特許第6088051号(P6088051)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソノズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許6088051無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品
<>
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000002
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000003
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000004
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000005
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000006
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000007
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000008
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000009
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000010
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000011
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000012
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000013
  • 特許6088051-無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088051
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】無線構築を自動的に行うシステム、方法、装置及び製品
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/02 20090101AFI20170220BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20170220BHJP
【FI】
   H04W76/02
   H04W64/00 120
【請求項の数】16
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2015-520283(P2015-520283)
(86)(22)【出願日】2013年6月18日
(65)【公表番号】特表2015-525548(P2015-525548A)
(43)【公表日】2015年9月3日
(86)【国際出願番号】US2013046340
(87)【国際公開番号】WO2014004174
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2015年2月19日
(31)【優先権主張番号】13/531,712
(32)【優先日】2012年6月25日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506030756
【氏名又は名称】ソノズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183265
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 剣一
(72)【発明者】
【氏名】ニールス・バン・アーバン
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・エリクソン
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・アール・ベックハート
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス・エイ・ジェイ・ミリングトン
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−263266(JP,A)
【文献】 特表2007−501591(JP,A)
【文献】 特開2012−28985(JP,A)
【文献】 特開2007−124211(JP,A)
【文献】 特表2011−524688(JP,A)
【文献】 特表2009−513069(JP,A)
【文献】 特開2007−116672(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0081948(US,A1)
【文献】 特開2004−26150(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1再生デバイスが、デフォルトのチャンネルと最後に知り得たチャンネルとのうちいずれか一方を介してローカル無線ネットワークに接続するステップ、
ローカル無線ネットワークに接続された第1再生デバイスの地理的地域ロケーションを、第1再生デバイスがユーザの操作なしに自動的に決定するステップ、
決定した地理的地域ロケーションに関連する構築情報に基づいて、第1再生デバイスがローカル無線ネットワークを介して行う無線接続及び無線通信に必要なネットワークパラメータを、第1再生デバイスが構築するステップ、ここで構築情報はローカル無線ネットワーク上への無線チャンネルの選択に関する情報を含む、
構築されたネットワークパラメータに基づくローカル無線ネットワークを介して、第1再生デバイスによる通信を可能にするステップ、ここで構築されたネットワークパラメータは、構築された無線チャンネルを含む、
第1再生デバイスが、構築された無線チャンネルと地域設定情報とをローカル無線ネットワーク上の第2再生デバイスへ送信するステップ、ここで地域設定情報は、決定した地理的地域ロケーションに対応する一方、構築された無線チャンネルと地域設定情報とは、第2再生デバイスがローカル無線ネットワークを介して通信するために使用される、
を含み、
第1再生デバイスと第2再生デバイスとは、ピア・ツー・ピアのメッシュネットワークを介して少なくとも第3のデバイスに接続される、方法。
【請求項2】
第1再生デバイス及び第2再生デバイスのそれぞれは、単一の送受信機を有すると共に、一度に1つのチャンネルのみで通信するように構成された、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1再生デバイスは、メッシュネットワーク用のネットワークトポロジー設定を第2再生デバイスへ送信する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
更に、
第2再生デバイスが、地域設定情報と、ネットワークトポロジー設定と、構築された無線チャンネルと、を第1再生デバイスから受信するステップ、
第1再生デバイスから受信した情報に基づいて、地域設定とローカル無線メッシュネットワークへ接続するための無線チャンネルとを、第2再生デバイスが自動的に構築するステップ、
を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
更に、
第1再生デバイスから受信した情報に基づいて、第2再生デバイスが、ローカル無線ネットワークに接続するステップ、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
更に、
地域設定情報と構築された無線チャンネルとを、ローカル無線ネットワーク上のすべての再生デバイスへ送信するステップ、これによりすべての再生デバイスは、地域設定情報と構築された無線チャンネルとを使用し、ローカル無線ネットワークを介して通信する、
を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
地理的地域ロケーションを決定するステップは、
第1再生デバイス内に配置された全地球測位装置を使用すること、
を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
地理的地域ロケーションを決定するステップは、
第1再生デバイスが、第1メッセージをクラウドベースサーバに送信すること、
第1再生デバイスが、クラウドベースサーバから第2メッセージを受信すること、ここで第2メッセージは第1再生デバイスの地理的地域ロケーションを含む、
を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
更に、
決定した地理的地域に関連する構築情報を、地理的地域ロケーションに基づいて、第1再生デバイスで決定するステップ、
を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
更に、第2メッセージは、決定した地理的地域に関連する構築情報を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
地理的地域ロケーションを決定するステップは、
第1再生デバイスが、第1メッセージをローカル無線ネットワーク上の第2再生デバイスに送信すること、
第2再生デバイスから第2メッセージを、再生デバイスで受信すること、ここで第2メッセージは第1再生デバイスの地理的地域ロケーションを含む、
を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
ネットワークパラメータは、ビットレート、エンコード、及び送信電力のうちの少なくとも1つを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記決定するステップは、(i)再生デバイスの電源投入、及び(ii)再生デバイスによるネットワークへの接続の開始のうちの少なくとも1つにより行われる、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
コンピュータに請求項1及び5〜12のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体。
【請求項15】
ユーザの操作なしに外部ソースからローカル無線ネットワーク用のネットワーク構築情報を、メディア再生デバイスで受信し、処理する制御インタフェース、
ネットワーク構築情報の少なくとも一部に基づいて、ローカル無線ネットワークと通信する無線インタフェース、
ローカル無線ネットワークを介して受信したオーディオ情報に基づいてオーディオを出力するスピーカー、
メディア再生デバイスによる無線通信用の周波数チャンネルを、ネットワーク構築情報に基づいて選択するチャンネルセレクタ、
請求項1及び5〜13のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された制御インタフェース、
を備える、メディア再生デバイス。
【請求項16】
請求項1及び5〜12のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された第1メディア再生デバイス、
請求項3又は4に記載の方法を実行するように構成された第2再生デバイス、
を備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コンシューマ製品に関するものであり、特に、マルチゾーンメディア再生システムのゾーンに向けられたシステム、製品、機能、サービス、及び他のアイテムに関するものや、それらのいくつかの態様に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の進歩のおかげで、音楽コンテンツだけでなく、他の種類のメディアとして、例えば、テレビコンテンツ、ムービー、及び対話型コンテンツなどが、アクセスしやすいものになっている。例えば、従来のオーディオ及びビデオコンテンツにアクセスする従来の手段に加えて、オンラインストア、インターネットラジオ局、音楽サービス、ムービーサービスなどを通じて、ユーザは、インターネット上のオーディオ、ビデオ、オーディオとビデオの両方のコンテンツにアクセスすることができる。家の内外における音楽、映像、及びオーディオ・ビデオコンテンツへの需要は、高まり続けている。
【0003】
本開示技術の特徴、態様、及び利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面を参照するとより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1図1は、本明細書で開示された方法及び装置の実施形態を実施することができる例示的なシステムの図を示し、
図2A図2Aは、内蔵アンプとスピーカーを備える例示的なゾーンプレーヤーの図を示し、
図2B図2Bは、内蔵アンプを備えると共に外部スピーカーに接続された例示的なゾーンプレーヤーの図を示し、
図2C図2Cは、A/V受信機とスピーカーに接続された例示的なゾーンプレーヤーの図を示し、
図3図3は、例示的なコントローラの図を示し、
図4図4は、例示的なゾーンプレーヤーの内部機能ブロック図を示し、
図5図5は、例示的なコントローラの内部機能ブロック図を示し、
図6図6は、外部システムと通信し、1つ以上の構築パラメータを取り除く及び/または受信する1つ以上の再生デバイスを含む再生ネットワークの例を示し、
図7図7は、外部ソースからロケーションベース無線パラメータ情報を受信する例示的なゾーンプレーヤーの内部機能ブロック図を示し、
図8図8は、クラウドベースネットワークと1つ以上の再生ネットワークとを含む複数のネットワークを有するシステムの例を示し、
図9図9は、デバイスのロケーションを決定すると共にデバイス用のロケーションベース設定を確立する例示的な方法のフロー図を示し、
図10図10は、地域設定を決定すると共に適切にデバイスを再構築するより具体的な方法の例のフロー図を示し、
図11図11は、データを収集し、クラウドサーバに送信し、無線ネットワーク設定を決定する方法の例のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0005】
さらに、図面は、いくつかの例示の実施形態を説明することを目的としているが、本開示が、図面に示した配置及び手段に限定されるものではないことは理解される。
【0006】
I.概要
メディア提示システムは、提示デバイスを含む。提示デバイスは、例えば、ディスプレー及び/またはスピーカーである。提示デバイスは、コンテンツを受信し、受信したコンテンツを使用して1つ以上の出力を生成する。提示システムは、コンテンツを示す信号を受信することができる。コンテンツは、異なる手法及び/又は技術を用いた複数の方法で受信することができる。いくつかの例では、オーディオコンテンツ、例えば、音楽又はオーディオ/ビデオコンテンツの音声部分は、キャリア信号上にエンコードされる。キャリア信号は、1つ以上のソースから、1つ以上の無線再生デバイス又はスピーカーへ無線で送信される。
【0007】
本明細書に開示されたシステム、方法、装置、及び製品の例は、(例えば、クラウドベースサーバを介して)提示デバイス又は再生デバイスの無線構築を自動的に行い、オーディオを送信して再生することを可能にしている。本明細書に開示されたシステム、方法、装置、及び製品は、有利に使用されることで、無線構築を向上させると共に、ネットワーク環境内のメディアコンテンツ(例えば、オーディオ及び/又はビデオ)を再生することができる。
【0008】
本明細書においては、例示の目的のために、用語「スペクトル」又は「無線スペクトル」は、無線通信周波数の範囲を指し、異なるスペクトルは、異なる無線周波の範囲を指す。異なるスペクトルは、重なってもよいし、重ならなくてもよい。異なるスペクトルは、連続していてもよいし、連続していなくてもよい(例えば、スペクトル間にスペクトルがあってもよいし、なくてもよい)。本明細書に開示された例のうちいくつかの例では、用語「スペクトル」は、規制組織により定義される規制スペクトルを指す。規制組織としては、例えば、米国の連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)がある。例えば、FCCは、「2.4GHzスペクトル」(又はスペクトル帯)を割り当て、工業、科学、医療用に2400MHzから2500MHzの周波数範囲を含んでいる。また、FCCは、「5GHzスペクトル」(又はスペクトル帯)を割り当て、約5.17GHzから約5.835GHzの周波数範囲を含むと共に、その範囲内でいくつかの帯域を除外している。
【0009】
本明細書においては、例示の目的のために、用語「チャンネル」、「オーディオチャンネル」、「制御チャンネル」、及び/又はより一般的に、「無線チャンネル」は、情報を送信するために使用される1つ以上のスペクトル内の異なる周波数又は異なる周波数サブレンジを指す。チャンネルは、周波数帯域、非連続の周波数と帯域のセット、周波数ホッピング構成、時分割多重化方式、符号分割多重化方式、及び/又は他の種類の通信周波数域であってもよい。
【0010】
無線ネットワークシステムは、2.4GHz周波数帯及び5GHz周波数帯で動作する。これらの周波数は、工業、科学、医療(ISM)のスペクトルであり、工業用か、又は通信以外の目的のために用いられる。これらの周波数は、例えば、ショートレンジの低電力通信及び/又はコンピュータシステム等で用いられている。例えば、無線システムは、1つ以上の周波数帯(例えば、2.4GHz、3.6GHz、5GHz等)の1つ以上の通信規格及び/又は通信プロトコルに従って動作する。例えば、IEEE802.11は、2.4GHz周波数帯及び5GHz周波数帯における無線ローカルエリアネットワーク通信を行う規格である。そのような帯域における無線ネットワークシステムは、構築可能パラメータを有している。構築可能パラメータとは、ネットワークと関連システムとの性能を定義するのに役立つものである。そのようなパラメータは、例えば、無線チャンネル選択、ビットレート(又はビット伝送速度)、及び使用されるエンコード、送信電力等を含む。
【0011】
例えば、2.4GHz周波数帯は、14チャンネルに分割される。それぞれのチャンネルは、5MHz幅であり、直接(DS)送信を行う。単一の送受信機を備えたデバイスは、一度にこれらのチャンネルのうち1つのチャンネルで通信することができる。デバイスが複数の送受信機を有する場合、デバイスは同時に複数のチャンネルで通信することができる。メディア再生システム、例えば、ソノズ再生システム等は、複数の再生デバイスを含んでいる。それぞれの再生デバイスは、1つの送受信機を備えており、システム全体で同じ無線チャンネルを使用しなければならない。さらに、これらのパラメータのいくつかは、規制要件によって制限される。規制要件は、無線設備が動作している地理的環境に応じて異なる。
【0012】
現在、システムは、単純な経験則に基づいて無線ネットワークパラメータを決定し、そのパラメータを手動で変更するメカニズムをユーザに提供している。それらは、多くの場合はユーザがネットワーク問題に対処した後、又はカスタマーサポートに電話した後に、行われる。ネットワークのシステムビューによって、カスタマーサポートエンジニアは、ネットワークパラメータを手動で再構築して、問題を解決することができる。
【0013】
しかしながら、無線ネットワーク、例えば、メッシュネットワークにおいて、システムパラメータをデバイス自体で決定すると共に、自動的にパラメータを調整することは非常に困難である。例えば、家庭内の無線チャンネルを選択するとき、いくつかの違いが存在する。例えば、家の中のある領域ではベストチャンネルであるが、家の別の領域ではベストチャンネルではない場合がある。1日のうちのある時間ではベストチャンネルであるが、1日のうちの別の時間ではベストチャンネルではない場合がある。さらに、ゾーンプレーヤーが動作している間(例えば、音楽を再生している間)、ゾーンプレーヤーがそのチャンネルを変更し、別のチャンネルを評価することは難しい。つまり、例えば、ゾーンプレーヤーは、「オンチャンネル」で適切に動作しなければならないが、プレーヤーは別のチャンネルに切り換えて、別のチャンネルも評価しなければならない。
【0014】
いくつかのネットワークアクセスポイントは、1つ以上の自動チャンネル選択(ACS)アルゴリズムを用いて、この固有のチャンネル選択問題を解決している。自動チャンネル選択アルゴリズムが実装され、使用されることによって、インタフェースが、ユーザへのチャンネル構築を決定し、拡散(radiation)(例えば、アクセスポイント(AP)、メッシュ、独立ベーシックサービスセット(IBSS)アドホックネットワーク、ピア・ツー・ピア(P2P)通信等)を開始する動作モードで通信を開始することができる。しかしながら、この単純なシナリオにおいて、ネットワークアクセスポイント自体が、家の中で同時に切り換える必要のあるアクセスポイントのメッシュが存在しないことを判定している。
【0015】
無線ネットワークパラメータを設定し、性能を向上させることに加えて、無線ベースシステムは、システムが動作する地理的地域によって異なる規制要件を問題としている。例えば、米国は、連邦通信委員会(FCC)の規制によって規制されている。また、米国は、欧州、日本、及び中国と異なる規制要件を有している。欧州は、欧州電気通信標準化機構(European Telecommunications Standards Institute:ETSI)に従っている。また、日本及び中国もそれぞれ自国の規制要件を有している。
【0016】
規制要件は、無線ネットワークパラメータにも影響を与える。例えば、802.11a/b/g/nに使用される2.4GHz周波数帯及び5GHz周波数帯では、地域固有の要件がある。地域固有の要件とは、使用可能なチャンネル(例えば、周波数)、使用される信号出力パワー、及びチャンネルを占有できる時間である。規制要件は、製品が使用される地域の法律に準拠する。しかしながら、製品の多くは、これらのパラメータを手動で設定することに頼っている。パラメータの設定は、(1)地域内、又は顧客へ届けられる前の工場内や地方の流通センター内で行われる。また、パラメータの設定は、(2)顧客ロケーションで顧客に動作地域を選択するように求めて行うか、又は顧客ロケーションで一連の質問を尋ねることによって動作地域を推定することにより行われる。また、パラメータの設定は、(3)すべての地域において少なくとも共通する基準を用いて行われる。これらの方法は、煩雑となり、又不必要に性能を制限し、さらには顧客の乱用を招くことになる。例えば、工場で設定された地域設定を有するシステムは、設定を再構築することなく、異なる地域に再配布することが簡単にできない。多くの場合、設定を再構築するため、製品パッケージを開き、システムの電源を入れ、特定の管理者レベルアクセスでシステムにログインし、地域の設定を変更する必要がある。さらに、ユニットが固有の国/地域で売られ、その後顧客が異なる国/地域にユニットを移動させた場合、顧客はその地域の法律に違反して動作させることになるかもしれない。これは、無線伝送を規制する地域の法律に不慣れである場合に、意図せず起こる可能性がある。一部の国では、顧客が地域の設定を選択できないようにしている。これは、顧客が、現在の地域より規制が緩い別の地域を選択することにより「システムを操作する」ことがないようにするためである。
【0017】
特定の実施形態は、例えばクラウドベースサーバを使用して、無線ネットワークパラメータを自動的に構築することにより、上述した一部の課題又は全ての課題を解決している。特定の実施形態は、ユーザの操作を必要とせずに、自動的にロケーションを決定すること及び/又はネットワーク性能データを収集することができる。特定の実施形態では、外部ソースと対話し、メディア再生デバイスのロケーションを識別することができる、及び/又はデバイス及び/又はローカル無線ネットワーク構築等の適切なパラメータを決定することができる。
【0018】
以下に開示されているシステム、方法、装置、及び製品の例は、他の構成要素、ハードウェア上で実行されるファームウェア及び/又はソフトウェアを含むが、そのようなシステム、方法、装置、及び/又は製品は、単に例示しているだけであり、限定されるべきではないことに留意されたい。
【0019】
II.動作環境の例
図面を参照すると、同様のパーツに対しては、複数の図面において、同様の符号を付している。図1は、本明細書で開示された1つ以上の実施形態が実行可能な、又は実施可能なシステム100の例を示している。
【0020】
例示のために、システム100は、複数のゾーンで構成されたホームを示しており、ホームは1つのゾーンのみで構成することができる。ホーム内の各ゾーンは、例えば、オフィス、浴室、寝室、キッチン、ダイニングルーム、ファミリールーム、ホームシアタールーム、ユーティリティ又はランドリールーム、及びパティオなどの異なる部屋又はスペースを示していてもよい。そのように構成されている場合では、1つのゾーンが複数の部屋を含んでいてもよい。ホーム内の各ゾーンに1つ以上のゾーンプレーヤー102−124が示されている。ゾーンプレーヤー102−124は、再生デバイス、マルチメディアユニット、スピーカー、プレーヤーなどと呼ばれ、オーディオ、ビデオ、及び/又はオーディオビジュアルの出力を行っている。コントローラ130は、システム100の制御を行っている。コントローラ130は、ゾーンに固定されていてもよいし、あるいは、コントローラ130は、ゾーンの周りを移動可能な移動体であってもよい。システム100は、複数のコントローラ130を含んでいてもよい。システム100は、例示的なハウスオーディオシステム全体を表すが、本明細書に記載の技術は、これらの特定の場所への用途に限定されず、又、図1のハウスオーディオシステム100全体のような広範囲のシステムにも限定されない。
【0021】
a.ゾーンプレーヤーの例
図2A図2B図2Cは、様々な種類のゾーンプレーヤーの例を示している。例えば、図2A図2B図2Cのゾーンプレーヤー200、202、及び204は、それぞれ、図1のゾーンプレーヤー102−124のいずれにも対応できる。いくつかの実施形態では、オーディオが、フルレンジプレーヤー等の単一のゾーンプレーヤーのみから再生されてもよい。いくつかの実施形態では、オーディオは、2つ以上のゾーンプレーヤー、例えば、複数のフルレンジプレーヤーの組み合わせ、又はフルレンジプレーヤーと特定のプレーヤーとの組み合わせ等で再生されてもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー200−204はまた、「スマートスピーカー」と呼ばれてもよい。この理由は、オーディオの再生以上の処理能力を備えているからであり、以下に詳細に述べられている。
【0022】
図2Aは、フルレンジサウンドを再生可能なサウンド生成機器208を含むゾーンプレーヤー200を示す。サウンドは、オーディオ信号から得られる。オーディオ信号は、有線データネットワーク上又は無線データネットワーク上でゾーンプレーヤー200によって受信することができる。サウンド生成機器208は、1つ以上の内蔵アンプと、1つ以上のスピーカーを含む。内蔵アンプについては、図4を参照しながら、以下にさらに詳細に述べる。スピーカー又は音響トランスデューサは、例えば、ツイーター、ミッドレンジドライバ、低域ドライバ、及びサブウーファーのいずれかを含むことができる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー200は、ステレオオーディオ、モノラルオーディオ、又はその両方を再生するように静的に又は動的に構成することができる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー200が他のゾーンプレーヤーとグループ化されてもよい。ステレオオーディオ、モノラルオーディオ、及び/又はサラウンドオーディオを再生するとき、又はゾーンプレーヤー200によって受信したオーディオコンテンツがフルレンジより低いとき、ゾーンプレーヤー200は、フルレンジサウンドのサブセットを再生するように構成することもできる。
【0023】
図2Bは、分離したスピーカー210に電力を供給する内蔵アンプを含むゾーンプレーヤー202を示す。分離したスピーカーは、例えば、任意のタイプのラウドスピーカーを含むことができる。ゾーンプレーヤー202は、1つ、2つ、又はそれより多い数の別々のラウドスピーカーに電力を供給するように構成されてもよい。ゾーンプレーヤー202は、有線パスを通じてオーディオ信号(例えば、右又は左のチャンネルオーディオ又はその構成に応じた数のチャンネル)を分離したスピーカー210に対して通信するように構成されている。
【0024】
図2Cは、内蔵アンプを含まないが、データネットワーク上で受信した、オーディオ信号を、内蔵アンプを備えるオーディオ(又は「オーディオ/ビデオ」)受信器214に通信するゾーンプレーヤー204を示している。
【0025】
図1に戻って、いくつかの実施形態では、1つ、いくつか、又はすべてのゾーンプレーヤー102−124は、ソースから直接オーディオを取り出すことができる。例えば、ゾーンプレーヤーは、再生されるべきオーディオコンテンツの再生リスト又はオーディオ項目の列(本明細書においては「再生列」とも言う)を含んでいてもよい。再生列内の各項目は、ユーアールアイ(URI)又はいくつかの他の識別子を含んでいてもよい。URI又は識別子は、オーディオソースに対するゾーンプレーヤーを指し示すことができる。ソースは、インターネット(例えば、クラウド)上で見つけられるかもしれないし、データネットワーク128上の別のデバイス、ゾーンプレーヤー自体に格納されたコントローラ130からローカルに見つかるかもしれないし、又はゾーンプレーヤーと直接通信するオーディオソースから見つかるかもしれない。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、オーディオそのものを再生できる。又、ゾーンプレーヤーは、オーディオを再生するために別のデバイスに送信できる。又、ゾーンプレーヤーは、ゾーンプレーヤー自体と、追加される1つ以上のゾーンプレーヤーとを同期してオーディオを再生することもできる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、再生用の別のゾーンプレーヤーに異なる第2オーディオコンテンツを送信している間、第1オーディオコンテンツを再生することができる(又は全く再生できない)。
【0026】
説明のため、カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドが現在販売提供している「PLAY:5」、「PLAY:3」、「CONNECT:AMP」、「CONNECT」、及び「SUB」と呼ばれるゾーンプレーヤーがある。他の過去、現在、及び/又は将来の任意のゾーンプレーヤーは、追加的に又は代替的に本明細書で開示された実施例のゾーンプレーヤーに実装して使用することができる。更に、ゾーンプレーヤーは、図2A、2B、及び2Cに示された特定の例又は提供されるソノズ製品に限定されないことを理解する。例えば、ゾーンプレーヤーは、有線のヘッドホン又は無線のヘッドホンで構成されていてもよい。更に別の例では、ゾーンプレーヤーは、テレビ用のサウンドバーを含んでいてもよい。更に別の例では、ゾーンプレーヤーは、アップル社のiPod(商標)又は同様のデバイス用のドッキングステーションを含むことができるし、又、それらと対話することができる。
【0027】
b.コントローラの例
図3は、ドッキングステーション302内の無線コントローラ300の例を示す。説明のため、コントローラ300は、図1の制御デバイス130に対応可能である。ドッキングステーション302が備えられている場合、ドッキングステーション302は、コントローラ300のバッテリーを充電するために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、コントローラ300は、タッチスクリーン304を備えており、ユーザは、タッチスクリーン304をタッチすることでコントローラ300と対話可能となっている。例えば、ユーザは、オーディオコンテンツの再生リストを取り出し、ナビゲートし、1つ以上のゾーンプレーヤーの動作を制御し、システム構成100の全体を制御することができる。ある実施形態では、任意の数のコントローラを使用して、システム構成100を制御することができる。いくつかの実施形態では、システム構成100を制御可能なコントローラの数を制限することができる。コントローラは、無線コントローラ300のように無線であってもよいし、又はデータネットワーク128に有線で接続されてもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、複数のコントローラがシステム100に使用される場合、各コントローラは、共通のコンテンツを表示するために調整されてもよいし、1つのコントローラから生じた変更を示すためにすべてのコントローラを動的に更新してもよい。調整は、例えば、コントローラによって、1つ以上のゾーンプレーヤーから直接又は間接的に状態変数を定期的に要請することによって行うことができる。状態変数は、システム100についての情報を提供してもよく、例えば、現在のゾーングループ構成、1つ以上のゾーンで再生しているもの、ボリュームレベル、及び興味のある他の項目などを提供してもよい。状態変数は、必要に応じて、又は多くの場合プログラムされて、ゾーンプレーヤー(及び、もし望むのであれば、コントローラ)間のデータネットワーク128上に渡されてもよい。
【0029】
更に、任意のネットワーク対応携帯デバイスとして、例えば、IPHONE(登録商標)、IPAD(登録商標)、ANDROID(登録商標)対応電話、又は任意の他のスマートフォン若しくはネットワーク対応デバイスなどで実行されるアプリケーションが、データネットワーク128に接続することによってコントローラとして使用できる。ラップトップ又はデスクトップパーソナルコンピュータ(PC)若しくはMAC(商標)上で実行されるアプリケーションも、コントローラ130として使用される。そのようなコントローラは、データネットワーク128、ゾーンプレーヤー、無線ルータを備えるインタフェースを通じてシステム100に接続されるか、又はいくつかの他の構成された接続パスを使用してシステム100に接続されてもよい。カリフォルニア州サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドが提供するコントローラの例としては、「コントローラ200」、「SONOS(登録商標) Control」、「SONOS(登録商標) Controller for IPHONE(登録商標)」、「SONOS(登録商標) Controller for IPAD(登録商標)」、「SONOS(登録商標) Controller for ANDROID(登録商標)」、「SONOS(登録商標) Controller for MAC又はPC」を含む。
【0030】
c.データ接続の例
図1のゾーンプレーヤー102から124は、直接又は間接的にデータネットワークとして、例えばデータネットワーク128に接続される。コントローラ130は、直接又は間接的にデータネットワーク128に接続されるか、又は個別にゾーンプレーヤーに接続されてもよい。データネットワーク128は、示された他の構成要素から目立つように図中に八角形で示されている。データネットワーク128が1つの場所に示されているが、そのようなネットワークは、システム100の中及び周りに拡がっていることが理解される。特に、データネットワーク128は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、又は有線ネットワークと無線ネットワークの両方の組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124の1つ以上は、専有のメッシュネットワークに基づいて、データネットワーク128に無線で接続されている。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124の1つ以上は、非メッシュトポロジーを使用して、データネットワーク128に無線で接続される。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124の1つ以上は、イーサネット(登録商標)又は同様の技術を使用し、データネットワーク128への有線を介して接続されている。1つ以上のゾーンプレーヤー102−124をデータネットワーク128に接続することに加えて、データネットワーク128は、更に、例えば、インターネットなどのワイドエリアネットワークにアクセス可能である。
【0031】
いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー102−124のいくつか、又はいくつかの他の接続デバイスをブロードバンドルータに接続することによって、データネットワーク128が形成されてもよい。他のゾーンプレーヤー102−124は、その後、データネットワーク128に対して有線で追加することができるか、又は無線で追加することができる。例えば、ゾーンプレーヤー(例えば、ゾーンプレーヤー102−124のいずれか)は、ゾーンプレーヤーに設けられたボタンを単に押すことによって、システム構成100に追加され(又はいくつかの他のアクションを実行し)、データネットワーク128への接続を可能にしている。ブロードバンドルータは、例えば、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に接続することができる。ブロードバンドルータは、他のアプリケーション(例えば、ウェブサーフィン)に使用可能なシステム構成100内の別のデータネットワークを形成するために使用することができる。データネットワーク128はまた、そのようにプログラムされている場合にも使用することができる。一例では、第2ネットワークは、サンタバーバラのソノズ・インコーポレイテッドによって開発されたソノズネット・プロトコルを実装してもよい。ソノズネットは、安全で、AES暗号化された、ピア・ツー・ピアの無線メッシュネットワークを表す。あるいは、ある実施形態では、データネットワーク128は、家庭内の他の用途に使用されるネットワーク、例えば従来の有線ネットワーク又は無線ネットワークと同じネットワークである。
【0032】
d.ゾーン構成の例
特定のゾーンは、1つ以上のゾーンプレーヤーを含むことができる。例えば、図1のファミリールームでは、2つのゾーンプレーヤー106及び108を含んでおり、一方キッチンでは、1つのゾーンプレーヤー102を備えていることが示されている。別の例では、ホームシアタールームは、5.1チャンネル以上のオーディオソースからのオーディオ(例えば、5.1以上のオーディオチャネルにてエンコードされたムービー)を再生する追加のゾーンプレーヤーを有する。いくつかの実施形態では、1つは、ルーム内又はスペース内にゾーンプレーヤーを配置し、コントローラ130を介してゾーンプレーヤーを新しいゾーンに割り当てるか、又は既存のゾーンに割り当てることができる。そのように、ゾーンが形成されてもよく、別のゾーンと組み合わされてもよく、取り除かれてもよく、特定の名前(例えば、「キッチン」)を与えてもよい。また、望むのならば、コントローラ130でそのようにするようにプログラムされてもよい。さらに、いくつかの実施形態では、ゾーン構成は、コントローラ130又はいくつかの他の機構を使用して構成された後においても動的に変更してもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、ゾーンが、2つ以上のゾーンプレーヤーとして、例えば、ファミリールームにおいて2つのゾーンプレーヤー106及び108を含む場合、2つのゾーンプレーヤー106及び108は、同じオーディオソースを同期して再生するように構成することができる。また、2つのゾーンプレーヤー106及び108は、例えば、左と右のチャンネルのように、2つの別のサウンドを再生するようにペアにすることもできる。言い換えれば、サウンドのステレオ効果は、一方を左サウンド用、他方を右サウンド用として使用する2つのゾーンプレーヤー106及び108を通して、再現されてもよく、又は強化されてもよい。ある実施形態では、ペアのゾーンプレーヤー(「結合したゾーンプレーヤー」とも呼ばれる)は、同じゾーン又は異なるゾーンにおける他のゾーンプレーヤーと同期してオーディオを再生することもできる。
【0034】
いくつかの実施形態では、2つ以上のゾーンプレーヤーを音響的に統合し、単一の統合されたゾーンプレーヤーを形成することができる。統合されたゾーンプレーヤーは、追加のスピーカードライバを通ってサウンドが流れるため、(複数の異なったデバイスから構成されている)統合されたゾーンプレーヤーは、統合されていないゾーンプレーヤー又はペアにされたゾーンプレーヤーと比べて、サウンドの処理や再現を異なるように構成することができる。統合されたゾーンプレーヤーは、更に、単一のゾーンプレーヤー又は他の統合されたゾーンプレーヤーとペアにすることができる。統合された再生デバイスのそれぞれの再生デバイスは、好ましくは統合モードに設定される。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、ユーザは、ゾーンプレーヤーのグループ化、統合、ペアリング等のいずれかを行い続け、所望の構成を完成させることができる。グループ化、統合、及びペアリングの操作は、好ましくは、例えば、コントローラ130を使用するなどの制御インタフェースを通じて行われ、異なる構成を作成するようにスピーカーワイヤーを、例えば、個々の、離れたスピーカーに物理的に接続及び再接続することなく行われる。このように、本明細書に記載された特定の実施形態は、より柔軟で動的なプラットフォームを提供し、サウンド再生をエンドユーザに提供することができる。
【0036】
e.オーディオソースの例
いくつかの実施形態では、各ゾーンは、別のゾーンのオーディオソースと同じオーディオソースから再生できる。また、各ゾーンは、それぞれ異なるオーディオソースで再生することもできる。例えば、誰かがパティオ上でグリルしながら(grilling)、ゾーンプレーヤー124を介してジャズ音楽を聞くことができる。また、誰かがキッチンで食事の準備をしながらゾーンプレーヤー102を介してクラシック音楽を聞くこともできる。さらに、誰かがオフィスにいながら、パティオ上でゾーンプレーヤー124を介して再生されているジャズ音楽と同じ音楽を、ゾーンプレーヤー110を介して聞くこともできる。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー110と124を介して再生されるジャズ音楽が、同期して再生される。複数のゾーン間で再生を同期することで、オーディオを途切れさせることなく(又はほぼ途切れさせることなく)聞きながら、ユーザは、複数のゾーンを移動することができる。さらに、ゾーンを「パーティーモード」とし、連結された全てのゾーンが同期してオーディオを再生することもできる。
【0037】
ゾーンプレーヤー102−124によって再生されるオーディオコンテンツのソースは、多数ある。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー自体が有する音楽にアクセスされ、その音楽が再生されてもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータ又はネットワーク接続ストレージ(NAS)上に記憶された個人のライブラリから音楽が、データネットワーク128を介してアクセスされ、再生されてもよい。いくつかの実施形態では、インターネットラジオ局、番組、及びポッドキャストが、データネットワーク128を介してアクセスすることができる。ユーザに音楽とオーディオコンテンツを流す、及び/又はダウンロードさせる音楽サービス又はクラウドサービスは、データネットワーク128を介してアクセスできる。さらに、音楽は、例えば、ターンテーブル又はCDプレーヤーなどの従来のソースから、ラインイン接続を介してゾーンプレーヤーに接続して、得られてもよい。オーディオコンテンツはまた、異なるプロトコルとして、例えば、アップル社のAIRPLAY(登録商標)ワイヤレス技術を使用して、アクセスすることができる。1つ以上のソースから受信されたオーディオコンテンツは、データネットワーク128及び/又はコントローラ130を介して、ゾーンプレーヤー102から124の間で共有することができる。上述したオーディオコンテンツのソースは、本明細書において、ネットワークベースのオーディオ情報ソースと呼ばれる。しかしながら、ネットワークベースのオーディオ情報は、それらに限定されない。
【0038】
いくつかの実施形態では、例示のホームシアターゾーンプレーヤー116、118、120は、テレビ132などのオーディオ情報ソースに接続されている。いくつかの例では、テレビ132が、ホームシアターゾーンプレーヤー116、118、120のためのオーディオソースとして使用されており、一方、他の例においては、テレビ132からのオーディオ情報がオーディオシステム100内のゾーンプレーヤー102−124のいずれかと共有することができる。
【0039】
III.ゾーンプレーヤー
図4を参照すると、実施の形態に関連するゾーンプレーヤー400の例示的なブロック図が示されている。図4のゾーンプレーヤー400は、ネットワークインタフェース402、プロセッサ408、メモリ410、オーディオ処理コンポーネント412、1つ以上のモジュール414、オーディオアンプ416、及びスピーカーユニット418を含む。スピーカーユニット418は、オーディオアンプ416に接続されている。図2Aは、そのようなゾーンプレーヤーの例を図示している。他のタイプのゾーンプレーヤーは、(例えば、図2Bに示される)スピーカーユニット418又は(例えば、図2Cに示される)オーディオアンプ416を含まなくてもよい。さらに、ゾーンプレーヤー400は、別のコンポーネントに統合できることが意図されている。例えば、ゾーンプレーヤー400は、屋内又は屋外で使用するテレビ、照明、又はいくつかの他のデバイスの一部として構成することができる。
【0040】
いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、データネットワーク128上のゾーンプレーヤー400と他のデバイスとの間のデータフローを可能にしている。いくつかの実施形態では、データネットワーク128上の別のゾーンプレーヤー又はデバイスからオーディオを取得することに加えて、ゾーンプレーヤー400は、オーディオソースから直接オーディオにアクセスすることができる。オーディオソースとしては、例えば、ワイドエリアネットワーク上のオーディオソース、又はローカルネットワーク上のオーディオソース等がある。更に、いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、各パケットのアドレス部を扱い、各パケットが正しい宛先に到達するように、ゾーンプレーヤー400に向かうべきパケットを受信する。したがって、特定の実施形態では、パケットのそれぞれは、IPベースのソースアドレスだけでなくIPベースの宛先アドレスも含む。
【0041】
いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402は、無線インタフェース404と有線インタフェース406とのどちらか一方又は両方を含むことができる。無線インタフェース402は、無線周波数(RF)インタフェースとも呼ばれ、ゾーンプレーヤー400にネットワークインタフェース機能を提供する。これにより、ゾーンプレーヤー400は、通信プロトコル(例えば、任意の無線規格IEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n、又は802.15.1を含む)に従って他のデバイス(例えば、他のゾーンプレーヤー、スピーカー、受信機、データネットワーク128に関連付けられたコンポーネントなど)と無線上で通信する。無線インタフェース404は、1つ以上の無線装置を含んでもよい。無線信号を受信し、無線信号を無線インタフェース404に提供し、無線信号を送信するため、ゾーンプレーヤー400は、1つ以上のアンテナ420を含む。有線インタフェース406は、ネットワークインタフェース機能をゾーンプレーヤー400に提供している。これにより、ゾーンプレーヤー400は、通信プロトコル(例えば、IEEE802.3)に従って他のデバイスと有線上で通信する。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤーは、インタフェース404と406との両方を含む。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー400は、無線インタフェース404のみを含むか、又は有線インタフェース406のみを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、プロセッサ408は、クロック駆動の電子デバイスであり、コンピュータのメモリ410に記憶された命令に従って、入力データを処理するように構成されている。メモリ410は、1つ以上のソフトウェアモジュール414を搭載することができるデータストレージであり、コンピュータのプロセッサ408によって実行されることで特定のタスクを実行することができる。図示された実施形態では、メモリ410は、有形のコンピュータで読み取り可能な記録媒体であって、プロセッサ408によって実行可能な命令を記憶している。いくつかの実施形態では、タスクとは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤー又はネットワーク上のデバイスから(例えば、ユーアールアイ(URL)又はいくつかの他の識別子を使用して)オーディオデータを取得することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400が別のゾーンプレーヤーにオーディオデータを送信することか、又はネットワーク上のデバイスにオーディオデータを送信することであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400のオーディオ再生を、追加された1つ以上のゾーンプレーヤーと同期させることであってもよい。いくつかの実施形態では、タスクは、ゾーンプレーヤー400を1つ以上のゾーンプレーヤーとペアにし、マルチチャネルオーディオ環境を作成することであってもよい。追加のタスク又は代替的なタスクは、1つ以上のソフトウェアモジュール414及びプロセッサ408を介して実行することができる。
【0043】
オーディオ処理コンポーネント412は、1つ以上のデジタル−アナログ変換器(DAC)、オーディオ前処理コンポーネント、オーディオ強化コンポーネント又はデジタル信号プロセッサなどを含むことができる。いくつかの実施形態では、オーディオ処理コンポーネント412は、プロセッサ408の一部であってもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークインタフェース402を介して取り出されたオーディオは、オーディオ処理コンポーネント412によって処理される、及び/又は意図的に変更される。さらに、オーディオ処理コンポーネント412は、アナログオーディオ信号を生成することができる。処理されたアナログオーディオ信号は、オーディオアンプ416に提供され、スピーカー418を通して再生される。また、オーディオ処理コンポーネント412は、入力としてアナログ信号又はデジタル信号を処理する回路を含み、ゾーンプレーヤー400から再生することができる。また、オーディオ処理コンポーネント412は、ネットワーク上の別のゾーンプレーヤーに送信することもできる。また、オーディオ処理コンポーネント412は、再生すると共、ネットワーク上の別のデバイスに送信することもできる。入力の例としては、ラインイン接続(例えば、オートディテクティング3.5mmオーディオラインイン接続)を含む。
【0044】
オーディオアンプ416は、1つ以上のスピーカー418を駆動できるレベルまでオーディオ信号を増幅するデバイスである。1つ以上のスピーカー418は、個々の変換器(例えば、「ドライバ」)又は1つ以上のドライバを内包する筐体を含んだ完全なスピーカーシステムを含むことができる。特定のドライバは、例えば、サブウーファー(例えば、低周波用)、ミッドレンジドライバ(例えば、中周波用)、及びツイーター(例えば、高周波用)であってもよい。筐体は、例えば、密封することもでき、又は移植することもできる。各トランスデューサは、それ自体の個々の増幅器によって駆動されてもよい。
【0045】
現在、市販されている例として知られているゾーンプレーヤーとして、内蔵アンプとスピーカーとを備えるPLAY:5がある。PLAY:5は、例えば、インターネット又はローカルネットワークなどのソースから直接オーディオを取り出すことができる。特に、PLAY:5は、5アンプ、5ドライバ・スピーカーシステムであり、それは2つのツイーター、2つのミッドレンジドライバ及び1つのウーファーを含んでいる。PLAY:5を通じてオーディオコンテンツを再生する場合、トラックの左側のオーディオデータは、左側のツイーターと左側のミッドレンジドライバから送られる。トラックの右側のオーディオデータは、右側のツイーターと右側のミッドレンジドライバから送られる。また、モノラル低音は、サブウーファーから送られる。さらに、両方のミッドレンジドライバと両方のツイーターが同じイコライゼーション(又は実質的に同じイコライゼーション)を有してもよい。つまり、これらの両方が同じ周波数にて異なるオーディオチャネルから送信される。PLAY:5は、インターネットラジオ局又はオンライン音楽・ビデオサービスからのオーディオ、ダウンロードされた音楽、アナログオーディオ入力、テレビ、DVDなどを再生することができる。
【0046】
IV.コントローラ
図5を参照すると、図1の制御デバイス130に対応可能なコントローラ500の例示的なブロック図が示されている。コントローラ500は、システム内のマルチメディアアプリケーションの制御、自動化及びその他のことを可能にするために使用することができる。特に、コントローラ500は、ネットワーク上で利用可能な複数のオーディオソースを選択することを可能にすると共に、無線又は有線のネットワークインタフェース508を介して1つ以上のゾーンプレーヤー(例えば、図1のゾーンプレーヤー102−124)の制御を可能にするように構成することができる。一実施形態によれば、無線通信は、標準規格(例えば、赤外線、無線装置、あるいはIEEE802.11a、802.11b、802.11g、802.11n又は802.15を含む無線規格など)に基づいている。さらに、特定のオーディオがコントローラ500を介してアクセスされている場合か、又は特定のオーディオがゾーンプレーヤーを経由して再生されている場合、画像(例えば、アルバムアート)又は他のデータが、オーディオ及び/又はオーディオソースに関連付けられてコントローラ500へ送信され、あるゾーンプレーヤー又は他の電子機器から表示することもできる。
【0047】
コントローラ500には、スクリーン502と入力インタフェース514が設けられている。これにより、ユーザはコントローラ500と対話し、例えば、多くのマルチメディア項目の再生リストをナビゲートしたり、1つ以上のゾーンプレーヤーの動作を制御することができる。コントローラ500上のスクリーン502は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンとすることができる。スクリーン502は、マイクロコントローラ(例えば、プロセッサ)506によって制御されるスクリーンドライバ504と通信すると共に、コマンドを受信する。メモリ510は、1つ以上のアプリケーションモジュール512をロードすることができる。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、選択された複数のゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化し、ゾーンプレーヤーを同期して、オーディオを再生することができるように構成されている。いくつかの実施形態では、アプリケーションモジュール512は、ゾーングループ内のゾーンプレーヤーのオーディオサウンド(例えば、ボリューム)を制御するように構成されている。動作中において、マイクロコントローラ506がアプリケーションモジュール512の1つ以上を実行するとき、スクリーンドライバ504は、スクリーン502を駆動するための制御信号を生成し、特定のユーザインタフェースにアプリケーションを表示する。
【0048】
コントローラ500は、有線又は無線でゾーンプレーヤーと通信できるネットワークインタフェース508を含む。いくつかの実施形態では、ボリュームコントロール及びオーディオ再生同期などのコマンドは、ネットワークインタフェース508を介して送信される。いくつかの実施形態では、保存されたゾーングループ構成がネットワークインタフェース508を介してゾーンプレーヤーとコントローラとの間に転送される。コントローラ500は、1つ以上のゾーンプレーヤー、例えば、図1のゾーンプレーヤー102−124などを制御することができる。特定のシステム用に複数のコントローラを利用することができる。各コントローラは別のコントローラと共通の情報を共有することができる。又は、ゾーンプレーヤーが構成データ(例えば、状態変数など)を格納している場合、ゾーンプレーヤーから共通の情報を取り出すことができる。さらに、コントローラは、ゾーンプレーヤーに統合することできる。
【0049】
他のネットワーク対応デバイスとして、例えば、IPHONE(登録商標)、IPAD(登録商標)若しくは他の任意のスマートフォン又はネットワーク対応デバイス(例えば、PC又はMAC(登録商標)などのネットワーク化されたコンピュータなど)は、特定の環境内のゾーンプレーヤーと対話するためのコントローラ、又は制御するためのコントローラとしても使用できることに留意すべきである。いくつかの実施形態では、ソフトウェアアプリケーション又は更新は、ネットワーク対応デバイス上にダウンロードされ、本明細書で述べられている機能を実行できる。
【0050】
ある実施形態では、ユーザは、コントローラ500から少なくとも2つのゾーンプレーヤーを含むゾーングループ(結合されたゾーンとも呼ばれる)を作成することができる。ゾーングループ内のゾーンプレーヤーは、同期化された方法でオーディオを再生し、ゾーングループ内のすべてのゾーンプレーヤーが同一のオーディオソースを再生する方法か、試聴遅延がないか又は音が途切れない(試聴遅延がほぼないか又は音の途切れがほぼない)ように同期する方法で、同一のオーディオソースのリストを再生することができる。同様に、いくつかの実施形態絵は、ユーザがコントローラ500からグループのオーディオボリュームを大きくするとき、グループのオーディオボリュームを大きくする信号又はデータが、ゾーンプレーヤーの1つに送信され、グループ内の他のゾーンプレーヤーのボリュームを一緒に大きくする。
【0051】
ユーザは、コントローラ500を介して、「Link Zones」(「ゾーンをリンク」)又は「Add Zones」(「ゾーンを追加」)のソフトボタンをアクティブにすることによってゾーンプレーヤーをゾーングループにグループ化することができ、又ユーザは、「Unlink Zones」(「ゾーンをリンク解除」)又は「Drop Zones」(「ゾーンをドロップ」)ボタンをアクティブにすることによってゾーングループをグループ解除することができる。例えば、オーディオを再生するためにゾーンプレーヤーを一緒に「参加させる」ための1つの機構は、複数のゾーンプレーヤーをリンクしてグループを形成することである。
【0052】
ある実施形態では、ユーザは、例えば、単一のゾーンで始めて、その後手動でそれぞれのゾーンをそのゾーンにリンクすることによって、6つのゾーンプレーヤーのうち任意の数のゾーンプレーヤーだけをリンクすることができる。
【0053】
ある実施形態では、ゾーンは、コマンドを使用して共に動的にリンクし、(最初にゾーンシーンを作成した後に)ゾーンシーン又はテーマを作成することができる。例えば、「Morning」(「朝」)ゾーンシーンコマンドは、寝室、オフィス、及びキッチンゾーンを1つの動作で一緒にリンクすることができる。この単一のコマンドがないと、ユーザは、各ゾーンを手動で個別にリンクする必要がある。単一のコマンドは、マウスクリック、ダブルマウスクリック、ボタンを押すこと、ジェスチャー、又はいくつあの他のプログラムされた動作を含んでもよい。他の種類のゾーンシーンをプログラムすることもできる。
【0054】
ある実施形態では、ゾーンシーンは、時間(例えば、アラームクロック機能)に基づいてトリガーすることができる。例えば、ゾーンシーンは、午前8:00に適用されるように設定することができる。システムは、適切なゾーンに自動的にリンクすることができ、特定の音楽を再生するように設定することができる。任意の特定のゾーンが時間に基づいて状態を「オン」又は「オフ」にトリガーすることができるが、例えば、ゾーンシーンは、シーンとリンクされた任意のゾーンが、予め定義されたオーディオ(例えば、お気に入りの歌、ア予め定義された再生リスト)を、特定の時間に、及び/又は特定の期間で再生可能なようにしている。何らかの理由により、スケジュールされた音楽の再生を失敗した(例えば、再生リストが空である、共有への接続がない、ユニバーサルプラグアンドプレイ(UPnP)の失敗、インターネットラジオ局へのインターネット接続がないなどの)場合、バックアップブザーが鳴るようにプログラムすることができる。
【0055】
V.構築システムと構築方法の例
特定の実施形態は、ローカル無線ネットワーク用の構築パラメータを有するメディア再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー400)を自動的に構築することができる。例えば、ネットワークパラメータの自動構築は、クラウドベースサーバ及び/又は他のセットワークサーバを使用することにより可能にしてもよい。
【0056】
図6は、再生ネットワーク605の例を示している。再生ネットワーク605は、外部システム620と通信する1つ以上の再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー400)611−612を含み、1つ以上の構築パラメータを(例えば、押す及び/又は引くことにより)読み出す及び/又は受信する。1つ以上の構築パラメータは、ネットワーク接続、操作、グルーピング(例えば、ゾーングループの構成)、コンテンツ再生などに関連する。例えば、外部システム620は、クラウドベースサーバ又は他のネットワーク接続サーバデバイスであってもよいし、及び/又は含んでもよい。外部サーバ620は、ローカルデバイス611、612と対話し、地域の(又は地理的)構築情報、通信チャンネル選択などを提供してもよい。例えば、外部サーバ620及びローカル再生デバイス611、612は、ユーザの操作なしにパラメータ情報を交換してもよい。例えば、再生デバイス611、612は、情報を使用し、ネットワーク605上の操作用ネットワークパラメータを構築することができる。
【0057】
一例では、ローカルデバイス611、612用の無線パラメータの自動構築は、ユーザの操作なしに地域ロケーションに基づいて、簡単に行うことができる。地域ロケーションは、例えば、全地球測位装置(GPSの受信装置)、クラウドサーバ、又は他のローカルネットワーク上のデバイスなどの入力を使用して決定する。無線ネットワークパラメータは、クラウドサーバ(例えば、外部システム620)によって提供されるか、又はローカルネットワーク上の別のデバイスによって、例えば、位置情報に基づいて提供される。例えば、無線パラメータは、各地域のデバイス上にローカルに記憶することもできる。地域を決定すると、適切な設定が適用される。
【0058】
図6の例では、無線ネットワークは、複数の異なるネットワークデバイス、例えば、マルチメディアデバイス(例えば、ゾーンプレーヤー、無線対応テレビなど)、無線携帯デバイス(例えば、IPOD(登録商標)、IPHONE(登録商標)、IPAD(登録商標)など)、アクセスポイント、及びネットワークブリッジを含む。この無線ネットワークは、メッシュネットワーク、アクセスポイントネットワークなどであってもよい。
【0059】
図6の例では、ユーザの操作なしにクラウドサーバを使用してメッシュネットワーク内で無線ネットワークパラメータを自動構築することができる。無線ネットワークは、複数の異なるネットワークデバイスとして、例えば、マルチメディアデバイス(例えば、ゾーンプレーヤー、無線対応テレビなど)、無線携帯デバイス(例えば、IPOD(登録商標)、IPHONE(登録商標)、IPAD(登録商標)など)、アクセスポイント、及びネットワークブリッジを含むことができる。ネットワークデータは、再生デバイス611、612によって収集され、分析用にクラウドサーバに周期的に送信される。無線ネットワークパラメータは、クラウドサーバを介して構築することができる。クラウドサーバは、無線チャンネル、ビットレート、送信電力などを含む。例えば、無線トポロジーは、クラウドサーバを介して再構築してもよい。
【0060】
特定の実施形態では、スパニングツリープロトコルを使用するネットワークのために、スパニングツリーのルートが、クラウドサーバによって再割り当てられてもよい。
【0061】
特定の実施形態では、リモート、マニュアル操作だけでなく、クラウドサーバを使用して無線ネットワークパラメータを構築することを可能にしている。
【0062】
図7は、例示的なゾーンプレーヤー700の内部機能ブロック図を示している。ゾーンプレーヤー700は、外部ソースからロケーションベースの無線パラメータ情報を受信する。例えば、図7のゾーンプレーヤー700を使用して、図1のゾーンプレーヤー102−124のいずれかを実装してもよい。いくつかの実施形態では、ゾーンプレーヤー700を使用して、ホームシアターゾーンプレーヤー116、118、120のうち1つを実装する一方、サウンドバーを含んでもよい。本明細書で使用されるように、「サウンドバー」は、単一の再生デバイスと称される。単一の再生デバイスは、スピーカーアレイを含んでいる。スピーカーアレイは、ビデオ用オーディオを再生するように構成されている一方、通常時にはオーディオを再生するように構成されている。いくつかの例では、サウンドバーは、サラウンドサウンド環境をシミュレートするか、又は一部シミュレートしてもよい。
【0063】
図4のゾーンプレーヤー400の例のように、図7のゾーンプレーヤー700は、プロセッサ408、メモリ410、オーディオ処理コンポーネント412、モジュール414、オーディオアンプ416、スピーカー418、及び1つ以上のアンテナ420を含む。これらの構成要素についての詳細は、すでに前述されている。構成要素の数は、所望の構成に応じて増減してもよい。図7のゾーンプレーヤー700は、ネットワークインタフェース702を含む。ネットワークインタフェース702は、無線インタフェース404を含み、指定された無線スペクトル(例えば、2.4GHzスペクトル、5GHzスペクトルなど)を通じて通信する。また、ネットワークインタフェース702は、有線インタフェース406を含む。無線インタフェース404及び有線インタフェース406についての詳細は、すでに前述されている。ゾーンプレーヤー700は、いくつかのインタフェース404、406、又はすべてのインタフェース404、406を介して同時に通信してもよいし、実質的に同時に通信してもよい。
【0064】
図7のインタフェース404、406のそれぞれは、固有の識別子、例えば、固有のメディアアクセス制御(MAC)アドレス等を有していてもよい。したがって、インタフェース404、406のそれぞれは、個別に対処してもよい。また、ゾーンプレーヤー700は、望むのであれば、いくつかの又はすべてのインタフェース404、406を使用して同時に通信してもよい。
【0065】
更に、図7のゾーンプレーヤー700は、制御インタフェース706と、オーディオインタフェース708とを含む。制御インタフェース706は、インタフェース404、406のうち1つ又はその両方を介して、制御情報(例えば、構築情報)を送信する、及び/又は受信する。例えば、制御インタフェース706は、1つ以上の他のゾーンプレーヤーへ構築情報を通信してもよい。制御インタフェース706は、インタフェース404、406を介して1つ以上の他のゾーンプレーヤーに対しての構築情報を通信してもよい。いくつかの例では、制御インタフェース706は、他のゾーンプレーヤーから、インタフェース404、406を介して構築情報(例えば、無線チャンネル選択、ビットレート、エンコード、送信電力、ロケーションなど)を受信する。例えば、制御インタフェース706の例は、別のゾーンプレーヤー、ネットワーク(例えば、クラウドベース)サーバ等へ制御情報(例えば、チャンネルプローブ、ロケーション照会、ビットレート情報、エンコード情報など)を、インタフェース404、406を介して追加的に又は代替的に通信する。
【0066】
図7のオーディオインタフェース708は、オーディオ情報を送信する、及び/又はオーディオ情報を、インタフェース404、406を介して受信する。例えば、オーディオインタフェース708は、デジタルオーディオ情報をインターネットソースから受信してもよい。オーディオインタフェース708は、デジタルオーディオ情報をローカルネットワークソース(例えば、ローカルエリアネットワークを介したコンピュータ、又はLANを介したコンピュータ)から受信してもよい。オーディオインタフェース708は、デジタルオーディオ情報を、別のホームシアターコンポーネントとして、例えば、テレビ、ケーブルボックス、光学メディアプレーヤー(DVD、Blu−ray(登録商標)ディスクなど)、デジタルメディアプレーヤー、ビデオゲームコンソール、及び/又は任意の他の種類のオーディオソースから受信してもよい。更に、オーディオインタフェース708は、受信したオーディオ情報を、(例えば、RCA又は光学出力などのライン出力接続を介して、又はインタフェース404及び/又はインタフェース406を通じてのメッシュネットワークを介して)1つ以上のゾーンプレーヤーに送信する。1つ以上のゾーンプレーヤーは、基準ゾーンプレーヤーを含んでいる。いくつかの例では、オーディオインタフェース708は、オーディオ情報を送信する。オーディオ情報は、制御インタフェース706によって提供される制御情報に基づいている。
【0067】
使用されるチャンネルを制御するため、ネットワークインタフェース702は、チャンネルセレクタ704を含んでいる。チャンネルセレクタ704の例は、スペクトル(例えば、2.4GHz、5GHzなど)内のチャンネルを選択する。無線インタフェース404は、選択されたチャンネルを介して情報を送信する、及び/又は受信する。いくつかの実施形態では、チャンネルは、異なるデバイス(例えば、別のゾーンプレーヤー、クラウドベースサーバ等の外部デバイスなど)により選択される。チャンネルセレクタ704は、インタフェース404、406を介してチャンネル情報を得ている。
【0068】
いくつかの例では、現在選択しているチャンネルがメディアコンテンツ(例えば、オーディオ)の再生に適さなくなっても、より適した別のチャンネルが利用可能である。例えば、チャンネルセレクタ704は、新しいチャンネルを選択し、チャンネル情報を制御インタフェース706に提供してもよい。チャンネルセレクタ704により、無線インタフェース404は、新しく選択されたチャンネルを変更する。オーディオインタフェース708は、新しく選択されたチャンネル上のオーディオ情報を送信し続けてもよい。いくつかの例では、新しいチャンネル情報は、接続された別のゾーンプレーヤーに送信され、クラウドベースサーバ等に戻ってもよい。
【0069】
動作の例では、制御インタフェース706は、最初に(例えば、始動時、ゾーンプレーヤーをゾーンプレーヤーネットワークに追加するとき等に)、インタフェース404、406を介して外部デバイスと通信する。制御インタフェース706は、制御情報を送信する。制御インタフェース706は、デフォルトのチャンネル又は最後に知り得たチャンネルを介して、及び/又は他の無線設定を介して、制御情報の更新を要求する。例えば、制御情報の例は、少なくとも選択されたチャンネル、及びゾーンプレーヤー700の識別子(例えば、同じネットワーク上に存在し得る任意の他のゾーンプレーヤーからゾーンプレーヤー700を区別するもの)を含む。制御情報の送信後(いくつかの実施形態では、外部デバイスからの確認応答を受信後)、制御インタフェース706は、インタフェース404、406を介してフィードバックしてもよく、例えば、更新された制御情報を受信してもよい。適切な場合には、制御インタフェース706は、例えば、チャンネルセレクタ704を介して、外部デバイスから受信した更新情報に基づいて、ゾーンプレーヤー700のパラメータを更新することができるか、又は他の変更をすることができる。
【0070】
例を続けて、選択されたチャンネルが適切でなくなった場合(例えば、干渉が多すぎる、待ち時間が長い、ゾーンプレーヤーが移動したなど)、制御インタフェース706は、利用可能な外部デバイス(例えば、接続された別のゾーンプレーヤー、クラウドベースサーバなど)からの更新情報を要求してもよい。特定の実施形態では、チャンネルセレクタ704は、異なるチャンネルを選択し、制御情報を、新しく選択されたチャンネルを識別する同じローカルネットワーク上の他のゾーンプレーヤーへ送信する。
【0071】
図8は、複数のネットワークを含むシステム800の例を示す。複数のネットワークは、クラウドベースネットワークと、1つ以上のローカル再生ネットワークを含む。例えば、システム800は、クラウド又は他のネットワーク805を含んでいる。クラウド又は他のネットワーク805は、複数のローカルネットワーク(例えば、LAN)及び/又は通信及びデータ交換用の外部システムに接続している。システム800は、ローカルネットワーク810、820を含む。例えば、各ローカルネットワーク810、820は、複数のメディア再生デバイス811−813、821−823と、コントローラ814、824−825とを含む。例えば、ローカルメディアコンテンツ816、826は、ローカルエリアネットワーク810、820を介して記憶され、再生用に提供される。
【0072】
図8のシステム800は、再生デバイス831を追加して含んでもよい。再生デバイス831は、ローカルネットワークに関連していない。更に、システム800は、1つ以上の外部システムを含む。1つ以上の外部システムは、メディアコンテンツ840、リモートクラウドサーバ850、リモートアプリケーション、コンテンツプロバイダ等を含む。
【0073】
例えば、1つ以上の再生デバイス811−813、821−823、831及び/又はコントローラ814、824−825は、ネットワーク及び/又は他の構築情報(例えば、無線メッシュネットワーク構築パラメータ)を、クラウド805を介して取り出すことができる。例えば、クラウドサーバ850、他のネットワークデバイス、全地球測位装置などは、ロケーションベースの構築情報(例えば、通信チャンネル、地理的地域など)をネットワークデバイスに提供することができる。さらに、例えば、メディアコンテンツ(例えば、オーディオ、ビデオなど)は、システム800の中で共有することができる。以下に自動決定及び自動構築について、詳細に述べる。
【0074】
特定の実施形態では、無線ネットワーク(例えば、ネットワーク805、810、820)は、複数のネットワークデバイスとして、例えば、メディア再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー、無線スピーカー、無線対応テレビなど)、無線携帯デバイス(例えば、IPOD(登録商標)等の携帯音楽プレーヤー、IPOHONE(登録商標)等のスマートフォン、IPAD(登録商標)等のタブレットコンピュータなど)、アクセスポイント、ブリッジなどを含むことができる。特定の実施形態では、無線ネットワークは、メッシュネットワーク、アクセスポイントネットワークなどであってもよい。
【0075】
1.地域構築の例
特定の実施形態は、デバイスを使用中に、ロケーションを自動的に決定し、再生システム内の再生デバイス用の地域パラメータを構築する。これらの実施形態では、ユーザによる人の操作も必要とせず、工場の販売代理店で地域固有の構築設定を行うことも必要としない。
【0076】
デバイス(例えば、PLAY:5又はPLAY:3)のロケーションは、センサ、例えば、再生デバイスに組み込まれた全地球測位システム(GPS)等によって決定される。例えば、デバイスがそのような機能を有している場合、デバイスが起動し、そのロケーションを決定するときに、地域設定が自動的に設定される。例えば、再生デバイスは、GPS衛星及び/又は近くの地絡リレー(例えば、セルラータワー)の接続し、そのロケーションを決定してもよい。
【0077】
あるいは、例えば、デバイスが全地球測位機能を有していないがインターネット等のネットワークに接続されている場合、クラウドベースサービスによってリモートでロケーションが決定されてもよい。クラウドベースサービスにおいては、IPアドレスに基づいて動作しているユニットの地理的ロケーション(例えば、国)を決定することができる。例えば、再生デバイスは、ユーザが再生コントローラソフトウェアを実行しているコンピュータと通信し、ロケーションベース設定情報を取得してもよい。
【0078】
特定の実施形態では、再生デバイスが既存のネットワークに追加される場合、デバイスは、すでにそのネットワークで使用している他の製品から地域設定を引き継いでもよい。例えば、再生デバイスは、ブリッジ又は他の再生デバイスと対話し、ローカル再生ネットワークにアクセスする。このようにして、ネットワークに参加しているとき(及び/又はネットワークに参加した直後に)、他のネットワーク構築に加えて地域設定情報を受信することができる。
【0079】
一旦、ロケーションが決定すると、いくつかの実施形態では、地域設定が自動的にデバイス上で構築される。即ち、例えば、デバイスは、ユーザの手動での対話によって、その現在の地理的地域に基づいて構築することを必要としない。いくつかの実施形態では、すべての地域の設定(又は、例えば、最も一般的な地域、若しくはいくつかの他の地域のサブセット)を、ローカルにデバイス上の不揮発性メモリ内に格納することもできるし、又は別の同様のデバイスに格納することもできるし、又は無線ネットワークに接続されたローカルサーバに格納することもできる。
【0080】
いくつかの実施形態では、例えば、デバイスは、地域に基づいて、クラウドベースサービスから設定を取り出すことができる。クラウドベースサービスは、家内のデバイスが同じ地域設定を有するように機能し、もし必要である場合か、又は所望する場合、これらの設定は、規制に関する法律、環境等の変更に従って、時間をかけて更新することもできる。
【0081】
図9は、デバイスのロケーションを決定し、デバイス用のロケーションベース設定を作成する方法900の例のフロー図を示す。ブロック910では、デバイスは利用可能なネットワークに接続する。例えば、ゾーンプレーヤーは、家の無線ネットワークに接続する。デバイスはデフォルト設定を使用してネットワークに接続してもよい。デフォルト設定は、一度デバイスがネットワーク上の他のデバイスとセキュアな接続を確立すると、更新される。
【0082】
ブロック920では、デバイスはロケーションベース設定を受信する。例えば、再生デバイスは、ネットワークが配置される地理的地域を受信する。デバイスは、ネットワークに接続された状態で順番に調整を始め、コンテンツ再生などを可能にする。ブロック930では、受信した設定/取り出した設定は、デバイスに適用される。例えば、デバイスは、電源投入時に適用されるデフォルト設定から構築されてもよい。デフォルト設定は、受信した地域設定に基づく。例えば、デバイスは、最後の構築から変更した地域に基づいて再構築されてもよい。ブロック940では、デバイスの動作は、更新された設定に従って行われる。例えば、デバイスはコンテンツプロバイダ、他の再生デバイス、コントローラなどと通信し、コンテンツ及び/又は再生用の再生列情報などを受信してもよい。
【0083】
図10は、より具体的な方法1000の例のフロー図を示す。方法1000は、地域設定を決定し、ゾーンプレーヤーを適切に再構築する。ブロック1010では、ゾーンプレーヤーは、デフォルト設定(例えば、工場出荷時のデフォルト)を使用して利用可能な無線ネットワークに接続する。例えば、ゾーンプレーヤーは、接続情報(例えば、セキュリティパラメータ)をすでにネットワーク上に置かれたデバイスと交換し、ネットワークに接続してもよい。
【0084】
ブロック1020では、ゾーンプレーヤーは、ゾーンプレーヤーが動作している地理的地域を識別する。例えば、GPS、ネットワーク上の別のデバイスからの情報、インターネット接続などを使用して、ゾーンプレーヤーは、ゾーンプレーヤーが配置されている地理的地域を識別する。ブロック1030では、識別した地域の設定が決定される。例えば、地域パラメータは、電波スペクトル、無線チャンネル、ビットレート、エンコード、送信電力、セキュリティメカニズム等を含んでもよい。
【0085】
ブロック1040では、地域設定とゾーンプレーヤーのデフォルト設定とを比較し、ゾーンプレーヤーのネットワーク設定が変更されたかどうかを決定する。「はい」の場合、ブロック1050に進み、ゾーンプレーヤーのネットワーク設定が、決定された地域設定に基づいて再構築される。次に、ブロック1060では、ネットワーク上のコンテンツの再生と制御が、ゾーンプレーヤーを介して可能になる。
【0086】
2.チャンネル選択の例
特定の実施形態では、メッシュネットワーク内のチャンネル選択の課題は、例えば、以下のような方法で解決することができる。その方法とは、現在動作しているチャンネル、他の可能な無線チャンネル、音楽ドロップアウト率、パケットエラー率等のデータを収集する。そして、収集したデータを、例えば、クラウドベースサーバ及び/又は他のネットワークサーバに、定期的に及び/又はトリガーに基づいてアップロードする。特定の実施形態では、データは、格納したり、引き出したりすることができる。クラウドベースサーバは、様々なアルゴリズム又はヒューリスティックを実行し、家内のゾーンプレーヤーに指示を出し、家用のチャンネル変更を開始することができる。したがって、特定の実施形態では、ゾーンプレーヤー上での処理は、例えば、データ収集、データのアップロード、及びチャンネル変更の実行に制限される。他の処理及び分析がクラウド/ネットワークサーバ上で行われる。特定の実施形態では、チャンネル選択に加えて及び/又はチャンネル選択の代わりに、アルゴリズム/ヒューリスティックが評価され、様々なパラメータ、例えば、ビットレート、送信電力、ネットワークトポロジー等を調整することができる。
【0087】
クラウドベースサーバの使用は、個々の再生デバイス全体の処理能力及びメモリを増大させ、アルゴリズムを実行することで及び/又はヒューリスティックを評価することで、チャンネル選択などを決定する。アルゴリズム及びヒューリスティックは、例えば、ゾーンプレーヤー上に新しいファームウェアをロールアウトすることなく、クラウドサーバ上に置くことができる。例えば、テストは、少数の家に制限して、アルゴリズムを評価することができる。アルゴリズムは、例えば、一回にロールアウトされる家の数を制限して、徐々にロールアウトすることができる。
【0088】
特定の実施形態は、(ゾーンプレーヤーのメモリ内のみに置かれたデータに対して)試験用の生データへのアクセスを提供する。クラウドサーバを使用して、例えば、十分な記憶領域を提供し、(望むのであれば)家毎にチャンネル使用の履歴を保持することができる。この場合、ユーザは、長期にわたって前回の決定を評価し、効果の判断に役立たせることができる。
【0089】
代替的に、カスタマーサポートは、チャンネル選択などのネットワークパラメータをリモートで構築することができる、そのような場合、上述したような同様の処理が行われてもよい。しかし、ネットワークシステムの自動構築の代わりに、例えば、カスタマーサポートがリモートロケーションを介して手動でデバイスを構築するように処理することもできる。
【0090】
特定の実施形態では、ユーザの操作なしに、クラウドサーバを使用して、無線ネットワークパラメータを、自動的にメッシュネットワーク内に構築することができる。例えば、ネットワークデータが再生デバイス(例えば、ゾーンプレーヤー)により収集されると共に、分析のため定期的にクラウドサーバに送信される。無線ネットワークパラメータは、クラウドサーバを介して構築されてもよい。無線ネットワークパラメータは、無線チャンネル、ビットレート、送信電力などを含む。特定の実施形態では、無線ネットワークトポロジーが、クラウドサーバを介して再構築されてもよい。
【0091】
特定の実施形態では、ネットワーク構築は、スパニングツリープロトコルを含むことができる。スパニングツリープロトコルは、ネットワークプロトコルと呼ばれている。このネットワークプロトコルは、ブリッジループを避けるようにネットワークを構築している。通常、ブリッジループの回避は、1)ルートノードを指定すること、2)他のノードからそのルートノードへの最小コスト経路を計算すること、及び3)他の経路を無効化することによって行われる。再生デバイス、例えば、ゾーンプレーヤー400、700は、有利に、スパニングツリープロトコルを使用し、衛星ゾーンプレーヤー及び/又はメッシュネットワーク内の他のゾーンプレーヤーと通信してもよい。スパニングツリープロトコルを使用することによって、ポイント間の最短経路の決定し、かつゾーンプレーヤー間の低遅延オーディオデータの不必要なホップを減少(例えば、回避)させることで、低遅延オーディオの配信を可能にしている。スパニングツリープロトコル構築の例は、スパニングツリープロトコルテーブル(例えば、メモリ410内に格納されている)であってもよい。スパニングツリープロトコルテーブルは、ゾーンプレーヤー400、700が接続されるポート及び/又はデバイスを含む。例えば、さらにゾーンプレーヤーが追加されて、ゾーンプレーヤーのロケーションが変化したとき、及び/又はゾーンプレーヤーの構成が変化したときに、スパニングツリープロトコルテーブルは、再構築することができる。スパニングツリープロトコルを使用するネットワークでは、スパニングツリーのルートがクラウドサーバによって再割り当てされてもよい。
【0092】
図11は、データを収集し、クラウドサーバに送信し、無線ネットワーク設定を決定する方法1100の例のフロー図を示す。ブロック1110では、データが収集される。例えば、ネットワーク上の1つ以上のゾーンプレーヤーは、ネットワークデータ(例えば、ネットワーク構築パラメータ、ネットワーク活動、ネットワーク条件など)を収集することができる。
【0093】
ブロック1120では、収集したデータが、クラウドサーバに送信される。例えば、ゾーンプレーヤーは、定期的に及び/又は要求に応じて(例えば、要求、トリガー、ネットワークデータ内の変化の検出などに基づいて)、収集データをクラウドサーバに送信することができる。例えば、ゾーンプレーヤーからの収集データに応答して、クラウドサーバは、1つ以上のルール、閾値、アルゴリズム、ヒューリスティック、好み等に応じて、データを分析する。分析に基づいて、クラウドサーバは、ゾーンプレーヤー用の無線ネットワーク設定を選択するか、又は決定する。
【0094】
ブロック1130では、無線ネットワーク設定が、クラウドサーバから受信される。例えば、クラウドサーバは、選択した無線ネットワーク設定を、要求中のローカルネットワーク上の1つ以上のゾーンプレーヤーに送信することができる。ブロック1140では、ネットワーク設定が変更されるべきかどうかに関しての決定が行われる。例えば、ゾーンプレーヤーは、受信した設定がゾーンプレーヤー上の既存の設定と異なるかどうかを決定してもよい。「はい」の場合、ブロック1150に進み、ネットワーク設定が再構築される。その後、処理は、例えば、ブロック1110で収集したデータにより繰り返される。
【0095】
VI.結論
上述したように、地域及び/又は他のネットワーク制約に適応しながらローカル無線ネットワークを介して無線再生コンテンツを提供するシステム及び方法が提案されている。特定の実施形態は、ローカル無線ネットワークを介して、再生用のメディア再生デバイスの構築を提供し、ロケーション決定を自動化している。ローカル無線ネットワークは、地域構築情報(例えば、無線チャンネル、ビットレート、送信電力、エンコードなど)の少なくとも一部に基づいている。特定の実施形態で、外部ソース(例えば、別の再生デバイス、クラウドベースサーバなど)への送信用メディア再生デバイスによって、ネットワーク情報の収集を自動化している。外部ソースは、ネットワーク構築情報をメディア再生デバイスに順番に提供している。
【0096】
特定の実施形態では、ネットワークに接続された再生デバイスの地理的地域ロケーションをユーザの操作なしに自動で決定するステップを含む。方法の例は、決定した地理的地域に関連する構築情報に基づいて、再生デバイスによるネットワークへの無線接続用及び通信用のネットワークパラメータを、再生デバイスで構築するステップを含む。方法は、ネットワークを介して再生デバイスによる通信を可能にするステップを含む。
【0097】
特定の実施形態では、方法は、再生デバイスによって、ローカル無線ネットワークの無線性能に関連するデータを収集するステップを含む。ここでローカル無線ネットワークには、再生デバイスが接続されている。方法は、ユーザが操作することなく、第1メッセージをネットワークサーバへ、再生デバイスによって送信するステップを含む。第1メッセージは、ローカル無線ネットワークの無線性能に関連するデータを含む。方法は、ネットワークサーバから第2メッセージを、再生デバイスで受信するステップを含む。ネットワークサーバは、ローカル無線ネットワーク上の再生デバイス用の無線ネットワークパラメータを含む。方法は、受信した無線ネットワークパラメータに基づいて、ローカル無線ネットワークの再構築を、再生デバイスによって開始するステップを含む。
【0098】
特定の実施形態では、メディア再生デバイスは、制御インタフェースを含み、メディア再生デバイスで、外部ソースからローカルネットワーク用のネットワーク構築情報を受信し、処理する。制御インタフェースは、ユーザの操作を要求することなく、外部ソースからネットワーク構築を受信し、処理する。メディア再生デバイスは、無線インタフェースを含み、ネットワーク構築情報の少なくとも一部に基づいて、ローカルネットワークと通信する。メディア再生デバイスは、スピーカーを含み、ローカルネットワークを介して受信したオーディオ情報に基づいてオーディオを出力する。
【0099】
本明細書では、様々な例示のシステム、方法、装置、及び製品は、他のコンポーネントの中に、ハードウェア上で実行されるファームウェア及び/又はソフトウェアを含むことを開示している。しかしながら、そのような例は、単なる例示であり、限定されるものとみなすべきではない。例えば、これらのファームウェアコンポーネント、ハードウェアコンポーネント、及び/又はソフトウェアコンポーネントのいくつか又はすべてが、専らハードウェアに、専らソフトウェアに、専らファームウェアに、又はハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組み合わせに具現化することができることが意図されている。したがって、例示のシステム、方法、装置、及び/又は製品を説明しているが、提供されるそれらの例は、それらのシステム、方法、装置、及び/又は製品を実施する唯一の方法ではない。
【0100】
更に、本明細書において「実施形態」の言及は、実施形態に関連して述べられた特定の特徴、構造、又は特性が、本発明の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でこの語句が用いられているが、すべてが同じ実施形態を言及するものではなく、又、他の実施形態を除いた別個の実施形態又は代替の実施形態でもない。このように、本明細書で述べられた実施形態は、明示的に及び暗黙的に、当業者によって、他の実施形態と組み合わせることができることが理解される。
【0101】
本明細書は、例示的な環境、システム、手順、ステップ、論理ブロック、処理、及び他のシンボル表現に関して広く示されており、それらは直接又は間接的にネットワークに接続されるデータ処理デバイスの動作に類似するものである。これらの処理説明及び表現は、一般的に当業者によって使用され、それらの仕事の内容を他の当業者に最も効率良く伝えることができる。多くの具体的な内容が、本開示を理解するために提供されている。しかしながら、当業者にとって、本開示の特定の実施形態が特定の、具体的な詳細なしに実施され得ることは理解される。他の例では、周知の方法、手順、コンポーネント、及び回路が、実施形態を不必要に曖昧にすることを避けるため、詳細に説明していない。したがって、本発明の範囲は、上記した実施形態よりむしろ添付された特許請求の範囲によって定義される。
【0102】
添付の特許請求の範囲のいずれかが単にソフトウェア及び/又はファームウェアへの実装をカバーするように読み取ると、少なくとも1つの例における要素の1つ以上は、本明細書では、ソフトウェア及び/又はファームウェアを記憶する有形媒体、例えば、メモリ、DVD、CD、Blu−ray(登録商標)等を含むことが明確に定められている。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11