【実施例1】
【0036】
本発明の具体的な実施例1について
図1〜
図7に基づいて説明する。
【0037】
本実施例は、
図1に示すような携帯型の水筒に適用したもので、容器本体1の上部開口部2に、注液部3としての有底筒状飲口部3(以下、本実施例では注液部3を飲口部3と称す。)を有する栓体Sを着脱自在に設けると共に、この注液部3の底部に、容器本体1内と連通する通液路4(通液孔4)としての注出孔4(以下、本実施例では通液路4を注出孔4と称す。)を貫通形成し、この栓体Sに前記飲口部3を閉塞する閉塞蓋12を起伏回動開閉自在に設けると共に、この閉塞蓋12に、前記注出孔4に向かって突出する密閉栓13を設けて、この密閉栓13が閉塞蓋12で飲口部3を閉塞した際に前記注出孔4の上部を密閉するように構成している。尚、注液部3は、飲口部3以外にも、飲料をコップなどに注ぐタイプを採用しても良いし、その他の構成を採用しても良い。
【0038】
具体的には、容器本体1は、高さのある細長い上部開口型の円筒状容器を採用し、この容器本体1の上部開口部2に、短円筒状の前記栓体Sを着脱自在に装着している。
【0039】
この容器本体1と栓体Sの着脱構造は、容器本体1の上部開口部2付近の外周面に雄螺子部14を形成する一方、栓体Sの内周面に雌螺子部15を一体に設けて、この雌螺子部15を前記雄螺子部14に螺着することで容器本体1の上部開口部2に栓体Sを取付する構造とし、栓体Sの螺脱操作によって容器本体1の上部開口部2から栓体Sを取外しできる構造としている。従って、容器本体1と栓体Sを分離して夫々を別々に洗浄することができ、双方を衛生的に保つことができる構成としている。
【0040】
また、栓体Sに設けた前記飲口部3は、
図2〜
図4に示すように、上縁部の一方側が高く、他方側が低くなる傾斜上縁に形成し、高くなっている一方側の上縁部を口付部16として、この口付部16に直接口を付けて飲むことができる構成としている。
【0041】
また、この飲口部3の底面は水平面とし、
図3,
図4に示すように、この水平底面の中央部に飲料注出時の通気孔も兼用し得る大径の円形貫通孔を設けてこの貫通孔を前記注出孔4としている。
【0042】
本実施例の閉塞蓋12は、飲口部3を上方から被嵌して前記口付部16を隠蔽し得る下部開口型で有天の短円筒状体に構成し、この閉塞蓋12の下部周縁部の所定位置を前記栓体S上部の、口付部16の反対側位置に起伏回動自在に枢着している。
【0043】
また、この閉塞蓋12の内側天面の中央部に円筒状の取付部17を突設(垂設)し、この円筒状の取付部17の突出先端部に前記密閉栓13を設けている。
【0044】
また、本実施例の密閉栓13は、大径の前記注出孔4の孔径寸法よりもやや径大な径寸法を有する円板状であって且つ中心部が膨出する形状に形成し、更にこの密閉栓13は、弾性を有するシリコンゴム製として自身の弾性で注出孔4(の孔縁)に圧接する構成としている。
【0045】
また、前記取付部17を有する本実施例の閉塞蓋12は、合成樹脂製として樹脂成形により一体成形している。
【0046】
また、本実施例では、解除押動部23を押動することによって閉塞蓋21が自動起動開放するプッシュオープン機能を備えている。
【0047】
具体的には、閉塞蓋12の枢着部20に弾性体21(トーションバネ21)を設けて、この弾性体21により閉塞蓋12が常に開放起動する方向に回動付勢される構成とすると共に、前記飲口部3を閉塞した状態の閉塞蓋12に係止してこの閉塞蓋12を閉塞状態に保持する係止部22を前記栓体Sに設け、この係止部22の閉塞蓋12への係止状態を押動することで解除する解除押動部23を栓体Sに設けて、この解除押動部23を押動すると係止部22の前記閉塞蓋12に対する係止状態が解除されて前記弾性体21の付勢力により閉塞蓋12が自動開放起動する構成としている。
【0048】
また、この閉塞蓋12に係止して閉塞蓋12を閉塞状態に保持する係止部22(係止爪)は、前記栓体Sの後述する外栓部5上部の前記口付部16側、即ち栓体S(外栓部5)と閉塞蓋12との枢着部20と反対側の周縁部に、外栓部5の上面部より露出状態となるようにして設けている。
【0049】
また、この外栓部5の前記口付部16側の周面に取付用凹部24を凹設して、この取付用凹部24に、前記係止部22と連設形成された前記解除押動部23を突没可動可能に設けて、この解除押動部23を図示省略の弾性体の付勢力に抗して外栓部5の内方側へ押動すると、これに連動して前記係止部22が外栓部5の内方側へ移動する構成としている。
【0050】
一方、前記閉塞蓋12の前記枢着部20と反対側の周縁部に、前記係止部22が係合係止する爪部を垂設状態に一体成形してこの爪部を係合部25とし、閉塞蓋12で飲口部3を閉塞すると、この係合部25と係止部22とが係合係止してこの閉塞状態が前記弾性体の付勢力により維持され(閉塞ロック状態となり)、この閉塞ロック状態で前記解除押動部23を押動操作して係止部22を外栓部5の内方へ移動させると、この係止部22が係合部25から係脱して閉塞ロック状態が解除され、前記弾性体21により閉塞蓋12が自動起動回動して飲口部3が開放する構成としている。
【0051】
また、本実施例では、解除押動部23を押動操作可能な状態と押動操作不能な状態とに切替制御するストッパ体26を栓体Sの外栓部5に設けている。
【0052】
具体的には、外栓部5に形成した前記取付用凹部24を横長形状に形成し、この横長の取付用凹部24内に、取付用凹部24より長さのない横長形状の前記ストッパ体26を嵌合して抜け止め状態に設けると共に、この取付用凹部24内でストッパ体26を左右横方向に往復スライド移動自在に設けている。そして、このストッパ体26を、外栓部5に対して左右いずれか一方向へスライド移動操作することで前記解除押動部23の押動作動が阻止され、他方向へスライド移動操作することで解除押動部23が押動操作可能となるように構成している。
【0053】
また、本実施例では、ストッパ体26と解除押動部23とを栓体S(の外栓部5)の略同じ位置に設けているため、この解除押動部23を操作し得る手の指(例えば親指)でストッパ体26もスライド移動させることができる。即ち、閉塞蓋12を開放する際に、指でストッパ体26を横スライド移動させることに続いて、同じ指で解除押動部23を押動操作して簡単に一連の動作で閉塞蓋12を開放させることができるように構成している。
【0054】
以下、本実施例の栓体Sについて更に詳しく説明する。
【0055】
本実施例の栓体Sは、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取付可能な外栓部5と、この外栓部5に対して着脱分離可能に設けられ前記容器本体1の上部開口部2内に挿入されることでこの上部開口部2を密封可能な中栓部6とから成り、この中栓部6若しくは前記外栓部5に突設した挿入部7を、外栓部5若しくは中栓部6に設けた取付孔部8に挿脱自在に挿入することによって外栓部5に中栓部6を取付可能な構成としている。
【0056】
具体的には、本実施例の外栓部5は合成樹脂製とし、前記容器本体1の外径寸法と同等の外径寸法を有する短円筒状であって、上部に前記飲口部3を有する形状に樹脂成形により一体成形し、この外栓部5の上部に前記閉塞蓋12を枢着した構成としている。
【0057】
また、この円筒状外栓部5の内周面に、容器本体1の上部開口部2の雄螺子部14に着脱自在に取付可能な前記雌螺子部15を一体成形している。
【0058】
また、この外栓部5の飲口部3の底面部分を、外栓部5の上下方向に平面視で楕円形に貫通形成してこの楕円形貫通部を前記取付孔部8とすると共に、この取付孔部8は、
図3〜
図5に示すように下方へ円筒状に垂下延設する形状に一体成形して上下方向に孔長を有する構成としている。
【0059】
本実施例の中栓部6は合成樹脂製とし、前記外栓部5より一回り径小で前記容器本体1の上部開口部2内に挿入可能な短円筒状に樹脂成形により一体成形している。
【0060】
また、この中栓部6の中心孔を前記注出孔4とし、下部に容器本体1の上部開口部2付近の内周面に密着する漏止用パッキン18を周設した構成としている。
【0061】
また、この中栓部6の上部には、前記取付孔部8の孔長寸法と同等の突出長寸法を有する前記挿入部7を一体成形により突設すると共に、この挿入部7の上部の前記注出孔4の周囲は平坦面に形成して、この挿入部7を前記取付孔部8に挿入して外栓部5に中栓部6を取付すると、挿入部7の上部平坦面が前記飲口部3の底面として表出し機能する構成としている。
【0062】
また、挿入部7は、中栓部6の他の部位より径小な円柱状であって、前記取付孔部8の孔形状に同調する平面視楕円形の円柱状に一体成形している。即ち、挿入部7と取付孔部8の形を合致させることよって挿入部7を取付孔部8に回り止め状態で挿入できて外栓部5に中栓部6を取付可能な構成とし、この取付状態では、挿入部7と取付孔部8の境目33が、飲口部3の底面の前記通液路4の全周を囲む位置に楕円形に表出する構成としている(挿入部7と取付孔部8の形を合致させなければ、取付孔部8に対して挿入部7を挿入できない構成としている。)。
【0063】
また、挿入部7の外周面の対向二箇所に、上下方向に長さを有するスライド突起27を一体成形により突設する一方、このスライド突起27がスライド自在に嵌合するガイド溝28を前記取付孔部8の内周面の対向二箇所に一体成形により凹設して、このスライド突起27とガイド溝28により取付孔部8に対する挿入部7の挿入・挿脱作動がスムーズに行われるようにしている。
【0064】
本実施例では、この挿入部7を取付孔部8に挿入した際に、この挿入部7に対して摺動する摺動部9を取付孔部8に設けると共に、この摺動部9が落ち込み摺動する落ち込み部10を前記挿入部7に設けて、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによって前記中栓部6が前記外栓部5に取付保持される構成とし、この摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、前記取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する密着部11を前記中栓部6に設けて、この密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接することによって取付孔部8が密封される構成としている。
【0065】
具体的には、前記取付孔部8に、挿入部7に圧接する圧接突起9を一体成形により突設して、この圧接突起9を挿入部7に対して圧接摺動する前記摺動部9とし、形を合致させることによって挿入部7を取付孔部8に回り止め状態で挿入した際にこの摺動部9が圧接摺動する凹状段差面10を前記挿入部7に設けて、この凹状段差面10を、前記摺動部9が圧接摺動する際に落ち込み摺動作用を生じる前記落ち込み部10とし、この落ち込み部10の落ち込み摺動作用により前記挿入部7が前記取付孔部8に深く挿し込まれて前記密着部11が前記取付孔部8の孔縁若しくは取付孔部8の孔縁近傍に密着当接する構成としている。即ち、摺動部9と落ち込み部10との位置関係を調整することなく、単に挿入部7を取付孔部8に形を合致させて挿入するだけで自動的に摺動部9が落ち込み部10に対して落ち込み摺動する位置関係へと案内されるように設定構成したもので、これによりユーザーが外栓部5と中栓部6の取付(組付)操作に迷うことなく、極めて容易に組付できて後述の報知音を認識可能となるようにしている。
【0066】
また、摺動部9としての圧接突起9は、
図4〜
図7に示すような半球状の突起に成形すると共に、前記取付孔部8の上部寄りの孔内縁(孔内面)の対向位置(対向二箇所)に設けている。
【0067】
この各摺動部9が落ち込み摺動する前記落ち込み部10としての凹状段差面10は、前記挿入部7の内方へ凹設する段差面10に成形すると共に、前記挿入部7の上部寄りの外周面の対向位置(対向二箇所)に設けている。
【0068】
また、この落ち込み部10を更に詳しく説明すると、挿入部7の上部寄りの外周面の対向位置に横長方形状の凹部19を一体成形すると共に、この各凹部19の上部の段差を、挿入部7の外周面に対して直角に内方へ向かう(水平内方に向かう)段差面10となるように成形したこの段差面10で構成している。
【0069】
本実施例の密着部11は、前記中栓部6に、前記挿入部7の挿入基端部と並設状態に設けて、挿入部7を取付孔部8に深く挿入するにしたがってこの密着部11が取付孔部8に接近して、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に密着部11が取付孔部8の孔縁及びこの孔縁近傍に密着当接するように構成している。
【0070】
具体的には、中栓部6を、前記挿入部7の挿入基端部より下方側が挿入部7より一回り大径となる形状に一体成形して、挿入部7の挿入基端部の下方にこの挿入部7と連設状態に水平面部11を設け、この水平面部11を前記密着部11としてこの密着部11が前記取付孔部8の下方に延設する孔縁の全周、即ち筒状の取付孔部8の下端部全周に密着当接する構成としている。
【0071】
また、本実施例では、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込もうとする落ち込み摺動途中で、前記取付孔部8の孔縁近傍に密着当接するように、前記摺動部9,前記落ち込み部10並びに前記密着部11の形成位置を設定構成し(摺動部9,落ち込み部10並びに密着部11の形成位置の精度出しを樹脂成形によって行い)、更に落ち込み摺動時には半球状の摺動部9が直角な凹状段差面10に対して良好な落ち込み摺動作用(
図7中の矢印のように挿入部7が取付孔部8に対して深く挿し込まれようとする作用)を発揮するため、密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接した後も、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動しようとする良好な落ち込み摺動作用が継続的に発揮されて、密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接し続けて取付孔部8の密封状態が良好に維持されることになる構成としている。尚、落ち込み部10を、挿入部7の挿入基端側に向かって下り傾斜する下り傾斜面に形成して、摺動部9が良好な落ち込み摺動作用を発揮する構成としても良い。
【0072】
また、本実施例では、摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動しようとする落ち込み摺動作用により、前記密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に衝突して「パチン」と報知音(合成樹脂同士の衝突音)を生じるように構成し、この報知音の発生により密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に密着当接して取付孔部8が確実に密封されたことがユーザーに認識されるように構成している。
【実施例2】
【0073】
本発明の具体的な実施例2について
図8〜
図14に基づいて説明する。
【0074】
本実施例は、前記実施例1において、摺動部9の構成を異ならせると共に、外栓部5と中栓部6とに、外栓部6に中栓部5が取付られた状態で外栓部5に対する中栓部6のガタつきを防止するガタつき防止手段29を設けた場合である。
【0075】
先ず、本実施例の摺動部9を説明する。
【0076】
摺動部9は、
図10〜
図14に示すような横方向に長さを有する形状であって、側断面形状が半球状の突起(横長の圧接突条9)に成形すると共に、前記取付孔部8の上部寄りの孔内面の対向位置(対向二箇所)に設けている。
【0077】
即ち、この横長の各摺動部9が、前記各凹部19の上部の段差面10(落ち込み部10)の広範囲に対して落ち込み摺動することによって中栓部6と外栓部5とを取付保持する構成であり、この構成は、前記実施例1の圧接突起9(点)が落ち込み摺動する構成に比べて、横長の各圧接突条9(線)が落ち込み摺動しようとする力が実施例1より強く作用するために、この強い落ち込み摺動作用によって中栓部6の外栓部5への取付保持状態がより安定的となり、そのため、前記密着部11の前記取付孔部8の孔縁近傍への密着当接状態(取付孔部8の密封状態)が一層良好に保持されることになると共に、前記密着部11が取付孔部8の孔縁近傍に衝突することによる報知音量の向上も期待できる構成としている。
【0078】
次に、本実施例の前記ガタつき防止手段29を説明する。
【0079】
ガタつき防止手段29は、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に外栓部5若しくは中栓部6に接触して外栓部5に対する中栓部6のガタつきを防止する接触部30を設けた構成としている。
【0080】
具体的には、前記中栓部6若しくは前記外栓部5に接触部30を設け、前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際にこの接触部30が接触する被接触部31を外栓部5若しくは中栓部6に設けて、接触部30が被接触部31に接触することにより外栓部5に対し中栓部6がガタつこうとする(傾動しようとする)ことが防止される構成としている。
【0081】
更に詳しくは、本実施例では、
図11,
図12に示すように、中栓部6の前記挿入部7の挿入基端部の周囲を平坦面状に形成すると共に、この挿入部7の基端部の周囲の平坦面に、挿入部7の平面視外形状と同調する平面視楕円形であって且つ前記取付孔部8の孔径よりやや径大な形状の水平面部11(密着部11)を、これより周囲の平坦面に対し一段高くなるようにして設け(一体成形し)、この水平面部11とその周囲の平坦面との間の垂直段差面30を前記接触部30としている。
【0082】
一方、
図10,
図13,
図14に示すように、外栓部5内部の前記解除押動部23側位置に、取付孔部8と小間隔を置いた並設状態にして縦長の角形突起32を設ける(一体成形する)と共に、この突起32は、その下端部が取付孔部8の下方に延設する孔縁の下端よりやや下方に位置する形状に成形して、この突起32下部の外栓部5中心側に存する平面部を前記被接触部31としている。
【0083】
そして、前記挿入部7を前記取付孔部8に挿入して前記摺動部9が前記落ち込み部10に落ち込み摺動した際に、この被接触部30に前記接触部30の一部が接触(面接当接)して前記ガタつき防止作用を発揮するように、接触部30と被接触部31の形成位置関係を設定構成している(
図14参照。)。
【0084】
即ち、本実施例では、中栓部6に接触部30を設け、外栓部5に被接触部31を設けた場合を示しているが、これとは逆に外栓部5に接触部30,中栓部6に被接触部31を設ける構成としても良いし、特別な被接触部31を設けずに、外栓部5若しくは中栓部6の適所に接触することでガタつき防止作用を発揮する接触部30を中栓部6若しくは外栓部5に設けることによってガタつき防止手段29を構成しても良い。
【0085】
従って、このように構成した本実施例においては、横長の摺動部9が落ち込み部10に落ち込み摺動することによる中栓部6の外栓部5への取付保持安定性向上作用と、接触部30が被接触部31に接触することによるガタつき防止作用とによって、実施例1の構成よりも著しく外栓部5に対し中栓部6がガタつきにくくなり、これにより前記密着部11の前記取付孔部8の孔縁近傍への密着当接状態(取付孔部8の密封状態)が極めて良好に維持されることになる。
【0086】
他の構成は、前記実施例1と同様であるため、図面に同符号を付すことで詳しく説明することは省略する。
【実施例3】
【0087】
本発明の具体的な実施例3について
図15〜
図22に基づいて説明する。
【0088】
本実施例は、前記実施例2において、前記密閉栓13が、前記通液路4(注出孔4)と一緒に、前記飲口部3の底面に表出する挿入部7と取付孔部8の境目33を密閉するように構成した場合である。
【0089】
具体的には、本実施例では、外栓部5の飲口部3の底面部分を、外栓部5の上下方向に平面視で正円形に貫通形成してこの正円形貫通部を前記取付孔部8とすると共に、この取付孔部8は、
図15〜
図18に示すように下方へ円筒状に垂下延設する形状に一体成形して上下方向に孔長を有する構成としている。
【0090】
一方、前記中栓部6の上部には、前記取付孔部8の孔長寸法と同等の突出長寸法を有し且つ前記取付孔部8の孔形状に同調する平面視正円形の円柱状部を一体成形により突設して、この円柱状部を前記挿入部7としている。
【0091】
そして、この挿入部7を前記取付孔部8に挿入すると、飲口部3の底面の、前記注出孔4の全周を囲む位置に、挿入部7と取付孔部8の境目33が正円形に表出することになる構成としている(
図20参照。)。
【0092】
また、本実施例では、飲口部3の底面が注出孔4に向かって曲面状に下り傾斜する底形状となるように、外栓部5の飲口部3の底面部分の形状と、飲口部3の底面として機能する挿入部7の上面部の前記注出孔4周囲の形状とを設定構成して、この飲口部3に残った飲料が注出孔4から容器本体1内へと戻り易くしている(
図16参照。)。
【0093】
本実施例では、前記閉塞蓋12の密閉栓13を、この閉塞蓋12で前記飲口部3を閉塞した際に、密閉栓13が前記注出孔4と共に、前記飲口部3の底面に表出する前記境目33も密閉する形状に形成している。
【0094】
具体的には、密閉栓13は、
図20に示すように正円形状の前記境目33よりも径大な正円板状に形成して、この径大な密閉栓13が注出孔4の孔縁とこの注出孔4周囲の前記境目33とに圧接して双方を密閉する構成としている(
図15,
図21参照。)。
【0095】
また、この密閉栓13は、前記注出孔4に向かって下り傾斜する前記飲口部3の底面の形状に同調させて表面(下面)の中心部が最も下方へ突出する円板形状に形成すると共に、この中心部は、更に下方へ円形に膨出する形状に形成して、この円形膨出部34が前記注出孔4に入り込んで膨出部34の周囲の段差が注出孔4の孔縁に密着することになる構成としている。
【0096】
この密閉栓13の閉塞蓋12への取付構造は、
図15,
図22に示すように、密閉栓13の上面側(裏面側)に被嵌筒部35を一体的に突設(立設)し、この被嵌筒部35を前記閉塞蓋12の内側天面の中央部に突設(垂設)した円筒状の前記取付部17に被嵌装着する取付構造としている。
【0097】
また、取付部17の外周面部の対向位置に、この取付部17の筒長さ方向に沿った長さを有する回り止め凸条36を一体的に突設する一方、前記被嵌筒部35の内周面部の対向位置に、この被嵌筒部35の筒長さ方向に沿った長さを有し且つ前記回り止め凸条36が嵌合可能な回り止め凹溝37を一体的に設けて、この回り止め凹溝37を前記回り止め凸条36に位置合せして被嵌筒部35を取付部17にその先端側から被嵌装着することにより、取付部17に対して密閉栓13(被嵌筒部35)が回り止め状態で取付られる構造としている。
【0098】
従って、本実施例によれば、前記密着部11が取付孔部8の孔縁及びこの孔縁近傍に密着当接することによる取付孔部8の密封状態の維持に加えて、閉塞蓋12が注液部3(飲口部3)を閉塞した際には、密閉栓13が飲口部3に表出する取付孔部8と挿入部7の境目33を密閉することによる密閉効果も発揮するため、前記実施例1,2よりも一層確実な密封構造の栓体Sを実現可能となる。
【0099】
他の構成は、前記実施例2と同様であるため、図面に同符号を付すことで詳しく説明することは省略する。
【0100】
尚、本発明は、実施例1〜3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【0101】
例えば、実施例1,2では、外栓部5に取付孔部8を設け中栓部6に挿入部7を設けた場合を示しているが、これとは逆に外栓部5に挿入部7を設け中栓部6に取付孔部8を設ける構成としても良い。
【0102】
また、実施例1〜3では、取付孔部8に摺動部9、挿入部7に落ち込み部10を設けた場合を示しているが、これとは逆に取付孔部8に落ち込み部10、挿入部7に摺動部9を設ける構成としても良い。