(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6088315
(24)【登録日】2017年2月10日
(45)【発行日】2017年3月1日
(54)【発明の名称】検体分析装置
(51)【国際特許分類】
G01N 35/00 20060101AFI20170220BHJP
【FI】
G01N35/00 C
G01N35/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-69961(P2013-69961)
(22)【出願日】2013年3月28日
(65)【公開番号】特開2014-194347(P2014-194347A)
(43)【公開日】2014年10月9日
【審査請求日】2015年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(72)【発明者】
【氏名】田中 靖志
(72)【発明者】
【氏名】奥村 栄次郎
(72)【発明者】
【氏名】正村 美樹夫
(72)【発明者】
【氏名】松尾 葉子
(72)【発明者】
【氏名】金 大憲
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 史徳
【審査官】
山口 剛
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭55−136957(JP,A)
【文献】
特開2011−203115(JP,A)
【文献】
特開平11−316226(JP,A)
【文献】
特開2006−125978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00 − 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試薬カートリッジを着脱可能に保持する保持手段と、
前記試薬カートリッジの試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段と、
前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段と、
前記光測定手段による測定結果に基づいて前記試薬カートリッジにおける試薬の反転を検出することにより、前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段と
具備することを特徴とする検体分析装置。
【請求項2】
試薬カートリッジを着脱可能に保持する保持手段と、
前記試薬カートリッジの試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段と、
前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段と、
前記光測定手段による測定結果に基づいて前記試薬カートリッジにおける結露を検出することにより、前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする検体分析装置。
【請求項3】
前記試薬カートリッジは、複数のセル槽を有し、
前記光測定手段は、各セル槽毎に光照射及び光検出を行うことを特徴とする請求項1または2に記載の検体分析装置。
【請求項4】
前記光測定手段は、各セル槽毎に上下の少なくとも2位置において光照射及び光検出を行うことを特徴とする請求項3項に記載の検体分析装置。
【請求項5】
連なった複数のセル槽を有する試薬カートリッジを着脱可能に保持する保持手段と、
前記試薬カートリッジの試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段と、
前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける前記連なった複数のセル槽の各セル槽毎に一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段であって、各セル槽毎に上下の少なくとも2位置において光照射及び光検出を行う光測定手段と、
前記光測定手段による測定結果に基づいて前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段と
を具備することを特徴とする検体分析装置。
【請求項6】
前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジを加温する加温手段を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【請求項7】
前記分析手段は、前記試薬カートリッジのセル槽に検体を分注し、所要の吸引、吐出、攪拌を行って測定液を作成する測定液作成手段を備えることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の検体分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液や尿などの検体を分析する検体分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の検体分析装置においては、試薬セル槽をいくつか備えた試薬カートリッジを用いて、検体分析を行うに構成されている。一方、各種分析装置の分析部には通常光が用いられている(特許文献1参照)。
【0003】
ところが、試薬カートリッジは運搬途中の揺れなどによってその試薬セル槽に充填されている試薬の反転が生じることがあった。試薬が反転した状態では、上記分析部にセットすると試薬無しなどの誤検出を行うことが考えられる。また、光による分析では、試薬カートリッジに結露が生じると正確な分析が行えない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−62349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような従来の検体分析装置が有している問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、光による分析部を備えた検体分析装置において、適切な分析を行うことを確保することのできる検体分析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る検体分析装置は、試薬カートリッジを着脱可能に保持する保持手段と、前記試薬カートリッジの試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段と、前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段と、前記光測定手段による測定結果に基づいて
前記試薬カートリッジにおける試薬の反転を検出することにより、前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段と具備することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る検体分析装置
は、試薬カートリッジを着脱可能に保持する保持手段と、前記試薬カートリッジの試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段と、前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段と、前記光測定手段による測定結果に基づいて前記試薬カートリッジにおける結露を検出することにより、前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0008】
本発明に係る検体分析装置では、
前記試薬カートリッジは、複数のセル槽を有し、
前記光測定手段は、各セル槽毎に光照射及び光検出を行うことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る検体分析装置では、
前記光測定手段は、各セル槽毎に上下の少なくとも2位置において光照射及び光検出を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る検体分析装置
は、連なった複数のセル槽を有する試薬カートリッジを着脱可能に保持する保持手段と、前記試薬カートリッジの試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段と、前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける前記連なった複数のセル槽の各セル槽毎に一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段であって、各セル槽毎に上下の少なくとも2位置において光照射及び光検出を行う光測定手段と、前記光測定手段による測定結果に基づいて前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段とを具備することを特徴とする。
【0011】
本発明に係る検体分析装置では、前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジを加温する加温手段を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明に係る検体分析装置では、
前記分析手段は、前記試薬カートリッジのセル槽に検体を分注し、所要の吸引、
吐出、攪拌を行って測定液を作成する測定液作成手段を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る検体分析装置は、前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジにおける一方の側面から他方の側面に向けて光を照射して、前記他方の側面において光を検出して測定を行う光測定手段と、前記光測定手段による測定結果に基づいて前記試薬カートリッジを用いた測定の可否を判定する判定手段とを具備するので、光による分析部を備えた検体分析装置において、適切な分析を行うことを確保することができる。特に、試薬の反転と試薬カートリッジの結露を検出して、適切な分析を行うことを確保することができる。
【0014】
また、本発明に係る検体分析装置では、前記試薬カートリッジは、複数のセル槽を有し、前記光測定手段は、各セル槽毎に光照射及び光検出を行うので、正確な分析が可能である。また、前記光測定手段は、各セル槽毎に上下の少なくとも2位置において光照射及び光検出を行うので、特に試薬カートリッジにおける試薬の反転を検出しやすく、適切な分析を行うことを確保することができる。
【0015】
また、前記保持手段に保持された前記試薬カートリッジを加温する加温手段を備えるので、結露に対してもこれを素早く取り除くことができ、適切な分析を行うことを確保することができる。また、本発明に係る検体分析装置では、分析手段は、前記試薬カートリッジのセル槽に検体を分注し、所要の吸引、突出、攪拌を行って測定液を作成する測定液作成手段を備えるので、このような測定液を作成する測定液作成手段を備える装置において、適切な分析を行うことを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る検体分析装置の実施形態を示す斜視図。
【
図2】本発明に係る検体分析装置の実施形態にセットされる試薬カートリッジを示す図であり、(a)は平面図、(b)は斜視図。
【
図3】本発明に係る検体分析装置の実施形態にセットされる試薬カートリッジについて、第1槽のセルの結露を検出することを示す側面図。
【
図4】本発明に係る検体分析装置の実施形態にセットされる試薬カートリッジについて、第3槽のセルにおける液反転を検出することを示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下添付図面を参照して本発明に係る検体分析装置の実施形態を説明する。各図において同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。本発明の実施形態に係る検体分析装置の斜視図が
図1に示されている。この検体分析装置には、検体や試薬の吸引・吐出を行うためのポンプなどに接続された吸引管11が備えられている。この吸引管11は、超弾性金属により構成することができる。
【0018】
吸引管11は、垂直方向に長い状態でアームやリニアブッシュなどにより保持されている。アームやリニアブッシュなどは、吸引管11を保持した状態で上下移動される。この上下移動の駆動源は、第1のステッピングモータなどにより構成することができる。また、吸引管11の上下移動した位置を検出するための幾つかのセンサが設けられている。
【0019】
上記アームやリニアブッシュなどは、吸引管11を保持した状態で垂直方向と直交する平面において回転される。このため、吸引管11も上記平面において回転する。この回転の駆動源は、第2のステッピングモータなどにより構成することができる。吸引管11の回転した位置を検出するための幾つかのセンサが設けられている。
【0020】
検体分析装置には、上記回転により上記吸引管11が描く円弧に対する法線方向に直線状に延びるスライドレール12が設けられている。スライドレール12上には、スライドレール12において摺動するキャリア13が設けられている。キャリア13の上には試薬カートリッジ20を収容保持するための保持手段であるセルホルダ14が載置され固定されている。セルホルダ14にはリニアステッピングモータ15が接続されている。このリニアステッピングモータ15はスライドレール12上でセルホルダ14を往復運動させるように機能する。
【0021】
キャリア13には結合部材を介してセンサ板16が設けられている。このセンサ板16は、先端が鉤状に形成され、外側に突出した突起部16Aを備える。このセンサ板16における突起部16Aを検出し、セルホルダ14の位置検出を行うためのフォトセンサ17、18が、突起部16Aが通過する所定位置に設けられている。フォトセンサ17はセルホルダ14のイニシャル位置を検出するためのセンサである。フォトセンサ18はセルホルダ14に収納された試薬カートリッジ20におけるセルに対するイジェクト位置を検出するためのセンサである。
【0022】
試薬カートリッジ20は、例えば、
図2(b)に示すように透光性材料により構成される4槽のセル21〜24を備える。第1槽のセル21、第2槽のセル22、第3槽のセル23、第4槽のセル24は、試薬カートリッジ20の長手方向に並べられて結合されており、それぞれの横幅(試薬カートリッジ20の長手方向)の寸法がそれぞれの縦幅方向の寸法よりも短く形成されている。また
図2(a)に示すように、第1槽のセル21の横幅の寸法d1と第4槽のセル24の横幅の寸法d4とは異なる。これに対応して、セルホルダ14の第1槽のセル21と第4槽のセル24が収納される孔部の寸法が設定されているため、セルホルダ14に試薬カートリッジ20を収納する際に左右の向きの取り違えを防止することができる。
【0023】
第1槽のセル21、第2槽のセル22、第3槽のセル23には、それぞれ試薬が所要量入れられ、第4槽のセル24は反応槽とされるため、空室とされる(
図3、
図4)。このように、第4槽のセル24が空室とされているので、試薬カートリッジ20を冷蔵庫などに冷却保存しておき、使用時に室内空気に触れさせてセルホルダ14にセットする場合にも、周囲が結露し難く構成されている。従って、後述する測光による分析の場合に結露除去のための待機時間を短縮することができる。第1槽のセル21、第2槽のセル22、第3槽のセル23、第4槽のセル24は、表面がシール25により封止されている。
【0024】
上記試薬カートリッジ20は、
図1に示されるようにセルホルダ14に収容される。セルホルダ14の両側面には、少なくとも第1槽のセル21、第2槽のセル22、第3槽のセル23、第4槽のセル24に対応する位置に上下に2箇所ずつの孔1a、1b、・・・、4a、4bが形成されている。
図1では、一側面の孔1a、1b、・・・、4a、4bが現れている。これらの孔1a、1b、・・・、4a、4bの高さに対応して、表側面側には発光素子28a、28bが設けられ、裏側面側には受光素子29a、29bが設けられている。発光素子28a、28bから射出された光が上記孔1a、1b、・・・、4a、4bを介してセル内を通過し受光素子29a、29bにおいて受光されたときの光電変換信号に基づいて、試薬カートリッジ20を用いた測定の可否判定(判定手段)、各セルにおける作業監視や測光による分析などが行われる。以上のようにセルホルダ14により試薬カートリッジ20の側面が覆われ、発光素子28a、28bから射出された光が孔1a、1b、・・・、4a、4bを介して受光素子29a、29bへ向かうので、光が不要な方向へ散乱したり放射されたりすることが少なく、適切な光測定を確保することができる。
【0025】
本実施形態に係る検体分析装置には、試薬カートリッジ20を加温する加温手段が備えられている。以下に限定されるものではないが、セルホルダ14の周囲に、図示しない薄膜のシートヒータを巻回して設けることができる。シートヒータにも、上記孔1a、1b、・・・、4a、4bの位置に孔が穿孔されている。このシートヒータによって、例えば金属性のセルホルダ14を加熱することにより試薬カートリッジ20を加温することができる。このため、冷却保存されて結露し易い状態の試薬カートリッジ20を素早く加温して結露により測定待ち時間を短縮することが可能である。
【0026】
スライドレール12上において最先端側にセルホルダ14が押し出されたイジェクト位置では、セルホルダ14は、当該検体分析装置の筐体の図示しないドア近傍まで移動した状態となる。この状態において、オペレータはドアを開けて試薬カートリッジ20をセルホルダ14に収納保持させることができる。また、当該検体分析装置の検体吸引位置は、装置筐体の外側であり、吸引管11の先端部が露出される位置である。この検体吸引位置では、検体が入れられた検体容器をオペレータが持って筐体から露出した吸引管11の先端を検体容器内に導き、検体の吸引を行わせることができる。
【0027】
制御手段30は、CPUなどにより構成することができる。この制御手段30は、前述のセンサなどからの信号に基づき各部を制御して検体分析の処理進行を実行する。具体的には、例えば電源が投入されオペレータによりインジェクトキーが押されると、制御手段30はリニアステッピングモータ15を制御してセルホルダ14を前方へ移動させインジェクト位置へ位置付けてドアを開閉する。オペレータは未使用の試薬カートリッジ20を用意し、当該検体分析装置のセルホルダ14へセットし、ドアを閉成する。
【0028】
上記ドアの閉成を検出して制御手段30は、試薬カートリッジ20がセットされたセルホルダ14をイニシャル位置に移動させる。
【0029】
例えば、この位置において
図3に示すように、発光素子28a、28bから射出された光が孔1a、1bを介して受光素子29a、29bに受光させる状態なる。この
図3は、第1槽のセル21のみについて、孔1a、1bの部分が重なった状態で示した図である。このとき、第1槽のセル21について、下側の孔1bを用いて、発光素子28bにより射出させた光を受光素子29bにて受光し、光量などの変化に基づき結露を検出することができる。勿論、上側の孔1aを用いて、発光素子28aにより射出させた光を受光素子29aにて受光し、光量などの変化に基づき結露を検出するようにしてもよい。このような検出結果に基づき、測定可否を判定し(判定手段)、必要なアラームを表示するなど出力することができる。
【0030】
上記では、第1槽のセル21について、結露の検出を行ったが、キャリア13を動作させてセルホルダ14を移動させ、第2槽のセル22、第3槽のセル23、第4槽のセル24についても、結露の検出を行っても良い。勿論、この検出結果に基づいても、測定可否を判定し(判定手段)、必要なアラームを表示するなど出力することができる。
【0031】
また、例えば、
図4に示すように、発光素子28a、28bから射出された光が孔3a、3bを介して受光素子29a、29bに受光させる状態なったとする。この
図4は、第3槽のセル23のみについて、孔3a、3bの部分が重なった状態で示した図である。このとき、第3槽のセル23の試薬について、上下の孔3a、3bを用いて、発光素子28a、28bにより射出させた光を受光素子29a、29bにて受光し、上下の光量などの比較に基づき液反転を検出することができる。このような検出結果に基づき、測定可否を判定し(判定手段)、必要なアラームを表示するなど出力することができる。
【0032】
上記では、第3槽のセル23の試薬について、液反転の検出を行ったが、キャリア13を動作させてセルホルダ14を移動させ、第1槽のセル21、第2槽のセル22についても、結露の検出を行っても良い。勿論、この検出結果に基づいても、測定可否を判定し(判定手段)、必要なアラームを表示するなど出力することができる。
【0033】
次に、制御手段30は、吸引管11を上昇させて回転させて検体吸引位置に位置付け、ここで吸引管11を下降させてその先端部を検体分析装置の筐体の外部へ露出させ、検体の吸引を行う。即ち、検体が入れられた検体容器をオペレータが持ち、筐体から露出した吸引管11の先端を検体容器内に導き、スイッチを操作して検体の吸引を行わせる。
【0034】
検体の吸引が終了すると、制御手段30は吸引管11を上昇させて回転させて、試薬カートリッジ20の所要のセル(例えば、第1槽のセル21)に位置付け、更に吸引管11を下降させて検体を吐出させる。
【0035】
本実施形態に係る検体分析装置には、試薬カートリッジ20の試薬を用いて検体に対する分析を行う分析手段が備えられる。この分析手段は、CPUなどにより構成される制御手段30やポンプや吸引管11を含んで構成される。分析手段は、上記試薬カートリッジ20の所要槽のセルに検体を分注し、所要の吸引、吐出、攪拌を行って測定液を作成する測定液作成手段を備えることができる。
【0036】
測定液作成手段は、この測定液を第4槽に作成することができる。反応槽である第4槽において発光素子28a、28b及び受光素子29a、29bを用いて測光による分析を行うことができる。
【符号の説明】
【0037】
21〜24 セル
11 吸引管
12 スライドレール
13 キャリア
14 セルホルダ
15 リニアステッピングモータ
16 センサ板
17、18 フォトセンサ
20 試薬カートリッジ
30 制御手段