特許第6088229号(P6088229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088229
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】飲料用容器の栓体並びに飲料用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/04 20060101AFI20170220BHJP
   B65D 43/22 20060101ALI20170220BHJP
【FI】
   B65D39/04
   B65D43/22
【請求項の数】10
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2012-266315(P2012-266315)
(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-97843(P2014-97843A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年12月7日
(31)【優先権主張番号】特願2012-97534(P2012-97534)
(32)【優先日】2012年4月23日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2012-231708(P2012-231708)
(32)【優先日】2012年10月19日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】510189134
【氏名又は名称】田辺 猛夫
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】田辺 猛夫
【審査官】 秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−274731(JP,A)
【文献】 実開昭62−110155(JP,U)
【文献】 特開2011−235920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上部開口部に着脱自在に取付可能な栓体の上部に注液部設けられ、この注液部と前記容器本体内とを連通する通液路前記栓体に設けられて、この通液路を介して前記容器本体内に収納された飲料を前記注液部に注液し得るように構成されている飲料用容器の栓体において、前記栓体は、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取付可能な外栓部と、この外栓部に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体の上部開口部内に挿入されることでこの上部開口部を密封可能な中栓部とから成り、この中栓部若しくは前記外栓部に突設されている挿入部を、外栓部若しくは中栓部に設けられている取付孔部に挿脱自在に挿入することによって外栓部に中栓部を取付可能構成され、この挿入部を取付孔部に挿入した際に、この挿入部若しくは取付孔部に対して摺動する摺動部取付孔部若しくは挿入部に設けられていると共に、この摺動部が落ち込み摺動する落ち込み部前記挿入部若しくは前記取付孔部に設けられて、摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動することによって前記中栓部が前記外栓部に取付保持されるように構成され、この摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接する密着部前記中栓部若しくは前記外栓部に設けられて、この密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部が密封されるように構成されており、前記取付孔部の孔内縁の対向位置若しくは前記挿入部の外周面の対向位置に前記摺動部が設けられ、この各摺動部が落ち込み摺動する前記落ち込み部が、前記挿入部の外周面の対向位置若しくは前記取付孔部の孔内縁の対向位置に設けられていることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項2】
容器本体の上部開口部に着脱自在に取付可能な栓体の上部に注液部が設けられ、この注液部と前記容器本体内とを連通する通液路が前記栓体に設けられて、この通液路を介して前記容器本体内に収納された飲料を前記注液部に注液し得るように構成されている飲料用容器の栓体において、前記栓体は、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取付可能な外栓部と、この外栓部に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体の上部開口部内に挿入されることでこの上部開口部を密封可能な中栓部とから成り、この中栓部若しくは前記外栓部に突設されている挿入部を、外栓部若しくは中栓部に設けられている取付孔部に挿脱自在に挿入することによって外栓部に中栓部を取付可能に構成され、この挿入部を取付孔部に挿入した際に、この挿入部若しくは取付孔部に対して摺動する摺動部が取付孔部若しくは挿入部に設けられていると共に、この摺動部が落ち込み摺動する落ち込み部が前記挿入部若しくは前記取付孔部に設けられて、摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動することによって前記中栓部が前記外栓部に取付保持されるように構成され、この摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接する密着部が前記中栓部若しくは前記外栓部に設けられて、この密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部が密封されるように構成されており、前記中栓部若しくは前記外栓部に、前記摺動部が前記落ち込み部に落ち込み摺動した際に外栓部若しくは中栓部に接触して外栓部に対する中栓部のガタつきを防止する接触部が設けられていることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項3】
容器本体の上部開口部に着脱自在に取付可能な栓体の上部に注液部が設けられ、この注液部と前記容器本体内とを連通する通液路が前記栓体に設けられて、この通液路を介して前記容器本体内に収納された飲料を前記注液部に注液し得るように構成されている飲料用容器の栓体において、前記栓体は、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取付可能な外栓部と、この外栓部に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体の上部開口部内に挿入されることでこの上部開口部を密封可能な中栓部とから成り、この中栓部若しくは前記外栓部に突設されている挿入部を、外栓部若しくは中栓部に設けられている取付孔部に挿脱自在に挿入することによって外栓部に中栓部を取付可能に構成され、この挿入部を取付孔部に挿入した際に、この挿入部若しくは取付孔部に対して摺動する摺動部が取付孔部若しくは挿入部に設けられていると共に、この摺動部が落ち込み摺動する落ち込み部が前記挿入部若しくは前記取付孔部に設けられて、摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動することによって前記中栓部が前記外栓部に取付保持されるように構成され、この摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接する密着部が前記中栓部若しくは前記外栓部に設けられて、この密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部が密封されるように構成されており、前記注液部に前記取付孔部が設けられて、この取付孔部に前記挿入部を挿入するとこの挿入部と取付孔部との境目が、前記注液部の前記通液路を囲む位置に表出するように構成されており、前記栓体に、前記注液部を閉塞する閉塞蓋が起伏開閉回動自在に設けられ、この閉塞蓋に、この閉塞蓋が前記注液部を閉塞した際に前記通液路を密閉する密閉栓が設けられていると共に、この密閉栓は、通液路を囲む前記境目も密閉可能な形状に形成されていることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項4】
前記挿入部に前記通液路としての通液孔が設けられて、この挿入部を前記取付孔部に挿入するとこの挿入部と取付孔部との境目が、前記注液部の前記通液孔の全周を囲む位置に表出するように構成されており、前記密閉栓は、通液孔の全周を囲む前記境目より径大な形状に形成されていて、この密閉栓が通液孔と共に通液孔周囲の境目を密閉するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の飲料容器の栓体。
【請求項5】
前記摺動部が前記落ち込み部に落ち込もうとする落ち込み摺動途中で、前記取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接する密着部前記中栓部若しくは前記外栓部に設けられて、この密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部が密封されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体。
【請求項6】
前記取付孔部若しくは前記挿入部に、挿入部若しくは取付孔部に圧接する圧接突起設けられて、この圧接突起挿入部若しくは取付孔部に対して圧接摺動する前記摺動部として構成され、挿入部を取付孔部に挿入した際にこの摺動部が圧接摺動する段差面前記挿入部若しくは前記取付孔部に設けられて、この段差面、前記摺動部が圧接摺動する際に落ち込み摺動作用を生じる前記落ち込み部として構成され、この落ち込み部としての段差面への前記摺動部の落ち込み摺動作用により前記挿入部が前記取付孔部に深く挿し込まれて前記密着部が前記取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体。
【請求項7】
前記中栓部若しくは前記外栓部に、前記挿入部の挿入基端部と並設状態にしてこの挿入部より大径形状の前記密着部設けられ、挿入部を取付孔部に深く挿入するにしたがって前記密着部が取付孔部に接近して、前記摺動部が前記落ち込み部に落ち込み摺動した際に密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接するように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体。
【請求項8】
前記摺動部が前記落ち込み部に落ち込もうとする落ち込み摺動作用により、前記密着部が前記取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に衝突して報知音を発生するように、この摺動部と落ち込み部と設定構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体。
【請求項9】
前記外栓部と前記中栓部とを合成樹脂製として、この外栓部若しくは中栓部に前記取付孔部一体成形されていると共に、中栓部若しくは外栓部に前記挿入部と前記密着部と一体成形され、且つ前記取付孔部若しくは前記挿入部に前記摺動部一体成形されていると共に、前記挿入部若しくは前記取付孔部に前記落ち込み部一体成形されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体。
【請求項10】
容器本体の上部開口部に、前記請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体着脱自在に取付られて成ることを特徴とする飲料用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水筒などの飲料用容器の栓体並びに飲料用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水筒などの飲料用容器には、容器本体の上部開口部に、注出口部や飲み口部などの注液部を具備する栓体が取付られている。
【0003】
また、最近の栓体には、容器本体の上部開口部に取付可能な外栓部と、容器本体の上部開口部内に挿入されることでこの上部開口部を密封可能な中栓部とから成り、外栓部に対して中栓部が着脱分離可能に設けられていて、外栓部から中栓部を取外すことで栓体の奥の方まで洗浄・手入れを行えるようにしたものが実施されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、この種の分離可能な栓体には、例えば、中栓部の外周にパッキンが周設されていて、この中栓部を外栓部に取付すると、中栓部と外栓部との隙間がパッキンにより止水されて分離する中栓部と外栓部の隙間からの漏水を防止する密封構造が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3904899号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような分離可能な飲料用容器の栓体の改良に係るもので、パッキンを不要とする安価な構成でありながら、外栓部と中栓部との取付時の密封性を確保できる簡易構造の飲料用容器の栓体並びにこの栓体を具備する飲料用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0008】
容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な栓体Sの上部に注液部3設けられ、この注液部3と前記容器本体1内とを連通する通液路4前記栓体Sに設けられて、この通液路4を介して前記容器本体1内に収納された飲料を前記注液部3に注液し得るように構成されている飲料用容器の栓体Sにおいて、前記栓体Sは、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な外栓部5と、この外栓部5に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体1の上部開口部2内に挿入されることでこの上部開口部2を密封可能な中栓部6とから成り、この中栓部6若しくは前記外栓部5に突設されている挿入部7を、外栓部5若しくは中栓部6に設けられている取付孔部8に挿脱自在に挿入することによって外栓部5に中栓部6を取付可能構成され、この挿入部7を取付孔部8に挿入した際に、この挿入部7若しくは取付孔部8に対して摺動する摺動部9取付孔部8若しくは挿入部7に設けられていると共に、この摺動部9が落ち込み摺動する落ち込み部10前記挿入部7若しくは前記取付孔部8に設けられて、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによって前記中栓部6が前記外栓部5に取付保持されるように構成され、この摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11前記中栓部6若しくは前記外栓部5に設けられて、この密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封されるように構成されており、前記取付孔部8の孔内縁の対向位置若しくは前記挿入部7の外周面の対向位置に前記摺動部9が設けられ、この各摺動部9が落ち込み摺動する前記落ち込み部10が、前記挿入部7の外周面の対向位置若しくは前記取付孔部8の孔内縁の対向位置に設けられていることを特徴とする飲料用容器の栓体に係るものである。
【0009】
また、容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な栓体Sの上部に注液部3が設けられ、この注液部3と前記容器本体1内とを連通する通液路4が前記栓体Sに設けられて、この通液路4を介して前記容器本体1内に収納された飲料を前記注液部3に注液し得るように構成されている飲料用容器の栓体Sにおいて、前記栓体Sは、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な外栓部5と、この外栓部5に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体1の上部開口部2内に挿入されることでこの上部開口部2を密封可能な中栓部6とから成り、この中栓部6若しくは前記外栓部5に突設されている挿入部7を、外栓部5若しくは中栓部6に設けられている取付孔部8に挿脱自在に挿入することによって外栓部5に中栓部6を取付可能に構成され、この挿入部7を取付孔部8に挿入した際に、この挿入部7若しくは取付孔部8に対して摺動する摺動部9が取付孔部8若しくは挿入部7に設けられていると共に、この摺動部9が落ち込み摺動する落ち込み部10が前記挿入部7若しくは前記取付孔部8に設けられて、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによって前記中栓部6が前記外栓部5に取付保持されるように構成され、この摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11が前記中栓部6若しくは前記外栓部5に設けられて、この密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封されるように構成されており、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に外栓部5若しくは中栓部6に接触して外栓部5に対する中栓部6のガタつきを防止する接触部30が設けられていることを特徴とする飲料用容器の栓体に係るものである。
【0010】
また、容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な栓体Sの上部に注液部3が設けられ、この注液部3と前記容器本体1内とを連通する通液路4が前記栓体Sに設けられて、この通液路4を介して前記容器本体1内に収納された飲料を前記注液部3に注液し得るように構成されている飲料用容器の栓体Sにおいて、前記栓体Sは、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な外栓部5と、この外栓部5に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体1の上部開口部2内に挿入されることでこの上部開口部2を密封可能な中栓部6とから成り、この中栓部6若しくは前記外栓部5に突設されている挿入部7を、外栓部5若しくは中栓部6に設けられている取付孔部8に挿脱自在に挿入することによって外栓部5に中栓部6を取付可能に構成され、この挿入部7を取付孔部8に挿入した際に、この挿入部7若しくは取付孔部8に対して摺動する摺動部9が取付孔部8若しくは挿入部7に設けられていると共に、この摺動部9が落ち込み摺動する落ち込み部10が前記挿入部7若しくは前記取付孔部8に設けられて、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによって前記中栓部6が前記外栓部5に取付保持されるように構成され、この摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11が前記中栓部6若しくは前記外栓部5に設けられて、この密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封されるように構成されており、前記注液部3に前記取付孔部8が設けられて、この取付孔部8に前記挿入部7を挿入するとこの挿入部7と取付孔部8との境目33が、前記注液部3の前記通液路4を囲む位置に表出するように構成されており、前記栓体Sに、前記注液部3を閉塞する閉塞蓋12が起伏開閉回動自在に設けられ、この閉塞蓋12に、この閉塞蓋12が前記注液部3を閉塞した際に前記通液路4を密閉する密閉栓13が設けられていると共に、この密閉栓13は、通液路4を囲む前記境目33も密閉可能な形状に形成されていることを特徴とする飲料用容器の栓体に係るものである。
【0011】
また、前記挿入部7に前記通液路4としての通液孔4が設けられて、この挿入部7を前記取付孔部8に挿入するとこの挿入部7と取付孔部8との境目33が、前記注液部3の前記通液孔4の全周を囲む位置に表出するように構成されており、前記密閉栓13は、通液孔4の全周を囲む前記境目33より径大な形状に形成されていて、この密閉栓13が通液孔4と共に通液孔4周囲の境目33を密閉するように構成されていることを特徴とする請求項3記載の飲料容器の栓体に係るものである。
【0012】
また、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動途中で、前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11前記中栓部6若しくは前記外栓部5に設けられて、この密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体に係るものである。
【0013】
また、前記取付孔部8若しくは前記挿入部7に、挿入部7若しくは取付孔部8に圧接する圧接突起9設けられて、この圧接突起9挿入部7若しくは取付孔部8に対して圧接摺動する前記摺動部9として構成され、挿入部7を取付孔部8に挿入した際にこの摺動部9が圧接摺動する段差面10前記挿入部7若しくは前記取付孔部8に設けられて、この段差面10、前記摺動部9が圧接摺動する際に落ち込み摺動作用を生じる前記落ち込み部10として構成され、この落ち込み部10としての段差面10への前記摺動部9の落ち込み摺動作用により前記挿入部7が前記取付孔部8に深く挿し込まれて前記密着部11が前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接するように構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体に係るものである。
【0014】
また、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に、前記挿入部7の挿入基端部と並設状態にしてこの挿入部7より大径形状の前記密着部11設けられ、挿入部7を取付孔部8に深く挿入するにしたがって前記密着部11が取付孔部8に接近して、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接するように構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体に係るものである。
【0015】
また、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動作用により、前記密着部11が前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に衝突して報知音を発生するように、この摺動部9と落ち込み部10と設定構成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体に係るものである。
【0016】
また、前記外栓部5と前記中栓部6とを合成樹脂製として、この外栓部5若しくは中栓部6に前記取付孔部8一体成形されていると共に、中栓部6若しくは外栓部5に前記挿入部7と前記密着部11と一体成形され、且つ前記取付孔部8若しくは前記挿入部7に前記摺動部9一体成形されていると共に、前記挿入部7若しくは前記取付孔部8に前記落ち込み部10一体成形されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体に係るものである。
【0017】
また、容器本体1の上部開口部2に、前記請求項1〜のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体S着脱自在に取付られて成ることを特徴とする飲料用容器に係るものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は上述のように構成したから、分離した外栓部と中栓部とを別々に洗浄・手入れして清潔さを保つことができ、しかも本発明は、挿入部を取付孔部に挿入して外栓部に中栓部を取付ると、摺動部の落ち込み部への落ち込み摺動作用によって密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接状態に保持されて取付孔部が密封されるので、外栓部と中栓部とにパッキンによる密封構造が不要で、それだけ安価で簡易な密封構造の栓体を実現可能となるなど、極めて実用性に優れた飲料用容器の栓体並びにこの栓体を具備する極めて実用性に優れた飲料用容器となる。
【0019】
また、請求項1記載の発明においては、取付孔部の孔内縁の対向位置若しくは挿入部の外周面の対向位置に設けられた複数の摺動部が、挿入部の外周面の対向位置若しくは取付孔部の孔内縁の対向位置に設けられた複数の落ち込み部に落ち込み摺動するから、この複数の摺動部の落ち込み摺動作用により密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に安定的に密着当接して良好な密封機能を発揮することになる一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0020】
また、請求項2記載の発明においては、外栓部に対する中栓部のガタつきを防止でき、これにより取付孔部の密封状態が一層良好に維持されることになる極めて実用性に優れた構成の飲料容器の栓体となる。
【0021】
また、請求項3記載の発明においては、密着部が取付孔部の孔縁若しくはこの孔縁近傍に密着当接することによる取付孔部の密封状態の維持に加えて、閉塞蓋が注液部を閉塞した際には密閉栓が注液部に表出する取付孔部と挿入部の境目を密閉することになるので、一層確実な密封性能を発揮する極めて実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0022】
また、請求項4記載の発明においては、通液路(通液孔)と共に挿入部と取付孔部の境目が密閉栓に密閉される構成を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0023】
また、請求項記載の発明においては、密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接してからも、摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動しようとする落ち込み摺動作用が継続的に発揮されるために、密着部が常に取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接し続けて取付孔部の密封状態が良好に維持されることになる一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0024】
また、請求項記載の発明においては、確実に落ち込み摺動作用を生じて密着部を取付孔部に密着させる摺動部と落ち込み部とを、簡易構成にして容易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0025】
また、請求項記載の発明においては、挿入部を取付孔部に挿入することによって確実に取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接して取付孔部を密封する密着部の構成を簡易に設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0026】
また、請求項記載の発明においては、外栓部に中栓部が取付られて取付孔部が密封されたことを報知音によりユーザーが認識できるので、外栓部と中栓部との取付状態が不十分で飲料漏れするような不都合を生じにくい一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0027】
また、請求項記載の発明においては、挿入部を取付孔部に挿入して摺動部が落ち込み部に落ち込み摺動した際に、密着部が取付孔部の孔縁若しくは取付孔部の孔縁近傍に密着当接することになる構成の外栓部と中栓部とを、樹脂成形により簡易に且つ精度良く設計実現可能となる一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】実施例1の飲料用容器を示す斜視図である。
図2】実施例1の、容器本体から栓体を取外して閉塞蓋を開放した状態を示す斜視図である。
図3】実施例1の、容器本体から栓体を取外して閉塞蓋を開放した状態を示す栓体を切り欠いた説明側面図である。
図4】実施例1の栓体を、外栓部と中栓部とに分離した状態を示す説明切欠側面図である。
図5】実施例1の栓体を、外栓部と中栓部とに分離して外栓部を上下反転させた斜視図である。
図6】実施例1の栓体を、外栓部と中栓部とに分離した状態における挿入部と取付孔部との関係を示す部分拡大側断面図である。
図7】実施例1の外栓部に中栓部を取付した状態の摺動部と落ち込み部との関係を示す部分拡大側断面図である。
図8】実施例2の飲料用容器を示す栓体を切り欠いた説明側面図である。
図9】実施例2の、容器本体から栓体を取外して閉塞蓋を開放した状態を示す栓体を切り欠いた説明側面図である。
図10】実施例2の栓体を、外栓部と中栓部とに分離した状態を示す説明切欠側面図である。
図11】実施例2の栓体を、外栓部と中栓部とに分離して外栓部を上下反転させた斜視図である。
図12】実施例2の栓体を、外栓部と中栓部とに分離して外栓部を上下反転させた平面図である。
図13】実施例2の栓体を、外栓部と中栓部とに分離した状態における挿入部と取付孔部との関係並びに接触部と被接触部との関係を示す部分拡大側断面図である。
図14】実施例2の外栓部に中栓部を取付した状態の摺動部と落ち込み部との関係並びに接触部と被接触部との関係を示す部分拡大側断面図である。
図15】実施例3の飲料用容器を示す栓体を切り欠いた説明側面図である。
図16】実施例3の、容器本体から栓体を取外して閉塞蓋を開放した状態を示す栓体を切り欠いた説明側面図である。
図17】実施例3の栓体を、外栓部と中栓部とに分離した状態を示す説明切欠側面図である。
図18】実施例3の栓体を、外栓部と中栓部とに分離して外栓部を上下反転させた斜視図である。
図19】実施例3の栓体を、外栓部と中栓部とに分離して外栓部を上下反転させた平面図である。
図20】実施例3の栓体を示す閉塞蓋を開放した状態の説明平面図である。
図21】実施例3の外栓部に中栓部を取付した状態の摺動部と落ち込み部との関係並びに接触部と被接触部との関係並びに挿入部と取付孔部の境目を密閉栓が密閉する様子を示す部分拡大側断面図である。
図22】実施例3の密閉栓の閉塞蓋への取付構造を示す説明部分拡大分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0030】
容器本体1の上部開口部2に取付けられた本発明の栓体Sの通液路4を介して、容器本体1内に収納された飲料を栓体S上部の注液部3へと注液することができ、この注液部3からコップなどに飲料を注いだり、例えば口を付けることが可能な注液部3を構成した場合には、この注液部3に口を付けて飲料を直接飲むことができる。
【0031】
また、本発明の栓体Sは、容器本体1の上部開口部2から取外して手入れをすることができるが、この栓体Sは、更に前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な外栓部5と、容器本体1の上部開口部2内に挿入されることでこの上部開口部2を密封可能な中栓部6とに分離して夫々を別々に洗浄・手入れすることができ、従って、外栓部5に中栓部6が取付られた状態では手入れが難しい奥の方まで手入れして栓体Sを清潔に保つことが容易に可能である。
【0032】
また、外栓部5と中栓部6とは、中栓部6若しくは前記外栓部5に突設されている挿入部7を、外栓部5若しくは中栓部6に設けられている取付孔部8に挿脱自在に挿入することで取付するが、この際、取付孔部8若しくは挿入部7に設けられている摺動部9が挿入部7若しくは取付孔部8に対して摺動し、この摺動部9が挿入部7若しくは取付孔部8に設けられている落ち込み部10に落ち込み摺動すると、前記中栓部6が前記外栓部5に取付保持されると共に、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に設けられている密着部11が前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接して、取付孔部8が密封されることになる。
【0033】
即ち、摺動部9が落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動作用によって取付孔部8を密封するから、外栓部5と中栓部6とに従来までのようなパッキンによる密封構造を設ける必要がなく、それ故、パッキンを不要とする安価で簡易な分離構造の栓体Sを実現できる。
【0034】
また、例えば、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動途中で、前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11前記中栓部6若しくは前記外栓部5に設けられて、この密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封されるように構成されていれば、摺動部9が落ち込み部10に完全に落ち込む前の落ち込み摺動途中で、密着部11が前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することになる。
【0035】
そのため、密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接した後も、摺動部9が落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動作用が継続的に発揮されることとなり、これにより密着部11が取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接し続けようとするので取付孔部8の密封状態が良好に維持されることになる。
【実施例1】
【0036】
本発明の具体的な実施例1について図1図7に基づいて説明する。
【0037】
本実施例は、図1に示すような携帯型の水筒に適用したもので、容器本体1の上部開口部2に、注液部3としての有底筒状飲口部3(以下、本実施例では注液部3を飲口部3と称す。)を有する栓体Sを着脱自在に設けると共に、この注液部3の底部に、容器本体1内と連通する通液路4(通液孔4)としての注出孔4(以下、本実施例では通液路4を注出孔4と称す。)を貫通形成し、この栓体Sに前記飲口部3を閉塞する閉塞蓋12を起伏回動開閉自在に設けると共に、この閉塞蓋12に、前記注出孔4に向かって突出する密閉栓13を設けて、この密閉栓13が閉塞蓋12で飲口部3を閉塞した際に前記注出孔4の上部を密閉するように構成している。尚、注液部3は、飲口部3以外にも、飲料をコップなどに注ぐタイプを採用しても良いし、その他の構成を採用しても良い。
【0038】
具体的には、容器本体1は、高さのある細長い上部開口型の円筒状容器を採用し、この容器本体1の上部開口部2に、短円筒状の前記栓体Sを着脱自在に装着している。
【0039】
この容器本体1と栓体Sの着脱構造は、容器本体1の上部開口部2付近の外周面に雄螺子部14を形成する一方、栓体Sの内周面に雌螺子部15を一体に設けて、この雌螺子部15を前記雄螺子部14に螺着することで容器本体1の上部開口部2に栓体Sを取付する構造とし、栓体Sの螺脱操作によって容器本体1の上部開口部2から栓体Sを取外しできる構造としている。従って、容器本体1と栓体Sを分離して夫々を別々に洗浄することができ、双方を衛生的に保つことができる構成としている。
【0040】
また、栓体Sに設けた前記飲口部3は、図2図4に示すように、上縁部の一方側が高く、他方側が低くなる傾斜上縁に形成し、高くなっている一方側の上縁部を口付部16として、この口付部16に直接口を付けて飲むことができる構成としている。
【0041】
また、この飲口部3の底面は水平面とし、図3図4に示すように、この水平底面の中央部に飲料注出時の通気孔も兼用し得る大径の円形貫通孔を設けてこの貫通孔を前記注出孔4としている。
【0042】
本実施例の閉塞蓋12は、飲口部3を上方から被嵌して前記口付部16を隠蔽し得る下部開口型で有天の短円筒状体に構成し、この閉塞蓋12の下部周縁部の所定位置を前記栓体S上部の、口付部16の反対側位置に起伏回動自在に枢着している。
【0043】
また、この閉塞蓋12の内側天面の中央部に円筒状の取付部17を突設(垂設)し、この円筒状の取付部17の突出先端部に前記密閉栓13を設けている。
【0044】
また、本実施例の密閉栓13は、大径の前記注出孔4の孔径寸法よりもやや径大な径寸法を有する円板状であって且つ中心部が膨出する形状に形成し、更にこの密閉栓13は、弾性を有するシリコンゴム製として自身の弾性で注出孔4(の孔縁)に圧接する構成としている。
【0045】
また、前記取付部17を有する本実施例の閉塞蓋12は、合成樹脂製として樹脂成形により一体成形している。
【0046】
また、本実施例では、解除押動部23を押動することによって閉塞蓋21が自動起動開放するプッシュオープン機能を備えている。
【0047】
具体的には、閉塞蓋12の枢着部20に弾性体21(トーションバネ21)を設けて、この弾性体21により閉塞蓋12が常に開放起動する方向に回動付勢される構成とすると共に、前記飲口部3を閉塞した状態の閉塞蓋12に係止してこの閉塞蓋12を閉塞状態に保持する係止部22を前記栓体Sに設け、この係止部22の閉塞蓋12への係止状態を押動することで解除する解除押動部23を栓体Sに設けて、この解除押動部23を押動すると係止部22の前記閉塞蓋12に対する係止状態が解除されて前記弾性体21の付勢力により閉塞蓋12が自動開放起動する構成としている。
【0048】
また、この閉塞蓋12に係止して閉塞蓋12を閉塞状態に保持する係止部22(係止爪)は、前記栓体Sの後述する外栓部5上部の前記口付部16側、即ち栓体S(外栓部5)と閉塞蓋12との枢着部20と反対側の周縁部に、外栓部5の上面部より露出状態となるようにして設けている。
【0049】
また、この外栓部5の前記口付部16側の周面に取付用凹部24を凹設して、この取付用凹部24に、前記係止部22と連設形成された前記解除押動部23を突没可動可能に設けて、この解除押動部23を図示省略の弾性体の付勢力に抗して外栓部5の内方側へ押動すると、これに連動して前記係止部22が外栓部5の内方側へ移動する構成としている。
【0050】
一方、前記閉塞蓋12の前記枢着部20と反対側の周縁部に、前記係止部22が係合係止する爪部を垂設状態に一体成形してこの爪部を係合部25とし、閉塞蓋12で飲口部3を閉塞すると、この係合部25と係止部22とが係合係止してこの閉塞状態が前記弾性体の付勢力により維持され(閉塞ロック状態となり)、この閉塞ロック状態で前記解除押動部23を押動操作して係止部22を外栓部5の内方へ移動させると、この係止部22が係合部25から係脱して閉塞ロック状態が解除され、前記弾性体21により閉塞蓋12が自動起動回動して飲口部3が開放する構成としている。
【0051】
また、本実施例では、解除押動部23を押動操作可能な状態と押動操作不能な状態とに切替制御するストッパ体26を栓体Sの外栓部5に設けている。
【0052】
具体的には、外栓部5に形成した前記取付用凹部24を横長形状に形成し、この横長の取付用凹部24内に、取付用凹部24より長さのない横長形状の前記ストッパ体26を嵌合して抜け止め状態に設けると共に、この取付用凹部24内でストッパ体26を左右横方向に往復スライド移動自在に設けている。そして、このストッパ体26を、外栓部5に対して左右いずれか一方向へスライド移動操作することで前記解除押動部23の押動作動が阻止され、他方向へスライド移動操作することで解除押動部23が押動操作可能となるように構成している。
【0053】
また、本実施例では、ストッパ体26と解除押動部23とを栓体S(の外栓部5)の略同じ位置に設けているため、この解除押動部23を操作し得る手の指(例えば親指)でストッパ体26もスライド移動させることができる。即ち、閉塞蓋12を開放する際に、指でストッパ体26を横スライド移動させることに続いて、同じ指で解除押動部23を押動操作して簡単に一連の動作で閉塞蓋12を開放させることができるように構成している。
【0054】
以下、本実施例の栓体Sについて更に詳しく説明する。
【0055】
本実施例の栓体Sは、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な外栓部5と、この外栓部5に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体1の上部開口部2内に挿入されることでこの上部開口部2を密封可能な中栓部6とから成り、この中栓部6若しくは前記外栓部5に突設した挿入部7を、外栓部5若しくは中栓部6に設けた取付孔部8に挿脱自在に挿入することによって外栓部5に中栓部6を取付可能な構成としている。
【0056】
具体的には、本実施例の外栓部5は合成樹脂製とし、前記容器本体1の外径寸法と同等の外径寸法を有する短円筒状であって、上部に前記飲口部3を有する形状に樹脂成形により一体成形し、この外栓部5の上部に前記閉塞蓋12を枢着した構成としている。
【0057】
また、この円筒状外栓部5の内周面に、容器本体1の上部開口部2の雄螺子部14に着脱自在に取付可能な前記雌螺子部15を一体成形している。
【0058】
また、この外栓部5の飲口部3の底面部分を、外栓部5の上下方向に平面視で楕円形に貫通形成してこの楕円形貫通部を前記取付孔部8とすると共に、この取付孔部8は、図3図5に示すように下方へ円筒状に垂下延設する形状に一体成形して上下方向に孔長を有する構成としている。
【0059】
本実施例の中栓部6は合成樹脂製とし、前記外栓部5より一回り径小で前記容器本体1の上部開口部2内に挿入可能な短円筒状に樹脂成形により一体成形している。
【0060】
また、この中栓部6の中心孔を前記注出孔4とし、下部に容器本体1の上部開口部2付近の内周面に密着する漏止用パッキン18を周設した構成としている。
【0061】
また、この中栓部6の上部には、前記取付孔部8の孔長寸法と同等の突出長寸法を有する前記挿入部7を一体成形により突設すると共に、この挿入部7の上部の前記注出孔4の周囲は平坦面に形成して、この挿入部7を前記取付孔部8に挿入して外栓部5に中栓部6を取付すると、挿入部7の上部平坦面が前記飲口部3の底面として表出し機能する構成としている。
【0062】
また、挿入部7は、中栓部6の他の部位より径小な円柱状であって、前記取付孔部8の孔形状に同調する平面視楕円形の円柱状に一体成形している。即ち、挿入部7と取付孔部8の形を合致させることよって挿入部7を取付孔部8に回り止め状態で挿入できて外栓部5に中栓部6を取付可能な構成とし、この取付状態では、挿入部7と取付孔部8の境目33が、飲口部3の底面の前記通液路4の全周を囲む位置に楕円形に表出する構成としている(挿入部7と取付孔部8の形を合致させなければ、取付孔部8に対して挿入部7を挿入できない構成としている。)。
【0063】
また、挿入部7の外周面の対向二箇所に、上下方向に長さを有するスライド突起27を一体成形により突設する一方、このスライド突起27がスライド自在に嵌合するガイド溝28を前記取付孔部8の内周面の対向二箇所に一体成形により凹設して、このスライド突起27とガイド溝28により取付孔部8に対する挿入部7の挿入・挿脱作動がスムーズに行われるようにしている。
【0064】
本実施例では、この挿入部7を取付孔部8に挿入した際に、この挿入部7に対して摺動する摺動部9を取付孔部8に設けると共に、この摺動部9が落ち込み摺動する落ち込み部10を前記挿入部7に設けて、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによって前記中栓部6が前記外栓部5に取付保持される構成とし、この摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11を前記中栓部6に設けて、この密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封される構成としている。
【0065】
具体的には、前記取付孔部8に、挿入部7に圧接する圧接突起9を一体成形により突設して、この圧接突起9を挿入部7に対して圧接摺動する前記摺動部9とし、形を合致させることによって挿入部7を取付孔部8に回り止め状態で挿入した際にこの摺動部9が圧接摺動する凹状段差面10を前記挿入部7に設けて、この凹状段差面10を、前記摺動部9が圧接摺動する際に落ち込み摺動作用を生じる前記落ち込み部10とし、この落ち込み部10の落ち込み摺動作用により前記挿入部7が前記取付孔部8に深く挿し込まれて前記密着部11が前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する構成としている。即ち、摺動部9と落ち込み部10との位置関係を調整することなく、単に挿入部7を取付孔部8に形を合致させて挿入するだけで自動的に摺動部9が落ち込み部10に対して落ち込み摺動する位置関係へと案内されるように設定構成したもので、これによりユーザーが外栓部5と中栓部6の取付(組付)操作に迷うことなく、極めて容易に組付できて後述の報知音を認識可能となるようにしている。
【0066】
また、摺動部9としての圧接突起9は、図4図7に示すような半球状の突起に成形すると共に、前記取付孔部8の上部寄りの孔内縁(孔内面)の対向位置(対向二箇所)に設けている。
【0067】
この各摺動部9が落ち込み摺動する前記落ち込み部10としての凹状段差面10は、前記挿入部7の内方へ凹設する段差面10に成形すると共に、前記挿入部7の上部寄りの外周面の対向位置(対向二箇所)に設けている。
【0068】
また、この落ち込み部10を更に詳しく説明すると、挿入部7の上部寄りの外周面の対向位置に横長方形状の凹部19を一体成形すると共に、この各凹部19の上部の段差を、挿入部7の外周面に対して直角に内方へ向かう(水平内方に向かう)段差面10となるように成形したこの段差面10で構成している。
【0069】
本実施例の密着部11は、前記中栓部6に、前記挿入部7の挿入基端部と並設状態に設けて、挿入部7を取付孔部8に深く挿入するにしたがってこの密着部11が取付孔部8に接近して、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に密着部11が取付孔部8の孔縁及びこの孔縁近傍に密着当接するように構成している。
【0070】
具体的には、中栓部6を、前記挿入部7の挿入基端部より下方側が挿入部7より一回り大径となる形状に一体成形して、挿入部7の挿入基端部の下方にこの挿入部7と連設状態に水平面部11を設け、この水平面部11を前記密着部11としてこの密着部11が前記取付孔部8の下方に延設する孔縁の全周、即ち筒状の取付孔部8の下端部全周に密着当接する構成としている。
【0071】
また、本実施例では、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動途中で、前記取付孔部8の孔縁近傍に密着当接するように、前記摺動部9,前記落ち込み部10並びに前記密着部11の形成位置を設定構成し(摺動部9,落ち込み部10並びに密着部11の形成位置の精度出しを樹脂成形によって行い)、更に落ち込み摺動時には半球状の摺動部9が直角な凹状段差面10に対して良好な落ち込み摺動作用(図7中の矢印のように挿入部7が取付孔部8に対して深く挿し込まれようとする作用)を発揮するため、密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接した後も、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動しようとする良好な落ち込み摺動作用が継続的に発揮されて、密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接し続けて取付孔部8の密封状態が良好に維持されることになる構成としている。尚、落ち込み部10を、挿入部7の挿入基端側に向かって下り傾斜する下り傾斜面に形成して、摺動部9が良好な落ち込み摺動作用を発揮する構成としても良い。
【0072】
また、本実施例では、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動しようとする落ち込み摺動作用により、前記密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に衝突して「パチン」と報知音(合成樹脂同士の衝突音)を生じるように構成し、この報知音の発生により密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接して取付孔部8が確実に密封されたことがユーザーに認識されるように構成している。
【実施例2】
【0073】
本発明の具体的な実施例2について図8図14に基づいて説明する。
【0074】
本実施例は、前記実施例1において、摺動部9の構成を異ならせると共に、外栓部5と中栓部6とに、外栓部6に中栓部5が取付られた状態で外栓部5に対する中栓部6のガタつきを防止するガタつき防止手段29を設けた場合である。
【0075】
先ず、本実施例の摺動部9を説明する。
【0076】
摺動部9は、図10図14に示すような横方向に長さを有する形状であって、側断面形状が半球状の突起(横長の圧接突条9)に成形すると共に、前記取付孔部8の上部寄りの孔内面の対向位置(対向二箇所)に設けている。
【0077】
即ち、この横長の各摺動部9が、前記各凹部19の上部の段差面10(落ち込み部10)の広範囲に対して落ち込み摺動することによって中栓部6と外栓部5とを取付保持する構成であり、この構成は、前記実施例1の圧接突起9(点)が落ち込み摺動する構成に比べて、横長の各圧接突条9(線)が落ち込み摺動しようとする力が実施例1より強く作用するために、この強い落ち込み摺動作用によって中栓部6の外栓部5への取付保持状態がより安定的となり、そのため、前記密着部11の前記取付孔部8の孔縁近傍への密着当接状態(取付孔部8の密封状態)が一層良好に保持されることになると共に、前記密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に衝突することによる報知音量の向上も期待できる構成としている。
【0078】
次に、本実施例の前記ガタつき防止手段29を説明する。
【0079】
ガタつき防止手段29は、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に外栓部5若しくは中栓部6に接触して外栓部5に対する中栓部6のガタつきを防止する接触部30を設けた構成としている。
【0080】
具体的には、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に接触部30を設け、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際にこの接触部30が接触する被接触部31を外栓部5若しくは中栓部6に設けて、接触部30が被接触部31に接触することにより外栓部5に対し中栓部6がガタつこうとする(傾動しようとする)ことが防止される構成としている。
【0081】
更に詳しくは、本実施例では、図11図12に示すように、中栓部6の前記挿入部7の挿入基端部の周囲を平坦面状に形成すると共に、この挿入部7の基端部の周囲の平坦面に、挿入部7の平面視外形状と同調する平面視楕円形であって且つ前記取付孔部8の孔径よりやや径大な形状の水平面部11(密着部11)を、これより周囲の平坦面に対し一段高くなるようにして設け(一体成形し)、この水平面部11とその周囲の平坦面との間の垂直段差面30を前記接触部30としている。
【0082】
一方、図10図13図14に示すように、外栓部5内部の前記解除押動部23側位置に、取付孔部8と小間隔を置いた並設状態にして縦長の角形突起32を設ける(一体成形する)と共に、この突起32は、その下端部が取付孔部8の下方に延設する孔縁の下端よりやや下方に位置する形状に成形して、この突起32下部の外栓部5中心側に存する平面部を前記被接触部31としている。
【0083】
そして、前記挿入部7を前記取付孔部8に挿入して前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、この被接触部30に前記接触部30の一部が接触(面接当接)して前記ガタつき防止作用を発揮するように、接触部30と被接触部31の形成位置関係を設定構成している(図14参照。)。
【0084】
即ち、本実施例では、中栓部6に接触部30を設け、外栓部5に被接触部31を設けた場合を示しているが、これとは逆に外栓部5に接触部30,中栓部6に被接触部31を設ける構成としても良いし、特別な被接触部31を設けずに、外栓部5若しくは中栓部6の適所に接触することでガタつき防止作用を発揮する接触部30を中栓部6若しくは外栓部5に設けることによってガタつき防止手段29を構成しても良い。
【0085】
従って、このように構成した本実施例においては、横長の摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによる中栓部6の外栓部5への取付保持安定性向上作用と、接触部30が被接触部31に接触することによるガタつき防止作用とによって、実施例1の構成よりも著しく外栓部5に対し中栓部6がガタつきにくくなり、これにより前記密着部11の前記取付孔部8の孔縁近傍への密着当接状態(取付孔部8の密封状態)が極めて良好に維持されることになる。
【0086】
他の構成は、前記実施例1と同様であるため、図面に同符号を付すことで詳しく説明することは省略する。
【実施例3】
【0087】
本発明の具体的な実施例3について図15図22に基づいて説明する。
【0088】
本実施例は、前記実施例2において、前記密閉栓13が、前記通液路4(注出孔4)と一緒に、前記飲口部3の底面に表出する挿入部7と取付孔部8の境目33を密閉するように構成した場合である。
【0089】
具体的には、本実施例では、外栓部5の飲口部3の底面部分を、外栓部5の上下方向に平面視で正円形に貫通形成してこの正円形貫通部を前記取付孔部8とすると共に、この取付孔部8は、図15図18に示すように下方へ円筒状に垂下延設する形状に一体成形して上下方向に孔長を有する構成としている。
【0090】
一方、前記中栓部6の上部には、前記取付孔部8の孔長寸法と同等の突出長寸法を有し且つ前記取付孔部8の孔形状に同調する平面視正円形の円柱状部を一体成形により突設して、この円柱状部を前記挿入部7としている。
【0091】
そして、この挿入部7を前記取付孔部8に挿入すると、飲口部3の底面の、前記注出孔4の全周を囲む位置に、挿入部7と取付孔部8の境目33が正円形に表出することになる構成としている(図20参照。)。
【0092】
また、本実施例では、飲口部3の底面が注出孔4に向かって曲面状に下り傾斜する底形状となるように、外栓部5の飲口部3の底面部分の形状と、飲口部3の底面として機能する挿入部7の上面部の前記注出孔4周囲の形状とを設定構成して、この飲口部3に残った飲料が注出孔4から容器本体1内へと戻り易くしている(図16参照。)。
【0093】
本実施例では、前記閉塞蓋12の密閉栓13を、この閉塞蓋12で前記飲口部3を閉塞した際に、密閉栓13が前記注出孔4と共に、前記飲口部3の底面に表出する前記境目33も密閉する形状に形成している。
【0094】
具体的には、密閉栓13は、図20に示すように正円形状の前記境目33よりも径大な正円板状に形成して、この径大な密閉栓13が注出孔4の孔縁とこの注出孔4周囲の前記境目33とに圧接して双方を密閉する構成としている(図15図21参照。)。
【0095】
また、この密閉栓13は、前記注出孔4に向かって下り傾斜する前記飲口部3の底面の形状に同調させて表面(下面)の中心部が最も下方へ突出する円板形状に形成すると共に、この中心部は、更に下方へ円形に膨出する形状に形成して、この円形膨出部34が前記注出孔4に入り込んで膨出部34の周囲の段差が注出孔4の孔縁に密着することになる構成としている。
【0096】
この密閉栓13の閉塞蓋12への取付構造は、図15図22に示すように、密閉栓13の上面側(裏面側)に被嵌筒部35を一体的に突設(立設)し、この被嵌筒部35を前記閉塞蓋12の内側天面の中央部に突設(垂設)した円筒状の前記取付部17に被嵌装着する取付構造としている。
【0097】
また、取付部17の外周面部の対向位置に、この取付部17の筒長さ方向に沿った長さを有する回り止め凸条36を一体的に突設する一方、前記被嵌筒部35の内周面部の対向位置に、この被嵌筒部35の筒長さ方向に沿った長さを有し且つ前記回り止め凸条36が嵌合可能な回り止め凹溝37を一体的に設けて、この回り止め凹溝37を前記回り止め凸条36に位置合せして被嵌筒部35を取付部17にその先端側から被嵌装着することにより、取付部17に対して密閉栓13(被嵌筒部35)が回り止め状態で取付られる構造としている。
【0098】
従って、本実施例によれば、前記密着部11が取付孔部8の孔縁及びこの孔縁近傍に密着当接することによる取付孔部8の密封状態の維持に加えて、閉塞蓋12が注液部3(飲口部3)を閉塞した際には、密閉栓13が飲口部3に表出する取付孔部8と挿入部7の境目33を密閉することによる密閉効果も発揮するため、前記実施例1,2よりも一層確実な密封構造の栓体Sを実現可能となる。
【0099】
他の構成は、前記実施例2と同様であるため、図面に同符号を付すことで詳しく説明することは省略する。
【0100】
尚、本発明は、実施例1〜3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0101】
例えば、実施例1,2では、外栓部5に取付孔部8を設け中栓部6に挿入部7を設けた場合を示しているが、これとは逆に外栓部5に挿入部7を設け中栓部6に取付孔部8を設ける構成としても良い。
【0102】
また、実施例1〜3では、取付孔部8に摺動部9、挿入部7に落ち込み部10を設けた場合を示しているが、これとは逆に取付孔部8に落ち込み部10、挿入部7に摺動部9を設ける構成としても良い。
【符号の説明】
【0103】
1 容器本体
2 上部開口部
3 注液部
4 通液路・通液孔
5 外栓部
6 中栓部
7 挿入部
8 取付孔部
9 摺動部・圧接突起
10 落ち込み部・段差面
11 密着部
12 閉塞蓋
13 密閉栓
30 接触部
33 境目
S 栓体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22