(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記転写媒体が普通紙である場合に適した、前記像担持体に印加する印加電圧値と、前記転写手段、前記現像手段、および前記帯電手段に印加する前記シフト電圧の電圧値とが記録された第1媒体高湿用湿度電圧テーブルと、
前記転写媒体が前記普通紙より電気抵抗値の低い媒体である場合に適した、前記像担持体に印加する印加電圧値と、前記転写手段、前記現像手段、および前記帯電手段に印加する前記シフト電圧の電圧値とが記録された第2媒体高湿用湿度電圧テーブルと、
前記第1媒体高湿用湿度電圧テーブルおよび前記第2媒体高湿用湿度電圧テーブルを記憶する記憶部と、
ユーザにより情報が入力される入力部と
をさらに備え、
前記印加電圧制御部は、前記入力部に入力された情報が、
前記転写媒体が前記普通紙であることを示す情報のとき、前記第1媒体高湿用湿度電圧テーブルに記録された電圧値を用い、
一方、前記転写媒体が電気抵抗値の低い媒体であることを示す情報のとき、前記第2媒体高湿用湿度電圧テーブルに記録された電圧値を用いる
ことを特徴とする請求項2に記載された画像形成装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明について概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
《第1の実施形態》
図1は、第1の実施形態である画像形成装置の全体構成図である。
図2は、
図1の画像形成装置の要部拡大断面図であり、特に、感光体ドラムと転写ローラとにより、転写ベルトにより搬送される転写媒体が圧接される箇所(以下、ニップ部と称する)を中心とした2つの現像器を拡大した図である。
図1において、画像形成装置1は、電子写真方式を用いたタンデムカラー印刷装置であり、印刷データに基づき生成した画像を、記録媒体17に形成して排出する。
画像形成装置1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)と、4つの露光手段としての露光器103(103K、103Y、103M、103C)と、転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)と,定着器123と、給紙部としての用紙カセット117と、転写ベルト114を含む搬送部と、排紙トレー129と、転写ベルトクリーニングブレード115と、転写ベルトクリーナ容器116とを備える。
なお、トナーカートリッジ104(104K、104Y、104M、104C)は現像器102(102K、102Y、102M、102C)にそれぞれ着脱可能で、内部の現像剤としてのトナーを現像器102の内部に供給可能な構造となっている。
【0014】
現像器102(102K、102Y、102M、102C)は、内部に、像担持体としての感光体ドラム109(109K、109Y、109M、109C)と、帯電手段としての帯電ローラ105(105K、105Y、105M、105C)と、現像剤担持体としての現像ローラ107(107K、107Y、107M、107C)と、現像剤供給手段としての供給ローラ106(106K、106Y、106M、106C)と、薄層形成手段としての現像ブレード108(108K、108Y、108M、108C)と、クリーニングブレード110(110K、110Y、110M、110C)とを備える。なお、図面上は、感光体ドラム109K、帯電ローラ105K、現像ローラ107K、現像ブレード108K、クリーニングブレード110Kのみ示している。また、各ローラは、軸が記録媒体17(用紙)の搬送方向に垂直であって、搬送面に平行となる方向に配設されている。
【0015】
帯電ローラ105は、感光体ドラム109の表面を一様に負極(−600Vの表面電位)に帯電させる。帯電ローラ105は、例えば、電圧が印加される帯電ローラ芯金205(
図2)と、導電層255(
図2)とを有する。
【0016】
感光体ドラム109は、例えば、アルミニウムの素管(感光体ドラム芯金209(
図2))に有機化合物による感光層259(
図2)(光導電性絶縁層)が形成される。この感光層259は、アルミニウムの素管の表面から順に、ブロッキング層、電荷発生層、最表面層の電荷輸送層とからなる積層構造を有し、光が当たらないときには、絶縁体としての性質を持ち、光が当たると導電性になり帯電電荷を逃す性質を有する。
この感光体ドラム109は、露光器103の光照射により、負極に帯電した表面層が放電させられ、静電潜像が形成されている。このとき、例えば、−600Vの表面電位に帯電させられた感光体ドラム109は、−50Vの潜像電位に放電させられる。また、感光体ドラム109は、静電潜像が現像ローラ107により現像させられ、現像剤像としてのトナー像が形成される。例えば、現像ローラ107は、−200Vが印加させられており、負に帯電したトナーは、電界の力により−50Vの静電潜像に移動、付着し、静電潜像が現像される。
【0017】
供給ローラ106は、負のバイアス電圧(例えば、−300V)が印加されており、トナーカートリッジ104内部の現像剤としてのトナーを帯電させ、帯電したトナーを現像ローラ107に供給する。
現像ブレード108は、現像ローラ107に供給されたトナーを薄層化し、現像ローラ107の表面に一様なトナー層を形成する。
【0018】
現像ローラ107は、表面にニッケルめっきを施した鋼からなる現像ローラ芯金207(
図2)と、ウレタンゴムで形成される弾性層257(
図2)と、弾性層257の表面にイソシアネートによる表面層267(
図2)とを同芯的に備えて形成される。
この現像ローラ107は、現像ローラ芯金207に負のバイアス電圧(例えば、−200V)が印加されていると共に、感光体ドラム109に近接配置されており、電界の作用により、負に帯電されたトナーを静電潜像に移動させる。感光体ドラム109は、現像ローラ107からトナーが移動することにより、静電潜像がトナー像(現像剤像)として現像される。なお、表面電位−600Vの非露光領域では、トナーが反発するので、現像ローラ107から移動しない。
【0019】
クリーニングブレード110は、弾性体としてのゴム部材から形成され、用紙に転写されずに残存したトナー像を感光体ドラム109から掻き取る。具体的には、クリーニングブレード110は、板金にブレードとしてのウレタンゴムを接着することで形成されている。記録媒体17に転写されずに感光体ドラム109の表面に残った一部のトナーはクリーニングブレード110で掻き取られる。そして、掻き取られたトナーは、印刷終了後、制御部30により決められたシーケンスに従い、不図示の廃棄現像剤タンクに回収される。
【0020】
転写ローラ111(111K、111Y、111M、111C)は、転写ベルト114裏面から転写位置にバイアス電圧が印加可能に配置される。転写ローラ111は、電圧が印加される転写ローラ芯金211と、転写ベルト114と接する外周層261とを有する。
【0021】
アイドルローラ112、ドライブローラ113は、転写ベルト114を張架し、ローラの駆動によって記録媒体17を搬送可能となっている。また、転写ローラ111は、正のバイアス電圧(例えば、+2500V)が印加されており、感光体ドラム109の表面に形成され、負に帯電されたトナー像を媒体に転写する。
【0022】
転写ベルトクリーニングブレード115は、転写ベルト114上のトナーを掻き落とせるようになっていて、転写ベルトクリーナ容器116には、転写ベルトクリーニングブレード115により掻き落とされたトナーが収容される。
【0023】
用紙カセット117は、画像形成装置1に着脱可能に取り付けられ記録媒体17が積載される。給紙ローラ118は、転写媒体である記録媒体17を用紙カセット117から給紙し、用紙ガイド119に沿って搬送する。
レジストローラ120、121は、互いに対向するように配設され、停止状態のところに記録媒体17を突き当て、スキュー補正後に所定タイミングでレジストローラ120、121を駆動し、転写ベルト114に記録媒体17を搬送する。用紙検出センサ122は、接触または非接触で記録媒体17の通過を検知する。
【0024】
定着器123は、加熱部材124および圧着部材125を備え、加熱部材124は、不図示のサーミスタおよび定着器ヒータを備え、記録媒体17上に転写されたトナー像を熱および加圧によって記録媒体17に定着する。なお、加熱部材124および圧着部材125は、互いに圧接され、ニップ部が形成されている。
【0025】
排出センサ130は、用紙検出センサ122と同じく、接触または非接触で記録媒体17の通過を検知する。
定着器123を通過した記録媒体17は、排出センサ130において記録媒体17の後端通過が検出され、排出ローラ126、127によって用紙ガイド128に沿って搬送され、排紙トレー129にフェースダウンの状態で排出される。
【0026】
[印加電圧制御処理に係る電圧画像形成装置の構成]
図3は、印加電圧制御処理に係る電圧画像形成装置の構成を示すブロック図であり、
図2は、発明の特徴部分を説明するための
図1の要部拡大断面図である。
画像形成装置1は、さらに、制御部30と、記憶部40と、電圧印加部50と、湿度検出部61と、AC−DC変換部62とを備える。
【0027】
(制御部30)
制御部30は、画像形成装置1の全体を制御する制御部であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)によって構成される。この制御部30が、後記する記憶部40に格納されるプログラムを展開し、実行することによって、
図1に示す画像形成装置1の各機能が実現される。この制御部30は、後記する電圧設定部31を備える。
【0028】
(記憶部40)
記憶部40は、プログラムやデータを格納する記憶部であり、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)、HD(Hard Disc)、光ディスク等によって構成される。この記憶部40は、後記する湿度電圧テーブル41(常湿用湿度電圧テーブル411、多湿用湿度電圧テーブル412)を備える。
【0029】
(電圧印加部50)
電圧印加部50は、電圧設定部31により決定された値の電圧を印加する構成部である。この電圧印加部50は、帯電ローラ電圧印加部51と、現像ローラ電圧印加部52と、感光体ドラム電圧印加部53と、転写ローラ電圧印加部54とを備える。
帯電ローラ電圧印加部51は、帯電ローラ105の芯金部である帯電ローラ芯金205に電圧を印加する構成部である。
現像ローラ電圧印加部52は、現像ローラ107の芯金部である現像ローラ芯金207に電圧を印加する構成部である。
感光体ドラム電圧印加部53は、感光体ドラム109の芯金部である感光体ドラム芯金209に電圧を印加する構成部である。
転写ローラ電圧印加部54は、転写ローラ111の芯金部である転写ローラ芯金211に電圧を印加する構成部である。
【0030】
(湿度検出部61)
湿度検出部61は、画像形成装置1が設置されている環境の相対湿度値を検出する構成部である。
【0031】
(AC−DC変換部62)
AC−DC変換部62は、商用電源AC100Vから変圧・整流を行い、例えば、24Vの直流電圧に電圧制御し、その直流電圧を電圧印加部50に印加する構成部である。
【0032】
(電圧設定部31)
電圧設定部31は、湿度検出部61から取得した湿度値に対応する湿度電圧テーブル41を参照して、電圧印加部50(帯電ローラ電圧印加部51、現像ローラ電圧印加部52、感光体ドラム電圧印加部53、転写ローラ電圧印加部54)が印加する電圧値を決定する。
【0033】
(湿度電圧テーブル41)
湿度電圧テーブル41は、画像形成装置1が設置されている環境の相対湿度値に応じて、ブラック、イエロー、マゼンタ、および、シアンの4色分の現像器102(102K、102Y、102M、102C)それぞれが備える、感光体ドラム芯金209に印加する電圧値と、帯電ローラ芯金205に印加する電圧値と、現像ローラ芯金207に印加する電圧値と、転写ローラ芯金211に印加する電圧値とが対応付けて記憶されたデータベースである。
【0034】
第1の実施形態における湿度電圧テーブル41は、湿度が比較的低いとき(湿度50%RH程度)において画像形成に適した電圧値が記録された常湿用湿度電圧テーブル411と、湿度が比較的高いとき(湿度80%RH程度)において画像形成に適した電圧値が記録された多湿用湿度電圧テーブル412とを備える。
多湿用湿度電圧テーブル412は、各色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)における感光体ドラム109と転写ローラ111とによる圧接箇所のニップ部Nの電位が各現像器(102K、102Y、102M、102C)で略同一になるように、感光体ドラム芯金209、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、転写ローラ芯金211に印加すべき電圧値が記憶されている。
【0035】
この常湿用湿度電圧テーブル411および多湿用湿度電圧テーブル412に記憶された湿度値と各芯金に印加する電圧値とは、予め実験で得られた値である。この多湿用湿度電圧テーブル412は、記録媒体としての普通紙が水分を吸収して、普通紙の表面電気抵抗がリーク電流が流れやすい抵抗値になったときの湿度で用いる湿度電圧テーブルである。
図4に示す
常湿用湿度電圧テーブル411は、感光ドラム芯金209が0Vの場合の設定であり、各転写ローラ芯金211への印加電圧は、ブラックに比べて、イエロー、マゼンタ、シアンの順に100Vずつ高く設定している。
【0036】
このように転写電圧に差があるため、各ニップ部N(
図2)における電位は、ブラックからイエロー、マゼンタ、シアンの順に高くなる。ここで、画像形成装置1が設置されている環境の湿度が比較的高いとき、記録媒体17として紙媒体(用紙)を用いた場合、用紙17の表面電気抵抗値が低くなり、導電性が高くなった。そのため、ニップ部N間で漏れ電流が流れてしまう。
そこで、湿度が高い場合は、各ニップ部N(
図2)における電位差が少なくなるように、印加電圧をシフトさせた多湿用湿度電圧テーブル412を用いる。
【0037】
図5に示す多湿用湿度電圧テーブル412は、常湿用湿度電圧テーブル411に設定された値に基づき設定された値である。
リーク電流を防止するため、上流側に位置する転写ローラ芯金211(211K)の電位と、下流側に位置する転写ローラ芯金211(211Y)の電位とが同電位になるように設定される。すなわち、ここでは、
図5に示すように、ブラックの転写ローラ芯金111Kの電位(1000V)に揃えられる。
【0038】
これにより、イエローの転写ローラ芯金211Yの印加電圧は1100V(
図4)から1000V(
図5)とシフトされる。他の、感光体ドラム芯金209Y、帯電ローラ芯金205Yおよび現像ローラ芯金207Yの印加電圧は、この差分−100Vで
図4に示す値をシフトした値である。これにより、
図5に示すように、感光体ドラム芯金209Yの印加電圧は0Vをシフトして−100Vに設定され、帯電ローラ芯金205Yの印加電圧は−1000Vをシフトして−1100Vに設定され、現像ローラ芯金207Yの印加電圧は−200Vをシフトして−300に設定された。
【0039】
同様に、マゼンタの転写ローラ芯金211Mの印加電圧は−200Vシフトされるため、それに伴い、感光体ドラム芯金209M、帯電ローラ芯金205Mおよび現像ローラ芯金207Mの印加電圧を−200Vシフトした値である。シアンの転写ローラ芯金211Cは−300Vシフトされるため、それに伴い、感光体ドラム芯金209C、帯電ローラ芯金205Cおよび現像ローラ芯金207Cの印加電圧を−300Vシフトした値である。
【0040】
(常湿用湿度電圧テーブル411)
図4に常湿用湿度電圧テーブル411の一例を示す。
感光体ドラム芯金209Kには0V、帯電ローラ芯金205Kには−1000V、現像ローラ芯金207Kには−200V、転写ローラ芯金211Kには1000Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Yには0V、帯電ローラ芯金205Yには−1000V、現像ローラ芯金207Yには−200V、転写ローラ芯金211Yには1100Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Mには0V、帯電ローラ芯金205Mには−1000V、現像ローラ芯金207Mには−200V、転写ローラ芯金211Mには1200Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Cには0V、帯電ローラ芯金205Cには−1000V、現像ローラ芯金207Cには−200V、転写ローラ芯金211Cには1300Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
【0041】
(多湿用湿度電圧テーブル412)
図5に多湿用湿度電圧テーブル412の一例を示す。ここで、用紙17の表面電気抵抗値が低く、常湿用湿度電圧テーブル411のように各色の転写ローラ芯金211に印加する電圧値に大きな差があるとき、転写ローラ111間の電位差によりリーク電流が流れやすくなることが実験でわかっている。そのため、多湿用湿度電圧テーブル412は、各色の転写ローラ芯金211に印加する電圧値を同じにして、上流側の転写ローラ111と第1の感光体ドラム109との電位差と、下流側の転写ローラ111と感光体ドラム109との電位差との関係が、2つの電位差間の差分値が小さくなるように、上流側の感光体ドラム109と下流側の感光体ドラム109とに印加する印加電圧値が設定される。
【0042】
感光体ドラム芯金209Kには0V、帯電ローラ芯金205Kには−1000V、現像ローラ芯金207Kには−200V、転写ローラ芯金211Kには1000Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Yには−100V、帯電ローラ芯金205Yには−1100V、現像ローラ芯金207Yには−300V、転写ローラ芯金211Yには1000Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Mには−200V、帯電ローラ芯金205Mには−1200V、現像ローラ芯金207Mには−400V、転写ローラ芯金211Mには1000Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Cには−300V、帯電ローラ芯金205Cには−1300V、現像ローラ芯金207Cには−500V、転写ローラ芯金211Cには1000Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
【0043】
以上の構成を備えることにより、画像形成装置1が設置されている環境の湿度が比較的高いとき、記録媒体17として紙媒体(用紙)を用いた場合、用紙17の表面電気抵抗値が低くなり、導電性が高くなった。
この湿度が高い環境において、従来のように、湿度の高低にかかわらず、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に所定の値の電圧を印加した場合より、本実施形態のように、
図5に示す多湿用湿度電圧テーブル412を用いて、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧値を調整してからその電圧を印加した場合の方が、用紙に良好な画像が形成された。
【0044】
(動作)
図1乃至
図5を参照して、本実施形態の動作を説明する。
画像形成装置1は、制御部30により以下の動作が制御される。
図3に示すように、制御部30は、例えば、画像形成装置1に接続された、PC(Personal Computer)等の上位コントローラからの印刷指示に従い、印刷指示画像の処理、記録媒体17の搬送制御、帯電制御、露光制御、現像制御、転写制御、および、定着制御を行い、その結果として記録媒体17に印刷を行う。
【0045】
順を追って説明すると、制御部30は、画像形成装置1に接続されたPC等の上位コントローラから、印刷指示信号を受信すると、定着器123の制御を開始し、加熱部材124を使用可能な温度に加熱制御する。
【0046】
また、制御部30は、後記する印加電圧制御処理(
図6)を実行し、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧を決定する。
【0047】
制御部30は、定着器123の加熱部材124が使用可能な温度になると、駆動部63を制御して、感光体ドラム109(109K、109Y、109M、109C)を回転させ、その周速度が印刷時の周速度になるまで加速させる。
【0048】
また、制御部30は、同時に駆動部63を制御して、ドライブローラ113の回転を開始させ、ドライブローラ113により転写ベルト114を回転させ、転写ベルト114の線速度が、印刷時の記録媒体17の搬送速度になるまで加速させる。
【0049】
制御部30の電圧設定部31は、感光体ドラム109が回転開始したタイミングで、帯電ローラ電圧印加部51と感光体ドラム電圧印加部53とを制御して、印加電圧制御処理(
図6)で決定した電圧(マイナスの電圧)を帯電ローラ芯金205と感光体ドラム芯金209とに印加する。例えば、
図5の多湿用湿度電圧テーブル412に示すように、感光体ドラム109Kの芯金(感光体ドラム芯金209K)に0Vを印加し、帯電ローラ105Kの芯金(帯電ローラ芯金205K)に−1000Vを印加する。これにより、感光体ドラム109は、帯電ローラ105によって、一様に負極に帯電される。例えば、感光体ドラム109の表面は−600Vに帯電される。
帯電された感光体ドラム109は、露光器103の発光・照射によって、感光体ドラム109の表面にて照射された箇所が放電され、静電潜像が形成される。例えば、感光体ドラム109の照射された箇所は、−600Vの表面電位から放電により約−50Vになる。
【0050】
そして、制御部30は、感光体ドラム109の−50Vに帯電した部分が、回転により現像ローラ107の現像エリアを通過するタイミングで、現像ローラ電圧印加部52を制御して、印加電圧制御処理(
図6)で決定した電圧(マイナスの電圧)、−200Vの電圧を印加する。現像器102は、マイナスに帯電したトナーが付着した現像ローラ107と、感光体ドラム109の−50Vに帯電した部分とが接近することで、現像ローラ107より電位の低い感光体ドラム109にクーロン力によってトナーが移動する。これにより、感光体ドラム109は、感光体ドラム109が可視化(現像)される。
【0051】
制御部30は、駆動部63を制御して感光体ドラム109を回転させる。感光体ドラム109の表面にクーロン力によってトナーが付着した部分(−50Vの表面電位の部分)が、感光体ドラム109と転写ローラ111とが互いに圧接するニップ部N(
図2)に到達した時点で、画像形成装置1は印刷可能な状態となる。
【0052】
次に、制御部30は駆動部63を制御して給紙ローラ118を回転させる。これにより、用紙カセット117から給紙された記録媒体17は、用紙ガイド119に沿って搬送される。記録媒体17は、レジストローラ120、121と転写ベルト114との間に配置された用紙検出センサ122により、記録媒体17の先端が、用紙検出センサ122の位置を通過するタイミングで検出される。検出した用紙検出センサ122は、制御部30に検出信号を通知する。
【0053】
制御部30は、上位コントローラから受信した印刷指示信号に基づいて、記録媒体17に印刷すべき画像を、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンのそれぞれの色に分解し、さらに、露光器103にて静電潜像として書込み可能な画像データヘと変換を行う。
【0054】
そして、記録媒体17は、用紙検出センサ122を通過後、転写ベルト114上に搬送される。
制御部30は、用紙検出センサ122が記録媒体17の先端を検出したタイミングと、用紙検出センサ122とそれぞれの色のニップ部Nまでの距離と、感光体ドラム109上の露光場所から転写場所までの距離と、記録媒体17の搬送速度により、印刷すべき画像が記録媒体17の所望の位置に転写されるタイミングで、露光器103を制御して静電潜像を、感光体ドラム109に書き込ませる。
【0055】
露光器103は、例えば、LEDヘッドなどを用い、トナー像を得たい感光体ドラム109上の部分に対し、例えば、ピッチ600dpiのスポット光を照射する。そして、−600Vに帯電されている感光体ドラム109の表面は、約−50Vの電位となり、感光体ドラム109上に静電潜像が形成される。
【0056】
露光器103により静電潜像が書き込まれた感光体ドラム109の表面は、回転動作により、現像ローラ107の位置に移動し、そこで、露光されて表面電位絶対値が小さくなった部分に、現像ローラ107により、現像剤であるマイナス帯電したトナーが、クーロン力により感光体ドラム109に付着することにより可視像であるトナー像が形成される。
そして、現像されたトナー像が付着する感光体ドラム109の表面は、回転動作により、ニップ部Nに搬送される。
【0057】
そして、制御部30は、転写ローラ電圧印加部54を制御して、印加電圧制御処理(
図6)で決定した電圧を印加する。例えば、
図5の多湿用湿度電圧テーブル412に示すように、転写ローラ111Kの芯金(転写ローラ芯金211K)に1000Vの転写電圧を印加する。この転写ローラ芯金211には、少なくとも記録媒体17がニップ部Nにある間、転写電圧が印加される。
そして、感光体ドラム109上のトナー像は、ニップ部Nにおいて、転写ローラ111に印加されたプラスの高電圧により、クーロン力を受け、記録媒体17上に転写される。
【0058】
以上の動作は、上流に位置するブラックから、イエロー、マゼンタ、シアンの順番で行われる。そして、トナー像が転写された記録媒体17は、定着器123に搬送され、定着器123の加熱部材124による熱と、加熱部材124と圧着部材125との圧力によりトナーが溶かされる。これにより、トナー像が記録媒体17の表面に定着される。
【0059】
定着器123を通過した記録媒体17は、排出センサ130において記録媒体17の後端通過が検出され、排出ローラ126、127により画像形成装置1の装置外に排出される。
【0060】
そして、制御部30は、排出センサ130からの記録媒体17の後端通過の検出信号を受けると、駆動部63に各ローラの回転動作を止めさせる。さらに、制御部30の電圧設定部31は、帯電ローラ電圧印加部51、現像ローラ電圧印加部52、感光体ドラム電圧印加部53、および、転写ローラ電圧印加部54を制御して、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211への電圧の印加を停止する。
【0061】
また、制御部30は、記録媒体17の通過タイミングが異常である場合は、画像形成装置1の動作停止などの処置を行う。この通過タイミングの異常検出は、用紙検出センサ122による記録媒体17の有無検出動作によっても同様に行われる。
【0062】
(印加電圧制御処理動作)
次に、
図6を用いて画像形成装置1が行う印加電圧制御処理について説明する(適宜、
図1乃至
図5を参照)。
上位コントローラから印刷指示信号を受信したことを契機に画像形成装置1の制御部30は、印加電圧制御処理を開始する。
まず、電圧設定部31は、湿度検出部61から現在の湿度値を取得する(ステップS101)。そして、本実施形態における電圧設定部31は、その湿度値が所定の常湿値範囲内であるのか、所定の多湿値範囲内であるのかを判定する(ステップS102)。
湿度値が常湿値範囲内であれば(ステップS102,常湿)、電圧設定部31は、記憶部40の常湿用湿度電圧テーブル411を参照する(ステップS103)。
一方、湿度値が多湿値範囲内であれば(ステップS102,多湿)、電圧設定部31は、多湿用湿度電圧テーブル412を参照する(ステップS104)。
【0063】
そして、電圧設定部31は、ステップS103で参照した常湿用湿度電圧テーブル411またはステップS104で参照した多湿用湿度電圧テーブル412から、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧を決定する(ステップS105)。
これにより、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に所定電圧が印加され、各ニップ部Nの電位が略同一になる。
【0064】
《第2の実施形態》
図7は、
図1の画像形成装置の要部拡大断面図であり、特に、感光体ドラムと転写ローラとを有する現像器と、レジストローラとを拡大した図である。なお、
図7には、感光体ドラムと転写ローラとを圧接するニップ部Nが記載されている。
第2の実施形態に係る画像形成装置1Aが、第1の実施形態に係る画像形成装置1と異なる点は、
図5に示す多湿用湿度電圧テーブル412ではなく、
図8に示す多湿用湿度電圧テーブル412Aを用いる点である。
【0065】
(多湿用湿度電圧テーブル412A)
多湿用湿度電圧テーブル412Aは、多湿用湿度電圧テーブル412と同様に、湿度が比較的高いときにおいて画像形成に適した電圧値が記録されたデータベースである。
多湿用湿度電圧テーブル412Aは、各色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)における感光体ドラム109と転写ローラ111とによる圧接箇所のニップ部Nの電位が各現像器(102K、102Y、102M、102C)で略同一になり、さらに、これらの電位がレジストローラの電位と同一になるように、感光体ドラム芯金209、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、転写ローラ芯金211に印加すべき電圧値が記憶されている。ここで、レジストローラの電位は、接地電位(0V)であるので、ニップ部Nの電位も略接地電位となる。感光体ドラム109と転写ローラ111とから形成されるニップ部Nの電位は、転写ローラ111の芯金の半径と表面の絶縁物の厚さとの比を調整することにより行われる。
この多湿用湿度電圧テーブル412Aに記憶された湿度値と各芯金に印加する電圧値とは、予め実験で得られた値である。
【0066】
図8に多湿用湿度電圧テーブル412Aの一例を示す。
感光体ドラム芯金209Kには−500V、帯電ローラ芯金205Kには−1500V、現像ローラ芯金207Kには−700V、転写ローラ芯金211Kには500Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Yには−600V、帯電ローラ芯金205Yには−1600V、現像ローラ芯金207Yには−800V、転写ローラ芯金211Yには500Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Mには−700V、帯電ローラ芯金205Mには−1700V、現像ローラ芯金207Mには−900V、転写ローラ芯金211Mには500Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
感光体ドラム芯金209Cには−800V、帯電ローラ芯金205Cには−1800V、現像ローラ芯金207Cには−1000V、転写ローラ芯金211Cには500Vの電圧が印加される電圧値が記憶されている。
【0067】
以上の構成を備えることにより、画像形成装置1Aが設置されている環境の湿度が比較的高いとき、多湿用湿度電圧テーブル412Aを用いることで、記録媒体17を介してレジストローラ120、121に電流(リーク電流)が流れることを防ぐことができる。
【0068】
《その他の実施形態》
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されず、適宜変更して実施することが可能である。
例えば、画像形成装置1(1A)は、ユーザが操作する入力部(不図示)や、ユーザに情報を提供する画面を表示する表示部(不図示)を備え、表示部に、湿度に応じて抵抗値が変化する記録媒体17の種類を選択する画面を表示してもよい。この入力部や表示部は制御部30により制御される。制御部30は、ユーザが入力部に入力した情報に基づいて処理を行い、その処理結果に応じて画面を生成して表示部に表示させる。
ここでは、普通紙と、その普通紙より表面電気抵抗値が低い媒体との例を示す。この表面電気抵抗値が低い媒体とは、例えば、透明フィルムに表面コートが施してあるOHP(OverHead Projector)シートである。
【0069】
図9は、記録媒体17が普通紙である場合に用いられる多湿用湿度電圧テーブル412Bを示す。
図10は、記録媒体17がOHPシートである場合に用いられる多湿用湿度電圧テーブル412Cを示す。
これら多湿用湿度電圧テーブル412Bおよび多湿用湿度電圧テーブル412Cは、各色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)における感光体ドラム109と転写ローラ111とによる圧接箇所のニップ部Nの電位が各現像器(102K、102Y、102M、102C)で略同一になるように、感光体ドラム芯金209、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、転写ローラ芯金211に印加すべき電圧値が記憶されている。
多湿用湿度電圧テーブル412Bおよび多湿用湿度電圧テーブル412Cに記憶された湿度値と各芯金に印加する電圧値とは、予め実験で得られた値である。
【0070】
ユーザにより入力部を介して選択された記録媒体17の種類に応じて、電圧設定部31は、普通紙が選択されたときは、多湿用湿度電圧テーブル412Bを用い、OHPシート(普通紙より表面電気抵抗値が低い媒体)が選択されたときは、多湿用湿度電圧テーブル412Cを用いる。
【0071】
(第3の実施形態)
図11は、第3の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
第3の実施形態に係る画像形成装置1Aは、中間転写方式の画像形成装置であり、
図11に示すように、転写媒体としての転写ベルト114Aにトナーを付着してトナー像を形成し、転写ベルト114Aに形成されたトナー像を、再転写ローラとしての転写ローラ111Aaと転写ローラ111Abとで、転写ベルト114Aと印刷媒体としての記録媒体17とを圧着する。これにより、記録媒体17の表面にはトナー像が転写される。
ここで、転写ベルト114Aは、基材と弾性層と粗さ形成粒子およびこの粗さ形成粒子を保持するバインダ層とが積層されて構成されている。
この第3の実施形態に係る中間転写方式の画像形成装置1Aの構成の場合、記録媒体17ではなく、転写ベルト114Aを介して、転写電流が流れてしまう現象(リーク電流)が発生することがあった。
このような画像形成装置1Aの構成であっても、湿度が比較的高い環境下において用いる多湿用湿度電圧テーブル412を予め作成しておけばよい。
【0072】
また、第1の実施形態ないし第3の実施形態において、各色の現像器102(102K、102Y、102M、102C)の転写ローラ芯金211(211K、211Y、211M、211C)に印加する電圧を同一値にしたが(
図5、
図8〜
図10を参照)、リーク電流が許容できるほど小さくなれば、各色の現像器102の転写ローラ芯金211に印加する電圧は同一でなくてもよい。例えば、各色の現像器102の感光体ドラム芯金209、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207および転写ローラ芯金211に印加する電圧値を調整して、実験を繰り返し、最適な電圧値を多湿用湿度電圧テーブル412に設定すればよい。
【0073】
湿度の高低にかかわらず、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧値は所定の値である場合、この湿度が比較的高い環境下にて、電圧設定部31が、
図4に示す常湿用湿度電圧テーブル411を用いてしまうと、湿度が比較的低いときにおける適切な電圧値で、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧値を決定してしまうことになる。すると、
図2に示すように、用紙(記録媒体17)が転写ベルト114に搬送され、感光体ドラム109Kと転写ローラ111Kとにより圧接されると共に、感光体ドラム109Yと転写ローラ111Yとにより圧接されるとき、すなわち、用紙には、感光体ドラム109Kと転写ローラ111Kとによる圧接箇所のニップ部Nkと、感光体ドラム109Yと転写ローラ111Yとによる圧接箇所のニップ部Nyとの2箇所のニップ部Nが形成される。ここで、2箇所のニップ部Nの間で生じた電位差により、内部抵抗値の低い用紙を介して電位の低いニップ部Nkに電流(リーク電流)が流れてしまう現象が発生することがあった。これにより、用紙に十分な転写電流が流れなくなり、用紙上に形成される画像が掠れるなどの転写不良が発生するという問題があった。
【0074】
また、
図7に示すように、用紙(記録媒体17)が転写ベルト114に搬送され、感光体ドラム109Kと転写ローラ111Kとにより圧接されると共に、用紙の後端部がレジストローラ120、121を通過していない、すなわち用紙がレジストローラ120、121と接触するときがある。このレジストローラ120、121にはバイアス電圧が印加されていないため、レジストローラ120、121との接触部Pの電位は0Vである。
ここで、感光体ドラム109Kと転写ローラ111Kとによる圧接箇所のニップ部Nkの電位が0Vではないとき、接触部Pと、ニップ部Nkとの間で生じた電位差により、内部抵抗値の低い用紙を介して電位の低い接触部Pに電流(リーク電流)が流れてしまう現象が発生することがあった。これにより、用紙に十分な転写電流が流れなくなり、用紙上に形成される画像が掠れるなどの転写不良が発生するという問題があった。
【0075】
しかし、第1の実施形態に係る画像形成装置1によれば、この湿度が比較的高い環境下にて、電圧設定部31は、
図5に示す多湿用湿度電圧テーブル412を用いるため、多湿用湿度電圧テーブル412に記録された電圧値で、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧値を決定する。そのため、用紙に、ニップ部Nkとニップ部Nyとの2箇所のニップ部Nが形成されたときのニップ部Nkとニップ部Nyとの電位差は、転写ローラ芯金211に印加する電位差に近似し、約0Vになる。そのため、用紙を介して流れる電流(リーク電流)はほとんどない。そのため、本実施形態によれば、従来のような問題が発生することなく、用紙には良好な画像が形成される。
【0076】
また、第2の実施形態に係る画像形成装置1Aによれば、この湿度が比較的高い環境下にて、電圧設定部31は、多湿用湿度電圧テーブル412Aを用いる。そのため、多湿用湿度電圧テーブル412Aに記録された電圧値で、帯電ローラ芯金205、現像ローラ芯金207、感光体ドラム芯金209、および、転写ローラ芯金211に印加する電圧値を決定する。そのため、用紙が、レジストローラ120、121と接触部Pで接触し、かつ、感光体ドラム109Kと転写ローラ111Kとによりニップ部Nkで圧接されたとき、接触部Pの電位とニップ部Nkの電位との電位差は約0Vである。よって、用紙を介してレジストローラ120、121に流れる電流(リーク電流)はほとんどない。そのため、本実施形態によれば、従来のような問題が発生することなく、用紙には良好な画像が形成される。
【0077】
第1の実施形態ないし第3の実施形態において、用紙に形成されたニップ部N間の電位差(例えば、ニップ部Nkとニップ部Nyとの電位差)を約0Vにするために、転写ローラ111K、111Y、111M、111Cの外周層261を、それぞれ異なる厚さにしてもよい。