【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度、独立行政法人情報通信研究機構、「高い臨時設営性を持つ有無線両用通信技術の研究開発」副題「光ファイバ伝送とW帯無線伝送を柔軟に切替可能な通信方式を実現する要素デバイス及びシステム化技術」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ノード対は、前記第1ノード対と前記光受信装置との間の前記光伝送路において、それぞれ異なる位置に複数設けられることを特徴とする請求項2または3に記載の光伝送システム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の例示的な実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、実施形態の説明に必要ではない構成要素については図から省略する。
【0016】
まず、
図4を参照して、本発明の実施形態を説明するための前提となる光伝送システムについて説明する。
図4に示す光伝送システムにおいて、光送信装置400は、RF信号で変調した光信号を光受信装置402へ送信することで、RF信号を光伝送する。
【0017】
図4(A)は、光回線障害(回線断)が発生していない正常運用時の信号伝送経路、
図4(B)は、光回線障害の発生時の信号伝送経路をそれぞれ示している。
図4(A)及び(B)に示すように、光送信装置400と光受信装置402は、光ファイバを介して接続され、その途中に光/無線ノード対404−1〜nが設けられている。光/無線ノード対404−1〜nはそれぞれ、光信号の伝送方向における上流側及び下流側にそれぞれ位置する上流側ノード及び下流側ノードから成る。光/無線ノード対404−1〜nのそれぞれにおける上流側ノードと下流側ノードとの間には、光ファイバ(光回線)406−1〜nがそれぞれ接続されている。また、光/無線ノード対404−1〜nのそれぞれにおける上流側ノードと下流側ノードとの間には、光回線406−1〜nのバックアップ(迂回)用に、無線通信用アンテナを介した、無線伝送路の無線回線408−1〜nが設けられている。
【0018】
図4(A)に示すように、光回線障害が発生していない正常運用時には、光送信装置400から送信された光信号は、光/無線ノード対404−1〜n及び光回線406−1〜nを伝搬して、光受信装置402によって受信される。一方、光/無線ノード対404−1〜nにそれぞれ対応する光回線406−1〜nに光回線障害が発生し、回線断が発生すると、各光/無線ノード対は、接続回線を光回線から無線回線に切り替える。即ち、回線断が発生した光回線に対応する光/無線ノード対の上流側ノード及び下流側ノードは、接続回線を光回線406−1〜nから無線回線408−1〜nに切り替えて、臨時のバックアップ通信を行う。
【0019】
図4(B)は、光回線406−1,406−nに回線断が発生した場合を一例として示しており、光/無線ノード対404−1,404−nはそれぞれ、上流側ノードと下流側ノードとの間の接続回線を、光回線406−1,406−nから無線回線408−1,408−nに切り替えている。このように、光送信装置400と光受信装置402との間の光回線において複数箇所で回線断が発生した場合には、それぞれの箇所における接続回線をバックアップ用の無線回線に切り替えることで、光送受信装置間の通信を継続できる。
【0020】
ここで、
図4(A)及び(B)に示すような、RF信号を光伝送する光伝送システムでは、RF信号で変調された光信号が光ファイバを伝搬する際に生じる波長分散の影響を取り除く必要がある。例えば、光信号のキャリア周波数をf
0、RF信号のキャリア周波数をf
RFとすると、RF信号で強度変調された光信号は、光変調度をmとすると、以下の式(1)で表現される。
cos(2πf
0t)・{1+m・cos(2πf
RFt)}
=cos(2πf
0t)
+(m/2)cos{2π(f
0+f
RF)t}+(m/2)cos{2π(f
0−f
RF)t} (1)
式(1)の右辺において、第1項は、光信号キャリアを示し、第2項及び第3項はそれぞれ、上側波帯及び下側波帯のRF信号成分を示す。
【0021】
式(1)に示すように、上側波帯及び下側波帯の両方のRF信号成分を伝送する両側波帯(DSB)変調を用いる場合、光ファイバ伝搬後のRF信号強度は、上側波帯及び下側波帯のRF信号成分の強度の総和によって定まる。この総和は、これら2つのRF信号成分の位相関係に依存して変化する。このため、RF信号のスループットは、上側波帯及び下側波帯のRF信号成分の位相関係に依存し、特に、位相差がπになると、上側波帯及び下側波帯のRF信号が互いに打ち消し合い、スループットが0となる。上側波帯及び下側波帯のRF信号成分の位相関係の変化は、波長分散の影響によって生じる。このように波長分散に起因したRF信号強度の変化は、一般に、RF位相フェージングと称される。(以下では、このようなRF位相フェージングに起因するRF信号強度の変化を「分散ペナルティ」と称する。)
【0022】
例えば、長さLの光ファイバを伝搬した後の、RF信号スループットP
RFは、以下の式(2)で表現される。
P
RF∝10・log
10{cos
2(πLDλ
02f
RF2/c)} (2)
ここで、Dは光ファイバの分散値、λ
0は光信号キャリアの波長、cは光ファイバ中の光速である。なお、式(2)では、簡略化のため、光ファイバの伝搬損失は考慮しておらず、波長分散によるRF位相フェージングのみを考慮している。
【0023】
図5は、RF信号のキャリア周波数f
RFをパラメータとして、式(2)を用いて計算した、光ファイバ伝送距離に対する分散ペナルティを示す図である。同図では、D=17[ps/nm/km]、λ
0=1550[nm]とし、RF信号のキャリア周波数f
RFを2GHz、30GHz、60GHzの3パターンとして計算している。
図5に示すように、モバイル通信等で広く利用されている2GHzでは、光信号が光ファイバを10kmを伝搬した後にも、分散ペナルティはほとんど発生しない。一方で、ミリ波帯に属する30GHzでは、数kmの光伝送で数dBの分散ペナルティが発生する。更に、60GHzでは、1kmの光伝送で著しい分散ペナルティが生じ、1kmの光伝送すら実現できないことが分かる。
【0024】
このように、キャリア周波数f
RFの増加に伴い、波長分散によるRF位相フェージングに起因した、光受信装置におけるRF信号強度の変化が大きくなり、特にミリ波帯ではその変化が顕著になる。したがって、RF信号を光伝送する光伝送システムでは、RF信号で変調された光信号が光ファイバ伝送路を伝搬する際に生じる波長分散の影響を、適切な分散補償量で補償する必要がある。
【0025】
更に、
図4(A)及び(B)に示すように、光回線における回線断の発生に備えて、冗長用の無線回線を備える光伝送システムでは、上述のように、光送受信装置間の光回線における回線断の発生箇所及び発生数に依存して、補償すべき分散補償量が変化する。これは、回線断が発生した箇所の接続回線を無線回線に切り替えると、光送受信装置間で光信号が光ファイバを伝搬する距離が変化するためである。このため、
図4(A)及び(B)に示すような光伝送システムでは、回線断の発生状況に応じた適切な分散補償量で分散補償を行うことが必要である。
【0026】
<光伝送システムの構成>
次に、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る、RF信号を光伝送する光伝送システムの構成例について説明する。
図1に示す光伝送システムは、RF信号で変調された光信号を送信する光送信装置100と、当該光信号を受信する光受信装置102と、光送信装置100から光受信装置102までの光伝送路の途中に設けられた光/無線ノード対104−1〜nとを備える。なお、本実施形態において、光/無線ノード対104−1は、第1ノード対の一例であり、光/無線ノード対104−2〜nは、第2ノード対の一例である。光伝送システムは、任意の数の光/無線ノード対104−2〜nを備えうる。
【0027】
図1に示すように、光送信装置100と光/無線ノード対104−1とは、光ファイバ20−1で接続され、光/無線ノード対104−nと光受信装置102とは、光ファイバ20−(n+1)で接続されている。また、光/無線ノード対104−1〜nのうちで、隣り合う2つの光無線ノード対は、光ファイバ20−2〜nでそれぞれ接続されている。
【0028】
光/無線ノード対104−1は、光信号の伝送方向における上流側及び下流側にそれぞれ位置する上流側ノード104−1a及び下流側ノード104−1bから成り、光/無線ノード対104−2〜nも同様である。光/無線ノード対104−1〜nのそれぞれにおける上流側ノード及び下流側ノードは、光ファイバ106−1〜nでそれぞれ接続されている。光/無線ノード対104−1において、上流側ノード104−1aの送信アンテナ28−1と下流側ノード104−1bの受信アンテナ30−1との間には、光ファイバ(光回線)106−1のバックアップ(迂回)用の無線回線が設けられており、光/無線ノード対104−2〜nも同様である。後述するように、光/無線ノード対104−1〜nはそれぞれ、上流側ノードと下流側ノードとの間で光伝送路(光ファイバ106−1〜n)に回線断が発生すると、上流側ノードと下流側ノードとの間の接続回線を、光伝送路の光回線から無線伝送路の無線回線に切り替える。
【0029】
図1に示す光伝送システムは、正常運用時(即ち、回線断が生じていない時)には、光送信装置100から光受信装置102までの光伝送路及び光/無線ノード対104−1〜nを介して、光送信装置100から光受信装置102へ、RF信号で変調された光信号を伝送する。即ち、光送信装置100から光受信装置102へ、RF信号を光信号により伝送する。この場合、光送信装置100と光受信装置102との間の光伝送路は、
図1に示すように、光ファイバ20−1〜(n+1)と、光ファイバ106−1〜nとで構成される。
【0030】
本実施形態では、光ファイバ(光回線)106−1〜nは、光ファイバ20−1〜(n+1)よりも、災害発生時等に回線断が発生する可能性が高い場所に設けられており、例えば、架空や橋の下等に配線されているものとする。冗長用の無線回線は、このように回線断が発生する可能性が比較的高い光回線に対応して設けられることが望ましい。
【0031】
図1に示す光伝送システム内で、光ファイバ106−1〜n及び光ファイバ20−1〜(n+1)以外の(
図1に示していない)光ファイバの長さは、波長分散の影響が無視できる程度に短いものとする。なお、
図1では、説明を容易にするため、光伝送路上の任意の箇所に挿入される光増幅器やRF増幅器等を省略している。また、光送信装置100から光受信装置102までの片方向通信の例を示しているが、双方向通信であってもよい。
【0032】
<正常運用時の信号伝送>
次に、
図1に示す光伝送システムにおける、正常運用時の信号伝送について説明する。光送信装置100において、光源(LD:Laser Diode)10は、λ
1の波長で、一定の光強度の連続光を送出し、当該連続光は光変調器12に入射する。光変調器12は、LD10から入射した連続光を、光伝送すべきRF信号14で強度変調する。光変調器12に供給されるRF信号14の強度は、RF増幅器等を適宜挿入することで増幅してもよい。光変調器12に印加するバイアス電圧等については説明を省略する。
【0033】
光送信装置100において、RF信号14で強度変調された波長λ
1の光信号(以下では、「データ光信号」とも称する。)は、波長分割多重光合分波器(WDM OC:Wavelength Division Multiplexing Optical Coupler)16を介して出力され、光ファイバ20−1に入射する。WDM OC16は、波長λ
1のデータ光信号と、後述する波長λ
2の光信号とを、波長合分波する受動光部品である。光ファイバ20−1を伝搬した光信号は、光/無線ノード対104−1の上流側ノード104−1aにおける光スイッチ22−1に入射する。
【0034】
光/無線ノード対104−1において、光スイッチ22−1は、A→Bの接続とA→Cの接続との間で切り替えを行うことで、光信号の伝送路を切り替える能動光デバイスであり、外部からの制御に応じて接続を切り替え可能である。正常運用時には、光スイッチ22−1は、A→Bの接続状態に制御される。これにより、光ファイバ20−1を伝搬した光信号は、光回線106−1に供給される。上流側ノード104−1aと下流側ノード104−1bとの間で、光回線106−1を伝搬した光信号は、下流側ノード104−1bの光スイッチ23−1に入射する。光スイッチ23−1は、光スイッチ22−1と同様の構成を有し、正常運用時には、B→Aの接続状態に制御される。光スイッチ23−1を通過した光信号は、光/無線ノード対104−1の下流側ノード104−1bから出力され、光ファイバ20−2に入射する。当該光信号は、光ファイバ20−2を伝搬して、光/無線ノード対104−2の上流側ノード104−2aにおける光スイッチ22−2に入射する。
【0035】
なお、後述するように、光回線106−1に回線断が発生した際には、光スイッチ22−1は、外部からの制御に応じてA→Cの接続に切り替わり、光スイッチ23−1は、外部からの制御に応じてC→Aの接続に切り替わる。
【0036】
光/無線ノード対104−2において、上流側ノード104−2aの光スイッチ22−2と、下流側ノード104−2bの光スイッチ23−2は、同様の構成を有し、正常運用時には、それぞれA→B及びB→Aの接続状態に制御される。これにより、光信号は、上流側ノード104−2aと下流側ノード104−2bとの間で、光回線106−2を伝搬する。光スイッチ22−2、光回線106−2及び光スイッチ23−2を通過した光信号は、光ファイバ20−3を伝搬して、光/無線ノード対104−3(の上流側ノード104−3aにおける光スイッチ22−3)に入射する。
【0037】
光/無線ノード対104−3〜nは、光/無線ノード対104−2と同様の構成を有しる。このため、正常運用時には、上述と同様、光信号は、光ファイバ20−4〜(n+1)及び光回線106−3〜nで構成される光伝送路を伝搬して、光受信装置102におけるWDM OC60に入射する。
【0038】
光受信装置102において、WDM OC60は、WDM OC16と同様、波長λ
1のデータ光信号と、後述する波長λ
2の光信号とを、波長合分波する受動光部品である。WDM OC60は、波長λ
1のデータ光信号を分散補償器(DCF:Dispersion Compensating Fiber module)62に、波長λ
2の光信号を光送受信器(TRX)68に、それぞれ供給する。
【0039】
光受信装置102において、DCF62は、データ光信号が、光ファイバ20−1〜(n+1)、光回線106−1〜nで構成される光伝送路を伝搬する間に受ける波長分散の影響を補償する。即ち、波長分散により生じたRF位相フェージング及び波形劣化の影響を補償する。DCF62を通過したデータ光信号は、光/電気変換器(O/E:Optical-to-Electrical Converter)64に入射し、光信号から電気信号(無線信号)に変換され、RF信号70として出力される。
【0040】
<光回線障害の発生時の信号伝送>
次に、
図1に示す光伝送システムにおける、光回線障害(回線断)の発生時の信号伝送について説明する。具体的には、光/無線ノード対104−1〜nのうち、回線断が発生した光回線に対応する光/無線ノード対において、接続回線を光回線から冗長用の無線回線に切り替える場合の信号伝送について説明する。
【0041】
(光回線106−1に回線断が発生した場合)
光/無線ノード対104−1に対応する光回線106−1に回線断が発生した場合、光/無線ノード対104−1は、それを検知し、上流側ノード104−1aと下流側ノード104−1bとの間の接続回線を光回線106−1から冗長用の無線回線に切り替える。具体的には、光/無線ノード対104−1は、光スイッチ22−1をA→Cの接続に、光スイッチ23−1をC→Aの接続に、それぞれ切り替える。これにより、光ファイバ20−1を伝搬したデータ光信号は、上流側ノード104−1aにおいて、光スイッチ22−1を介してDCF24へ入射する。DCF24は、分散補償ファイバ、ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG:Fiber Bragg Grating)等で構成され、データ光信号に対して負の波長分散値で分散補償を行う。
【0042】
光/無線ノード対104−1における接続回線が無線回線に切り替わる場合、DCF24は、光ファイバ20−1で受ける波長分散によるRF位相フェージングの影響を補償すればよい。このため、DCF24は、光ファイバ20−1で受ける波長分散量に相当する補償量で、データ信号に対する分散補償を行う。なお、DCF24の分散補償量は、固定値に設定できる。これは、光送信装置100から光/無線ノード対104−1の上流側ノード104−1aまでの間で、データ光信号が光ファイバ内を伝搬する距離は、正常運用時も回線断の発生時も一定であるためである。したがって、DCF24は、光送信装置100と光/無線ノード対104−1との間の光伝送路の伝送路長に対応する補償量で、波長分散補償を行えばよい。なお、本実施形態で、DCF24は、第1ノード対の第1補償手段の一例である。
【0043】
DCF24において分散補償が行われたデータ光信号は、光/電気変換器(O/E:Optical-to-Electrical converter)26によって電気信号(無線信号)に変換される。当該電気信号は、上流側ノード104−1aから、送信アンテナ28−1を介して自由空間へ所定のビーム指向性及び強度で放射される。このようにして、分散補償後の光信号は、無線信号に変換され、無線回線を介して送信される。放射された電気信号は、受信アンテナ30−1を介して下流側ノード104−1bによって受信され、電気/光変換器(E/O:Electrical-to-Optical converter)32−1に入力される。なお、上流側ノード104−1aにおける送信アンテナ28−1の前段、及び下流側ノード104−1bにおける受信アンテナ30−1の直後に、電気信号を増幅するための増幅器を挿入してもよい。
【0044】
光/無線ノード対104−1の下流側ノード104−1bにおいて、E/O32−1は、入力された電気信号(RF信号)で強度変調した光信号(データ光信号)を生成し、WDM OC34−1へ供給する。WDM OC34−1は、WDM OC16及び60と同様、波長λ
1のデータ光信号と、後述する波長λ
2の光信号とを合分波する受動光部品であり、合波した光信号を光スイッチ23−1へ供給する。その後、光スイッチ23−1に供給された光信号は、光スイッチ23−1及び光ファイバ20−2を介して、光/無線ノード対104−2の上流側ノード104−2aに到達する。このようにして、光/無線ノード対104−1に対応する光回線106−1に回線断が発生した場合にも、光回線106−1のバックアップとして、無線回線を介した通信(信号伝送)が可能となる。
【0045】
(光回線106−2に回線断が発生した場合)
光/無線ノード対104−2に対応する光回線106−2に回線断が発生した場合には、光/無線ノード対104−2は、それを検知し、上流側ノード104−2aと下流側ノード104−2bとの間の接続回線を光回線106−2から冗長用の無線回線に切り替える。具体的には、光/無線ノード対104−2は、光スイッチ22−2をA→Cの接続に、光スイッチ23−2をC→Aの接続に、それぞれ切り替える。これにより、光ファイバ20−2を伝搬した光信号は、上流側ノード104−2aにおいて、光スイッチ22−2を介してWDM OC42−2に入射する。WDM OC42−2は、WDM OC16,60と同様、波長λ
1のデータ光信号と、波長λ
2の光信号とを合分波し、分波した波長λ
1のデータ光信号をDCF44−2に供給する。
【0046】
光/無線ノード対104−1のDCF24では、上述のように、光ファイバ20−1で受ける波長分散量のみに対応する補償量で分散補償を行えばよいため、分散補償量を固定値に設定可能である。一方、光/無線ノード対104−2のDCF44−2では、光回線106−1の接続状態を考慮して、分散補償における補償量を決定する必要がある。具体的には、光回線106−1が正常状態である場合、DCF44−2は、光ファイバ20−1,20−2及び光ファイバ(光回線)106−1で受ける波長分散量の総和に対応する補償量で、分散補償を行う。また、光回線106−1に回線断が発生した場合、DCF44−2は、光ファイバ20−1,20−2で受ける波長分散量の総和に対応する補償量で、分散補償を行う。このように、DCF44−2で補償すべき波長分散量には、光回線106−1の接続状態により、2つのパターンが存在する。
【0047】
DCF44−2による分散補償後のデータ光信号は、光回線106−1で回線断が発生した場合の上流側ノード104−1aにおける処理と同様、電気信号に変換され、上流側ノード104−2aから無線回線を介して下流側ノード104−2bに送信される。即ち、DCF44−2から出力されたデータ光信号は、O/E46−2に入射して、電気信号に変換され、送信アンテナ28−2を介して送信される。下流側ノード104−2bは、下流側ノード104−1bと同様の構成を有するため、下流側ノード104−1bと同様の処理を行う。それにより、WDM OC34−2から出力された光信号は、光スイッチ23−2及び光ファイバ20−3を介して、光/無線ノード対104−3に送信される。
【0048】
(光回線106−kに回線断が発生した場合)
光/無線ノード対104−k(k=3,4,...,n)に対応する光回線106−kに回線断が発生した場合、上述のように光回線106−2に回線断が発生した場合と同様に、DCF44−kによる分散補償を行う。
【0049】
例えば、光/無線ノード対104−3のDCF44−3では、光回線106−1,106−2の接続状態を考慮して、分散補償における補償量を決定する必要がある。このため、DCF44−3で補償すべき波長分散量には、光回線106−1,106−2の接続状態により、3つのパターンが存在する。更に、光/無線ノード対104−k(k=2,3,...,n)に一般化すると、光/無線ノード対104−kのDCF44−kで補償すべき波長分散量には、光回線106−1〜(k−1)の接続状態により、k個のパターンが存在する。また、光受信装置102は、光/無線ノード対104−(n+1)に相当するため、DCF62で補償すべき波長分散量には、(n+1)個のパターンが存在することになる。
【0050】
なお、光回線106−k(k=3,4,...,n)に回線断が発生した場合の、DCF44−kによる分散補償後の、光/無線ノード対104−kによるデータ光信号に対する処理は、上述の、光/無線ノード対104−2による処理と同様である。
【0051】
このように、本実施形態に係る光伝送システムにおいて光回線106−k(k=1,2,...,n)に回線断が発生した場合、回線断の発生箇所における接続回線をバックアップ用の無線回線に切り替える。これにより、光伝送路上で回線断が発生した場合にも、光送信装置100と光受信装置102との間で、RF信号の光伝送を継続することが可能である。
【0052】
<DCF44−kの構成>
DCF44−k(k=2,3,...,n)は、DCF24,62と同様、分散補償ファイバ、FBG等で構成される。ただし、DCF44−kでは、光回線106−1〜(k−1)の接続状況に応じて、kパターンの分散補償量で分散補償を行える構成であることが必要である。以下では、第1の例として、DCF44−kを分散補償ファイバで構成する例(
図2)を、第2の例として、DCF44−kをFBGで構成する例(
図3)を、それぞれ説明する。なお、k=n+1とした場合の構成は、光受信装置102(k=n+1)のDCF62の構成に相当する。また、本実施形態で、DCF44−2〜nは、第2ノード対の第1補償手段の一例であり、DCF62は、第2補償手段の一例である。
【0053】
図2は、複数の分散補償ファイバで構成されるDCF44−kの概略的な構成例を示す図である。WDM OC42−kから入射した波長λ
1のデータ光信号は、光スイッチ80を介して、k本の分散補償ファイバ82−1〜kのいずれかに入射する。光スイッチ80は、1×kの構成を有し、光/無線ノード対104−k(の上流側ノード104−ka)内の制御装置(CTL)52−kによって制御される。本実施形態では、CTL52−kは、後述する方法で決定した分散補償量に応じて、光スイッチ80の光接続を切り替えることで、データ光信号に対する分散補償量を制御する。分散補償ファイバ82−1〜kのいずれかを伝搬したデータ光信号は、光カプラ(OC:Optical Coupler)84を介して、O/E46−kへ入射する。
【0054】
分散補償ファイバ82−1〜kは、それぞれ長さが異なり、それぞれの長さは異なる波長分散の補償量に対応している。即ち、分散補償ファイバ82−1〜kのいずれを使用するかを選択することによって、その長さに対応する補償量で、データ光信号に対する分散補償を行うことが可能である。光ファイバ20−1〜k及び光ファイバ(光回線)106−1〜(k−1)のそれぞれの長さ、または、各光ファイバで受ける波長分散量を予め把握することで、分散補償ファイバ82−1〜kのそれぞれの長さを決定できる。即ち、光送信装置100と光/無線ノード対104−k(の上流側ノード104−ka)との間に配置されている各光ファイバの接続状態に依存した、k個の補償すべき波長分散量を予め求め、それらに基づいて、各分散補償ファイバの長さを決定すればよい。
【0055】
次に、
図3は、複数のFBGで構成されるDCF44−kの概略的な構成例を示す図である。WDM OC42−kから入射した波長λ
1のデータ光信号は、光スイッチ80を介して、k個の光サーキュレータ86−1〜kのいずれかに入射する。光サーキュレータ86−1〜kは、特定の方向にのみ光信号を導く受動光部品であり、光スイッチ80から入射したデータ光信号をFBG88−1〜kにそれぞれ供給する。
【0056】
FBG88−1〜kは、入射したデータ光信号を、グレーティング部分で反射させ、反射させた光信号を再び光サーキュレータ86−1〜kに供給する。FBG88−1〜kのグレーティング周期を光ファイバの長手方向に変化させることで、異なる波長の光が異なるグレーティング部分で反射するようになる。これにより波長による群遅延時間差を発生させることができる。したがって、光ファイバ20−1〜k及び光ファイバ(光回線)106−1〜(k−1)で受ける波長分散の逆特性になるようにグレーティング部分を設計することで、FBG88−1〜kは波長分散補償器として動作することになる。
【0057】
FBG88−1〜kのいずれか反射した光信号は、対応する光サーキュレータ86−1〜kを通過して、OC84に入射する。OC84に入射した光信号は、OC84を介してO/E46−kへ入射する。
【0058】
<DCF44−kにおける分散補償量の決定方法>
DCF44−k(k=2,3,...,n)及びDCF62における分散補償量を決定するためには、補償すべき波長分散量、即ち、光/無線ノード対104−kまたは光受信装置102に到達するまでに光信号が伝搬した光ファイバ長を把握する必要がある。以下では、光/無線ノード対104−2を例に、分散補償量の決定方法について説明する。
【0059】
光/無線ノード対104−2に対応する光回線106−2に回線断が発生し、上流側ノード104−2aと下流側ノード104−2bとの間の接続回線が無線回線に接続が切り替えられた場合を想定する。この場合、上流側ノード104−2aのCTL52−2は、DCF44−2における波長分散の補償量を決定する必要がある。
【0060】
まず、CTL52−2は、光送受信器(TRX:Optical Transceiver)54を起動する。TRX54−2は、波長λ
1のデータ光信号が伝搬した光ファイバ長を計測するために、波長λ
1とは異なる波長λ
2の光信号を、試験的に送受信する。なお、TRX54−2が送信する波長λ
2の光信号は、単一パルスでもよいし、制御信号であってもよく、任意の光信号を使用可能である。
【0061】
TRX54−2は、CTL52−2からのクロック(CLK)を参照して、波長λ
2の光信号(以下では、「試験光」とも称する。)を一定の周期で、光伝送路を介して上流側に送信する。なお、DCF44−2の分散補償量は、試験光を一回送信するのみで決定可能であるが、災害発生時等には、その状況に応じて光回線106−1の接続状態が変化する可能性もあるため、定期的に計測するとよい。
【0062】
TRX54−2から出力された試験光は、WDM OC42−2を介して光スイッチ22−2に入射する。光スイッチ22−2は、光回線106−2における回線断の発生により、既にC→Aの接続に切り替わっている。このため、光スイッチ22−2は、入射した試験光を、光ファイバ20−2に供給する。これにより、光/無線ノード対104−2の上流側ノード104−2aから、上流側の光ファイバ20−2へ、試験光が出力される。光ファイバ20−2を伝搬した波長λ
2の光信号(試験光)は、光/無線ノード対104−1の下流側ノード104−1bに到達し、光スイッチ23−1に入射する。
【0063】
(光回線106−1が正常である場合)
ここで、光/無線ノード対104−1に対応する光回線106−1が正常である場合、光スイッチ23−1,22−1の接続状態は、それぞれA→B及びB→Aである。このため、光スイッチ23−1に到達した試験光は、下流側ノード104−1bから上流側ノード104−1aまで、光回線106−1を伝搬し、更に光ファイバ20−1を伝搬することで光送信装置100に到達し、WDM OC16に入射する。WDM OC16で分波された波長λ
2の試験光は、光反射器18において反射し、再びWDM OC16に入射する。なお、光反射器18は、入射した光をほぼ全反射させる構成であることが望ましく、ミラーやFBGで構成できる。このようにして、光反射器18は、光伝送路を介して下流側から受信された試験光を、当該光伝送路を介して下流側へ伝搬するように反射させる。
【0064】
光反射器18で反射した試験光は、WDM OC16において、波長λ
1のデータ光信号と合波され、光送信装置100から光ファイバ20−1に出力される。光送信装置100から出力された、試験光を含む光信号は、光ファイバ20−1、光回線106−1及び光ファイバ20−2を伝搬して、再び光/無線ノード対104−2の上流側ノード104−2aに到達する。上流側ノード104−2aにおいて、波長λ
2の試験光は、WDM OC42−2を介して、TRX54−2によって受信される。このようにして、TRX54−2は、光伝送路を介して試験光を上流側に送信し、光反射器18または光反射器36−1(ここでは光反射器18)で反射して当該光伝送路を伝搬してきた試験光を受信する。
【0065】
CTL52−2は、TRX54−2に指示した試験光の送信時刻を把握している。このため、CTL52−2は、TRX54−2が試験光を送信した時刻と試験光を受信した時刻との差、即ち、往復伝搬遅延時間(RTT:Round Trip Time)を計測することで、試験光が伝搬した光ファイバ長(伝送路長)を算出することができる。具体的には、光ファイバ内の光速をRTTの半分の値で乗算すれば、試験光が伝搬した光ファイバ長が求められる。
【0066】
上述のように、光ファイバ20−1,20−2及び光回線106−1以外の光ファイバ長が無視できる程度に短いものとすると、試験光が伝搬した光ファイバ長は、データ光信号が伝搬する光ファイバ長と等しい。このため、CTL52−2は、試験光が伝搬した光ファイバ長を求めることにより、データ光信号が伝搬する光ファイバ長、即ち、補償すべき波長分散量を決定することが可能である。したがって、CTL52−2は、DCF44−2における波長分散の補償量が、データ光信号が伝搬する光ファイバ長に対応する値となるように、DCF44−2内の光スイッチ80の接続の切替制御を行えばよい。これにより、DCF44−2は、光信号が伝搬する光ファイバ長(伝送路長)を伝搬する間に受ける波長分散を補償する補償量で、波長分散補償を行う。
【0067】
(光回線106−1に回線断が発生している場合)
一方、光/無線ノード対104−1に対応する光回線106−1に回線断が発生している場合、光スイッチ23−1,22−1の接続状態は、それぞれA→C及びC→Aである。このため、光スイッチ23−1に到達した、波長λ
2の試験光は、WDM OC34−1を介して、光反射器36−1に入射する。光反射器36−1は、光反射器18と同様、入射した試験光を反射させ、再びWDM OC34−1に入射させる。なお、光反射器36−1は、光反射器18と同様、入射した光をほぼ全反射させる構成であることが望ましく、ミラーやFBGで構成できる。このようにして、光反射器36−1は、光伝送路を介して下流側から受信された試験光を、当該光伝送路を介して下流側へ伝搬するように反射させる。
【0068】
光反射器36−1で反射した試験光は、WDM OC34−1において、波長λ
1のデータ光信号と合波され、合波した光信号は、光スイッチ23−1に入射する。当該光信号は、光スイッチ23−1を通過して、光/無線ノード対104−1の下流側ノード104−1bから光ファイバ20−2に出力される。下流側ノード104−1bから出力された、試験光を含む光信号は、光ファイバ20−2を伝搬して、再び光/無線ノード対104−2の上流側ノード104−2aに到達する。上流側ノード104−2aにおいて、波長λ
2の試験光は、WDM OC42−2を介して、TRX54−2によって受信される。このようにして、TRX54−2は、光伝送路を介して試験光を上流側に送信し、光反射器18または光反射器36−1(ここでは光反射器36−1)で反射して当該光伝送路を伝搬してきた試験光を受信する。
【0069】
その後、CTL52−2は、上述の手順と同様に、RTTを計測することで、試験光が伝搬した光ファイバ長を算出する。更に、CTL52−2は、DCF44−2における波長分散の補償量が、データ光信号が伝搬する光ファイバ長に対応する値となるように、DCF44−2内の光スイッチ80の接続の切替制御を行えばよい。
【0070】
光スイッチ80の接続の切替制御を行うために、CTL52−2は、RTTと光スイッチ80の接続とを対応付けたテーブルを予め保持していればよい。CTL52−2は、当該テーブルを参照することで、計測したRTTと対応付けられた光スイッチ80の接続を特定し、光スイッチ80を、当該特定した接続に切り替える制御を行う。
【0071】
また、光/無線ノード対104−2よりも下流側に位置する、光/無線ノード対104−3〜nのいずれかの上流側ノードから送信された試験光が、光ファイバ20−3を伝搬し、下流側ノード104−2bに到達した場合、当該試験光は以下のように伝搬する。光回線106−2が正常である場合、試験光は、光ファイバ20−2を伝搬して光/無線ノード対104−1の下流側ノード104−1bに伝搬し、下流側ノード104−1bの光反射器36−1または光送信装置100の光反射器18で反射する。反射した試験光は、反射前に通過してきた光伝送路を戻り、当該試験光を送信したTRX54−3〜nで受信される。
【0072】
一方、光回線106−2に回線断が発生している場合、光信号は、光スイッチ23−2を介してWDM OC42−2に入射する。WDM OC42−2で分波された、波長λ
2の試験光は、光反射器36−2で反射する。反射した試験光は、再びWDM OC42−2及び光スイッチ23−2を介して、光ファイバ20−3に出力されることで、反射前に通過してきた光伝送路を戻り、当該試験光を送信したTRX54−3〜nで受信される。
【0073】
TRX54−3〜nが、反射した試験光を受信すると、対応するCTL52−3〜nは、上述と同様に、RTTを計測し、DCF44−3〜nによる分散補償量を決定できる。即ち、
図1に示すように、光/無線ノード対104−3〜nは、光/無線ノード対104−2と同様の構成を有するため、光/無線ノード対104−3〜nにおいても同様の手順で、DCF44−3〜nにおける波長分散の補償量を制御可能である。
【0074】
上述の実施形態では、DCF24,44−1〜n,62で波長分散を補償する例について説明してきた、電気分散補償(EDC:Electrical Dispersion Compensation)によって波長分散を補償することも可能である。この場合、EDC機能を有する信号処理部を、送信アンテナ28−1〜nの前段及びO/E64の後段に挿入すればよい。なお、RTTは、上述と同様の方法で計測可能である。CTL52−2〜n及び66は、RTTの計測結果に基づいて、かかる信号処理部のEDCを制御すればよい。
【0075】
以上説明したように、本実施形態に係る光伝送システムは、光送信装置100と光受信装置102との間の光伝送路の途中に、上流側ノード及び下流側ノードから成る光/無線ノード対104−1〜nを備える。各光/無線ノード対は、両ノード間の光伝送路(光ファイバ106−1〜n)に回線断が発生すると、両ノード間の接続回線を、光回線からの無線回線に切り替える。光受信装置102は、試験光を光伝送路を介して上流側に送信し、光送信装置100またはいずれかの光/無線ノード対の下流側ノードで反射した試験光を受信することで、試験光のRTTを測定する。更に、光受信装置102は、測定したRTTに応じた補償量で、DCF62により、光送信装置100から受信した光信号に対して分散補償を行う。
【0076】
本実施形態によれば、光回線と無線回線とを切替可能な光/無線ノード対に対応する光回線で回線断が生じたとしても、光送信装置100と光受信装置102との間で、RF信号で変調された光信号が伝搬した光ファイバ長(伝送路長)を求めることが可能である。更に、求めた伝送路長に基づいて分散補償を行うことによって、回線断の発生状況に応じた適切な分散補償量で、RF信号で変調された光信号に対する分散補償を行うことが可能である。
【0077】
また、本実施形態では、光/無線ノード対104−2〜nの上流側ノードも、光受信装置102と同様に、試験光を用いて当該試験光のRTTを測定し、測定したRTTに応じた補償量で、DCF44−2〜nにより、光送信装置100から受信した光信号に対して分散補償を行う。これにより、光回線106−1〜nのうちで回線断が発生した回線数によらず、適切な分散補償量で、RF信号で変調された光信号に対する分散補償を行うことが可能である。
【0078】
<SSB変調を使用する例>
上述の実施形態では、光信号をRF信号でDSB変調して光伝送を行う場合を想定しているが、光信号をRF信号でSSB変調を行う場合には、以下のように、
図1に示す光伝送システムを変更すればよい。一般に、光信号をRF信号でSSB変調した場合には、DSB変調を用いる場合のように、位相フェージングは発生しない。このため、上述のように、試験光を用いてRTTを計測し、その結果に基づいて、DCF44−1〜n,62の分散補償量を制御する必要はない。即ち、
図1における、光反射器18,36−1〜n、WDM OC16,34−1〜n,60、CTL52−1〜n,66、TRX54−1〜n,68は不要である。
【0079】
また、DCF44−1〜nは、光回線106−1〜nに回線断が発生した場合、光受信装置102に到達したデータ光信号が受けている波長分散量が、光回線106−1〜nが正常である場合と同じ量になるよう、正の分散補償値でデータ光信号に対する分散補償を行えばよい。これにより、DCF62の分散補償量は、光回線106−1〜nの接続状態によらず、固定値とすることが可能である。