、1.4mmol)のMeCN(20mL)溶液を、−15℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、AgNO
3の別の部分(232mg、1.4mmol)を混合物に加えた。生成した混合物を、一晩還流させた。固体を濾別した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc10:1)によって精製し、黄色の油状物(230mg)として化合物3を得た。化合物3(230mg、766mmol)のMeCN(5mL)溶液に、ピロリジン(pyrrolidiene)(218mg、3mmol)を窒素下0℃で加えた。生成した混合物を5時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(5mL)に溶解させた。有機層を1MのHClおよび飽和水性NaClで洗浄し、乾燥させ、蒸発させた。生成物をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=15:1)によって精製し、黄色の油状物(120mg)として表題化合物を得た。
調製4
2−ヒドロキシエタンスルホン酸ヒドロキシアミド
【化122】
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【0234】
2−ヒドロキシエタンスルホン酸ナトリウム(50g、338mmol)のピリジン(300mL)溶液に、塩化アセチル(31.8g、405mmol)を窒素下0℃で滴下添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を濃縮し、水(250mL)を加え、続いてEtOAc(3×150mL)で抽出した。水溶液を濃縮し、赤色の油状物として化合物1(49g)を得た。
【0235】
化合物1(49g、258mmol)のDMF(500mL)懸濁液に、塩化スルホニル(153.3g、1.3mol)を窒素下0℃で滴下添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、混合物を氷冷水(500mL)に注ぎ入れ、EtOAc(3×250mL)で抽出した。合わせた有機層を1NのHCl(250mL)および飽和水性NaCl(250mL)で洗浄し、NaSO
4で乾燥させ、濃縮し、茶色の油状物として化合物2(28g)を得た。
【化123】
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【0236】
化合物2(28g、150mmol)の乾燥THF(750mL)溶液に、ヒドロキシルアミン塩酸塩(20.8g、0.3mol)およびK
2CO
3(82.8g、0.6mol)を逐次的に0℃で加えた。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した。生成した混合物を濾過し、濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=1:1)によって精製し、黄色の固体として表題化合物(2.5g)を得た。
1H NMR: (DMSO) 2.015 (s, 3H), 3.464 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 4.323 (t, J = 6.3 Hz, 1H), 9.229 (s, 1H), 9.636 (s, 1H).
調製5
4−ヒドロキシメチル−5−(5−ニトロオキシペンチル)−[1,3]ジオキソール−2−オン
【化124】
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【0237】
2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(13.4g、117.1mmol)およびピリジン(18.5g、234.2mmol)のDCM(300mL)溶液に、6−ブロモヘキサノイルクロリド(25g、117.1mmol)を窒素下0℃で加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。生成した溶液をクエン酸(250mL×2)および飽和水性NaCl(250mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮し、赤色の油状物として化合物1(28.4g)を得た。
【化125】
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【0238】
化合物1(28.4g、88.3mmol)およびベンジルアルコール(28.7g、265.0mmol)の乾燥トルエン(300mL)溶液を、4時間還流させた。生成した溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)によって精製し、黄色の油状物として化合物2(5g)を得た。
【化126】
[この文献は図面を表示できません]
【0239】
化合物2(17g、52mmol)のMeCN(210mL)溶液に、トシルアジド(12.3g、62.3mmol)を0℃で加えた。Et
3N(7.9g、77.9mmol)を加え、生成した混合物を室温で2日間撹拌した。溶媒を除去し、残渣をDCM(300mL)に溶解させ、水(150mL)および飽和水性NaCl(150mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1)によって精製し、黄色の固体として化合物3(10g、55%)を得た。LC−MS:[M+H]
+:353/355。
【化127】
[この文献は図面を表示できません]
【0240】
化合物3(6g、16.99mmol)のH
2O(30mL)およびTHF(30mL)溶液を、窒素下、四酢酸二ロジウム(150mg、340μmol)と共に1時間還流させ、室温に冷却させた。混合物をEtOAc(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(80mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、黄色の固体として化合物4(6g、粗製)を得た。LC−MS:[M+Na]
+:365/367。
【化128】
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【0241】
化合物4(6g、粗製)、CDI(5.5g、33.98mmol)およびDIPEA(220mg、1.7mmol)のTHF(50mL)溶液を、室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、DCM(300mL)で希釈し、水(50mL)および飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によって精製し、黄色の油状物として化合物5(4.7g)を得た。LC−MS:[M+H]
+:369/371。
【化129】
[この文献は図面を表示できません]
【0242】
化合物5(4.7g、12.73mmol)、水酸化パラジウム20%(450mg、636μmol)、およびシクロヘキセン(7.3g、89.11mmol)のEtOH(340mL)懸濁液を、1時間還流させた。濾過後、濾液を濃縮し、黄色の油状物として化合物6(3.7g、粗製)を得た。LC−MS:[M+H]
+:279/281。
【化130】
[この文献は図面を表示できません]
【0243】
窒素下0℃で撹拌した化合物6(3.7g、13.3mmol)および塩化オキサリル(3.4g、34mmol)のDCM(100mL)溶液に、DMF(0.2mL)を加えた。混合物を1時間撹拌し、次いで、溶媒を蒸発させた。残渣をDCM(50mL)に溶解させ、溶液を−78℃に冷却した。DCM(50mL)中のテトラブチルアンモニウム(Tetrabutylammoniun)ボロヒドリド(3.8g、14.6mmol)を滴下添加し、混合物を−78℃で2時間撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、室温に到達させた。混合物をDCM(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(300mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=3:1)によって精製し、黄色の油状物として化合物7(2g)を得た。LC−MS:[M+H]
+:265/267。
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0244】
化合物7(2g、7.5mmol)および硝酸銀(3.2g、18.9mmol)のMeCN(100mL)懸濁液を、60℃で一晩撹拌し、溶液を光源から遠くに置いた。混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によって精製し、黄色の油状物として表題化合物(680mg)を得た。LC−MS:[M+Na]
+:270。
1HNMR: (CDCl
3) 1.438-1.504 (m, 2H), 1.616-1.718 (m, 2H), 1.739-1.936 (m, 2H), 2.045-2.508 (m, 2H), 4.416-4.476 (m, 4H).
調製6
4−(4,5−ビス−ニトロオキシペンチル)−5−ヒドロキシメチル−[1,3]ジオキソール−2−オン
【化132】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
ヘキサ−5−エン酸メチルエステル(5g、39mmol)のMeCN(75mL)溶液に、AgNO
3(7.9g、47mmol)を加え、次いで、I
2(11.9g、47mmol)のMeCN(250mL)溶液を、0℃で滴下添加した。混合物を室温に2時間温めた。AgNO
3(23.7g、140mmol)を加え、混合物を一晩還流加熱し、完了についてモニターした。混合物を濾過し、濾液を濃縮した。水を加え、混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、黄色の油状物として化合物1(11g、粗製)を得た。LC−MS:253[M+H]
+。
【化133】
[この文献は図面を表示できません]
【0246】
粗製の化合物1(11g)のTHF(30mL)および水(10mL)溶液に、LiOH(2.0g、47mmol)を0℃で加え、混合物を室温に3時間温めた。混合物を濃縮した。水を加え、混合物をEtOAc(3×30mL)で抽出した。水層をKHSO
4(5%)によってpH=3に酸性化し、次いで、EtOAc(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、黄色の固体として化合物2(5g、粗製)を得た。LC−MS:261[M+Na]
+。
【化134】
[この文献は図面を表示できません]
【0247】
粗製の化合物2(11g)のDCM(200mL)溶液に、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(6.7g、46mmol)およびDMAP(7.6g、64mmol)を窒素下0℃で加えた。10分後、DCC(10.4g、50mmol)のDCM(50mL)溶液を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濾過し、濾液をKHSO
4(5%、150mL×4)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、黄色の油状物として化合物3(17g、粗製)を得た。LC−MS:387[M+Na]
+。
【化135】
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【0248】
粗製の化合物3(18.5g)のトルエン(150mL)溶液に、t−ブタノール(24mL、250mmol)を加えた。混合物を3時間還流加熱した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=50:1〜5:1)によって精製し、黄色の油状物として化合物4(12g)を得た。LC−MS:359[M+Na]
+。
【化136】
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【0249】
化合物4(7.2g、20mmol)のMeCN(90mL)溶液に、p−トルエンスルホニルアジド(5g、260mmol)およびEt
3N(4ml、280mmol)を0℃で加えた。溶液を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=50:1〜10:1)によって精製し、黄色の油状物として化合物5(6.5g)を得た。LC−MS:385[M+Na]
+。
【化137】
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【0250】
Rh
2(OAc)
4(317mg、720mmol)を、化合物5(5.2g、14mmol)のTHF(80mL)および水(40mL)溶液に加えた。混合物を1時間還流加熱し、次いで、室温に冷却した。溶媒を除去した後、水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、黄色の油状物として化合物6(7g、粗製)を得た。LC−MS:375[M+Na]
+。
【化138】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
粗製の化合物6(7g)のTHF(80mL)溶液に、CDI(4.5g、28mmol)およびDIPEA(240μL、1.4mmol)を0℃で加えた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮した。水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(100mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によって精製し、黄色の油状物として化合物7(3g)を得た。LC−MS:401[M+Na]
+。
【化139】
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【0252】
化合物7(3g、7.9mmol)のDCM(50mL)溶液に、BF
3・OEt
2(1.7g、11.9mmol)を窒素下0℃で加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。水(50mL)を加え、混合物をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(80mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。混合物を濃縮し、茶色の油状物として化合物8(2.8g、粗製)を得た。これをそれ以上精製することなく使用した。LC−MS:345[M+Na]
+。
【化140】
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【0253】
粗製の化合物8(2g、6.21mmol)のDCM(100mL)溶液に、ホスゲン(580μL、6.8mmol)およびDMF(1mL)を0℃で加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮した。残渣をDCM(100mL)に溶解させ、−78℃に冷却した。テトラブチルアンモニウムボロヒドリド(1.9g、7.5mmol)を加え、生成した混合物をこの温度で2時間撹拌した。水(100mL)を加え、混合物をDCM(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させた。混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1〜5:1〜3:1)によって精製し、黄色の油状物として表題化合物(900mg)を得た。LC−MS:331[M+Na]
+。
調製7
4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブタン−1−オール
【化141】
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【0254】
フェニルスルファニル−酢酸(15g、89mmol)のMeOH(600mL)溶液に、オキソン(109.6g、178mmol)の水(150mL)溶液を加えた。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで濃縮した。水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、白色の固体として化合物1(15g)を得た。LC−MS:201[M+H]
+。
【化142】
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【0255】
化合物1(6g、30mmol)のAcOH(30mL)溶液に、発煙HNO
3(12.6mL、30mmol)を0℃で加えた。5分後、混合物を6時間還流加熱し、完了についてモニターした。水(80mL)を加え、混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(2×80mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、黄色の油状物として化合物2(2.4g、粗製)を得た。LC−MS:389[M+Na]
+。
【化143】
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【0256】
化合物2(2.3g、6.3mmol)のTHF(50mL)溶液に、化合物3(1.1g、12.6mmol)を0℃で加え、続いてNaOH(503mg、12.56mmol)の水(2mL)溶液を加えた。生成した混合物を室温で3時間撹拌し、完了についてモニターした。溶媒を真空中で除去した。水(80mL)を加え、混合物をDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1〜5:1〜2:1)によって精製し、黄色の固体として表題化合物(1.3g)を得た。LC−MS:315[M+H]
+。
調製8
4−ニトロオキシブタン−1−オール
【化144】
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【0257】
MeCN(500mL)中の硝酸亜鉛六水和物(68g、768.4mmol)の混合物に、1,4−ブタンジオール(20mL、227.2mmol)を加え、続いてEDCI(44.2mL、248.6mmol)を加えた。生成した混合物を氷水浴で冷やしておき、次いで温め、室温で一晩撹拌した。白色の沈殿物が形成され、濾別した。濾液を真空中で蒸発させ、淡黄色の油状物として粗生成物を得た。粗生成物をカラムクロマトグラフィーによって精製し、淡黄色の油状物(8.3g)として表題化合物を得た。
調製9
4−[3−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシ−フラザン−3−イルオキシ)プロピル]フェノール
【化145】
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【0258】
フェニルスルファニル−酢酸(12g、71mmol)のMeOH(500mL)溶液に、オキソン(87.6g、142mmol)の水(150mL)溶液を加えた。生成した混合物を室温で2時間撹拌し、次いで、真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和水性NaCl(200mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、白色の固体として化合物1(13.9g)を得た。LC−MS:201.1[M+H]
+。
【0259】
化合物1(13.9g、69.4mmol)のAcOH(70mL)懸濁液に、発煙HNO
3(30mL)を0℃で加えた。5分後、混合物を120℃で6時間加熱した。水(150mL)を加え、沈殿物を濾別し、水(100mL)で洗浄した。固体を収集し、白色の固体として化合物2(5g)を得た。LC−MS:389.0[M+Na]
+。
【化146】
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【0260】
3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(15g、90.2mmol)のMeOH(250mL)溶液に、SOCl
2(21.5g、180.3mmol)を窒素下0℃で加えた。反応が完了するまで(一晩)、混合物を室温で撹拌した。混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAc(50mL)に溶解させ、飽和水性NaHCO
3(2×20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、真空中で濃縮し、赤色の油状物として化合物3(16g)を得た。
1H NMR: (CDCl
3) 2.597 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.874 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 3.665 (s, 3H), 6.739 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.037 (d, J = 8.4 Hz, 2H).
【化147】
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【0261】
撹拌したNaH(70%、3.66g、106.6mmol)の乾燥THF(50mL)懸濁液に、化合物3(16g、88.8mmol)の乾燥THF(100mL)溶液を窒素下0℃でゆっくりと加えた。次いで、TBDMS−Cl(18.7g、124.3mmol)の乾燥THF(50mL)溶液を0℃で加えた。混合物を窒素下室温で20分間撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO
3(150mL)でクエンチした。混合物をDCM(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和水性NaCl(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、無色の油状物として化合物4(26g)を得た。
1H NMR: (CDCl
3) 0.097 (s, 6H), 0.973 (s, 9H), 2.585 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 2.875 (t, J = 8.1 Hz, 2H), 3.653 (s, 3H), 6.742 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.031 (d, J = 8.4 Hz, 2H).
【化148】
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【0262】
撹拌したLiAlH
4(1.94g、51mmol)の乾燥THF(30mL)懸濁液に、化合物4(15g、51mmol)の乾燥THF(70mL)溶液を窒素下0℃でゆっくり加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。次いで、反応物を2mLの水、6mLの15%水性NaOH、およびもう2mLの水で逐次的にクエンチした。固体を濾別し、EtOAc(3×20mL)で洗浄した。濾液を飽和水性NaCl(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。次いで、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)によって精製し、無色の油状物として化合物5(13.5g、99.5%)を得た。
1H NMR: (CDCl
3) 0.183 (s, 6H), 0.977 (s, 9H), 1.831-1.882 (m, 2H), 2.045 (s, 1H), 2.635 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 3.655 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 6.747 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.035 (d, J = 8.7 Hz, 2H).
【化149】
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【0263】
撹拌したNaH(70%、665mg、19.4mmol)の乾燥THF(10mL)懸濁液に、化合物5(3.4g、12.9mmol)の乾燥THF(20mL)溶液を窒素下0℃でゆっくり加えた。30分後、化合物2(4.7g、12.9mmol)の乾燥THF(20mL)溶液を、窒素下0℃で加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、反応物を飽和NH
4Cl(80mL)でクエンチし、混合物をEt
2O(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。次いで、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=30:1)によって精製し、無色の油状物として化合物6(2.3g)を得た。LC−MS:491.1[M+H]
+;513.1[M+Na]
+。
1H NMR: (CDCl
3) 0.197 (s, 6H), 0.900 (s, 9H), 2.133-2.182 (m, 2H), 2.742 (t, J = 7.5 Hz, 2H), 4.393 (t, J = 5.4 Hz, 2H), 6.672-6.790 (m, 2H), 7.035-7.063 (m, 2H), 7.589-8.084 (m, 5H).
【化150】
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【0264】
化合物6(2.3g、4.8mmol)の1,4−ジオキサン(20mL)溶液に濃HCl(2mL)を加え、反応が完了するまで(24時間)混合物を室温で撹拌した。混合物をEtOAc(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(20mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)によって精製し、白色の固体として表題化合物(1.2g)を得た。LC−MS:394.1[M+NH
4]
+。
1H NMR: (C
2D
6OS) 1.964-2.034 (m, 2H), 2.566 (t, J = 7.8 Hz, 2H), 4.327 (t, J = 6.3 Hz, 2H), 6.672 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.977 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.739-8.035 (m, 5H), 9.176 (s, 1H).
調製10
オキソジペルオキシモリブデン(ピリジン)(ヘキサメチルリン酸トリアミド)
MoO
3→MoO
5・H
2O・(Me
2N)
3PO→MoO
5・(Me
2N)
3PO→MoO
5・Py・(Me
2N)
3PO
【0265】
酸化モリブデン(MoO
3;30g、0.2mol)および30%過酸化水素(150mL)を、撹拌しながら合わせた。反応槽を40℃で平衡化した油浴中に置き、内部温度が35℃に達するまで熱した。次いで、加熱浴を除去し、水浴に置き換え、35〜40℃の内部温度が維持されるように穏やかに発熱反応を制御した。最初の発熱期間(約30分)の後、反応槽を40℃の油浴に戻し、全部で3.5時間撹拌し、少量の懸濁した白色の固体を有する黄色の溶液を形成させた。20℃に冷却した後、溶液を濾過し、生成した黄色の濾液を10℃に冷却し(撹拌しながら氷浴)、ヘキサメチルリン酸トリアミド((Me
2N)
3PO;HMPA;37.3g、0.2mol)を5分に亘り滴下添加し、黄色の結晶性沈殿物の形成をもたらした。撹拌を10℃にて全部で15分続け、生成物を濾過し、プレス乾燥させた。真空下で30分後、濾過ケークをMeOH(20mL)と合わせ、40℃で撹拌した。固体が溶解するまで、追加のMeOHをゆっくりと加えた。飽和溶液を冷蔵庫中で冷却し、黄色の固体(針状物として現れる)として得た。固体塊を物理的に破壊し、濾過し、冷たいMeOH(20〜30mL)で洗浄し、オキソジペルオキシモリブデン(アクア)(ヘキサメチルリン酸トリアミド)(MoO
5・H
2O・HMPA、46〜50g)を得た。
【0266】
MoO
5・H
2O・HMPAを、真空デシケーター中で、光から遮断して0.2mm Hgにて24時間酸化リンで乾燥させ、いくらか吸湿性の黄色の固体であるMoO
5・HMPAを得た。MoO5・HMPA(36.0g、0.1mol)をTHF(150mL)に溶解させ、溶液を濾過し、沈殿物を除去した。次いで、濾液を20℃で撹拌し、その間に乾燥ピリジン(8.0g、0.1mol)を10分に亘り加えた。結晶性の黄色の生成物を収集し、乾燥THF(25mL)および無水エーテル(200mL)で洗浄し、真空デシケーター(1時間、0.2mm Hg)中で乾燥させ、微粉化した黄色の固体(36〜38g)として表題化合物であるオキソジペルオキシモリブデン(ピリジン)(ヘキサメチルリン酸トリアミド)(MoO
5・Py・HMPA)を得た。
調製11
(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル
【化151】
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【0267】
撹拌した(R)−3−ビフェニル−4−イル−2−t−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸(50g、146.5mmol)、メルドラム酸(23.3g、161.1mmol)およびDMAP(27.8g、227mmol)の無水DCM(500mL)溶液に、DCC(33.3g、161.1mmol)の無水DCM(200mL)溶液を1時間に亘り窒素下−5℃で加えた。混合物を−5℃で8時間撹拌し、次いで、一晩冷蔵し、この間にジシクロヘキシル尿素の極めて小さな結晶が沈殿した。濾過後、混合物を5%KHSO
4(4×200mL)、飽和水性NaCl(1×200mL)で洗浄し、MgSO
4で一晩乾燥させた。生成した溶液を蒸発させ、淡黄色の固体として粗製の化合物1(68g)を得た。LC−MS:[M
+Na]:490、[2M
+Na]:957。
【化152】
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【0268】
粗製の化合物1(68g、146.5mmol)の無水DCM(1000mL)溶液に、AcOH(96.8g、1.6mol)を窒素下−5℃で加えた。生成した混合物を−5℃で0.5時間撹拌し、次いで、NaBH
4(13.9g、366mmol)を少量ずつ2時間に亘り加えた。−5℃でもう1時間撹拌した後、飽和水性NaCl(300mL)を加えた。有機層を飽和水性NaCl(2×300mL)、次いで、水(2×300mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗製の化合物2を得た。これを、クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によってさらに精製して、淡黄色の固体として精製化合物2(46g)を得た。LC−MS:[M
+Na]:476、[2M
+Na]:929。
【化153】
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【0269】
撹拌した精製化合物2(46g、101mmol)の無水トルエン(300mL)溶液を、窒素下で3時間加熱還流させた。溶媒を蒸発させた後、残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)によって精製し、淡黄色の固体として表題化合物(27g)を得た。
【0270】
LC−MS:[M
+Na]:374、[2M
+Na]:725;1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ7.64-7.62 (m,4H), 7.51-7.46 (m,2H), 7.42-7.39 (m,1H), 7.39-7.30 (m,2H),4.50-4.43 (m, 1H),3.27-3.89 (m, 1H), 2.88-2.80(m, 1H),2.48-2.42 (m, 2H), 2.09-1.88(m,2H), 1.66(s,9H).
調製12
(2R,4R)−4−アミノ−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシペンタン酸エチルエステル
【化154】
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【0271】
撹拌した(S)−2−ビフェニル−4−イルメチル−5−オキソピロリジン−1−カルボン酸t−ブチルエステル(4.4g、12.4mmol)の無水THF(70mL)溶液に、1MのLiHMDSのTHF(28mL)溶液を15分に亘り窒素下−65℃で加えた。−65℃で3時間撹拌した後、オキソジペルオキシモリブデン(ピリジン)(ヘキサメチルリン酸トリアミド)(9g、18.6mmol)を加えた。混合物を−35℃でもう2時間撹拌し、次いで、飽和水性Na
2S
2O
3(60mL)を加えた。有機層を収集し、飽和水性NH
4Cl(60mL×3)および飽和水性NaCl(60mL×2)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させ、溶媒を減圧下除去し、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によってさらに精製し、白色の固体(1.8g)として化合物1を得た。LC−MS:[2M+Na]:757。
【化155】
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【0272】
化合物1(1.8g、5.0mmol)の無水DCM(50mL)溶液に、DMAP(122mg、1mmol)およびEt
3N(1.5g、14.9mmol)を窒素下0℃で加えた。0℃で0.5時間撹拌した後、塩化ベンジル(1.0g、7.4mmol)を15分に亘り加えた。混合物を0℃でさらに2時間撹拌し、次いで、飽和水性NaHCO
3(50mL)を加えた。有機層を収集し、飽和水性NaHCO
3(50mL×2)および飽和水性NaCl(50mL×1)で洗浄し、次いで、Na
2SO
4で乾燥させた。固体を濾別し、濾液を濃縮し、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=4:1)によってさらに精製し、白色の固体として化合物2A(471mg)および化合物2B(883mg)を得た。LC−MS:[M+Na]:494;[2M+Na]:965。
化合物2A:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ (ppm) =8.02 (m,2H), 7.57-7.25 (m,12H), 5.42 (m,1H), 4.50 (m,1H), 3.26-3.21 (m, 1H), 2.90 (m, 1H), 2.58 (m, 1H), 2.15-2.05 (m, 1H), 1.62 (m,9H)
【0273】
化合物2B:
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ (ppm) =8.06 (m,2H), 7.58-7.18 (m,12H), 5.53-5.41 (m,1H), 4.39 (m,1H), 3.57-3.54 (m, 1H), 2.87-2.80 (m, 1H), 2.48-2.44 (m, 1H),1.98 (m, 1H), 1.63 (m,9H).
【化156】
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【0274】
撹拌した化合物2A(471mg、1mmol)の無水EtOH(10mL)溶液に、無水K
2CO
3(691mg、5mmol)を窒素下室温で加えた。室温で20時間撹拌した後、固体を濾別した。濾液に、水(30mL)、DCM(30mL)および飽和水性NaCl(5mL)を加えた。水層を分離し、DCM(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=6:1)によってさらに精製し、白色の固体(275mg)として化合物3を得た。LC−MS:[M+Na]:436、[2M+Na]:849。
【化157】
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【0275】
EtOH(5mL)に、塩化アセチル(685mg)を−30℃で加えた。−30℃で1時間撹拌した後、化合物3(275mg、665μmol)の無水EtOH(5mL)溶液を加えた。混合物を25℃に加熱し、25℃で3時間撹拌した。溶媒を蒸発させた後、残渣を冷たい無水Et
2O(10mL)で洗浄し、白色の固体であるHCl塩(207mg)として表題化合物を得た。LC−MS:[M+H]:314、[2M+Na]:649。
【0276】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3): δ (ppm) =7.99 (m,3H), 7.66-7.64 (m,4H), 7.48-7.35 (m,5H), 6.08 (m,1H), 4.21 (m,1H), 4.09-4.05 (m, 2H), 3.52 (m, 1H), 2.97-2.95 (m, 2H), 1.89-1.87 (m, 2H), 1.19-1.14 (m,3H).
(2R,4R)−4−アミノ−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシペンタン酸エチルエステルの代わりの合成
【化158】
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【0277】
[(S)−2−ビフェニル−4−イル−1−(2,2−ジメチル−4,6−ジオキソ−[1,3]ジオキサン−5−イルメチル)エチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(143g、320mmol)の無水トルエン(1L)溶液を、窒素下で一晩加熱還流させた。溶媒を減圧下で除去し、化合物1’を得た。これをそれ以上精製することなく直接使用し、3NのHClのEtOAc(1.2L)溶液に加えた。生成した混合物を室温で3時間撹拌した。溶媒を真空中で除去した。残渣をEtOAc(300mL)中で再結晶化し、化合物2’の第1のバッチ(56g)を得た。母液をクロマトグラフィーカラム(1:1のEtOAcおよびヘキサンから100%EtOAcで溶出)に供し、化合物2’の第2のバッチ(8g)を得た。
【化159】
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【0278】
化合物2’(64g、250mmol)の無水THF(500mL)懸濁液に、BuLi(100mL、ヘキサン中2.5M)を−78℃で滴下添加した。0.5時間撹拌した後、塩化ピバロイル(34g、0.28mol)を滴下添加した。混合物を−78℃で1時間撹拌した。次いで、反応物を飽和水性NH
4Clでクエンチし、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物をMgSO
4で乾燥させ、濃縮し、白色の固体として化合物3’(85g)を得た。
【化160】
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【0279】
化合物3’(40g、120mmol)を無水THF(400mL)に溶解させ、窒素下−78℃で撹拌した。これに、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.5当量の2.0MのTHF溶液を5分に亘り滴下添加した。淡黄色の混合物を窒素下−78℃で20分間撹拌し、続いてTHF中の200mLの溶液としてオキサジリジン(53g、180mmol)をゆっくりと滴下添加した。混合物を0.5時間撹拌した。反応物を飽和水性NH
4Clでクエンチし、混合物をEtOAc(1L)で抽出した。抽出物を1NのHCl(1L)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、500mLの容量まで濃縮した。沈殿した白色の固体を濾過し、シリカゲル(200g)を加えた後、濾液を濃縮して溶媒を除去した。残渣を、従前にヘキサンで満たされたシリカゲル(900g)のカラム(8×80cm)に入れた。最初にDCM:ヘキサン(1:1)で溶出を行った。オキサジリジンおよびイミンを完全に収集すると、カラムをDCMで溶出し、黄色の油状物として化合物4’(21g、98%純度)を得た。
【0280】
化合物4’(56g、156mmol)を、EtOH(700mL)および12NのHCl(700mL)に溶解させた。混合物を90〜95℃に20時間加熱した。混合物を、減圧下80℃の水浴上で濃縮した。EtOH(100mL)を残渣に加え、生成した混合物を濾過し、黄色の固体を得た。この固体を、3NのHCl/EtOH(800mL)に懸濁させた。混合物を3時間還流させた。溶液を低容量(約200mL容量)に濃縮し、エーテル(200mL)を加えた。生成した僅かに黄色の固体を濾過し、減圧下で乾燥させ、表題化合物(43g)を得た。
調製13
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸
【化161】
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【0281】
(2R,4R)−4−アミノ−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシペンタン酸エチルエステル(2.0g、6.4mmol)を、DCM(40mL、600mmol)中のジ−t−ブチルジカーボネート(1.8g、8.3mmol)と合わせた。DIPEA(13.9mL、79.8mmol)を加え、生成した混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、DCMに溶解させ、フラッシュクロマトグラフィー(0.01%Et
3Nを含むヘキサン中の10〜95%EtOAc)によって精製し、きれいな画分を濃縮し、水(10mL)およびMeOH(30mL)中のLiOH一水和物(2.1g、51.0mmol)に加えた。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物を部分的に濃縮し、水で希釈し、1MのHClでpH約4に酸性化した。生成物が沈殿した。固体を濾過し、水で洗浄し、凍結乾燥し、表題化合物(2.0g)を得た。
調製14
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸4−ニトロオキシブチルエステル
【化162】
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【0282】
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸(30mg、78μmol)、HOBt(63mg、470μmol)、およびEDCI(83μL、470μmol)を、DCMに溶解させた。10分間撹拌した後、4−ニトロオキシブタン−1−オール(84.1mg、623μmol)を加えた。生成した混合物を室温で撹拌し、反応が完了したかをモニターした(約30分)。混合物をさらに2時間撹拌し、次いで、開放して乾燥させた。次いで、生成物を精製し(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;0.05%TFAを含む水中の35〜95%MeCN)、表題化合物(18mg)を得た。
調製15
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブチルエステル
【化163】
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【0283】
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸(30mg、78μmol)、HOBt(63mg、470μmol)、およびEDCI(83μL、470μmol)を、DCMに溶解させた。10分間撹拌した後、4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブタン−1−オール(196mg、623μmol)を加えた。生成した混合物を室温で撹拌し、反応が完了したかをモニターした(約30分)。混合物をさらに2時間撹拌し、次いで、開放して乾燥させた。次いで、生成物を精製し(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;0.05%TFAを含む水中の35〜95%MeCN)、表題化合物(20mg)を得た。
(実施例1)
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシ−4−[(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)アミノ]ペンタン酸4−ニトロオキシブチルエステル
【化164】
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【0284】
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸4−ニトロオキシブチルエステル(50mg、0.1mmol)のMeCN(6mL、100mmol)溶液に、ジオキサン中の4MのHCl(249μL、995μmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、混合物を室温で撹拌し、次いで濃縮し、脱保護された化合物を得た。
【0285】
3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(16.7mg、129μmol)を、HATU(49.2mg、129μmol)およびDMF(1mL)と合わせ、室温で5分間撹拌した。DIPEA(52μL、298μmol)および前のステップからの脱保護された化合物を次いで加え、生成した混合物を撹拌し、完了についてモニターした(約30分)。混合物を減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;0.05%TFAを含む水中の25〜95%MeCN)。きれいな画分を収集し、凍結乾燥し、表題化合物(30mg、95%純度)を得た。C
25H
27N
3O
9に対するMS m/z[M+H]
+計算値514.17;測定値514.6。
(実施例2)
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシ−4−[(3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボニル)アミノ]ペンタン酸4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブチルエステル
【化165】
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【0286】
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブチルエステル(68mg、0.1mmol)のMeCN(6mL、100mmol)溶液に、ジオキサン中の4MのHCl(249μL、995μmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、混合物を室温で撹拌し、次いで濃縮し、脱保護された化合物を得た。
【0287】
3−ヒドロキシイソオキサゾール−5−カルボン酸(16.7mg、129μmol)をHATU(49.2mg、129μmol)およびDMF(1mL)と合わせ、室温で5分間撹拌した。DIPEA(52μL、298μmol)および前のステップからの脱保護された化合物を次いで加え、生成した混合物を撹拌し、完了についてモニターした(約30分)。混合物を減圧下で蒸発させ、精製した(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;0.05%TFAを含む水中の25〜95%MeCN)。きれいな画分を収集し、凍結乾燥し、表題化合物(48mg、95%純度)を得た。C
33H
32N
4O
11Sに対するMS m/z[M+H]
+計算値693.18;測定値693.4。
(実施例3)
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシ−4−(オキサリルアミノ)−ペンタン酸4−ニトロオキシブチルエステル
【化166】
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【0288】
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸4−ニトロオキシブチルエステル(50mg、0.1mmol)のMeCN(6mL、100mmol)溶液に、ジオキサン中の4MのHCl(249μL、995μmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、混合物を室温で撹拌し、次いで濃縮し、脱保護された化合物を得た。
【0289】
塩化オキサリル(12.6μL、149μmol)を、DCM(1mL、20mmol)およびt−ブチルアルコール(14.3μL、149μmol)と合わせ、10分間撹拌した。次いで、この溶液を、前のステップからの脱保護された化合物のDCM(2mL)懸濁液、およびEt
3N(41.6μL、298μmol)に滴下添加した。生成した混合物を撹拌し、完了についてモニターした(約20分)。混合物を乾燥させ、MeCN(2mL、30mmol)、およびジオキサン中の4MのHCl(1.5mL、6.0mmol)を加えた。反応物を撹拌し、完了についてモニターした(約3時間)。混合物を減圧下で蒸発させ、分取HPLCによって精製し、表題化合物(5.5mg、95%純度)を得た。C
23H
26N
2O
9に対するMS m/z[M+H]
+計算値475.16;測定値475.2。
(実施例4)
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシ−4−(オキサリルアミノ)−ペンタン酸4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブチルエステル
【化167】
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【0290】
(2R,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシペンタン酸4−(4−ベンゼンスルホニル−5−オキシフラザン−3−イルオキシ)ブチルエステル(68mg、0.1mmol)のMeCN(6mL、100mmol)溶液に、ジオキサン中の4MのHCl(249μL、995μmol)を加えた。反応が完了するまで(約3時間)、混合物を室温で撹拌し、次いで濃縮し、脱保護された化合物を得た。
【0291】
塩化オキサリル(12.6μL、149μmol)をDCM(1mL、20mmol)およびt−ブチルアルコール(14.3μL、149μmol)と合わせ、10分間撹拌した。次いで、この溶液を、前のステップからの脱保護された化合物のDCM(2mL)懸濁液、およびEt
3N(41.6μL、298μmol)に滴下添加した。生成した混合物を撹拌し、完了についてモニターした(約20分)。混合物を乾燥させ、MeCN(2mL、30mmol)、およびジオキサン中の4MのHCl(1.5mL、6.0mmol)を加えた。反応物を撹拌し、完了についてモニターした(約3時間)。混合物を減圧下蒸発させ、分取HPLCによって精製し、表題化合物(5.1mg、95%純度)を得た。C
31H
31N
3O
11Sに対するMS m/z[M+H]
+の計算値654.17;測定値654.4。
本発明のさらなる化合物は、下記の出発材料を使用して調製することができる。
調製16
(2S,4S)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシメチルペンタン酸
【化168】
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【0292】
(R)−3−ビフェニル−4−イル−2−t−ブトキシカルボニルアミノプロピオン酸(50g、146mmol)、メルドラム酸(23.3g、161mmol)およびDMAP(27.8g、227mmol)の無水DCM(500mL)溶液に、DCC(33.3g、161mmol)の無水DCM(200mL)溶液を窒素下−5℃で1時間に亘り加えた。混合物を−5℃で8時間撹拌し、次いで、一晩冷蔵し、この間に、ジシクロヘキシル尿素の極めて小さな結晶が沈殿した。濾過後、混合物を5%KHSO
4(4×200mL)および飽和水性NaCl(1×200mL)で洗浄し、次いで、冷蔵下MgSO
4で一晩乾燥させた。溶液を蒸発させ、粗生成物(1)(68g、淡黄色の固体)を得た。LC−MS:[M+Na]:490、[2M+Na]:957。
【0293】
粗生成物(1)(68g、147mmol)の無水DCM(1L)溶液に、AcOH(96.7g、1.6mol)を窒素下−5℃で加えた。混合物を−5℃で0.5時間撹拌し、次いで、NaBH
4(13.9g、366mmol)を少量ずつ1時間に亘り加えた。−5℃でもう1時間撹拌した後、飽和水性NaCl(300mL)を加えた。有機層を飽和水性NaCl(2×300mL)および水(2×300mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によってさらに精製し、化合物(2)(46g、淡黄色の固体)を得た。LC−MS:[M+Na]:476、[2M+Na]:929。
【化169】
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【0294】
化合物(2)(46g、101mmol)の無水トルエン(300mL)溶液を、窒素下で3時間還流させた。溶媒を蒸発させた後、残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)によって精製し、化合物(3)(27g、淡黄色の固体)を得た。LC−MS:[M+Na]:374、[2M+Na]:725;
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ7.64-7.62 (m,4H), 7.51-7.46 (m,2H), 7.42-7.39 (m,1H), 7.39-7.30 (m,2H),4.50-4.43 (m, 1H),3.27-3.89 (m, 1H), 2.88-2.80 (m, 1H),2.48-2.42 (m, 2H), 2.09-1.88 (m,2H), 1.66 (s,9H).
【0295】
化合物(3)(27g、77mmol)およびt−ブトキシ−N,N,N’,N’−テトラメチルメタンジアミン(40.3g、231mmol)の混合物を、窒素下80℃に加熱した。80℃で3時間撹拌した後、混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、水(2×150mL)および飽和水性NaCl(2×150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗製の化合物(4)(29.7g、淡黄色の油状物)を得た。LC−MS:[M+H]:425、[2M+H]:835。
【化170】
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【0296】
粗製の化合物(4)(29.7g、73mmol)のTHF(200mL)溶液に、1MのHCl(81mL)を窒素下0℃で加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物をEtOAc(100mL)で希釈し、飽和水性NaHCO
3でpH7に調整した。水層をEtOAc(2×150mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×150mL)および飽和水性NaCl(1×150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、粗製の化合物(5)(29.4g、黄色の油状物)を得た。LC−MS:[M+Na]:402、[2M+Na]:781。
【0297】
化合物(5)(29.4g、77mmol)の無水THF(300mL)溶液に、無水EtOH(30mL)およびAcOH(92.5g、1.5mol)を窒素下−5℃で加えた。混合物を−5℃で0.5時間撹拌し、次いで、NaBH
3CN(19.4g、308mmol)を少量ずつ1時間に亘り加えた。−5℃でさらに1時間撹拌した後、混合物を飽和水性NaHCO
3でpH7に調整した。水層をEtOAc(2×200mL)で抽出し、合わせた有機層を水(2×150mL)および飽和水性NaCl(1×150mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、粗生成物を得た。これをクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によってさらに精製し、化合物(6)(11.2g、淡黄色の固体)を得た。LC−MS:[M+Na]:404、[2M+Na]:785。
【化171】
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【0298】
化合物(6)(11.2g、29mmol)の無水EtOH(500mL)溶液に、窒素下0℃で無水K
2CO
3(8.0g、58mmol)を加えた。0℃で1時間撹拌した後、混合物を室温に温め、16時間撹拌した。濾過後、濾液を濃縮し、残留物を水(150mL)、DCM(200mL)および飽和水性NaCl(50mL)で希釈した。分離の後、水層をDCM(2×150mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(2×200mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、粗生成物を得た。これをカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)によってさらに精製し、化合物(7)および(8)(8.3g、淡黄色の固体)を得た。
【0299】
化合物(7):LC−MS:[M+Na]=450、[2M+Na]=877;
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ7.58-7.23 (m, 9H), 4.46-4.43 (d, 1H), 4.20-4.13 (m, 2H), 3.94 (s, 1H), 3.82-3.70 (m, 2H), 2.85-2.70 (m, 3H), 2.25-2.22 (d, 1H), 2.01-1.92 (m, 1H), 1.47 (s, 9H), 1.26-1.24 (m, 3H).
【0300】
化合物(8):LC−MS:[M+Na]=450、[2M+Na]=877;
1H NMR (300 MHz, CDCl3): δ7.58-7.55 (m, 4H), 7.50-7.43 (m, 2H), 7.40-7.30 (m, 1H), 7.26-7.23 (m, 1H), 4.46 (m, 1H), 4.21-4.13 (m, 2H), 3.94 (m, 1H), 3.82-3.77 (m, 2H), 2.83-2.81 (d, 2H), 2.66-2.63 (m, 1H), 2.24 (m, 1H), 1.83-1.81 (m, 2H), 1.38 (s, 9H), 1.30-1.25 (m, 3H).
【化172】
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【0301】
化合物(8)(210mg)をLiOHでけん化し、表題化合物(1)(120mg)を得た。
調製17
(2S,4R)−5−ビフェニル−4−イル−4−t−ブトキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシメチル−2−メチルペンタン酸
【化173】
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【0302】
(R)−3−ビフェニル−4−イル−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(50g、146mmol)、メルドラム酸(23.3g、161mmol)およびDMAP(27.8g、227mmol)の無水DCM(500mL)溶液に、DCC(33.3g、161mmol)の無水DCM(200mL)溶液を窒素下−5℃で1時間に亘り加えた。混合物を−5℃で8時間撹拌し、次いで、一晩冷蔵し、この間に、ジシクロヘキシル尿素の極めて小さな結晶が沈殿した。濾過後、混合物を5%KHSO
4(4×200mL)および飽和水性NaCl(1×200mL)で洗浄し、次いで、冷蔵下MgSO
4で一晩乾燥させた。溶液を蒸発させ、淡黄色の固体として化合物(1)(68g)を得た。これをそれ以上精製することなく使用した。LC−MS:[M+Na]:490、[2M+Na]:957。
【化174】
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【0303】
AcOH(8.6mL)を、粗製の化合物(1)(6.4g、14mmol)の無水MeCN(90mL)溶液に窒素下−5℃で加え、AcOH(8.6mL)を加えた。混合物を−5℃で30分間撹拌し、次いで、水酸化ホウ素ナトリウム(1.3g、34.5mmol)を少量ずつ2時間に亘り加えた。−5℃でもう1時間撹拌した後、水(30mL)中の飽和水性NaClおよび1.7MのNaClを加えた。層を分離し、有機層を飽和水性NaCl(2×30mL)および水(2×30mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発させ、生成した粗生成物をクロマトグラフィー(5:1ヘプタン:EtOAc)によってさらに精製し、淡黄色の固体として化合物(2)(1.1g)を得た。
【化175】
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【0304】
化合物(2)(5.0g、11mmol)およびK
2CO
3(1.8g、13.2mmol)を、DMF(33.9mL)に溶解させ、窒素下で撹拌しながら0℃に冷却した。ヨウ化メチル(892μL)を加え、生成した混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を室温(23℃)に温め、一晩保持した。飽和水性NaCl(35mL)およびEtOAc(35mL)を加え、生成した混合物を2分間撹拌した。層を分離し、有機層を蒸発させた。残渣をEtOAc(20mL)と共に摩砕した。固体を濾別し、真空下で乾燥させた。濾液を濃縮し、EtOAcと共に再び摩砕し、化合物(3)(3.9g)を得た。
【化176】
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【0305】
蒸留水(140mL)を窒素下30分パージし、次いで、いかなる空気も溶液に接触させないように注意を払いながら、THF(800mL)中の0.1Mの二ヨウ化サマリウムを含有する容器中にカニューレで移した。窒素雰囲気を維持しながら、化合物(3)(3.7g、8.0mmol)およびTHF(100mL)の脱気した溶液を、カニューレを介して加えた。生成した混合物を15分間撹拌し、次いで、空気に曝露した。飽和水性NaCl(12mL)、10%クエン酸(6mL)、およびEtOAc(30mL)を加えた。混合物を5分間撹拌し、次いで、両方の層を抽出した。有機層をNa
2SO
4で乾燥させ、真空下で濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(330g金カラム、0.5%AcOH/エーテルを含む50%EtOAc勾配)によって精製し、表題化合物(1.4g)を得た。
【0306】
調製18
3−(N−ビフェニル−4−イルメチル−N’−t−ブトキシカルボニルヒドラジノ)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチルエステル
【化177】
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【0307】
4−(ブロモメチル)ビフェニル(2.00g、8.09mmol)およびDIPEA(1.4mL、8.1mmol)をDMF(40.0mL)中に溶解させ、次いでカルバジン酸t−ブチル(2.1g、16.2mmol)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。反応完了時に、この混合物を部分的に濃縮し、残渣をEtOAcと飽和水性NaHCO
3との間で分配した。EtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(0.5%DIPEAを含む0〜60%EtOAc/ヘキサン)で精製することによって、化合物(1)を得た(1.3g.)
【化178】
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【0308】
化合物(1)(460mg、1.5mmol)をイソプロピルアルコール(10.0mL)中に溶解させ、次いでメチル2−メチルグリシデート(180μL、1.7mmol)を加え、この混合物を85℃に一晩加熱した。反応完了時に、この混合物を、EtOAcと飽和水性NaHCO
3との間で分配した。次いで、EtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮することによって、表題化合物を得た(0.5g)。これをさらなる精製なしで使用した。
調製19
(R)−4−アミノ−5−ビフェニル−4−イル−2−ヒドロキシ−2−メチルペンタン酸エチルエステル
【化179】
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【0309】
(R)−3−ビフェニル−4−イル−2−t−ブトキシカルボニルアミノ−プロピオン酸(50g、0.1モル)、メルドラム酸(23.3g、0.2モル)およびDMAP(27.8g、0.2モル)の無水DCM(500mL)溶液に、窒素下、−5℃で1時間にわたり、DCC(33.3g、0.2モル)の無水DCM(200mL)溶液を加えた。この混合物を−5℃で8時間撹拌し、次いで一晩冷蔵し、この間に、ジシクロヘキシル尿素の極めて小さな結晶が沈殿した。濾過後、この混合物を、5%KHSO
4(4×200mL)、飽和水性NaCl(200mL)で洗浄し、冷蔵下で一晩、MgSO
4で乾燥させた。生成した溶液を蒸発させることによって、淡黄色の固体として、粗製の化合物(1)を得た(68g)。LC−MS:490[M+Na]、957[2M+Na]。
【0310】
粗製の化合物(1)(68g、0.1モル)の無水DCM(1L)溶液に、窒素下−5℃で、AcOH(96.8g、1.6モル)を加えた。この混合物を−5℃で0.5時間撹拌し、次いでNaBH
4(13.9g、0.4モル)を少量ずつ1時間にわたり加えた。−5℃でもう1時間撹拌後、飽和水性NaCl(300mL)を加えた。有機層を飽和水性NaCl(2×300mL)および水(2×300mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、粗生成物を得た。これを、クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=5:1)でさらに精製することによって、淡黄色の固体として、化合物(2)を得た(46g)。LC−MS:476[M+Na]、929[2M+Na]。
【化180】
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【0311】
化合物(2)(46g、0.1モル)の第三級ブチルアルコール(100mL)溶液に、窒素下、室温で、ジメチルメチレンアンモニウムヨージド(dimethylmethyleneimmonium iodide)(46.3g、0.3モル)を加えた。この混合物を65℃に加熱し、この温度で16時間撹拌した。濾過後、濾液を濃縮することによって、粗生成物を得た。これを、クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=20:1〜10:1)でさらに精製することによって、淡黄色の固体として化合物(3)を得た(18g)。LC−MS:460[M+Na]、897[2M+Na]。
【0312】
化合物(3)(18g、44mmol)のアセトン(430mL)および水(22mL)溶液に、スーダンレッドを指示薬として加えた。スーダンレッドの赤色が消えるまで、この混合物に0℃でオゾン雰囲気を導入した。硫化ジメチル(45mL)を加え、この混合物を室温で一晩撹拌した。次いで、この混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=15:1〜7:1)で精製することによって、淡黄色の固体として、化合物(4)を得た。LC−MS:434[M+H]、845[2M+H]。
【化181】
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【0313】
化合物(4)(9.5g、23mmol)の無水THF(120mL)溶液に、窒素下、−70℃で、臭化メチルマグネシウムのTHF溶液(9.2mL、28mmol)を加えた。この混合物を−60℃で3時間撹拌し、次いで反応を飽和水性NH
4Cl(50mL)でクエンチした。有機層を分離し、MgSO
4で乾燥させた。次いで、この混合物を濃縮し、残留物をクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1〜5:1)で精製することによって、油状物として化合物(5)を得た(7.9g)。LC−MS:450[M+H]、877[2M+H]。
【0314】
工程6:化合物5(7.9g、18.4mmol)の無水DCM(300mL)溶液に、0℃で6時間、HCl雰囲気をポンプ供給した。次いでこの混合物を濃縮し、残渣を無水Et
2Oで洗浄することによって、白色の固体のHCl塩として、表題化合物を得た(5.8g)。
1H NMR (300 MHz, DMSO): δ8.00-7.97 (d, 4H), 7.67-7.62 (m, 6H), 7.47-7.28 (m, 8H), 6.32 (s, 1H), 6.09 (s, 1H), 4.13-4.06 (m, 2H), 3.95-3.78 (m, 2H), 3.60 (s, 1H), 3.22-3.08 (m, 3H), 2.95-2.65 (m, 2H), 1.99-1.79 (m, 4H), 1.30-0.87 (m, 9H).
調製20
(R)−4−アミノ−5−ビフェニル−4−イル−2,2−ジメチルペンタン酸エチルエステル
【化182】
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【0315】
[(S)−1−ビフェニル−4−イルメチル−2−(2,2−ジメチル−4,6−ジオキソ−[1,3]ジオキサン−5−イル)−エチル]−カルバミン酸t−ブチルエステル(46g、0.1モル)の無水トルエン(300mL)溶液を、窒素下で3時間還流させた。溶媒の蒸発後、残渣をクロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)で精製することによって、淡黄色の固体として化合物(1)を得た(27g)。LC−MS:374[M+Na]、725[2M+Na]。
【0316】
化合物(1)(6.2g、17.6mmol)の無水THF(100mL)溶液に、窒素下−78℃で、LiHMDSのTHF(39mL、39mmol)溶液を加えた。この混合物を−78℃で2時間撹拌し、次いでヨウ化メチル(7.5g、53mmol)を加えた。−78℃で0.5時間撹拌後、この混合物を室温に温め、室温で3時間撹拌した。この混合物を−10℃に冷却後、反応を飽和水性NH
4Cl(100mL)でクエンチし、EtOAc(100mL×4)で抽出した。合わせた有機層を飽和水性NaCl(300mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮することによって、粗生成物を得た。これを、クロマトグラフィー(ヘキサン:EtOAc=10:1)でさらに精製することによって、淡黄色の固体として、化合物(2)を得た(5.7g)。LC−MS:402[M+Na]、781[2M+Na]。
【化183】
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【0317】
化合物(2)(5.7g、15mmol)のアセトン(120mL)溶液に、窒素下−5℃で、1M NaOH(60mL、60mmol)を加えた。この混合物を室温に温め、室温で20時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物を水(250mL)で希釈し、EtOAc(150mL)で洗浄した。0℃で、水層のpHを6MのHClで2に調整し、固体を濾過し、真空中で乾燥させることによって、白色の固体として、粗製の化合物(3)を得た(5g)。LC−MS:420[M+Na]、817[2M+Na]。
【0318】
粗製の化合物(3)(5g、12.7mmol)の無水EtOH(300mL)溶液に、窒素下、−30℃でSOCl
2(13.4mL、190mmol)を加えた。この混合物を室温に温め、室温で20時間撹拌した。この混合物を濃縮し、残留物を無水Et
2Oで洗浄することによって、白色の固体のHCl塩として、表題化合物を得た(3.7g)。LC-MS: [M+H]: 326, [2M+H]: 651.
1H NMR (300 MHz, DMSO): δ7.86 (s, 3H), 7.67-7.64 (m, 4H), 7.49-7.33 (m, 5H), 4.09-3.97 (m, 2H), 3.42 (m, 1H), 2.90-2.80 (m, 2H), 1.88-1.84 (m, 2H), 1.17-1.12 (m, 9H).
調製21
1−((R)−2−アミノ−3−ビフェニル−4−イル−プロピル)−シクロプロパンカルボン酸
【化184】
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【0319】
DCM(100mL)中のBOC−D−4,4’−ビフェニルアラニン(11.3g、33.1mmol、1.0当量)、4−ジメチルアミノピリジン(6.5g、53.0mmol、1.6当量)、2,2−ジメチル−1,3−ジオキサン−4,6−ジオン(5.3g、36.4mmol、1.1当量)が入っているフラスコに、DCM(38.1mL)中1MのDCCを、0℃で30分間にわたり加えた。この混合物を0℃で6時間維持し、生成した沈殿物を濾別した。濾液を水性10%KHSO
4(2×50mL)で洗浄し、次いで乾燥させた。0℃で、溶液をAcOH(20mL)で酸性化し、水素化ホウ素ナトリウム(3.1g、82.7mmol、2.5当量)を、30分間にわたり3回に分けて加えた。この混合物を0℃で3時間維持し、水で洗浄し、乾燥させ、次いで真空下で濃縮した。粗製物質をクロマトグラフィー(0〜40%EtOAc/ヘキサン勾配)で精製した。t−ブチルアルコール(70mL)中のエシェンモーザー塩(15.9g、86.0mmol)を加え、生成した混合物を65℃で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、Et
2O(10mL)を加えた。次いで、有機溶液を飽和水性NaHCO
3(10mL)および10%KHSO
4(10mL)で洗浄した。有機溶液をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をクロマトグラフィー(0〜40%EtOAc/ヘキサン勾配)で精製することによって、化合物(1)を得た(3.3g)。
【化185】
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【0320】
ジメチルスルホキシド(50mL)中のトリメチルスルホキソニウムヨージド(2.0g、9.2mmol、1.0当量)をNaH(366mg、9.2mmol、1.1当量)と合わせ、室温で15分間撹拌した。これに、ジメチルスルホキシド(50mL)に溶解させた化合物(1)(3.6g、8.3mmol、1.0当量)を加えた。生成した混合物を室温で一晩撹拌した。溶液を飽和水性NaCl(50mL)と混合し、EtOAc(3×10mL)で抽出し、有機層を飽和水性NaCl(2×50mL)で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させた。溶媒の蒸発後,粗製の反応物をクロマトグラフィー(0〜40%EtOAc/ヘキサン勾配)で精製することによって、化合物(2)を得た。TFA(200μL)およびDCM(500μL)を加え、生成した混合物を30分間撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、トルエン(2×)で共沸することによって、表題化合物を得た。
【0321】
調製22
(R)−3−[N−(3’−クロロビフェニル−4−イルメチル)ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル(化合物3)および(R)−3−[N−(5’−クロロ−2’−フルオロビフェニル−4−イルメチル)ヒドラジノ]−2−ヒドロキシプロピオン酸エチルエステル(化合物4)
【化186】
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【0322】
4−ブロモベンジルブロミド(5.0g、20mmol)およびDIPEA(3.48mL、20.0mmol)を、DMF(20mL)に溶解させた。カルバジン酸t−ブチル(7.9g、60.0mmol)を加え、反応が完了するまで、混合物を室温で撹拌した。混合物を部分的に濃縮し、次いで、残渣をEtOAcおよび飽和水性NaHCO
3溶液との間で分配した。次いで、EtOAc層をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーによって精製し、化合物1(3.8g)を得た。
【化187】
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【0323】
化合物1(1.9g、6.3mmol)を、イソプロピルアルコール(26.4mL)に溶解させた。メチル(2R)−グリシデート(1.1mL、12.6mmol)を加え、反応が完了するまで(約4日)、混合物を90℃で加熱した。混合物を室温に冷却し、濃縮し、白色の固体として化合物2(2.5g)を得た。
【化188】
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【0324】
化合物2(600mg、1mmol)、3−クロロフェニルボロン酸(419mg、2.7mmol)、およびK
2CO
3(617mg、4.5mmol)を、EtOH(5mL)および水(1mL)中で合わせ、続いてSilicaCat(登録商標)Pd(0)(0.09mmol/g充填、1160mg、104μmol)を加えた。反応が完了するまで(約30分)、混合物を120℃で加熱した。混合物を濾過し、濃縮した。残渣をMeN/AcOHに溶解させ、逆相クロマトグラフィー(55gカラム;0.1%TFAを含む水中勾配30〜95%MeCN)によって精製した。きれいな画分を収集し、濃縮し、次いで、ジオキサン(6mL)およびEtOH(6mL)中の4MのHClに溶解させた。混合物を室温で一晩撹拌し、次いで濃縮し、化合物3(250mg)を得た。
【化189】
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【0325】
代わりに、化合物2(1.0g、2.5mmol)、5−クロロ−2−フルオロフェニルボロン酸(865mg、4.96mmol)、およびK
2CO
3(857mg、6.2mmol)を、EtOH(30mL、500mmol)および水(8mL、400mmol)中で合わせ、続いてSilicaCat(登録商標)DPP−Pd(0.28mmol/g充填;886mg、248μmol)を加えた。反応が完了するまで(2時間)、混合物を90℃で加熱した。沈殿物を濾別し、濾液を濃縮し、精製した(Interchim逆相クロマトグラフィーカラム;0.5%TFAを含む水中の30〜95%MeCN)。きれいな画分を収集し、凍結乾燥し、ジオキサン(8mL、30mmol)およびEtOH(10mL、200mmol)中の4MのHClと合わせた。反応が完了するまで(7時間)、生成した混合物を室温で撹拌した。混合物を濃縮し、油状物を得た。これを数滴のEtOHを有するエーテル中で一晩撹拌した。沈殿物を濾別し、エーテルですすぎ、化合物4(140mg)を得た。
【0326】
アッセイ1
ヒトおよびラットNEP、ならびにヒトACEにおける阻害剤効力の定量化(IC
50)のためのインビトロアッセイ
【0327】
ヒトおよびラットネプリライシン(EC3.4.24.11;NEP)ならびにヒトアンジオテンシン変換酵素(ACE)での化合物の阻害活性を、以下に記載されているインビトロアッセイを使用して決定した。
【0328】
ラット腎臓からのNEP活性の抽出
Sprague Dawleyラット成体の腎臓からラットNEPを調製した。全腎臓を冷たいリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の中で洗浄し、氷冷した溶解緩衝剤(1%Triton X−114、150mM NaCl、50mMトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)pH7.5;Bordier(1981年)J. Biol. Chem.256巻:1604〜1607頁)の中に、腎臓1グラムあたり5mLの緩衝剤の比率で入れた。ポリトロン手持ち組織粉砕機を使用して氷上で試料をホモジナイズした。スイングバケットローターで、3℃で5分間、1000×gでホモジネートを遠心分離した。ペレットを20mLの氷冷した溶解緩衝剤中に再懸濁させ、氷上で30分間インキュベートした。次いで試料(15〜20mL)を、25mLの氷冷したクッション緩衝剤(6%w/vスクロース、50mM pH7.5トリス、150mM NaCl、0.06%、Triton X−114)の上に重ね、3〜5分間37℃に加熱し、スイングバケットローターで、室温で3分間、1000×gで遠心分離した。2つの上部の層を吸引して、膜画分を豊富に含有する粘性の油性の沈殿物を残した。グリセロールを濃度50%まで加え、試料を−20℃で保存した。標準としてウシ血清アルブミン(BSA)を用いて、BCA検出システムで、タンパク質濃度を定量した。
【0329】
酵素阻害アッセイ
組換え型ヒトNEPおよび組換え型ヒトACEを購入して得た(R&D Systems、Minneapolis、MN、カタログ番号はそれぞれ1182−ZNおよび929−ZN)。蛍光発生ペプチド基質Mca−D−Arg−Arg−Leu−Dap−(Dnp)−OH(Medeirosら、(1997年)Braz. J. Med. Biol. Res.30巻:1157〜62頁;Anaspec、San Jose、CA)およびAbz−Phe−Arg−Lys(Dnp)−Pro−OH(Araujoら、(2000年)Biochemistry、39巻:8519〜8525頁;Bachem、Torrance、CA)をNEPおよびACEアッセイにそれぞれ使用した。
【0330】
このアッセイは、アッセイ緩衝剤(NEP:50mM HEPES、pH7.5、100mM NaCl、0.01%ポリエチレングリコールソルビタンモノラウレート(Tween−20)、10μM ZnSO
4;ACE:50mM HEPES、pH7.5、100mM NaCl、0.01%Tween−20、1μM ZnSO
4)中で、蛍光発生ペプチド基質を濃度10μMで使用して、384ウェル白色不透明プレート内で、37℃で実施した。それぞれの酵素は、37℃で20分後に1μMの基質を定量的にタンパク質分解するような濃度で使用した。
【0331】
10μM〜20pMの濃度範囲にわたり試験化合物を評価した。試験化合物を酵素に加え、37℃で30分間インキュベートしてから、基質の添加により反応を開始した。反応は、37℃でのインキュベーションから20分後に、氷酢酸を最終濃度3.6%(v/v)まで加えることによって停止した。
【0332】
プレートは、励起波長および発光波長をそれぞれ320nmおよび405nmに設定した蛍光光度計で読み取った。以下の式
ν=ν
0/[1+(I/K’)]
(式中、νは反応速度であり、ν
0は無阻害の反応速度であり、Iは阻害剤の濃度であり、K’はみかけの阻害定数である)を使用して、データの非線形回帰により阻害定数を得た(GraphPad Software,Inc.、San Diego、CA)。
【0333】
本発明の化合物をこのアッセイで試験し、ヒトNEPでのpK
i値を以下の通り有することが判明した。ただし、これらの値は、アッセイ条件下の加水分解の影響を受け得り、したがって活性の近似値であることに留意されたい。
【表3】
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【0334】
アッセイ2
麻酔下のラットにおけるACE活性およびNEP活性についての薬力学的(PD)アッセイ
【0335】
正常血圧を有するオスのSprague Dawleyラットに120mg/kg(i.p.)のイナクチンを用いて麻酔する。麻酔下においたら、頸静脈、頸動脈(PE50管)および膀胱(フレアPE50管)のカテーテルをカニューレ処置し、気管切開術を実施して(テフロン(登録商標)針、サイズ14ゲージ)、自発的な呼吸を促す。次いで動物に60分間の安定化期間をもうけ、この期間中、5mL/kg/hの生理食塩水(0.9%)を持続的に注入し続けることによって、動物の水分補給を保ち、確実に尿を生成するようにする。加熱パッドを使用することにより、実験全体を通して体温を維持する。60分間の安定化期間の終わりに、動物に、15分間隔で、AngI(1.0μg/kg、ACE阻害剤活性)を静脈内に(i.v.)2回投与で投与する。AngIの第2回目の投与から15分後、動物をビヒクルまたは試験化合物で処置する。5分後に、動物の心房にナトリウム利尿ペプチド(ANP;30μg/kg)のボーラスi.v.注射でさらに処置する。ANP処置直後から尿収集(予め秤量したエッペンドルフ管へ)を開始し、60分間継続する。尿収集から30分の時点および60分の時点で、動物をAngIで再度チャレンジする。Notocordシステム(Kalamazoo、MI)を使用して、血圧測定をする。尿試料は、cGMPアッセイで使用するまで−20℃で凍結する。市販のキット(Assay Designs、Ann Arbor、Michigan、Cat.No.901−013)を使用して、酵素免疫アッセイで尿cGMP濃度を決定する。尿容積は、重量測定法で決定する。尿のcGMP産出量を、尿産出量と尿cGMP濃度の積として計算する。AngIへの昇圧反応の阻害(%)を定量化することによって、ACE阻害を評価する。NEP阻害は、尿のcGMP産出量におけるANP誘発性上昇の増強を定量化することによって評価する。
【0336】
アッセイ3
意識のある高血圧SHRモデルの抗高血圧作用のインビボでの評価
自然発症の高血圧ラット(SHR、14〜20週齢)を、試験場所に到着してから最低でも48時間、そこに順応させ、飼料および水を自由摂取させる。血圧記録のため、これらの動物には、小型のげっ歯類用の無線送信機(テレメトリーユニット;DSIモデルTA11PA−C40またはC50−PXT、Data Science Inc.、USA)を手術で移植する。送信機に接続されているカテーテルの先端を、腸骨の二分枝の上側の下行大動脈に挿入し、組織接着剤で適当な場所に固定する。非吸収性縫合で、腹腔の切開を閉じながら、送信機を腹腔内に保ち、腹腔の壁に固定する。外皮を縫合して閉じ、ステープルでとめる。動物は、適当な術後のケアを行いながら回復させる。実験の当日、これらのケージ内の動物をテレメトリーレシーバユニットの最上部に置いて、試験環境およびベースライン記録に順応させる。少なくとも2時間のベースライン測定を取った後、次いで動物にビヒクルまたは試験化合物を投与し、これに続いて、投与後24時間の血圧測定を行う。研究期間中、Notocordソフトウエア(Kalamazoo、MI)を使用して、データを持続的に記録し、電子デジタル信号として保存する。測定したパラメータは、血圧(心臓収縮期、心臓拡張期および平均の動脈圧力)および心拍である。
【0337】
アッセイ4
意識のある高血圧DOCA塩ラットモデルの抗高血圧作用のインビボでの評価
CDラット(オス、成体、200〜300グラム、Charles River Laboratory、USA)は、試験場所に到着してから最低でも48時間そこに順応させ、それから高塩分の食餌を与える。高塩分の食餌(食物中8%または飲料水中1%のNaCl)の開始から一週間後、デオキシコルチコステロン酢酸塩(DOCA)のペレット(100mg、90日間の放出時間、Innovative Research of America、Sarasota、FL)を皮下移植し、片側腎摘出術を実施する。ここで、動物にはまた、小型のげっ歯類用無線送信機を血圧測定のために手術で移植する(詳細についてはアッセイ3を参照されたい)。動物は、適当な術後のケアを行いながら回復させる。研究の設計、データ記録、および測定するパラメータは、アッセイ3に対して記載されたものと同様である。
【0338】
アッセイ5
意識のある高血圧Dahl/SSラットモデルにおける抗高血圧作用のインビボでの評価
オスの、Dahl塩感受性ラット(Dahl/SS、6〜7週齢、Charles River Laboratory、USA)を、試験場所に到着してから少なくとも48時間そこに順応させ、それから8%NaCl高塩分の食餌を与え(TD.92012、Harlan、USA)、次いで血圧測定のために小型のげっ歯類用無線送信機を手術で移植する(詳細についてはアッセイ3を参照されたい)。動物は、適当な術後のケアを行いながら回復させる。高塩分の食餌の開始から約4〜5週目に、これらの動物は高血圧になると予想される。高血圧レベルが確認されたら、高塩分の食餌を継続してこれらの高血圧レベルを維持しながら、これらの動物を研究に使用する。研究の設計、データ記録、および測定するパラメータは、アッセイ3に記載されたものと同様である。
【0339】
本発明は、その特定の態様または実施形態を参照して記載してきたが、当業者であれば、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことができるか、または同等物に置換することができることを理解されよう。さらに、適用可能な特許法および規則で許される程度まで、本明細書中に引用されたすべての刊行物、特許および特許出願は、まるで各文書が個々に参照により本明細書中に組み込まれているのと同程度まで、これらの全体が参考として本明細書に援用されている。