(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面における各部材の大きさや比率は説明の都合上誇張されており、実際の大きさや比率とは異なる。
【0013】
(実施形態1)
図1は本実施形態1におけるラミネートフィルム(外装用フィルム)により外装された電池の導電性検査装置を説明するための概略図である。
【0014】
この導電性検査装置1は、2本の導電性の針11および12と、2本の針11および12を一体的に支持する支持部13と、支持部13を上下動させるエアシリンダ14と、電池を所定の位置で保持するステージ15を有する。さらに支持部13には、後述するように、ステージ15上に載置された電池のタブの位置に、タブをステージ15に対して押さえつける弾性パッド16が設けられている。
【0015】
2本の針11および12は、たとえば、スレンレス、銅、鉄、その他の合金など導電性のあるものであればとくに限定されなない。針の先端は鋭角であり、胴部の太さは0.3〜1mm程度である。もちろんラミネートフィルムに刺すことができればこれに限定されない。
【0016】
支持部13は、2本の針11および12が、それぞれ絶縁体(不図示)を介して取り付けられている。ここで絶縁体はゴムや樹脂などであるがとくに限定されない。絶縁体を介して針11および12を取り付けているのは、支持部13と針11および12とが電気的な短絡しないようにするためである。また、弾性パッド16も取り付けられている。
【0017】
エアシリンダ14は、支持部13をステージ15方向に対して近接離間させる。つまり
図1においては、上下方向に支持部13を移動させるのである。支持部13は、2本の針11および12を一体的に支持しているため、2本の針11および12を常に一緒に移動させることができる。また、同時に弾性パッド16も一緒に移動する。なお、エアシリンダ14の稼動しない部分は、図外の支柱や枠体など19に固定されている。
【0018】
エアシリンダ14に代えて、オイルシリンダや、モータとギアなどの組み合わせた機構などや、そのほかのアクチュエータなどが利用できる。
【0019】
ステージ15は、台座18により支持されている。
図2は、ステージ15の電池載置面を示す平面図である。図示するように、ステージ15には、2本の針11および12に対応する位置に、孔17が開いている。孔17の大きさは針11および12が下がってきたときに、針11および12とステージ15が接触しない大きさであればよい。また、その形状も図示した円形以外に、多角形などでもよく、限定されない。ただしあまり大きいと、針11および12を下降させてラミネートフィルムに針11および12を刺す際に(詳細後述)、ラミネートフィルムを支えることができなくなるので、適宜な大きさとする必要がある。たとえば、実際に針刺しを行って、針11および12がステージ15と接触することなく、確実にラミネートフィルムに刺さり、かつ、ラミネートフィルムの変形が少ない大きさとすればよい。円形の孔17の場合、おおむね2〜5mm程度あれば十分である。もちろんステージ15と接触しないようにする安全を見込んでこれより大きく、たとえば1cm程度あっても差し支えない。しかしあまり大きいと、針11および12を刺したときの圧力で、ラミネートフィルムがゆがんで針11および12が刺さって行かなくなるので、上記のように適宜な大きさとする必要がある。
【0020】
また、ステージ表面のうち、少なくともここに置かれた電池のタブの位置が導電性となっている。これにより電池タブとの間で電気的導通が図られている。なお、ステージ15と台座18との間は、または台座18と床面との間は絶縁シート(不図示)をはさむなどして、絶縁状態が図られている。
【0021】
ステージ15上の電池タブの位置のみ導電性とする場合は、その部分に導電パッド(不図示)などを設けておいて、導電パッドとステージ15との間を絶縁性としてステージ15全体と電池(電池タブ)との絶縁性を保つようにしてもよい。
【0022】
このようなステージ15または導電パッドはラミネートフィルムで外装された構造物内部の物と電気的導通をとるための導通端子となる。
【0023】
弾性パッド16は、ステージ15に載置された電池タブとステージ15(または導電パッド)との間の導通性をよくするために、載置された電池タブを上から押されつけるものである。弾性パッド16は、たとえば、スポンジやゴム、フェルト、その他の弾性樹脂などを用いることができる。この弾性パッド16は、支持部13が下がって針11および12がラミネートフィルムに刺さると同時に、電池タブをステージ15方向に押さえつける働きをする。
【0024】
なお、このような弾性パッド16を設ける場合、ステージ15側との間を絶縁性として、この弾性パッド16の表面を導電性として、この導電性とした弾性パッド16と電池タブとの間で導通をとるようにしてもよい。
【0025】
また、電池のタブに対して、他の導通手段(たとえば導電クリップなど)を別途取り付けるような場合には、弾性パッド16を設ける必要はない。またこのような別の導通手段を設ける場合はステージ15やその一部を導電性とする必要もない。
【0026】
図3は、この導電性検査装置1の電気回路を示す回路図である。
【0027】
図示するように、2本の針11および12が、電流計21の一端側に並列に接続されている。電流計21の他端側は電源22の一端子に接続され、電源22の他端子側はステージ15(またはステージ上の導電パッド)に接続されている。この回路が検査手段となる。
【0028】
なお、必要により、回路中にスイッチを設けておいてもよい。また、電源22は直流電源でもよいし、交流電源であってもよい。ただし、電流計21は電源22に合わせて、直流電源の場合は直流用電流計、交流電源の場合は交流用電流計を用いることになる。電源22の電圧は、導通試験を行うだけであるので低い電圧でよく、たとえば、1V〜5Vともあれば十分である。ただし、ラミネートフィルムの電気的破壊耐圧を図るのであれば、ラミネート封止された内部にある発電要素の電気電圧の2倍程度の電圧をかけるようにしてもよい。このような電圧はその試験目的に合わせて適宜設定すればよく、なんら限定されるものではない。
【0029】
また、この回路図では電源22と電流計21を示したが、これはすなわち抵抗測定回路の構成である。したがって、並列に接続した2本と針11および12とステージ15(またはステージ15上の導電パッド)との間に、抵抗測定器を用いても同じである(この場合抵抗測定器が検査手段となる)。
【0030】
以上のように構成された導電性検査装置1の作用を説明する。
【0031】
ここでまず、試験対象であるラミネート封止された電池について簡単に説明する。
【0032】
図4は、ラミネート封止された電池の外観を示す斜視図である。周知のように、ラミネートフィルムは、金属箔(たとえばアルミニウム箔)が樹脂フィルムにはさまれた積層フィルム構造である。そしてラミネートフィルムで外装(封止)された電池100は、全体がラミネートフィルム200によって覆われており、内部に発電要素がある。図示する電池では、一つの辺から電池の電極端子となるタブが2つ(正極タブ101と負極タブ102が引き出されている。ラミネートフィルム200は、その周囲の縁部分210で熱融着または接着剤などにより接着されて封止している。
【0033】
図5はラミネートフィルムの縁部分の拡大断面図である。図示するように接着されている縁部分210は、2枚のラミネートフィルム200が重なった状態となっている。このためこの部分だけ見ると、積層されているフィルムは、第1樹脂フィルム251、第1アルミニウム箔252、第2樹脂フィルム253、第3樹脂フィルム261、第2アルミニウム箔262、第4樹脂フィルム263の合計6層となっている。
【0034】
導電性検査装置1の動作を説明する。
図6は導電性検査装置1の動作を説明する説明図で、(a)は電池がステージ15に載置された状態で針刺し前の概略正面図、(b)は針刺し後の概略正面図である。
図7は電池の針刺し位置を示す平面図である。
【0035】
まず、
図6(a)に示すように、ステージ15上に検査対象となる電池を載置する。電池のステージ15上での載置位置は、
図7に示すように、針11および12が電池の縁部分210の二点鎖線の丸印11aおよび12aで示した位置に刺さり、かつ弾性パッド16(
図7中の二点鎖線)がタブ101および102の位置に来るようにする。つまり、針11および12および弾性パッド16の位置は、検査対象となる電池の構成に合わせて配置しておくことになる。弾性パッド16によりタブ101および102を押さえつけることで、ステージ15または導電パッドと正極タブ101と負極タブ102の両方に一度に導通をとることができる。
【0036】
そして、
図6(b)に示すように、エアシリンダ14を動作させて支持部13ごと針11および12を下降させて、ラミネートフィルムの縁部分210に針11および12を刺す。このとき針11および12は2本ともラミネートフィルムの縁部分210に針11および12を刺さる。また同時に弾性パッド16が電池のタブをステージ15に押さえつけることになる。
【0037】
そして、電流計21の値を読み取る。電池内部の発電要素とラミネートフィルム200のアルミニウム箔252および/または262との間が導通していれば、電気が流れて電流計21により検出される。
【0038】
これにより、電池内部の発電要素とラミネートフィルム200のアルミニウム箔252および/または262との間の導通検査を行うことができる。なお、短絡を不良とする場合は電流計21によって電流が流れていれていないことが確認できれば良品となる。一方、前述した従来技術のようにアルミニウム箔を絶縁シールドにする場合は、電流計21により電気が流れていることが確認できれば良品となる。
【0039】
なお、導電パッドを用いる場合は、正極タブ用と負極タブ用のそれぞれに対応して設けることで、正極タブ101と負極タブ102のそれぞれとラミネートフィルム200との間の導電状態を検査することもできる。この場合、針11および12を刺した状態のまま正極タブ用と負極タブ用のそれぞれに対応して設けた導電パッドを切り替えて検査を行う。これによりラミネートフィルム200が内部の発電要素のうち正極タブ101につながっている正極系統または負極タブ102につながっている負極系統のいずれと導通しているか否かを確認することができる。
【0040】
ここで、針11および12の刺さったラミネートフィルムの縁部分210の状態を説明する。
図8は2本の針11および12が刺さったラミネートフィルムの縁部分210の内部断面を示す断面図である。
【0041】
図示するように、ラミネートフィルムの縁部分210では、針が刺さると、樹脂フィルムが針を突き刺したことで、針により引き込まれて針の周囲に巻きつくことがある。このような巻き込みは、樹脂フィルムが弾性体で伸び縮みするために起こる。しかも、巻き込みは樹脂フィルムの微妙な厚さの違いや表面の形状の違いなどさまざまな要因によって起こったり起きなかったり、または巻き込み量なども異なる。図示した状態は、針11に第1樹脂フィルム251が大きく巻き込まれ、針11と第1アルミニウム箔252とが接触していない。一方、針12には樹脂フィルムが大きく巻きこまれていないため針12と第1アルミニウム箔252は接触している。
【0042】
このような状態では、仮に発電要素とアルミニウム箔252が短絡している場合、針11とアルミニウム箔252とが接触していないため、これだけでは短絡していることを判別できない。しかし、本実施形態1では、もう1本の針12が並列に接続されている。そしてこちらの針12は第1樹脂フィルム251を巻き込んでいないため、アルミニウム箔252と接触しているので、短絡を検出することができるのである。
【0043】
なお、
図8は針とアルミニウム箔との接触不良の一例を描いたもので、必ずこのような不良状態となるものではない。さまざまな部位で針とアルミニウム箔との接触不良が起こる可能性がある。
【0044】
以上説明した本実施形態1によれば以下の効果を奏する。
【0045】
1本の針だけで行った検査を場合、仮にその1本の針が樹脂フィルムを巻き込んでアルミニウム箔と接触しない場合、ラミネートフィルム200と内部の発電要素との間の導通状態(短絡など)を検出できないおそれが高くなる。一方、本実施形態1では、2本の針11および12を並列に刺さしているので、2本の針のいずれか一方が巻き込みなどによりうまくアルミニウム箔と接触でいなくても、もう1本の針が有効に作用すれば導通状態を検査することができる。したがって、1本の針で検査するよりも、検査不良の発生を少なくすることができ、検査の信頼性を向上させることができるのである。
【0046】
また、これは、樹脂フィルムの巻き込みだけでなく、単純に1本の針11または12が故障(たとえば針11および12と電流計21との経路上の断線など)しても、もう1本の針11または12が生きていれば検査を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態1では、ラミネートフィルム200が接着されている縁部分210に針11および12を刺すこととしたので、製品となった電池の内部に影響を与えることなく導通検査を行うことができる。
【0048】
また、ステージ15または導電パッドが電池のタブ101または102と接触して、内部の発電要素と電気的導通をとるための導通端子とした。このため電池100をステージ15上に載置するだけで、検査のための電気回路が構成でき、検査のための操作(動作)としていちいち電池のタブ101および102にクリップを取り付けるなどの手間がなく、検査工程を容易に行うことができる。
【0049】
(実施形態2)
図9は本実施形態2におけるラミネートフィルム(外装用フィルム)により外装された電池の導電性検査装置を説明するための概略図である。
【0050】
本実施形態2の導電性検査装置2は、実施形態1の上方から針11および12を刺す構成に、下方からも針31および32を刺す構成を加えた装置である。つまり、電池の上側を第1面、下側を第2面として、第1面側からと、それに対向する第2面側からそれぞれ針11および12と31および32を刺すのである。
【0051】
このために、本実施形態2では、ステージ15の下方に2本の針31および32、およびこれらの針31および32を支持する下支持部33、下支持部33をステージ15方向へ近接離間させる下エアシリンダ34が設けられている。また、支持部13には、上方の2本の針11および12の近傍に下から針31および32を刺したときにラミネートフィルム200の縁部分210が浮かないように押さえる押さえパッド35を設けている。ステージ15には、下からの針31および32がラミネートフィルムに刺さるようにするために、針31および32を通過させるための孔37が設けられている。また、押さえパッド35にも下からの針31および32が接触しないように孔38が設けられている。これらの孔37および38は、実施形態1におけるステージ15に設けた孔17と同様に、針31および32と接触せず、かつラミネートフィルムの変形や浮きを防止できる大きさであればよい。また、押さえパッド35は絶縁性でかつ弾性のある、たとえばスポンジやゴム、その他の弾性樹脂などが用いられる。そのほかの構成は、実施形態1と同じであるので説明は省略する。
【0052】
図10は本実施形態2の電気回路図である。図示するように、4本の針11および12と31および32が並列に電流計21に接続されている。そのほかの回路構成は、実施形態1と同じであるので説明は省略する。
【0053】
図11は、本実施形態2における電池の針刺し位置を示す平面図である。
【0054】
図示するように、上からの針11および12がラミネートフィルムの縁部分210の二点鎖線の丸印11aおよび12aで示した位置に刺さり、かつ下からの針31および32がラミネートフィルムの縁部分210の二点鎖線の丸印31aおよび32aで示した位置に刺さる。弾性パッド16(
図11中の二点鎖線)は、実施形態1同様にタブ101および102の位置に来るようにする。
【0055】
本実施形態2における導電性検査装置1の動作は、まず上側の針11および12を下降させて、ラミネートフィルム200の縁部分210に刺す。このとき押さえ部材35がラミネートフィルム200の縁部分210の上に当接するので、下からも針31および32を上昇させる。これにより、4本の針11、12、31、および32のいずれかがラミネートフィルム200のアルミニウム箔に接触することになる。
【0056】
図12は、4本の針11および12が刺さったラミネートフィルム縁部分の内部断面を示す断面図である。
【0057】
図示するように、針が刺さると、樹脂フィルムが針を突き刺したことで、針により引き込まれて針の周囲に巻きつくことがある。特に、針を刺した面から遠い側のアルミニウム箔に対してこの不良が起こる可能性が高くなる。これは、図示するように、針11および12を刺す方向から(図示上から)見て、遠くにある第2アルミニウム箔262の上には、2層分樹脂フィルム253および261がある。このため、上から針11および12を刺すと第2アルミニウム箔262の上に2層の樹脂フィルムがある分、それらが針11および12に巻き込まれやすいのである。下からの針31および32に対しても同様である。また、図示しないが接着剤層が樹脂フィルム253および261の間にさらに介在する場合もあり、そうすると接着剤も巻き込まれることがある。
【0058】
そこで、本実施形態2では、下からも針31および32を刺すこととした。これにより、上からの針11および12が接触不良を起こしやすい第2アルミニウム箔262に対しては、下からの針31および32は第4樹脂フィルム263の1層だけであるので巻き込みにくいものとなっている。したがって、仮に、上からの針11および12が第2アルミニウム箔262を接触不良を起こしても、下からの針31および32は第2アルミニウム箔262との接触不良が起きにくいので、導通検査の信頼性が向上するのである。下からの針31および32に対しても同様であり、第1アルミニウム箔252に対しては接触不良が起きやすいが、上からの針11および12は第1アルミニウム箔252に対しては接触不良が起きにくいので、導通検査の信頼性が向上する。
【0059】
本実施形態2によれば以下の効果を奏する。
【0060】
ラミネートフィルム200で外装された電池の両面側(図では上側と下側)からそれぞれ2本の針11および12と31および32を刺すこととした。2層重ねられた構造となっているラミネートフィルム200の縁部分210においては、針11および12と31および32を刺す方向により樹脂フィルムを巻き込みやすい位置(層)が異なる。このため、刺した針11および12と31および32が樹脂フィルムを巻き込みにくい側のアルミニウム箔との接触を保つことができるようになり、いっそう検査の信頼性を向上されることができる。
【0061】
また、実施形態1同様に、縁部分210に針を刺しているので製品としての電池に影響を与えることはない。そのほか実施形態1と同様の効果も奏することはもちろんである。
【0062】
以上本発明を適用した実施形態を説明したが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。たとえば、一方側から刺す針11および12の数は2本に限らず3本、4本などとしてもよい。ただし、あまり多く針を刺すと、製品として孔だらけになってしまうので好ましくない。したがって、片面から刺す場合(実施形態1)も、両面から刺す場合(実施形態2)も、全部で12本程度(後述)にとどめておくほうがよい。
【0063】
また、針11および12を刺す位置は、縁部分210において2本の針11および12を近接して刺しているが、これは離れていてもよい。たとえは、タブが出ていない辺(
図4の例では3辺)のそれぞれに対して2本ずつ合計6本刺すなどである。両面側から同じようにする場合には、1片側から2本ずつ3辺で合計12本となる。
【0064】
また、実施形態2のように、電池に対して両面から針を刺す場合でも、実施形態1の装置を用いて、まず電池の一方の面から針11および12を刺して検査し、同じ電池を裏返して針11および12を刺して検査するようにしてもよい。このようにすることで、装置構成は簡略化して実施形態2同様に両面から針を刺す検査と同じ効果が得られる。
【0065】
また、検査対象となる電池は、
図4に示したものに限らず、ラミネートフィルム200により外装されているものであればどのような形態であってもよい。たとえば、
図4とは異なり、1辺側から正極タブ101が引き出されていて、対向する辺から負極タブ102が引き出されているような電池であってもよい。この場合、装置構成は、正極タブ101と負極タブ102のそれぞれに対してステージ15またはステージ15上の導電パッドと導通をとるようにする。
【0066】
また、ラミネートフィルム200の構成も、アルミニウム箔以外の金属箔が樹脂フィルムにはさまれた構造のものであれば検査することができる。また、樹脂フィルムや金属箔の総数も限定されない。
【0067】
また、実施形態2のように、電池の両面側から針を刺す場合、片面側からそれぞれ1本ずつとして合計2本の針を刺すようにしてもよい。このような構成であっても、2本刺したうちの少なくとも1本は内部のアルミニウム箔との接触することになる。とくに、2本同じ面から刺した場合よりも、既に説明したように、樹脂フィルムの巻き込みやすさが刺した方向によって異なるため、両面から1本ずつ刺しただけでも検査の信頼性は向上する。
【0068】
また、針は、ラミネートフィルムに突き刺して貫通させるようにしたが、ラミネートフィルム(外装用フィルム)内の金属箔まで至ればよく、必ずしも貫通させる必要はない。貫通させない場合は、ステージに設けた孔は不要である。
【0069】
さらに、実施形態では、金属箔が樹脂フィルムにはさまれたラミネートフィルムによって外装された構造物として、ラミネートフィルムで外装された電池を示したが、本発明の検査対象物はこれに限定されない。つまり、ラミネートフィルムで外装された構造物であれば、それらの内部の物とラミネートフィルムを構成している金属箔との導通検査に用いることができる。
【0070】
そのほか、本発明は特許請求の範囲に既定した構成を有するものであれば、ここに説明した以外の構成が付加されまたは一部が存在しない構成などであってもよく、さまざまな形態が本発明に含まれることはいうまでもない。